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あら‐か【△殿・△舎】🔗🔉

あら‐か【殿・舎】 《「在(あ)り処(か)」の意》御殿。宮殿。「出雲国の多芸志(たぎし)の小浜に、天(あめ)の御―をつくりて」〈記・上〉

しん‐がり【△殿】🔗🔉

しん‐がり【殿】 《「しりがり(後駆)」の音変化》退却する軍列の最後尾にあって、敵の追撃を防ぐこと。また、その部隊。「隊の―をつとめる」隊列や順番などの最後。最後尾。「―に控える」

でん‐う【殿宇】🔗🔉

でん‐う【殿宇】 御殿。殿堂。「壮麗な―」

でん‐か【殿下】🔗🔉

でん‐か【殿下】 《古くは「てんが」とも》皇太子・皇族などの敬称。皇太子・皇太子妃・皇太孫・皇太孫妃・親王・親王妃・内親王・王・王妃・女王などに用いる。→陛下(へいか)摂政・関白・将軍の敬称。平安時代以降用いられるようになった。宮殿や御殿の階(きざはし)の下。

でん‐かく【殿閣】🔗🔉

でん‐かく【殿閣】 宮殿と楼閣。宮殿。御殿。

でんかく‐だいがくし【殿閣大学士】🔗🔉

でんかく‐だいがくし【殿閣大学士】 中国の官名。宮廷の図書を収める殿閣の大学士で天子の顧問役。唐末に創置。宰相や高官の兼任が多く、明代には政務の機密にも参与するようになり内閣大学士と改称。

でん‐ぐん【殿軍】🔗🔉

でん‐ぐん【殿軍】 しんがりの部隊。大部隊の最後尾で、敵襲に備える部隊。

でん‐ご【殿後】🔗🔉

でん‐ご【殿後】 軍隊のしんがり。あとおさえ。「―の隊」

でん‐し【殿司】🔗🔉

でん‐し【殿司】 とのもりづかさ

でん‐し【殿試】🔗🔉

でん‐し【殿試】 中国の科挙の制度で、郷試・会試に合格した者に天子みずから殿中で行った最後の試験。宋代に始まり、及第者を進士とよんだ。廷試。

でん‐しゃ【殿舎】🔗🔉

でん‐しゃ【殿舎】 御殿。やかた。

でん‐しゅん【殿春】🔗🔉

でん‐しゅん【殿春】 陰暦三月のこと。

てん‐じょう【殿上】‐ジヤウ🔗🔉

てん‐じょう【殿上】‐ジヤウ 《「でんじょう」とも》宮殿、または殿堂の上。宮中。禁中。「殿上の間(ま)」の略。のことをつかさどるところから》蔵人所(くろうどどころ)の異称。殿上の間に昇ること。また、それを許されること。昇殿。「来年は帰り上りて―して、五位の蔵人になりて」〈狭衣・一〉「殿上人(てんじようびと)」の略。「―の逍遥侍りしとき、さらなり」〈大鏡・伊尹〉

てんじょう‐の‐えんすい【殿上の×淵酔】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐の‐えんすい【殿上の×淵酔】テンジヤウ‐ 淵酔

てんじょう‐の‐せんせき【殿上の仙籍】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐の‐せんせき【殿上の仙籍】テンジヤウ‐ 殿上人として、宮中に出入りする資格。仙籍。

てんじょう‐の‐のりゆみ【殿上の×賭弓】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐の‐のりゆみ【殿上の×賭弓】テンジヤウ‐ 正月一八日の恒例の賭弓とは別に、臨時に殿上の侍臣に弓を射させて、天皇が御覧になった行事。

てんじょう‐の‐ふだ【殿上の△簡】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐の‐ふだ【殿上の簡】テンジヤウ‐ 日給(につきゆう)の簡(ふだ)

てんじょう‐の‐ま【殿上の間】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐の‐ま【殿上の間】テンジヤウ‐ 清涼殿の南庇(ひさし)にある殿上人の詰め所。殿上。

てんじょう‐びと【殿上人】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐びと【殿上人】テンジヤウ‐ 清涼殿の殿上の間に昇ることを許された人。三位以上と四位・五位のうち特に許された人、および六位の蔵人(くろうど)。堂上(とうしよう)。雲上人(うんじようびと)。雲のうえびと。雲客(うんかく)

てんじょう‐まゆ【殿上×眉】テンジヤウ‐🔗🔉

てんじょう‐まゆ【殿上×眉】テンジヤウ‐ 殿上人の化粧の一。眉をそり落として、その上に墨で二つの丸い点を描いたもの。→高眉(たかまゆ)

てんじょう‐わらわ【殿上△童】テンジヤウわらは🔗🔉

てんじょう‐わらわ【殿上童】テンジヤウわらは 公卿の子で、元服以前に作法見習いのため殿上の間に昇ることを許されて出仕した少年。わらわてんじょう。小舎人(こどねり)

でん‐す【殿主・殿△司】🔗🔉

でん‐す【殿主・殿司】 禅宗で、仏殿の清掃・荘厳(しようごん)・香華(こうげ)・供物などのことを受け持つ役僧。知殿。

でん‐ちゅう【殿中】🔗🔉

でん‐ちゅう【殿中】 《古くは「てんちゅう」とも》御殿の中。また、将軍の居所。江戸時代に流行した木綿の袖なし羽織。胴服(どうぶく)。殿中羽織。江戸末期に流行した男子用の編み笠。一文字笠。

でん‐どう【殿堂】‐ダウ🔗🔉

でん‐どう【殿堂】‐ダウ 大きくてりっぱな建物。また、その分野の中心的存在である建物や施設。殿宇。「オペラの―」「学問の―」その分野で業績のあった人々を集め顕彰する機関。「野球の―入りを果たす」神仏を祭ってある建物。

でん‐ろう【殿廊】‐ラウ🔗🔉

でん‐ろう【殿廊】‐ラウ 宮殿・殿堂などの渡り廊下。

でん‐ろう【殿楼】🔗🔉

でん‐ろう【殿楼】 立派な御殿や高殿(たかどの)

との【殿】🔗🔉

との【殿】 貴人の住む大きな邸宅。やかた。ごてん。「―より人なむ参りたる」〈大和・一七一〉《邸宅に住む人をさしていう》貴人に対する敬称。「―は、今こそいでさせ給ひけれ」〈源・少女〉摂政・関白に対する敬称。「前(さき)の―の御女(むすめ)」〈増鏡・藤衣〉主君に対する敬称。「―は智者にてわたらせ給へば」〈仮・伊曾保・上〉中世、妻の夫に対する敬称。「―はおなじ心にもおぼさぬにや、とて」〈宇治拾遺・六〉女から男をさしていう敬称。殿御(とのご)。殿方。「起上り小法師、やよ、―だに見ればつい転ぶ」〈虎明狂・二人大名〉◆現代でも地位の高い人や主人にあたる人をさして呼ぶことがある。

どの【殿】🔗🔉

どの【殿】 〔接尾〕氏名・役職名などに付けて、敬意を表す。古くは、「関白殿」「清盛入道殿」など、かなり身分の高い人にも用いた。現代では、公用の文書や手紙などに多く用いる。地名などに付いて、そこにある邸宅に対する敬称として用いる。間接的にはその邸宅に住む人への敬称としても用いる。「六条―はさくらの唐の綺の御直衣」〈源・行幸〉

との‐あぶら【殿油】🔗🔉

との‐あぶら【殿油】大殿油(おおとなぶら)」に同じ。

との‐うつり【殿移り】🔗🔉

との‐うつり【殿移り】 貴人の転居。家移り。「この御―の数の中には」〈源・玉鬘〉

との‐がた【殿方】🔗🔉

との‐がた【殿方】 女性が男性を丁重にさしていうときに用いる語。

との‐ご【殿御】🔗🔉

との‐ご【殿御】 女性が男性を敬っていう語。

との‐ごころ【殿心】🔗🔉

との‐ごころ【殿心】 女性が男性を恋しく思う心。「もやもやと上気して…―のおこり」〈浮・一代女・四〉

とのご‐はじめ【殿御始め】🔗🔉

とのご‐はじめ【殿御始め】殿始め」に同じ。「―の新枕」〈浄・忠臣蔵〉

とのご‐ぶり【殿御振り】🔗🔉

とのご‐ぶり【殿御振り】 男ぶり。男まえ。「色も香もある―」〈浄・太功記〉

との‐ごも・る【殿△隠る】🔗🔉

との‐ごも・る【殿隠る】 [動ラ四]《殯(もがり)の宮にこもる意から》「死ぬ」の尊敬語。おかくれになる。崩御する。「大殿を仕へ奉りて―・り隠りいませば」〈万・三三二六〉《寝殿にこもる意から》「寝る」の尊敬語。おやすみになる。おおとのごもる。「などか、…ここには―・る」〈宇津保・嵯峨院〉

との‐さま【殿様】🔗🔉

との‐さま【殿様】 貴人・主君・領主などの敬称。江戸時代、大名・旗本の敬称。生活にめぐまれ、何事にもおうような人。のんびりしていて、世事にうとい人。

とのさま‐がえる【殿様×蛙】‐がへる🔗🔉

とのさま‐がえる【殿様×蛙】‐がへる アカガエル科のカエル。体長五〜九センチ。背面は緑色ないし褐色で黒色斑紋があり、背の中央を黄色の線が走る。腹面は白または淡黄色。五〜八月に水田や池に寒天質の大きな卵塊を産む。金線蛙(きんせんがえる)

とのさま‐げい【殿様芸】🔗🔉

とのさま‐げい【殿様芸】 貴人や金持ちなど、暇と金にゆとりのある人が、なぐさみにおぼえた芸。だんな芸。

とのさま‐しごと【殿様仕事】🔗🔉

とのさま‐しごと【殿様仕事】 時間も費用も考えに入れず、気ままにする仕事。

とのさま‐しょうばい【殿様商売】‐シヤウバイ🔗🔉

とのさま‐しょうばい【殿様商売】‐シヤウバイ 商品知識や客とのかけひきなど、もうけるための努力・工夫に気を使わない商い方を皮肉っていう語。「あんな―じゃ、いずれ倒産するよ」

とのさま‐そだち【殿様育ち】🔗🔉

とのさま‐そだち【殿様育ち】 多くの人にかしずかれて、なんの不自由もなく成長すること。

とのさま‐ばった【殿様蝗=虫】🔗🔉

とのさま‐ばった【殿様蝗虫】 バッタの一種。全長五〜七センチ。色はふつう緑色で、翅(はね)に黒褐色の斑紋が散在。多数発生すると黒褐色に変化し、飛蝗(ひこう)となることがある。乾いた草地にみられ、イネ科植物のほか種々の植物を食べる。大名ばった。

との‐たち【殿△達】🔗🔉

との‐たち【殿達】 殿方たち。とのばら。「烏帽子(えぼし)親などといふものは―をこそ頼むものなれ」〈虎明狂・比丘貞〉近世、遊女などが客をいう語。「つどひての―の御出でなれば」〈仮・仁勢物語・下〉

との‐づくり【殿作り・殿造り】🔗🔉

との‐づくり【殿作り・殿造り】 御殿を造ること。また、造った御殿のありさま。「心やすき―しては、かやうの人つどへて」〈源・澪標〉

との‐ど【殿戸・殿△門】🔗🔉

との‐ど【殿戸・殿門】 御殿の戸口。相手の家への敬意を表す語。「味酒(うまさけ)三輪の殿の朝戸にも出でて行かな三輪の―を」〈崇神紀・歌謡〉

との‐な【殿名】🔗🔉

との‐な【殿名】 宮中の女房の呼び名の一つ。三条殿・大宮殿などと「…殿」と呼ぶもの。→小路名(こうじな)

との‐の‐うえ【殿の上】‐うへ🔗🔉

との‐の‐うえ【殿の上】‐うへ 摂政・関白など、時の第一人者の妻に対する敬称。「―の御かたちに似る人おはせじ」〈源・玉鬘〉

との‐はじめ【殿始め】🔗🔉

との‐はじめ【殿始め】 女性がはじめて男性と床をともにすること。「みづからは―」〈浄・烏帽子折〉

との‐ばら【殿原】🔗🔉

との‐ばら【殿原】 《「ばら」は複数を表す接尾語》身分の高い人々や武士などを敬っていう語。殿たち。「これを見給へ、東国の―」〈平家・九〉

との‐びと【殿人】🔗🔉

との‐びと【殿人】 貴族に仕える人。貴族の家人(けにん)。「―、親しき家司(けいし)などは」〈源・総角〉

との‐ぶり【殿振り】🔗🔉

との‐ぶり【殿振り】 男ぶり。「馬上優(ゆたか)に出勤した姿は…遖(あつぱ)れ―と」〈紅葉・二人女房〉

とのも‐づかさ【主=殿△司・△殿△司・主=殿△寮】🔗🔉

とのも‐づかさ【主殿司・殿司・主殿寮】 とのもりづかさ主殿寮(とのもりよう)

との‐もり【主=殿・殿守】🔗🔉

との‐もり【主殿・殿守】 主殿寮(とのもりよう)の下級役人。宮中の雑役や、蔵人(くろうど)拝賀のとき賜る湯づけの給仕をした女官。

とのもり‐づかさ【主=殿△司・△殿△司・主=殿△署】🔗🔉

とのもり‐づかさ【主殿司・殿司・主殿署】 (主殿司)主殿寮(とのもりよう)に仕える職員。また、その役所。とのもづかさ。(殿司)後宮十二司の一。後宮の清掃・乗り物・灯火などのことをつかさどった役所。また、その女官。とのもづかさ。(主殿署)律令制で、東宮坊に属し、灯燭(とうしよく)・殿舎の清掃などをつかさどった役所。しゅでんしょ。とのもづかさ。

ひ‐どの【×樋殿・×殿】🔗🔉

ひ‐どの【×樋殿・×殿】 便所。かわや。「物脱ぎ散らして急ぎ―へ行きたりけるに」〈今物語〉

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