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○槍一筋の主やりひとすじのぬし🔗⭐🔉
○槍一筋の主やりひとすじのぬし
ただ1本であろうとも従者に槍を持たせることのできる身分の武士。然るべき身分の武士。
⇒やり【槍・鎗・鑓】
やり‐ぶぎょう【槍奉行・鑓奉行】‥ギヤウ
①武家時代に槍を持つ一隊を預かる職。長柄ながえ奉行。
②江戸幕府の職名。老中の支配。長柄同心・八王子千人同心頭を管轄。
やり‐ぶすま【槍衾】
一隊の兵が槍を隙間なく並べ突き出して構えること。槍床。「―を作る」
やり‐ふり【槍振】
大名の行列に槍持奴が槍を振りながら行くこと。また、その奴。
やり‐ほぐ【破反古】
破り捨てた反古紙。狭衣物語3「―を得給ひて」
やり‐みず【遣り水】‥ミヅ
①寝殿造しんでんづくりの庭園などに水を導き入れて流れるようにしたもの。宇津保物語国譲上「―に滝落し、岩立てたるさま」
②植込み・盆栽ぼんさいなどに水を与えること。
やり‐もち【槍持】
武家で、主人の槍を持って供をする従者。
や‐りゅう【野流】‥リウ
①平野を流れる川。
②川の下流。↔山流さんりゅう
や‐りょう【夜涼】‥リヤウ
①夜の涼しい空気。
②夏の夜、暑気を避けて、戸外で涼むこと。〈[季]夏〉
やり‐よう【遣り様】‥ヤウ
物事をする方法。しかた。「ほかに―もあるだろうに」
やり‐よ・す【遣り寄す】
〔他下二〕
車などを進めて近寄せる。宇治拾遺物語11「車に乗りこぼれて―・せて見れば」
や・る【破る】
[一]〔他四〕
やぶる。引きちぎる。土佐日記「とまれかうまれとく―・りてむ」
[二]〔自下二〕
やぶれる。ちぎれる。神楽歌、採物「笹分けば袖こそ―・れめ」
や・る【遣る・行る】
〔他五〕
➊その場の勢い・なりゆきにまかせて他方へ行かせる。
①進ます。万葉集17「時の盛をいたづらに過し―・りつれ」。「船を―・る」
②行かせる。送る。万葉集9「あぶりほす人もあれやも濡衣を家には―・らな旅のしるしに」。竹取物語「明け暮れ見馴れたるかぐや姫を―・りていかが思ふべき」。「子供を大学へ―・る」
③物を他の所に移す。「本をどこに―・ったか」
④思いを晴らす。払いのける。万葉集19「繁き思ひを見明らめ心―・らむと」。「酒に憂さを―・る」
⑤流れて行かせる。源氏物語須磨「水深う―・りなし」
⑥物事をはかどらせる。日葡辞書「ハカヲヤル」
⑦逃がす。放す。狂言、緡縄さしなわ「はあ許さつしやれませい。憎い奴の、―・るまいぞ―・るまいぞ」
⑧相手に危害・不利益を及ぼす。「眉間を―・られる」「すりに―・られる」
➋(身分が同等以下の者に)与える。万葉集15「たまきの玉を家づとに妹に―・らむと」。伊勢物語「雉をなむ―・りける」。「これを君に―・ろう」「猿に餌を―・る」
➌(多く、助詞「て」「で」を介し動詞連用形に付いて)
①同等以下の者のために労を執り、恩恵を与える意を表す。狂言、三人片輪「いかにも抱へて―・らう」。「読んで―・ろう」
②相手に不利益を与える意を表す。「思い知らせて―・る」「家出して―・る」
➍物事を行う。する。「勉強を―・る」「ちょっと一杯―・ろう」「―・るだけのことは―・った」「その店は日曜でも―・っている」「給料だけでは―・っていけない」
➎(他の動詞の連用形に付いて)
①動作が完了する意を表す。…てしまう。源氏物語桐壺「えも乗り―・らず」。日葡辞書「イ(生)キモヤラズ、シ(死)ニモヤラズ」。「晴れ―・らぬ空」
②その動作が遠くから行われる意、遠くまで及ぶ意を表す。源氏物語夕顔「鳥部野のかたなど見―・りたる程など」。源氏物語桐壺「小萩がもとを思ひこそ―・れ」。「眺め―・る」
やる
〔助動〕
(動詞「ある」の転。他の動詞の連用形に付いて、四段型に活用する)
①(普通「お」を伴って用い)尊敬の意を表す。…なさる。狂言、靱猿「いや、お貸しやるまいものを」
②軽い尊敬・丁寧の気持を表す。浄瑠璃、女殺油地獄「こな人何いやる」
やるかた‐な・い【遣る方無い】
〔形〕[文]やるかたな・し(ク)
思いを晴らす方法がない。言いようがない。しかたがない。やらんかたなし。源氏物語紅葉賀「胸の―・きを」。「憤懣―・い」
ヤルカンド【葉爾羌】
(Yarkand)中国新疆ウイグル自治区の西部、パミール高原の東麓にあるオアシス都市。古来、隊商交通の要地。莎車さしゃ。
やる‐き【遣る気】
物事を積極的に進めようとする気持。「―を起こす」「―がない」
やるせ‐な・い【遣る瀬無い】
〔形〕[文]やるせな・し(ク)
心のやりどころがない。思いを晴らす方法がない。胸が鬱積して心が晴れない。日葡辞書「ヤルセモナイ」。「―・い一人暮し」「―・い思い」
ヤルゼルスキ【Wojciech Jaruzelski】
ポーランドの軍人・政治家。1981年首相、85年国家評議会議長。89年民主化の後、大統領に選出され、翌年辞任。(1923〜)
ヤルタ【Yalta】
ウクライナ共和国南部、クリム半島南部の黒海に面する海港。保養地。
⇒ヤルタ‐かいだん【ヤルタ会談】
⇒ヤルタ‐ひみつきょうてい【ヤルタ秘密協定】
ヤルタ‐かいだん【ヤルタ会談】‥クワイ‥
第二次大戦末期の1945年2月、米・英・ソ3国の最高指導者ルーズヴェルト・チャーチル・スターリンがヤルタで行なった会談。ドイツの敗北が決定的となった情勢下に、降伏後のドイツ管理、国際連合の招集などについて協定。
左からチャーチル,ルーズヴェルト,スターリン
提供:毎日新聞社
⇒ヤルタ【Yalta】
ヤルタ‐ひみつきょうてい【ヤルタ秘密協定】‥ケフ‥
ヤルタ会談で結ばれた対日秘密協定。1946年2月に発表。ドイツ降伏後3カ月以内にソ連が対日戦争に参加することを条件として、南サハリン(樺太)・千島列島のソ連への引渡し、中国の満州における完全な主権の確認などを決めた。
→文献資料[ヤルタ協定]
⇒ヤルタ【Yalta】
やれ【破れ】
①やぶれること。やぶれた所。やぶれたもの。「垣根の―をつくろう」
②印刷物のきずもの。
やれ
〔助詞〕
同類のものを列挙する時に用いる語。…やら。…だの。醒睡笑「和泉の国には何ともをかしき名字がある。野尻の―、草部の―と」
やれ
〔感〕
呼び掛ける時、相手の注意をひく時、ふと心づいた時、困った時、他に同情する時などに発する声。「―、ほんにさ凪ぎるやら」「―、一息つこう」「―、困ったことになった」
やれ‐あやめ【破菖蒲】
(→)「やぶれそうぶ」に同じ。
やれ‐がき【破れ垣】
やぶれた垣。
やれ‐がさ【破れ笠】
やぶれた笠。
やれ‐ぐるま【破れ車】
こわれた車。
やれ‐こも【破れ薦】
やぶれた薦。万葉集13「かき棄うてむ―を敷きて」
やれ‐ごろも【破れ衣】
やぶれた衣服。
やれ‐ばしょう【破れ芭蕉】‥セウ
風雨にたたかれて傷みやぶれた芭蕉の葉。〈[季]秋〉
やれ‐はす【破れ蓮・敗荷】
秋の深まりとともに破れて無残な姿となった蓮の葉。やれはちす。〈[季]秋〉
やれ‐ま【破れ間】
やぶれたすきま。仁徳紀「星辰ほしのひかり壊やれまより漏りて」
やれ‐め【破れ目】
やぶれたところ。やぶれめ。
やれ‐やれ【破れ破れ】
ひどくやぶれているさま。ぼろぼろ。宇治拾遺物語8「果てには―と着なしてありけり」
やれ‐やれ
〔感〕
①呼びかける声。
②安心したり深く感じたりした時にいう語。いやはや。日葡辞書「ヤレヤレメデタイ」
③疲労した時、またあきれはてた時などにいう語。いやはや。「―、ここで一服」「―、また困ったことをしでかした」
やろう【夜郎】‥ラウ
中国の南西、今の貴州の西境にいた少数民族。漢代の西南夷の一つ。
⇒やろう‐じだい【夜郎自大】
や‐ろう【夜漏】
夜の時刻をはかる水時計。また、夜の漏刻2、すなわち夜の時刻。
や‐ろう【野老】‥ラウ
①田舎の老人。村翁。
②〔植〕(→)トコロに同じ。
や‐ろう【野郎】‥ラウ
①いなかもの。〈日葡辞書〉
②前髪を剃った若者。また、若い男。懐硯「十二三の―に」。江見水蔭、船頭大将「元服して好き―となりぬ」
③野郎頭の略。
④初期歌舞伎の俳優の称。→野郎歌舞伎。
⑤男色を売る者。陰間かげま。
⑥男をののしっていう語。代名詞的にも用いる。「この―」「―このごろ顔を見せないじゃないか」
⇒やろう‐あそび【野郎遊び】
⇒やろう‐あたま【野郎頭】
⇒やろう‐がい【野郎買い】
⇒やろう‐かぶき【野郎歌舞伎】
⇒やろう‐ぢゃや【野郎茶屋】
⇒やろう‐ぼうし【野郎帽子】
⇒やろう‐よばわり【野郎呼ばわり】
や‐ろう【薬籠】
(ヤクロウの転)
①印籠いんろうのような形で、3〜4重の重ね箱。薬を入れて携帯したもの。
②挽茶を入れる一種の壺。〈日葡辞書〉
③(越後地方で)腰に下げるタバコ入れ。(物類称呼)
や‐ろうヤラウ
(ヤランの転)
①推量の意を表す。…のであろう。四河入海「春になる―山禽がさいづるわぞ」。三体詩絶句抄「天竺へお帰りあつて老衰してをり―ず」
②推量を含んだ疑問を表す。…のであろうか。平家物語5「多い―少い―をば知り候はず」。史記抄「太史公は何から見て戴た―」。四河入海「帰らうずる―さはあるまい―は知らねども」
③漠然といって確かでない意を表す。史記抄「後小松院―は力がつようて相撲の上手で」。勅規桃源抄「左伝―にあるぞ」
→やらん
やろう‐あそび【野郎遊び】‥ラウ‥
野郎頭の俳優を招き男色の遊びをすること。
⇒や‐ろう【野郎】
やろう‐あたま【野郎頭】‥ラウ‥
男の、前髪を取り去った頭。若衆歌舞伎の役者の前髪を除いたのに始まり、普通の成人男子の髪型の呼び名となる。野郎髷。黄表紙、高漫斉行脚日記「―にて和尚とあをがれ」
野郎頭
⇒や‐ろう【野郎】
やろう‐がい【野郎買い】‥ラウガヒ
歌舞伎の若衆または陰間かげまを買うこと。また、その人。
⇒や‐ろう【野郎】
やろう‐かぶき【野郎歌舞伎】‥ラウ‥
初期歌舞伎の一つ。1652年(承応1)若衆歌舞伎が禁止された後を受けて起こったもの。前髪を剃り落として野郎頭とさせたことから名づける。
⇒や‐ろう【野郎】
やろう‐じだい【夜郎自大】‥ラウ‥
[史記西南夷伝](夜郎の王が漢の広大なことを知らず、自らを強大と思って漢の使者と接したことから)自分の力量を知らないで、幅を利かす態度をとるたとえ。夜郎大。
⇒やろう【夜郎】
やろう‐ぢゃや【野郎茶屋】‥ラウ‥
(→)陰間かげま茶屋に同じ。
⇒や‐ろう【野郎】
やろう‐ぼうし【野郎帽子】‥ラウ‥
江戸時代、野郎歌舞伎の俳優が野郎頭を覆うために額に置き手拭てぬぐいをしたのが、変じて帽子のようになったもの。また、それをまねて用いたもの。多く紫縮緬ちりめんなどで作る。沢之丞帽子・やでん帽子・水木帽子など種々の形式が派生した。額帽子。
⇒や‐ろう【野郎】
やろうむし【野郎虫】‥ラウ‥
現存最古の歌舞伎評判記。1660年(万治3)刊。著者未詳。
やろう‐よばわり【野郎呼ばわり】‥ラウヨバハリ
人を軽蔑けいべつして野郎と呼び捨てること。
⇒や‐ろう【野郎】
ヤロビザーチヤ【yarovizatsiya ロシア】
〔農〕ソ連のルイセンコがその発育段階論に従って提唱した植物処理の方法。春化処理。ヤロビ。
ヤロビ‐のうほう【ヤロビ農法】‥ハフ
(ヤロビはヤロビザーチヤの略)(→)ミチューリン農法に同じ。
やわ【和・柔】ヤハ
やわらかなさま。弱いさま。こわれやすいさま。「―な地面」「―な立て付け」「人間の出来が―だ」
や‐わ【夜話】
①夜間にする談話。また、それを筆記した書物。よばなし。転じて、肩のこらない、軽い話。
②禅家で、夜、修行のためにする訓話。
や‐わヤハ
〔副〕
(助詞ヤハから)反語・疑問に用いる。どうして。なんで。やわか。源平盛衰記23「中にとりこめ候はんには、―一人も遁れ出づべき」
やわ・い【柔い】ヤハイ
〔形〕[文]やは・し(ク)
①やわらかい。
②弱い。柔弱である。「そんな―・い神経ではやっていけない」
③柔和である。
やわ‐かヤハカ
〔副〕
①反語を表す。どうしてか。いかでか。やわ。太平記17「―叶ふべき」
②万に一つも。よもや。謡曲、檀風「―さやうには仰せ候ふまじ」
やわ・し【飢し】
〔形ク〕
(歴史的仮名遣ヤハシとも)飢うえている。南海寄帰内法伝平安後期点「腹餓ヤワシと雖も、終宵詎たれか非時の過を免れむ」
やわ・す【和す】ヤハス
〔他四〕
①やわらかにする。
②やわらげる。平穏にする。万葉集20「まつろへぬ人をも―・し」
やわた【八幡】ヤハタ
①京都府南部の市。市域西部の男山丘陵にある石清水いわしみず八幡宮の門前町として発達。男山団地などの建設により人口が急増。人口7万4千。
②千葉県市川市の地名。
③⇒やはた。
⇒やわた‐ぐろ【八幡黒】
⇒やわた‐ごぼう【八幡牛蒡】
⇒やわた‐の‐やぶしらず【八幡の不知藪】
⇒やわた‐まき【八幡巻】
やわた‐ぐろ【八幡黒】ヤハタ‥
純黒に染めた柔軟な革。石清水いわしみず八幡宮の神人らが製したのでこの名がある。下駄の鼻緒に使用。
⇒やわた【八幡】
やわた‐ごぼう【八幡牛蒡】ヤハタ‥バウ
山城国八幡山(現、京都府八幡市)あたりから産出する、名物のゴボウ。淀川上下の舟へは、これを「たたき」にして売った。
⇒やわた【八幡】
やわた‐ごま【八幡駒】ヤハタ‥
青森県八戸はちのへで作られる、木製彩色馬の玩具。八戸市西郊にある櫛引くしびき八幡宮の例大祭で売られた。
やわた‐せいてつじょ【八幡製鉄所】ヤハタ‥
軍需産業の中心として日本鉄鋼業の発達を主導した国営製鉄所。1901年(明治34)福岡県遠賀郡八幡町(現、北九州市八幡東区)で操業開始。日本最初の銑鋼一貫製鉄所。34年民間鉄鋼企業の一部と合同して半官半民の日本製鉄株式会社となる。第二次大戦後、富士製鉄・八幡製鉄の2社に分割解体。70年再合併して新日本製鉄となる。
やわた‐そう【八幡草】ヤハタサウ
ユキノシタ科の多年草。深山の渓間・樹陰などに自生。葉は大形、円い楯形で7浅裂。6月頃、淡黄色の小さな五弁花を多数総状に密生。タキナショウマ。少女草。
やわた‐の‐やぶしらず【八幡の不知藪】ヤハタ‥
八幡2にある藪。八幡不知森しらずのもりともいい、ここに入れば再び出ることができないとか、祟たたりがあるとかいわれる。転じて、出口のわからないこと、迷うことなどのたとえ。やわたしらず。
⇒やわた【八幡】
やわたはま【八幡浜】ヤハタ‥
愛媛県西部、宇和海に臨む市。佐田岬半島基部にあり、九州との連絡港。トロール漁業・水産加工業が発達。ミカンの産地。人口4万1千。
やわた‐まき【八幡巻】ヤハタ‥
牛蒡ごぼうを芯にして穴子・鰻うなぎなどで巻き、つけ焼きにした料理。八幡牛蒡に因んだ名。
⇒やわた【八幡】
や‐わたり【家渡り】
引越し。転宅。やうつり。〈文明本節用集〉
⇒やわたり‐がゆ【家渡り粥】
やわたり‐がゆ【家渡り粥】
(→)「やうつりがゆ」に同じ。
⇒や‐わたり【家渡り】
やわ‐はだ【柔肌】ヤハ‥
(女性の)やわらかな肌。にきはだ。にこはだ。「―の熱き血潮に触れもみでさびしからずや道を説く君」(晶子)
やわ‐やわ【柔柔】ヤハヤハ
①もの柔らかなさま。たおやか。大唐西域記長寛点「風俗淳和ヤハヤハなり」
②(女房詞)
㋐ぼたもち。
㋑綿わた。
㋒吉野紙・奈良紙。
やわら【柔ら】ヤハラ
①やわらかいさま。万葉集14「海原うなはらの根―小菅」
②柔術・柔道の異称。浮世物語「居合いあい・―・兵法なんど」
③船の接触の際の衝撃をやわらげるために、舷側に下げておくもの。かませ。じんた。
⇒やわら‐がかり【柔ら懸り】
⇒やわら‐とり【柔取】
やわらヤハラ
〔副〕
そろそろ。そっと。しずかに。やおら。源氏物語薄雲「―づつ引き入りたまひぬるけしきなれば」。平家物語1「―此の刀を抜き出し」
⇒やわら‐やわら
やわら‐か【柔らか・軟らか】ヤハラカ
①堅くないさま。しなやかなさま。ふっくらしているさま。柔軟。源氏物語空蝉「皆しづまれる夜の、御衣ぞのけはひ―なるしも、いとしるかりけり」。「―に煮る」「体が―だ」「―な布団」
②おとなしいさま。おだやか。源氏物語帚木「ひたぶるに子めきて―ならむ人を」。「―な物言い」
③堅苦しくないさま。型にはまらず融通がきくさま。「―な話」「―な考え方」
⇒やわらか‐もの【柔らか物】
やわらか・い【柔らかい・軟らかい】ヤハラカイ
〔形〕[文]やはらか・し(ク)
①物の性質・状態が、堅くない。しなやかである。ふっくらしている。「―・いパン」「膝を―・く曲げる」
②状況に応じて融通がきく。「頭が―・い」
③おだやかである。おとなしい。「人あたりが―・い」
④堅苦しくない。くだけている。「―・い話」「―・い読み物」
◇「柔」は「剛」の、また、「軟」は「硬」の、それぞれ対語の意味で使われることが多い。「柔」は、力を加えて変形しても元に戻る場合、「軟」は、力を加えると変形しやすく元に戻らない場合によく使う。
やわら‐がかり【柔ら懸り】ヤハラ‥
徐々におだやかにかかってゆくこと。
⇒やわら【柔ら】
やわら‐がみ【和良紙】ヤハラ‥
(→)吉野紙の別称。
やわらか‐もの【柔らか物】ヤハラカ‥
①手ざわりのやわらかい織物。絹物。
②つやっぽい読み物。
⇒やわら‐か【柔らか・軟らか】
やわら・ぐ【和らぐ】ヤハラグ
[一]〔自五〕
①やわらかになる。柔軟になる。
②(風景・気候・感情・気質などが)おだやかになる。柔和になる。きびしさがなくなる。源氏物語匂宮「すこしなよび―・ぎ過ぎて、好いたる方に引かれ給へり」。「寒さが―・ぐ」「気持が―・ぐ」「緊張が―・ぐ」
③親しむようになる。睦まじくなる。
[二]〔他下二〕
⇒やわらげる(下一)
やわらげ【和らげ】ヤハラゲ
難解な語の解説。天草本平家物語「分別しにくき言葉の―」
やわら・げる【和らげる】ヤハラゲル
〔他下一〕[文]やはら・ぐ(下二)
①やわらぐようにする。三蔵法師伝永久点「邦国を弼たすけ諧ヤハラク」。平家物語4「入道相国の謀反の心をも―・げ給へとの御祈念のため」。「怒りを―・げる」
②(言葉・文章などを)わかりやすいようにする。平易にする。くだく。十訓抄「万葉集を―・げられけるも」。「表現を―・げる」
やわら‐とり【柔取】ヤハラ‥
柔術をすること。また、それに巧みな人。
⇒やわら【柔ら】
やわら‐やわらヤハラヤハラ
〔副〕
そろそろと。しずかに。徐々に。
⇒やわら
や‐わり【矢割り】
石にうがった穴に鉄の楔くさびを差し込んで玄能げんのうで打ち割ること。


広辞苑 ページ 19923 での【○槍一筋の主】単語。