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○財を成すざいをなす🔗🔉

○財を成すざいをなす 大きな財産を築く。 ⇒ざい【財】 さ‐いん左院‥ヰン 1871年(明治4)に設置された太政官の構成機関の一つ。立法について審議し、その議決を正院に上申する機関で、正院によって任免された議員により構成。75年廃止、元老院に受けつがれる。→右院→正院 さ‐いん鎖陰】 子宮膣腔が閉鎖した状態。処女膜閉鎖・膣閉鎖・頸管閉鎖の別がある。多くは先天性。後天性鎖陰は急性感染症・潰瘍・裂傷・腐食などにより生じる。 サインsign】 ①合図。記号。信号。また、看板。「―を送る」「ネオン‐―」 ②野球などで、味方どうしで交わす手振りなどによる指示。「バントの―」 ③署名。「書類に―する」 ⇒サイン‐アップ【sign-up】 ⇒サイン‐イン【sign in】 ⇒サイン‐かい【サイン会】 ⇒サイン‐ブック ⇒サイン‐プレー ⇒サイン‐ペン ⇒サイン‐ボード【sign board】 サインsine】 〔数〕三角関数の一つ。正弦。記号sin →三角関数⇒サイン‐ぼう【サイン棒】 ざ‐いん座員‥ヰン 演劇の一座に属している人。 ざ‐いん座隠・坐隠】 [世説新語巧芸](居ながらにして隠遁する意)囲碁の異称。また、碁を打つこと。浄瑠璃、国性爺合戦「市中をはなれし―の遊び」 ザインSein ドイツ】 〔哲〕存在。↔ゾルレン サイン‐アップsign-up】 (「登録申込み」の意)インターネットに接続できるように、プロバイダーに行う加入手続きのこと。 ⇒サイン【sign】 サイン‐インsign in】 コンピューターを利用するときに本人であることを証明するための手続き。 ⇒サイン【sign】 サイン‐かいサイン会‥クワイ 小説家や芸能人が自著などに署名をする催し。 ⇒サイン【sign】 サイン‐ブック (和製語sign book)サイン帳。署名帳。 ⇒サイン【sign】 サイン‐プレー (和製語sign play)野球などで、相手に気づかれないようにサインに従って行う攻撃や守備。 ⇒サイン【sign】 サイン‐ペン (和製語sign pen)細字用のフェルト‐ペン。商標名。 ⇒サイン【sign】 サイン‐ぼうサイン棒‥バウ (sine bar)角を精密に測定し、また与えられた角度に工作物を設定するために用いる測角器。 ⇒サイン【sine】 サイン‐ボードsign board】 看板。 ⇒サイン【sign】 さ‐う左右⇒そう さ・う障ふ・支ふサフ [一]〔自下二〕 つっかかる。さえぎられる。枕草子97「さし櫛みがくほどに、物につき―・へて折りたる心地」 [二]〔他下二〕 ⇒さえる(下一) ざ‐う座右⇒ざゆう ザウアークラウトSauerkraut ドイツ】 ドイツの漬物の一種。キャベツの細切りを薄塩で漬け、自然発酵させたもの。 サヴィニーFriedrich Karl von Savigny】 ドイツの法学者。歴史法学の樹立者。ローマ法の史的研究で業績を挙げた。著「現代ローマ法体系」など。(1779〜1861) サヴォイアSavoia イタリア】 アルプスのフランス側斜面の一地域。古く、フランス南東部からイタリア北西部を領有したサヴォイア家の支配下。1860年、サルデーニャ王(のちイタリア王)は中部イタリア合併承認の代償に、この地をフランスに割譲。フランス語名サヴォワ。 サヴォイ‐オペラSavoy operas】 (サヴォイはロンドンの劇場名)イギリスの劇作家ギルバート(W. S. Gilbert1836〜1911)台本・作詞、A.S.サリヴァン作曲の14編のオペレッタ。1871〜96年発表。イギリス音楽劇に新境地を開く。特に「ミカド」が有名。 サヴォナローラGirolamo Savonarola】 イタリアのドミニコ会修道士。峻烈な説教で人望を得、フィレンツェ市政の民主的改革を敢行し、保守派・教皇庁の怨みを買って焚刑ふんけいに処せられた。(1452〜1498) サウザンド‐アイランド‐ドレッシングThousand Island dressing】 マヨネーズにケチャップまたはチリソースを加え、刻んだピクルスやゆで卵などを混ぜ合わせたドレッシング。カナダのサウザンド‐アイランド地方の人の考案という。 サウサンプトンSouthampton】 イギリス、イングランド南部の港湾都市。天然の良港で、ピルグリム‐ファーザーズの出航地、大西洋航路の起点として知られる。人口21万5千(1996)。サザンプトン。 サウジ‐アラビアSaudi Arabia】 (サウード家のアラビア王国の意)アラビア半島の大半を占めるワッハーブ派のイスラム王国。聖地メッカ・メディナがある。ネジドを本拠としたサウード家が1925年ヘジャズを征服、32年国号をサウジ‐アラビア王国と称した。第二次大戦中より石油の採掘が盛ん。面積215万平方キロメートル。人口2253万(2004)。首都リヤド。→西アジア(図) サウジーRobert Southey】 イギリスの桂冠詩人・批評家。ワーズワース・コールリッジらとともに湖畔詩人と呼ばれた。詩「サラバ」、伝記「ネルソン」など。(1774〜1843) サウス‐カロライナSouth Carolina】 アメリカ合衆国南東部、大西洋岸の州。独立13州の一つ。農業・繊維産業が盛ん。州都コロンビア。→アメリカ合衆国(図) サウス‐ダコタSouth Dakota】 アメリカ合衆国中央北部の州。農業・牧畜業が盛ん。州都ピーア。→アメリカ合衆国(図) サウスポーsouthpaw】 ①(サウスは南部、ポーは手の意。アメリカ南部出身の大リーグ所属投手に左利きが多かったことから)野球で、左腕投手。 ②ボクシングなどで、左構えの選手。 サウディ‐アラビアSaudi Arabia⇒サウジ‐アラビア サウナsauna フィンランド】 フィンランド風の蒸気浴・熱気浴の風呂。石を熱した熱と、それに水をかけて得られる蒸気とで小部屋の温度・湿度を高め、そこに入って汗を流す。サウナ風呂。 サウラCarlos Saura】 スペインの映画監督。作「カラスの飼育」「カルメン」など。(1932〜) サウンsaung ビルマ】 ビルマ(ミャンマー)の撥弦楽器。舟の形をしたハープの一種で、弦数は13から16弦以上まで。座って演奏し、膝の上に置いて主に右手の指ではじく。ビルマの竪琴たてごと。 サウン サウンドsound】 音。音響。 ⇒サウンド‐エフェクト【sound effects】 ⇒サウンド‐スカルプチャー【sound sculpture】 ⇒サウンド‐スケープ【soundscape】 ⇒サウンド‐トラック【sound track】 ⇒サウンド‐ばん【サウンド版】 ⇒サウンド‐ボックス【sound box】 ⇒サウンド‐ボディー【sound-body】 サウンド‐エフェクトsound effects】 音響効果。 ⇒サウンド【sound】 サウンド‐スカルプチャーsound sculpture】 音の出る彫刻作品。視覚と聴覚とに働きかける目的で造形され、水力・風力・電力、また鑑賞者自身などが作品に動きや音を与えるもの。 ⇒サウンド【sound】 サウンド‐スケープsoundscape】 (landscapeをもじった造語)自然音・人工音を制御して作り出した音の環境。音景観。 ⇒サウンド【sound】 サウンド‐トラックsound track】 ①トーキー映画のフィルムの片側または両側に設けた、音声を記録する細い帯状の部分。音の波形を濃淡か面積の大小、あるいは磁気録音帯に記録する。 ②1に録音された音楽や音声。 ③サウンド‐トラック盤の略。映画の音楽・音声を収録したレコード・CD。サントラ。 ⇒サウンド【sound】 サウンド‐ばんサウンド版】 台詞せりふの入らない、音楽および音響だけを伴う映画。 ⇒サウンド【sound】 サウンド‐ボックスsound box】 ①弦楽器の共鳴箱。 ②旧式の蓄音機で、レコード針の振動を受けて音を発生する装置。 ⇒サウンド【sound】 サウンド‐ボディーsound-body】 (弦楽器などの)中空胴。響胴。 ⇒サウンド【sound】 さえ冴え・冱え】 ①澄みきること。光・色・寒気などのすんでとおること。「色調の―」 ②技などのあざやかさ。また、頭の働きや感覚の鋭さ。「腕の―」「勘の―」 ③遊里語で、興が増すこと。また、遊興。酒宴。 さえ采・賽】 双六すごろくのさい。奈良時代、サイの国語化した音として用いた。万葉集16「一二の目のみにあらず五六三四さへありけり双六の―」 さえサヘ (「支え」の意)山野に構えて禽獣をさえぎり捕らえるかこい。〈類聚名義抄〉 さえサヘ 〔助詞〕 (副助詞)体言・活用語の連用形・副詞・助詞など連用成分を受ける。格助詞の上下いずれにも付く。「添へ」が原義という。後世、助詞「だに」の衰退に伴い混用されることが多い。口語文法では係助詞とする。 ①現在有る作用・状態の程度が加わったり、範囲が広まったりする意を表す。その上…まで。…までも。万葉集6「橘は実―花―その葉―枝に霜降れど弥いや常葉とこはの樹」。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「未来に在す旦那に―疎ませうといふ事か」。「強風に加えて雨―降り出した」 ②程度の軽いものをあげて、それ以上のものを推測させる。…でも。…でさえ。中華若木詩抄「此画を愁なき人の見る―三峡の心がしてさびしきに愁人が見れば腸が寸々にきれてかなしいぞ」。日葡辞書「コレサエナラヌ」。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「此頃は一ぜん盛の客―ない」。「初心者で―すぐにできる」 ③仮定条件を表す句の中に用い、そのことだけで条件が満たされ他は不問にする意を表す。中華若木詩抄「命―あらば其人の開落は見るべき也」。歌舞伎、助六所縁江戸桜「金―とれば、云分ない」。「書物―あれば満足だ」 ざえ】 (ザイの転) ①学問。特に漢学。また、その学識。源氏物語帚木「―の際きわなまなまの博士」 ②芸術や芸能の技量。源氏物語絵合「琴きん弾かせ給ふことなむ一の―にて」 ③「ざえのおのこ」の略。宇津保物語蔵開下「神楽…―ども声よろしからんなど選びて」 さえ‐かえ・る冴え返る‥カヘル 〔自五〕 ①光や音などが非常によく澄む。また、冷えきる。新後拾遺和歌集「しぐれつる宵の村雲―・りふけ行く風にあられ降るなり」。「冬空に―・る月」 ②寒さがぶり返す。〈[季]春〉。玉葉集「―・り山風荒るる常磐木に降りもたまらぬ春のあわ雪」 ざえ‐が・る才がる】 〔自四〕 学識がありそうに振る舞う。 さえき佐伯‥ヘキ 姓氏の一つ。 ⇒さえき‐じょういん【佐伯定胤】 ⇒さえき‐ゆうぞう【佐伯祐三】 さ‐えき差役】 中国、宋代の課役法。農民を貧富によって9等に分け、上の4等から公用の力役に徴発、下の5等は免除した。王安石はこれを改めて募役法を行なったが、旧法党は差役法を復活させ、党争の一因となった。 さ‐えき差益】 ①売買の間に生ずる利益。「円高―」↔差損。 ②価格の改訂などで生じた利益。 さえき‐じょういん佐伯定胤‥ヘキヂヤウ‥ 法隆寺住職。奈良生れ。同寺勧学院を再興、また同寺を法相宗より分離し、聖徳宗の本山とした。(1867〜1952) ⇒さえき【佐伯】 さえき‐もん左掖門】 内裏正門の(内から見て)左の小門。右掖門に対する。→紫宸殿(図) さえき‐ゆうぞう佐伯祐三‥ヘキイウザウ 洋画家。大阪生れ。東京美術学校卒業後、渡仏。ヴラマンクに師事、はげしい筆触のパリ風景を描く。再渡仏して客死。(1898〜1928) ⇒さえき【佐伯】 さえ‐ぎ・る遮るサヘギル 〔他五〕 (サイギルの転) ①妨げる。中途で抑える。行動の邪魔をして止める。平家物語10「身を助からんと思ふ悪心のみ―・りて」。「言葉を―・る」 ②先立って行動する。太平記38「承はる旨なき間に―・つて使者をもつて申すなり」 ③間を隔てて見えなくする。「霧で視界が―・られる」 さえ‐さえ騒騒サヱサヱ (→)「さいさい(騒騒)」に同じ。 さえ‐ざえ冴え冴え・冱え冱え】 さえわたったさま。空気が澄んですがすがしいさま。清澄なさま。「―した月の影」「―とした表情」 ざえ‐ざえ・し才才し】 〔形シク〕 才知がありそうに見える。才知が表面にあらわれている。源氏物語若菜下「走り書きたる趣の―・しく」 さえざえ‐し・い冴え冴えしい】 〔形〕[文]さえざえ・し(シク) ①非常によくさえている。暁台句集「この宵朝はひときは事替りて…手づつ成なるも―・しく」 ②気持がはればれとしている。浮世床2「あなたにも、お―・しう」 さえ‐ざえ‐て冴え冴えて】 冴えた上にも冴えて。金葉和歌集「衣手に余呉よごの浦風―」 さえずり囀りサヘヅリ ①鳥がしきりに鳴くこと。また、その声。特に繁殖期における雄鳥の鳴き声。〈[季]春〉。「小鳥の―」→地鳴き。 ②やかましいおしゃべり。また、地方の人や外国人などの聞きわけにくい言葉。敏達紀「韓語からさえずり」。源氏物語松風「海人あまの―思し出でらる」 ③舞楽で舞人が漢文の詞句を朗詠すること。詠。 ④鯨の舌。 ⇒さえずり‐の‐ね【囀りの根】 さえずり‐とよ・む囀りとよむサヘヅリ‥ 〔自四〕 声が騒がしく響く。 さえずり‐の‐ね囀りの根サヘヅリ‥ 舌の根。 ⇒さえずり【囀り】 さえず・る囀るサヘヅル 〔自五〕 (サヒヅルの転) ①鳥がしきりに鳴きつづける。〈[季]春〉。古今和歌集「もも千鳥―・る春は物ごとにあらたまれどもわれぞふりゆく」。「すずめが―・る」 ②舞楽の舞の中で舞人が漢文の詞句を朗詠する。詠ずる。節をつけてうたう。字鏡集「詠、サヘヅル・ウタフ」 ③かしましくものを言う。よくしゃべる。源氏物語常夏「いとよげに今すこし―・れば、いふかひなしと思して」 ④(地方の人や身分の低い者、または外国人が)聞きとりにくい言葉でしゃべる。源氏物語須磨「そこはかとなく―・るも心のゆくへは同じことなるかなと」。今昔物語集31「胡えびすの人一時ばかり―・りあひて」 さ‐えださ枝】 (サは接頭語) ①(→)「えだ」に同じ。万葉集3「柘つみの―の流れ来ば」 ②横笛の名器の名。平敦盛の所持した「青葉の笛」と同じ物という。 ⇒さえだ‐ぐさ【さ枝草】 さえだ‐ぐささ枝草】 竹の異称。 ⇒さ‐えだ【さ枝】 さ‐えつ査閲】 実地に検査すること。特に、軍事教育の成績を査閲官が実地にしらべること。「演習を―する」 さえ‐な・うサヘナフ 〔他下二〕 (サヘ(障)ニア(合)フの約)防ぎとどめる。拒みとおす。万葉集20「―・へぬ命みことにあればかなし妹が手枕離れ」 ざえ‐なのり才名乗り】 神楽で、人長にんじょうの問いに対して才の男おのこが自分の得意の才芸を名乗り出る、滑稽な問答。宇津保物語嵯峨院「いとになく遊び給ふ。かくて、みな、―などす」 さえ‐にサヘ‥ (助詞サエに助詞ニの付いたもの)…までも。万葉集12「白しろたえの君が下紐われ―今日結びてな逢はむ日のため」 さえ‐にん支人サヘ‥ 仲裁する人。さえびと。裁人さいにんざえ‐の‐おのこ才の男‥ヲノコ 神楽で滑稽な演技をする役。ざえ。枕草子142「―召して声ひきたる人長にんじょうの心地よげさこそいみじけれ」 ざえ‐の‐おぼえ才の覚え】 学芸の心得。さいかく。 さえ‐の‐かみ障の神・塞の神・道祖神サヘ‥ (伊弉諾尊いざなぎのみことが伊弉冉尊いざなみのみことを黄泉よみの国に訪ね、逃げ戻った時、追いかけてきた黄泉醜女よもつしこめをさえぎり止めるために投げた杖から成り出た神)邪霊の侵入を防ぐ神。行路の安全を守る神。村境などに置かれ、近世にはその形から良縁・出産・夫婦円満の神ともなった。みちのかみ。道祖神どうそじん。さいのかみ。今昔物語集13「すべて人無し。只―の形を造りたる有り」 ⇒さえのかみ‐ば【道祖神場】 さえのかみ‐ば道祖神場サヘ‥ 「どんど場」参照。 ⇒さえ‐の‐かみ【障の神・塞の神・道祖神】 さえ‐まさ・る冴え勝る】 〔自四〕 ①寒さがいっそうひどくなる。古今和歌集「笹の葉におく霜よりも独り寝るわが衣手ぞ―・りける」 ②いっそう澄んでくる。千載和歌集「月の光の―・るかな」 さ‐えもん左衛門‥ヱ‥ ①左衛門督の略。 ②左衛門府の略。 ③土左衛門の略。溺死者の俗称。 ⇒さえもん‐の‐かみ【左衛門督】 ⇒さえもん‐の‐じん【左衛門の陣】 ⇒さえもん‐ふ【左衛門府】 さえもん‐の‐かみ左衛門督‥ヱ‥ 左衛門府の長官。 ⇒さ‐えもん【左衛門】 さえもん‐の‐じん左衛門の陣‥ヱ‥ヂン 建春門にあった左衛門府の詰所。また、建春門の称。→内裏(図)⇒さ‐えもん【左衛門】 さえもん‐ふ左衛門府‥ヱ‥ 「衛門府」参照。 ⇒さ‐えもん【左衛門】 さえ‐ゆ・く冴え行く】 〔自五〕 ①だんだん冷えて行く。金葉和歌集「衣手の―・くままに」 ②光や音などがだんだんに澄んで行く。長秋詠藻「衣打つ響きは月の何なれや―・くままに澄みのぼるらむ」 さ・える冴える・冱える】 〔自下一〕[文]さ・ゆ(下二) ①冷える。源氏物語総角「霜―・ゆる汀の千鳥」 ②光・音・色などが澄む。〈[季]冬〉。千載和歌集「五月雨の雲のたえまに月―・えて」。「―・えた音色」 ③頭や目の働きが鋭くなる。また、腕前などがあざやかである。「目が―・える」「―・えた弁舌」 ④(多く「―・えない」の形で)きわだったところがなく物足りない。「―・えない男」 さ・える障える・支えるサヘル 〔他下一〕[文]さ・ふ(下二) ①塞き止める。さえぎる。万葉集11「はしきやし誰が―・ふれかもたまほこの道見忘れて君が来まさぬ」 ②(多く「気に―・える」の形で)気にさわる。感情を害する。 さえ‐わた・る冴え渡る】 〔自五〕 ①一面に冷え冷えとする。万葉集13「立ち待つにわが衣手に置く霜も氷に―・り降る雪も凍り渡りぬ」 ②光や音などがくまなく澄む。澄みわたる。詞花和歌集「雲の上は月こそさやに―・れ」。「三味線の音が―・る」 ③頭の働きや腕前などがあざやかである。「料理の包丁が―・る」 さ‐えん茶園‥ヱン 茶ばたけ。ちゃえん。 さ‐えん差延】 (différance フランス)デリダの用語。「差異」と「遅延」を意味する語を組み合わせた造語で、差異を産み出す働きを表す。存在者の現前には常に他者との空間的差異(間)と自己自身との時間的差異(遅延)があり、実体的同一性は差延の一効果にすぎないとする。 さ‐えん菜園‥ヱン サイエンの転。和訓栞「―、菜園也」 さお竿・棹サヲ ①枝葉を取り去った竹の幹。「旗―」「物干し―」 ②船を進めるのに用いる長い棒。水棹みさお。万葉集18「船に乗り川の瀬ごとに―さしのぼれ」 ③秤竿はかりざおの略。→棹秤さおばかり。 ④間竿けんざおの略。日葡辞書「サヲヲウツ」 ⑤三味線の胴から上の、弦を張った長い部分。転じて、三味線。→三味線(図)。 ⑥「つりざお」の略。 ⑦卵塔・石灯籠などの柱状の部分。竿石さおいし→石灯籠(図)。 ⑧箪笥たんす・長持ながもちなどにさしてかつぐ棒。また、箪笥・長持などを数えるのに用いる語。「箪笥一―」 ⑨真っ直ぐに長い物のたとえ。「雁が―になる」 ⑩陰茎。 ⑪旗を数えるのに用いる語。欽明紀「五色幡二―」 ⑫羊羹ようかん・洲浜すはまなどの棹物菓子を数えるのに用いる語。 ◇1は「竿」、2・5・8・12は「棹」と書くのがふつう。 ⇒竿の先に鈴 さ‐おさ青サヲ (サは接頭語。サアオの約)まっさお。また、青白いこと。万葉集16「人だまの―なる君が」 さ‐おさ麻サヲ (サは接頭語)アサの古名。万葉集9「麻衣に青衿あおくびつけ直ひた―を裳には織り着て」 さ‐おさ緒サヲ (サは接頭語)緒。綱。万葉集14「赤駒を打ちて―ひき」 さお佐保サホ (サホとも)奈良市北部の地名。佐保川が流れる。奈良時代、高官の邸宅地。 さお‐いし竿石サヲ‥ (→)竿7に同じ。 さお‐いれ竿入れサヲ‥ 間竿けんざおで地積を測量すること。また、検地のこと。竿打ち。 さ‐おう沙翁‥ヲウ (シェークスピアに「沙吉比亜」と当てたことから)シェークスピアの、日本での異称。 ざおう蔵王‥ワウ ①蔵王権現ごんげんの略。 ②蔵王山の略。 ⇒ざおう‐おんせん【蔵王温泉】 ⇒ざおう‐ごんげん【蔵王権現】 ⇒ざおう‐さん【蔵王山】 ⇒ざおう‐どう【蔵王堂】 さおう‐うおう左往右往‥ワウ‥ワウ 多くの人が左右に行き交うこと。混乱して秩序のないこと。右往左往。 ざおう‐おんせん蔵王温泉‥ワウヲン‥ 蔵王山西方の山形市内にある温泉。泉質は硫黄泉で強酸性。 ⇒ざおう【蔵王】 ざおう‐ごんげん蔵王権現‥ワウ‥ 修験道の主尊。役行者えんのぎょうじゃが金峰山きんぷせんで修行中に感得したと伝える。一面三目二臂で魔障降伏ごうぶくの相をなし、右手に三鈷杵さんこしょを持ち上げ、左手は剣印で腰にあて、右足をあげた形をなす。吉野蔵王堂などにまつられる。蔵王菩薩。金剛蔵王。 蔵王権現 ⇒ざおう【蔵王】 ざおう‐さん蔵王山‥ワウ‥ 山形・宮城両県にまたがる火山群の総称。最高峰の熊野岳は標高1841メートル。古名、不忘山わすれずのやま・刈田嶺。山上に蔵王権現をまつる。樹氷が有名。山腹はスキー場、山麓に温泉がある。 蔵王連峰 撮影:山梨勝弘 蔵王山 撮影:関戸 勇 ⇒ざおう【蔵王】 さお‐うた棹歌サヲ‥ 船頭などが舟に棹さしながらうたう歌。ふなうた。 さお‐うち竿打ちサヲ‥ (→)「竿入れ」に同じ。 ざおう‐どう蔵王堂‥ワウダウ 奈良県吉野山にある役行者えんのぎょうじゃ創建の金峯山寺きんぷせんじの本堂。 ⇒ざおう【蔵王】 さ‐おおさ小峰‥ヲヲ (サは接頭語)小さい峰。こみね。古事記「大峰おおおには幡はり立て―には幡はり立て」 さお‐がしら竿頭サヲ‥ 同じ釣船の中で、その日一番多く魚を釣った人。 さお‐かぜ佐保風サホ‥ 佐保のあたりを吹く風。万葉集6「わが背子が着る衣きぬ薄し―はいたくな吹きそ」 さお‐がね竿金サヲ‥ 「竹流し」の別称。 さお‐がわ佐保川サホガハ (佐保はサホとも)奈良市佐保を経て、市の北部を西に流れ、南流して水谷みずや川・率いさ川・岩井川を合わせ、大川(大和川の上流)となる川。古歌では、千鳥・蛍の名所。(歌枕) さお‐こ棹子サヲ‥ 舟の艫ともにいて棹さす人。かじこ。 さお‐コンパス竿コンパスサヲ‥ 大きな円を描くために直線定規の両端に取り付けて用いる部品。普通のコンパスでは届かない場合に用いる。ビーム‐コンパス。 さお‐さ・す棹さすサヲ‥ 〔自五〕 棹を水底につきさして、舟を進める。転じて、時流に乗る。また、時流にさからう意に誤用することがある。万葉集20「夕潮に―・しくだり」。夏目漱石、草枕「情じょうに―・せば流される」。「時勢に―・す」 さ‐おしかさ牡鹿‥ヲ‥ (サは接頭語)おすの鹿。おじか。〈[季]秋〉。万葉集15「秋の野に―鳴きつ」 ⇒さおしか‐の【さ牡鹿の】 さおしか‐のさ牡鹿の‥ヲ‥ 〔枕〕 さ牡鹿の分け入る野の意で、「いりの(入野)」にかかる。万葉集10「―入野のすすき」 ⇒さ‐おしか【さ牡鹿】 さお‐だか竿鷹サヲ‥ 鷹狩の一種。隼はやぶさを馴養じゅんようして鴨などを捕獲する方法。竿を立てて鳥を追い、その竿を目当てに隼が獲物を捕らえることからの名。 さお‐だけ竿竹サヲ‥ 竿にした竹。竹の竿。 さお‐だち棹立ちサヲ‥ 馬などが前脚をあげて、後脚で立ちあがること。棒立ち。 さお‐つぎ竿継ぎサヲ‥ 木材継手の一種。材端に長い枘ほぞすなわち竿枘を作り、他の材に設けた枘穴に差し入れ、車知しゃちを打ち込んで固めるもの。 竿継ぎ さおつけ‐の‐お竿付の緒サヲ‥ヲ 旗を竿に結びつけるための紐。 さお‐づり竿釣サヲ‥ 釣竿を用いて魚を釣る方法。 さ‐おととし一昨昨年‥ヲトトシ さきおととし。竹取物語「―の二月の十日頃に」 さ‐おとめ早少女・早乙女‥ヲトメ (サは接頭語、神稲の意) ①田植をする女。植女うえめ。そうとめ。〈[季]夏〉。栄華物語根合「―の山田の代しろにおり立ちて」 ②おとめ。山家集「磯菜摘むあまの―心せよ」 ⇒さおとめ‐ばな【早乙女花】 さおとめ‐ばな早乙女花‥ヲトメ‥ ①ヘクソカズラの別称。 ②東北地方で、花菖蒲はなしょうぶ⇒さ‐おとめ【早少女・早乙女】 さお‐とり竿取サヲ‥ 江戸時代、検地や検見けみなど測量をする時、間竿けんざおを取り扱った者。 さお‐とり棹取サヲ‥ 船の楫かじとり。 さ‐おど・るさ躍る‥ヲドル 〔自四〕 (サは接頭語)おどる。はねる。万葉集19「杉の野に―・る雉きぎしいちじろく音にしも鳴かむ」

広辞苑 ページ 7763 での○財を成す単語。