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しも【下】🔗🔉

しも】 ➊一つづきの事や物の、上部または初めから隔たった部分。「かみ」に対する。 ①(空間的に)高い所に対して低い所。 ㋐下部。下方。した。源氏物語若紫「ただこのつづらをりの―に」 ㋑川の下流。川下。万葉集2「飛ぶ鳥の飛鳥あすかの河の上つ瀬に生ふる玉藻は―つ瀬に流れ触らばふ」 ㋒身体の腰部より下の部分。特に陰部を指すこともある。「―半身に火傷を負う」「―の病」 ㋓転じて、糞。大小便。また、月経。俚言集覧「月水の―と云、―を見るなどいへり」。「―肥ごえ」 ②(時間的に、または順序で)後の方。終り。末。 ㋐近代。現代。千載和歌集「上正暦のころほひより、―文治の今に至るまで」 ㋑月の下旬。源氏物語順集「長月の―の十日に今二日おきての事なり」 ㋒ある期間を二つに分けた後の方。「―半期」 ㋓和歌の終りの方。主に後半の2句。下の句。 ➋階級の劣っていること。また、そのような人。 ①官位・身分の卑しいもの。源氏物語帚木「―のきざみといふきはになれば、殊に耳立たずかし」 ②年下。年少者。 ③(君主・朝廷に対して)臣下。人民。平家物語3「―として上に逆ふること、あに人臣の礼たらんや」 ④(主人・長官などに対して)部下・雇人。源氏物語玉鬘「この頼もし人なる介、弓矢もちたる人二人、さては―なる者、童など三四人…とぞある」。浮世草子、御前義経記「わざと―に引下げられ、小童なみの草履をつかみ」。「―使い」 ⑤貴人の座からはなれたところ。下座。源氏物語空蝉「床ゆかの―に二人ばかりぞふしたる」 ⑥宮中や貴人の家などで女房たちの詰めている局つぼね。源氏物語帚木「―に湯におりて、只今まゐらむと侍り」 ⑦京からはなれた地方。特に西国地方。いなか。地方。浮世草子、御前義経記「是れをだに見出しなば早速―へ下くだるべし」 ⑧内裏だいりからはなれたところ。南。浮世草子、好色産毛「この―よりの伽羅のあぶらや」

しも【霜】🔗🔉

しも】 ①多く晴天無風の夜、地表面付近の気温が氷点下になって、空気中の水蒸気が地表や物に接触して昇華し、白色の氷片を形成したもの。古人は露の凍ったものと考え、また、草木を凋落ちょうらくさせるものとした。〈[季]冬〉。播磨風土記「霰あられふり―ふるとも」。「―が降りる」 霜 撮影:高橋健司 ②(比喩的に)白髪しらが。「頭に―をいただく」 ⇒霜を履んで堅氷至る

しも(助動詞)🔗🔉

しも 〔助動〕 (室町時代の語。シムルの転ともセタマフの転ともいう。活用は特殊型)四段・ナ変動詞の未然形に接続して、尊敬の意を表す。…なさる。史記抄「斉王は張儀をにくましめども」→さしも

し‐も(助詞)🔗🔉

し‐も 〔助詞〕 (強めの助詞「し」に、感動の助詞「も」の付いた語)強意を表す。万葉集18「とことへにかく―あらめや」。「誰―同じ」「なきに―あらず」

しもいちだん‐かつよう【下一段活用】‥クワツ‥🔗🔉

しもいちだん‐かつよう下一段活用‥クワツ‥ 動詞の活用の一つ。語尾が五十音図のエ列の1段だけに活用するもの。文語では「蹴る(け・け・ける・ける・けれ・けよ)」の1語。口語では、文語の下二段活用に由来する語。「越える(え・え・える・える・えれ・えよ(ろ))」の類。

し‐もう【四孟】‥マウ🔗🔉

し‐もう四孟‥マウ 孟春・孟夏・孟秋・孟冬の総称。四季それぞれのはじめ。

し‐もう【刺毛】🔗🔉

し‐もう刺毛】 ①植物の表皮にある毛の一種。毒液を含み、先端はもろく、動物などが触れれば刺さって折れ、毒液を注入する。イラクサにある棘とげはその例。棘毛。焮毛きんもう。螫毛せきもう。 ②昆虫などにある毒腺につらなった毛。

し‐もう・く【為設く】‥マウク🔗🔉

し‐もう・く為設く‥マウク 〔他下二〕 こしらえておく。準備する。宇治拾遺物語1「果物、食物―・けて」

しもうさ【下総】‥フサ🔗🔉

しもうさ下総‥フサ 旧国名。今の千葉県の北部および茨城県の一部。上総かずさを南総というのに対し、北総という。しもつふさ。

しもう‐た【仕舞うた】シマウ‥🔗🔉

しもう‐た仕舞うたシマウ‥ 失敗したときに発する語。しまった。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「なむ三宝。―」

しもうた‐や【仕舞屋】シマウ‥🔗🔉

しもうた‐や仕舞屋シマウ‥ もと商家であったが、その商売をやめた家。金利や資財の利潤で裕福に暮らしている人、またはそういう家。転じて、商店でない、普通の家。しもたや。浮世草子、俗つれづれ「祖父より三代、商売は―にして」

しも‐うど【下人】🔗🔉

しも‐うど下人】 (シモヒトの音便)しもべ。徒然草「都よりは目とまる心地して―に問へば」

しも‐おおい【霜覆い】‥オホヒ🔗🔉

しも‐おおい霜覆い‥オホヒ 霜害を避けるため藁わらなどで植物をおおうこと。霜よけ。

しもおか【下岡】‥ヲカ🔗🔉

しもおか下岡‥ヲカ 姓氏の一つ。 ⇒しもおか‐れんじょう【下岡蓮杖】

しもおか‐れんじょう【下岡蓮杖】‥ヲカ‥ヂヤウ🔗🔉

しもおか‐れんじょう下岡蓮杖‥ヲカ‥ヂヤウ 日本の写真術の先駆者の一人。静岡県下田の人。初名、桜田久之助。横浜で米国の写真師ウンシンから湿板写真術を学び、1862年(文久2)横浜で写真館を開業、のち東京浅草に移る。(1823〜1914) ⇒しもおか【下岡】

しも‐おこし【下起し・霜起し】🔗🔉

しも‐おこし下起し・霜起し】 田を2度目に耕すこと。

しも‐おとこ【下男】‥ヲトコ🔗🔉

しも‐おとこ下男‥ヲトコ 召使の男。げなん。しもべ。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「本陣宿の忙しさ、あまたの出女―」

しも‐おなご【下女子】‥ヲナゴ🔗🔉

しも‐おなご下女子‥ヲナゴ 召使の女。げじょ。しもおんな。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「この季から置かれし露や―」

しも‐おれ【霜折れ】‥ヲレ🔗🔉

しも‐おれ霜折れ‥ヲレ 曇って寒い冬の朝など、霜柱が立たないこと。また、そのような天気。一説に、しもどけ。新撰六帖1「今日はまた山の朝けの―に空かきくもり雨は降りつつ」

しも‐おんな【下女】‥ヲンナ🔗🔉

しも‐おんな下女‥ヲンナ ①身分の低い女官。枕草子47「主殿司こそ、なほをかしきものはあれ。―のきはは、さばかりうらやましきものはなし」 ②召使の女。女中。げじょ。しもおなご。

しも‐がかり【下掛り】🔗🔉

しも‐がかり下掛り】 ①能の流派の分類名。シテ方では金春こんぱる・金剛・喜多の3流。ワキ方では春藤しゅんどう・宝生(春藤の分流)・高安の諸流。大和がかり。奈良がかり。↔上かみ掛り。 ②しもがかること。洒落本、辰巳之園「詳しくあらはす時は―となる」 ⇒しもがかり‐ほうしょうりゅう【下掛宝生流】

しも‐がか・る【下掛かる】🔗🔉

しも‐がか・る下掛かる】 〔自五〕 (「しも」は下半身に関するものの意)下品な話になる。「―・った話」

しも‐がこい【霜囲い】‥ガコヒ🔗🔉

しも‐がこい霜囲い‥ガコヒ (→)「霜よけ」に同じ。

しも‐が‐しも【下が下】🔗🔉

しも‐が‐しも下が下】 身分の最も卑しい者。下の下。源氏物語帚木「―の中には、なでふことか聞しめし所侍らむ」

しも‐かずき【霜被き】‥カヅキ🔗🔉

しも‐かずき霜被き‥カヅキ 冬咲きのなでしこ。御湯殿上日記「ひろはし大納言―しん上申さるる」

しも‐かぜ【下風】🔗🔉

しも‐かぜ下風(→)疝気せんきに同じ。

しも‐かぜ【霜風】🔗🔉

しも‐かぜ霜風】 霜を置くような寒い風。浄瑠璃、心中重井筒「野辺の―小夜嵐」

しも‐かた【下方】🔗🔉

しも‐かた下方】 しもの方。末の方。終りの方。

しも‐がち【下勝ち】🔗🔉

しも‐がち下勝ち】 下の方が大きいさま。下しもぶくれ。源氏物語末摘花「額つきこよなうはれたるに、なほ―なる面おもやうは、大方おどろおどろしう長きなるべし」

しもがも【下鴨】🔗🔉

しもがも下鴨】 京都市左京区、市の北東部の賀茂川と高野川とが合流する三角地帯の地名。中心に下鴨神社がある。 ⇒しもがも‐じんじゃ【下鴨神社】

しもかも‐おんせん【下賀茂温泉】‥ヲン‥🔗🔉

しもかも‐おんせん下賀茂温泉‥ヲン‥ 静岡県東部、伊豆半島南部にある温泉。泉質は塩化物泉。温泉熱を利用した熱帯植物園がある。

しもがも‐じんじゃ【下鴨神社】🔗🔉

しもがも‐じんじゃ下鴨神社】 京都、賀茂御祖かもみおや神社の通称。上賀茂神社に対する。 ⇒しもがも【下鴨】

しも‐がれ【霜枯れ】🔗🔉

しも‐がれ霜枯れ】 ①霜にあって、草木などの枯れしぼむこと。〈[季]冬〉。歌経標式「―のしだり柳の」 ②「霜枯れ時」の略。 ⇒しもがれ‐どき【霜枯れ時】 ⇒しもがれ‐みつき【霜枯れ三月】

しもがれ‐どき【霜枯れ時】🔗🔉

しもがれ‐どき霜枯れ時】 ①草木が霜枯れして、さびしい景色の時節。 ②年の暮の、商売の景気がわるい時節。 ⇒しも‐がれ【霜枯れ】

しもがれ‐みつき【霜枯れ三月】🔗🔉

しもがれ‐みつき霜枯れ三月】 年の暮の景気がわるい3カ月。 ⇒しも‐がれ【霜枯れ】

しも‐が・れる【霜枯れる】🔗🔉

しも‐が・れる霜枯れる】 〔自下一〕[文]しもが・る(下二) 草木が霜にあって枯れしぼむ。枕草子67「こと花どものみな―・れたるに」

しも‐き【下期】🔗🔉

しも‐き下期】 会計年度などの1年を半分に分けた、後の方の半期。下半期。↔上かみ

しもきた‐はんとう【下北半島】‥タウ🔗🔉

しもきた‐はんとう下北半島‥タウ 青森県北東部にあり、北に斧状に突出する半島。西側に陸奥湾を抱き、北部に恐山がある。斗南となみ半島。

しも‐ぎょう【下京】‥ギヤウ🔗🔉

しも‐ぎょう下京‥ギヤウ ①京都の二条通以南の称。中小の商人が住んだ。↔上京。 ②京都市の区名。

しも‐く【下句】🔗🔉

しも‐く下句(→)「しものく」に同じ。

し‐もく【四木】🔗🔉

し‐もく四木⇒しぼく

し‐もく【指目】🔗🔉

し‐もく指目】 指さして見ること。目をつけること。

し‐もく【撞木・杵】🔗🔉

し‐もく撞木・杵】 シュモクの訛。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「鐘の―とわれとわが身をけづらるる憂きつとめ」 ⇒しもく‐まち【撞木町】

しも‐くずれ【霜崩れ】‥クヅレ🔗🔉

しも‐くずれ霜崩れ‥クヅレ 霜柱がとけてくずれること。

しも‐くち【霜朽ち】🔗🔉

しも‐くち霜朽ち(→)「しもやけ」に同じ。一説に、しもやけ・ひび・あかぎれなどの総称。蜻蛉日記「―まじなはん」

しも‐ぐち【下口】🔗🔉

しも‐ぐち下口】 うしろにある入口。うらぐち。平家物語7「殿上の―へ召して」 ○耳目に触れるじもくにふれる 目や耳に入る。見たり聞いたりする。 ⇒じ‐もく【耳目】

しもく‐まち【撞木町】🔗🔉

しもく‐まち撞木町⇒しゅもくまち。好色一代男1「東福寺の入相程なく―」 ⇒し‐もく【撞木・杵】

しも‐ぐもり【霜曇り】🔗🔉

しも‐ぐもり霜曇り】 霜のおくような夜の寒さに空の曇ること。万葉集7「―すとにかあらむひさかたの夜渡る月の見えなく思へば」

し‐もくれん【紫木蓮】🔗🔉

し‐もくれん紫木蓮(→)モクレンの別称。白木蓮に対していう。 ○耳目を驚かすじもくをおどろかす 世の人々を驚かせる。世間に衝撃を与える。 ⇒じ‐もく【耳目】 ○耳目を属すじもくをしょくす 耳をそばだて目を注いで見聞する。 ⇒じ‐もく【耳目】

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