てん【展】 展覧会の略。「ピカソ―」

てん‐えん【展延】 薄くひろげのばすこと。ひろがりのびること。

てん‐かい【展開】 ①のべひらくこと。また、広くひろがること。「眼下に―する景観」 ②密集部隊が散兵となること。 ③〔数〕 ㋐多項式の積を単項式の和の形で表すこと。 ㋑ある式を級数の形に改めること。 ㋒立体を切り開いて一平面上にひろげること。 ④発展させ、繰りひろげること。「議論を―する」「新たな局面が―する」 ⇒てんかい‐ず【展開図】 ⇒てんかい‐ずほう【展開図法】 ⇒てんかい‐ぶ【展開部】

てんかい‐ず【展開図】_‥ヅ 展開により切りひろげられた図。 ⇒てん‐かい【展開】

てんかい‐ずほう【展開図法】_‥ヅハフ 地球表面を地図に描く図法。地球を囲む円錐や円柱を想定し、地球の中心に光源を置いたとして投影する。 ⇒てん‐かい【展開】

てんかい‐ぶ【展開部】 〔音〕フーガ・ソナタ形式などの楽曲で、提示部に示された主題を、さまざまに変化・発展させる部分。 ⇒てん‐かい【展開】

てん‐かん【展観】_‥クワン ①広げて見せること。 ②ひろく一般に見せること。「―場_ば」

てん‐し【展翅】 標本を作るため、昆虫などの羽を水平にひろげること。「―板」

てん‐じ【展示】 品物・作品をならべて一般の人々に見せること。「見本を―する」「―会」

てん‐しん【展伸】 のびひろがること。伸展。

てん‐せい【展性】 塑性の一種。圧力・打撃などによって、物体が弾性限界をこえて破壊されずに板ないし箔にされ得る性質。金・銀・銅などに著しい。「―に富む」

てん‐ちゃく【展着】 のべひろげて付着させること。 ⇒てんちゃく‐ざい【展着剤】

てんちゃく‐ざい【展着剤】 農薬に加える補助剤の一つ。薬剤の作用を補強し、展着力・浸潤力を増大させる。 ⇒てん‐ちゃく【展着】

てん‐てん【輾転・展転】 ①めぐること。ころがること。 ②ねがえりすること。ふしまろぶこと。 ⇒てんてん‐はんそく【輾転反側】

てん‐ぼ【展墓】 (「展」は、かえりみる意)はかまいり。墓参。〈[季]秋〉

てん‐ぼう【展望】_‥バウ 遠くの景色や広く社会の出来事などを、ながめ見渡すこと。また、見渡したながめ。「未来への―」「―が開ける」 ⇒てんぼう‐しゃ【展望車】 ⇒てんぼう‐だい【展望台】

てんぼう‐しゃ【展望車】_‥バウ‥ 進行中、特に沿線の景色を展望できるようにした旅客車。 ⇒てん‐ぼう【展望】

てんぼう‐だい【展望台】_‥バウ‥ 周囲をよく見渡すことのできる高台。また、景色を眺めるための高い建物。見晴らし台。 ⇒てん‐ぼう【展望】

てん‐もう【展毛】 紡績において、開毛機で開いた毛をさらにこまかく開き、同時に繊維および添加した油を平均に混和する工程。「―機」

てん‐らん【展覧】 物品・作品などを並べて見ること。また、見せること。「盆栽を―する」 ⇒てんらん‐かい【展覧会】

てんらん‐かい【展覧会】_‥クワイ 美術品・工芸品などを並べて見せる会。徳田秋声、二十四五「其夏もまだ―に出品する計画のあるやうな気組も見えなかつた」 ⇒てん‐らん【展覧】

ひろ・げる【広げる・拡げる】 〔他下一〕[文]ひろ・ぐ(下二) ①幅・面積・空間を大きくする。平家物語4「頼政右の膝をつき左の袖を―・げ、月を少し傍目にかけつつ」。「道路を―・げる」「領土を―・げる」 ②(「展げる」とも書く)巻いたりたたんだりしてある物をのべる。ひらきのべる。源氏物語空蝉「火あかき方に屏風を―・げて」。「新聞を―・げる」「傘を―・げる」 ③ひろめる。源氏物語椎本「あはあはしうなどは言ひ―・げずとも」 ④たくさんの物をそこらいっぱいに並べ置く。ちらかす。源氏物語紅葉賀「所せきまで遊び―・げ給へり」。「部屋いっぱいに本を―・げる」 ⑤規模を大きくする。「商売を―・げる」

展　字形 　筆順 〔尸部7画／10画／教育／3724・4538〕 〔音〕テン(呉)(漢) 〔訓〕のべる　(名)のぶ・ひろ [意味] ①平らにくりひろげる。並べる。のべる。「展示・展覧・展観」。特に、「展覧会」の略。「個展・国宝展・モネ展」 ②（巻き物を）開く。「親展・展巻」 ③ひろがる。のびる。「発展・進展・伸展」 ④ころがる。(同)輾・碾。「展転反側」 ⑤かえりみる。「展墓」 [解字] 形声。下半部が音符で、衣に重しをかける意。「尸」（＝人体）を加えて、からだの下に衣をおいて平らにのばす意。