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ぜんまい【発条・撥条】🔗🔉

ぜんまい発条・撥条】 うずまき状に巻いた弾力ある鋼鉄条。形が薇ぜんまいの若葉に似る。玩具・時計などの動力に使う。渦巻ばね。はつじょう。螺旋らせん状のばねと同義に用いることもある。「―を巻く」 ⇒ぜんまい‐じかけ【発条仕掛】 ⇒ぜんまい‐ばかり【発条秤】

ばち【撥】🔗🔉

ばち】 (慣用音。漢音はハツ) ①琵琶・三味線などの弦を弾き鳴らす具。多くはいちょうの葉の形だが、楽器によって異なり、琵琶の撥は本もとの尾端が開いているのに対し、三味線のは尾端が正方形。琵琶では黄楊つげなどの木で作り、三味線では象牙製を標準として、水牛の角・木などでも作る。源氏物語橋姫「掻きかへす―の音も物清げにおもしろし」 ②⇒ばち(桴・枹)

ばち‐あし【撥脚】🔗🔉

ばち‐あし撥脚】 机などの脚が撥の形をしたもの。

ばち‐あたり【撥当り】🔗🔉

ばち‐あたり撥当り】 撥の当りぐあい。

ばち‐あわせ【撥合せ】‥アハセ🔗🔉

ばち‐あわせ撥合せ‥アハセ 雅楽の音取ねとりで琵琶が奏する部分の称。

ばち‐えり【撥襟】🔗🔉

ばち‐えり撥襟】 女物和服の襟で、その襟幅が襟先の方に漸次広がり、撥形となっているもの。→襟(図)

ばち‐おと【撥音】🔗🔉

ばち‐おと撥音】 撥で弾き鳴らす音。

ばち‐かわ【撥皮】‥カハ🔗🔉

ばち‐かわ撥皮‥カハ 琵琶や三味線の胴、また太鼓の皮の、撥の当たるところに、別に貼った皮。琵琶では撥面とも。→三味線(図)

ばち‐さばき【撥捌き・桴捌き】🔗🔉

ばち‐さばき撥捌き・桴捌き】 ばちの扱い方。三味線・太鼓などを演奏する技術。「見事な―」

ばち‐だこ【撥胼胝】🔗🔉

ばち‐だこ撥胼胝】 三味線・琵琶などを弾く人の指の、撥の当たる所にできるたこ。

ばち‐びん【撥鬢】🔗🔉

ばち‐びん撥鬢】 男の髪の結い方。鬢を三味線の撥先のような形に剃り込んだもの。江戸中期、町人の間に流行。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「飛脚と思おぼしき―男」 撥鬢 ⇒ばちびん‐しょうせつ【撥鬢小説】 ⇒ばちびん‐やっこ【撥鬢奴】

ばちびん‐しょうせつ【撥鬢小説】‥セウ‥🔗🔉

ばちびん‐しょうせつ撥鬢小説‥セウ‥ 撥鬢奴の任侠を好んで描いたことから、村上浪六の小説の称。 ⇒ばち‐びん【撥鬢】

ばちびん‐やっこ【撥鬢奴】🔗🔉

ばちびん‐やっこ撥鬢奴】 ①(→)撥鬢に同じ。 ②撥鬢に結った町奴。 ⇒ばち‐びん【撥鬢】

ばち‐めん【撥面】🔗🔉

ばち‐めん撥面】 琵琶の胴の、撥が当たる部分。革を貼ってある。

ばち‐る【撥鏤】🔗🔉

ばち‐る撥鏤】 象牙彫刻の一技法。紅・緑・青などに染めた象牙に毛彫りで白い文様をあらわすもの。中国唐代に行われ、奈良時代に日本に伝わり、正倉院にその遺例がある。はね彫り。

はつ‐おん【撥音】🔗🔉

はつ‐おん撥音】 日本語の語中または語尾にあって、1音節をなす鼻音。平仮名では「ん」、片仮名では「ン」で表す。

はつ‐おんびん【撥音便】🔗🔉

はつ‐おんびん撥音便】 音便の一つ。おもに動詞活用語尾の「に」「び」「み」「り」が撥音になる音便。「飛びて」が「飛んで」に、「残りの雪」が「残んの雪」になる類。はねる音便。→音便

はつげん‐がっき【撥弦楽器】‥ガク‥🔗🔉

はつげん‐がっき撥弦楽器‥ガク‥ 弦楽器のうち、弦を指・爪・撥ばちなどではじいて鳴らすもの。ハープ・ギター・三味線の類。→擦弦さつげん楽器

はっ‐すい【撥水】🔗🔉

はっ‐すい撥水】 水をはじくこと。 ⇒はっすい‐かこう【撥水加工】

はっすい‐かこう【撥水加工】🔗🔉

はっすい‐かこう撥水加工】 布を構成する繊維を疎水化し、水をはじく性質を与える加工。 ⇒はっ‐すい【撥水】

はつ‐む【撥無・撥撫】🔗🔉

はつ‐む撥無・撥撫】 〔仏〕はらいのけて信じないこと。排斥すること。「因果―」

はつ‐ゆ【撥油】🔗🔉

はつ‐ゆ撥油】 油をはじくこと。 ⇒はつゆ‐かこう【撥油加工】

はつゆ‐かこう【撥油加工】🔗🔉

はつゆ‐かこう撥油加工】 繊維製品に油をはじく性質を与える加工。 ⇒はつ‐ゆ【撥油】

はつ‐らん【撥乱】🔗🔉

はつ‐らん撥乱】 (「撥」は治める意)乱れた世をしずめ治めること。 ⇒はつらん‐はんせい【撥乱反正】

はつらん‐はんせい【撥乱反正】🔗🔉

はつらん‐はんせい撥乱反正】 [公羊伝哀公14年]みだれた世を治め、正しい状態にかえすこと。 ⇒はつ‐らん【撥乱】

ばとう【抜頭・撥頭・髪頭】🔗🔉

ばとう抜頭・撥頭・髪頭】 雅楽の唐楽、太食調たいしきちょうの林邑楽系の曲。管弦にも舞楽にも用いる。4分の6拍子と4分の5拍子の演奏法がある。長髪のある仮面をつけ、桴ばちを持ち髪を振り乱して舞う。一人舞。

は・ぬ【撥ぬ・刎ぬ】🔗🔉

は・ぬ撥ぬ・刎ぬ】 〔他下二〕 ⇒はねる(下一)

はね【撥ね】🔗🔉

はね撥ね】 文字を書くのに、筆の先を払い上げるようにする運筆。また、その払い上げた文字の部分。

ばね【発条・撥条】🔗🔉

ばね発条・撥条】 (ハネ(跳)の転) ①鋼などの弾性を利用して、ひずみエネルギーを蓄え、または衝撃を緩和する作用をするもの。形により板ばね・コイルばね・竹の子ばね・渦巻ばねなどがあり、また、圧縮ばね・伸張ばね・ねじりばねに分ける。スプリング。 発条 ②転じて、はねる力。弾力性。「足腰の―が利かなくなる」 ③比喩的に、飛躍・発展などのきっかけ。

はね‐あ・げる【撥ね上げる】🔗🔉

はね‐あ・げる撥ね上げる】 〔他下一〕[文]はねあ・ぐ(下二) はねて上へあげる。はねてあがらせる。「泥を―・げる」

はね‐おと・す【撥ね落とす】🔗🔉

はね‐おと・す撥ね落とす】 〔他五〕 はね飛ばして落とす。

はね‐かえ・す【撥ね返す】‥カヘス🔗🔉

はね‐かえ・す撥ね返す‥カヘス 〔他五〕 ①はねてひっくりかえす。 ②当たってきたものを勢いよく返す。 ③忠告・要求などを、少しも受けつけない。つっぱねる。「辞職勧告を―・す」

はね‐か・ける【撥ね掛ける】🔗🔉

はね‐か・ける撥ね掛ける】 〔他下一〕[文]はねか・く(下二) ①水または泥などをはねとばしかける。 ②罪を他人になすりつける。天草本伊曾保物語「あれこそその熟柿をば食べたれと―・けうずるに」

はね‐か・す【撥ねかす】🔗🔉

はね‐か・す撥ねかす】 〔他五〕 はねかけるようにする。飛ばし散らす。「洋服に泥を―・す」

はね‐せん【刎銭・撥銭】🔗🔉

はね‐せん刎銭・撥銭】 上前うわまえをはねること。江戸時代、宿駅問屋場助成のために人馬賃銭の一部をはねたもの。渡し場でも行われた。

はね‐だすき【撥襷・刎襷】🔗🔉

はね‐だすき撥襷・刎襷】 中心に針金を入れて、結び目の端を上方にはね上げるようにした襷。歌舞伎などで用いる。

はね‐つ・ける【撥ね付ける】🔗🔉

はね‐つ・ける撥ね付ける】 〔他下一〕[文]はねつ・く(下二) ①はねかえす。 ②要求などを強くことわる。拒絶する。「一言のもとに―・ける」

はね‐つるべ【撥釣瓶】🔗🔉

はね‐つるべ撥釣瓶】 柱の上に横木を渡し、その一端に石などの重しを、他端に釣瓶をとりつけて、石の重みで釣瓶をはねあげ、水を汲むようにしたもの。桔槹きっこう。 撥釣瓶

はね‐とば・す【撥ね飛ばす】🔗🔉

はね‐とば・す撥ね飛ばす】 〔他五〕 はねてとばす。勢いよく遠くにはねやる。「車に―・される」「疲れを―・す」

はね‐に【撥ね荷】🔗🔉

はね‐に撥ね荷】 ①荷のなかから選り分けて除いた荷。 ②難船した時などに海中に投げ捨てた荷物。打ち荷。

はね‐の・ける【撥ね除ける】🔗🔉

はね‐の・ける撥ね除ける】 〔他下一〕[文]はねの・く(下二) ①向うへ勢いよく押しのける。「ふとんを―・ける」 ②取り出して除き去る。除外する。「粗悪品を―・ける」

はね‐ばかま【撥ね袴】🔗🔉

はね‐ばかま撥ね袴】 糊のりを強こわくつけたため、端がはねあがったようになった袴。

はね‐ばし【跳ね橋・撥ね橋・刎橋・桔橋】🔗🔉

はね‐ばし跳ね橋・撥ね橋・刎橋・桔橋】 ①城門など、不必要な時は綱で吊り上げておき、必要な時におろす橋。 ②(→)跳開橋ちょうかいきょうに同じ。

はね‐ぼり【撥彫】🔗🔉

はね‐ぼり撥彫(→)撥鏤ばちるに同じ。

はね‐まい【刎米・撥米】🔗🔉

はね‐まい刎米・撥米】 江戸時代、年貢米の納入のとき不良の米を除いたこと。また、その米。

はね‐もの【撥ね物】🔗🔉

はね‐もの撥ね物】 器物などの、品質が規格に合わずにはねのけられたもの。のけもの。

は・ねる【撥ねる】🔗🔉

は・ねる撥ねる】 〔他下一〕[文]は・ぬ(下二) (「跳ねる」と同源) ①先を勢いよくあげる。払い上げる。万葉集2「沖さけて漕ぎ来る船辺つきて漕ぎ来る船沖つ櫂いたくな―・ねそ辺つ櫂いたくな―・ねそ」。日葡辞書「ハシヲバハネハヅシ、云々」「ゴロクジュウニンシテモ、ヲシハタラキガタキダイバンジャク(大磐石)ノアリケルヲ、エイトハネヲコシ」 ②(「刎ねる」と書く)薙ぎ切る。払い斬る。安康紀「自ら刎くびはねて皇尸みかばねの側に死みまかりぬ」。平家物語2「其の弟左衛門の尉師平、郎等三人、同じく首を―・ねられけり」。日葡辞書「クビヲハヌル」 ③投げ捨てる。浄瑠璃、薩摩歌「心の種のささ舟に、情の上荷―・ねられて」 ④一部分をかすめとる。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「八文であつたもの一文―・ねて七つにしてあいつが壺へあてがうたは」。「上前うわまえを―・ねる」 ⑤切り捨てる。取り除く。「厘以下を―・ねる」 ⑥除外する。不合格とする。「筆記試験で―・ねられた」 ⑦突きもどす。拒否する。傾城禁短気「そんな阿呆たわけぬかす客は、―・ねて―・ね散らかせ」 ⑧ぶつかってはじき飛ばす。「車で人を―・ねる」 ⑨飛び散らせる。「泥を―・ねる」 ⑩仮名「ん」「ン」で表記される音で発音する。 ⑪文字を書く時に筆の先を上げるようにする。「―・ねるところと、とめるところをはっきり区別する」

[漢]撥🔗🔉

 字形 〔手(扌)部12画/15画/5791・597B〕 〔音〕ハツ(漢) バチ(慣) 〔訓〕はねる [意味] ①はねる。はねあげる。はねかえす。「反撥・撥音・挑撥」「香炉峰雪撥簾看(=みすをかかげてみる)」〔白居易〕 ②バチ楽器の弦をはじいたり太鼓を打ち鳴らしたりする器具。「撥さばき」 ③おさめる。「撥乱反正」 [難読] 撥条ばね

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