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たし【立し】🔗🔉

たし立し】 (上代東国方言。「立つ」の連用形)(→)「立ち」に同じ。万葉集20「荒し男も―や憚る不破の関越えてわは行く」

たた・す【立たす】🔗🔉

たた・す立たす】 〔自五〕 (スは上代の尊敬語)お立ちになる。古事記「二柱の神天あまの浮橋に―・して」

たた‐り【立たり】🔗🔉

たた‐り立たり】 (「立てり」の上代東国方言)立っている。万葉集20「家人いわびとのわれを見送ると―しもころ」

たち【立】🔗🔉

たち】 [一]〔名〕 ①立つこと。万葉集20「水鳥の―の急ぎに」 ②出で立つこと。出発すること。かどで。発足。旅だち。出立。万葉集20「たちこもの―の騒きに相見てし」 ③時が過ぎてゆくこと。経過。「月日の―」 ④燃え尽きること。「―の早い蝋燭」 ⑤釣りで、水深のこと。海立ち。 [二]〔接頭〕 動詞に冠して、語勢を強める語。「―勝まさる」「―至る」

だち【立ち】🔗🔉

だち立ち】 〔接尾〕 ①ある語に添えて出生地または立身した最初の身分を示す。平家物語9「この馬は信濃国井上―にてありければ」 ②出発すること。「七つ―」 ③車につける牛馬または船の艪などの数に添える語。だて。「八梃―の船」 ④名詞に付いて、その作りのさまを示す。「目鼻―」「顔―」

たち‐あ・う【立ち合う・立ち会う】‥アフ🔗🔉

たち‐あ・う立ち合う・立ち会う‥アフ 〔自五〕 ①双方から行き合う。互いに出合う。万葉集6「川波の―・ふ郷と」 ②双方が勝負を争いまたは格闘する。「正々堂々と―・え」 ③その場に居合わせる。また、証人としてその場に出る。「臨終に―・う」 ④監督または検証などのため、その場に臨む。 ◇2は、ふつう「立ち合う」、3・4は、多く「立ち会う」と書く。

たち‐あがり【立ち上り】🔗🔉

たち‐あがり立ち上り】 ①たちあがること。 ②動作を起こし始めたところ。でばな。「―を攻める」

たち‐あが・る【立ち上がる】🔗🔉

たち‐あが・る立ち上がる】 〔自五〕 ①坐ったり寝たりしていた姿勢から立つ。身を起こす。まっすぐ立つ。源氏物語「大臣おとどはえ―・り給はず」 ②(毛などが)さか立つ。枕草子218「うるはし髪持たらん人も、みな―・りぬべき心地すれ」 ③苦しい状態から勢いをもり返す。「災害の痛手から―・る」 ④行動をおこす。物事を始める。「反対運動に―・る」「新しいプロジェクトが―・る」 ⑤相撲で、仕切りから戦いに入る。 ⑥電子機器のシステムが起動する。

たち‐あげ【立ち上げ】🔗🔉

たち‐あげ立ち上げ】 ①コンピューターなどを起動させること。 ②組織や企画を新しく始めること。

たち‐あ・げる【立ち上げる】🔗🔉

たち‐あ・げる立ち上げる】 〔他下一〕 ①機械を稼働できる状態にする。特にコンピューターにいう。 ②組織・企業などを新しく始める。「新事業を―・げる」

たち‐あらわ・れる【立ち現れる・立ち顕れる】‥アラハレル🔗🔉

たち‐あらわ・れる立ち現れる・立ち顕れる‥アラハレル 〔自下一〕[文]たちあらは・る(下二) 目の前に、はっきりと姿を現す。

たち‐い【立ち居・起居】‥ヰ🔗🔉

たち‐い立ち居・起居‥ヰ ①たつこととすわること。日常の動作。今昔物語集14「老いたる狗いぬ、仏前にありて音こえを高く吼えて―に仏を礼拝す」 ②立ち現れてとどまること。雨月物語1「千里に雲の―もなく」 ⇒たちい‐の‐ひと【立ち居の人】 ⇒たちい‐ふるまい【立居振舞】

たち‐い・ず【立ち出づ】‥イヅ🔗🔉

たち‐い・ず立ち出づ‥イヅ 〔自下二〕 ①立って出て行く。たち去る。源氏物語「あからさまに―・で侍るにつけても」 ②出て来る。現れ出る。源氏物語行幸「西の対の姫君も―・で給へり」

たち‐いた・る【立ち至る・立ち到る】🔗🔉

たち‐いた・る立ち至る・立ち到る】 (「たち」は接頭語)〔自五〕 物事が重大・深刻な状況になる。「事ここに―・れば」

たちい‐の‐ひと【立ち居の人】‥ヰ‥🔗🔉

たちい‐の‐ひと立ち居の人‥ヰ‥ 多くの人。狂言、鱸庖丁「家をも継がうずる程の人が鱸に打身食べうなんどといひて、―に笑はれ給ふな」 ⇒たち‐い【立ち居・起居】

たち・いる【立ち居る】‥ヰル🔗🔉

たち・いる立ち居る‥ヰル 〔自上一〕 ①立ったりすわったりする。宇津保物語俊蔭「俊蔭―・ゐ拝む」 ②立っている。雲などが、浮かんでいる。伊勢物語「中空に―・ゐる雲のあともなく」

たち‐おくれ【立ち後れ・立ち遅れ】🔗🔉

たち‐おくれ立ち後れ・立ち遅れ】 たちおくれること。

たち‐おく・れる【立ち後れる・立ち遅れる】🔗🔉

たち‐おく・れる立ち後れる・立ち遅れる】 〔自下一〕[文]たちおく・る(下二) ①遅れて立つ。行動をはじめるのがおくれる。なすべき時機を失う。遅くなる。源氏物語藤裏葉「この花の独り―・れて、夏に咲きかかる程」。「人に―・れる」 ②才能や程度が他より劣る。ひけをとる。おくれる。源氏物語帚木「夜昼学問をも遊びをももろともにして、をさをさ―・れず」。「科学技術の導入で―・れる」 ③死に遅れる。先立たれる。源氏物語橋姫「うち捨ててつがひ去りにし水鳥のかりのこの世に―・れけむ」

たち‐およぎ【立ち泳ぎ】🔗🔉

たち‐およぎ立ち泳ぎ】 水泳術の一つ。体を水中に立てて泳ぐこと。立ち游ぎ。

たち‐かえ・る【立ち返る・立ち帰る】‥カヘル🔗🔉

たち‐かえ・る立ち返る・立ち帰る‥カヘル 〔自五〕 ①すぐにかえる。また、かえる。たちもどる。もどる。源氏物語総角「え―・らで、わななくわななく見給へば」。「根本に―・って再検討する」 ②くりかえす。更級日記「親の折より―・りつつ見し東路あずまじ」 ③(返事などを)おりかえし、すぐにする。蜻蛉日記「馬槽むまぶねは立てたるところありて…とものしたれば、―・りて、立てたるところはべなる槽は…」 ④(形勢などが)逆転する。徒然草「―・り、つづけて勝つべき時の到れる」

たち‐かか・る【立ち掛かる】🔗🔉

たち‐かか・る立ち掛かる】 〔自五〕 ①まさに立とうとする。 ②相手に打ってかかる。立ち向かう。宇治拾遺物語11「―・りておこしたてず頭を又打ちわりてけり」 ③よりかかる。もたれかかる。猿蓑「―・り屏風を倒す女子共おなごども(凡兆)

たち‐かく・す【立ち隠す】🔗🔉

たち‐かく・す立ち隠す】 〔他五〕 霞・雲などが立ってさえぎり隠す。かくす。古今和歌集「―・すらむ山の桜を」

たち‐かく・る【立ち隠る】🔗🔉

たち‐かく・る立ち隠る】 〔自四・下二〕 「かくる」を強めていう語。

たち‐かさ・ぬ【立ち重ぬ】🔗🔉

たち‐かさ・ぬ立ち重ぬ】 〔他下二〕 幾重にも重ねる。拾遺和歌集神楽歌「生ひ茂れ平野の原のあや杉よ濃き紫に―・ぬべく」

たち‐かわり【立ち代り】‥カハリ🔗🔉

たち‐かわり立ち代り‥カハリ たちかわること。互いにかわりあうこと。交替。 ⇒たちかわり‐いれかわり【立ち替り入れ替り】

たちかわり‐いれかわり【立ち替り入れ替り】‥カハリ‥カハリ🔗🔉

たちかわり‐いれかわり立ち替り入れ替り‥カハリ‥カハリ 多くの者がかわるがわる現れるさま。「いれかわりたちかわり」とも。 ⇒たち‐かわり【立ち代り】

たち‐かわ・る【立ち代る】‥カハル🔗🔉

たち‐かわ・る立ち代る‥カハル 〔他四〕 ①かわる。うつりかわる。万葉集6「―・り古き都となりぬれば」 ②交替する。源氏物語藤裏葉「上はまかでさせ給ふ。―・りて、参り給ふに」

たち‐き・る【立ち切る】🔗🔉

たち‐き・る立ち切る】 〔自四〕 ①炭や油などが、燃えつきる。好色一代女3「こよひも又長蝋燭の―・るまで、悋気講りんきこうあれかし」 ②(多く否定の形で)立ちつづける。居つづける。また、堪える。やっていく。莫切自根金生木きるなのねからかねのなるき「今はうちにも―・りがたく」

たち‐ぎわ【立ち際・発ち際】‥ギハ🔗🔉

たち‐ぎわ立ち際・発ち際‥ギハ 出かけようとするとき。出発するまぎわ。

たち‐く・く【立ち潜く・立ち漏く】🔗🔉

たち‐く・く立ち潜く・立ち漏く】 〔自四〕 間をくぐる。万葉集8「足引の木の間―・くほととぎす」

たち‐くたび・れる【立ち草臥れる】🔗🔉

たち‐くたび・れる立ち草臥れる】 〔自下一〕 長時間立っていて疲れる。

たち‐くだ・る【立ち下る】🔗🔉

たち‐くだ・る立ち下る】 〔自四〕 程度がおとる。源氏物語梅枝「この御箱には―・れるをばまぜ給はず」

たち‐くらみ【立ち暗み】🔗🔉

たち‐くらみ立ち暗み】 (タチグラミとも)立ち上がる時、または、立っている時に急にめまいがすること。西鶴織留2「―がするとて昼も高枕して物いはず」

たち‐ごし【立ち腰】🔗🔉

たち‐ごし立ち腰】 相撲で、腰を浮かせて立った姿勢になること。

たち‐こ・む【立ち込む】🔗🔉

たち‐こ・む立ち込む】 〔自五〕 ①人馬・車馬などが一つところに多く入りこむ。混雑する。たてこむ。源氏物語賢木「所なく―・みたりし馬・車うすらぎて」 ②釣りをするために、膝上まで水に入る。

たち‐こ・める【立ち籠める・立ち込める】🔗🔉

たち‐こ・める立ち籠める・立ち込める】 〔自下一〕[文]たちこ・む(下二) 霧や煙などが一面にこもる。栄華物語布引滝「水上は霧―・めて見えねども」。「異臭が―・める」

たち‐こ・ゆ【立ち越ゆ】🔗🔉

たち‐こ・ゆ立ち越ゆ】 〔自下二〕 ①越える。過ぎて行く。 ②まさる。すぐれる。 ③出かけて行く。往く。謡曲、野宮「―・え一見せばやと存じ候」 ④やって来る。来る。狂言、菊の花「これまで―・えたれども」

たち‐さ・う【立ち塞ふ】‥サフ🔗🔉

たち‐さ・う立ち塞ふ‥サフ 〔他下二〕 (古くは四段活用)立ってさえぎりとどめる。たちふさぐ。土佐日記「波―・へて入れずもあらなんともよみてましや」

たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】🔗🔉

たち‐さか・ゆ立ち栄ゆ】 〔自下二〕 (タチザカユとも)草木などが茂りさかえる。時を得て繁栄する。万葉集7「吾が時と―・ゆとも草な手折りそ」

たち‐ざけ【立ち酒】🔗🔉

たち‐ざけ立ち酒】 ①出発の際に酒を飲むこと。また、その酒。好色一代男5「そのあけの日は禿かぶろどもが―、さいはひ関送りとて」 ②立ったまま酒を飲むこと。また、その酒。浄瑠璃、女殺油地獄「注ぐも受くるも―をお吉見付けて」 ③婚宴のあと、嫁の立ちぎわに、主客が立ちながら酒を飲む風習。また、その酒。浄瑠璃、心中重井筒「これを限りの―や、樽屋町にぞ迷ひ行く」

たち‐さもら・う【立ち候ふ】‥サモラフ🔗🔉

たち‐さもら・う立ち候ふ‥サモラフ 〔自四〕 伺候する。立って警備に奉仕する。万葉集3「皇祖すめろきの神の御門みかどに外の重に―・ひ内の重に仕へ奉りて」

たち‐さ・る【立ち去る】🔗🔉

たち‐さ・る立ち去る】 〔自五〕 立ってその場を去る。立ちのく。

たち‐さわ・ぐ【立ち騒ぐ】🔗🔉

たち‐さわ・ぐ立ち騒ぐ】 〔自五〕 (古くは清音) ①立ってさわぐ。 ②さわぐ。さわぎたてる。→たちとよむ。 ③風や波などが立って大きな音をたてる。

たち‐さわ・る【立ち障る】‥サハル🔗🔉

たち‐さわ・る立ち障る‥サハル 〔自四〕 干渉する。かかわりあう。

たち‐し・く【立ち重く】🔗🔉

たち‐し・く立ち重く】 〔自四〕 重なり立つ。万葉集18「寄する白波いや増しに―・き寄せ来

たち‐しょうべん【立ち小便】‥セウ‥🔗🔉

たち‐しょうべん立ち小便‥セウ‥ 道端など便所以外の場所で、立ったまま小便をすること。

たち‐すがた【立ち姿】🔗🔉

たち‐すがた立ち姿】 ①立っている姿。 ②舞の姿。狂言、笠の下「何にても―が見たうござる」

たち‐せき【立ち席】🔗🔉

たち‐せき立ち席】 劇場などで、立ち見用の席。座席指定の列車などで立ったまま利用する場合にもいう。

たち‐そ・う【立ち添う】‥ソフ🔗🔉

たち‐そ・う立ち添う‥ソフ 〔自五〕 よりそう。つきそう。あとを追うようにつづく。加わる。源氏物語夕顔「程もなく又―・ひぬべきが、くちをしくもあるべきかな」

たち‐そ・む【立ち初む】🔗🔉

たち‐そ・む立ち初む】 〔自下二〕 うわさなどが立ちはじめる。源氏物語行幸「―・めにし名のとり返さるるものにもあらず」

たち‐た・つ【立ち立つ】🔗🔉

たち‐た・つ立ち立つ】 〔自四〕 さかんに立ちのぼる。さかんに飛ぶ。万葉集1「国原は煙―・つ海原うなはらは鴎かまめ―・つ」

たち‐ちが・う【立ち違ふ】‥チガフ🔗🔉

たち‐ちが・う立ち違ふ‥チガフ 〔自四〕 入れかわり立ちかわりする。狭衣物語4「法師・僧もあけくれ―・ひつつ」

たち‐つ・ぐ【立ち継ぐ】🔗🔉

たち‐つ・ぐ立ち継ぐ】 〔他四〕 後をつぐ。後をついで立つ。源氏物語匂宮「かのみかげに―・ぎ給ふべき人」

たち‐つく・す【立ち尽くす】🔗🔉

たち‐つく・す立ち尽くす】 〔自五〕 いつまでも立っている。じっと立ったままでいる。立ち通す。「呆然と―・す」

たち‐つづ・く【立ち続く】🔗🔉

たち‐つづ・く立ち続く】 [一]〔自五〕 ①立って続く。立ち連なる。 ②後に続く。連なる。 [二]〔自下二〕 ⇒たちつづける(下一)

たち‐つづ・ける【立ち続ける】🔗🔉

たち‐つづ・ける立ち続ける】 〔自下一〕[文]たちつづ・く(下二) ①立ったまま時を過ごす。 ②次々と立つ。立ちつらなる。奥の細道「人家地をあらそひて、かまどの煙―・けたり」

たち‐づめ【立ち詰め】🔗🔉

たち‐づめ立ち詰め】 ずっと立ったままでいること。立ち通し。「一日―で疲れた」

たち‐どおし【立ち通し】‥ドホシ🔗🔉

たち‐どおし立ち通し‥ドホシ 最後まで立ったままでいること。長時間立ち続けること。立ち詰め。

たち‐とお・す【立ち通す】‥トホス🔗🔉

たち‐とお・す立ち通す‥トホス 〔自五〕 最後まで立ったままでいる。立ち続ける。

たち‐どころ【立ち所】🔗🔉

たち‐どころ立ち所】 立っている所。また、人の育った所。長く居た所。平治物語「六波羅の門前には馬車の―もなくせきあひたるに」 ⇒たちどころ‐に【立ち所に】

たちどころ‐に【立ち所に】🔗🔉

たちどころ‐に立ち所に】 〔副〕 すぐさま。ただちに。たちまち。即座に。三蔵法師伝承徳点「立タチトコロニ試に即ち成す」。「―解決する」 ⇒たち‐どころ【立ち所】

たち‐どま・る【立ち止まる】🔗🔉

たち‐どま・る立ち止まる】 〔自五〕 歩行をやめて立つ。歩みをとめる。

たち‐なお・る【立ち直る】‥ナホル🔗🔉

たち‐なお・る立ち直る‥ナホル 〔自五〕 ①倒れかけたものがもとのようにしっかりと立つ。 ②もとの良い状態にもどる。なおる。平家物語10「世も―・らば六代にたぶべし」。「失意から―・る」「景気が―・る」 ③姿勢をまっすぐに立つ。源平盛衰記6「入道―・つて大の音こえを以て」 ④場所を移る。〈日葡辞書〉

たち‐ながら【立ちながら】🔗🔉

たち‐ながら立ちながら】 (物忌のため、あるいは穢れに触れないために)立ったままで。転じて、ちょっとの間。源氏物語夕顔「頭中将ばかりを、―こなたに入り給へとのたまひて」

たち‐なげ・く【立ち嘆く】🔗🔉

たち‐なげ・く立ち嘆く】 〔自四〕 立ってため息をつく。万葉集4「なら山の小松が下に―・くかも」

たち‐なら・す【立ち均す】🔗🔉

たち‐なら・す立ち均す】 〔他四〕 地面をふみつけて平らにならす。また、その場所に常に行き来する。しばしばおとずれる。万葉集9「かづしかの真間ままの井を見れば―・し水汲ましけむ手児奈てごなし思ほゆ」

たち‐の・く【立ち退く】🔗🔉

たち‐の・く立ち退く】 〔自五〕 居所を立ち去る。他所へ移る。その場所をあける。蜻蛉日記「あふ、―・きて、などいふめれば」。「区画整理で―・く」

たち‐のぼ・る【立ち上る】🔗🔉

たち‐のぼ・る立ち上る】 〔自五〕 煙などが、高くあがる。高く上へあがる。

たち‐はし・る【立ち走る】🔗🔉

たち‐はし・る立ち走る】 〔自四〕 立って走る。また、走りまわる。万葉集9「―・り叫び袖振り」

たち‐はだか・る【立ちはだかる】🔗🔉

たち‐はだか・る立ちはだかる】 〔自五〕 立ちふさがって邪魔をする。手足を広げて立ってさえぎる。「行く手に―・る難関」

たち‐びな【立ち雛】🔗🔉

たち‐びな立ち雛「ひな(雛)2」参照。〈[季]春〉

たち‐ふさが・る【立ち塞がる】🔗🔉

たち‐ふさが・る立ち塞がる】 〔自五〕 前に立ってさえぎり止める。立ちはだかる。

たち‐ふたが・る【立ち塞がる】🔗🔉

たち‐ふたが・る立ち塞がる】 〔自四〕 (→)「たちふさがる」に同じ。宇治拾遺物語2「通さじと―・る男にくきやつなり」

たち‐まさ・る【立ち増さる・立ち勝る】🔗🔉

たち‐まさ・る立ち増さる・立ち勝る】 (「たち」は接頭語)〔自五〕 ①いっそうはなはだしくなる。また、いっそう多く立つ。亭子院歌合「山桜咲きぬる時は常よりも峰の白雲―・りけり」 ②他のものよりもまさる。すぐれる。源氏物語帚木「同じ頃まかり通ひし所は、人も―・り」

たち‐まじ・る【立ち交じる】🔗🔉

たち‐まじ・る立ち交じる】 〔自五〕 その群れに加わる。仲間に入りまじる。

たち‐まわ・る【立ち回る】‥マハル🔗🔉

たち‐まわ・る立ち回る‥マハル 〔自五〕 ①あちらこちらを歩き回る。たちめぐる。 ②人々の間に立って、世話をする。また、人々の間をうまく行き来して、自分が有利になるようにする。「如才なく―・る」 ③ある場所へ行く。また、犯人などが逃走中に立ち寄る。 ④芝居で、乱闘を演ずる。

たち‐み【立ち身】🔗🔉

たち‐み立ち身】 ①立って身構えること。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「三ぶはすつくり―になり」 ②芝居や踊りで、立っている体。立った姿。歌舞伎、東海道四谷怪談「お岩の―へ手をかけて揺すると」

たち‐みず【立ち水】‥ミヅ🔗🔉

たち‐みず立ち水‥ミヅ 流れている水。一説に、湧き出る水。筑波問答「あはれ、いさぎよき水の流れかな。水には―、伏水といふことのあるなり」。兼載雑談「―とはわき出づる水なり。ふし水とは流るる水なり」

たち・みる【立ち見る】🔗🔉

たち・みる立ち見る】 〔他上一〕 立って見る。

たち‐むか・う【立ち向かう】‥ムカフ🔗🔉

たち‐むか・う立ち向かう‥ムカフ 〔自五〕 ①立って向かう。むかう。万葉集1「―・ひ射る円方まとかたは」 ②てむかいする。対抗する。敵対する。万葉集2「まつろはず―・ひしも露霜の消なば消ぬべく」。「強敵に―・う」 ③困難に対して、避けることなく対処する。「難局に―・う」

たち‐めぐ・る【立ち回る】🔗🔉

たち‐めぐ・る立ち回る】 〔自四〕 めぐりあるく。たちまわる。源氏物語蜻蛉「―・りしとのゐ人どもも見とがめず」

たち‐やすら・う【立ち休らふ】‥ヤスラフ🔗🔉

たち‐やすら・う立ち休らふ‥ヤスラフ 〔自四〕 立ちどまる。たたずむ。古今和歌集雑体「庭に出でて―・へば」

たち‐ゆ・く【立ち行く】🔗🔉

たち‐ゆ・く立ち行く】 〔自五〕 ①立って行く。出発する。万葉集12「あしひきの片山雉きぎし―・かむ君に後れてうつしけめやも」 ②時が過ぎて行く。経過する。浄瑠璃、曾我五人兄弟「―・く年も長月や」 ③暮しのみちが立つ。事業などが成り立ってゆく。「暮しが―・かない」

たち‐よそ・う【立ち装ふ】‥ヨソフ🔗🔉

たち‐よそ・う立ち装ふ‥ヨソフ 〔自四〕 装う。まわりをかざる。万葉集2「山吹の―・ひたる山清水」

たち‐よ・る【立ち寄る】🔗🔉

たち‐よ・る立ち寄る】 〔自五〕 ①ちかよる。側に寄る。寄る。竹取物語「年をへて浪―・らぬ住の江の」 ②道の途中で訪問する。他へ行くついでにおとずれる。源氏物語蓬生「帰りざまに―・り給ひて」

たち‐わた・る【立ち渡る】🔗🔉

たち‐わた・る立ち渡る】 〔自四〕 ①雲や霧などが一面に立ちおおう。古事記「狭井川さいがわよ雲―・り」 ②一方から現れてずっと移動する。万葉集10「雁が音の聞ゆる空ゆ月―・る」 ③人・車などが、あたり一帯に立ち並ぶ。源氏物語「ひまもなう―・りたるに」

たちん‐ぼう【立ちん坊】‥バウ🔗🔉

たちん‐ぼう立ちん坊‥バウ ①立ち続けていること。また、その人。たちんぼ。「終点まで―だった」 ②明治・大正初期、坂の下などに立っていて車を待ちうけ、車のあと押しなどをして、金をもらった者。鮟鱇あんこう。徳冨蘆花、みみずのたはこと「両国橋の上で…如何にも汚ない風をした―に会ふた」

たつ【立】🔗🔉

たつ】 和船で、車立しゃだつ・大立おおだつ・角立すみだつ・垣立かきたつなどと呼ばれる、船上にほぼまっすぐに立っている柱の総称。→和船(図)

りつ【立】🔗🔉

りつ】 (慣用音。漢音・呉音はリュウ) ①立方りっぽうの略。「―米りゅうべい」 ②立突リットルの略。

リットル【litre フランス・立】🔗🔉

リットルlitre フランス・立】 体積の単位。1立方デシメートルのこと。かつては純水1キログラムの1気圧における最大密度(セ氏約4度)の体積をいった。約5合5勺しゃく。記号lまたはlit

[漢]立🔗🔉

 字形  筆順 〔立部0画/5画/教育/4609・4E29〕 〔音〕リツ(慣) リュウ〈リフ〉(呉)(漢) 〔訓〕つ・てる・リットル [意味] ①まっすぐにたつ。位置をさだめてたてる。「直立・起立・建立こんりゅう・立体・立食」 ②なりたつ。なりたたせる。「立春・立身・立法・成立・確立・両立」 ③たちどころに。「項王立誅殺曹無傷=項王こうおうたちどころに曹無傷を誅殺ちゅうさつす」〔史記〕 ④リットル。体積の単位。▶litreフランスの音訳「立突」の略。 [解字] 解字象形。ひとが地面に両足をつけてたつ形。 [下ツキ 王立・開立・確立・官立・屹立・共立・凝立・起立・孑立・県立・公立・国立・孤立・建立・冊立・立・樹立・豎立・聳立・市立・私立・侍立・而立・自立・成立・設立・前立腺・創立・造立・存立・対立・卓立・単立・中立・直立・佇立・定立・鼎立・迭立・倒立・特立・独立・廃立・反立・腹立・不立文字・分立・並立・擁立・乱立・両立・林立・列立・連立

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