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たし【立し】🔗🔉

たし【立し】 動詞「た(立)つ」の連用形「たち」の上代東国方言。「荒し男(を)も―やはばかる不破の関越(く)えて我(わ)は行く」〈万・四三七二〉

たたす【立たす】🔗🔉

たたす【立たす】 〔連語〕《動詞「た(立)つ」の未然形+尊敬の助動詞「す」》お立ちになる。「皇子(みこ)の尊(みこと)の馬並(な)めてみ狩り―しし」〈万・四九〉

たち【立ち】🔗🔉

たち【立ち】 [名]立つこと。また、立っていること。「お―の方は速やかに御着席下さい」旅立つこと。旅に出ること。出発。「だから松野さんが―を延ばしなすったのです」〈木下尚江・良人の自白〉→御立(おた)時の経っていくこと。経過。「月日の―が早い」燃えてなくなること。尽きること。「―の早い炭」釣りで、水深のこと。また、水面から棚までの深さ。「―を取る」〔接頭〕動詞に付いて、その意味を強めたり、やや改まった感じを表したりする。「―まさる」「―向かう」

だち【立ち】🔗🔉

だち【立ち】 〔語素〕《動詞「た(立)つ」の連用形から》名詞の下に付いて、そのつくりのさまを表す。「顔―」「目鼻―」車などに付ける牛馬の数や船の櫓(ろ)の数などの下に付けて、その数で成り立っていることを表す。だて。「四頭―の車」「八挺―の船」地名や身分などを表す名詞の下に付いて、出身地やおいたちを表す。「この辺の海賊は定めて熊野―の奴原にてこそあるらめ」〈著聞集・一二〉

たち‐あい【立(ち)会(い)】‐あひ🔗🔉

たち‐あい【立(ち)会(い)】‐あひ その場にいて物事の成り行きや結果を見守ること。また、その人。「関係者の―を求める」取引所で、会員が集まって売買を行うこと。「後場の―」

たち‐あい【立(ち)合(い)】‐あひ🔗🔉

たち‐あい【立(ち)合(い)】‐あひ 双方から出て向かい合うこと。また、出あって勝負を争うこと。試合。「真剣での―」相撲で、両力士が仕切りから立ち上がる瞬間の動作。「―から一気に押し出す」田楽・猿楽などで、競演すること。同じ曲を数人が舞う場合と、別曲を一番ずつ舞う場合とがあった。江戸幕府の評定所の定日会合の一。寺社・町・勘定の三奉行のほか、大目付・目付が出席し、評議する。

たち‐あ・う【立(ち)会う】‐あふ🔗🔉

たち‐あ・う【立(ち)会う】‐あふ [動ワ五(ハ四)]物事の成り行きや結果を見守るため、その場にいる。証人・参考人などとしてその場に臨む。「開票に―・う」

たち‐あ・う【立(ち)合う】‐あふ🔗🔉

たち‐あ・う【立(ち)合う】‐あふ [動ワ五(ハ四)]互いに勝ち負けを争う。「正々堂々と―・う」互いに行き会う。「山並の宜しき国と川なみの―・ふ里と」〈万・一〇五〇〉

たち‐あがり【立(ち)上がり】🔗🔉

たち‐あがり【立(ち)上がり】 立ち上がること。動作などを始めたばかりのところ。でばな。「―が悪い投手」機械などが始動すること。「コンピューターの―が遅い」

たち‐あが・る【立(ち)上がる】🔗🔉

たち‐あが・る【立(ち)上がる】 [動ラ五(四)]座ったりかがんだりしている姿勢から身を起こして立つ。「いすから―・る」よくない状態に陥ったものが再び勢いを取り戻す。「地震の痛手から―・る」行動を起こす。「反対運動に―・る」上の方に立つ。立ちのぼる。「砂ぼこりが―・る」相撲で、仕切りから身を起こし、勝負を始める。「制限時間の前に―・る」機械が動き始める。また、コンピューターのプログラムが起動する。「このパソコンは―・るのが速い」

たち‐あ・げる【立(ち)上げる】🔗🔉

たち‐あ・げる【立(ち)上げる】 [動ガ下一]コンピューターで、プログラムを起動させる。「ワープロソフトを―・げる」

たち‐い【立(ち)居・△起ち居】‐ゐ🔗🔉

たち‐い【立(ち)居・起ち居】‐ゐ 立ったり座ったりの動作。日常的な動作。起居(ききよ)。「―が不自由だ」立って、そこにいること。「天(そら)晴れて、千里に雲の―もなく」〈読・雨月・菊花の約〉

たち‐い・ず【立ち△出づ】‐いづ🔗🔉

たち‐い・ず【立ち出づ】‐いづ [動ダ下二]立って外へ出る。その場を去る。「ここなるこれかれ送りに―・でたれば」〈かげろふ・中〉立って来る。出て来る。「かの小柴垣(こしばがき)のほどに―・で給ふ」〈源・若紫〉表だったところに出る。出しゃばる。「数ならぬ人の並びきこゆべきおぼえにもあらぬを、さすがに、―・でて、人もめざましと思す事やあらむ」〈源・薄雲〉表面に出る。現れてくる。「打ちそへて、もとよりの憎さも―・でて」〈源・桐壺〉

たち‐いた・る【立(ち)至る・立ち△到る】🔗🔉

たち‐いた・る【立(ち)至る・立ち到る】 [動ラ五(四)]物事がそのような状況・事態になる。「倒産という事態に―・る」

たちい‐ふるまい【立(ち)居振(る)舞(い)】たちゐふるまひ🔗🔉

たちい‐ふるまい【立(ち)居振(る)舞(い)】たちゐふるまひ 立ったり座ったりの身のこなし。日常の動作。たち振る舞い。

たち・いる【立ち居る】たちゐる🔗🔉

たち・いる【立ち居る】たちゐる [動ワ上一]立ったり座ったりする。起居(ききよ)する。「手一つ弾き取れば、師を―・ゐ拝みて喜び」〈源・東屋〉雲などが現れて、空に浮かんでいる。「中空に―・ゐる雲のあともなく身のはかなくもなりにける哉」〈伊勢・二一〉

たち‐うす【立ち×臼】🔗🔉

たち‐うす【立ち×臼】 地上にすえて、餅などをつく臼。たてうす。

立ち臼に菰(こも)🔗🔉

立ち臼に菰(こも) 太った女が着物を着て帯をしめた姿の形容。

立ち臼も二階へ登る🔗🔉

立ち臼も二階へ登る ありえないことが起こることのたとえ。

たち‐うち【立ち△射ち】🔗🔉

たち‐うち【立ち射ち】 立射(りつしや)

たち‐え【立ち△枝】🔗🔉

たち‐え【立ち枝】 高く伸びた枝。そびえたった枝。「わが宿の梅の―や見えつらむ思ひのほかに君が来ませる」〈拾遺・春〉

たち‐えり【立(ち)襟】🔗🔉

たち‐えり【立(ち)襟】 折り曲げないで立てて仕立ててある襟。スタンドカラー。つめえり。

たち‐おうじょう【立(ち)往生】‐ワウジヤウ🔗🔉

たち‐おうじょう【立(ち)往生】‐ワウジヤウ [名]スル立ったままの姿勢で死ぬこと。立ち死に。「弁慶の―」その場に止まったり途中で行き詰まったりしたまま、処置のしようもなく、動きのとれないこと。「吹雪で汽車が―する」「壇上で―する」

たち‐おくれ【立(ち)後れ・立(ち)遅れ】🔗🔉

たち‐おくれ【立(ち)後れ・立(ち)遅れ】 たちおくれること。着手する時機を失うこと。「受験勉強の―がもろに響く」

たち‐おく・れる【立(ち)後れる・立(ち)遅れる】🔗🔉

たち‐おく・れる【立(ち)後れる・立(ち)遅れる】 [動ラ下一]たちおく・る[ラ下二]人より遅く立ち上がる。「相手力士に―・れる」人よりおくれて物事に着手する。先を越される。また、遅くなって時機を失う。「選挙運動に―・れる」物事の進歩などが標準より劣る。「社会保障制度が―・れている」死に遅れる。先に死なれる。「睦(むつ)ましかるべき人にも―・れはべりにければ」〈源・若紫〉

たち‐およぎ【立(ち)泳ぎ】🔗🔉

たち‐およぎ【立(ち)泳ぎ】 [名]スル頭を水面上に出し、からだを立てたままで泳ぐこと。

たち‐かえり【立(ち)返り・立(ち)帰り】‐かへり🔗🔉

たち‐かえり【立(ち)返り・立(ち)帰り】‐かへり [名]行ってすぐに帰ること。「―にもと思へども、おのづから日頃経ることも」〈浜松・二〉[副]折り返してすぐに。手紙などを受け取ってすぐに返事を返すさま。「御返しに…鳥の声は孟嘗君のにやときこえたれば、―、孟嘗君のにはとりは…とあれば」〈枕・一三六〉繰り返し何度も。「―泣けども我(あれ)は験(しるし)なみ思ひわぶれて寝(ぬ)る夜しそ多き」〈万・三七五九〉もとの時点に戻って。「梅の匂ひにぞ、いにしへのことも―恋ひしう思ひ出でらるる」〈徒然・一九〉

たち‐かえ・る【立(ち)返る・立(ち)帰る】‐かへる🔗🔉

たち‐かえ・る【立(ち)返る・立(ち)帰る】‐かへる [動ラ五(四)]もとの位置や状態に戻る。「初心に―・って勉強する」手紙の返事などを折り返し、すぐにする。折り返す。「行きと行きて―・らむも心ぐるし」〈源・蜻蛉〉同じことを何度もする。繰り返す。「―・りつつ御せうそこ申させ給ふ」〈宇津保・国譲上〉(「年立ち返る」の形で)新年を迎える。年が改まる。「あらたまの年―・る朝(あした)より待たるる物はうぐひすの声」〈拾遺・春〉

たち‐かか・る【立(ち)掛(か)る】🔗🔉

たち‐かか・る【立(ち)掛(か)る】 [動ラ五(四)]立とうとする。立とうとして途中でやめる。立ちかける。「いすから―・る」立ち向かう。かかっていく。「勇猛果敢に―・る」

たち‐かく・す【立ち隠す】🔗🔉

たち‐かく・す【立ち隠す】 [動サ四]霞や霧などが立ちこめて、さえぎり隠す。「山桜わが見にくれば春霞峰にも尾にも―・しつつ」〈古今・春上〉

たち‐かく・る【立ち隠る】🔗🔉

たち‐かく・る【立ち隠る】 [動ラ下二]何かの陰に身を隠す。「さるべき所に―・れ給ひて」〈源・賢木〉

たち‐がたり【立(ち)語り】🔗🔉

たち‐がたり【立(ち)語り】 能の間狂言(あいきようげん)の形式の一。シテの中入り後、狂言方が舞台常座(じようざ)で立ったまま、独りで物語るもの。

たち‐がれ【立(ち)枯れ】🔗🔉

たち‐がれ【立(ち)枯れ】 [名]スル草木が立ったまま枯れてしまうこと。

たちがれ‐びょう【立(ち)枯れ病】‐ビヤウ🔗🔉

たちがれ‐びょう【立(ち)枯れ病】‐ビヤウ 農作物の根や地際の茎がおかされて、急に枯れてしまう病害。土壌中の細菌・かびの寄生による。

たち‐が・れる【立(ち)枯れる】🔗🔉

たち‐が・れる【立(ち)枯れる】 [動ラ下一]たちが・る[ラ下二]草や木が立ったままで枯れる。「街道沿いの松が―・れる」

たち‐ぎえ【立(ち)消え】🔗🔉

たち‐ぎえ【立(ち)消え】 火が燃え上がらずに中途で消えてしまうこと。事件・計画などがいつの間にかなくなること。「旅行の話が―になる」

たち‐ぎみ【立ち君】🔗🔉

たち‐ぎみ【立ち君】 昔、夜、道端に立ち、客を引いた娼婦。古くは辻君(つじぎみ)と区別された。「とこも定めぬ―は、これも世渡るならひとて」〈浄・卯月の紅葉〉

たち‐ぐい【立(ち)食い】‐ぐひ🔗🔉

たち‐ぐい【立(ち)食い】‐ぐひ [名]スル立ったままでものを食べること。「―そば」

たち‐く・く【立ち△潜く】🔗🔉

たち‐く・く【立ち潜く】 [動カ四]間をくぐる。くぐって行く。「あしひきの木(こ)の間―・くほととぎすかく聞きそめて後恋ひむかも」〈万・一四九五〉

たち‐くたび・れる【立ち草=臥れる】🔗🔉

たち‐くたび・れる【立ち草臥れる】 [動ラ下一]たちくたび・る[ラ下二]長い時間立ちつづけて疲れる。「電車で―・れる」

たち‐くだ・る【立ち下る】🔗🔉

たち‐くだ・る【立ち下る】 [動ラ四]程度が低くて劣る。「その人ならず―・れる際(きは)には」〈源・若菜上〉

たち‐くらみ【立(ち)暗み・立ち×眩み】🔗🔉

たち‐くらみ【立(ち)暗み・立ち×眩み】 [名]スル《「たちぐらみ」とも》立ち上がるときに、または立っているときに急にめまいがすること。また、そのめまい。「風呂あがりに―する」

たち‐げいこ【立ち×稽古】🔗🔉

たち‐げいこ【立ち×稽古】 演劇の稽古で、台本の読み合わせのあと、実際に立って各自の動作・表情をつけながら練習すること。

たち‐こ・える【立(ち)越える】🔗🔉

たち‐こ・える【立(ち)越える】 [動ア下一]たちこ・ゆ[ヤ下二]越える。過ぎていく。「国境(くにざかい)の峠を―・える」「一身の利害を―・える」まさる。すぐれる。「外の姫たちに―・えて美しとおもうところもなく」〈鴎外・文づかひ〉出て行く。出かけて行く。「嵯峨野の方ゆかしく候間に、―・え一見せばやと思ひ候ふ」〈謡・野宮〉

たち‐ごし【立(ち)腰】🔗🔉

たち‐ごし【立(ち)腰】 相撲で、腰の重心を低くしていない姿勢で立っていること。

たちこみ【立(ち)込み】🔗🔉

たちこみ【立(ち)込み】 釣りで、川または海の浅場に入って魚を釣ること。

たち‐こ・む【立(ち)込む・立ち×籠む】🔗🔉

たち‐こ・む【立(ち)込む・立ち×籠む】 [動マ五(四)]ある場所に集まって込み合う。混雑する。たてこむ。「境内は参詣の人々で―・んでいる」「ことに人多く―・みて」〈徒然・四一〉川釣りで、川の中に入って立ち、釣り糸を垂れる。「深みに―・みアユをねらう」[動マ下二]「たちこめる」の文語形。

たち‐こ・める【立(ち)込める・立ち×籠める】🔗🔉

たち‐こ・める【立(ち)込める・立ち×籠める】 [動マ下一]たちこ・む[マ下二]霧や煙などがその場所一面に満ち広がる。「室内に甘い香りが―・める」

たち‐さ・う【立ち×塞ふ】‐さふ🔗🔉

たち‐さ・う【立ち×塞ふ】‐さふ [動ハ下二]立ってさえぎり止める。立ちふさぐ。「波―・へて入れずもあらなむ」〈土佐〉◆古くは四段活用か。

たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】🔗🔉

たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】 [動ヤ下二]草木などが盛んに茂る。「山の峡(かひ)に―・ゆる葉広熊白檮(くまかし)」〈記・下・歌謡〉時を得て栄える。時めく。繁栄する。「―・え給へるこそ、たぐひなきやんごとなさなめれ」〈増鏡・内野の雪〉

たち‐ざけ【立(ち)酒】🔗🔉

たち‐ざけ【立(ち)酒】 立ったまま酒を飲むこと。また、その酒。出発に際して飲む酒。旅行や婚礼・葬送など、家から出かけるときに飲む酒。「―のんで誰を野送り」〈浄・油地獄〉

たち‐さ・る【立(ち)去る】🔗🔉

たち‐さ・る【立(ち)去る】 [動ラ五(四)]立ってその場所から去る。たちのく。「黙って―・る」

たち‐さわ・ぐ【立(ち)騒ぐ】🔗🔉

たち‐さわ・ぐ【立(ち)騒ぐ】 [動ガ五(四)]《古くは「たちさわく」》風・波などが立って激しい音をたてる。「波が―・ぐ」ひどく騒ぐ。騒ぎたてる。「群衆が―・ぐ」激しく動く。「胸が―・ぐ」

たち‐さわ・る【立(ち)障る】‐さはる🔗🔉

たち‐さわ・る【立(ち)障る】‐さはる [動ラ五(四)]干渉する。関与する。「成るたけ―・らねえ方が穏便だと」〈木下尚江・良人の自白〉さまたげになる。「追払へどもお言葉に甘えて猶々この辺へ―・り」〈滑・八笑人・二〉

たち‐じに【立ち死に】🔗🔉

たち‐じに【立ち死に】 立ったままの姿勢で死ぬこと。立ち往生。「矢七つ八つ射立てられて、―にこそ死ににけれ」〈平家・七〉

たち‐しゅう【立(ち)衆】🔗🔉

たち‐しゅう【立(ち)衆】 能・狂言の端役で、数人が同じ役目で一団となって登場するもの。能で軍勢・従者など、狂言で町衆・小鬼など。たちしゅ。

たち‐しょうべん【立(ち)小便】‐セウベン🔗🔉

たち‐しょうべん【立(ち)小便】‐セウベン [名]スル道端などで、立って小便をすること。

たち‐すがた【立(ち)姿】🔗🔉

たち‐すがた【立(ち)姿】 立っている姿。舞いをする姿。舞い姿。「久しうこなたの御―を拝見致しませぬによって」〈虎寛狂・比丘貞〉

たち‐せき【立(ち)席】🔗🔉

たち‐せき【立(ち)席】 演芸場などの、立ち見の席。座席指定の乗り物に、座る席がない状態で乗ること。また、その場所。

たち‐つ・ぐ【立ち継ぐ】🔗🔉

たち‐つ・ぐ【立ち継ぐ】 [動ガ四]あとを継ぐ。先の人のあとを引き継いで立つ。「いまだ子もなければ、―・ぐべき人もなし」〈増鏡・新島守〉

たち‐つく・す【立(ち)尽(く)す】🔗🔉

たち‐つく・す【立(ち)尽(く)す】 [動サ五(四)]感激したり呆然となったりして、いつまでもじっと立っている。「なすすべもなくその場に―・す」

たち‐つくり【立(ち)作り・断(ち)作り】🔗🔉

たち‐つくり【立(ち)作り・断(ち)作り】 大饗(たいきよう)のときなどに肴(さかな)を調進すること。また、その調理のために臨時に設けられた所。

たち‐づめ【立(ち)詰め】🔗🔉

たち‐づめ【立(ち)詰め】 長時間立ったままでいること。たちどおし。「満員電車の中を―で通う」「一日中―で作業する」

たち‐ど【立ち△所・立ち△処】🔗🔉

たち‐ど【立ち所・立ち処】 立っている所。たちどころ。「五月山木の下やみにともす火は鹿の―のしるべなりけり」〈貫之集〉物のあるべき所。置くべき所。「書きたるさま筆の―も知らぬやうなるに」〈浜松・五〉

たち‐どころ【立ち所】🔗🔉

たち‐どころ【立ち所】 立っている所。たちど。「六波羅の門前には馬車の―もなくせきあひたるに」〈古活字本平治・上〉

たちどころ‐に【立(ち)所に】🔗🔉

たちどころ‐に【立(ち)所に】 [副]時を移さず、その場ですぐに実現するさま。たちまち。すぐさま。「どんな難題でも―解決してみせる」

たち‐どま・る【立(ち)止(ま)る・立(ち)留(ま)る】🔗🔉

たち‐どま・る【立(ち)止(ま)る・立(ち)留(ま)る】 [動ラ五(四)]《「たちとまる」とも》歩くのをやめてその場に立つ。歩みを止める。「呼ばれて―・る」他へ移らないで、そのままそこにとどまる。「思ひのままならむ人は今までも―・るべくやはある」〈源・真木柱〉宿泊する。特に、妻や愛人の所に泊まる。「かやうに―・り給ふ折々あれば」〈源・薄雲〉

たち‐なら・す【立ち△均す・立ち△平す】🔗🔉

たち‐なら・す【立ち均す・立ち平す】 [動サ四]踏みつけて平らにする。また、平らにするほど、その地を幾度も訪れる。「海石榴市(つばきち)の八十(やそ)の衢(ちまた)に―・し結びし紐を解かまく惜しも」〈万・二九五一〉

たち‐なら・す【立ち慣らす・立ち×馴らす】🔗🔉

たち‐なら・す【立ち慣らす・立ち×馴らす】 [動サ四]なれて親しむようにする。なじませる。「さを鹿のわきて―・すらむも心ことなり」〈枕・六七〉

たち‐のぼ・る【立(ち)上る】🔗🔉

たち‐のぼ・る【立(ち)上る】 [動ラ五(四)]煙などが空へ高く上がる。「噴煙が―・る」

たち‐のみ【立(ち)飲み】🔗🔉

たち‐のみ【立(ち)飲み】 [名]スル立ったままで飲むこと。「酒屋で―する」

たち‐はし・る【立ち走る】🔗🔉

たち‐はし・る【立ち走る】 [動ラ四]《「たちばしる」とも》立って走っていく。また、走り回る。「―・り叫び袖振りこいまろび」〈万・一七四〇〉こまめに働く。「よめの発明者臥具とり片づけて、御手水(おてうづ)御膳よと残りなく―・る」〈胆大小心録〉

たち‐はだか・る【立ちはだかる】🔗🔉

たち‐はだか・る【立ちはだかる】 [動ラ五(四)]手足を広げて、行く手をさえぎるように立つ。立ちふさがって、さえぎる。「出口に―・る」大きな障害が行く手にあって邪魔をする。「険しい山が前方に―・る」「将来に―・る大きな壁」

たち‐びな【立ち×雛】🔗🔉

たち‐びな【立ち×雛】 立った姿にこしらえた、男女一対のひな人形。最初は紙で作ったので紙びなともよぶ。《季 春》座り雛。

たち‐ふさが・る【立ち×塞がる】🔗🔉

たち‐ふさが・る【立ち×塞がる】 [動ラ五(四)]前に立って、行く手をさえぎる。立ちふたがる。「大手を広げて―・る」「困難が―・る」

たち‐ふるまい【立(ち)振(る)舞(い)】‐ふるまひ🔗🔉

たち‐ふるまい【立(ち)振(る)舞(い)】‐ふるまひ 立ち居振る舞い」に同じ。《「たちぶるまい」とも》旅に出るにあたって、人を招いて別れの飲食をすること。「支度の出来た所へ媒妁(なこうど)夫婦が乗込む。そこで簡略な―があって」〈紅葉・二人女房〉

たち‐ふるま・う【立(ち)振(る)舞う】‐ふるまふ🔗🔉

たち‐ふるま・う【立(ち)振(る)舞う】‐ふるまふ [動ワ五(ハ四)]日常のなにげない動作をする。行動する。「思うままに―・う」「ごく自然に―・う」

たち‐まえ【立(ち)前】‐まへ🔗🔉

たち‐まえ【立(ち)前】‐まへ 旅に立つ前。出発する前。仕事に対する報酬。かせぎ。日当。「その日の―を此方(こつち)へちゃくぶくして」〈魯文・安愚楽鍋〉

たち‐まさ・る【立(ち)勝る】🔗🔉

たち‐まさ・る【立(ち)勝る】 [動ラ五(四)]他よりすぐれる。まさる。「実力では彼のほうが―・る」

たち‐まさ・る【立ち増さる】🔗🔉

たち‐まさ・る【立ち増さる】 [動ラ四]雲・波などが、いっそう多く立つ。「松島の風にしたがふ波なれば寄るかたにこそ―・りけれ」〈かげろふ・上〉

たち‐まじ・る【立(ち)交じる】🔗🔉

たち‐まじ・る【立(ち)交じる】 [動ラ五(四)]その仲間や場に加わる。群れに入る。「主人が元世に―・っている頃に」〈鴎外・妄想〉

たち‐まわり【立(ち)回り】‐まはり🔗🔉

たち‐まわり【立(ち)回り】‐まはり あちこち歩き回ること。また、ある所に立ち寄ること。「―先」振る舞い。特に、自分が有利になるような行動。「如才ない―」演劇・映画などで、切り合いや殴り合いなどの場面。殺陣(たて)つかみ合ったり、殴り合ったりするけんか。乱闘。「町なかではでな―を演じる」能で、大鼓・小鼓や太鼓を加えた囃子(はやし)に笛のあしらいで、シテが舞台を静かに一巡する所作。

たち‐まわ・る【立(ち)回る】‐まはる🔗🔉

たち‐まわ・る【立(ち)回る】‐まはる [動ラ五(四)]あちこち歩き回る。「知人の間を―・って資金を集める」振る舞う。行動する。特に、人々の間に立って自分が有利になるように動く。「派閥間でうまく―・る」外出して、ある所に立ち寄る。また、犯罪者が逃走中ある所に立ち寄る。「知人宅に―・ったところを逮捕された」演劇・映画などで、切り合いや殴り合いの演技をする。「―・るシーン」

たち‐み【立(ち)見】🔗🔉

たち‐み【立(ち)見】 立ったままで見物すること。劇場で、一幕ごとの料金を払い、立ったままで見ること。また、その場所。幕見。一幕見。「―席」

たち‐み【立(ち)身】🔗🔉

たち‐み【立(ち)身】 立って身構えること。立ち上がろうと身構えること。立っているからだ。立ち姿。

たち・みる【立ち見る】🔗🔉

たち・みる【立ち見る】 [動マ上一]立って見る。「家のあたり我(わ)が―・みれば」〈万・五〇九〉

たち‐むか・う【立(ち)向(か)う】‐むかふ🔗🔉

たち‐むか・う【立(ち)向(か)う】‐むかふ [動ワ五(ハ四)]向かって立つ。向き合う。「壁に―・う」正面から向かっていく。対抗する。「権力に―・う」困難な物事に対して、まっこうから取り組んで、事の処理に当たる。「難局に―・う」

たち‐めぐ・る【立ち巡る・立ち△回る】🔗🔉

たち‐めぐ・る【立ち巡る・立ち回る】 [動ラ四]歩きまわる。「―・りつつ見給へば」〈源・宿木〉

たち‐やすら・う【立(ち)休らう】‐やすらふ🔗🔉

たち‐やすら・う【立(ち)休らう】‐やすらふ [動ワ五(ハ四)]立ったまま先へ進まないでいる。たたずむ。「丁度―・おうという一本の樹立(こだち)も無い」〈鏡花・高野聖〉「雪降りたりし暁に―・ひて」〈源・幻〉

たち‐ゆ・く【立(ち)行く】🔗🔉

たち‐ゆ・く【立(ち)行く】 [動カ五(四)]時が過ぎていく。経過する。「月日が―・く」暮らしや商売が成り立っていく。「経営が―・かない」旅に出かけていく。出立する。「あしひきの片山雉(きぎし)―・かむ君に後(おく)れて現(うつ)しけめやも」〈万・三二一〇〉

たち‐よ・る【立(ち)寄る】🔗🔉

たち‐よ・る【立(ち)寄る】 [動ラ五(四)]近くに行く。近寄る。「窓辺に―・る」目的地へ行く途中、ついでに訪れる。「帰りがけに書店に―・る」波が起こって寄せてくる。「年を経て波―・らぬ住江のまつかひなしと聞くはまことか」〈竹取〉頼って身を寄せる。「わび人のわきて―・る木のもとは頼むかげなく紅葉散りけり」〈古今・秋下〉

たち‐わざ【立(ち)技】🔗🔉

たち‐わざ【立(ち)技】 柔道やレスリングで、立った姿勢で掛ける技。寝技。

たちん‐ぼう【立ちん坊】‐バウ🔗🔉

たちん‐ぼう【立ちん坊】‐バウ 長い時間ずっと立ちつづけていること。立ちどおし。たちんぼ。「―で待ち続ける」明治から大正のころ、道端に立っていて、通りがかりの車の後押しなどをして駄賃をもらった人。たちんぼ。

たつ【立】🔗🔉

たつ【立】 和船で、船体や上部構造に用いる柱状の部材の総称。垣立(かきたつ)・車立(しやたつ)・大立(おおたつ)など。立つ木。

立たむ月🔗🔉

立たむ月 次の月。来月。「―ばかりになんまかり帰るべきと言ひて」〈後撰・恋三・詞書〉

リットル【フランスlitre】【立】🔗🔉

リットル【フランスlitre】【立】 【立】メートル法の容積の単位。一リットルは一立方デシメートル。一九六四年までは、一気圧下で最大密度となるセ氏四度の純水一キログラムの体積とされ、一・〇〇〇〇二八立方デシメートルであった。記号l リッター。

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