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あおい【葵】アフヒ🔗🔉

あおいアフヒ ①㋐フユアオイ・タチアオイ・ゼニアオイなど、大形の花をつけるアオイ科の草本の俗称。現代の俳諧では特にタチアオイをいうことが多い。〈[季]夏〉。万葉集16「這ふ葛くずの後も逢はむと―花咲く」 ㋑ウマノスズクサ科の多年草フタバアオイのこと。 ②襲かさねの色目いろめ。表は薄青、裏は薄紫。(桃華蘂葉) ③紋所の名。賀茂社の神紋の賀茂葵に由来し、種々変形。特に、徳川家の家紋の葵巴。「―の御紋」 葵 ④源氏物語の巻名。→葵上あおいのうえ⇒あおい‐か【葵科】 ⇒あおい‐がい【葵貝】 ⇒あおい‐かずら【葵鬘】 ⇒あおい‐ぐさ【葵草】 ⇒あおい‐ざ【葵座】 ⇒あおい‐しもさか【葵下坂】 ⇒あおい‐すみれ【葵菫】 ⇒あおい‐つば【葵鍔】 ⇒あおい‐どもえ【葵巴】 ⇒あおい‐ぼん【葵盆】 ⇒あおい‐まつり【葵祭】

あおい‐か【葵科】アフヒクワ🔗🔉

あおい‐か葵科アフヒクワ 双子葉植物の一科。温帯・熱帯に75属約1000種。主に草本だが木本も多い。花は五数性。雄しべは多数で互いに癒合し管状をなす。ワタ(木綿)・フヨウ・ゼニアオイなど。ハイビスカスなど観賞用のものも多い。カンアオイ・フタバアオイなどは別の科。 ⇒あおい【葵】

あおい‐がい【葵貝】アフヒガヒ🔗🔉

あおい‐がい葵貝アフヒガヒ 頭足類アオイガイ科のタコ。世界の暖海に浮遊。雌は第1腕から石灰質を分泌し、産卵・育成用に舟形の白い殻をつくる。その殻を2枚左右対称に合わせると植物の葵の葉に似る。殻は10〜25センチメートル。雌は25センチメートル前後に達するが、雄は1.5センチメートル前後と極端に小さい。小型の近似種にフネダコがある。カイダコ。 ⇒あおい【葵】

あおい‐かずら【葵鬘】アフヒカヅラ🔗🔉

あおい‐かずら葵鬘アフヒカヅラ 賀茂祭(葵祭)に用いる髪飾り。フタバアオイの葉を冠に挿しまたは御簾みすにかけて物忌みとしたもの。祭神の別雷神わけいかずちのかみの故事によるという。一説に、「かづら」を桂かつらと解し、カツラの枝にアオイを懸けたものとする。〈[季]夏〉 ⇒あおい【葵】

あおい‐ぐさ【葵草】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐ぐさ葵草アフヒ‥ フタバアオイの別称。 ⇒あおい【葵】

あおい‐ざ【葵座】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐ざ葵座アフヒ‥ 葵の葉形の金物の座。兜かぶとの頂上の座に多く使用。 ⇒あおい【葵】

あおい‐しもさか【葵下坂】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐しもさか葵下坂アフヒ‥ 越前の刀工康継(下坂市之丞)とその派の刀工。また、その製作した刀。初代康継は慶長(1596〜1615)年間徳川家康に召され、作刀に葵紋を切ることを許され、「康」の字を拝領、代々これを許された。演劇では、青江物と混同して青江下坂ともいう。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「―じや有るまいか」 ⇒あおい【葵】

あおい‐すみれ【葵菫】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐すみれ葵菫アフヒ‥ スミレ科の多年草。茎は地上を這い、分枝。葉は心臓形。春、淡紫色の花を開く。葉の形がアオイに似る。ヒナブキ。 ⇒あおい【葵】

あおい‐つば【葵鍔】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐つば葵鍔アフヒ‥ 刀の鍔で、四隅に切り込みを設け、各辺の中央をとがらせたもの。葵の葉を四つ合わせた形に似るのでいう。衛府の太刀や糸巻の太刀に用いる。 ⇒あおい【葵】 ○仰いで天に愧じず、俯して地にじずあおいでてんにはじずふしてちにはじず [孟子尽心上]心中に少しもやましいことがないから、天に対しても地に対しても少しも恥ずかしくない。「俯仰ふぎょう天地に愧じず」とも。 ⇒あお・ぐ【仰ぐ】

あおい‐どもえ【葵巴】アフヒドモヱ🔗🔉

あおい‐どもえ葵巴アフヒドモヱ 徳川氏などの紋所。賀茂葵の葉を巴形に組み合わせたもの。三葉葵。三つ葵。→葵(図)⇒あおい【葵】

あおいのうえ【葵上】アフヒ‥ウヘ🔗🔉

あおいのうえ葵上アフヒ‥ウヘ ①源氏物語中の人物。光源氏の本妻。六条御息所の生き霊に悩まされ、夕霧を生んで死ぬ。 ②曲名。 →文献資料[葵上] ㋐能。古作を世阿弥が改作。源氏物語の六条御息所の生き霊を脚色する。 ㋑地唄・山田流箏曲・河東・一中・長唄の一つ。「葵の上」と表記。能に取材。地唄は上方舞の舞地にも。箏曲は山田検校作曲。検校作品中、最も位の重い奥の四曲よつものの一つ。河東以下は幕末から明治期の作。

あおい‐ぼん【葵盆】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐ぼん葵盆アフヒ‥かんな目のある板に淡黄色の漆を塗った盆。秋田県能代・茨城県城里町粟の産。 ⇒あおい【葵】

あおい‐まつり【葵祭】アフヒ‥🔗🔉

あおい‐まつり葵祭アフヒ‥ 京都下鴨神社および上賀茂神社の祭。冠や牛車ぎっしゃ・桟敷の御簾みすなどを葵鬘あおいかずらで飾ったからいう。祭礼は、昔は陰暦4月の中の酉の日、今は5月15日。斎王代・勅使らが行列して御所から下鴨・上賀茂とめぐり、祭典・東遊あずまあそび・走馬の儀がある。古来、祭といえば葵祭を意味した。三勅祭の一つ。賀茂祭。北祭。〈[季]夏〉。→みあれ 葵祭 提供:NHK ⇒あおい【葵】

き‐かく【葵藿】‥クワク🔗🔉

き‐かく葵藿‥クワク アオイの花や豆の若葉が日光の方に向くように、人を敬い慕うこと。万葉集5「徳を仰ぐ心、心―に同じ」

き‐こう【葵向】‥カウ🔗🔉

き‐こう葵向‥カウ ①アオイの花が日に向かうこと。 ②君主や長上の徳を仰ぎ慕うこと。

まき‐ぐさ【葵】🔗🔉

まき‐ぐさ】 タチアオイの古称。〈字鏡集〉

[漢]葵🔗🔉

 字形 〔艹部9画/12画/人名/1610・302A〕 〔音〕キ(漢) 〔訓〕あおい [意味] 草花の名。あおいの類。「葵藿きかく・向日葵こうじつき・黄蜀葵おうしょっき・紅蜀葵こうしょっき・山葵わさび

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