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しみ‐い・る【染み入る・沁み入る】🔗🔉

しみ‐い・る【染み入る・沁み入る】 〔自ラ五(四)〕=しみこむ(染込)*俳・奥の細道「閑さや岩にしみ入蝉の声」

しみ‐かえ・る【染み返る・沁み返る】(‥かへる)🔗🔉

しみ‐かえ・る【染み返る・沁み返る】(‥かへる) 〔自ラ四〕(「かえる」は、はなはだしくなるの意) 1 深く染まる。色や香りなどが、つよくしみこむ。*源氏‐若紫「かの御移り香の、いみじう艶にしみかへり給へれば」 2 深く感動する。深く心にしみ入る。しみじみとした感じに深くうたれる。*浜松中納言‐三「しみかへり給へる御声の、山の鳥どももおどろかい給べし」

しみ‐こ・む【染み込む・沁み込む】🔗🔉

しみ‐こ・む【染み込む・沁み込む】 〔自マ五(四)〕 1 液体、匂い、色素などがゆっくりと物の中に深く浸透する。中に深くしみる。*浮・傾城禁短気‐三「黒木などに取扱はせては、肌理(きめ)にしみこみ」 2 (比喩的に)人々の間や心の中などに次第に深くゆきわたる。しみいる。*浄・女殺油地獄‐下「二人の親の詞が心根にしみこんで悲しいもの」

しみ‐じみ【染み染み・沁み沁み】🔗🔉

しみ‐じみ【染み染み・沁み沁み】 〔副〕 1 心に深く感じいるさまを表す語。しんみり。*徒然草‐一〇「月の色も、ひときはしみじみと見ゆるぞかし」 2 お互いの心にしみ入り、打ちとけて物静かなさまを表す語。しんみり。*浮・世間胸算用‐二「さきのかかとしみじみと内証をかたらせ」 3 心からそのように思うさまを表す語。つくづく。よくよく。*洒・婦美車紫「ヱヱモしみしみきざだ」 4 じっと相手をみつめるさまを表す語。

しみ‐つ・く【染み着く・沁み着く】🔗🔉

しみ‐つ・く【染み着く・沁み着く】 〔自カ五(四)〕 1 色や匂いなどがうつりつく。深く染まる。しみこむ。*源氏‐末摘花「手づから、この紅花を書つけ、にほはして見給ふに<略>さもやしみつかむと、あやふく思ひ給へり」 2 心が深く執着する。心に深くとまって忘れられなくなる。*虎明本狂言・薬水「かんにたえて身にしみつくやうに、むまひぞむまひぞ」 3 平素の習慣がしみこんでいて、なかなか抜けなくなる。くせになる。「しみついた根性」*洒・浪花今八卦「やっぱり新造ぶれの音声しみ付てある也」 4 実直な言動をとる。地道にふるまう。*洒・浪花色八卦「有馬の小間物売がいふ様なしみついた挨拶して」

しみ‐とお・る【染み透る・沁み透る】(‥とほる)🔗🔉

しみ‐とお・る【染み透る・沁み透る】(‥とほる) 〔自ラ五(四)〕液体や気体が物の中に深く浸透する。また、比喩的に、心に強く感じる。骨身にこたえる。しみいる。しみわたる。*万葉‐三八一一「恋しくに痛き吾が身そいちしろく身に染登保里(しみトホリ)」

しみ‐ふか・し【染み深し・沁み深し】🔗🔉

しみ‐ふか・し【染み深し・沁み深し】 〔形ク〕香りや色などが強くしみこんでいる。転じて、強く心に感じられる。*源氏‐夕顔「もて馴らしたる移り香がいとしみふかうなつかしくて」

し・みる【染みる・沁みる・浸みる・滲みる】🔗🔉

し・みる【染みる・沁みる・浸みる・滲みる】 〔自マ上一〕し・む〔自マ上二〕 1 液体が物にぬれ通る。しみこむ。また、よごれがついてなかなかとれない状態になる。しむ。*蜻蛉‐下「さごろもの涙にしむる時はなかりき」 2 深く心に感じる。しみじみと心にはいりこむ。しむ。「身にしみる話」*古道大意‐上「涙もこぼれるほど、心に深く染るもので厶(ござる)」 3 刺激がからだにこたえる。また、液体や塩分の刺激で痛みを覚える。しむ。「薬が傷口にしみる」*源氏‐薄雲「人知れず我が身にしむる秋の夕風」 4 なじみになる。ほれこむ。しむ。*評判・吉原すずめ‐上「惣じて、しみるぞふかくなるぞといふも、つゐにはうけらるべきとおもふ男にならでは」 5 物事が佳境に入る。興が増す。しむ。*黄・高漫斉行脚日記‐中「雲の上のおんもてあそび、染みるにしたがひおもしろく」 6 影響を受けてその傾向に染まる。「悪習にしみる」 [補注]古くはマ行四段の「しむ」が使われたがのちマ行上二段活用が現れ、以後並用された。

しみ‐わた・る【染み渡る・沁み渡る】🔗🔉

しみ‐わた・る【染み渡る・沁み渡る】 〔自ラ五(四)〕すみずみまで浸透する。すっかりしみてしまう。しみこむ。「五臓六腑にしみわたる」*俳・猿蓑‐四「折にふれて感動身にしみわたり」

し・む【染む・沁む・浸む・滲む】🔗🔉

し・む【染む・沁む・浸む・滲む】 〔自マ四〕 1 ある色や濁りなどに染まる。*古今‐一六五「はちすばのにごりにしまぬ心もて」 2 液体に十分ひたる。また、液体がぬれ通る。しみこむ。しみる。*万葉‐三四三「なかなかに人とあらずは酒壺に成りにてしかも酒に染(しみ)なむ」 3 におい、味などが深く入りこむ。また、よごれなどが付着してなかなかとれない状態になる。しみる。*枕‐二九「かうばしうしみたるきぬなど着たる」 4 深く心に感じる。しみじみと心にはいりこむ。しみる。*平家‐六「物の身にしみて面白事は」 5 強く心を寄せる。また、繰り返し行って親しむ。*源氏‐若菜下「いみじうつとめて、まぎれなく行ひにしみ給にたなり」 6 刺激がからだにこたえる。また、液体や塩分の刺激で痛みを覚える。しみる。*平家‐五「まことにめでたき瑞相どもありければ、吹くる風も身にしまず」 7 なじみになる。ほれこむ。しみる。*評判・難波物語「傾城も精をいだす。さればしむ事常の人よりもまさるゆへに」 8 しみじみと落ち着いた雰囲気になる。*風姿花伝‐三「座敷のはや静まりて、をのづからしみたるには」 9 物事が佳境に入る。興が増す。また、うちとけてよい気分になる。しみる。*浮・傾城禁短気‐四「咄しがしまばかるい吸物して酒を出せ」 10 陰気になる。しんみりと沈みがちになる。*談・つれづれか川‐四「たいこもちもしまぬが上手」 11 所帯じみる。*浄・いろは蔵三組盃‐八「扨は子迄へり出したか。夫では弥(いよいよ)しまねばならぬ」 〔自マ上二〕⇒しみる(染) 〔他マ下二〕 1 色に染まるようにする。色をつける。*歌経標式「秋山の黄葉(もみちば)自牟留(シムル)白露の」 2 においなどを深く入り込ませる。*枕‐三六「香の紙のいみじうしめたる」 3 深く心に感じさせる。十分わからせる。また、強く思う。*浜松中納言‐一「心にしめて思ひわたり侍しかども」 4 (心を)対象に深く入れこむ。うちこむ。*源氏‐若紫「あぢなき事に心をしめて」

しん‐にゅう【滲入・沁入】(‥ニフ)🔗🔉

しん‐にゅう【滲入・沁入】(‥ニフ) しみ込むこと。水などがしみ入ること。

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