【旧】 5画　日部　［五年］ 区点=2176　16進=356C　シフトJIS=8B8C 【舊】旧字旧字 17画　艸部 区点=7149　16進=6751　シフトJIS=E470 《常用音訓》キュウ 《音読み》　キュウ（キウ）／グ／ク〈ji〉 《訓読み》　ふるい（ふるし）／もと／きゅう（きう） 《名付け》　ひさ・ふさ・ふる・もと 《意味》 ｛形｝ふるい（フルシ）。くちて曲がった。年月をへてふるびた。また、以前の。〈対語〉→新。〈類義語〉→古。「新旧」「旧邦」「旧令尹之政、必以告新令尹＝旧令尹ノ政ハ、必ズモッテ新令尹ニ告グ」〔→論語〕 ｛名｝もと。以前の状態。「依旧＝旧ニ依ル」「仍旧＝旧ニ仍ル」「如旧＝旧ノゴトシ」 ｛名｝昔なじみであること。また、昔なじみの人。〈類義語〉→故。「故旧（昔なじみ）」「有旧＝旧有リ」「訪旧半為鬼＝旧ヲ訪ヘバ半バ鬼（故人）ト為ル」〔→杜甫〕 〔国〕きゅう（キウ）。太陰暦のこと。「旧盆」 《解字》 形声。舊の上部は鳥のこと。下部は音をあらわす。もと鳥の名。ただし、普通は、久（年月をへて曲がった）朽キュウ（曲がってくちる）と同系のことばに当てて用いる。 《類義》 →古 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →主要書物

【旧人】 キュウジン 昔なじみの人。旧知。時代後れの人。「帰燕識故巣、旧人看新暦＝帰燕故巣ヲ識リ、旧人新暦ヲ看ル」〔→王維〕

【旧山】 キュウザン ふるさと。故郷。〈類義語〉故山。

【旧友】 キュウユウ 昔からの友達。『旧朋キュウホウ・旧侶キュウリョ』

【旧功】 キュウコウ 昔たてた功績。『旧勲キュウクン・旧績キュウセキ』

【旧冬】 キュウトウ 昨年の冬。

【旧因】 キュウイン 古い因縁。昔のゆかりのこと。「旧姻」と同じ。

【旧宇】 キュウウ 古い家。『旧屋キュウオク』

【旧曲】 キュウキョク 昔から伝わっている古い楽曲。

【旧交】 キュウコウ 以前の親しい交際。また、昔から続いている親しい交際。『旧遊キュウユウ』〈類義語〉故交。

【旧好】 キュウコウ 昔なじみ。『旧誼キュウギ』

【旧宅】 キュウタク 以前住んでいた家。『旧居キュウキョ・旧第キュウダイ・旧邸キュウテイ・旧廬キュウロ』墓。「去去欲何之、南山有旧宅＝去キ去キテイヅクニユカント欲スル、南山ニ旧宅有リ」〔→陶潜〕

【旧地】 キュウチ 以前の領地。『旧封キュウホウ』「旧跡」と同じ。

【旧年】 キュウネン 去年。昨年。

【旧老】 キュウロウ 昔のことをよく知っている年寄り。〈類義語〉古老。

【旧君】 キュウクン もと仕えていた主君。『旧主キュウシュ』

【旧址】 キュウシ ＝旧趾。昔の礎石。「旧跡」と同じ。

【旧臣】 キュウシン 以前から仕えている家臣。昔の家臣。

【旧邦】 キュウホウ 古い国。長い時代を経た国。『旧国キュウコク』「周雖旧邦、其命維新＝周ハ旧邦トイヘドモ、ソノ命維レ新タナリ」〔→詩経〕

【旧来】 キュウライ 古くから。以前から。

【旧雨今雨】 キュウウコンウ 古い友と新しい友。▽「雨」と「友」とは音が通じるので、しゃれていったことば。〔→杜甫〕

【旧国】 キュウコク ふるさと。故郷。「旧国霜前白雁来＝旧国霜前白雁来タル」〔→杜甫〕「旧邦」と同じ。荒れ果てた古い国。

【旧事】 キュウジ・クジ 昔の古い事がら。〈類義語〉故事。

【旧姓】 キュウセイ〔国〕結婚や養子縁組などをして姓がかわった人のもとの姓。

【旧制】 キュウセイ 昔、行われていた制度。古い形式。

【旧知】 キュウチ 昔なじみ。また、昔なじみの人。『旧故キュウコ・旧識キュウシキ・旧相識キュウソウシキ』〈対語〉新知。

【旧注】 キュウチュウ 経典につけた注で、宋ソウ代以後の新注に対して、漢・唐代の注釈。古注。▽古い注釈の意。

【旧典】 キュウテン 昔から伝わっている書物・文書。古い制度。また、昔のしきたり。

【旧物】 キュウブツ 昔からの文物制度。〔→左伝〕昔から伝えられたもの。先人の残したもの。「唯将旧物表深情、鈿合金釵寄将去＝タダ旧物ヲモテ深情ヲ表サント、鈿合金釵寄セモテ去ラシム」〔→白居易〕

【旧法】 キュウホウ 古いおきて。昔、行われた法令のこと。古くさいやりかた。

【旧林】 キュウリン 以前住んでいた、なじみの林。「羈鳥恋旧林＝羈鳥ハ旧林ヲ恋フ」〔→陶潜〕

【旧例】 キュウレイ 今の物事の基準になる、以前にあった例。前例。

【旧姻】 キュウイン ＝旧因。以前からの親戚。『旧戚キュウセキ』

【旧怨】 キュウエン 昔から持っているうらみ。『旧恨キュウコン』〈類義語〉宿怨シュクエン。

【旧故】 キュウコ 昔の事がら。「旧知」と同じ。

【旧染】 キュウセン 世の中で古くから行われているよくないならわし。

【旧俗】 キュウゾク 古いならわし。昔、行われた習慣のこと。

【旧風】 キュウフウ 古くから伝わる、ならわし。古くさいやりかた。

【旧約】 キュウヤク 以前からの約束。「旧約聖書」の略。もと、ユダヤ教の聖典で、キリスト教徒によって聖典とされた。キリスト誕生以前のイスラエル人の歴史書や詩文を集めたもの。〈対語〉新約。

【旧翁】 キュウオウ 経験を積んで知識の豊富な老人。古老。

【旧恩】 キュウオン 昔、受けた恩。以前受けた恵み。

【旧家】 キュウカ 昔から続いている家。〈類義語〉故家。

【旧鬼】 キュウキ ずっと以前に死んだ人の魂。〈対語〉新鬼。「新鬼煩冤旧鬼哭＝新鬼ハ煩冤シ旧鬼ハ哭ク」〔→杜甫〕

【旧記】 キュウキ 昔の事がらを記録した文書。『旧志キュウシ』

【旧套】 キュウトウ 古い形式。ありきたりの古くさい様式のこと。

【旧悪】 キュウアク 以前に行った悪事。〔→論語〕

【旧貫】 キュウカン ＝旧慣。以前からのならわし・しきたり。▽「貫」は、慣。「仍旧貫如之何＝旧貫ニヨラバコレヲイカン」〔→論語〕

【旧郷】 キュウキョウ（キウキャウ）ふるさと。『旧里キュウリ』

【旧教】 キュウキョウ 昔の教え。『旧訓キュウクン』キリスト教の一派。ローマカトリック教。

【旧習】 キュウシュウ 世の中の古いしきたり。

【旧章】 キュウショウ 周公の礼法など、昔の聖王が定めたおきて・制度のこと。

【旧情】 キュウジョウ 昔の心持ち。昔から親しくしている情愛。昔からのつきあい。

【旧族】 キュウゾク 昔から続いているゆいしょある一族。旧臣の子孫。

【旧都】 キュウト もとの都。昔の首都。『旧京キュウキョウ』「樵蘇時見旧都人＝樵蘇時ニ見ル旧都ノ人」〔→元好問〕

【旧朝】 キュウチョウ 昔の王朝。

【旧遊】 キュウユウ 昔、そこで行った風流な楽しみ。「惆悵旧遊無復到＝惆悵ス旧遊復タ到ルコト無キヲ」〔→白居易〕「旧交」と同じ。

【旧業】 キュウギョウ 以前から積み立てた財産。昔の人がはじめて、今まで続いている事業。以前の別荘。

【旧跡｛蹟｝】 キュウセキ ＝旧迹。昔、歴史上有名な建物や事件のあった場所。『旧地キュウチ・旧址キュウシ・旧墟キュウキョ』

【旧夢】 キュウム 以前見た夢。過ぎ去ったはかない事がら。

【旧盟】 キュウメイ 国どうしや、党派の間の昔の約束。

【旧穀】 キュウコク その年より以前の年に収穫した穀物。「旧穀既没、新穀未登＝旧穀既ニ没ク、新穀イマダ登ラズ」〔→陶潜〕

【旧態】 キュウタイ 物事の、昔の古くさい状態。「旧態依然」

【旧徳】 キュウトク 昔のよしみ。旧好。以前行った善事。昔受けた恩徳。〔→左伝〕年老いて徳の高い人。

【旧聞】 キュウブン 昔から聞き伝えられてきた話。時間がたってから聞いて、すでに珍しくない話。

【旧暦】 キュウレキ〔国〕新暦に対して、昔、使われていた暦。太陰暦。陰暦。▽明治五年（一八七二）太陽暦に変更された。

【旧弊】 キュウヘイ 昔から行われている、世の中の悪い習慣。古いやりかたや思想にとらわれていること。

【旧懐】 キュウカイ 昔のことをなつかしく思う心。

【旧観】 キュウカン 物事の昔のようす。古いたかどの。『旧閣キュウカク』

【旧五代史】 キュウゴダイシ〈書物〉一五〇巻。宋ソウの太祖の勅命を受けて薛居正セツキョセイらが編集したもので、五代（後梁コウリョウ・後唐コウトウ・後晋コウシン・後漢コウカン・後周コウシュウ）の正史。二十四史の一つ

【旧唐書】 クトウジョ〈書物〉二〇〇巻。後晋の高祖の命によって編集された、唐代の正史。史料不足が欠点とされる。二十四史の一つ。