複数辞典一括検索+

あらしめる【在らしめる】🔗🔉

あらしめる 【在らしめる】 (連語) あるようにさせる。「私を今日―しめた恩師」 →しめる(助動)

あり【在り・有り】🔗🔉

あり 【在り・有り】 〔動詞「ある」の連用形から〕 あること。存在すること。多く「ありの…」の形で用いられる。 →ありのまま →ありのすさび →ありのことごと

あ・り【有り・在り】🔗🔉

あ・り 【有り・在り】 (動ラ変) ⇒ある

あり-あ・う【有り合う・在り合う】🔗🔉

あり-あ・う ―アフ [0][3] 【有り合う・在り合う】 (動ワ五[ハ四]) (1)ちょうどそこにある。ありあわせる。「どつさり―・ふ長椅子に身を落し/ふらんす物語(荷風)」 (2)たまたまそこに居あわせる。「いたれりし国にてぞ子生めるものども―・へる/土左」 (3)行きあう。偶然出会う。「路のほどなどに夜行の夜などもおのづから―・ふらむ/栄花(初花)」

あり-あり【有り有り・在り在り】🔗🔉

あり-あり [3] 【有り有り・在り在り】 (副) (1)ある状態がはっきりと外に現れているさま。「弱点が―(と)わかる」「ネチネチした気性が―と知れる/社会百面相(魯庵)」 (2)あたかも目の前にあるように心に感じられるさま。まざまざ。「当時の光景が―と浮かぶ」

ありあり・し【有り有りし・在り在りし】🔗🔉

ありあり・し 【有り有りし・在り在りし】 (形シク) (1)実際にあったとおりである。ありのままである。「いみじう有心に心深く,大人のやうにおはすれば,―・しう,よに宣はじと思す/宇津保(楼上・下)」 (2)当然あるべきさまである。望ましい状態である。「―・シイテイデゴザル/日葡」 (3)もっともらしい。本当らしく見える。「―・しく云へば,若気ゆゑ実(マコト)と思ひ/信長公記」

ありあり-て【有り有りて・在り在りて】🔗🔉

ありあり-て 【有り有りて・在り在りて】 (副) 〔動詞「あり」を重ね,それに助詞「て」が付いたもの〕 (1)引き続きこのままの状態でいて。「―後も逢はむと/万葉 3113」 (2)長い時間がたったあとに。とどのつまり。あげくのはてに。「―かく遥かなる国になりにたり/更級」

あり-あわ・す【有り合(わ)す・在り合(わ)す】🔗🔉

あり-あわ・す ―アハス [4] 【有り合(わ)す・在り合(わ)す】 ■一■ (動サ五) 〔下一段動詞「ありあわせる」の五段化〕 「ありあわせる」に同じ。「丁度―・した箒木を背後(ウシロ)に秘(カク)しつ/社会百面相(魯庵)」 ■二■ (動サ下二) ⇒ありあわせる

あり-あわ・せる【有り合(わ)せる・在り合(わ)せる】🔗🔉

あり-あわ・せる ―アハセル [5][0] 【有り合(わ)せる・在り合(わ)せる】 (動サ下一)[文]サ下二 ありあは・す (1)ちょうどその場にある。たまたまそこにある。「―・せた材料で作ったもの」 (2)都合よくその場に居合わせる。「折節御前に豊田隼人といふ大目付―・せ/浮世草子・武道伝来記 3」

あり-か【在り処・在り所】🔗🔉

あり-か [1] 【在り処・在り所】 物のある場所。人のいる所。「宝物の―」「賊の―」

あり-か【在り香】🔗🔉

あり-か 【在り香】 〔「ありが」とも〕 (1)薫(タ)き物などの良いにおい。「ふぢばかま草の枕ににほふなりたがぬぎおける―なるらむ/拾玉集」 (2)臭気。異臭。「いとふ―や袖に残らん/東関紀行」 (3)わきが。体臭。「人の身に,をのづから―などある人/乳母草子」

あり-かた【在り方・有り形】🔗🔉

あり-かた [3] 【在り方・有り形】 (1)物事のあるべき姿。「政治の―」 (2)現在ある形。ありさま。実情。「其の消息及び地形の―を伺ひたまふ/日本書紀(景行訓)」

あり-がほ・し【在りが欲し】🔗🔉

あり-がほ・し 【在りが欲し】 (連語) 〔「ほし」は接尾語〕 住んでいたい。「―・し住みよき里が荒るらく惜しも/万葉 1059」

あり-がよ・う【在り通ふ】🔗🔉

あり-がよ・う ―ガヨフ 【在り通ふ】 (動ハ四) 〔「ありかよう」とも〕 いつも通う。常に通う。「千年に欠くることなく万代(ヨロズヨ)に―・はむと/万葉 3236」

あり-きたり【在り来り】🔗🔉

あり-きたり [0] 【在り来り】 (名・形動)[文]ナリ 従来と同じで,新味や工夫のない・こと(さま)。「―の解釈」

あり・く【在り来】🔗🔉

あり・く 【在り来】 (動カ変) 年月がたってずっと続いてきている。「古(イニシエ)ゆ―・きにければこごしかも岩の神さび/万葉 4003」

あり-し【在りし】🔗🔉

あり-し 【在りし】 (連語) 〔「し」は過去の助動詞「き」の連体形。連体詞的に用いられる〕 (1)以前の。先の。昔の。「一の菴(イオリ)をむすぶ。これを,―すまひにならぶるに,十分が一なり/方丈記」 (2)生前の。「―妻に似たらん人をと思て/宇治拾遺 9」

ありし-ひ【在りし日】🔗🔉

ありし-ひ [1] 【在りし日】 (1)生きていた時。生前。「―の面影」 (2)過ぎ去った日。昔。以前。「―の思い出にふける」

ありし-よ【在りし世】🔗🔉

ありし-よ 【在りし世】 (1)過去。昔の世。「―の名残だになき/源氏(賢木)」 (2)生前。「―にしばしも見ではなかりしを/新古今(哀傷)」

あり-た・つ【在り立つ】🔗🔉

あり-た・つ 【在り立つ】 (動タ四) 立ち続ける。「八十島の島の崎々―・てる花橘を/万葉 3239」

あり-つ・く【有り付く・在り付く】🔗🔉

あり-つ・く [0][3] 【有り付く・在り付く】 ■一■ (動カ五[四]) (1)長い間求めていたものをやっとのことで手に入れる。「飯(メシ)に―・く」「仕事に―・く」 (2)その状態が続く。その事に慣れる。「さる方に―・きたりしあなたの年ごろ/源氏(蓬生)」 (3)落ち着く。「 あらぬ所に渡りて,―・かず,花々ともてかしづかれ給ふ有様/狭衣 1」 (4)住みつく。安住する。長くそこに住む。「国に大水出で,人を流し里を失ふ。然れば,民―・く事難し/今昔 10」 (5)男が女の家に居つく。結婚する。「わざと―・きたる男となくて,ただ時々かよふ人などぞありける/宇治拾遺 3」 (6)似合う。板につく。「あざやかなる,花のいろいろ,につかはしからぬを,さし縫ひ着つつ―・かずとり繕ひたる姿ども/源氏(総角)」 (7)ある身分・環境に生まれつく。「もとより―・きたる,さやうのなみなみの人/源氏(蓬生)」 (8)生活の糧(カテ)を得る。「年ごろ身貧しくして,世に―・く方もなかりけるほどに/今昔 27」 [可能] ありつける ■二■ (動カ下二) (1)頼り先を得させる。住みつかせる。「絵なんど見せ,遊び戯れて―・けけるままに/沙石 5」 (2)身を固めさせる。仕官させる。「今まで―・けざるこそ,心にかかり候へども/曾我 4」

あり-にく・し【在り悪し】🔗🔉

あり-にく・し 【在り悪し】 (形ク) 生きにくい。生きているのがつらい。「いかにか世を―・く,憂きものになむおぼし乱れければにや/栄花(初花)」

ありね-よし【在り根よし】🔗🔉

ありね-よし 【在り根よし】 (枕詞) 〔「ありね」の語義未詳。「在り嶺」ともされる〕 「対馬」にかかる。「―対馬の渡り/万葉 62」

あり-の-すさび【在りの遊び】🔗🔉

あり-の-すさび 【在りの遊び】 あるのに慣れて,いたずらに過ごすこと。生きているのに慣れて,なおざりに暮らしていくこと。ありのすさみ。「ある時は―に語らはで恋しきものと別れてぞ知る/古今六帖 5」

あり-ばしょ【在り場所】🔗🔉

あり-ばしょ [0] 【在り場所】 物のある場所。「財宝の―」

ありはら【在原】🔗🔉

ありはら 【在原】 ⇒ありわら(在原)

あり-はん【在り判】🔗🔉

あり-はん [0] 【在り判】 ⇒ざいはん(在判)

あり・ふ【在り経】🔗🔉

あり・ふ 【在り経】 (動ハ下二) そのままの状態で年月を過ごす。生きながらえる。「心をちぢにおもひなしつつ―・ふるほどに/蜻蛉(上)」

あり-よ・し【在り良し】🔗🔉

あり-よ・し 【在り良し】 (形ク) 住みよい。暮らしよい。「住み良しと人は言へども―・しと我は思へど/万葉 1059」

ありわら【在原】🔗🔉

ありわら アリハラ 【在原】 姓氏の一。

ありわら-の-しげはる【在原滋春】🔗🔉

ありわら-の-しげはる アリハラ― 【在原滋春】 平安前期の歌人。業平の第二子。在次君と呼ばれる。「大和物語」の作者とする説がある。歌は古今集などにみえる。生没年未詳。

ありわら-の-なりひら【在原業平】🔗🔉

ありわら-の-なりひら アリハラ― 【在原業平】 (825-880) 平安前期の歌人。六歌仙・三十六歌仙の一人。在五中将・在中将と称される。阿保親王の第五子。歌風は情熱的で,古今集仮名序に「心あまりて言葉たらず」と評された。「伊勢物語」の主人公とされる。色好みの典型として伝説化され,美女小野小町に対する美男の代表として後世の演劇・文芸類でもてはやされた。家集「業平集」

ありわら-の-ゆきひら【在原行平】🔗🔉

ありわら-の-ゆきひら アリハラ― 【在原行平】 (818-893) 平安前期の歌人。業平の兄。大宰権帥・中納言民部卿。在原氏一門の学問所として奨学院を建てた。古今集に須磨流謫(ルタク)の歌があり,後世,これに取材した謡曲「松風」などが生まれた。

ありわら-でら【在原寺】🔗🔉

ありわら-でら アリハラ― 【在原寺】 (1)奈良市にある不退寺(フタイジ)の別名。 (2)「石上寺(イソノカミデラ)」に同じ。

あ・る【有る・在る】🔗🔉

あ・る [1] 【有る・在る】 (動ラ五)[文]ラ変 あ・り □一□ 物が存在する。 (1)(何が存在するかが問題の場合)存在する。「山にはまだ雪が―・る」「この川の真ん中に国境が―・る」「何かいい方法が―・るといいのだが」 (2)(その物が存在すること自体は自明で,場所が問題である場合)位置する。「本社は大阪に―・る」「その町は札幌の北三〇キロの所に―・る」「事故の責任は私に―・る」 人が存在する。 (1)(誰が存在するかが問題の場合)いる。「昔々,ある所におじいさんとおばあさんが―・りました」「今は昔,竹取の翁といふもの―・りけり/竹取」 (2)人が死なずに生存する。「先生の―・りし日をしのぶ」 (3)(その人が存在すること自体は自明のことで,場所が問題である場合)人がある場所に滞在する。そこに暮らす。「当時彼はパリに―・って絵の勉強をしていた」「彼女は今病の床に―・る」 (4)人がある特別の地位や環境にいる。「逆境に―・っても望みを捨てない」「長年にわたって理事長の職に―・る」 所有している。持っている。 (1)人が財産などを所有している。「彼には財産が―・る」「お隣にはいい車が―・る」 (2)ある人が,家族・親戚・友人などをもっている。「大阪に親戚が―・る」「妻子の―・る身」 (3)物や人などが,ある要素や,付属的・付随的な物を持っている。「サメには鋭い歯が―・る」「あの人は顔にほくろが―・る」 (4)人や物がある属性をもっている。「彼女には気品が―・る」「ニンニクには独特の匂いが―・る」 (5)人などがある能力・実績・経験を持っている。「彼は力が―・る」「相当の学力が―・る」「政界に影響力が―・る」 (6)人が,ある考え・記憶・感覚を持っている。「私にいい考えが―・る」「この説にはいろいろ疑問が―・る」 (7)人が,何か解決・処理すべき事柄をもっている。「用事が―・るのでお先に失礼する」「ちょっと相談が―・るんだけど」 (数量を表す語を副詞的に受けて)その物の数・量・重さ・長さ・時間などが…だということを表す。「頭が二つ―・る蛇」「重さが一〇トンも―・る岩」「運動会まであと一週間―・る」 動作・現象が実現する。 (1)何か事が起こる。「踏切で事故が―・った」「二人の間に何か―・ったんですか」「二度―・ることは三度―・る」 (2)行事・催し・会合などが行われる。「これから会議が―・る」 (1)(「…とある」の形で)他人の文章を引用して示す。…と書かれている。「法律の条文には『…』と―・る」「彼の手紙には『来月帰国する』と―・った」 (2)(「…とあって」の形で)状況・場合が…であるので。…なので。「子供の日と―・ってどこの遊園地も親子連れでいっぱいだ」「全体で決まったと―・っては断れない」 (3)(「…することがある」「…したことがある」などの形で)時には…する,過去に…した経験をもつ,などの意を表す。「時に内容の一部を変更することが―・る」「何度か京都へ行ったことが―・る」 (4)(「…にあっては」の形で)人間集団・社会を表す名詞を受け,そこにおいては,の意を表す。「わが党に―・っては常に国民の要望にこたえる政策を作っていきたい」 □二□(補助動詞) 名詞に断定の助動詞「だ」の連用形「で」を添えたものに付いて,指定の意を表す。 (1)ある物事と他の物事とが等しい関係にあることを表す。「彼は学生で―・る」「一足す二は三で―・る」 (2)ある物事が何らかの類に属することを表す。「トラはネコ科の動物で―・る」「吾輩は猫で―・る」 (3)ある状態,ある事態にあることを表す。「あたりは一面の銀世界で―・る」「彼はもう退職したはずで―・る」 (4)古語では,断定の助動詞「なり」「たり」の連用形「に」「と」を添えたものに付く。「一つ松人に―・りせば太刀佩(ハ)けましを/古事記(中)」「なかなかに人と―・らずは酒壺になりにてしかも酒にしみなむ/万葉 343」 種々の語に付いて,そういう状態である,そういう性質をもっている意を表す。「ある」の前に助詞の入ることもある。 (1)形容詞・形容動詞の連用形に付く場合。「うれしくも―・り,悲しくも―・る」「狭くは―・っても楽しいわが家」「ここは静かで―・る」「みんな親切で―・った」 (2)副詞「かく」「しか」「さ」などに付く場合。「世の中は恋繁しゑやかくし―・らば梅の花にもならましものを/万葉 819」 (3)打ち消しの助動詞「ず」,推量の助動詞「べし」の連用形に付く場合。「あすよりはみ山隠りて見えずかも―・らむ/古事記(下)」「かくばかり恋ひむとかねて知らませば妹をば見ずそ―・るべく―・りける/万葉 3739」 動詞の連用形に助詞「て(で)」を添えた形に付いて,動作・作用の完了・継続・残存の意を表す。主として他動詞を受ける。 (1)ある動作・作用の結果が続いていることを表す。「窓が開けて―・る」「小さく刻んで―・る」 (2)準備がきちんとなされていることを表す。「あすの事はちゃんと予習して―・る」「表に車を待たせて―・る」「きれいに継いで―・る」 動詞の連用形に助詞「つつ」を添えた形に付いて,動作・作用の進行を表す。「太陽が山の端に沈みつつ―・る」「病状はだんだんとよくなりつつ―・る」 〔翻訳文の影響で,「書物を読みつつ―・る」のように継続する動作についても用いることがある〕 動作性の漢語名詞または動詞の連用形に付いて,その動作をする人に対する尊敬の意を表す。 (1)接頭語「御」によって敬意を添えることが多い(現代語ではややふざけた場合にしか言わない)。「どうぞ御笑覧―・れ」「正月五日,主上御元服―・つて/平家 1」「少し御まどろみ―・りける御夢に/太平記 3」 (2)(「御…あらせられる」の形で)非常に高い敬意を表す。「殿下が会場に御臨席―・らせられる」「伊勢神宮に御参拝―・らせられる」 〔(1)中世後期の口語ではラ行四段が一般的となる。(2)現代語では,「ある」の打ち消しの言い方として,「あらない」は用いられず,「ない」の語が用いられる。ただし,近世には,ごくまれに,「せく事はあらない/浄瑠璃・宵庚申(上)」などの例がみられる〕 [慣用] 上には上が―・気が―・名が―・花も実も―・一癖―・脈が―/心ここに有らず

在るが儘(ママ)🔗🔉

在るが儘(ママ) 実際にある,その状態のまま。ありのまま。

ある-べき【有るべき・在るべき】🔗🔉

ある-べき 【有るべき・在るべき】 (連語) 〔「べき」は助動詞「べし」の連体形。連体詞のように用いる〕 そうあるのが当然の。のぞましい。「学生の―姿」

い-ま・す【在す・坐す】🔗🔉

い-ま・す [2] 【在す・坐す】 ■一■ (動サ四) (1)「ある」「いる」の尊敬語。いらっしゃる。おありになる。「万代に―・し給ひて天の下申し給はね朝廷(ミカド)去らずて/万葉 879」 (2)「行く」「来る」の尊敬語。お出かけになる。おいでになる。「家思ふとこころ進むな風守り好くして―・せ荒しその路/万葉 381」「右大将の宇治へ―・すること,尚絶えはてずや/源氏(浮舟)」 (3)(補助動詞) (ア)(「…にいます」「…にています」の形で名詞を受けて)…でいらっしゃる。「吾(ア)が大国主,汝(ナ)こそは男(オ)に―・せば/古事記(上)」(イ)動詞・形容詞・形容動詞の連用形に付いて,尊敬の意を表す。「平らけく親は―・さね/万葉 4408」「はしきよし君はこのころ嘆かひ―・す/万葉 4214」 ■二■ (動サ変) {■一■}に同じ。「かかる道はいかでか―・する/伊勢 9」「などか久しく―・せぬ/三宝絵詞(中)」 〔活用は上代は四段。平安時代には四段とともにサ変が併用され,未然形「いませ」,連体形「いまする」,命令形「いませよ」の例があらわれるが,連用形「いませ」の形は自動詞にはない〕 ■三■ (動サ下二) 他動性の動作の及ぶ人に対する敬意を表す。おいでにならせる。いらっしゃるようにさせる。「他国(ヒトクニ)に君を―・せて何時までか/万葉 3749」

います-が・り【在すがり】🔗🔉

います-が・り 【在すがり】 (動ラ変) 〔「いますがあり」の転という。「いますかり」とも〕 (1)存在の意を表す。「あり」「をり」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。いまそがり。「翁のあらむ限りは,かうても―・りなむかし/竹取」 (2)(補助動詞) (ア)形容詞・形容動詞の連用形,断定の助動詞「なり」の連用形「に」またはそれに助詞「て」の付いたものに付いて,叙述の意を表す「あり」の尊敬語として用いる。(…て)いらっしゃる。「本院の北の方の,まだ帥(ソチ)の大納言の妻(メ)にて―・りける,平中がよみてきこえける/大和 124」(イ)動詞の連用形に付いて,動作の継続の意を表す「あり」の尊敬語として用いる。「けしきばみ―・れども,え書きならべじ物をや/源氏(梅枝)」

いまそ-が・り【在そがり】🔗🔉

いまそ-が・り 【在そがり】 (動ラ変) 〔「いまそかり」とも〕 (1)「いますがり{(1)}」に同じ。「その帝のみこたかい子と申す―・りけり/伊勢 39」 (2)(補助動詞) 「いますがり{(2)}」に同じ。「孝養のこころ深く―・りけるこそ…いみじく覚えて侍れ/撰集抄 9」

ざい【在】🔗🔉

ざい [1] 【在】 (1)いなか。在郷。在所。「六郷の―」「―から来た人」 (2)今,そこにいること。「―,不在を示す」「―パリ」

ざい-い【在位】🔗🔉

ざい-い [1] 【在位】 (名)スル (1)帝王が位に就いていること。「―六〇年」 (2)ある位に就いていること。「横綱―七場所」

ざい-いん【在院】🔗🔉

ざい-いんン [0] 【在院】 (名)スル 病院など,院と名のつく施設にいること。

ざい-えん【在園】🔗🔉

ざい-えんン [0] 【在園】 (名)スル 幼稚園・保育園など,「園」と呼ばれる所にいること。

ざい-おう【在欧】🔗🔉

ざい-おう [0] 【在欧】 (名)スル 欧州に滞在すること。

ざい-か【在家】🔗🔉

ざい-か [1] 【在家】 いなかの家。いなか。ざいけ。

ざい-か【在荷】🔗🔉

ざい-か [0] 【在荷】 (名)スル 店や倉庫などに品物があること。また,その品物。在庫。

ざい-がい【在外】🔗🔉

ざい-がい ―グワイ [0] 【在外】 外国にいること。また,外国にあること。多く複合語として用いる。「―邦人」「―資産」

ざいがい-こうかん【在外公館】🔗🔉

ざいがい-こうかん ―グワイ―クワン [5] 【在外公館】 外国にある外務省の出先機関。大使館・公使館・総領事館・領事館・国際連合日本政府代表部などの総称。

ざいがい-しさん【在外資産】🔗🔉

ざいがい-しさん ―グワイ― [5] 【在外資産】 日本の国家・法人・民間人が外国で所有する財産。

ざいがい-せいか【在外正貨】🔗🔉

ざいがい-せいか ―グワイ―クワ [5] 【在外正貨】 外国の金融中心地に保有された正貨準備。外国為替銀行の海外に保有する為替資金とともに,国際貸借の決済に用いられる。

ざい-がく【在学】🔗🔉

ざい-がく [0] 【在学】 (名)スル 学生・生徒として学校に籍があること。「―証明書」「本校に―している者」

ざいか-ぼう【在華紡】🔗🔉

ざいか-ぼう ザイクワバウ [3] 【在華紡】 第二次大戦前,日本の紡績資本によって中国に設立された紡績工場。

ざい-かん【在官】🔗🔉

ざい-かん ―クワン [0] 【在官】 (名)スル 官職に就いていること。

ざい-かん【在監】🔗🔉

ざい-かん [0] 【在監】 (名)スル 刑務所に入れられていること。

ざい-かん【在館】🔗🔉

ざい-かん ―クワン [0] 【在館】 (名)スル 大使館・博物館など,「館」と呼ばれる所にいること。また,在籍していること。

ざい-きょ【在居】🔗🔉

ざい-きょ [1] 【在居】 (名)スル その場所にいること。また,そこに住んでいること。

ざい-きょう【在京】🔗🔉

ざい-きょう ―キヤウ [0] 【在京】 (名)スル (1)東京にいること。「今月末まで―する」「―県人会」 (2)都にいること。

ざいきょう-にん【在京人】🔗🔉

ざいきょう-にん ―キヤウ― 【在京人】 鎌倉時代,京都に常駐して京都の治安・維持にあたった御家人。在京御家人。

ざい-きょう【在郷】🔗🔉

ざい-きょう ―キヤウ [0] 【在郷】 (名)スル 郷里にいること。ざいごう。「―する旧友を訪ねる」

ざい-きん【在勤】🔗🔉

ざい-きん [0] 【在勤】 (名)スル (1)ある勤務についていること。在職。「大阪支社に―しているとき」 (2)ある地域に勤務していること。「本国より此地に―する精選(エリヌキ)の募兵/浮城物語(竜渓)」

ざいきん-もの【在勤者】🔗🔉

ざいきん-もの 【在勤者】 江戸時代,江戸・大坂の藩邸に勤務した国詰めの武士。

ざい-け【在家】🔗🔉

ざい-け [0][1] 【在家】 (1)出家せずに,在俗のまま仏教に帰依した人。正式の戒を受けていない人。 ⇔出家 (2)〔「ざいか」とも〕 在所の家。民家。 (3)中世,屋敷とそれに付属する宅地・園地などを含めた在家役賦課の単位。また,在家役の対象となった農民。主に東国・九州などの辺境地方に多くみられた。

ざいけ-そう【在家僧】🔗🔉

ざいけ-そう [3] 【在家僧】 妻帯・肉食をする僧。火宅僧。妻帯僧。妻帯坊主。

ざいけ-ぶっきょう【在家仏教】🔗🔉

ざいけ-ぶっきょう ―ケウ [4] 【在家仏教】 出家して僧になることなく,俗人の立場で信仰する仏教。また,俗人の信仰の意義を評価する仏教。

ざいけ-やく【在家役】🔗🔉

ざいけ-やく 【在家役】 中世,荘園公領内の在家{(3)}に課した賦役。

ざい-こ【在庫】🔗🔉

ざい-こ [0] 【在庫】 (1)品物が倉庫などに置いてあること。「―が少ない」「―品」 (2)ある一定時点における,企業内の原材料・仕掛かり品・製品などの量。

ざいこ-かんり【在庫管理】🔗🔉

ざいこ-かんり ―クワン― [4] 【在庫管理】 原材料・仕掛かり品・製品の形で企業内にある在庫を,最適な質と量の状態で維持・管理すること。

ざいこ-きんゆう【在庫金融】🔗🔉

ざいこ-きんゆう [4] 【在庫金融】 企業が生産・販売活動を維持していくために必要な一定割合の原材料・仕掛かり品・製品のための運転資金の供給のこと。 →滞貨金融

ざいこ-しすう【在庫指数】🔗🔉

ざいこ-しすう [4][3] 【在庫指数】 基準日の在庫量をもとにして,毎日の在庫量の変動を示す指数。

ざいこ-じゅんかん【在庫循環】🔗🔉

ざいこ-じゅんかん ―クワン [4] 【在庫循環】 在庫投資の変動による約四〇か月の周期をもつ景気循環。発見者キチンの名にちなんでキチン循環ともいう。

ざいこ-ちょうせい【在庫調整】🔗🔉

ざいこ-ちょうせい ―テウ― [4] 【在庫調整】 経済事情の変化に応じて在庫量を増減させ,適正水準に保とうとすること。また,過剰な在庫を減らすこと。

ざいこ-とうし【在庫投資】🔗🔉

ざいこ-とうし [4] 【在庫投資】 ある期間における原料や製品の在庫量の増減。売れ残りによる在庫増を,意図せざる在庫投資,在庫減を負の在庫投資という。

ざいこ-りつ-しすう【在庫率指数】🔗🔉

ざいこ-りつ-しすう [7][6] 【在庫率指数】 月末在庫額の月間出荷額に対する割合を表す指数。

ざい-ご【在郷】🔗🔉

ざい-ご [3] 【在郷】 「ざいごう」の転。「維新後間も無くこの村にお―したのだ/南小泉村(青果)」

ざいご-べえ【在郷兵衛】🔗🔉

ざいご-べえ ―ベ [3] 【在郷兵衛】 いなか者を人名に擬していう語。ざいごっぺえ。

ざい-ご【在五】🔗🔉

ざい-ご 【在五】 「在五中将」の略。

ざい-ごう【在郷】🔗🔉

ざい-ごう ―ガウ [0] 【在郷】 (名)スル (1)都会から隔たった地方。いなか。在。在所。ざいご。 (2)郷里にいること。ざいきょう。「―せる士族を然(ソ)う呼ぶのだ/南小泉村(青果)」

ざいごう-うた【在郷歌・在郷唄】🔗🔉

ざいごう-うた ―ガウ― [3] 【在郷歌・在郷唄】 (1)いなか歌。民謡。 (2)下座唄の一。田舎の場面およびその幕間に演ずるもの。ざいごうた。

ざいごう-ぐんじん【在郷軍人】🔗🔉

ざいごう-ぐんじん ―ガウ― [5] 【在郷軍人】 平時は生業に就き,非常の際に召集されて国防にあたる義務を負う予備役・退役・後備役などの軍人。

ざいごう-ぐんじん-かい【在郷軍人会】🔗🔉

ざいごう-ぐんじん-かい ―ガウ―クワイ 【在郷軍人会】 各地に分立していた在郷軍人団体の統一組織。1910年(明治43)帝国在郷軍人会として発足。初め親睦・修養などを目的としたが,昭和期には軍国主義の宣伝・戦争協力を行なった。機関紙「戦友」を発行。46年(昭和21)解散。

ざいごう-もの【在郷者】🔗🔉

ざいごう-もの ―ガウ― [0] 【在郷者】 いなか育ちの者。また,いなかから出てきた者。いなか者。在郷びと。

ざい-ふ【在釜】🔗🔉

ざい-ふ [0] 【在釜】 茶会を催していることを知らせる語。「本日―」

まし-ま・す【在す・坐す】🔗🔉

まし-ま・す 【在す・坐す】 (動サ四) 〔動詞「ます(坐)」を重ねたもの。きわめて敬度が高く,中古には神仏・国王などに対して用いられた〕 (1)「有り」「居り」の尊敬語。おいでになる。おありになる。「霊験を施し給ふ事かくの如くぞ―・しける/今昔 16」「御腹に一院の宮の―・しけるが/平家 1」 (2)「行く」「来(ク)」の尊敬語。いらっしゃる。「速やかに返り給ひて後によき日を以て―・せ/今昔 24」 (3)(補助動詞) (ア)形容動詞の連用形,または,体言に断定の助動詞「なり」の連用形「に」の付いたもの,さらに,これらに助詞「て」の付いたものに付いて,「である」の意を敬っていう。…でいらっしゃる。「宿徳(シトク)にて―・しける大徳のはやう死にけるが/大和 25」「大海の潮干て山になるまでに君は変らぬ君に―・せ/山家(雑)」(イ)動詞の連用形,またはそれに助詞の付いたものに付いて,「てある」「ている」の意を敬っていう。特に,尊敬の助動詞「す」「さす」とともに「せまします」「させまします」の形で用いることが多い。…ていらっしゃる。…なさる。「鳥羽殿には,相国もゆるさず,法皇もおそれさせ―・しければ/平家 4」「輔仁の親王も御才学すぐれて―・しければ/平家 4」

ま・す【在す・坐す】🔗🔉

ま・す 【在す・坐す】 (動サ四) (1)〔「います」の転〕 「ある」「いる」の尊敬語。いらっしゃる。「大君は神にし―・せば/万葉 235」 (2)「行く」「来る」の尊敬語。おでましになる。おいでになる。いらっしゃる。「我が背子が国へ―・しなば/万葉 3996」 (3)(補助動詞) 他の動詞の連用形に付いて,補助動詞「ある」「いる」の尊敬語。また,その動詞に尊敬の意を添える。…ていらっしゃる。お…になる。「神の御代より敷き―・せる国にしあれば/万葉 1047」「我が背子が帰り来―・さむ時のため命残さむ忘れたまふな/万葉 3774」

みまそ-が・り【在そがり・坐そがり】🔗🔉

みまそ-が・り 【在そがり・坐そがり】 (動ラ変) 「いる」「ある」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。いまそがり。「女御,多賀幾子(タカキコ)と申す―・りけり/伊勢 77」

ありきたり【在り来りの】(和英)🔗🔉

ありきたり【在り来りの】 common;→英和 ordinary;→英和 usual;→英和 conventional;→英和 customary.→英和

ざい−【在英中】(和英)🔗🔉

ざい−【在英中】 while in Britain.在米邦人 Japanese residents in America.

ざい【在の者】(和英)🔗🔉

ざい【在の者】 a countryman.→英和 …の〜に on the outskirts of….

ざいい【在位する】(和英)🔗🔉

ざいい【在位する】 reign;→英和 be on the throne.→英和 〜中に during one's reign.

ざいがい【在外(の)】(和英)🔗🔉

ざいがい【在外(の)】 (stationed,resident) abroad.→英和 ‖在外公館 diplomatic establishments abroad.在外資産 overseas assets.在外邦人 Japanese residents abroad.

ざいがく【在学する】(和英)🔗🔉

ざいがく【在学する】 be in[at]school[college].‖在学証明書 a school certificate.在学生 a student;an undergraduate (大学).在学中(に) while at[in]school[college].

ざいきょう【在京する】(和英)🔗🔉

ざいきょう【在京する】 be[stay]in town.〜中に while in Tokyo.

ざいきん【在勤する】(和英)🔗🔉

ざいきん【在勤する】 ⇒在職.

ざいこ【在庫(品)】(和英)🔗🔉

ざいこ【在庫(品)】 stocks;goods in stock.〜している(いない) be in (out of) stock.‖在庫一掃セール a clearance sale.在庫品目録 an inventory;<英>a stock list.

ざいごう【在郷】(和英)🔗🔉

ざいごう【在郷】 rural districts.在郷軍人 an ex-soldier;<米>a veteran;→英和 reservists (総称).

大辞林で始まるの検索結果 1-96もっと読み込む