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まえ【前】まへ🔗🔉

まえ【前】まへ [名]《「目(ま)(へ)」の意》普通の状態で顔または視線の向いている方向。おもて。前方。「まっすぐ―を向く」後ろ。他人のいるところ。面前。「子供の―でそんなことは話すな」建物などの正面。表の方。「駅の―の大通り」「像の―で記念写真をとる」後ろ。その事柄に対した時の状況。「新企画の―に立ちはだかる難問」「厳格な規則の―には手も足も出なかった」連続するものの初めの部分。さき。「行列の―を歩く」「―から八番目の席につく」後ろ。ある時点より前。「三〇分ほど―に電話があった」以前。むかし。「―に会ったことがある」「―のことを持ち出す」順序の先のほう。「―からの約束」「―のページ」身体の正面の部分。また、陰部。「―をはだける」「―を隠す」前歴。特に、前科。「―がある」正面の庭。前庭。「ひとりしていかにせましとわびつればそよとも―の荻ぞこたふる」〈大和・一四八〉神の御身。神を直接指すのを避けて付ける語。「能く我が―を治めば」〈記・上〉神・貴人を敬っていう語。「御―にも、えさはあらじとおぼしめしたり」〈枕・八七〉「前神」の略。「社一百九十八所…―一百六座」〈延喜式・四時祭上〉連歌・俳諧で、前句のこと。「この―出でて、座中暫(しばら)く付けあぐみたり」〈去来抄・先師評〉女性の名の下に付いて、尊敬の意を表す。「千手(せんじゆ)の―」〈平家・一〇〉〔接尾〕名詞や動詞の連用形などに付いて、それに相当する分量や部分などを表す。「五人―」「分け―」名詞に付いて、その属性・機能などを強調する意を表す。「男―」「腕―」 [下接語]朝飯(あさめし)前・当たり前・言い前・板前・一人(いちにん)前・一丁前・居(い)前・後ろ前・腕前・上(うわ)前・江戸前・男前・落とし前・御(お)前・御(おん)前・片前・気前・切り前・口前・小(こ)前・差し前・下前・自前・錠前・新前・足し前・出し前・立ち前・立て前・点(たて)前・建前・手前・出前・戸前・取り前・名前・鉢前・半人前・左前・人前・昼前・前前・真ん前・右前・向こう前・目の前・持ち前・厄前・両前・分け前・業(わざ)前・割り前

まえ‐あがり【前上(が)り】まへ‐🔗🔉

まえ‐あがり【前上(が)り】まへ‐ 物の前部が、後部よりも上がっていること。前下がり。

まえ‐あき【前開き・前明き】まへ‐🔗🔉

まえ‐あき【前開き・前明き】まへ‐ 上着の襟ぐりなど、衣服の前面にあきがあること。「―のスカート」

まえ‐あし【前足・前脚・前△肢】まへ‐🔗🔉

まえ‐あし【前足・前脚・前肢】まへ‐ 獣類の前方の両足。足を前後に開いたときの、前の方の足。

まえ‐いし【前石】まへ‐🔗🔉

まえ‐いし【前石】まへ‐ 役石(やくいし)の一。蹲踞(つくばい)や石灯籠(いしどうろう)の前に据える石。

まえ‐いた【前板】まへ‐🔗🔉

まえ‐いた【前板】まへ‐ 牛車(ぎつしや)の前後の入り口に横に掛け渡した板。踏み板。(よろい)の前腰にある草摺(くさずり)。揺(ゆるぎ)の板。帯板(おびいた)

まえ‐いわい【前祝(い)】まへいはひ🔗🔉

まえ‐いわい【前祝(い)】まへいはひ あるめでたい事が起こると見越して前もって祝うこと。「―に一杯やる」

まえ‐うしろ【前後ろ】まへ‐🔗🔉

まえ‐うしろ【前後ろ】まへ‐ 物事の前と後ろ。前後。前後の位置があべこべなこと。逆。うしろまえ。「セーターを―に着る」

まえ‐うた【前歌・前×唄】まへ‐🔗🔉

まえ‐うた【前歌・前×唄】まへ‐ 中心となる歌い手が出場する前に歌う歌手。地歌や箏曲(そうきよく)で、手事(てごと)の前に演奏される歌の部分。後歌(あとうた)

まえ‐うり【前売り】まへ‐🔗🔉

まえ‐うり【前売り】まへ‐ [名]スル切符や入場券などを、使用当日よりも前に売ること。また、その券。「利用日の一か月前から―する」

まえ‐お【前緒】まへを🔗🔉

まえ‐お【前緒】まへを 履物の前壺(まえつぼ)にすげる緒。

まえ‐おき【前置き】まへ‐🔗🔉

まえ‐おき【前置き】まへ‐ [名]スル文章や談話などで、本題に入る前に述べること。また、その言葉。「事情を―してから話し始める」立花(りつか)の役枝(やくえだ)の一。水際に挿す草木。→七つ道具

まえ‐おび【前帯】まへ‐🔗🔉

まえ‐おび【前帯】まへ‐ 帯を前で結ぶこと。また、その帯。江戸時代、既婚の女性などが多く用いた。前結び。→後ろ帯近世の上方で、まゆをそり、歯を黒く染めた年増(としま)。「女郎も若きは気に入らず、―こなすと自慢顔」〈洒・遊客年々考〉

まえ‐かがみ【前△屈み】まへ‐🔗🔉

まえ‐かがみ【前屈み】まへ‐ からだを前方へかがめること。まえこごみ。「―でする作業」

まえ‐がき【前書(き)】まへ‐🔗🔉

まえ‐がき【前書(き)】まへ‐ [名]スル本文に入る前に簡単に書き添えること。また、その文章。序文。端書き。序。後書(あとが)き。

まえ‐かけ【前掛(け)】まへ‐🔗🔉

まえ‐かけ【前掛(け)】まへ‐ 衣服の前面、特に腰から下を覆うひも付きの布。エプロン。前垂(まえだ)れ。

まえ‐がし【前貸し】まへ‐🔗🔉

まえ‐がし【前貸し】まへ‐ [名]スル賃金などを支払うべき期日より前に貸し与えること。先貸し。「給料を―する」前借り。

まえ‐がしら【前頭】まへ‐🔗🔉

まえ‐がしら【前頭】まへ‐ 相撲で、小結の次位、十両の上位。定数はないが、通例東西一五人前後で、その第一位を前頭筆頭といい、以下前頭何枚目と数える。

まえ‐かた【前方】まへ‐🔗🔉

まえ‐かた【前方】まへ‐ [名]ある位置よりも前。前後や序列の、先の方。前側の方。「―の来賓席」「―後ろ方と、ことども分きて、―は賀茂に参り」〈栄花・歌合〉前の方向。ぜんぽう。「―に見える山」ある時点より過去。副詞的にも用いる。以前。先ごろ。「定刻より―に着く」「―拝見致いたことがござる」〈虎寛狂・比丘貞〉事前。あらかじめ。「―から承知していた」[名・形動ナリ]時代遅れなこと。また、そのさま。「中古は衆生―にして」〈浮・禁短気・三〉不慣れなこと。また、そのさま。未熟。「―なる買ひ手どもは、女郎に思はれんとて」〈浮・禁短気・一〉控えめであること。また、そのさま。「調子に乗りても、物は―に言ふべし」〈浮・禁短気・二〉

まえ‐かど【前△廉】まへ‐🔗🔉

まえ‐かど【前廉】まへ‐ 《前の時点の意。副詞的にも用いる》以前。先ほど。まえかた。「―お屋敷に御奉公申しました、おかちと申す者」〈浄・浪花鑑〉事前。前もって。まえかた。「それは―から習うておいてござる」〈虎明狂・麻生〉

まえ‐がみ【前神】まへ‐🔗🔉

まえ‐がみ【前神】まへ‐ 二座以上の神を祭った神社で、主神以外の神のこと。

まえ‐がみ【前髪】まへ‐🔗🔉

まえ‐がみ【前髪】まへ‐ 額の上部の頭髪。「―を垂らす」女子または元服前の男子の額の上の髪を別に束ねたもの。向こう髪。前髪姿の男子。元服していない少年。「―あまた召しよせられ」〈浮・男色大鑑・二〉

まえがみ‐だて【前髪立て】まへがみ‐🔗🔉

まえがみ‐だて【前髪立て】まへがみ‐ 男子が前髪を立てていること。元服前であること。また、その人。前髪立ち。「―の時分よりおそば近う召し仕はれ」〈浄・手習鑑〉前髪を高く張り出すために、髪の中に入れておく鯨の骨で作った道具。「かうがい、さし櫛(ぐし)、―」〈浮・好色盛衰記〉

まえ‐がり【前借り】まへ‐🔗🔉

まえ‐がり【前借り】まへ‐ [名]スル賃金などを受け取るべき期日より前に借りること。先借り。ぜんしゃく。「手間賃を―する」前貸し。

まえ‐かんじょう【前勘定】まへカンヂヤウ🔗🔉

まえ‐かんじょう【前勘定】まへカンヂヤウ 代金を前もって支払うこと。前払い。

まえ‐きょうげん【前狂言】まへキヤウゲン🔗🔉

まえ‐きょうげん【前狂言】まへキヤウゲン 歌舞伎で、脇狂言のこと。京坂の歌舞伎で、一番目狂言の称。

まえ‐ぎり【前×桐】まへ‐🔗🔉

まえ‐ぎり【前×桐】まへ‐ 箪笥(たんす)などで、前部の板だけに桐材が使ってあること。また、そのもの。総桐などに対していう。

まえ‐きん【前金】まへ‐🔗🔉

まえ‐きん【前金】まへ‐ 品物を受け取る前に代金を支払うこと。前払いすること。また、その代金。ぜんきん。後金(あときん)手付金。内金(うちきん)。まえがね。

まえ‐ぎんちゃく【前×巾着】まへ‐🔗🔉

まえ‐ぎんちゃく【前×巾着】まへ‐ 《「まえきんちゃく」とも》「前提(まえさ)」に同じ。「お物師が縫うてくれし―に」〈浮・一代男・一〉

まえ‐く【前句】まへ‐🔗🔉

まえ‐く【前句】まへ‐ 連歌・俳諧で、付句(つけく)の前に位置する句。「前句付け」の略。

まえく‐づけ【前句付(け)】まへク‐🔗🔉

まえく‐づけ【前句付(け)】まへク‐ 雑俳の一。出題された七・七の短句(前句)に五・七・五の長句(付句)をつけるもの。元禄(一六八八〜一七〇四)ごろから庶民の間に流行、のちの川柳の母体となる。例えば「美事(みごと)なりけり美事なりけり」に「要(かなめ)ぎは残してさっと海に落ち」とつける類。

まえ‐げい【前芸】まへ‐🔗🔉

まえ‐げい【前芸】まへ‐ 本芸に入る前に小手調べとして演じるちょっとした芸。

まえ‐げいき【前景気】まへ‐🔗🔉

まえ‐げいき【前景気】まへ‐ 事の始まる前の人気・評判。「―をあおる」

まえ‐こうじょう【前口上】まへコウジヤウ🔗🔉

まえ‐こうじょう【前口上】まへコウジヤウ 実演・実技などの始まる前に述べる口上。また、本題に入る前に述べる言葉。まえおき。「―が長い」

まえ‐こごみ【前△屈み】まへ‐🔗🔉

まえ‐こごみ【前屈み】まへ‐まえかがみ」に同じ。

まえ‐こさく【前小作】まへ‐🔗🔉

まえ‐こさく【前小作】まへ‐ 小作米を前納する契約でする小作。

まえ‐ごし【前腰】まへ‐🔗🔉

まえ‐ごし【前腰】まへ‐(はかま)の前側のひもの、腹に当たる部分。後ろ腰。

まえ‐さがり【前下(が)り】まへ‐🔗🔉

まえ‐さがり【前下(が)り】まへ‐ 物の前部が、後部よりも下がっていること。前上がり。婦人服で、前身頃の背丈の基礎線より下がっている部分。和服で、羽織やコートの前身丈を脇から襟付けに向かって斜めに下げて長くすること。また、その寸法。

まえ‐さき【前先】まへ‐🔗🔉

まえ‐さき【前先】まへ‐ 将来。また、将来を見抜くこと。「道具諸色は売ってしまひ、金にして内を出て来たは、こりゃ是(これ)―といふものぢゃ」〈伎・韓人漢文〉

まえ‐さげ【前提げ】まへ‐🔗🔉

まえ‐さげ【前提げ】まへ‐ 巾着(きんちやく)の上にひも通しをつけ、帯革をつけて前腰にさげるもの。安永(一七七二〜一七八一)のころ、京坂地方で流行した。前巾着(まえぎんちやく)

まえ‐ざし【前挿(し)・前差(し)】まへ‐🔗🔉

まえ‐ざし【前挿(し)・前差(し)】まへ‐ 女の髷(まげ)の前の方に挿すかんざし。

まえ‐さばき【前×捌き】まへ‐🔗🔉

まえ‐さばき【前×捌き】まへ‐ 相撲で立ち合いの時、先手を取るため相手の手をしぼり、いなすなどして、有利な体勢をつくること。

まえじた‐ぼいん【前舌母音】まへじた‐🔗🔉

まえじた‐ぼいん【前舌母音】まへじた‐ ぜんぜつぼいん(前舌母音)

まえ‐じて【前仕手】まへ‐🔗🔉

まえ‐じて【前仕手】まへ‐ 《「まえして」とも。ふつう「前ジテ」と書く》能または狂言で、前後二場からなる曲の中入りより前に出るシテ。(のち)仕手。

まえじま‐ひそか【前島密】まへじま‐🔗🔉

まえじま‐ひそか【前島密】まへじま‐一八三五〜一九一九]官僚・政治家。越後の生まれ。郵便制度の調査のため渡英、帰国後、官営の郵便事業を創始。「郵便」「切手」などの名称を定めた。国字改良論者としても知られる。

まえ‐しりえ【前△後】まへしりへ🔗🔉

まえ‐しりえ【前後】まへしりへ 前方と後方。また、勝負事などで、右方と左方。「上の女房―と装束き分けたり」〈源・絵合〉

まえ‐すそ【前×裾】まへ‐🔗🔉

まえ‐すそ【前×裾】まへ‐ 着物やスカートの下のへりで、前方の部分。

まえ‐すだれ【前×簾】まへ‐🔗🔉

まえ‐すだれ【前×簾】まへ‐ 牛車(ぎつしや)などの前面にかけるすだれ。

マエストーソ【イタリアmaestoso】🔗🔉

マエストーソ【イタリアmaestoso】 音楽で、発想標語の一。荘厳に、堂々として、の意。

マエストロ【イタリアmaestro】🔗🔉

マエストロ【イタリアmaestro】 芸術の大家。巨匠。大音楽家。名指揮者。人の名に冠して敬称としても用いる。

まえ‐ずもう【前相‐撲】まへずまふ🔗🔉

まえ‐ずもう【前相撲】まへずまふ 各相撲部屋に入門した新弟子が番付外でとる相撲。待ったなしの飛び付き相撲で、二連勝して一つの勝ち星となり、勝ち星を二つあげれば本中(ほんちゆう)に進む。

まえ‐そで【前×袖】まへ‐🔗🔉

まえ‐そで【前×袖】まへ‐ 牛車(ぎつしや)・輿(こし)などの前方の出入り口の左右に張り出した部分。

まえだ【前田】まへだ🔗🔉

まえだ【前田】まへだ 姓氏の一。

まえだ‐えうん【前田慧雲】まへだヱウン🔗🔉

まえだ‐えうん【前田慧雲】まへだヱウン一八五七〜一九三〇]仏教学者。三重の生まれ。東洋大学・竜谷大学の学長を勤める。「大日本続蔵経」を刊行した。著「本願寺派学事史」など。

まえ‐だおし【前倒し】まへだふし🔗🔉

まえ‐だおし【前倒し】まへだふし [名]スル予定の時期を繰り上げて予算を使ったり、計画を実施したりすること。「公共事業費を―して景気の回復をはかる」

まえだ‐かんじ【前田寛治】まへだクワンヂ🔗🔉

まえだ‐かんじ【前田寛治】まへだクワンヂ一八九六〜一九三〇]洋画家。鳥取の生まれ。フランスに留学し、クールベやアングルに傾倒。独自の写実主義を目ざしたが、しだいに主観表現に向かった。

まえだ‐げんい【前田玄以】まへだ‐🔗🔉

まえだ‐げんい【前田玄以】まへだ‐一五三九〜一六〇二]安土桃山時代の武将。美濃の人。名は宗向。初め比叡山の僧。のち、織田信忠・信雄、次いで豊臣秀吉に仕え、丹波亀山五万石を封ぜられ、さらに五奉行の一人となった。

まえだこう‐ひろいちろう【前田河広一郎】まへだかうひろイチラウ🔗🔉

まえだこう‐ひろいちろう【前田河広一郎】まへだかうひろイチラウ (ひろイチラウ)一八八八〜一九五七]小説家。宮城の生まれ。徳冨蘆花に師事。小説「三等客船」で注目され、「種蒔く人」「文芸戦線」同人のプロレタリア作家として活躍。他に「赤い馬車」「大暴風雨時代」など。

まえだ‐せいそん【前田青邨】まへだ‐🔗🔉

まえだ‐せいそん【前田青邨】まへだ‐一八八五〜一九七七]日本画家。岐阜の生まれ。本名、廉造。大和絵・琳派(りんぱ)の技法を独自に消化し、清新・豊麗な画風を確立した。文化勲章受章。

まえ‐だち【前立ち】まへ‐🔗🔉

まえ‐だち【前立ち】まへ‐ 前に立っているもの。特に、厨子(ずし)などの中の本尊の前に安置される仏像。世間に対する名義上、表面に立てる人。まえだて。「揚巻の―白酒の粕兵衛といふ者」〈伎・助六〉

まえだ‐つなのり【前田綱紀】まへだ‐🔗🔉

まえだ‐つなのり【前田綱紀】まへだ‐一六四三〜一七二四]江戸前期の大名。加賀藩第五代藩主。幼名、犬千代。藩政改革に尽力。また、学を好み、木下順庵を招き、図書の収集・保存・編纂(へんさん)にも努めて尊経閣文庫の基礎を築いた。

まえ‐だて【前立】まへ‐🔗🔉

まえ‐だて【前立】まへ‐ 「前立物」の略。まえだち」に同じ。

まえだて‐もの【前立物】まへだて‐🔗🔉

まえだて‐もの【前立物】まへだて‐(かぶと)の前部につける立物(たてもの)の一。鍬形(くわがた)・半月・天衝(てんつき)・高角(たかづの)など。前立。

まえだ‐としいえ【前田利家】まへだとしいへ🔗🔉

まえだ‐としいえ【前田利家】まへだとしいへ一五三八〜一五九九]安土桃山時代の武将。加賀藩主前田氏の祖。尾張の人。幼名、犬千代。織田信長に従い、各地で戦功をたてた。のち、豊臣秀吉に仕え、五大老の一人として、秀頼の後見を託された。

まえだ‐なつかげ【前田夏蔭】まへだ‐🔗🔉

まえだ‐なつかげ【前田夏蔭】まへだ‐一七九三〜一八六四]江戸後期の国学者。江戸の人。通称、健助。号、鶯園。清水浜臣に国学を学ぶ。「蝦夷志料」を編集するが完成を見ずに没。

まえだ‐ゆうぐれ【前田夕暮】まへだゆふぐれ🔗🔉

まえだ‐ゆうぐれ【前田夕暮】まへだゆふぐれ一八八三〜一九五一]歌人。神奈川の生まれ。本名、洋造。尾上柴舟(おのえさいしゆう)に師事。「詩歌」を創刊して、明星派に対抗。自然主義短歌といわれる牧水・夕暮時代を現出した。のち、自由律短歌を提唱。歌集「収穫」「生くる日に」「原生林」など。

まえだ‐りゅう【前田流】まへだリウ🔗🔉

まえだ‐りゅう【前田流】まへだリウ 平曲の流派の一。江戸初期に前田検校(のちに総検校)が創始。京都を中心とした波多野流に対し、主に江戸・名古屋で行われた。現行の平曲はすべて前田流。

まえ‐だれ【前垂れ】まへ‐🔗🔉

まえ‐だれ【前垂れ】まへ‐ 前掛け」に同じ。旋盤の往復台の主要部分。側面が垂れた形をし、内部に送り装置を収め、表面にハンドルなどを備える。エプロン。

まえだれ‐がけ【前垂れ掛(け)】まへだれ‐🔗🔉

まえだれ‐がけ【前垂れ掛(け)】まへだれ‐ 前垂れを掛けていること。また、その姿。「兄の民助は―のまま」〈藤村・春〉商家に奉公している者。

まえだれ‐かずき【前垂れ△被き】まへだれかづき🔗🔉

まえだれ‐かずき【前垂れ被き】まへだれかづき 《前垂れをかぶって雨をしのぐ意から》陰暦三月・九月の奉公人出替わりのころ降る雨。「―の雨に泪(なみだ)こぼすを見るやうな」〈浮・織留・五〉

まえ‐つ‐きみ【公=卿・×卿・大=夫】まへ‐🔗🔉

まえ‐つ‐きみ【公卿・×卿・大夫】まへ‐ 《「前つ君」の意》天皇の御前に仕える人を尊敬していう語。また、朝廷に仕える高官・侍臣の総称。「島山に照れる橘(たちばな)うずに刺し仕へ奉るは―たち」〈万・四二七六〉

まえ‐づけ【前付(け)】まへ‐🔗🔉

まえ‐づけ【前付(け)】まへ‐ 書籍・雑誌の本文の前に添える、扉・口絵・序文・端書き・目次など。後付け。

まえ‐つぼ【前×壺】まへ‐🔗🔉

まえ‐つぼ【前×壺】まへ‐ 下駄などの、鼻緒の前緒をすげる穴。また、その前緒。

まえ‐どおり【前通り】まへどほり🔗🔉

まえ‐どおり【前通り】まへどほり [名・形動]これまでと同じ状態であること。また、そのさま。副詞的にも用いる。「―の顔ぶれ」「費用は―割り勘でいこう」

まえ‐のめり【前のめり】まへ‐🔗🔉

まえ‐のめり【前のめり】まへ‐ 前方に倒れそうに傾くこと。「急停車で―になる」

まえ‐の‐よ【前の世】まへ‐🔗🔉

まえ‐の‐よ【前の世】まへ‐ぜんせ(前世)」に同じ。

まえの‐りょうたく【前野良沢】まへのリヤウタク🔗🔉

まえの‐りょうたく【前野良沢】まへのリヤウタク一七二三〜一八〇三]江戸中期の蘭学者・医者。名は達。豊前(ぶぜん)中津藩医。青木昆陽に師事してオランダ語を学ぶ。杉田玄白らとのオランダ語版「ターヘル‐アナトミア」(解体新書)の翻訳で指導的役割を果たした。

まえ‐ば【前歯】まへ‐🔗🔉

まえ‐ば【前歯】まへ‐ 口の中の前面に並んだ上下四枚ずつの歯。切歯(せつし)。門歯。奥歯。下駄などの、前方の歯。

まえばし【前橋】まへばし🔗🔉

まえばし【前橋】まへばし 群馬県中南部の市。県庁所在地。もと厩橋(うまやばし)といい、酒井・松平氏の城下町。江戸時代から製糸・絹織物業が発達。人口二八・五万。

まえ‐はば【前幅】まへ‐🔗🔉

まえ‐はば【前幅】まへ‐ 和裁で、前身頃(まえみごろ)の幅。また、その寸法。着物では脇縫目(わきぬいめ)から衽(おくみ)つけまで、ジュバン・羽織では襟つけまでの幅。

まえ‐ばらい【前払い】まへばらひ🔗🔉

まえ‐ばらい【前払い】まへばらひ [名]スル前もって代金・借料・給料などを支払うこと。さきばらい。「工事費の一部を―する」「料金―」(あと)払い。

まえばら‐いっせい【前原一誠】まへばら‐🔗🔉

まえばら‐いっせい【前原一誠】まへばら‐一八三四〜一八七六]幕末・明治初期の尊攘派志士・政治家。長州藩士。前名、佐世八十郎。吉田松陰の門人で倒幕運動に参加。維新後、参議などを歴任したが明治政府の方針に不満を持ち辞職、萩の乱を起こし、敗れて処刑された。

まえ‐ばり【前張(り)】まへ‐🔗🔉

まえ‐ばり【前張(り)】まへ‐ (あわせ)の袴(はかま)で、前を張り出させたもの。親王・摂家(せつけ)などの元服前の少年が着用した。裸体で演技をする俳優が陰部などをかくすためにはりつけるもの。

まえばり‐の‐おおくち【前張の大口】まへばり‐おほくち🔗🔉

まえばり‐の‐おおくち【前張の大口】まへばり‐おほくち さいばりのおおくち

まえばる【前原】まへばる🔗🔉

まえばる【前原】まへばる 福岡県北西部の市。近世、宿場町・市場町として発展。福岡市の西に隣接し、住宅地化が進む。怡土(いと)城跡・志登(しと)支石墓群などの史跡がある。人口五・三万。

まえ‐び【前日】まへ‐🔗🔉

まえ‐び【前日】まへ‐ 当日の前の日。ぜんじつ。「開店の―」

まえ‐びき【前引き】まへ‐🔗🔉

まえ‐びき【前引き】まへ‐ 利子など後日支払われるべき分を前もって差し引くこと。客の前に引出物を出しておくこと。また、その引出物。「また―の置物をしけるに」〈太平記・三三〉

まえ‐びき【前×挽き】まへ‐🔗🔉

まえ‐びき【前×挽き】まへ‐ 一人用の縦挽(たてびき)の大鋸(おおのこぎり)。近世初頭より明治時代まで製材に用いられた。

まえ‐びき【前弾き】まへ‐🔗🔉

まえ‐びき【前弾き】まへ‐ 邦楽のうちの、弦楽器を伴奏とする声楽曲において、歌の始まる前に弾かれる楽器だけの部分。前奏。

まえ‐ひょうばん【前評判】まへヒヤウバン🔗🔉

まえ‐ひょうばん【前評判】まへヒヤウバン ある物事が行われる前の評判。「―どおりの活躍」

まえ‐びろ【前広】まへ‐🔗🔉

まえ‐びろ【前広】まへ‐ 以前。前々。多く「に」を伴って副詞的に用いる。「―に手形せうために呼びにやった」〈浄・女腹切〉

まえ‐ピン【前ピン】まへ‐🔗🔉

まえ‐ピン【前ピン】まへ‐ 写真で、ピント(焦点)が被写体より手前にずれていること。(あと)ピン。

まえ‐ぶね【前船】まへ‐🔗🔉

まえ‐ぶね【前船】まへ‐ 《「まえふね」とも》江戸時代から明治時代にかけての歌舞伎劇場の観客席で、二階正面桟敷の前面に張り出して作られた席(引船(ひきふね))の最前列。本船(ほんぶね)

まえ‐ぶり【前振り】まへ‐🔗🔉

まえ‐ぶり【前振り】まへ‐ 元服前の男子の、前髪をつけた姿。「あったら―を惜しきは常の人ごころ」〈浮・伝来記・八〉

まえ‐ぶれ【前触れ】まへ‐🔗🔉

まえ‐ぶれ【前触れ】まへ‐ [名]スル前もって知らせること。事前に通告すること。さきぶれ。「―してから訪ねる」何か事が起こるのを予想させるような出来事。前兆。「大噴火の―」

まえ‐まえ【前前】まへまへ🔗🔉

まえ‐まえ【前前】まへまへ ずっと前。かねて。以前。「―からの約束」「―から気になっている」

まえ‐み【前身】まへ‐🔗🔉

まえ‐み【前身】まへ‐ 「前身頃(まえみごろ)」の略。

まえ‐みごろ【前身×頃】まへ‐🔗🔉

まえ‐みごろ【前身×頃】まへ‐ 衣服の身頃のうち、前の部分。まえみ。後ろ身頃。

まえ‐みつ【前×褌】まへ‐🔗🔉

まえ‐みつ【前×褌】まへ‐ 相撲で、まわしを締めたとき体の前面で横になっている部分。前まわし。

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[音]セン    ゼン [訓]まえ    さき‐に    すす‐む [部首]刀 [総画数]9 [コード]区点    3316      JIS   4130      S‐JIS 914F [分類]常用漢字 [難読語] →あま‐ぜ【尼前】おお‐さき【大前・大前駆】おおば‐こ【大葉子・車前草】お‐めえ【御前】おんば‐こ【車前草】かど‐さき【門先・門前】こ‐さき【小前・小前駆】ご‐ぜ【御前】こなみ【前妻・嫡妻】さい‐ばり【前張】さが【祥・前兆】さかつらいそさき‐じんじゃ【酒列磯前神社】さき‐うま【先馬・前馬】さき‐がね【先金・前金】さき‐ごし【先輿・前輿】さき‐しょう【前生】さき‐やま【先山・前山】しり‐さき【尻前・後前】せ‐ざい【前栽】せん‐ざい【前栽】ぜんさい‐るい【前鰓類】ぜん‐しょう【前檣】ぜん‐しょう【前蹤】せん‐すい【泉水・前水】そう‐ぜん【生前】たて‐まえ【点前・立前】たな‐さき【店前】たまものまえあさひのたもと【玉藻前曦袂】たらず‐まえ【不足前】たんちゃめ‐ぶし【谷茶前節】ぬなくま‐じんじゃ【沼名前神社】の‐さき【荷前・荷向】ひぜん【肥前】びぜん【備前】ひのくま‐じんぐう【日前神宮】ひろさき【弘前】ぶぜん【豊前】まえ‐かど【前廉】まえ‐しりえ【前後】まえばる【前原】むな‐さき【胸先・胸前】め‐さき【目先・目前】メンゼン‐テンパイ【門前聴牌】

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