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○打たれても親の杖うたれてもおやのつえ🔗🔉

○打たれても親の杖うたれてもおやのつえ 親の折檻せっかんというものはかえって嬉しいものだ。 ⇒う・つ【打つ・討つ・撃つ】 うた・れる打たれる】 〔自下一〕 ((→)「うつ(打)」[一]➊5の受身形)強い感動をおぼえる。「その一言に胸を―・れた」 うた‐ろんぎ歌論議】 和歌のよしあしを論ずること。大鏡伊尹「殿上に―といふこと出できて」 うたわ・れる謳われるウタハレル 〔自下一〕 ((→)「うたう(歌)」2㋐の受身形)もてはやされる。世間の評判となる。「名人と―・れる」 ウ‐タントU Thant】 ビルマの外交官。第3代国連事務総長(1962〜71年)。ベトナム戦争や中東問題などの解決に尽力。(1909〜1974) ウ‐タント 撮影:石井幸之助 うち 鷹の糞。また、鳥の糞。日葡辞書「ウチヲツク」 うち】 [一]〔名〕 ➊(「中」とも書く)何かを中核・規準とする、一定の限界のなか。 ①区域内。内部。万葉集17「大宮の―にも外にも光るまで」 ②限度内。以内。あいだ。宇津保物語吹上上「年二十歳より―なる人」。「若い―に苦労せよ」「見る見る―に大きくなった」「暗黙の―に了解する」 ③内裏。宮中。また、天皇。源氏物語桐壺「今は―にのみさぶらひ給ふ」「―の一つ后腹になむおはしければ」 ➋自分の属する側(のもの)。 ①なか。また、国内。保元物語「―には姦臣聚まれり」 ②身のまわり。側近。続日本紀29「―つやつこ」 ③(「家」とも書く)自分の家、また、家庭。隆信集「一つ―なれど」。「―では母がいちばんの早起きです」「―に帰る」 ④(「家」とも書く)転じて、家。家屋。「新しい―が建つ」 ⑤自分の夫または妻。うちの人。うちの者。「―は下戸ですの」 ⑥自分の属するもの。「―の会社」「―の親分」 ⑦仏教で、儒教などを外とするのに対し、仏教の側のこと。平家物語2「―には既に破戒無慚の罪を招くのみならず」 ➌物事のあらわでない面。 ①外からは見えない心中。謡曲、松風「思ひ―にあれば色外にあらはる」。「―に闘志を秘める」 ②うちとけた面。謡曲、経政「外ほかには仁義礼智信の五常を守りつつ、―には又花鳥風月、詩歌管絃を専らとし」 ③公式でない面。保元物語「―、君を助け奉る」 [二]〔代〕 自分。わたし。関西方言で、多く女性や子供が使う。「―かて京のおなごや」 ⇒内に省みて疚しからず ⇒内裸でも外錦 ⇒内広がりの外すぼり ⇒家を空ける ⇒内を外にする ⇒内を出違う う‐ち有知・有智】 知恵のあること。日葡辞書「ウチムチノモノ」↔無知 うち打ち】 〔接頭〕 (動詞に冠して) ①その意を強め、または音調をととのえる。「―興ずる」「―続く」 ②瞬間的な動作であることを示す。「―見る」 うち‐あい打合い‥アヒ ①互いに打ち合うこと。たたかい。ぶちあい。 ②(「撃合い」とも書く)銃砲を互いにうつこと。 うち‐あ・う打ち合う‥アフ 〔他五〕 ①ぴったり合う。適合する。かなう。そろう。 ②互いに打つ。たたかう。 ③(「撃ち合う」とも書く)互いに銃砲などをうつ。 うち‐あか内赤】 衣服の裏の赤いもの。醒睡笑「―の小袖着たる人」 うち‐あか・す打ち明かす】 〔他四〕 隠さずに語る。打ちあける。 うち‐あげ内上げ】 代金などの一部分を支払うこと。内金。 うち‐あげ内揚げ】 衣服の縫揚げを裏側にすること。↔外揚げ うち‐あげ打上げ・打揚げ】 ①うちあげること。また、そのもの。 ②「打上げ花火」の略。 ③興行を終えること。事業を終えること。また、仕事じまいの宴。「―式」 ④初婿入、あるいは嫁の初里帰りの祝い。 ⇒うちあげ‐のりもの【打上げ乗物】 ⇒うちあげ‐はなび【打上げ花火】 うちあげ‐のりもの打上げ乗物】 左右に引戸がなく簾すだれをあげて出入りする駕籠かご⇒うち‐あげ【打上げ・打揚げ】 うちあけ‐ばなし打明け話】 隠すことなく全部語る話。 うちあげ‐はなび打上げ花火】 筒で打ち上げる花火。〈[季]夏〉。→仕掛花火 打上げ花火(隅田川花火大会) 提供:東京都 ⇒うち‐あげ【打上げ・打揚げ】 うち‐あ・ける打ち明ける】 〔他下一〕[文]うちあ・く(下二) ①「明ける」を強めていう語。「窓―・けて」 ②隠さずに語る。うちあかす。「悩みを―・ける」 うち‐あ・ける打ち空ける】 〔自下一〕 中がからになる。淋しくなる。浄瑠璃、卯月潤色「さて石山の大繁昌、京大坂が―・ける」 うち‐あ・げる打ち上げる・打ち揚げる】 〔他下一〕[文]うちあ・ぐ(下二) ①「あげる」を強めていう語。枕草子278「簾―・げ、下簾ひきあげて、乗せ給ふ」 ②大きな音を出す。声を張りあげる。声を張りあげてうたう。竹取物語「―・げ遊ぶ」。栄華物語様々喜「祝の和歌一つつかうまつるべしと仰せらるるままに、宵のまにと、―・げ申したれば」 ③矢をつがえた弓を頭上に高くかまえる(弓を引きしぼる直前の動作)。宇治拾遺物語15「弓をさしかざして、しばしありて、―・げたれば」 ④打ってあげる。高くとばす。日葡辞書「ツブテヲウチアグル」。「花火を―・げる」 ⑤水中から陸へあげる。特に、波が物を漂わせて陸へあげる。また、波が陸をひたす。日葡辞書「フネヲウチアゲタ」 ⑥(興行の終わりに打出し太鼓を打つことから)全部終りにする。興行や長期の集会を終えること、また、全財産をつぎこむことなどにいう。 うち‐あこめ打衵(→)打衣うちぎに同じ。 うち‐あ・てる打ち当てる】 〔他下一〕 「当てる」を強めた語。他の物にぶつける。「机の角に膝を―・てる」 うち‐あみ打網(→)投網とあみに同じ。〈日葡辞書〉 うち‐あや打綾】 打ってつやを出した綾織物。 うち‐あ・り打ち有り】 〔自ラ変〕 ①ある。紫式部日記「わが心の―・るさまも」 ②ありふれている。普通である。宇治拾遺物語15「―・る矢にもあらざりけり」 うち‐あわせ‥アハセ うちもも。ふともも。〈類聚名義抄〉 うち‐あわせ打合せ‥アハセ ①ぴったり合わせること。鶉衣「―の夫婦とはなりける」 ②前もって相談すること。下相談。また、協議。談合。「式次第の―」 ③打楽器を合奏すること。 ④洋服類の、前身頃の左右の重ねが合ったところ。 ⇒うちあわせ‐の‐もち【打合せの餅】 ⇒うちあわせ‐もの【打合せ物】 うちあわせ‐の‐もち打合せの餅‥アハセ‥ 婚礼の時、2臼の餅を1臼につきあわせること。また、その餅。 ⇒うち‐あわせ【打合せ】 うちあわせ‐もの打合せ物‥アハセ‥ 地歌・箏曲で、互いに合奏ができるように作曲されている二つ(稀に三つ)の曲のこと。全曲が合奏されるもの(「八千代獅子」と「万歳獅子」など)と、曲の一部が合奏されるもの(「萩の露」と「磯千鳥」のチラシなど)とがある。 ⇒うち‐あわせ【打合せ】 うち‐あわ・せる打ち合わせる‥アハセル 〔他下一〕[文]うちあは・す(下二) ①合わせる。源氏物語椎本「とりどりに―・せたる拍子など」 ②互いにぶつけ合わせる。「かかとを―・せる」 ③前もって相談する。「式の進行について―・せる」 うち‐あわび打鮑‥アハビ アワビの肉を細長く切り、うすく打ち延ばして干したもの。祝の席に酒の肴さかなとして用いた。うちのしあわび。のしあわび。徒然草「一献いっこんに―、二献にえび」 うち‐いけ内池】 屋敷内の小池。庭園の小池。 うち‐い・ず打ち出づ‥イヅ [一]〔自下二〕 ①「出づ」を強めていう語。出る。姿を現す。出かける。万葉集3「田子の浦ゆ―・でて見れば」 ②出陣する。平家物語10「近江の国へ―・でたりければ」 [二]〔他下二〕 ①だす。打ち出す。表にあらわす。特に、出衣いだしぎぬをする。宇津保物語国譲中「御こうちぎ―・でて見せ奉り給へり」 ②口に出して言う。打ち明ける。竹取物語「さのみやはとて―・で侍りぬるぞ」 ③音を立てる。声をあげる。声をあげて唱える。枕草子120「その寺の仏の御経を、いとあらあらしう、たふとく―・で読みたるにぞ」 うち‐いた打板】 ①廊下または牛車ぎっしゃと車寄せとの間などに渡す歩み板。 ②地上に座る時に敷く方形の厚板。陣中で敷皮の代りに用いる板。 ③鷹の糞を受ける板。 うち‐いだ・す打ち出す】 〔他五〕 「うちいづ」(他下二)に同じ。枕草子161「頭の中将の―・し給へれば」 うち‐いで打出】 (ウチデとも) ①人前に出ること。出かけること。 ②㋐金属などの打ちのばしたもの。七十一番職人尽歌合「薄はくうち、南鐐にて―わろき」 ㋑金属製品の作り立てのもの。新作。今昔物語集25「枕上まくらがみに―の太刀置きたり」 ③「打出の衣」の略。大鏡師輔「―ども、わざとなくこぼれいでて」 ⇒うちいで‐の‐きぬ【打出の衣】 うちいで‐の‐きぬ打出の衣(→)「いだしぎぬ」2に同じ。行宗集「―の色に知らるる」 ⇒うち‐いで【打出】 うち‐いと打糸】 打ちかためた組糸。 うち‐いり内入り】 ①自分の家へはいること。また、その時の機嫌。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「女房ども、今もどつた、祭の料理できてあるか、と―よきに」 ②負債などの、一部支払われたもの。 ③収入。もうけ。 うち‐いり討入り】 攻め入ること。襲撃。「義士の―」 うち‐い・る打ち入る】 〔他下二〕 ①入れる。納める。竹取物語「手に―・れて家にもて来ぬ」 ②博奕ばくちなどをしてつぎこむ。いれあげる。宇津保物語忠乞「ばくち不孝の者にて身の装束などは皆―・れて」 ③犬などを打ち叩いて、しつける。日葡辞書「イヌヲウチイルル」 うち‐い・る討ち入る】 〔自五〕 攻め入る。相手の陣地・家屋などの中へ襲撃をかける。 うち‐いわい内祝‥イハヒ ①内輪の親しい者ばかりでする祝い。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「旦那様の病気本服の―」 ②自家の祝事に物品を贈って祝意をあらわすこと。また、その物品。 うち‐うち内内】 ①家の内。竹取物語「―のしつらひには」 ②おもてだたないこと。ないない。内輪。源氏物語少女「これは御わたくしざまに―のことなれば」。「―で式を挙げる」 ③(副詞的に)ないないに。ひそかに。源氏物語若菜上「掻上げの箱などやうのもの、―清らをつくし給へり」 うち‐う・つ鞭つ】 〔他四〕 むちうつ。金剛波若経集験記平安初期点「鞭撻ウチウタる」 うち‐うま打馬】 乗って行く馬。 うち‐うみ内海】 ①湖。湖水。〈伊呂波字類抄〉 ②島やみさきに囲まれた海。入り海。ないかい。↔外海そとうみ。 ③丸形で口の狭い茶入れ。 うち‐うら内浦】 海または湖水の湾入した所。 ⇒うちうら‐わん【内浦湾】 うち‐うら内裏】 ①うちうち。内証。 ②着物の裏につける布。 うちうら‐わん内浦湾】 北海道南西部、渡島おしま半島にいだかれたほぼ円形の湾。沿岸に火山が多い。噴火湾。胆振いぶり湾。 ⇒うち‐うら【内浦】 うち‐え打柄】 槍・薙刀なぎなたなどの柄で、竹を細く割ったものを表面全部にはったもの。 うち‐えする打ち寄する】 〔枕〕 (上代東国方言)「うちよする」に同じ。万葉集20「―駿河の嶺らは」 うち‐えだ打枝】 ①金銀製の造花の枝。花形などを透かしたもの。広蓋にのせた小袖の押えに用いる具。うちおき。 ②(→)「えだうち」に同じ。 うち‐お打緒‥ヲ (→)打紐うちひもに同じ。 うち‐おおい打覆い‥オホヒ 仮にこしらえた簡単な屋根。方丈記「土居を組み―を葺きて」 うち‐おおんぞ打御衣‥オホンゾきぬたで打ってつやを出した天皇の衣。増鏡「―張袴奉れるみけしき」 うち‐おき打置(→)「うちえだ」1に同じ。 うち‐お・く打ち置く】 〔他五〕 ①「置く」を強めていう語。万葉集5「赤駒に倭文鞍しつくら―・き」 ②そのままにさしおく。源氏物語帚木「なにがしが及ぶべき程ならねば、上かみが上は―・き侍りぬ」 うち‐おけ打桶‥ヲケ 灌漑用水が田よりも低い場合、用水を田へ汲み入れるための桶。上下に2本の縄をつけ、これを操って二人で汲む。うつり。 うち‐おと・す打ち落とす】 〔他五〕 ①うちつけておとす。たたきおとす。 ②切っておとす。「首を―・す」 ③(「撃ち落とす」とも書く)銃砲をうっておとす。 うち‐おとり内劣り】 外見は立派だが、内実は劣っていること。大鏡伊尹「―の外めでたとぞ世の人申しし」 うち‐おび打帯】 糸の組目をへらで打って固く組んだ紐ひもの帯。くみおび。 うち‐おろ・す打ち下ろす】 〔他五〕 高い所から勢いよくおろす。「太刀を―・す」 うち‐かい打違い・打交い‥カヒ ①互いに行き違い交叉すること。ゆきちがい。新撰六帖3「泉川くだる小舟の―に」 ②衣などの交叉したところ。うちかえ。万葉集14「からころも裾の―あはなへば」 うち‐がい打飼‥ガヒ ①狩の時、犬などに投げ与える餌。また、それを入れるのに用いた、筒状の底のない長い袋。 ②金銭などを入れて腰に巻いて用いた袋。浄瑠璃、女殺油地獄「此の―に新銀五百八十目」 ⇒うちがい‐ぶくろ【打飼袋】 うち‐がい打櫂】 船枻ふなだなに縄を輪にしてくくりつけ、これに通した櫂。新撰六帖3「くだるをぶねの―にあさせぞしるき」 うちがい‐ぶくろ打飼袋‥ガヒ‥ (→)打飼に同じ。うちがえぶくろ。狂言、餌差十王「腰につけたる―を取出し」 ⇒うち‐がい【打飼】 うち‐か・う打ち更ふ‥カフ 〔他下二〕 ①更に改めて打つ。打ちなおす。 ②刀などを更に改めて鍛える。 うち‐かえ打違え・打交え‥カヘ (→)「うちかい」に同じ。 うち‐かえし打返し‥カヘシ ①劇場で、大道具の書割かきわりなどの張物の上部を下部に折り重ねて裏面を表に出し、別の場面に転換すること。→煽あおり返し。 ②建築で、左右・上下が相称であること。うってがえし。 ③(副詞的に用いて) ㋐くり返すさま。何度も。源氏物語浮舟「―、―、あやしと御覧じて」 ㋑打ってかわって。反対に。源氏物語柏木「つれづれに思ひ続くるも、―いとあぢきなし」 うち‐かえ・す打ち返す‥カヘス [一]〔他五〕 ①かえす。つきもどす。 ②くりかえす。反復する。源氏物語若菜下「人見ぬ方にて、―・しつつ見給ふ」 ③ひっくりかえす。平家物語5「大浪たつて、すでに此船を―・さんとす」 ④ひるがえす。源氏物語匂宮「かよれる袖どもの、―・す端風に」 ⑤打たれた仕返しにまた相手を打つ。 ⑥相手に打って返す。「球を―・す」「電報を―・す」 ⑦古い綿を更に綿弓で弾き打って柔らかくする。 ⑧田畑をすきかえす。 [二]〔自五〕 ①ひっくりかえる。平家物語12「よさりの亥子いねの刻にはかならず大地―・すべし」 ②引いた波がまた寄せてくる。 うちがえ‐ぶくろ打飼袋‥ガヘ‥ (→)「うちがいぶくろ」に同じ。 うち‐かお・る打ち薫る‥カヲル 〔自四〕 さっと薫る。また、ほんのり薫る。源氏物語総角「風につきて吹きくる匂ひの、いとしるく―・るに」 うち‐かか・る打ち掛かる・打ち懸かる】 〔自五〕 ①攻めかかる。攻撃する。太平記14「義貞の右将軍、大嶋・額田・籠沢こざわ・岩松が勢に―・る」 ②よりかかる。もたれかかる。恨之介「雪の前殿―・り」 うち‐かぎ内鍵】 建物や部屋の内側からかける鍵。 うち‐かぎ打鉤】 熊手の一種。多く水戦に当たって敵船をひっかけるのに用いたもので、鉄鉤に長い柄をすげた武器。 うち‐か・く打ち懸く】 〔他下二〕 ①ひきかける。かける。源氏物語東屋「かたびら一重を―・けて」 ②(自動詞的に)かかる。強くかかる。竹取物語「波は船に―・けつつ巻き入れ」 うち‐かくし内隠し】 洋服の内側のかくし。内ポケット。 うち‐かけ打掛け】 ①令制の武官の礼服で、襖あおの上につけた貫頭衣。中国の両当鎧を布帛によって儀仗化したもの。裲襠りょうとう。 ②舞楽の装束の一つ。その制は1に似る。 ③近世の上流婦人の上着うわぎ。小袖形式で、帯を締めず打ち掛けて着る裾の長いもの。現在も婚礼衣装に用いる。かいどり。 打掛け ④外出の時、衣服の上に羽織って着るもの。道服の類。 ⑤囲碁で、対局の途中で一時中断すること。 ⇒うちかけ‐えぼし【打掛烏帽子】 ⇒うちかけ‐かたぎぬ【打掛肩衣】 ⇒うちかけ‐すおう【打掛素袍】 ⇒うちかけ‐よろい【挂甲・打掛鎧】 うち‐がけ内掛け】 相撲の手の一つ。四つに組んで一方の足を相手の足の内側にかけて後ろへ倒すもの。 うちがけ うちかけ‐えぼし打掛烏帽子(→)「かけえぼし」に同じ。 ⇒うち‐かけ【打掛け】 うちかけ‐かたぎぬ打掛肩衣】 肩衣の裾を袴の内に入れずに、上から腰の帯で結び下げたままとすること。 ⇒うち‐かけ【打掛け】 うちかけ‐すおう打掛素袍‥ハウ 素袍の裾を袴の内に着こめずに、打ち掛けたままとする略式のもの。 ⇒うち‐かけ【打掛け】 うちかけ‐よろい挂甲・打掛鎧‥ヨロヒ (→)「かけよろい」に同じ。 ⇒うち‐かけ【打掛け】 うち‐がし内貸し】 報酬または賃金などの一部を前金で払うこと。 うち‐がし打菓子‥グワ‥ (→)打物うちもの5に同じ。 うち‐かた内方】 ①うち。自宅。また、自分の方。こっちの方。狂言、相合袴「いえ、―に御座りまするよ」 ②店に対して、家族の居る奥の方。世間胸算用2「丁稚はまた―へ聞ゆるほど手本を読みて」 ③他人の家の尊敬語。おたく。好色一代女4「こんな―に居ますが仕合せ」 ④貴人の奥方、他人の妻の敬称。おくさま。好色一代女4「第一―は悋気深し」 うち‐かた打ち方】 ①銃砲を発射すること。「―やめ」 ②銃砲・鼓・碁などを打つ仕方。また、打つ人。 うち‐かた打肩】 早打肩はやうちかたの略。 うち‐がた内方】 内裏に仕える人々。天皇方の人。栄華物語花山「長日の御修法、御読経など―よりも始めさせ給ひ」 うち‐がたな打刀】 腰に足緒あしおで吊る太刀に対して、帯にさして敵を斬るのに便にした長い刀。打太刀。 打刀 うち‐かたぶ・く打ち傾く】 [一]〔自四〕 首をかしげて不審に思う。源氏物語末摘花「心得ず、―・き給へるに」 [二]〔他下二〕 一方にかたむける。 うち‐か・つ打ち勝つ・打ち克つ】 〔自五〕 「かつ」を強めていう語。「強敵に―・つ」「困苦に―・つ」 うち‐がね打金・撃鉄】 「げきてつ」のこと。 うち‐かぶと内冑】 ①冑の内側。平家物語4「―を射させて」 ②人に知られたくない内情。弱味。「―を見透かされる」 うち‐がみ内神】 屋敷内にまつる神。氏神とは別であるが、祖霊を含んでいる。屋敷神とも異なり、本家筋にのみある。 うち‐がみ打紙】 紙を、トロロアオイの粘液や灰汁あくなどで湿らせ、乾かした後、木槌で打ち叩いて、紙の表面につやを出すこと。また、その紙。 うち‐がり内借り】 報酬または賃金などの一部を前金で借りること。 うち‐がわ内側‥ガハ 中心に近い側。仕切りや囲いの中側。内面。内部。 ⇒うちがわ‐じしんたい【内側地震帯】 うちがわ‐じしんたい内側地震帯‥ガハヂ‥ 日本列島の内側、すなわち日本海沿岸に沿って分布する地震帯。→外側地震帯 ⇒うち‐がわ【内側】 うち‐かわ・す打ち交わす‥カハス 〔他五〕 互いに交叉する、交換する。源氏物語横笛「羽―・すかりがねも」 うち‐かんれい内管領‥クワン‥ ⇒ないかんれい うちき】 (ウチギとも。内着の意) ①平安時代の貴族女子の服。垂領たりくび広袖の衣。 ②男子の直衣のうし・狩衣かりぎぬなどの下に着た垂領たりくび広袖の衣。 ⇒うちき‐すがた【袿姿】 ⇒うちき‐はかま【袿袴】 うち‐き内気】 引っこみがちな気質。思ったことを人前で言ったりしたりすることのできない性格。「―な子」 うち‐ぎ打衣・擣衣】 (ウチギヌの約)(→)「うちぎぬ」に同じ。 うち‐ぎき打聞き・打聴き】 ①聞くともなしに聞いたことば。源氏物語常夏「深きすぢおぼえぬほどの―には」 ②聞いたままを書きつけること。また、その記録。ききがき。十六夜日記「家々の―にも歌あまた入り給へる人なれば」 うちぎきしゅう打聞集‥シフ 仏教説話集。零本1巻。編者未詳。1134年(長承3)以前成る。片仮名を宣命書きに用いる。27話。内容は今昔物語集と類似。 うち‐き・く打ち聞く・打ち聴く】 〔他四〕 ちょっと聞く。ふと聞く。 うち‐きず打ち傷】 物に打ちつけ、または打たれて生じた傷。打撲傷。 うちき‐すがた袿姿】 袿だけを着て、男は直衣・狩衣などを、女は裳・唐衣などを着ない姿。源氏物語松風「いとなまめかしき―」 ⇒うちき【袿】 うち‐きた・む打ち鞫む】 〔他四〕 「きたむ」を強めていう語。こらしめる。罰する。皇極紀「常世の神を―・ますも」 うち‐ぎぬ打衣・擣衣】 (きぬたで打ち、つやを出した衣の意)女房装束の構成の一つ。袿うちきと同形の裏付きの袷あわせ。表の地質は綾、裏は平絹、紅や濃色こきいろを常とした。平安後期頃から晴儀の所用となった。うちぎ。うちあこめ。 うち‐ぎね打杵(→)「きね」に同じ。 うちき‐はかま袿袴⇒けいこ ⇒うちき【袿】 うち‐ぎみ内君】 他人の妻の尊敬語。奥方。奥様。為頼集「扇に舟の形書きたるを、…これは―にとて」 うち‐ぎゃく内客】 うちわの客。内々の客。狂言、鱸庖丁「若し御―でもござらうかと」 うち‐きょう・ずる打ち興ずる】 〔自サ変〕[文]打ち興ず(サ変) 「興ずる」を強めていう語。おもしろがる。 うち‐ぎらい内嫌い‥ギラヒ 家にいることが嫌いで外出ばかりしたがること。 うち‐きら・す打ち霧らす】 〔他四〕 空を曇らせる。霧で向こうが見えないようにする。万葉集8「―・し雪はふりつつ」 うち‐きり打切り】 うちきること。終りにすること。中止。「審議―」 ⇒うちきり‐ほしょう【打切り補償】 うち‐ぎり打切り】 続けて早く射るために、弓返しをしないで射ること。日葡辞書「ウチギリニイル」 うちきり‐ほしょう打切り補償‥シヤウ 業務上の傷病により療養の補償を受ける労働者が、3年たっても傷病がなおらない場合に、労働基準法に従って使用者から受ける災害補償。この補償をすれば使用者は以後補償の義務を免れる。→災害補償 ⇒うち‐きり【打切り】 うち‐き・る打ち切る】 〔他五〕 ①「きる」を強めていう語。 ②あとを切り捨てて、一応終りにする。「審議を―・る」「入場者を300名で―・る」 うち‐きん内金】 ①消費貸借・売買・請負などで契約した総金額の一部分。 ②支払い期限の前に渡される代金または報酬の一部分。多くは手付けの性質をもつ。 うち‐きん打金】 価格のちがう二つの品を引き替える時、不足の分を補う金銭。 うち‐ぐ・す打ち具す】 〔自他サ変〕 「具す」を強めていう語。 ①そろっている。ついている。源氏物語桐壺「親―・し…世の覚え花やかなる御方々にも劣らず」 ②連れる。伴う。平家物語3「子息江左衛門家成―・して」 うち‐くず・す打ち崩す‥クヅス 〔他五〕 ①考えや防御などを成り立たなくさせる。「相手の論拠を―・す」 ②野球で、安打を続けて相手の投手を降板させる。 うち‐くだ・く打ち砕く】 〔他五〕 打って粉々にする。今昔物語集31「大きなる鉄鎚を以て―・きければ」。「夢を―・く」 うちくち‐ぶり 「をちこちぶり(遠近触)」の転で、磯のあちこちに波が触れながら寄せる意という。万葉集17「馬並めて―の白波の荒磯ありそに寄する」 うち‐くつろ・ぐ打ち寛ぐ】 〔自五〕 「くつろぐ」を強めていう語。 うち‐くび打首】 刑罰として罪人の首を切ること。斬罪ざんざいうち‐ぐもり内曇り】 ①上下に雲形くもがたをすき出した鳥の子紙。短冊や色紙に用いる。普通は上が青で、下が紫。凶事には上下の色が逆のものを用いる。雲紙くもがみ。打曇り。 ②京都市右京区鳴滝産の砥石といし。卵色に紫の模様があり、刀剣を研ぐ。これにかけると刀は初めて地鉄刃文はもんがはっきりしてくる。鳴滝砥。 ③内側に黒い三つ星の文様のある土器かわらけの杯。 うち‐くら内蔵】 ①斎蔵いみくら・大蔵とともに大和政権の三蔵の一つ。伝説では、履中天皇のとき斎蔵の傍に建てて官物を収納した。(古語拾遺) うちつくら。 ②律令制官司の一つ。宮中の御料を収納する。内蔵寮くらりょうの倉庫。うちのくら。くら。 ③(ウチグラとよむ)庭蔵に対して、母屋に接して建ててある蔵。内庫。浄瑠璃、冥途飛脚「白銀しろがねは―へ、金子きんすは戸棚へ」 ④金を引き出せる相手。かねづる。浮世草子、好色盛衰記「客の中での―と存ずる方から」 うち‐くらべ内競べ】 内々で行われた馬術の競技。内競馬。古今著聞集10「仁和寺殿の馬場にて日吉御幸の―七番ありけり」 うち‐ぐり打栗】 かち栗を蒸し、つぶして砂糖を加え平たくした菓子。甲州の名産。 うち‐く・る打ち呉る】 〔他下二〕 くれる。わたす。まかせる。源平盛衰記20「この馬の癖として口をば主に―・れて胸にて走る馬なりけり」 うち‐くるぶし内踝】 内側のくるぶし。 うち‐ぐるま内車】 ①機械の内部に装置された車輪。 ②自家用の人力車。 うち‐ぐるわ内郭】 城郭のさらに内部に設けられた郭。第2の城郭。↔外郭 うち‐くん・ず打ち屈ず】 〔自サ変〕 「くんず」を強めていう語。気がくじける。 うち‐げいこ内稽古】 芸事の師匠が弟子を自宅に呼んでつける稽古。↔出稽古 うち‐げいしゃ内芸者】 料理屋・遊女屋などにかかえておく芸者。 うち‐けし打消し】 ①うちけすこと。否定すること。 ②否定の意を表す文法形式。日本語では、主として助動詞・助詞を用いて上の用言の表す意味を否定する場合をいう。 うち‐け・す打ち消す】 〔他五〕 ①「消す」を強めていう語。「叫び声が強風に―・される」 ②そういうことはないと言いきる。否定する。「うわさを―・す」 うち‐け・つ打ち消つ】 〔他四〕 「消つ」を強めていう語。重之集「―・つ波やよりこざりけむ」 うち‐ゲバ内ゲバ】 (ゲバは「ゲバルト」の略)組織の内部での暴力を伴う対立・抗争。 うち‐げんかん内玄関‥クワン 主として家人の出入りする玄関。↔表玄関 うち‐けんち内検地】 幕府の命で行う検地に対して、藩で独自に行う検地。→検地 うち‐こ打粉】 ①刀剣を研ぎまたは手入れする時に用いる砥粉とのこ。 ②「汗知らず」などをいう。 ③そば・うどんをのばすとき、粘着しないようにふりかける粉。 うち‐こう内校‥カウ 発注者や著者に校正を依頼する前に、印刷所が行う校正。内部校正。 うち‐ごうし内格子‥ガウ‥ ①内へ引き上げて開けるようにした格子。 ②家の内側にある格子。 ③歌舞伎劇場の観客席で、東西の上桟敷のうち舞台から6間のあいだの称。 うち‐こうぶり内冠‥カウブリ 従五位下の内位。宇津保物語菊宴「七日の日―賜はり」 うち‐こさく内小作】 江戸時代、家で使っていた下人に土地を分けて小作をさせたもの。 うち‐こし打越】 ①付句つけくの前々句のこと。連歌・俳諧では、一巻の変化と展開を求めるため、付句の趣向・題材が打越と似通うこと(例えば、打越の「霧」に対して付句に「雨」「露」などを用いること)を避けた。 ②打越酒の略。東海道名所記「せめて―なりと賜はらん」 ③〔建〕1点からある点を越えて測る長さ。「―八尺」 ④江戸時代の違法商行為。幕府が流通独占の特権を与えた江戸問屋を経由しない取引をいい、その商品を打越荷物という。幕府は取り締まったが、根絶できなかった。 ⇒うちこし‐うた【打越歌】 ⇒うちこし‐ざけ【打越酒】 ⇒うちこし‐だるき【打越垂木】 うちこし‐うた打越歌】 未来・後世のことを歌った和歌。 ⇒うち‐こし【打越】 うちこし‐ざけ打越酒】 酒宴の席で、席次などによらず、名ざしで自由に盃をさして酒を飲むこと。狂言、餅酒「―の二年酔ひかな」 ⇒うち‐こし【打越】 うちこし‐だるき打越垂木】 母屋もやから向拝ごはい柱の上に渡した垂木。 ⇒うち‐こし【打越】 うち‐こ・す打ち越す】 〔自四〕 「越す」を強めていう語。越える。順序をこえて先にゆく。 うちこ‐ないしんのう有智子内親王‥ワウ 平安前期の漢詩人。嵯峨天皇の皇女。810年(弘仁1)最初の賀茂斎院。詩文に優れ、春日山荘の詩が有名。(807〜847) うち‐こみ打込み】 (古くはウチゴミとも) ①強くたたきこむこと。 ②大勢で敵にかけ向かうこと。順序不同に入りまじるさま。平家物語9「―のいくさは好まぬものなり」 ③人にほれこむこと。また、物事に熱中すること。 ④織物で、経糸たていとの間に緯糸よこいとを織り込むこと。 ⑤剣道や相撲で、初心のものが稽古のため、先輩に続けざまにうってかかること。 ⑥歌舞伎の囃子はやしで、幕切れなどに大太鼓を勢いよく打つこと。 ⑦コンクリートを所定の場所に充填じゅうてんすること。 ⑧テニス・卓球などのスマッシュ。 うち‐こ・む打ち込む】 [一]〔他五〕 ①(銃砲の場合は「撃ち込む」とも書く)うって中へ入れる。「釘を―・む」「データを―・む」「敵陣へミサイルを―・む」 ②攻めこむ。攻めかかる。「1回の表から激しく―・む」 ③遊びや博奕ばくちに熱中して財物を使いつくす。狂言、縄綯なわない「金銀は申すに及ばず太郎冠者までを―・うでござる」 ④熱心に思いこむ。ほれこむ。竹斎「玄宗は楊貴妃の百ももの媚こびに―・まれ」 ⑤ある事に熱中する。「研究に―・む」 ⑥野球などで、球を打つ練習を十分にする。 ⑦囲碁で、相手の陣内に石を打つ。 ⑧囲碁で、同じ相手に勝ち越し、一段下の手合割てあいわりに追い込む。 ⑨相手の急所をつく。やりこめる。傾城禁短気「てきめんにそれを―・まず」 ⑩コンクリートを所定の場所に充填じゅうてんする。 [二]〔自四〕 順序不同に入りまじる。愚管抄6「後に三百余騎は―・みてありけり」 うち‐こ・む打ち籠む】 〔他下二〕 押しこめる。とりこめる。保元物語「四宮とて―・められておはせしを」 うち‐こ・ゆ打ち越ゆ】 〔他下二〕 「越ゆ」を強めていう語。万葉集6「―・えて旅行く君は」 うち‐ころ・す打ち殺す】 〔他五〕 ①「殺す」を強めていう語。 ②たたいて殺す。宇津保物語俊蔭「盗人―・してはいかがなり」 ③(「撃ち殺す」とも書く)銃砲をうって殺す。 うち‐ごろも裏衣】 法橋ほっきょう・寺主・維那いな以下の一般の僧の着る衣。平家物語10「那智ごもりの僧どもも皆―の袖をぞぬらしける」 うち‐こわし打毀し・打壊し‥コハシ ①うちこわすこと。 ②江戸中期以降、民衆が集団で富商・豪農・高利貸・役所などを襲い、家屋・家財等を破壊すること。 うち‐こわ・す打ち毀す・打ち壊す‥コハス 〔他五〕 ①「こわす」を強めていう語。 ②打ってこわす。 うち‐ざし内差し】 内側からとざすこと。落窪物語2「―にさし籠らむと思ひて、よろづに開くまじきやうにかまふ」 うち‐ざた内沙汰】 内輪で行う裁判。内々で事を処理すること。↔表沙汰 うちざた内沙汰】 狂言。百姓右近おこが左近さこを訴えようとして、女房を地頭の役にして稽古をするうちに、地頭の邸と思い違い、目を回す。右近左近。 うち‐さぶらい内侍‥サブラヒ 鎌倉幕府が朝廷にならって宿直・警衛のために設けた武士の詰所で、寝殿に近いもの。平家物語8「―には一門の源氏上座して」↔遠侍 うち‐さま内様】 禁裏方。宮方。官軍方。平家物語8「鎮西の者どもをば―にこそ召されしか」 うち‐ざめ打ち鮫・打ち鰄(→)「打出し鮫」に同じ。太平記40「―に金作こがねづくりの太刀を帯く」 うち‐さるがく内猿楽・内申楽】 屋内で演ずる猿楽。花鏡「―、酒盛等にも」 うち‐しお・れる打ち萎れる‥シヲレル 〔自下一〕 精神的に弱ってすっかり元気を失う。しょんぼりする。しょげる。 うち‐しき打敷】 ①布製の敷物。枕草子108「灯台の―を踏みて立てるに」 ②寺院の高座または仏壇・仏具などの敷物。多く金襴を用いる。卓囲。 ③菓子器に敷く白紙。 ④御家流おいえりゅう香道で、香元が手前のため地敷の下に敷いて用いる縁取りをした布の敷物。香元台を使う場合は台の上に拡げる。 うち‐しきり打頻り】 〔副〕 (ウチシキルの連用形から)たび重なって。しきりに。源氏物語若菜下「参り給ふべき御消息―あれど」 うち‐しき・る打ち頻る】 〔自四〕 「頻る」を強めていう語。たび重なる。源氏物語夕顔「御しのびありきの―・るなかにも」 うち‐しず・む打ち沈む‥シヅム 〔自五〕 ①「沈む」を強めていう語。 ②すっかり元気がなくなる。 うち‐じに討死】 (武士が)戦場で敵と戦って死ぬこと。戦死。 うち‐しゅ内衆】 家人けにんや召使など。西鶴織留4「お言葉はそのまま出雲のことばなれども、―二人ながら長崎なり」 うち‐じゅう家中‥ヂユウ ①家の中のいたる所。「―探しまわる」 ②家族全員。「―で出かける」 うち・す打ちす】 〔他サ変〕 ちょっとする。源氏物語帚木「をりふしのいらへ心えて―・し」 うち‐すいかん打水干】 砧きぬたで打って光沢を出した水干。 うち‐すう内数】 ある統計値に一定の条件を加えた部分値。元の統計値に対していう。例えば、総入場者数の内の子供の人数など。 うち‐す・える打ち据える‥スヱル 〔他下一〕[文]うちす・う(下二) ①「据える」を強めていう語。 ②相手が起きあがれなくなるまで打つ。 うち‐すが・う打ち次ふ‥スガフ 〔自四〕 間をおかず続く。匹敵する。源氏物語紅梅「中の君も―・ひてあてになまめかしう」。栄華物語布引滝「内・中宮・宮達・関白殿のうへ・大将殿など、皆同じ程、少し―・ひなどして出でさせ給へば」 うち‐す・ぎる打ち過ぎる】 〔自上一〕[文]うちす・ぐ(上二) 「過ぎる」を強めていう語。「御無沙汰に―・ぎまして」 うち‐すぐ・す打ち過す】 〔他四〕 ①「過す」を強めていう語。度を過ごす。 ②年をとる。年たける。源氏物語紅葉賀「四とせばかりがこのかみにおはすれば、―・しはづかしげに」 うち‐すて打ち捨て】 斬り捨てにすること。大友興廃記「その他の―はその数を知らず」 うち‐す・てる打ち捨てる】 〔他下一〕[文]うちす・つ(下二) ①「捨てる」を強めていう語。源氏物語桐壺「さりとも、―・ててはえ行きやらじと」 ②構わずにおく。ほったらかす。「―・てられた自転車」 ③斬ってすてる。 うち‐ずみ内住み】 女官などが内裏に住まうこと。源氏物語桐壺「―のみ好ましうしたまへば」↔里住み うち‐ぜい内税】 間接税を表示価格に含めること。↔外税 うち‐せん打銭】 江戸時代、両替屋に支払った手数料。打賃。→切賃 うち‐ぜん内鑯】 桶側おけがわの湾曲した内面をけずる鉋かんな。↔外鑯 うち‐そ打麻】 麻を打って柔らかくしたもの。うつそ。万葉集12「少女らが績麻うみおのたたり―懸けうむ時なしに恋ひ渡るかも」 ⇒うちそ‐やし【打麻やし】 ⇒うちそ‐を【打麻を】 うち‐そ・う打ち添ふ‥ソフ [一]〔自四〕 「添う」を強めていう語。つれだつ。つき添う。更級日記「こぞの秋、いみじくしたて、かしづかれて―・ひて下りしを」 [二]〔他下二〕 付け加える。紫式部日記「さすがに声―・へむもつつましきにや」 うち‐ぞうさく内造作‥ザウ‥ 屋内の工事。〈日葡辞書〉 うち‐そで内袖】 袖を2枚の布で作る場合の身頃側(内側)の部分。↔外袖 うちそ‐やし打麻やし】 〔枕〕 (ヤ・シは詠嘆の助詞)「をみのこ(麻績の児)」にかかる。 ⇒うち‐そ【打麻】 うち‐ぞり内反り】 湾曲した刀身の内側に刃のついているもの。↔外反そとぞり うち‐そろ・う打ち揃う‥ソロフ 〔自五〕 「揃う」を強めていう語。全員がそろう。「家族―・って出かける」 うちそ‐を打麻を】 〔枕〕 「をみ(麻績)」にかかる。万葉集1「―麻績の王おおきみ白水郎あまなれや」 ⇒うち‐そ【打麻】 うちだ内田】 姓氏の一つ。 ⇒うちだ‐いつみ【内田五観】 ⇒うちだ‐ぎんぞう【内田銀蔵】 ⇒うちだ‐とむ【内田吐夢】 ⇒うちだ‐ひゃっけん【内田百閒】 ⇒うちだ‐やすや【内田康哉】 ⇒うちだ‐よしかず【内田祥三】 ⇒うちだ‐りょうへい【内田良平】 ⇒うちだ‐ろあん【内田魯庵】 うちだ‐いつみ内田五観】 江戸後期〜明治の和算家。号は観斎。和田寧やすし(1787〜1840)とともに関流第6伝。蘭学・暦学・天文学を修める。著「古今算鑑」「測天儀解」など。(1805〜1882) ⇒うちだ【内田】 うち‐たいら・げる討ち平らげる‥タヒラゲル 〔他下一〕[文]うちたひら・ぐ(下二) 討って平定する。 うち‐たえ‥タヘ 打ってつやを出した。万葉集16「宝の子らが―は経て織る布」 うち‐たえ打ち絶え】 〔副〕 (動詞ウチタユの連用形から) ①ひたすら。いちずに。平家物語11「女房なんどの―嘆くことをば」 ②(下に否定を伴って)まったく。全然。平治物語「―頼むべき者なければ」 ⇒うちたえ‐て【打ち絶えて】 うちたえ‐て打ち絶えて】 〔副〕 (下に否定を伴って)全く。一向に。すこしも。源氏物語賢木「―、内・春宮にも参り給はず」 ⇒うち‐たえ【打ち絶え】 うち‐た・える打ち絶える】 〔自下一〕[文]うちた・ゆ(下二) 「絶える」を強めていう語。源氏物語槿「よその御返りなどは―・えで」 うち‐たお・す打ち倒す‥タフス 〔他五〕 ①「たおす」を強めていう語。狂言、瓜盗人「人形も―・いて」。「独裁政権を―・す」 ②なぐりたおす。たたきたおす。 ③(「撃ち倒す」とも書く)銃砲をうってたおす。 うち‐たお・れる

広辞苑 ページ 1814 での○打たれても親の杖単語。