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○雑魚の魚まじりざこのととまじり🔗⭐🔉
○雑魚の魚まじりざこのととまじり
大物の中に小物が分不相応に入りまじるたとえ。ごまめのととまじり。蝦えびの鯛まじり。
⇒ざ‐こ【雑魚・雑喉】
ざこ‐ば【雑魚場・雑喉場】
江戸時代、大坂の代表的な魚市場の通称。また一般に、魚市場。
サゴ‐べい【沙穀米】
(「サゴまい」とも)サゴ澱粉を米粒状にしたもの。
サゴ‐やし【沙穀椰子】
(sago palm)ヤシ科の常緑高木。マレーシアに自生。幹は高さ約15メートルに達する。葉は羽状複葉で樹頂に集まる。幹の髄中に含まれる澱粉はサゴまたはサゴ澱粉といい、食用とするほか、ブドウ糖の原料。
さ‐ごろも【狭衣】
①(サは接頭語)衣服。きもの。催馬楽、夏引「―に織りても着せむ」
②狭衣大将の略。
③「狭衣物語」の略。
⇒さごろも‐の【狭衣の】
さごろも‐の【狭衣の】
〔枕〕
「を(緒)」「を(小)」にかかる。万葉集14「―小筑波嶺おづくはねろの山の崎」
⇒さ‐ごろも【狭衣】
さごろも‐の‐だいしょう【狭衣大将】‥シヤウ
「狭衣物語」の主人公。学才・容貌ともにすぐれ、源氏宮に失恋、飛鳥井女君・女二宮・宰相中将妹君など数多の女性と恋愛し、後、帝位につく。
さごろもものがたり【狭衣物語】
物語。4巻。作者を紫式部の女むすめ大弐だいに三位とする説は捨てられ、六条斎院禖子ばいし内親王宣旨とされる。平安中期、延久・承保(1069〜1077)の頃成るか。狭衣大将と源氏宮とが主人公。
→文献資料[狭衣物語]
さ‐こん【左近】
左近衛府さこんえふの略。↔右近。
⇒さこん‐の‐さくら【左近の桜】
⇒さこん‐の‐じょう【左近尉】
⇒さこん‐の‐しょうげん【左近将監】
⇒さこん‐の‐じん【左近の陣】
⇒さこん‐の‐たいふ【左近大夫】
⇒さこん‐の‐つかさ【左近司】
⇒さこん‐の‐ばば【左近の馬場】
さ‐こんえ【左近衛】‥ヱ
①左近衛府さこんえふの略。
②左近衛府の兵士。
⇒さこんえ‐の‐だいしょう【左近衛大将】
⇒さこんえ‐ふ【左近衛府】
さこんえ‐の‐だいしょう【左近衛大将】‥ヱ‥シヤウ
左近衛府の長官。
⇒さ‐こんえ【左近衛】
さこんえ‐ふ【左近衛府】‥ヱ‥
近衛府このえふの一つ。
⇒さ‐こんえ【左近衛】
さこん‐たろう【左近太郎】‥ラウ
谷水の流れを利用した米つき装置の一種。さこんた。ばったり。ぼっとり。
さこん‐の‐さくら【左近の桜】
平安時代以降、紫宸殿の南階下の東方に植えられた山桜。儀式のとき左近衛府の官人がその側に列したからいう。南殿なでんの桜。平治物語「―、右近の橘を七八度まで追ひまはして」↔右近の橘。→紫宸殿(図)。
⇒さ‐こん【左近】
さこん‐の‐じょう【左近尉】
(→)左近将監さこんのしょうげんに同じ。
⇒さ‐こん【左近】
さこん‐の‐しょうげん【左近将監】‥シヤウ‥
左近衛府の判官じょう。
⇒さ‐こん【左近】
さこん‐の‐じん【左近の陣】‥ヂン
紫宸殿前の南東の廊にあった左近衛府の詰所。公卿の会議場に用いた。左近の陣の座。左仗さじょう。
⇒さ‐こん【左近】
さこん‐の‐たいふ【左近大夫】
左近将監の五位に進んだもの。
⇒さ‐こん【左近】
さこん‐の‐つかさ【左近司】
(→)左近衛府に同じ。また、左近衛府の官人。
⇒さ‐こん【左近】
さこん‐の‐ばば【左近の馬場】
平安時代以降、左近衛府に属した馬場。京都の一条西洞院にあった。
⇒さ‐こん【左近】
ささ
(女房詞。「ささげ」の末尾を省略したもの)大角豆ささげ。
ささ【酒】
(「さけ」の「さ」を重ねた語。一説に、中国で酒のことを竹葉というのに基づくとする)酒をいう女房詞。好色一代男1「少し―などこれよりたべまして」
ささ【笹・篠・小竹】
(「ささ」は小さい意)
①イネ科の常緑多年生植物。タケの類で形の小さく、皮の落ちないものの便宜的な総称。種類はきわめて多く、北海道から九州までの山地に群生する。花が咲けば普通枯死。葉茎を細工物・垣などにし、また観賞用。実は食用。万葉集2「―の葉はみ山もさやにさやげども」
カンザンチク
撮影:関戸 勇
カンチク
撮影:関戸 勇
クマザサ
撮影:関戸 勇
チマキザサ
撮影:関戸 勇
メダケ
撮影:関戸 勇
ヤダケ
撮影:関戸 勇
②紋所の名。笹の葉・枝をとりあわせて描いたもの。仙台笹・上杉笹・鳥居笹・山口笹・雪持笹(笹の雪)・三枚笹・九枚笹など。
笹
さ‐さ【然然】
①(詳しく言うべきところを省略して)これこれ。しかじか。蜻蛉日記中「―の所よりなりけり」
②(同意して)そうそう。宇津保物語俊蔭「―これしていとようつかうまつるべかめり」
さ‐さ【些些】
わずかなさま。すこし。ちょっと。「―たる問題」
さ‐さ【瑣瑣】
こまかいさま。くだくだしいさま。
さ‐さ【細・小】
〔接頭〕
(サザとも)名詞に冠して、「わずかな」「小さい」「こまかい」の意を表す。ささら。さざれ。神代紀下「―貧鉤まちち」。「―波」
さ‐さ
〔感〕
①人を促し立てるときに発する声。さあさあ。いざ。
②神楽歌かぐらうた・民謡などの囃子はやしの声。
さ‐ざ
①声を立ててさわがしいさま。ざわざわ。栄華物語月宴「―と見騒げば、面いと赤くなりて」
②水の流れるさま。
ざ‐さ【坐作】
すわることとたつこと。たちい。動作。「―進退」
ざ‐ざ
①水などが勢い強く流れ注ぐさま。ざんざ。
②物のすれあう音。
③さわぎ立つさま。
ささ‐あめ【笹飴】
笹の葉に包んだ飴。もとは粟で作ったが、江戸後期からは糯米もちごめで作る。新潟県高田(現、上越市)の名産。
さ‐さい【些細・瑣細】
わずかな、取るに足りないこと。「―な事を気にする」
さざい【栄螺】
サザエの転。
⇒さざい‐がら【栄螺殻】
⇒さざい‐の‐ともしび【栄螺の灯火】
⇒さざい‐ばしご【栄螺梯子】
さざい【鷦鷯】
ミソサザイの古称。
ざ‐ざい【座剤・坐剤】
(→)座薬ざやくに同じ。
さざい‐がら【栄螺殻】
サザエの貝殻。転じて、拳骨げんこつ。にぎりこぶし。浄瑠璃、大経師昔暦「たぶさを取つて―二三十くらはせ」
⇒さざい【栄螺】
ささい‐こさい【支いこさい】
(→)「支えこさえ」に同じ。
さざい‐の‐ともしび【栄螺の灯火】
サザエの貝殻に油を入れた灯火。
⇒さざい【栄螺】
さざい‐ばしご【栄螺梯子】
螺旋らせん状に折れ曲がった階段。さざえばしご。
⇒さざい【栄螺】
ささ‐いろ【笹色】
濃い紅べにが乾いて黒色を帯びて青く光る色。
ささ‐う【笹生】‥フ
⇒ささふ
ささ・う【支ふ】ササフ
〔他下二〕
⇒ささえる(下一)
ささう‐かさなう【刺さふ重なふ】ササフカサナフ
(「刺す」「重ぬ」に接尾語フの付いた形)繰り返しさしかさねて。万葉集16「ま榛はりもちにほしし衣きぬに高麗錦ひもに縫ひつけ刺部重部ささうかさなう並み重ね着て」
ささえ【支え】ササヘ
①ささえること。ささえるもの。太平記16「敵の大勢なるを聞きて、一ひと―もせず京都まで遠引とおびきしたらんは」。「一家の―を失う」
②「ささえぐち」「ささえごと」の略。
⇒ささえ‐ぐち【支え口】
⇒ささえ‐こさえ【支へこさへ】
⇒ささえ‐ごと【支え言】
⇒ささえ‐じょう【支え状】
⇒ささえ‐だて【支えだて】
⇒ささえ‐ばしら【支え柱】
ささ‐え【小筒・竹筒】
酒を入れて携帯する竹筒。竹小筒たけささえ。廻国雑記「同行のうちに、―をたづさへける人ありて」
さざえ【栄螺・拳螺】
リュウテンサザエ科の巻貝。貝殻は厚く拳こぶし状、多くは棘とげ状の突起があるが、内海産でそれを欠くものもある。殻高約8センチメートル。外面は暗緑褐色、内面は平滑で真珠光沢がある。殻口は円く大きく、蓋ふたは石灰質で硬く渦巻状。肉は壺焼などにし、貝殻は貝ボタンをつくる。日本近海に多く、海藻を食う。水産業上の重要種。〈[季]春〉。出雲風土記「気多嶋…鮑あわび・―・蕀甲蠃うにあり」
さざえ
⇒さざえ‐どう【栄螺堂】
⇒さざえ‐の‐つぼやき【栄螺の壺焼】
⇒さざえ‐ばしご【栄螺梯子】
⇒さざえ‐わり【栄螺割】
ささえ‐ぐち【支え口】ササヘ‥
(→)「ささえごと」に同じ。浄瑠璃、ひぢりめん卯月紅葉「陰言・中言・―、立つてはふすべ、ゐてはそしり」
⇒ささえ【支え】
ささえ‐こさえ【支へこさへ】ササヘコサヘ
(コサエは音の近い語を加えて強めたもの)じゃまをすること。中傷。ささいこさい。浄瑠璃、新薄雪物語「一はな立つて―するやうなれど」
⇒ささえ【支え】
ささえ‐ごと【支え言】ササヘ‥
人を中傷すること。讒言ざんげん。ささえぐち。
⇒ささえ【支え】
さざえさん【サザエさん】
長谷川町子原作の漫画。1946年(昭和21)から夕刊フクニチで、51年からは朝日新聞で連載。三世代同居家庭の主婦サザエさんを中心に庶民の暮しをユーモラスに描く。のちテレビ‐アニメ化。
ささえ‐じょう【支え状】ササヘジヤウ
訴人の申出でに対して、支障を申し入れる文書。
⇒ささえ【支え】
ささえ‐だて【支えだて】ササヘ‥
じゃまをすること。じゃまだて。
⇒ささえ【支え】
さざえ‐どう【栄螺堂】‥ダウ
仏堂で、内部の階段を螺旋らせん状に造ったもの。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
さざえ‐の‐つぼやき【栄螺の壺焼】
サザエを殻のまま火の上であぶり焼き、醤油などで味を付けた料理。また、前もって身を取り出し、切り刻んでかまぼこ・ギンナン・ミツバなどと共に殻に入れて焼いたもの。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
さざえ‐ばしご【栄螺梯子】
⇒さざいばしご。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
ささえ‐ばしら【支え柱】ササヘ‥
物を支えるために立てる柱。しちゅう。
⇒ささえ【支え】
ささ・える【支える】ササヘル
〔他下一〕[文]ささ・ふ(下二)
(室町時代頃からヤ行に活用する例がみられる)
①物をおさえとめて、落ちたり倒れたりしないようにする。つっかう。徒然草「身の後には金こがねをして北斗を―・ふとも、人のためにぞわづらはるべき」。「傾きかけた塀を丸太で―・える」
②持ちこたえる。維持する。南海寄帰内法伝平安後期点「食は但懸うつけたるを支ササフばかり」。「一家のくらしを―・える」「国の繁栄を―・える」
③相手の攻勢をくいとめる。防ぎとめる。平家物語7「平家の兵共暫し―・へて防ぎけれども、こらへずして、そこをも遂に攻め落さる」
④通れないようにする。妨げる。中傷する。日葡辞書「ミチヲササユル」「ヒトヲササユル」
さざえ‐わり【栄螺割】
〔動〕ネコザメの別称。歯が強いのでいう。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
ささおか【小砂丘】‥ヲカ
姓氏の一つ。
⇒ささおか‐ただよし【小砂丘忠義】
ささおか‐ただよし【小砂丘忠義】‥ヲカ‥
生活綴方つづりかた運動の指導者。本姓、笹岡。高知県生れ。小学校校長等を務めたのち上京して、雑誌「教育の世紀」「鑑賞文選」の編集に従事。1929年、雑誌「綴方生活」の創刊に参画。(1897〜1937)
⇒ささおか【小砂丘】
ささ‐おぶね【笹小舟】‥ヲ‥
ささぶね。
ささ‐おり【笹折】‥ヲリ
①笹の葉で食物を包んだもの。
②経木きょうぎでつくった折。
ささ‐がき【笹垣】
笹竹で結ゆった垣。
ささ‐がき【笹掻き】
牛蒡ごぼうなどを笹の葉のように薄く細かく削ること。また、その削ったもの。ささぶき。
⇒ささがき‐なます【笹掻き膾】
ささがき‐なます【笹掻き膾】
大根をささがきにした膾。ささぶきなます。ひでりなます。
⇒ささ‐がき【笹掻き】
ささ‐がし【笹がし】
ササガキ(笹掻き)の訛。狂言、惣八「夫々、―にしてとやら仰せられた」
ささ‐がに【細蟹】
(平安時代以降、形が小さいカニに似ているところからいう)蜘蛛くもの異称。また、蜘蛛の網い。源氏物語賢木「浅茅が露にかかる―」
⇒ささがに‐の【細蟹の】
⇒ささがに‐ひめ【細蟹姫】
ささがに‐の【細蟹の】
〔枕〕
(奈良時代の「ささがねの」の転)「くも(蜘蛛・雲)」「い」「いと」にかかる。後拾遺和歌集雑「―曇らぬ空に雨のみぞ降る」
⇒ささ‐がに【細蟹】
ささがに‐ひめ【細蟹姫】
(蜘蛛はよく糸をかけるからいう)たなばたひめ。織女星。
⇒ささ‐がに【細蟹】
ささがね‐の
〔枕〕
(「ささがにの」の古形。一説に「小竹が根の」の意で、枕詞ではないとする)「くも(蜘蛛)」にかかる。允恭紀「わがせこが来べき宵なり―蜘蛛の行ひ今宵著しるしも」
ささ‐かまぼこ【笹蒲鉾】
笹の葉形に作った蒲鉾。仙台・塩釜の名産。笹の葉。
ささ‐がれい【笹鰈】‥ガレヒ
ヤナギムシガレイ、また、その一塩干しのこと。
ささかわ【笹川】‥カハ
姓氏の一つ。
⇒ささかわ‐りんぷう【笹川臨風】
ささがわ‐の‐しげぞう【笹川の繁蔵】‥ガハ‥ザウ
江戸後期の博徒。本姓、岩瀬。下総生れ。飯岡の助五郎らと争闘し、闇討ちに遭い惨殺。講談・浪曲の「天保水滸伝」などに脚色。(1810〜1847)
ささかわ‐りんぷう【笹川臨風】‥カハ‥
評論家。本名、種郎たねお。東京生れ。東大卒。雑誌「帝国文学」の編集に従事。日本近世の文学・美術に通暁。古典保存に尽力。著「日本絵画史」「東山時代の美術」など。(1870〜1949)
⇒ささかわ【笹川】
ささき【佐佐木・佐々木】
姓氏の一つ。
⇒ささき‐がんりゅう【佐々木巌流】
⇒ささき‐じゅんのすけ【佐々木潤之介】
⇒ささき‐そういち【佐々木惣一】
⇒ささき‐たかうじ【佐々木高氏】
⇒ささき‐たかつな【佐々木高綱】
⇒ささき‐たかゆき【佐佐木高行】
⇒ささき‐のぶつな【佐佐木信綱】
⇒ささき‐ひろつな【佐佐木弘綱】
ささぎ【豇豆】
ササゲの転。饅頭屋本節用集「小角豆、ササギ」
さざき【鷦鷯】
ミソサザイの古名。仁徳紀「斎槻いつきが上の―捕らさね」
ささき‐がんりゅう【佐々木巌流】‥リウ
江戸初期の剣客。通称、小次郎。越前の人とも毛利氏の臣ともいい、のち細川忠興に仕えた。燕返しの剣法を案出。船島(巌流島)で、宮本武蔵と闘って敗死。(    〜1612)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささ‐きげん【酒機嫌】
酒に酔った時の機嫌。さかきげん。
ささき‐じゅんのすけ【佐々木潤之介】
日本史学者。秋田県生れ。一橋大教授。近世初期の小農民自立論や幕末の世直し状況論等を提起。著「幕藩権力の基礎構造」「大名と百姓」「幕末社会論」など。(1929〜2004)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐そういち【佐々木惣一】
法学者。鳥取県生れ。大正期における天皇機関説と民本主義の有力な論者。滝川事件では京大教授団の中心となり、辞職後に立命館大学長。第二次大戦後は帝国憲法改正に参画。著「日本憲法要論」「立憲非立憲」など。文化勲章。(1878〜1965)
佐々木惣一
撮影:田沼武能
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐たかうじ【佐々木高氏】‥ウヂ
南北朝時代の武将。京極氏。法名、導誉。近江半国守護。足利尊氏に従い初期の室町幕府に重きをなし、出雲・飛騨の守護をも兼ねる。太平記にはバサラ大名として描かれているが、和歌・連歌に秀で、また近江猿楽を保護した。(1296〜1373)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐たかつな【佐々木高綱】
鎌倉初期の武士。源頼朝の家人。近江源氏の一族。四郎と称。1180年(治承4)石橋山の戦に殊功を立て、宇治川の戦に梶原景季と先陣を争い、名馬生唼いけずきに乗り第一となる。のち剃髪して高野に入り、西入と号したという。(    〜1214)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐たかゆき【佐佐木高行】
幕末・明治期の政治家。土佐藩士。通称、三四郎。幕末、志士として活動。新政府では参議・司法大輔・工部卿・宮中顧問官・枢密顧問官などを歴任。明治天皇の側近。伝記「保古飛呂比ほごひろい」。侯爵。(1830〜1910)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐のぶつな【佐佐木信綱】
歌人・国文学者。三重県生れ。東大卒。父弘綱の主宰した竹柏会を継ぎ、機関誌「心の花」を創刊。歌風は温和で平明。万葉集の研究でも知られる。歌集「思草」、著「日本歌学史」など。文化勲章。(1872〜1963)
佐佐木信綱
撮影:石井幸之助
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐ひろつな【佐佐木弘綱】
国学者・歌人。号は竹柏園なぎその。信綱・印東昌綱の父。伊勢(三重県)生れ。足代弘訓あじろひろのりの門人。編著「日本歌学全書」。(1828〜1891)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
さ‐さく【茶杓】
⇒ちゃしゃく。油糟「若竹を―にせむと火を置て」
ささ・く
〔自四〕
にぎやかに、はなやいでふるまう意か。また、ささめく、はしゃぎさわぐ意などともいう。万葉集16「いにしへ―・きし我や」
ささ・ぐ【捧ぐ】
〔他下二〕
⇒ささげる(下一)
ささ‐くさ【笹草】
イネ科の多年草。西日本の山地に生ずる。高さ60〜90センチメートル。葉は広披針形で長さ20センチメートルに達する。花は緑色で、夏、頂に粗大な花穂をなす。ササノハグサ。
ささ‐ぐま【笹熊・貛】
アナグマの異称。
ささ‐ぐも【笹蜘蛛】
ササグモ科のクモ。体長約1センチメートル。背甲は長卵形で高く黄飴色。網を張らず、葉上をすばやく走行・跳躍して昆虫を捕らえる。日本・中国・朝鮮半島に分布。
ささ‐ぐり【小栗】
(→)柴栗しばぐりに同じ。倭名類聚鈔17「杬子、和名佐々久利」
ささ‐くれ
ささくれること。特に、指頭の爪ぎわの皮がむけること。さかむけ。
ささくれ‐だ・つ【ささくれ立つ】
〔自五〕
①ささくれた状態になる。「指先が―・つ」「―・った板」
②気持が荒れてすさんだ状態になる。
ささ‐く・れる
〔自下一〕
①物の先がこまかく裂けわかれる。「畳が―・れる」
②爪ぎわにささくれが出来る。
③気持がとげとげしくなる。「心が―・れる」
ささげ【捧げ】
①ささげること。
②(漁村語)頭に物を載せて運ぶこと。また、その人。
⇒ささげ‐つつ【捧げ銃】
⇒ささげ‐もの【捧げ物】
ささげ【豇豆・大角豆】
①マメ科の一年生作物。ヤッコササゲ(ハタササゲ)・ササゲ・ジュウロクササゲの3亜種がある。アフリカ中部の原産。9世紀頃に渡来。夏、淡紫色の蝶形花をつけ、秋、莢さやを結ぶ。暑さに強い。莢・種子を食用とする。ササギ。〈[季]秋〉。継体紀「荳角、此をば娑佐礙といふ」
ささげ
②歌舞伎の衣裳で、禿かむろなどの袖口に垂れている五色の紐。形がささげ豆に似る。
ささげ‐つつ【捧げ銃】
軍隊で銃を持っている時の敬礼の一種。両手で銃を体の中央前に垂直に保ち、受礼者の眼(敬礼すべきもの)に注目する。
⇒ささげ【捧げ】
ささげ‐もの【捧げ物】
神仏や目上の人に奉るもの。献上の品物。
⇒ささげ【捧げ】
ささ・げる【捧げる】
〔他下一〕[文]ささ・ぐ(下二)
(サシアグの約)
①両手で持ち、目よりも高くあげる。万葉集19「わが背子が―・げて持てる厚朴ほおがしわ」
②上へ高くあげる。見せびらかす。誇示する。竹取物語「つばくらめ子産まむとする時は尾を―・げて七度めぐりてなむ生み落すめる」。仮名草子、伊曾保「人としてわが誉ほまれを―・ぐる時は、人の憎みをかうむりて」
③高い大きな声を出す。栄華物語本雫「おとど御声を―・げて泣き罵り給へど」
④神仏や目上の者へ物をたてまつる。献上する。源氏物語若紫「所につけたる御贈物ども―・げ奉り給ふ」。平家物語2「卯月は垂跡すいしゃくの月なれども、幣帛を―・ぐる人もなし」。「この本を亡き師に―・げる」
⑤自分のもっているものをすべて相手にさし出す。「身も心も―・げる」「研究に一生を―・げる」
ささ‐ごい【笹五位】‥ヰ
〔動〕サギの一種。ゴイサギに似るが小さく、背面は暗緑青色、蓑毛みのげがあり、下面は淡灰色。頭には長い緑黒色の冠毛がある。水辺にすみ樹林に営巣。全世界の熱帯から温帯に分布。ミノゴイ。アムールサギ。
ササゴイ
撮影:小宮輝之
ささご‐て【捧ごて】
(上代東国方言)ささげて。万葉集20「父母も花にもがもや草枕旅は行くとも―行かむ」
ささ‐ごと【酒事】
さかもり。酒宴。さかごと。
ささご‐とうげ【笹子峠】‥タウゲ
山梨県の東部、甲州市から大月市に越す甲州街道の峠。標高1096メートル。現在は鉄道用・道路用のトンネルが開通。
ささ‐して【然然して】
〔副〕
(詳しく言うべきところを省略して)これこれの事情で。蜻蛉日記中「―ものしたりしかど、出でずなりにき」
ささしま‐やき【笹島焼】
江戸後期、文化(1804〜1818)の頃に、尾張の笹島(名古屋市中村区)で牧朴斎ぼくさいが始めた陶器。篠島焼。
ささじんササヂン
(女房詞)ぬかみそ。〈日葡辞書〉。男色大鑑「賤しずの家の糠みそ迄も―と言葉を改め」
ざさ‐しんたい【坐作進退】
たちいふるまい。挙動。
ささ‐ずし【笹鮨】
(→)「笹巻きずし」に同じ。
ささ‐たけ【笹竹・篠竹】
小さい竹類の総称。
⇒ささたけ‐の【篠竹の】
ささ‐たけ【笹茸】
竹林に生ずる茸きのこ。(和訓栞)
ささたけ‐の【篠竹の】
〔枕〕
(サスタケノの転か。一説に、禁苑を竹園ということから)「大内」「大宮人」にかかる。また竹の節を「よ」ということから「よ」にかかる。新勅撰和歌集賀「散りもせじ衣にすれる―大宮人のかざす桜は」。続古今和歌集雑「―わがよのほどの思ひ出に」
⇒ささ‐たけ【笹竹・篠竹】
ささ‐だんご【笹団子】
①団子を笹の葉で包んだ餅菓子。
②糯米もちごめと粳うるちの粉、砂糖、蓬よもぎの葉などを混ぜてこねた生地で小豆餡を包み、笹の葉で包んで蒸したもの。新潟の郷土菓子。
ささ‐ちまき【笹粽】
笹の葉で巻いた粽。〈[季]夏〉
さ‐さつ【査察】
情況を視察すること。「―使」「空中から―する」
ささ‐づくり【笹作り】
①笹の葉の模様を彫った金物を用いた刀剣の拵こしらえ。
②(「明徳記」による)足利家重代の太刀の名。
③刺身の作り方の一種。サヨリ・キスなどの身の細い魚を三枚におろし、斜めに切る。切り口の形が笹の葉に似るのでいう。
ささ‐づけ【笹漬】
三枚におろした魚を酢・塩でしめ、笹の葉と一緒に漬けたもの。
ささ‐づつ【酒筒】
酒を入れる筒。
ささっ‐ぱたき【笹っ叩き】
ササバタキの促音化。
ささ‐づま【笹褄】
(笹の葉のようにとがっているからいう)着物の褄の角が細くとがっているもの。
ささてん‐ぼだい【
】
〔仏〕「
ささぼさつ」の右脇に点を打った字。「菩提ぼだい」の略字として、仏書などの書写に使われる。→ささぼさつ
ささ‐ど【笹戸】
笹竹で作った戸。また、笹の葉の繁った門戸。ささのと。
ささ‐なき【小鳴き・笹鳴き】
冬に、鶯の鳴声がまだ調わず舌鼓を打つように鳴くこと。また、その鳴く声。〈[季]冬〉
さざ‐なみ【細波・小波・漣】
(古くは清音)
①細かに立つ波。さざれなみ。比喩的に、小さな争いごとなどにもいう。「両国間に―が立つ」
②琵琶湖の南西岸地方、また近江国の古名。細浪。楽浪。
⇒さざなみ‐の【細波の】
⇒さざなみ‐や【細波や】
さざなみ‐の【細波の】
①「滋賀」「大津」「長等」「比良」など近江国の地名に冠して枕詞のように用いる。
②(波が寄ることから)「寄る」「夜」と続けて枕詞のように用いる。
⇒さざ‐なみ【細波・小波・漣】
ささなみのやしゅう【泊洦舎集】‥シフ
(泊洦舎は作者の家号)歌集。8巻。清水浜臣遺稿中、主として短歌の部。1829年(文政12)刊。子の光房編。歌風は優雅。
さざなみ‐や【細波や】
(→)「さざなみの」に同じ。
⇒さざ‐なみ【細波・小波・漣】
ささ‐にごり【小濁り・細濁り・薄濁り】
水がすこし濁ること。
ささにしき
水稲粳うるちの一品種。1963年、末永喜三らが育成。多収で特に食味がよいため、東北地方中部から南部を中心に普及。
ささ‐の‐あお【篠の青】‥アヲ
襲かさねの色目。(→)「やなぎ」2に同じ。
ささ‐の‐いお【笹の庵】‥イホ
⇒ささのいおり。新古今和歌集恋「あふことは片野の里の―」
ささ‐の‐いおり【笹の庵】‥イホリ
笹で屋根を葺ふいた庵。草庵。ささのいお。
ささ‐の‐くま
(サヒノクマの訛)
⇒さひのくま(さ桧の隈)。古今和歌集神遊歌「―桧ひの隈川に駒とめて」
ささ‐の‐こ【笹の子】
(→)「篠すずの子」に同じ。〈[季]夏〉
ささの‐ごんざ【笹野権三】
浄瑠璃「鑓の権三重帷子やりのごんざかさねかたびら」の主人公。浅香市之進の妻おさいと不義の汚名を受け、携えて出奔、流浪の末、市之進に討たれる。
→文献資料[鑓の権三重帷子]
ささ‐の‐さいぞう【笹の才蔵】‥ザウ
福岡県博多・宮崎県佐土原で作る土偶。猿が裃かみしもに袴をはいた姿。壱岐には同じ姿を描いた札があり、いずれも疱瘡除ほうそうよけという。
ささ‐の‐つゆ【笹の露】
①笹の葉におく露。
②(酒を「ささ」と称するからいう)酒の異称。また、少量の酒。
ささのつゆ【笹の露】
地歌・箏曲。京風手事物てごともの。別名「酒」。島田両造作詞。菊岡検校作曲。八重崎検校箏手付。和漢の故事をつらねて酒の徳を礼賛したもの。
ささ‐の‐と【笹の戸】
(→)「ささど」に同じ。壬二みに集「咲き隠す野守が庵の―もあらはに置ける萩の朝露」
ささ‐の‐は【笹の葉】
①小竹の葉。
②(→)笹蒲鉾ささかまぼこに同じ。
⇒ささのは‐がき【笹の葉書き】
⇒ささのは‐がれい【笹の葉鰈】
⇒ささのは‐ぐさ【笹の葉草】
⇒ささのは‐べら【笹の葉倍良】
ささのは‐がき【笹の葉書き】
点画を笹の葉のように太く短く書くこと。また、そのように書いた文字。元代の禅僧中峰明本(1263〜1323)の筆跡。
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささのは‐がれい【笹の葉鰈】‥ガレヒ
小さいカレイをかさねて干したもの。このはがれい。
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささのは‐ぐさ【笹の葉草】
〔植〕ササクサの別称。
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささのは‐べら【笹の葉倍良】
ベラ科の海産の硬骨魚。全長25センチメートル。本州中部以南の沿岸に産。煮付けなどにする。→赤倍良
ササノハベラ
提供:東京動物園協会
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささ‐のみ【酒飲み】
⇒さけのみ。狂言、貰聟「わらはがつれやひ、何ともかともならぬ―でござるが」
ささ‐の‐み【酒の実】
(女房詞)酒粕。〈日葡辞書〉
ささ‐の‐み【笹の実】
①笹の果実。ささみどり。自然秔じねんご。
②(→)莎草ささめの別称。
ざさ‐の‐めい【座左の銘】
(→)「座右ざゆうの銘」に同じ。
ささ‐の‐や【笹の屋】
笹葺ぶきの家。ささのやどり。
ささ‐の‐ゆき【笹の雪】
①豆腐料理の一種。温めた絹ごし豆腐に葛餡くずあんをかけたもの。江戸下谷根岸の名物。
②武士が刀に付した名。笹に積もった雪がすぐ落ちるように首や胴がすぐに落ちることを表徴した語。
③紋所の名。雪持笹。→笹(図)
ささ‐はぎ【笹矧ぎ】
笹竹で作った小さな矢。源平盛衰記20「竹の小弓に―の矢」
ささ‐ばたき【笹叩き】
(ササッパタキとも)
①(→)湯立ゆだてに同じ。また、口寄くちよせをする巫女みこのこと。誹風柳多留13「黒土にするぞとこはい―」
②笹で煤すす払いをすること。
ささはなさ‐づき【ささはなさ月】
陰暦8月の異称。
ささ‐はら【笹原】
笹の生えた地。ささわら。
ささ‐ひだ【笹襞】
袴の脇明けに斜めに畳む襞。笹の葉の形に似ているのでいう。
ささ‐ひみ【笹篊】
海浜の干潟ひがたに笹を立て並べて設けた垣。満潮の時、中に入って来た魚が、干潮に逃げ場を失い、集まったところをすくいとる。ささひび。→ひび
ささ‐ふ【笹生】
笹の生い茂ったところ。ささはら。ささう。万代和歌集雑「しげき―の行くさきるさに」
ささ‐ぶえ【笹笛】
笹の葉を口にあてて笛のように音を出すこと。また、その笹の葉。
ささ‐ぶき【笹吹き】
①(水中に笹葉をいれ、銀を流しこんで製したからいう)銀座で銀・銅を混合、溶かして通用銀・丁銀・小玉銀を鋳る時、品位を正確にするため量目の秤合かけあわせに用いる差銅さしどう。
②(→)笹掻ささがきに同じ。
ささ‐ぶき【笹葺き】
笹で屋根を葺ふくこと。また、その葺いた屋根や家。
ささ‐ぶせ【笹伏せ】
(→)柴漬ふしづけ1に同じ。
ささ‐ぶね【笹舟】
笹の葉でつくった舟。子供が水に浮かべて遊ぶもの。また、小さな舟。ささおぶね。
ささ‐ぶり【酒振り】
⇒さかぶり
ささ‐べ【細瓮】
小さい壺。
ささ‐べに【笹紅】
笹色のべに。→ささいろ
ささ‐べり【笹縁】
(古くはササヘリ。笹の葉の緑に色の変わった所があることからいう)衣服の縁や袋物の端などに、平たい組紐や布を裏から伏せて縫いくるめ、細くふちどったもの。
ささ‐ほ【笹帆】
竹を薄くはいで網代あじろに編んだ帆。長崎に渡来した中国船などが用いた。網代帆あじろぼ。
ささ‐ほ【笹穂】
笹の葉の形をした槍の穂先。
⇒ささほ‐がき【笹穂垣】
ささ‐ほうさ
だいなしになること。ささほさ。ちゃちゃほうちゃ。浄瑠璃、桂川連理柵「身代を―にする長右衛門」
ささ‐ほうし【小法師】‥ホフ‥
年の若い法師。小僧。こぼうし。
ささほ‐がき【笹穂垣】
(→)目塞垣めせきがきに同じ。
⇒ささ‐ほ【笹穂】
ささ‐ぼさつ【
】
〔仏〕「菩薩ぼさつ」の草冠くさかんむりを合わせた字。「菩薩」の略字として、仏書その他古書の書写に多く使われる。→ささてんぼだい
ささ‐まき【笹巻】
①笹巻鮨の略。
②菓子の一種。道明寺糒ほしいを蒸し、中に餡を包んで笹で巻いたもの。
⇒ささまき‐ずし【笹巻鮨】
ささまき‐ずし【笹巻鮨】
小形の握り鮨を笹の葉で巻いたもの。笹鮨。笹巻。→毛抜鮨
⇒ささ‐まき【笹巻】
ささ‐まくら【笹枕】
(→)草枕に同じ。
ざ‐さまさず【座不冷】
座をさまさずに。昼夜不断に修法を行う意。太平記29「―に勝軍毘沙門の法をぞ行ひける」
⇒ざさまさず‐の‐みしほ【座不冷の御修法】
ざさまさず‐の‐みしほ【座不冷の御修法】
(→)「ざさまさぬ秘法」に同じ。
⇒ざ‐さまさず【座不冷】
ざ‐さまさぬ‐ひほう【座不冷秘法】‥ホフ
密教で長日にわたり不断に修法すること。僧の座が常に温まっているからいう。増鏡「愛染王の―とり行はせらる」
ささ‐み【笹身】
(笹の葉の形をしているからいう)鶏の胸の部分の上質肉。→鶏肉(図)
ささ‐みず【細水】‥ミヅ
少しの水。続古今和歌集夏「―のあぜ越すまでになりにけるかな」
ささ‐みどり【笹緑】
竹の果実。ささのみ。(俚言集覧)
ざざ‐むし【ざざ虫】
カワゲラ・トビケラなどの水生幼虫の、信州地方での称。
ささ‐むしろ【笹蓆】
笹を編んでつくった蓆。夫木和歌抄9「風通ふ野守の宿の―」
ささ‐むすび【笹結び】
笹を、紐を結んだような形にしたもの。また、それをかたどった紋所・玩具など。新撰六帖6「逢ふ事は片違ひなる―よよの報いの契りつらしな」
ささめ【私語】
(サザメとも)「ささめごと」の略。浄瑠璃、心中二枚絵草紙「人目思はで肌触れて起きつ転まろびつ―して」
⇒ささめ‐ごと【私語】
ささめ【莎草】
チガヤに似た野草。編んで蓑みの・筵むしろなどにつくる。ささのみ。山家集「あやひねる―の小蓑きぬに着ん涙の雨もしのぎがてらに」
ざざ‐めか・す
〔他四〕
①ざわざわと音を立てる。源平盛衰記2「三枚皮威おどしの大荒目の鎧、草摺長に―・し」
②はなやかにする。飾る。毛詩抄「詩には―・いた事ばかり云て」
ささ‐めき【私語】
声をひそめて話すこと。ひそひそ話。
⇒ささめき‐ごと【私語】
さざ‐めき
さざめくこと。また、その音。
ささめき‐ごと【私語】
ひそひそ話。ささやきごと。ささめごと。源氏物語若菜上「うちうちに宣はする御―どもの」
⇒ささ‐めき【私語】
ささ‐め・く
〔自五〕
①声をひそめて話す。ささやく。枕草子120「別当など呼び出でてうち―・き物語して出でぬる」
②心が乱れさわぐ。日葡辞書「ムネガササメク」
さざ‐め・く
〔自五〕
(中世にはザザメク)声を立てていい騒ぐ。がやがやいう。騒がしい音がする。ざわざわする。平家物語4「つはものどもの四五百騎―・いてうち帰りける中に」。日葡辞書「ザザメキワタル」。「木の葉が―・く」「笑い―・く」
ささめ‐ごと【私語】
ひそひそ話。ささめきごと。多く男女間の睦言にいう。〈類聚名義抄〉
⇒ささめ【私語】
ささめごと【さゝめごと】
連歌論書。心敬著。2巻。1463年(寛正4)成立。和歌連歌一体・文芸仏教一如観に立って連歌の道を説く。
→文献資料[さゝめごと]
ささめ‐ゆき【細雪】
こまかに降る雪。また、まばらに降る雪。〈[季]冬〉
ささめゆき【細雪】
小説。谷崎潤一郎作。1946〜48年刊。第二次大戦中に起稿、官憲の干渉で中絶し、戦後に完成。大阪船場生れの美しい四人姉妹の生活と運命とを描く。伝統的な日本美を現代に生かした風俗絵巻で、作者の文学観を具体化した代表作。
→文献資料[細雪]
ささ‐も【笹藻】
〔植〕ヤナギモの別称。
ささ‐もち【笹餅】
①糝粉しんこで笹の葉の形につくった餅。花餅。
②笹の葉で包んだ餅。
ささ‐や【笹屋】
笹葺ぶきの小屋。夫木和歌抄30「ひなの―に幾夜とまりぬ」
ささ‐やか【細やか】
①小さくこまかいさま。さざやか。宇津保物語楼上上「小さき人々―なる碁盤に碁打ちゐたり」。
②小規模なさま。こぢんまりしたさま。「―な祝宴」「―に暮らす」
③わずか。形ばかり。「―な贈り物」
ささ‐やか・す
〔他四〕
静かにゆり動かす。
ささ‐やき【囁き・私語】
ささやくこと。「風の―」「―ごと」
⇒囁き千里
カンチク
撮影:関戸 勇
クマザサ
撮影:関戸 勇
チマキザサ
撮影:関戸 勇
メダケ
撮影:関戸 勇
ヤダケ
撮影:関戸 勇
②紋所の名。笹の葉・枝をとりあわせて描いたもの。仙台笹・上杉笹・鳥居笹・山口笹・雪持笹(笹の雪)・三枚笹・九枚笹など。
笹
さ‐さ【然然】
①(詳しく言うべきところを省略して)これこれ。しかじか。蜻蛉日記中「―の所よりなりけり」
②(同意して)そうそう。宇津保物語俊蔭「―これしていとようつかうまつるべかめり」
さ‐さ【些些】
わずかなさま。すこし。ちょっと。「―たる問題」
さ‐さ【瑣瑣】
こまかいさま。くだくだしいさま。
さ‐さ【細・小】
〔接頭〕
(サザとも)名詞に冠して、「わずかな」「小さい」「こまかい」の意を表す。ささら。さざれ。神代紀下「―貧鉤まちち」。「―波」
さ‐さ
〔感〕
①人を促し立てるときに発する声。さあさあ。いざ。
②神楽歌かぐらうた・民謡などの囃子はやしの声。
さ‐ざ
①声を立ててさわがしいさま。ざわざわ。栄華物語月宴「―と見騒げば、面いと赤くなりて」
②水の流れるさま。
ざ‐さ【坐作】
すわることとたつこと。たちい。動作。「―進退」
ざ‐ざ
①水などが勢い強く流れ注ぐさま。ざんざ。
②物のすれあう音。
③さわぎ立つさま。
ささ‐あめ【笹飴】
笹の葉に包んだ飴。もとは粟で作ったが、江戸後期からは糯米もちごめで作る。新潟県高田(現、上越市)の名産。
さ‐さい【些細・瑣細】
わずかな、取るに足りないこと。「―な事を気にする」
さざい【栄螺】
サザエの転。
⇒さざい‐がら【栄螺殻】
⇒さざい‐の‐ともしび【栄螺の灯火】
⇒さざい‐ばしご【栄螺梯子】
さざい【鷦鷯】
ミソサザイの古称。
ざ‐ざい【座剤・坐剤】
(→)座薬ざやくに同じ。
さざい‐がら【栄螺殻】
サザエの貝殻。転じて、拳骨げんこつ。にぎりこぶし。浄瑠璃、大経師昔暦「たぶさを取つて―二三十くらはせ」
⇒さざい【栄螺】
ささい‐こさい【支いこさい】
(→)「支えこさえ」に同じ。
さざい‐の‐ともしび【栄螺の灯火】
サザエの貝殻に油を入れた灯火。
⇒さざい【栄螺】
さざい‐ばしご【栄螺梯子】
螺旋らせん状に折れ曲がった階段。さざえばしご。
⇒さざい【栄螺】
ささ‐いろ【笹色】
濃い紅べにが乾いて黒色を帯びて青く光る色。
ささ‐う【笹生】‥フ
⇒ささふ
ささ・う【支ふ】ササフ
〔他下二〕
⇒ささえる(下一)
ささう‐かさなう【刺さふ重なふ】ササフカサナフ
(「刺す」「重ぬ」に接尾語フの付いた形)繰り返しさしかさねて。万葉集16「ま榛はりもちにほしし衣きぬに高麗錦ひもに縫ひつけ刺部重部ささうかさなう並み重ね着て」
ささえ【支え】ササヘ
①ささえること。ささえるもの。太平記16「敵の大勢なるを聞きて、一ひと―もせず京都まで遠引とおびきしたらんは」。「一家の―を失う」
②「ささえぐち」「ささえごと」の略。
⇒ささえ‐ぐち【支え口】
⇒ささえ‐こさえ【支へこさへ】
⇒ささえ‐ごと【支え言】
⇒ささえ‐じょう【支え状】
⇒ささえ‐だて【支えだて】
⇒ささえ‐ばしら【支え柱】
ささ‐え【小筒・竹筒】
酒を入れて携帯する竹筒。竹小筒たけささえ。廻国雑記「同行のうちに、―をたづさへける人ありて」
さざえ【栄螺・拳螺】
リュウテンサザエ科の巻貝。貝殻は厚く拳こぶし状、多くは棘とげ状の突起があるが、内海産でそれを欠くものもある。殻高約8センチメートル。外面は暗緑褐色、内面は平滑で真珠光沢がある。殻口は円く大きく、蓋ふたは石灰質で硬く渦巻状。肉は壺焼などにし、貝殻は貝ボタンをつくる。日本近海に多く、海藻を食う。水産業上の重要種。〈[季]春〉。出雲風土記「気多嶋…鮑あわび・―・蕀甲蠃うにあり」
さざえ
⇒さざえ‐どう【栄螺堂】
⇒さざえ‐の‐つぼやき【栄螺の壺焼】
⇒さざえ‐ばしご【栄螺梯子】
⇒さざえ‐わり【栄螺割】
ささえ‐ぐち【支え口】ササヘ‥
(→)「ささえごと」に同じ。浄瑠璃、ひぢりめん卯月紅葉「陰言・中言・―、立つてはふすべ、ゐてはそしり」
⇒ささえ【支え】
ささえ‐こさえ【支へこさへ】ササヘコサヘ
(コサエは音の近い語を加えて強めたもの)じゃまをすること。中傷。ささいこさい。浄瑠璃、新薄雪物語「一はな立つて―するやうなれど」
⇒ささえ【支え】
ささえ‐ごと【支え言】ササヘ‥
人を中傷すること。讒言ざんげん。ささえぐち。
⇒ささえ【支え】
さざえさん【サザエさん】
長谷川町子原作の漫画。1946年(昭和21)から夕刊フクニチで、51年からは朝日新聞で連載。三世代同居家庭の主婦サザエさんを中心に庶民の暮しをユーモラスに描く。のちテレビ‐アニメ化。
ささえ‐じょう【支え状】ササヘジヤウ
訴人の申出でに対して、支障を申し入れる文書。
⇒ささえ【支え】
ささえ‐だて【支えだて】ササヘ‥
じゃまをすること。じゃまだて。
⇒ささえ【支え】
さざえ‐どう【栄螺堂】‥ダウ
仏堂で、内部の階段を螺旋らせん状に造ったもの。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
さざえ‐の‐つぼやき【栄螺の壺焼】
サザエを殻のまま火の上であぶり焼き、醤油などで味を付けた料理。また、前もって身を取り出し、切り刻んでかまぼこ・ギンナン・ミツバなどと共に殻に入れて焼いたもの。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
さざえ‐ばしご【栄螺梯子】
⇒さざいばしご。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
ささえ‐ばしら【支え柱】ササヘ‥
物を支えるために立てる柱。しちゅう。
⇒ささえ【支え】
ささ・える【支える】ササヘル
〔他下一〕[文]ささ・ふ(下二)
(室町時代頃からヤ行に活用する例がみられる)
①物をおさえとめて、落ちたり倒れたりしないようにする。つっかう。徒然草「身の後には金こがねをして北斗を―・ふとも、人のためにぞわづらはるべき」。「傾きかけた塀を丸太で―・える」
②持ちこたえる。維持する。南海寄帰内法伝平安後期点「食は但懸うつけたるを支ササフばかり」。「一家のくらしを―・える」「国の繁栄を―・える」
③相手の攻勢をくいとめる。防ぎとめる。平家物語7「平家の兵共暫し―・へて防ぎけれども、こらへずして、そこをも遂に攻め落さる」
④通れないようにする。妨げる。中傷する。日葡辞書「ミチヲササユル」「ヒトヲササユル」
さざえ‐わり【栄螺割】
〔動〕ネコザメの別称。歯が強いのでいう。
⇒さざえ【栄螺・拳螺】
ささおか【小砂丘】‥ヲカ
姓氏の一つ。
⇒ささおか‐ただよし【小砂丘忠義】
ささおか‐ただよし【小砂丘忠義】‥ヲカ‥
生活綴方つづりかた運動の指導者。本姓、笹岡。高知県生れ。小学校校長等を務めたのち上京して、雑誌「教育の世紀」「鑑賞文選」の編集に従事。1929年、雑誌「綴方生活」の創刊に参画。(1897〜1937)
⇒ささおか【小砂丘】
ささ‐おぶね【笹小舟】‥ヲ‥
ささぶね。
ささ‐おり【笹折】‥ヲリ
①笹の葉で食物を包んだもの。
②経木きょうぎでつくった折。
ささ‐がき【笹垣】
笹竹で結ゆった垣。
ささ‐がき【笹掻き】
牛蒡ごぼうなどを笹の葉のように薄く細かく削ること。また、その削ったもの。ささぶき。
⇒ささがき‐なます【笹掻き膾】
ささがき‐なます【笹掻き膾】
大根をささがきにした膾。ささぶきなます。ひでりなます。
⇒ささ‐がき【笹掻き】
ささ‐がし【笹がし】
ササガキ(笹掻き)の訛。狂言、惣八「夫々、―にしてとやら仰せられた」
ささ‐がに【細蟹】
(平安時代以降、形が小さいカニに似ているところからいう)蜘蛛くもの異称。また、蜘蛛の網い。源氏物語賢木「浅茅が露にかかる―」
⇒ささがに‐の【細蟹の】
⇒ささがに‐ひめ【細蟹姫】
ささがに‐の【細蟹の】
〔枕〕
(奈良時代の「ささがねの」の転)「くも(蜘蛛・雲)」「い」「いと」にかかる。後拾遺和歌集雑「―曇らぬ空に雨のみぞ降る」
⇒ささ‐がに【細蟹】
ささがに‐ひめ【細蟹姫】
(蜘蛛はよく糸をかけるからいう)たなばたひめ。織女星。
⇒ささ‐がに【細蟹】
ささがね‐の
〔枕〕
(「ささがにの」の古形。一説に「小竹が根の」の意で、枕詞ではないとする)「くも(蜘蛛)」にかかる。允恭紀「わがせこが来べき宵なり―蜘蛛の行ひ今宵著しるしも」
ささ‐かまぼこ【笹蒲鉾】
笹の葉形に作った蒲鉾。仙台・塩釜の名産。笹の葉。
ささ‐がれい【笹鰈】‥ガレヒ
ヤナギムシガレイ、また、その一塩干しのこと。
ささかわ【笹川】‥カハ
姓氏の一つ。
⇒ささかわ‐りんぷう【笹川臨風】
ささがわ‐の‐しげぞう【笹川の繁蔵】‥ガハ‥ザウ
江戸後期の博徒。本姓、岩瀬。下総生れ。飯岡の助五郎らと争闘し、闇討ちに遭い惨殺。講談・浪曲の「天保水滸伝」などに脚色。(1810〜1847)
ささかわ‐りんぷう【笹川臨風】‥カハ‥
評論家。本名、種郎たねお。東京生れ。東大卒。雑誌「帝国文学」の編集に従事。日本近世の文学・美術に通暁。古典保存に尽力。著「日本絵画史」「東山時代の美術」など。(1870〜1949)
⇒ささかわ【笹川】
ささき【佐佐木・佐々木】
姓氏の一つ。
⇒ささき‐がんりゅう【佐々木巌流】
⇒ささき‐じゅんのすけ【佐々木潤之介】
⇒ささき‐そういち【佐々木惣一】
⇒ささき‐たかうじ【佐々木高氏】
⇒ささき‐たかつな【佐々木高綱】
⇒ささき‐たかゆき【佐佐木高行】
⇒ささき‐のぶつな【佐佐木信綱】
⇒ささき‐ひろつな【佐佐木弘綱】
ささぎ【豇豆】
ササゲの転。饅頭屋本節用集「小角豆、ササギ」
さざき【鷦鷯】
ミソサザイの古名。仁徳紀「斎槻いつきが上の―捕らさね」
ささき‐がんりゅう【佐々木巌流】‥リウ
江戸初期の剣客。通称、小次郎。越前の人とも毛利氏の臣ともいい、のち細川忠興に仕えた。燕返しの剣法を案出。船島(巌流島)で、宮本武蔵と闘って敗死。(    〜1612)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささ‐きげん【酒機嫌】
酒に酔った時の機嫌。さかきげん。
ささき‐じゅんのすけ【佐々木潤之介】
日本史学者。秋田県生れ。一橋大教授。近世初期の小農民自立論や幕末の世直し状況論等を提起。著「幕藩権力の基礎構造」「大名と百姓」「幕末社会論」など。(1929〜2004)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐そういち【佐々木惣一】
法学者。鳥取県生れ。大正期における天皇機関説と民本主義の有力な論者。滝川事件では京大教授団の中心となり、辞職後に立命館大学長。第二次大戦後は帝国憲法改正に参画。著「日本憲法要論」「立憲非立憲」など。文化勲章。(1878〜1965)
佐々木惣一
撮影:田沼武能
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐たかうじ【佐々木高氏】‥ウヂ
南北朝時代の武将。京極氏。法名、導誉。近江半国守護。足利尊氏に従い初期の室町幕府に重きをなし、出雲・飛騨の守護をも兼ねる。太平記にはバサラ大名として描かれているが、和歌・連歌に秀で、また近江猿楽を保護した。(1296〜1373)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐たかつな【佐々木高綱】
鎌倉初期の武士。源頼朝の家人。近江源氏の一族。四郎と称。1180年(治承4)石橋山の戦に殊功を立て、宇治川の戦に梶原景季と先陣を争い、名馬生唼いけずきに乗り第一となる。のち剃髪して高野に入り、西入と号したという。(    〜1214)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐たかゆき【佐佐木高行】
幕末・明治期の政治家。土佐藩士。通称、三四郎。幕末、志士として活動。新政府では参議・司法大輔・工部卿・宮中顧問官・枢密顧問官などを歴任。明治天皇の側近。伝記「保古飛呂比ほごひろい」。侯爵。(1830〜1910)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐のぶつな【佐佐木信綱】
歌人・国文学者。三重県生れ。東大卒。父弘綱の主宰した竹柏会を継ぎ、機関誌「心の花」を創刊。歌風は温和で平明。万葉集の研究でも知られる。歌集「思草」、著「日本歌学史」など。文化勲章。(1872〜1963)
佐佐木信綱
撮影:石井幸之助
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
ささき‐ひろつな【佐佐木弘綱】
国学者・歌人。号は竹柏園なぎその。信綱・印東昌綱の父。伊勢(三重県)生れ。足代弘訓あじろひろのりの門人。編著「日本歌学全書」。(1828〜1891)
⇒ささき【佐佐木・佐々木】
さ‐さく【茶杓】
⇒ちゃしゃく。油糟「若竹を―にせむと火を置て」
ささ・く
〔自四〕
にぎやかに、はなやいでふるまう意か。また、ささめく、はしゃぎさわぐ意などともいう。万葉集16「いにしへ―・きし我や」
ささ・ぐ【捧ぐ】
〔他下二〕
⇒ささげる(下一)
ささ‐くさ【笹草】
イネ科の多年草。西日本の山地に生ずる。高さ60〜90センチメートル。葉は広披針形で長さ20センチメートルに達する。花は緑色で、夏、頂に粗大な花穂をなす。ササノハグサ。
ささ‐ぐま【笹熊・貛】
アナグマの異称。
ささ‐ぐも【笹蜘蛛】
ササグモ科のクモ。体長約1センチメートル。背甲は長卵形で高く黄飴色。網を張らず、葉上をすばやく走行・跳躍して昆虫を捕らえる。日本・中国・朝鮮半島に分布。
ささ‐ぐり【小栗】
(→)柴栗しばぐりに同じ。倭名類聚鈔17「杬子、和名佐々久利」
ささ‐くれ
ささくれること。特に、指頭の爪ぎわの皮がむけること。さかむけ。
ささくれ‐だ・つ【ささくれ立つ】
〔自五〕
①ささくれた状態になる。「指先が―・つ」「―・った板」
②気持が荒れてすさんだ状態になる。
ささ‐く・れる
〔自下一〕
①物の先がこまかく裂けわかれる。「畳が―・れる」
②爪ぎわにささくれが出来る。
③気持がとげとげしくなる。「心が―・れる」
ささげ【捧げ】
①ささげること。
②(漁村語)頭に物を載せて運ぶこと。また、その人。
⇒ささげ‐つつ【捧げ銃】
⇒ささげ‐もの【捧げ物】
ささげ【豇豆・大角豆】
①マメ科の一年生作物。ヤッコササゲ(ハタササゲ)・ササゲ・ジュウロクササゲの3亜種がある。アフリカ中部の原産。9世紀頃に渡来。夏、淡紫色の蝶形花をつけ、秋、莢さやを結ぶ。暑さに強い。莢・種子を食用とする。ササギ。〈[季]秋〉。継体紀「荳角、此をば娑佐礙といふ」
ささげ
②歌舞伎の衣裳で、禿かむろなどの袖口に垂れている五色の紐。形がささげ豆に似る。
ささげ‐つつ【捧げ銃】
軍隊で銃を持っている時の敬礼の一種。両手で銃を体の中央前に垂直に保ち、受礼者の眼(敬礼すべきもの)に注目する。
⇒ささげ【捧げ】
ささげ‐もの【捧げ物】
神仏や目上の人に奉るもの。献上の品物。
⇒ささげ【捧げ】
ささ・げる【捧げる】
〔他下一〕[文]ささ・ぐ(下二)
(サシアグの約)
①両手で持ち、目よりも高くあげる。万葉集19「わが背子が―・げて持てる厚朴ほおがしわ」
②上へ高くあげる。見せびらかす。誇示する。竹取物語「つばくらめ子産まむとする時は尾を―・げて七度めぐりてなむ生み落すめる」。仮名草子、伊曾保「人としてわが誉ほまれを―・ぐる時は、人の憎みをかうむりて」
③高い大きな声を出す。栄華物語本雫「おとど御声を―・げて泣き罵り給へど」
④神仏や目上の者へ物をたてまつる。献上する。源氏物語若紫「所につけたる御贈物ども―・げ奉り給ふ」。平家物語2「卯月は垂跡すいしゃくの月なれども、幣帛を―・ぐる人もなし」。「この本を亡き師に―・げる」
⑤自分のもっているものをすべて相手にさし出す。「身も心も―・げる」「研究に一生を―・げる」
ささ‐ごい【笹五位】‥ヰ
〔動〕サギの一種。ゴイサギに似るが小さく、背面は暗緑青色、蓑毛みのげがあり、下面は淡灰色。頭には長い緑黒色の冠毛がある。水辺にすみ樹林に営巣。全世界の熱帯から温帯に分布。ミノゴイ。アムールサギ。
ササゴイ
撮影:小宮輝之
ささご‐て【捧ごて】
(上代東国方言)ささげて。万葉集20「父母も花にもがもや草枕旅は行くとも―行かむ」
ささ‐ごと【酒事】
さかもり。酒宴。さかごと。
ささご‐とうげ【笹子峠】‥タウゲ
山梨県の東部、甲州市から大月市に越す甲州街道の峠。標高1096メートル。現在は鉄道用・道路用のトンネルが開通。
ささ‐して【然然して】
〔副〕
(詳しく言うべきところを省略して)これこれの事情で。蜻蛉日記中「―ものしたりしかど、出でずなりにき」
ささしま‐やき【笹島焼】
江戸後期、文化(1804〜1818)の頃に、尾張の笹島(名古屋市中村区)で牧朴斎ぼくさいが始めた陶器。篠島焼。
ささじんササヂン
(女房詞)ぬかみそ。〈日葡辞書〉。男色大鑑「賤しずの家の糠みそ迄も―と言葉を改め」
ざさ‐しんたい【坐作進退】
たちいふるまい。挙動。
ささ‐ずし【笹鮨】
(→)「笹巻きずし」に同じ。
ささ‐たけ【笹竹・篠竹】
小さい竹類の総称。
⇒ささたけ‐の【篠竹の】
ささ‐たけ【笹茸】
竹林に生ずる茸きのこ。(和訓栞)
ささたけ‐の【篠竹の】
〔枕〕
(サスタケノの転か。一説に、禁苑を竹園ということから)「大内」「大宮人」にかかる。また竹の節を「よ」ということから「よ」にかかる。新勅撰和歌集賀「散りもせじ衣にすれる―大宮人のかざす桜は」。続古今和歌集雑「―わがよのほどの思ひ出に」
⇒ささ‐たけ【笹竹・篠竹】
ささ‐だんご【笹団子】
①団子を笹の葉で包んだ餅菓子。
②糯米もちごめと粳うるちの粉、砂糖、蓬よもぎの葉などを混ぜてこねた生地で小豆餡を包み、笹の葉で包んで蒸したもの。新潟の郷土菓子。
ささ‐ちまき【笹粽】
笹の葉で巻いた粽。〈[季]夏〉
さ‐さつ【査察】
情況を視察すること。「―使」「空中から―する」
ささ‐づくり【笹作り】
①笹の葉の模様を彫った金物を用いた刀剣の拵こしらえ。
②(「明徳記」による)足利家重代の太刀の名。
③刺身の作り方の一種。サヨリ・キスなどの身の細い魚を三枚におろし、斜めに切る。切り口の形が笹の葉に似るのでいう。
ささ‐づけ【笹漬】
三枚におろした魚を酢・塩でしめ、笹の葉と一緒に漬けたもの。
ささ‐づつ【酒筒】
酒を入れる筒。
ささっ‐ぱたき【笹っ叩き】
ササバタキの促音化。
ささ‐づま【笹褄】
(笹の葉のようにとがっているからいう)着物の褄の角が細くとがっているもの。
ささてん‐ぼだい【
】
〔仏〕「
ささぼさつ」の右脇に点を打った字。「菩提ぼだい」の略字として、仏書などの書写に使われる。→ささぼさつ
ささ‐ど【笹戸】
笹竹で作った戸。また、笹の葉の繁った門戸。ささのと。
ささ‐なき【小鳴き・笹鳴き】
冬に、鶯の鳴声がまだ調わず舌鼓を打つように鳴くこと。また、その鳴く声。〈[季]冬〉
さざ‐なみ【細波・小波・漣】
(古くは清音)
①細かに立つ波。さざれなみ。比喩的に、小さな争いごとなどにもいう。「両国間に―が立つ」
②琵琶湖の南西岸地方、また近江国の古名。細浪。楽浪。
⇒さざなみ‐の【細波の】
⇒さざなみ‐や【細波や】
さざなみ‐の【細波の】
①「滋賀」「大津」「長等」「比良」など近江国の地名に冠して枕詞のように用いる。
②(波が寄ることから)「寄る」「夜」と続けて枕詞のように用いる。
⇒さざ‐なみ【細波・小波・漣】
ささなみのやしゅう【泊洦舎集】‥シフ
(泊洦舎は作者の家号)歌集。8巻。清水浜臣遺稿中、主として短歌の部。1829年(文政12)刊。子の光房編。歌風は優雅。
さざなみ‐や【細波や】
(→)「さざなみの」に同じ。
⇒さざ‐なみ【細波・小波・漣】
ささ‐にごり【小濁り・細濁り・薄濁り】
水がすこし濁ること。
ささにしき
水稲粳うるちの一品種。1963年、末永喜三らが育成。多収で特に食味がよいため、東北地方中部から南部を中心に普及。
ささ‐の‐あお【篠の青】‥アヲ
襲かさねの色目。(→)「やなぎ」2に同じ。
ささ‐の‐いお【笹の庵】‥イホ
⇒ささのいおり。新古今和歌集恋「あふことは片野の里の―」
ささ‐の‐いおり【笹の庵】‥イホリ
笹で屋根を葺ふいた庵。草庵。ささのいお。
ささ‐の‐くま
(サヒノクマの訛)
⇒さひのくま(さ桧の隈)。古今和歌集神遊歌「―桧ひの隈川に駒とめて」
ささ‐の‐こ【笹の子】
(→)「篠すずの子」に同じ。〈[季]夏〉
ささの‐ごんざ【笹野権三】
浄瑠璃「鑓の権三重帷子やりのごんざかさねかたびら」の主人公。浅香市之進の妻おさいと不義の汚名を受け、携えて出奔、流浪の末、市之進に討たれる。
→文献資料[鑓の権三重帷子]
ささ‐の‐さいぞう【笹の才蔵】‥ザウ
福岡県博多・宮崎県佐土原で作る土偶。猿が裃かみしもに袴をはいた姿。壱岐には同じ姿を描いた札があり、いずれも疱瘡除ほうそうよけという。
ささ‐の‐つゆ【笹の露】
①笹の葉におく露。
②(酒を「ささ」と称するからいう)酒の異称。また、少量の酒。
ささのつゆ【笹の露】
地歌・箏曲。京風手事物てごともの。別名「酒」。島田両造作詞。菊岡検校作曲。八重崎検校箏手付。和漢の故事をつらねて酒の徳を礼賛したもの。
ささ‐の‐と【笹の戸】
(→)「ささど」に同じ。壬二みに集「咲き隠す野守が庵の―もあらはに置ける萩の朝露」
ささ‐の‐は【笹の葉】
①小竹の葉。
②(→)笹蒲鉾ささかまぼこに同じ。
⇒ささのは‐がき【笹の葉書き】
⇒ささのは‐がれい【笹の葉鰈】
⇒ささのは‐ぐさ【笹の葉草】
⇒ささのは‐べら【笹の葉倍良】
ささのは‐がき【笹の葉書き】
点画を笹の葉のように太く短く書くこと。また、そのように書いた文字。元代の禅僧中峰明本(1263〜1323)の筆跡。
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささのは‐がれい【笹の葉鰈】‥ガレヒ
小さいカレイをかさねて干したもの。このはがれい。
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささのは‐ぐさ【笹の葉草】
〔植〕ササクサの別称。
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささのは‐べら【笹の葉倍良】
ベラ科の海産の硬骨魚。全長25センチメートル。本州中部以南の沿岸に産。煮付けなどにする。→赤倍良
ササノハベラ
提供:東京動物園協会
⇒ささ‐の‐は【笹の葉】
ささ‐のみ【酒飲み】
⇒さけのみ。狂言、貰聟「わらはがつれやひ、何ともかともならぬ―でござるが」
ささ‐の‐み【酒の実】
(女房詞)酒粕。〈日葡辞書〉
ささ‐の‐み【笹の実】
①笹の果実。ささみどり。自然秔じねんご。
②(→)莎草ささめの別称。
ざさ‐の‐めい【座左の銘】
(→)「座右ざゆうの銘」に同じ。
ささ‐の‐や【笹の屋】
笹葺ぶきの家。ささのやどり。
ささ‐の‐ゆき【笹の雪】
①豆腐料理の一種。温めた絹ごし豆腐に葛餡くずあんをかけたもの。江戸下谷根岸の名物。
②武士が刀に付した名。笹に積もった雪がすぐ落ちるように首や胴がすぐに落ちることを表徴した語。
③紋所の名。雪持笹。→笹(図)
ささ‐はぎ【笹矧ぎ】
笹竹で作った小さな矢。源平盛衰記20「竹の小弓に―の矢」
ささ‐ばたき【笹叩き】
(ササッパタキとも)
①(→)湯立ゆだてに同じ。また、口寄くちよせをする巫女みこのこと。誹風柳多留13「黒土にするぞとこはい―」
②笹で煤すす払いをすること。
ささはなさ‐づき【ささはなさ月】
陰暦8月の異称。
ささ‐はら【笹原】
笹の生えた地。ささわら。
ささ‐ひだ【笹襞】
袴の脇明けに斜めに畳む襞。笹の葉の形に似ているのでいう。
ささ‐ひみ【笹篊】
海浜の干潟ひがたに笹を立て並べて設けた垣。満潮の時、中に入って来た魚が、干潮に逃げ場を失い、集まったところをすくいとる。ささひび。→ひび
ささ‐ふ【笹生】
笹の生い茂ったところ。ささはら。ささう。万代和歌集雑「しげき―の行くさきるさに」
ささ‐ぶえ【笹笛】
笹の葉を口にあてて笛のように音を出すこと。また、その笹の葉。
ささ‐ぶき【笹吹き】
①(水中に笹葉をいれ、銀を流しこんで製したからいう)銀座で銀・銅を混合、溶かして通用銀・丁銀・小玉銀を鋳る時、品位を正確にするため量目の秤合かけあわせに用いる差銅さしどう。
②(→)笹掻ささがきに同じ。
ささ‐ぶき【笹葺き】
笹で屋根を葺ふくこと。また、その葺いた屋根や家。
ささ‐ぶせ【笹伏せ】
(→)柴漬ふしづけ1に同じ。
ささ‐ぶね【笹舟】
笹の葉でつくった舟。子供が水に浮かべて遊ぶもの。また、小さな舟。ささおぶね。
ささ‐ぶり【酒振り】
⇒さかぶり
ささ‐べ【細瓮】
小さい壺。
ささ‐べに【笹紅】
笹色のべに。→ささいろ
ささ‐べり【笹縁】
(古くはササヘリ。笹の葉の緑に色の変わった所があることからいう)衣服の縁や袋物の端などに、平たい組紐や布を裏から伏せて縫いくるめ、細くふちどったもの。
ささ‐ほ【笹帆】
竹を薄くはいで網代あじろに編んだ帆。長崎に渡来した中国船などが用いた。網代帆あじろぼ。
ささ‐ほ【笹穂】
笹の葉の形をした槍の穂先。
⇒ささほ‐がき【笹穂垣】
ささ‐ほうさ
だいなしになること。ささほさ。ちゃちゃほうちゃ。浄瑠璃、桂川連理柵「身代を―にする長右衛門」
ささ‐ほうし【小法師】‥ホフ‥
年の若い法師。小僧。こぼうし。
ささほ‐がき【笹穂垣】
(→)目塞垣めせきがきに同じ。
⇒ささ‐ほ【笹穂】
ささ‐ぼさつ【
】
〔仏〕「菩薩ぼさつ」の草冠くさかんむりを合わせた字。「菩薩」の略字として、仏書その他古書の書写に多く使われる。→ささてんぼだい
ささ‐まき【笹巻】
①笹巻鮨の略。
②菓子の一種。道明寺糒ほしいを蒸し、中に餡を包んで笹で巻いたもの。
⇒ささまき‐ずし【笹巻鮨】
ささまき‐ずし【笹巻鮨】
小形の握り鮨を笹の葉で巻いたもの。笹鮨。笹巻。→毛抜鮨
⇒ささ‐まき【笹巻】
ささ‐まくら【笹枕】
(→)草枕に同じ。
ざ‐さまさず【座不冷】
座をさまさずに。昼夜不断に修法を行う意。太平記29「―に勝軍毘沙門の法をぞ行ひける」
⇒ざさまさず‐の‐みしほ【座不冷の御修法】
ざさまさず‐の‐みしほ【座不冷の御修法】
(→)「ざさまさぬ秘法」に同じ。
⇒ざ‐さまさず【座不冷】
ざ‐さまさぬ‐ひほう【座不冷秘法】‥ホフ
密教で長日にわたり不断に修法すること。僧の座が常に温まっているからいう。増鏡「愛染王の―とり行はせらる」
ささ‐み【笹身】
(笹の葉の形をしているからいう)鶏の胸の部分の上質肉。→鶏肉(図)
ささ‐みず【細水】‥ミヅ
少しの水。続古今和歌集夏「―のあぜ越すまでになりにけるかな」
ささ‐みどり【笹緑】
竹の果実。ささのみ。(俚言集覧)
ざざ‐むし【ざざ虫】
カワゲラ・トビケラなどの水生幼虫の、信州地方での称。
ささ‐むしろ【笹蓆】
笹を編んでつくった蓆。夫木和歌抄9「風通ふ野守の宿の―」
ささ‐むすび【笹結び】
笹を、紐を結んだような形にしたもの。また、それをかたどった紋所・玩具など。新撰六帖6「逢ふ事は片違ひなる―よよの報いの契りつらしな」
ささめ【私語】
(サザメとも)「ささめごと」の略。浄瑠璃、心中二枚絵草紙「人目思はで肌触れて起きつ転まろびつ―して」
⇒ささめ‐ごと【私語】
ささめ【莎草】
チガヤに似た野草。編んで蓑みの・筵むしろなどにつくる。ささのみ。山家集「あやひねる―の小蓑きぬに着ん涙の雨もしのぎがてらに」
ざざ‐めか・す
〔他四〕
①ざわざわと音を立てる。源平盛衰記2「三枚皮威おどしの大荒目の鎧、草摺長に―・し」
②はなやかにする。飾る。毛詩抄「詩には―・いた事ばかり云て」
ささ‐めき【私語】
声をひそめて話すこと。ひそひそ話。
⇒ささめき‐ごと【私語】
さざ‐めき
さざめくこと。また、その音。
ささめき‐ごと【私語】
ひそひそ話。ささやきごと。ささめごと。源氏物語若菜上「うちうちに宣はする御―どもの」
⇒ささ‐めき【私語】
ささ‐め・く
〔自五〕
①声をひそめて話す。ささやく。枕草子120「別当など呼び出でてうち―・き物語して出でぬる」
②心が乱れさわぐ。日葡辞書「ムネガササメク」
さざ‐め・く
〔自五〕
(中世にはザザメク)声を立てていい騒ぐ。がやがやいう。騒がしい音がする。ざわざわする。平家物語4「つはものどもの四五百騎―・いてうち帰りける中に」。日葡辞書「ザザメキワタル」。「木の葉が―・く」「笑い―・く」
ささめ‐ごと【私語】
ひそひそ話。ささめきごと。多く男女間の睦言にいう。〈類聚名義抄〉
⇒ささめ【私語】
ささめごと【さゝめごと】
連歌論書。心敬著。2巻。1463年(寛正4)成立。和歌連歌一体・文芸仏教一如観に立って連歌の道を説く。
→文献資料[さゝめごと]
ささめ‐ゆき【細雪】
こまかに降る雪。また、まばらに降る雪。〈[季]冬〉
ささめゆき【細雪】
小説。谷崎潤一郎作。1946〜48年刊。第二次大戦中に起稿、官憲の干渉で中絶し、戦後に完成。大阪船場生れの美しい四人姉妹の生活と運命とを描く。伝統的な日本美を現代に生かした風俗絵巻で、作者の文学観を具体化した代表作。
→文献資料[細雪]
ささ‐も【笹藻】
〔植〕ヤナギモの別称。
ささ‐もち【笹餅】
①糝粉しんこで笹の葉の形につくった餅。花餅。
②笹の葉で包んだ餅。
ささ‐や【笹屋】
笹葺ぶきの小屋。夫木和歌抄30「ひなの―に幾夜とまりぬ」
ささ‐やか【細やか】
①小さくこまかいさま。さざやか。宇津保物語楼上上「小さき人々―なる碁盤に碁打ちゐたり」。
②小規模なさま。こぢんまりしたさま。「―な祝宴」「―に暮らす」
③わずか。形ばかり。「―な贈り物」
ささ‐やか・す
〔他四〕
静かにゆり動かす。
ささ‐やき【囁き・私語】
ささやくこと。「風の―」「―ごと」
⇒囁き千里
広辞苑 ページ 7889 での【○雑魚の魚まじり】単語。