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○細石の巌となるさざれいしのいわおとなる🔗🔉

○細石の巌となるさざれいしのいわおとなる 「砂子いさご長じて巌となる」に同じ。古今和歌集「わが君は千世に八千世にさざれ石の巌となりて苔こけのむすまで」→いさご(成句) ⇒さざれ【細】 さざれ‐こなみ細小波(→)「さざなみ」1に同じ。 ⇒さざれ【細】 さざれ‐し細石】 サザレイシの約。万葉集14「信濃なる筑摩の川の―も」 ⇒さざれ【細】 さざれ‐すな細砂】 こまかい砂。まさご。 ⇒さざれ【細】 さざれ‐なみ細波(→)「さざなみ」1に同じ。「しきて」「まなく(間無く)」「やまず」「たちてもゐても」「いそ(磯)」を導く序として用いられることが多い。万葉集12「雨降る川の―間なくも君は思ほゆるかも」 ⇒さざれ【細】 さざれ‐みず細水‥ミヅ さらさらと音を立てて流れる水。夫木和歌抄26「底すみて浪こまかなる―」 ⇒さざれ【細】 ささ‐わけ笹分】 笹原を分けて行くこと。夫木和歌抄11「秋の野のをみなへしとる―に」 ささ‐わら笹原‥ハラ ⇒ささはら さ‐さわり障り‥サハリ (サは接頭語)さしさわりになること。じゃま。さまたげ。狂言、那須与一「源氏がたのうぢかみに、―をなさん事ひつぢやう也と」 さ‐さわ・る障る‥サハル 〔自四〕 (サは接頭語)さわりとなる。じゃまが生ずる。さまたげとなる。日葡辞書「モノニササワル」 ざ‐さん坐参・座参】 禅宗で、夕方師家に参禅する前に、僧堂で心を澄ませるために坐禅をすること。 さざん‐か山茶花‥クワ (字音サンサクヮの転)ツバキ科の常緑小高木。四国・九州から南西諸島の暖地に自生。高さ約3メートル。葉は厚い。秋から冬にかけて白花を開く。八重咲・一重咲、淡紅・濃紅など園芸品種が多く、庭園・生垣などに植栽。種子は大きく、油を採る。材は細工物にする。ヒメツバキ。漢名、茶梅。〈[季]冬〉 さざんか サザンカ(花) 提供:ネイチャー・プロダクション サザン‐クロスSouthern Cross】 〔天〕(→)南十字ざざんざ ①ざんざめくさま。うたいさわぐさま。 ②風の音。狂言、茶壺「―、浜松の音は―」 ③俗謡の囃子言葉。また、「ざざんざ節」の略。 ⇒ざざんざ‐ぶし【ざざんざ節】 ざざんざ‐ぶしざざんざ節】 流行唄はやりうた。多く狂言小歌にとられ、江戸時代まで流行。 ⇒ざざんざ ササン‐ちょう薩珊朝‥テウ (Sāsān)イランの王朝。パルティアを滅ぼして建国。始祖はアルダシール1世。ゾロアスター教を国教とし、東ローマ・エフタルとしばしば抗争、ホスロー1世の時に全盛、同2世の時、版図はシリアからインダス川に及んだが、その後国力は疲弊、アラブのイスラム軍に滅ぼされた。サーサーン朝。(224〜651) さし差し】 [一]〔名〕 ①(「尺」とも書く)長短をはかる具。ものさし。 ②二人ですること。 ㋐さしむかい。人情本、縁結娯色糸えんむすびごしきのいと「併し―ぢや飲めねえね」。「―で話す」 ㋑さしにない。「―でかつぐ」 ③さしさわり。歌舞伎、小袖曾我薊色縫「御新造の前では―であつた」 ④さしとおすもの。 ㋐(「釵子」とも書く)かんざし。 ㋑(「刺」「指」とも書く)米刺こめさし。 ㋒(「緡」とも書く)銭差ぜにさし。狂言、緡縄さしなわ「いや―がなうて。えつながなんだ」 ⑤(普通「サシ」と書く)能の構成要素の一つ。拍子に合わせない謡で、ごく単純な節で言い流す一節。 ⑥舞楽・能などで、手をさし出す類の動作。また、舞曲を数えるのに用いる語。「一―舞う」 ⑦下級の女官。おさし。 [二]〔接頭〕 動詞に冠して語勢を強め、あるいは調える。万葉集11「雷神なるかみのしまし響とよもし―曇り」。「―招く」「―出す」「―迫る」 さし】 (古代朝鮮語)しろ。継体紀「―を子呑しとん・帯沙たさに築きて」 さし蠁子】 ①釣魚の餌として、魚の頭などで人工的に繁殖させたキンバエ類の幼虫。 ②糠味噌ぬかみそ・酒粕などにつく小さい蛆うじ。ショウジョウバエの幼虫。 さ‐し左史】 昔、中国で、右史ゆうしと共に君側にいて君主の言動を記録した史官。 さ‐し左思】 西晋の詩人。字は太沖。山東臨淄りんしの人。その詩は不遇を嘆き、門閥社会の矛盾を指弾するものが多い。著「左太沖集」。(250?〜305?)→三都賦→洛陽の紙価を高める さし沙市】 (Shashi)中国湖北省長江北岸の港湾都市。下関条約により1895年開港。紡績を中心とする軽工業が盛ん。1996年以降、荊州けいしゅう市の一部。 さ‐し砂嘴】 〔地〕沿岸流によって運ばれた砂礫されきが湾口の一方の端から海中に細長く堆積して堤状をなすもの。駿河湾の三保の松原の類。しゃし。 さ‐し渣滓】 かす。おり。 さ・し狭し】 〔形ク〕 せまい。万葉集5「天地は広しといへど吾が為は―・くやなりぬる」 さし止し】 〔接尾〕 動詞の連用形に添えて中止の状態を表す語。「飲み―」「読み―」「言い―」 さじ匙・匕】 (「茶匙」の字音から)柄の先に小皿状の部分がついた、液体や粉末をすくいとる道具。スプーン。下学集「茶匙、サジ」 ⇒匙を投げる さ‐じ瑣事・些事】 少しばかりのこと。つまらないこと。「―にこだわる」 ざ‐し座視・坐視】 そばで見ているだけで、関与しようとしないこと。傍観。「―するに忍びない」 ざし差し】 〔接尾〕 ある語に添えて物の姿・状態を表す語。「枝―」「おも―」 ざ‐じ座次】 座の次第。席順。 さし‐あい差合・指合‥アヒ (サシヤイとも) ①向かい合うこと。応対。 ②かちあってうまくないこと。さしつかえ。さしさわり。狂言、どちはぐれ「幸ひ今朝は―も御座らぬ」 ③連歌や俳諧で、去嫌さりきらいの法則上避けるべき関係にあること。無言抄「―など少し近き事ありとも」 ④他人の前で遠慮すべき言語や行動。さしさわり。当りさわり。 ⑤月経中であること。 ⇒さしあい‐く・る【差合繰る】 ⇒さしあい‐み【差合見】 さしあい‐く・る差合繰る‥アヒ‥ 〔他四〕 (連歌・俳諧の席で、差合の有無を書物を繰って調べ、注意を与えることから)互いのさしつかえを遠慮する。「さしあいをくる」とも。 ⇒さし‐あい【差合・指合】 さしあい‐み差合見‥アヒ‥ 連歌・俳諧を興行する時、その差合の有無を吟味すること。また、その役。 ⇒さし‐あい【差合・指合】 さし‐あ・う指し合ふ‥アフ 〔他四〕 いいあらそう。いいあう。非難し合う。太平記27「譬へば山賊と海賊と寄り合つて互ひに犯科の得失を―・ふが如し」 さし‐あ・う差し合う‥アフ 〔自五〕 ①出合う。でくわす。一つになる。落窪物語1「小路切りに辻に―・ひぬ」 ②かちあって不都合になる。さしつかえる。さしさわりがある。新古今和歌集「これかれ誘ひけるを―・ふ事ありて留まりて」 さし‐あお・ぐ差し仰ぐ‥アフグ 〔自四〕 上を向く。あおぐ。竹取物語「えとどむまじければ、ただ―・ぎて泣きをり」 さし‐あが・る差し上がる】 〔自四〕 (日や月などが)あがる。のぼる。源氏物語藤袴「月くまなく―・りて、空のけしきも艶えんなるに」 さしあげ‐もの差上げ物】 人にさしあげる品物。ささげもの。献上品。 さし‐あ・げる差し上げる】 〔他下一〕[文]さしあ・ぐ(下二) ①上へあげる。たかくあげる。「岩を頭上に―・げる」 ②声の調子を高くする。宇治拾遺物語9「声を―・げて泣く泣く飲む」 ③㋐「与える」の謙譲語。「あげる」より敬意が高い。献上する。「この本を―・げましょう」 ㋑動詞連用形に、「て(で)」の付いた形に添えて、「(…して)やる」の謙譲語。「(…して)あげる」より敬意が高い。「読んで―・げましょう」 さし‐あし差し足】 音を立てないようにつま先立てて歩くこと。好色五人女3「―して立ちのき」。「抜き足―」 さし‐あたっ‐て差し当って】 〔副〕 (→)「さしあたり」に同じ。 さし‐あたり差し当り】 〔副〕 ①この場合。今のところ。当面。さしあたって。「―これで間に合う」 ②さしせまって。突然。好色五人女1「清十郎又―、是はと悦ぶ時」 さし‐あた・る差し当たる】 〔自五〕 その場合に臨む。当面する。源氏物語若菜上「―・りたるただ今のことよりも」 さし‐あつま・る差し集まる】 〔自四〕 「あつまる」を強めていう語。栄華物語鶴林「御堂御堂の僧など―・りて、かいひざをして」 さし‐あて‐て差し当てて】 〔副〕 直接に。じかに。むきだしに。日葡辞書「サシアテテイケンヲイウ」 さし‐あ・てる差し当てる】 〔他下一〕[文]さしあ・つ(下二) ①直接にあてる。じかにあてがう。源氏物語夕顔「壁の中のきりぎりすだに、間遠に聞きならひ給へる御耳に、―・てたるやうに鳴き乱るるを」 ②命じて、その事に当たらせる。源氏物語浮舟「宿直とのいに―・てなどしつつ」 ③めざしてそれときめる。今昔物語集17「弓を取りて矢を番つがひて強く引きて持経者の腹に―・てて射るに」 さし‐あぶら差し油】 ①灯火に油を注ぎ足すこと。また、その油。枕草子108「除目じもくの中の夜―するに」 ②機械に油をさすこと。また、その油。 さし‐あみ刺網】 海中に垣のように張り、魚を網目に刺させ、またはからませて捕獲する帯状の網。上層に流し網または浮刺網、海底に底刺網を用いる。 さし‐あや・す差し零す】 〔他四〕 血をしたたらす。宇津保物語梅花笠「爪もとより血を―・して」 さし‐あゆ・む差し歩む】 〔自四〕 「あゆむ」を強めていう語。あるく。枕草子77「すくずくしう―・みて」 さし‐あわ・す差し合す‥アハス 〔他下二〕 一つに合わせる。いっしょにする。源氏物語行幸「御心を―・せてのたまはむこと」 さし‐あわせ差合せ‥アハセ(→)「さしにない」に同じ。 ②持ち合わせていること。急の用に役立てること。また、そのもの。世間胸算用5「たからは身の―」 さし‐い・ず射し出づ・差し出づ‥イヅ 〔自下二〕 ①光が照り出す。万葉集11「山の端に―・づる月のはつはつに」 ②立ちでる。外に出る。伊勢物語「―・でたる石あり」 ③分を越えて進み出る。ですぎる。ですぎたことをする。枕草子28「―・でて、我ひとりさいまくる者」 さし‐いそ・ぐ差し急ぐ】 〔自五〕 「いそぐ」を強めていう語。 さし‐いだ・す差し出す】 〔他五〕 ①「いだす」を強めていう語。さしだす。 ②提出する。さしあげる。 ③送り出す。発送する。 さし‐いで差出で】 さしでがましいこと。でしゃばり。枕草子28「すべて―は、童も大人もいと憎し」 ⇒さしいで‐ぐち【差出で口】 さしいで‐ぐち差出で口⇒さしでぐち ⇒さし‐いで【差出で】 さし‐いらえ差し応へ‥イラヘ ①応答。返事。源氏物語夕顔「え―も聞えず」 ②相手をすること。合奏などをすること。源氏物語宿木「ひとりごとはさうざうしきを、―し給へかし」 さし‐い・る射し入る】 〔自五〕 光がさしこむ。源氏物語桐壺「月かげばかりぞ、八重葎にもさはらず―・りたる」 さし‐い・る差し入る・挿し入る】 [一]〔自四〕 中へはいる。 [二]〔他下二〕 ⇒さしいれる(下一) さし‐いれ差入れ】 ①中に入れること。 ②ある所に閉じ込められている者、特に留置または拘留されている者に、外部から物品を届けること。また、その物品。「衣類の―をする」 ③仕事で忙しい職場などに、激励・慰問のため飲食物を届けること。また、その物。「ウィスキーを―する」 さし‐い・れる差し入れる・挿し入れる】 〔他下一〕[文]さしい・る(下二) 中へ入れる。いれこむ。特に、「差入れ」2・3をする。 さし‐う・く差し受く】 〔他下二〕 「受く」を強めていう語。徒然草「酒を出したれば、―・け―・け、よよと飲みぬ」 さし‐うば差し乳母】 乳児に乳を飲ませるだけのうば。そえうば。おさし。 さし‐うら差し裏】 腰にさす刀の鞘の内方、すなわち身体の方に向かった側。↔差し表 さし‐うり緡売】 江戸時代、銭緡ぜにさしを売り歩いた人。武家の中間ちゅうげんなどが商店に持参して押売りすることが多かった。転じて、押売り。 さし‐え挿絵‥ヱ 新聞・雑誌・書物などの紙面に挿し入れた、文章に関係のある絵。「―画家」 サジェスチョンsuggestion】 暗示。示唆。提案。サジェッション。 サジェストsuggest】 暗示すること。示唆すること。 さし‐えびら指箙・差箙】 方立ほうだてを木で差し合わせて箱とし、木地のまま透漆塗すきうるしぬりとした箙。 さし‐おうぎ差し扇‥アフギ ①扇をさしかざして顔をかくすこと。また、その扇。謡曲、藤栄「この上は―をのけられ候へ」 ②能の動作の一つ。後退しながら、右にあげた扇を目の前に水平にさし出すようにする型。 さし‐お・く差し置く】 〔他五〕 ①「おく」をつよめていう語。 ②そのままに捨ておく。放っておく。源氏物語野分「心にかけて恋しと思ふ人の御事は―・かれて」。「仕事を―・いて外出する」 ③当然すべき人をとび越して事をする。「当人を―・いて決める」 さし‐おさえ差押え‥オサヘ 〔法〕 ①広義では、国家権力をもって特定の有体物または権利について私人の事実上または法律上の処分を禁ずる行為。 ②狭義では、特に金銭債権についての強制執行の第一段階として、執行機関が債務者の財産の事実上または法律上の処分を禁止するためになす強制行為。 ③刑事訴訟上は押収の一種であり、強制力を用いてする場合をいう。→押収⇒さしおさえ‐きんし‐ざいさん【差押え禁止財産】 さしおさえ‐きんし‐ざいさん差押え禁止財産‥オサヘ‥ 民事執行手続・租税徴収手続で差押えをしてはならないとされる財産。破産手続でも破産管財人に移らず破産者の手元に残される。生活保護法・恩給法・民事執行法・国税徴収法などで定める。 ⇒さし‐おさえ【差押え】 さし‐おさ・える差し押さえる‥オサヘル 〔他下一〕[文]さしおさ・ふ(下二) ①「おさえる」を強めていう語。とどめる。 ②差押えをする。「証拠物件を―・える」 さじ‐おもだか匙沢瀉】 オモダカ科の多年草。池沼に生える。高さ50〜70センチメートル。オオバコの葉に似るが、ずっと大きく葉柄も長い。夏、長い花茎を出し白色に紅いぼかしのある3弁花を多数総状につける。乾した根茎は生薬の沢瀉たくしゃ(信州沢瀉ともいう)で、漢方で利水薬とする。物類称呼「沢瀉、おもだか、畿内にて、さじおもだかと称す」 さし‐おもて差し表】 腰にさす刀の鞘の外側。↔差し裏 さし‐か・う差し交ふ‥カフ 〔他下二〕 互いに交え合わせる。交差させる。万葉集8「真玉手の玉手―・へあまた夜も寝てしかも」 さし‐かえ差替え・差換え‥カヘ ①(サシガエとも)差し替えること。また、その物。予備。特に刀にいう。浄瑠璃、傾城島原蛙合戦「なんと、身が―の刀、ここにも有るか」 ②(印刷用語)誤字や組版の違いなどを正すため、校正の指示どおりに活字を入れ替えたり組み替えたりすること。 さし‐かえし差返し‥カヘシ 天皇から盃を与えられた時、酒を移して飲むための盃。源氏物語宿木「―賜はりて、下りて舞踏し給へるほど」 さし‐かえ・る差し帰る‥カヘル 〔自四〕 棹をさして帰る。源氏物語橋姫「―・る宇治の川をさ」 さし‐か・える差し替える・挿し替える‥カヘル 〔他下一〕[文]さしか・ふ(下二) ①とりかえる。源氏物語紅葉賀「似つかはしからぬ扇のさまかなと見給ひて、わが持給へるに―・へて見給へば」。「記事を―・える」 ②前の物に替えて挿す。源氏物語紅葉賀「御前なる菊を折りて、左大将―・へ給ふ」。「かんざしを―・える」 さし‐かか・る差し掛かる】 〔自五〕 ①その場に臨む。その時期になる。「峠に―・る」「雨期に―・る」 ②まぎわになる。さしせまる。狂言、山立聟「―・つた事で御座れば、断りを云うて、後から送らせられい」 ③上からおおいかぶさる。好色一代男1「世之介四阿屋あずまやの棟に―・り」 さし‐かく・す差し隠す】 〔他五〕 (扇・袖などを)かざしてかくす。源氏物語横笛「まろ、顔は隠さむ。なほなほとて、御袖して―・し給へば」 さし‐かけ指し掛け】 将棋で、勝負が決しないままで一時休止すること。 さし‐かけ差掛け】 ①物をさしかけること。 ②母屋もやにかけて庇ひさしのようにさし出してつくった部分。 ③浅沓あさぐつの一種。四位以下の人がはいたもの。 ⇒さしかけ‐がさ【差掛け傘】 さしかけ‐がさ差掛け傘】 後方からさしかける長柄の傘。 ⇒さし‐かけ【差掛け】 さし‐か・ける指し掛ける】 〔他下一〕[文]さしか・く(下二) 将棋を途中までさして、いったん休止する。 さし‐か・ける差し掛ける】 〔他下一〕[文]さしか・く(下二) ①盃をさし向ける。蜻蛉日記「土器かわらけ―・けられ」 ②かさなどを上からかざす。狂言、末広がり「内へ入つて―・けい」 ③寄りかからせる。 さじ‐かげん匙加減】 ①薬を調合するさいの加減。 ②状況に応じた手加減の加え方。手ごころ。 さし‐がさ差し傘】 かぶり笠に対して、手でさすからかさ。さしからかさ。 さし‐かざ・す差し翳す】 〔他五〕 ①「かざす」を強めていう語。 ②手にもってふりあげる。「太刀を真向うに―・す」 さし‐かた差し肩】 高く張って水平になった肩。いかり肩。今昔物語集24「丈高くて―にて見苦しかりけるを」↔撫肩なでがた さし‐がた矩形】 長方形。くけい。 さし‐がたな差し刀】 腰に差している刀。 さし‐かた・める差し固める・鎖し固める】 〔他下一〕[文]さしかた・む(下二) ①門・戸などを堅くとざす。固く警戒する。源氏物語横笛「こはなど、かく―・めたる」 ②厳重に身ごしらえをする。平治物語「腹巻に小具足―・めて」 さし‐がね差し金】 ①(「指矩」とも書く)(→)「まがりがね(曲尺)」に同じ。 ②文楽の人形の左手に取り付けられ、手首や指を動かす棒と紐ひもの仕掛け。 ③歌舞伎の小道具。蝶・鳥などを操る黒塗りの細い竹ざお。 ④転じて、陰で人をそそのかしあやつること。「局長の―で動く」 ⑤⇒さしきん さし‐かまい差し構い‥カマヒ (多く「―ない」の形で用いる)不都合だとしてさしとめたり、咎めたりすること。 さし‐かま・う差し構ふ‥カマフ [一]〔他下二〕 待ちかまえる。準備する。日葡辞書「サシカマエタルニンジュ(人数)」 [二]〔他四〕 おさえとどめる。異議を申し立てる。浄瑠璃、曾我会稽山「畏つてお請け申すところ、榛谷の四郎―・ひ」 さし‐がみ指し紙・差し紙】 ①江戸時代、奉行所が人民を召喚するために発した出頭命令書。御召状。 ②蔵米の落札人が米商に発行した切手。 ③芸者・娼妓が、新しく出るひろめの時、半紙を縦に四つに切ったほどの細長い紙に名前や風体などを記して、茶屋・揚屋に配るもの。傾城禁短気「―僉議して見し内に」 さし‐がめ刺椿象・刺亀虫】 カメムシ目サシガメ科の昆虫の総称。触角が細長く、口吻は短くて湾曲する。世界中で6000種以上、日本に約70種。多くはほかの昆虫を捕らえて吸血するが、人を刺す衛生害虫もある。 さし‐かもい差鴨居‥ヰ 柱に枘差ほぞざしでつないだ、普通より高い鴨居。さしもの。→四方差しほうざし(図) さし‐からかさ差し傘(→)「さしがさ」に同じ。 さし‐かり指狩】 僧侶の着用した、指貫さしぬきに似た袴。 さし‐かわ・す差し交わす‥カハス 〔他五〕 交差させる。互いにさし合う。「木々が枝を―・す」「盃を―・す」 さし‐き挿し木】 植物の無性繁殖法の一つ。果樹・花木などの枝を切りとり、下端を地中に挿入し、不定根を発生させて新株をつくる。〈[季]春〉 ⇒さしき‐つぎ【挿し木接ぎ】 さし‐ぎ差し木】 戸などをさし固めるための木。 さ‐じき桟敷】 ①祭の行列などを見物するために高く構えた床。さんじき。宇津保物語藤原君「加茂川のほとりに―打ちて」 ②劇場・相撲場などで、板を敷いて土間どまより高く構えた見物席。江戸時代、芝居小屋では土間の左右に上下2段の桟敷席を構えた。 ⇒さじき‐あぶり【桟敷焙り】 ⇒さじき‐どの【桟敷殿】 ⇒さじき‐や【桟敷屋】 ざ‐しき座敷】 (昔の屋内は板張りで、茵しとね・円座などを敷いてすわったから、座を敷くという) ①すわるべき所。居場所。平家物語1「はるかにさがりたる所に―しつらうてをかれたり」 ②畳を敷きつめた部屋。特に、客間。「客を―に通す」 ③接客または酒宴の席。また、その取持ち。「―が長い」「―をつとめる」 ④(普通「お―」の形で)芸人・芸妓などが客に招かれること。「お―がかかる」 ⑤能楽で、見物席を指す古い用語。 ⇒ざしき‐あんどん【座敷行灯】 ⇒ざしき‐おどり【座敷踊】 ⇒ざしき‐ぎ【座敷着】 ⇒ざしき‐げい【座敷芸】 ⇒ざしき‐こじき【座敷乞食】 ⇒ざしき‐じょうるり【座敷浄瑠璃】 ⇒ざしき‐じょちゅう【座敷女中】 ⇒ざしき‐のう【座敷能】 ⇒ざしき‐のぼり【座敷幟】 ⇒ざしき‐もち【座敷持】 ⇒ざしき‐ろう【座敷牢】 ⇒ざしき‐わらし【座敷童】 さじき‐あぶり桟敷焙り】 興行物で、桟敷2にあがる客のないこと。 ⇒さ‐じき【桟敷】 ざしき‐あんどん座敷行灯】 茶席に用いる行灯。 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐おどり座敷踊‥ヲドリ 遊里で、揚屋の大広間などで遊女が大勢で踊ること。また、その踊り。 ⇒ざ‐しき【座敷】 さしき‐かごうぶつ鎖式化合物‥クワガフ‥ 分子内に環状構造を含まない有機化合物の総称。枝分れのない鎖を直鎖、枝を側鎖という。 ざしき‐ぎ座敷着】 芸妓・芸人などが座敷に出る時に着る着物。 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐げい座敷芸】 酒宴の席など座敷で演ずる芸。 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐こじき座敷乞食】 連歌師・俳諧師をあざけって呼んだ称。 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐じょうるり座敷浄瑠璃‥ジヤウ‥ 酒宴などの興を添えるために語る素浄瑠璃。 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐じょちゅう座敷女中‥ヂヨ‥ 料理屋・旅館などで座敷に出て客に応接する女中。 ⇒ざ‐しき【座敷】 さし‐きず刺し傷】 とがったもので突いてできた傷。 さし‐ぎちょう差し几帳・指し几帳‥チヤウ 昔、貴婦人が外出する時、その顔を隠すため左右の従者に几帳をささげて歩かせたこと。また、その几帳。歩障ほしょうさしき‐つぎ挿し木接ぎ】 接木法の一つ。根のない台木に接木してから挿し木を行い、発根と同時に台木と穂3を癒着させる方法。主としてブドウに行われる。 ⇒さし‐き【挿し木】 さじき‐どの桟敷殿】 眺望を良くするため、桟敷1風に構えた家。さじきや。栄華物語玉台「大炊御門の焼けにし後、この―に中納言殿住み給ふに」 ⇒さ‐じき【桟敷】 ざしき‐のう座敷能】 座敷で演ずる能。舞台で演ずる能に対していう。 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐のぼり座敷幟】 端午の祝いに、座敷に立てる小さい五月幟。〈[季]夏〉 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐もち座敷持】 (専用の座敷を持つことからいう)江戸中期以後、新吉原や品川などの遊里で、部屋持ちの上に位した遊女。吉原細見さいけんには入山形いりやまがたの印がついた。 ⇒ざ‐しき【座敷】 さじき‐や桟敷屋(→)桟敷殿さじきどのに同じ。 ⇒さ‐じき【桟敷】 さし‐きり指し切り】 将棋で、これ以上の攻める手段がなくなること。 さし‐き・る指し切る】 〔自五〕 将棋で、指し切りにおちいる。 さし‐き・る差し切る】 〔自四〕 ①さしせまる。〈日葡辞書〉 ②思い切る。曾我物語3「―・りて申されんには」 ざしき‐ろう座敷牢‥ラウ 牢のように厳重に仕切って、外へ出られないようにした座敷。甲陽軍鑑4「義信公…子の歳より―に入まいらせられ候」 ⇒ざ‐しき【座敷】 ざしき‐わらし座敷童】 東北地方の旧家に住むと信じられている家神。小児の形をして顔が赤く、髪を垂れているという。枕返しなどのいたずらもするが、居なくなるとその家が衰えるという。 ⇒ざ‐しき【座敷】 さし‐きん差金】 ①(→)内金うちきんに同じ。 ②不足のおぎないに出す金銭。さきん。 ⇒さしきん‐とりひき【差金取引】 さし‐ぎん差銀】 ①(→)内金うちきんに同じ。 ②江戸時代、金貨を鋳造する時に混合した銀。→差銅さしどう さしきん‐とりひき差金取引⇒さきんとりひき ⇒さし‐きん【差金】 さし‐く指し句】 俳諧の席上で、月や花の句などの場合、一座の様子によって宗匠が座中の一人を指名して付句をさせること。 さし‐ぐし挿し櫛】 女の頭髪の飾りに挿す櫛。江戸時代以後、鼈甲べっこうなどで作る。播磨風土記「即やがて―を以ちて、其の流るる水を塞きて」 さし‐ぐすり差し薬・注し薬】 ①目にさしてつかう薬。また、堕胎薬。〈日葡辞書〉 ②皮下注射に用いる薬。 さし‐くち指し口・差し口】 他の木の一端をとりつけるため横面にうがった枘穴ほぞあなさし‐ぐち差し口】 (サシクチとも) ①他から申し入れたことば。つげ口。密告。 ②入口。狂言、筑紫の奥「うかうか往たれば、つい―にござつて叱られておりやる」 ③冒頭。片言かたこと2「書物の―に、そもそもと書き出すはくるしからずとかや」 さしぐみ (サシクミとも)さっそく。不意。いきなり。源氏物語宿木「あながちに隠すべきにはあらねど、―はなほいとほしきを」 さし‐く・む差し汲む】 〔他四〕 手を伸ばして汲み取る。蜻蛉日記「雲ゐよりこちくの声を聞くなへに―・むばかり見ゆる月影」 さし‐ぐ・む差し含む】 〔自五〕 なみだぐむ。後撰和歌集「いにしへの野中の清水見るからに―・むものは涙なりけり」 さし‐くも・る差し曇る】 〔自四〕 「曇る」を強めていう語。万葉集11「雷神なるかみのしまし響とよもし―・り雨も降らぬか君をとどめん」 さし‐く・る差し呉る】 〔他下二〕 馬に乗っていて手綱をゆるめる。曾我物語1「主も屈強の馬乗りにて、…―・れてこそ歩ませけれ」 さし‐く・る差し繰る】 〔他五〕 さしつかえのないように都合をつける。くりあわせる。「時間を―・る」 さし‐ぐれ差し榑】 屋根の榑板くれいたをさしかえること。世間胸算用3「こけら葺きの屋根もそこねぬうちに―したり」 さし‐くわ・える差し加える‥クハヘル 〔他下一〕[文]さしくは・ふ(下二) 「加える」を強めていう語。つけ加える。 さし‐くわ・す差し食はす‥クハス 〔他下二〕 ①矢を弦に当てる。つがえる。源平盛衰記41「矢―・せて判官に向かひ」 ②切込きれこみなどに物をはめ込む。〈日葡辞書〉 さし‐げ差し毛】 ①動物の毛並みで、異なる毛色がまじること。また、その毛。「―のある馬」 ②かぶとや帽子にさした羽毛。 さし‐げた指桁】 柱などに枘差ほぞざしにした桁。 さし‐げた差下駄】 差歯さしばの下駄。差歯下駄。 さし‐こ刺子】 綿布を重ね合わせて、一面に1針抜きに細かく縫ったもの。丈夫であるから、消防服や柔道着などに用いる。さしっこ。 ⇒さしこ‐おり【刺子織】 ⇒さしこ‐ばんてん【刺子半纏】 さし‐こ指子・指袴】 裾口を括らず、足首までの長さの袴。 さし‐ごえ差声・指声・刺声‥ゴヱ (サシコエとも)中世の声曲で、単純な節で詞章をすらすらと唱える部分。声明しょうみょうの論義や平家(平家琵琶)・謡曲にある。三道「―より次第一歌ひとうたいまで、一段」→さし(差)[一]5 さし‐こ・える差し越える】 〔自下一〕[文]さしこ・ゆ(下二) あるべき順序をふみこえて行う。特に、人をさしおいて先に出る。 さしこ‐おり刺子織】 平織の上に同色または異色の経たてと緯よことを浮かして刺子のような文様を織った織物。柔道着などに用いる。 ⇒さし‐こ【刺子】 さし‐こし差越し】 一定の順序をふまず行動すること。 ⇒さしこし‐ねがい【差越し願】 さしこし‐ねがい差越し願‥ネガヒ 一定の順序・手続をふまないで、上官に直接に願い出ること。 ⇒さし‐こし【差越し】 さし‐こ・す差し越す】 〔自五〕 ①越えて前へ出る。 ②他をさしおいて事を行う。一定の順序・手続をふまずに行う。 ③(他動詞として)送って来る。よこす。 さし‐こなし差しこなし】 刀などを腰にさした具合。さしぶり。浄瑠璃、聖徳太子絵伝記「大刀・刀の―」 さし‐こばた指小旗】 当世具足とうせいぐそくの指物さしものにする小旗。 さしこ‐ばんてん刺子半纏】 刺子でつくった半纏。火消しが用いる。 刺子半纏 ⇒さし‐こ【刺子】 さし‐こみ指込み】 将棋で、同じ相手と指し続けて勝敗の差が開いた時、手直りすること。「―十番将棋」 さし‐こみ差込み】 ①さしこむこと。 ②さしこむもの。特に、差込みプラグ。また、コンセントをいう。 ③急飛脚の幸便こうびんに託して書状を送ること。 ④胸や腹がはげしく痛むこと。胃痙攣けいれんなど。癪しゃく。「急に―が起こる」 ⑤(「指込」とも書く)簪かんざしの一種。花模様などの飾り物を差し込んで取り付けるようにしたもの。浮世風呂2「この頃は括り猿の―がはやるさうだのう」 ⑥たちいること。さしがね。干渉。入れ知恵。浄瑠璃、心中重井筒「皆おか様の―と思ふも地体こちの無理」 ⇒さしこみ‐おび【差込み帯】 ⇒さしこみ‐プラグ【差込みプラグ】 さしこみ‐おび差込み帯】 巻きしめた帯の端を結ばずに挟みとめておくもの。つっこみおび。挟み帯。 ⇒さし‐こみ【差込み】 さしこみ‐プラグ差込みプラグ】 (attachment plug)コードをコンセントに接続するのに用いる接続器。 ⇒さし‐こみ【差込み】 さし‐こ・む射し込む・差し込む】 〔自五〕 光などが中へ入る。中まで照らす。さしいる。 さし‐こ・む差し込む】 [一]〔他五〕 ①突き入れる。差し入れる。「鍵を―・む」 ②わきから口を出す。入れ知恵をする。浄瑠璃、鎌倉三代記「病みほうけの頼家に―・まれては年来の大望が成就せぬ」 [二]〔自五〕 胸・腹などが物を突っ込んだように痛む。胃痙攣けいれんを起こす。癪しゃくを起こす。「横腹が―・む」 さし‐こ・む鎖し籠む】 [一]〔自四〕 「さしこもる」に同じ。 [二]〔他下二〕 戸などを閉めてとじこめる。源氏物語桐壺「えさらぬ馬道めどうの戸を―・め」 さし‐こも・る鎖し籠る】 〔自四〕 戸などを閉ざして内にいる。とじこもる。さしこむ。源氏物語総角「ことさらめきて―・り隠ろへ給ふべき」 さし‐こ・ゆ差し越ゆ】 〔自下二〕 ①上を越えて通る。蜻蛉日記「松山の―・えてしもあらじ世をわれによそへて騒ぐ波かな」 ②さしでる。でしゃばる。枕草子28「今参りの―・えて、物知り顔に教へやうなる事いひうしろみたる」 さし‐ころ・す刺し殺す】 〔他五〕 刀や槍などをつき刺して殺す。 さし‐こわら・す差し強らす‥コハラス 〔他四〕 刀を腰にさしていかめしく装う。浄瑠璃、持統天皇歌軍法「大だら―・し」 さし‐ざお差竿・刺竿‥ザヲ 餌差えさしが小鳥をさす竿。鳥さし竿。狂言、餌差十王「是は鳥を刺す―と申すものでござる」 さじ‐さき匙先】 匙のつかいかた。薬の調合のしかた。浮世風呂「あの男等は―より口先が功者で」 さし‐さば刺鯖】 サバを背開きにして塩漬けにしたもの。2尾を刺し連ねて1刺しという。盆のおくり物に用いた。〈[季]秋〉。日本永代蔵3「盆の―、正月の鏡餅」 さし‐さわり差障り‥サハリ さしさわること。支障。邪魔。また、具合の悪い事情。「―ができる」「―のあることを言う」 さし‐さわ・る差し障る‥サハル 〔自五〕 じゃまになる。さわりとなる。さしつかえる。「―・ることがある」 さし‐しお差し潮‥シホ (→)「あげしお」に同じ。↔引き潮 さし‐じお差し塩‥ジホ 苦味のある劣等な塩。↔真塩ましお さし‐じきい差敷居‥ヰ 柱に枘差ほぞざしでつないだ、普通より高い敷居。 さし‐しめ・す指し示す】 〔他五〕 それと指を向けて示す。指示する。「出口を―・す」 さし‐ず指図‥ヅ ①絵図。地図。平家物語5「燕えんの―並びに范予期はんよきが首持つて参りたるよし」 ②家の設計図。〈文明本節用集〉 ③指示してさせること。下知げじ。指揮。命令。信長記「この上は津田・篠岡などが―に任せ」。「お前の―は受けない」 ④見積もること。推量。 ⑤〔法〕指名すること。裏書という証券上の記載によりある者を権利者として指定すること。 ⇒さしず‐さいけん【指図債権】 ⇒さしずしき‐こぎって【指図式小切手】 ⇒さしず‐しょうけん【指図証券】 ⇒さしず‐にん【指図人】 さし‐すが・う差し次ふ‥スガフ 〔自四〕 すぐあとにつづく。匹敵する。栄華物語殿上花見「二の宮またいと美しうて、―・ひておはします」 さし‐すぎ 〔副〕 ひきつづき。さしつぎ。栄華物語玉の村菊「四五丁がほど焼けぬれば、―法興院も焼けぬ」 さしすぎ‐の 〔枕〕 (万葉集巻6の「指進乃さしずみの…」の「進」を「過」と見なした旧訓)栗の毬いががとがってつき刺すところから「栗」にかかるという。→さしずみの さしすぎ‐びと差し過ぎ人】 出過ぎたことをする人。さしでもの。でしゃばり。源氏物語夢浮橋「例の物めでの―、いと有難くをかしと思ふべし」 さし‐す・ぐ差し過ぐ】 〔自上二〕 ①出過ぎる。さしでる。源氏物語空蝉「未だいと若きここちにさこそ―・ぎたるやうなれど」 ②通り過ぎる。平家物語10「佐野の松原―・ぎて」 さし‐すぐ・す差し過す】 〔自四〕 (→)「さしすぐ」1に同じ。 さしず‐さいけん指図債権‥ヅ‥ 証券に化体された債権で、その証券の裏書によって譲渡され、これを所持しなければ行使しえない債権。 ⇒さし‐ず【指図】 さしずしき‐こぎって指図式小切手‥ヅ‥ 一定の受取人、またはその指定人に小切手額面の金額の支払われるべき旨を記載した小切手。手形の場合は指図式手形という。 ⇒さし‐ず【指図】 さしず‐しょうけん指図証券‥ヅ‥ 証券上の指名人、またはその指名人が指定(指図)する者が権利者となるべき有価証券。通常、その性質は当事者の指図文句によって生ずる。手形・小切手・貨物引換証・倉庫証券・船荷証券の類。 ⇒さし‐ず【指図】 さし‐すて差し捨て・指し捨て】 ①棹をさしたままにして止めておくこと。 ②(サシズテとも)酒席で、相手に盃をさしたまま、かえしを受けないこと。 さしず‐にん指図人‥ヅ‥ ①指図をする人。 ②〔法〕指図証券で、債権者が指図により指定した弁済受領権者。 ⇒さし‐ず【指図】 さしずみ‐の 〔枕〕 (「指進乃」の訓。未詳。一説に「指墨さしすみの」と解し、墨斗すみつぼに墨縄をまく枢くるるがあるからという)「くるす」にかかる。万葉集6「―栗栖くるすの小野の」→さしすぎの さし‐ずめ差詰め‥ヅメ [一]〔名〕 さしつまったこと。どんづまり。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「死なでかなはぬ身の―と」 [二]〔副〕 ①落ちつくところ。結局。浄瑠璃、曾我虎が磨「三の太刀は―婿の二宮」。「―彼が判官だ」 ②さしあたり。今のところ。「―生活には困らない」 さし‐せま・る差し迫る】 〔自五〕 切迫する。まぎわになる。また、せっぱつまる。「期限が―・る」「―・った事情」 さし‐ぞい差添い‥ゾヒ 人を助けるために付き添うこと。また、その人。つきそい。さしぞえ。 ⇒さしぞい‐にん【差添人】 さしぞい‐にん差添人‥ゾヒ‥ さしぞいの人。つきそい人。さしぞえにん。 ⇒さし‐ぞい【差添い】 さし‐そ・う射し添ふ‥ソフ [一]〔自四〕 光がさしくわわる。さらに光が映える。紫式部日記「めづらしき光―・ふ盃は」 [二]〔他下二〕 (光などを)添え加える。千載和歌集「もみぢばに月の光を―・へてこれや赤地の錦なるらむ」 さし‐そ・う差し添う‥ソフ [一]〔自五〕 増しくわわる。付き従う。新後撰和歌集「春の野の初子の松の若葉より―・ふ千代のかげは見えけり」 [二]〔他下二〕 ⇒さしそえる(下一) さし‐ぞえ差添え‥ゾヘ(→)「さしぞい」に同じ。 ②太刀や刀にそえて佩く小刀。わきざし。浄瑠璃、曾我会稽山「腰の―引ん抜き」 さし‐そ・える差し添える・挿し添える‥ソヘル 〔他下一〕[文]さしそ・ふ(下二) こちらから何かを出して添える。付け加える。付き従わせる。源氏物語澪標「いとしたしき人、―・へ給ひて」。「手を―・える」 さし‐ぞめ差初め】 男子が成人して初めて刀を帯びること。また、その儀式。狂言、鐘の音「某倅を一人持て御座るが、段々成人致いて御ざるに依て、近々―を致させうと存ずる」 さし‐だし指出】 戦国時代〜安土桃山時代、土地の面積・年貢ねんぐ量などの明細を領内の家臣が大名に差し出す報告書。この方法で検地が行われた。 ⇒さしだし‐けんち【指出検地】 さし‐だし差出し】 ①さしだすこと。→指出さしだし。 ②母屋もやからさしかけに張り出した下屋げや。つけだし。 ③歌舞伎の小道具。(→)「つらあかり」に同じ。 ⇒さしだし‐にん【差出人】 さしだし‐けんち指出検地】 実測によらず、土地の所持者からの申告によって面積・年貢高・作人などを把握する検地の方式。戦国大

広辞苑 ページ 7910 での○細石の巌となる単語。