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あたかも【恰も・宛も】🔗🔉

あたかも恰も・宛も】 〔副〕 (アダカモとも) ①まるで。まことによく。万葉集19「わが背子が捧げて持てる厚朴ほおがしわ―似るか青き蓋きぬがさ」。「―現場を見たかのように語る」 ②十中八九じっちゅうはっく。ほぼ。撰集抄「ひがめかとみれば、―まぎるべくもなし」 ③ちょうどその時。「時―戦いのまっ最中」 ⇒恰もよし ○恰もよしあたかもよし ちょうどよい折で。ちょうどよいことには。 ⇒あたかも【恰も・宛も】

あて【当て・宛】🔗🔉

あて当て・宛】 [一]〔名〕 ①当てること。また、あてがうもの。「鞘―」「膝―」 ②見こみ。目あて。特に、たのみにしている見込み。期待。「―にする」「―がはずれる」「―がちがう」「―がない」 ③金銭の貸借をするときの抵当。ひきあて。「質の―」 ④物を打ち、切り、削りなどする時、下におく台。補強のために添えるもの。「―をかう」「肩―」 ⑤海上で、自船の所在やその進路あるいは海中の暗礁の所在を知るために利用する目標。 ⑥酒の肴さかな。 [二]〔接尾〕 (「宛」と書く) ①割りあてること。あたり。「一人―百円」 ②差出し先。名あて。「太郎―」

あて‐あて【当て当て・宛宛】🔗🔉

あて‐あて当て当て・宛宛】 それぞれに割りあてること。宇津保物語俊蔭「―の板屋どもなど」

あて‐おこない【充行・宛行】‥オコナヒ🔗🔉

あて‐おこない充行・宛行‥オコナヒ 所領や禄物を給与すること。あてがい。 ⇒あておこない‐じょう【充行状・宛行状】

あておこない‐じょう【充行状・宛行状】‥オコナヒジヤウ🔗🔉

あておこない‐じょう充行状・宛行状‥オコナヒジヤウ 鎌倉・室町時代、武将が家臣に所領などを与える時に渡した文書。「あてがいじょう」とも。あてぶみ。 ⇒あて‐おこない【充行・宛行】

あて‐おび【宛帯・当帯】🔗🔉

あて‐おび宛帯・当帯】 狩衣着用のとき用いる帯。ふつう狩衣と同じ地質で作る。あてごし。

あて‐がい【宛行・充行】‥ガヒ🔗🔉

あて‐がい宛行・充行‥ガヒ ①あてがうこと。また、そのもの。特に、与えられた所領や給与。 ②取り計らい。心くばり。配慮。風姿花伝「あまりに賤しく面白き所あるべからず。此の―をよくよく心得べし」 ⇒あてがい‐じょう【充行状・宛行状】 ⇒あてがい‐ぶち【宛行扶持】 ⇒あてがい‐よう【宛行様】

あてがい‐ぶち【宛行扶持】‥ガヒ‥🔗🔉

あてがい‐ぶち宛行扶持‥ガヒ‥ 雇主が雇人に割り当てて渡す扶持米。転じて、与える側が一方的に取り決めて割り当てる金品。また、そういう与え方をすること。「―で我慢する」 ⇒あて‐がい【宛行・充行】

あてがい‐よう【宛行様】‥ガヒヤウ🔗🔉

あてがい‐よう宛行様‥ガヒヤウ うけあうこと。平家物語5「御坊も勅勘の身で人を申しゆるさうどのたまふ―こそ大きにまことしからね」 ⇒あて‐がい【宛行・充行】

あて‐が・う【宛がう】アテガフ🔗🔉

あて‐が・う宛がうアテガフ 〔他五〕 ①割り当てて与える。見計って与える。分配する。また、単に与える。栄華物語玉飾「女房のことなどしげうおぼし―・ふ」。天草本伊曾保物語「せめて農人の所作をなりとも―・はうずと思ひ定め」。「子供におもちゃを―・う」 ②ぴったりとあてる。「受話器を耳に―・う」「枕を―・う」 ③(損じたところなどに)仮に物をあてておく。「穴に板を―・う」

あて‐がき【宛書・充書】🔗🔉

あて‐がき宛書・充書】 文書・封筒などに記す受取人の氏名。古くは「充所あてどころ」とも。

あて‐ごし【宛腰・当腰】🔗🔉

あて‐ごし宛腰・当腰(→)「あておび」に同じ。

あて‐さき【宛先】🔗🔉

あて‐さき宛先】 宛名の場所。また宛名。

あて‐じ【当て字・宛字】🔗🔉

あて‐じ当て字・宛字】 漢字のもつ本来の意味にかかわらず、音や訓を借りてあてはめる表記。また、その漢字。「野暮やぼ」「芽出度めでたし」「冗句ジョーク」の類。

あて‐じょう【宛状】‥ジヤウ🔗🔉

あて‐じょう宛状‥ジヤウ 披露状の一種で、宛所に「人々御中」「御宿所」などの脇付をするもの。あてぶみ。

あて‐どころ【宛所・充所】🔗🔉

あて‐どころ宛所・充所】 ①(→)宛書あてがきに同じ。 ②目あて。意向。天草本信心録「きりしたんの御掟の―」

あて‐な【宛名】🔗🔉

あて‐な宛名】 手紙・願書・証書などに書く相手方の氏名。また、住所と氏名。好色五人女1「―皆清さまと有て」。「―書き」 ⇒あてな‐こうこく【宛名広告】

あてな‐こうこく【宛名広告】‥クワウ‥🔗🔉

あてな‐こうこく宛名広告‥クワウ‥ (→)ダイレクト‐メールに同じ。 ⇒あて‐な【宛名】

あて‐ぶみ【宛文・充文】🔗🔉

あて‐ぶみ宛文・充文】 ①所領・所職の給与・補任ぶにん状。あておこないじょう。 ②職・土地などの分配状。 ③⇒あてじょう。〈日葡辞書〉

あ・てる【宛てる】🔗🔉

あ・てる宛てる】 〔他下一〕 ⇒あてる(当・充)➋2

えん‐ぜん【宛然】ヱン‥🔗🔉

えん‐ぜん宛然ヱン‥ そっくりそのままなさま。あたかも。さながら。まるで。「―王侯の如しだ」

えん‐てん【宛転】ヱン‥🔗🔉

えん‐てん宛転ヱン‥ (エンデンとも) ①ゆるやかに動くさま。三教指帰「万虫―として相連なり」 ②眉がゆるく弧をえがいているさま。特に、美しい眉にいう。和漢朗詠集「―たる双蛾は遠山の色」 ③よどみなく調子のよいこと。

えん‐と‐して【宛として】ヱン‥🔗🔉

えん‐と‐して宛としてヱン‥ 〔副〕 さながら。ちょうど。

さ‐ながら【宛ら】🔗🔉

さ‐ながら宛ら】 (サは然の意) [一]〔副〕 ①そのまま。そっくり。源氏物語夕顔「かへり入りて探り給へば女君は―ふして」 ②ちょうど。あたかも。狂言、絹粥ひめのり「―錦を張つたるが如く」。「地獄―の世界」 ③のこらず。すべて。宇津保物語菊宴「はらからの君だち―参り給へり」 [二]〔接続〕 そうはいうものの。しかしながら。世間胸算用2「喰ひにげ大じんにあふ事多し。―それとて乞ひがたく」

[漢]宛🔗🔉

 字形 〔宀部5画/8画/1624・3038〕 〔音〕エン〈ヱン〉(漢) オン〈ヲン〉(呉) 〔訓〕さながら・あてる・ずつ [意味] ①まがる。かがむ。くねらせる。「宛転・宛延」 ②あたかも。さながら。まるで。「宛然」 ▷日本で、あてがう・あてはめる意の「あてる」にこの字を当てる。「名宛なあて・宛字あてじ」。また、「ずつ」ともよむ。「一個宛ずつ」 [難読] 宛行うあてがう

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