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ところ【所・処】🔗🔉

ところ所・処】 ➊物が在りまた事が起こる(行われる)、ある広がりをもった位置。もとは空間的、後には時間的・抽象的にもいう。 ①一区画の場所。古事記「成り成りて成り余れる―一―あり」。「前に来た―」 ②人が居り、住み、または所有する場所。 ㋐居場所。源氏物語若菜上「陰陽師どもも―をかへて慎み給ふべく申しければ」 ㋑地域。地方。閑居友「―の長おさなる者」。「―変われば品変わる」 ㋒住所。住みか。山家集「山深みほた伐るなりと聞えつつ―にぎはふ斧の音かな」。「友人の―に泊まる」 ㋓立場。「攻守―を変える」 ㋔領有する土地。今鏡「親の譲りたる―をとり給ひけるを」 ㋕「所払い」の略。誹風柳多留140「喧嘩で―をくつたのは実方」 ③役所。特に、蔵人所・武者所の略。 ④話題として取り立てる部分。 ㋐部分。徒然草「あやまちはやすき―になりて」。「小説の終りの―」 ㋑場合。時。枕草子25「待つ人ある―に夜すこしふけて」。「今日の―は大目に見よう」「すんでに死ぬ―だった」 ㋒(「―だ」の形で、また句頭に「―に」などの形で)ちょうどそのおり。「今行く―だ」→ところに[二]。 ㋓(「所」の漢文訓読から生じた用法)問題の点。こと。源氏物語若紫「おぼされん―をも憚らず」。「君の関知する―でない」 ㋔(数量表現にガが付いた形を受け)そのくらいの数量・分量・値段。「百文が―損した」 ⑤(ドコロと濁音化して体言に付き) ㋐だいたいそれにあてはまる、その値打ちはある、の意。「中堅―の社員」「この芝居は三幕目が見―だ」 ㋑産出量が多いなどその物で名のある土地。「米―」「酒―」 ➋(漢文直訳体から生じ、「AのBするところとなる」の形で)AにBされる。「親の知る―となった」 ➌(欧文の関係代名詞の直訳から広まった用法。「…ところの」の形で)…の部分を連体修飾語とするのに用いる。「彼が熱愛する―の女性は」 ➍(「…の場合」の意から転じて)接続助詞的に用いる。 ①きっかけになる事柄を示すのに用いる。…すると。「拝見仕候―皆々様には」「交渉した―、承諾した」 ②(「…どころか」「…どころの」「…どころで(は)ない」の形で多く否定を伴って)ある事物を取り上げて、事の程度がそれにとどまらずもっと進んでいると強調する。「子供―か大人まで漫画を読んでいる」「びた一文出す―か舌も出さない」「泣きわめく―(の騒ぎ)ではない」→ところが→ところで→ところに。 ➎神仏や貴人を数えるのに用いる語。方かた。竹取物語「ただ一―深き山へ入り給ひぬ」 ⇒ところ‐あそび【所遊び】 ⇒ところ‐あて【所宛・所充】 ⇒ところ‐あらそい【所争い】 ⇒ところ‐あらわし【所顕し・露顕・伉儷】 ⇒ところえ‐がお【所得顔】 ⇒ところ‐がえ【所替え】 ⇒ところ‐がき【所書】 ⇒ところ‐がまえ【所構え】 ⇒ところ‐がら【所柄】 ⇒ところ‐きらわず【所嫌わず】 ⇒ところ‐けんご【所堅固】 ⇒ところ‐ことば【所言葉】 ⇒ところ‐ざけ【所酒】 ⇒ところ‐さらず【所去らず】 ⇒ところ‐じち【所質】 ⇒ところ‐じまん【所自慢】 ⇒ところ‐そだち【所育ち】 ⇒ところ‐たがえ【所違え】 ⇒ところ‐ちがい【所違い】 ⇒ところ‐どう【所籐】 ⇒ところ‐どころ【所所・処処】 ⇒ところ‐ならわし【所習わし】 ⇒ところ‐の‐しゅう【所衆】 ⇒ところ‐の‐ひと【所の人】 ⇒ところ‐ばなし【所話】 ⇒ところ‐ばらい【所払い】 ⇒ところ‐ばんち【所番地】 ⇒ところ‐まだら【所斑】 ⇒所変われば品変わる ⇒所に置く ⇒所に付く ⇒所へ持ってきて ⇒所を得る

ところ【野老】🔗🔉

ところ野老】 ヤマノイモ科の蔓性多年草。夏、葉腋に淡緑色の小花を穂状につける。雌雄異株。花後、3翅ある蒴果さくかをつける。葉は互生、蔓は右巻きで、果実が上向きにつく。根茎は苦味を抜けば食用となる。通常トコロとよぶのはオニドコロで、ほかにヒメドコロ・キクバドコロなど数種ある。〈本草和名〉 ところ オニドコロ 撮影:関戸 勇 ⇒ところ‐ずら【野老葛・冬薯蕷葛】

ところ‐あそび【所遊び】🔗🔉

ところ‐あそび所遊び】 自分が住んでいる土地の遊所で遊ぶこと。西鶴置土産「島原も新町も見ずして―の五とせあまり」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐あて【所宛・所充】🔗🔉

ところ‐あて所宛・所充】 平安・鎌倉時代、諸司・諸所などの別当を任命して行事を分担させたこと。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐あらそい【所争い】‥アラソヒ🔗🔉

ところ‐あらそい所争い‥アラソヒ 場所を占めようと争うこと。源氏物語「かの御車の―」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐あらわし【所顕し・露顕・伉儷】‥アラハシ🔗🔉

ところ‐あらわし所顕し・露顕・伉儷‥アラハシ 平安時代における婚礼の披露。女の家で新婚2〜3日後、婿とその従者とを饗応し、初めて舅婿対面して酒をくみかわした。ろけん。栄華物語木綿四手「四五日ありてぞ御―ありける」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐いせき【常呂遺跡】‥ヰ‥🔗🔉

ところ‐いせき常呂遺跡‥ヰ‥ 北海道のオホーツク海岸、常呂川河口付近にある集落遺跡。擦文さつもん文化が中心で、現在でも地表から窪みがわかる竪穴住居跡が2500以上ある常呂・栄浦さかえうら竪穴群がもっとも大規模。

ところ・う【所得】🔗🔉

ところ・う所得】 〔他下二〕 「所を得る」に同じ。源氏物語若紫「京にてこそ―・えぬやうなりけれ」→所(成句)

ところえ‐がお【所得顔】‥ガホ🔗🔉

ところえ‐がお所得顔‥ガホ その場所・地位などに満足して誇らしげにしている様子。得意顔。源氏物語柏木「ここかしこの砂子うすき物のかくれのかたに蓬も―なり」。「―に振る舞う」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐お・く【所置く】🔗🔉

ところ‐お・く所置く】 〔自四〕 場所を避け譲る。遠慮する。はばかる。大鏡時平「今日神となり給へりとも、このよには我に―・き給ふべし」

ところ‐が【所が】🔗🔉

ところ‐が所が】 [一]〔助詞〕 ①「したところ(が)」の形で、後のことが続くことを示す。順接にも逆接にもなる。…すると。…たけれども。浮世床2「直に返すと言つた―若い者が脇差を二階へあげることはなりませぬ」。「応募した―すぐ採用された」 ②仮定の逆接を表す。たとえ…しても。「考えた―分かるはずもない」 [二]〔接続〕 しかるに。そうであるのに。

ところ‐がえ【所替え】‥ガヘ🔗🔉

ところ‐がえ所替え‥ガヘ ①場所を他に移しかえること。転地。 ②武家時代、諸侯の領地を移しかえたこと。国替え。移封。転封。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐がき【所書】🔗🔉

ところ‐がき所書】 文書に、住所を記入すること。また、その記入した住所。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐がまえ【所構え】‥ガマヘ🔗🔉

ところ‐がまえ所構え‥ガマヘ (→)「ところばらい」に同じ。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐がら【所柄】🔗🔉

ところ‐がら所柄】 場所の様子や性質。場所が他と異なって、特定の性質を帯びた場所であること。場所がら。源氏物語初音「―にや、おもしろく心ゆき命のぶるほどなり」 ⇒ところ【所・処】 ○所変われば品変わるところかわればしなかわる 土地がちがえば風俗習慣がちがう。 ⇒ところ【所・処】

○所変われば品変わるところかわればしなかわる🔗🔉

○所変われば品変わるところかわればしなかわる 土地がちがえば風俗習慣がちがう。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐きらわず所嫌わず‥キラハズ 場所を問題とせずに。どこでもかまわずに。ところかまわず。「出物腫物はれもの―」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐けんご所堅固】 土地がけわしくて攻めにくいこと。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ことば所言葉】 その地で使われることば。方言。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ざけ所酒】 その土地でできた酒。地酒。日本永代蔵1「―の辛口」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐さらず所去らず】 その場で。たちどころに。→所去る⇒ところ【所・処】 ところ‐さ・る所去る】 〔他四〕 その場所を避けて他の場所に変える。場所を避け譲る。枕草子139「つれづれなるもの、―・りたる物忌」 ところざわ所沢‥ザハ 埼玉県南部の市。市場町として発達。1911年(明治44)日本最初の飛行場が開設。東京の衛星都市。人口33万6千。 ところ‐じち所質】 中世、貸借契約の一形式。債務者が債務を果たさない場合、その属する集団(所)の成員またはその動産を債権者が私的に差し押さえる質取行為。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐じまん所自慢】 自分の故郷や、今住んでいる土地の自慢をすること。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ずら野老葛・冬薯蕷葛‥ヅラ [一]〔名〕 トコロの古名。古事記「稲がらに這ひもとほろふ―」 [二]〔枕〕 (同音の反復で)「常とこしく」「求む」にかかる。万葉集7「―いや常しくにわれかへり見む」 ⇒ところ【野老】 ところ‐せ‐が・る所狭がる】 〔他四〕 場所が狭くて窮屈に思う。大和物語「これをなほこの嫁―・りて」 ところ‐せき‐な・し所狭きなし】 〔形ク〕 (「なし」は甚だしい意)(→)「ところせし」1に同じ。日本永代蔵3「通り町十二間の大道―・く」 ところ‐せ・し所狭し】 〔形ク〕 ①場所が狭い。いっぱいになっている。源氏物語関屋「女車多く―・うゆるぎ来るに日たけぬ」 ②身うごきができない。気づまりである。窮屈だ。宇津保物語初秋「ことなる―・き御前もなくて」 ③堂々としている。重々しい。枕草子97「さるおほのかなるものは―・くやあらん」 ④大げさである。ぎょうぎょうしい。堤中納言物語「ただ近き所なれば、車は―・し」 ⑤煩わしい。面倒である。源氏物語玉鬘「和歌の髄脳いと―・う」 ⑥厄介である。困る。源氏物語末摘花「雨降り出でて―・くもあるに」 ところ‐せま・し所狭し】 〔形ク〕 (→)「ところせし」に同じ。 ところ‐そだち所育ち】 その土地で成長したこと。また、その人。好色一代男4「―も物まぎれして」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐たがえ所違え‥タガヘ ①場所をまちがえたこと。場所違い。枕草子277「―などならば、おのづからまたいひに来なむ」 ②その所の名がその所のさまにふさわしくないこと。信明集「うきことも聞えぬものをうき島は―の名にこそありけれ」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ちがい所違い‥チガヒ 場所が違っていること。源平盛衰記25「人違ひか―か、あやしき賤が菴なり」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐で所で】 [一]〔助詞〕 (名詞「ところ」に助詞「で」の付いたもの) ①…によって。…ので。狂言、鹿狩「終に持た事が御ざらぬ―持ちやうを存ぜぬほどに」 ②(「…たところで」の形で)仮定の事態を述べ、後にそれに反する事態が続くことを述べる語。もし…としても。たとえ…でも。…したからといって。「私が意見した―、彼は耳をかすまい」 [二]〔接続〕 ①そうすると。それで。蒙求抄1「其のくじに一くじが出たぞ。―臣下共が今年ばかり代を御もちあらうかと云ふ心にみたぞ」 ②しかるに。蒙求抄1「こなたへはまゐり候まいと云ぞ。―三度まで行んたぞ」 ③(別な話題をもち出す時に使う)時に。それはそれとして。「―お父さんはお元気ですか」 ところてん心太・瓊脂】 (「心太こころぶと」をココロテイと読んだものの転か) ①テングサを洗ってさらし、煮てかすを去った汁を型に流しこんで冷却・凝固させた食品。心太突きで突き出して細い糸状とし、芥子醤油・酢・黒蜜などをかけて食べる。寒天からもつくる。こころぶと。〈[季]夏〉。浄瑠璃、国性爺合戦「李蹈天とやら―とやら」 ②1のように、押し出されて自然に前へ進むこと。ところてん式。 ⇒ところてん‐ぐさ【心太草】 ⇒ところてん‐しき【心太式】 ⇒ところてん‐つき【心太突き】 ところてん‐ぐさ心太草(→)テングサに同じ。 ⇒ところてん【心太・瓊脂】 ところてん‐しき心太式(→)「ところてん」2に同じ。「―に卒業した」 ⇒ところてん【心太・瓊脂】 ところてん‐つき心太突き】 木製・箱状の筒の一端に格子に編んだ金網があり、中に心太を入れ、他の一端から棒で突き出し、細長く切る道具。天突き。 ⇒ところてん【心太・瓊脂】 ところ‐どう所籐】 所々に籐を巻いた弓。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐どころ所所・処処】 ①あちらこちら。ここかしこ。 ㋐それぞれの場所。また、その土地その土地。「―の風俗」 ㋑はなればなれのところ。別々の場所。平家物語9「―でうたれん事こそかなしけれ」。「―に雪が残る」「―まちがっている」 ②あちこちの官署。祝詞、春日祭「―家々の王等おおきみたちまえつぎみ等をも平らけく」 ③人々を敬っていう語。かたがた。源氏物語須磨「―ながめ給ふらんかし」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐な・し所無し】 〔形ク〕 すきまがない。余地がない。源氏物語「一条の大路―・くむくつけきまで騒ぎたり」 ところ‐ならわし所習わし‥ナラハシ その土地の風習。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐に所に】 [一]〔助詞〕 (名詞「ところ」に助詞「に」の付いた語) ①…していると。…していたら。 ②…していたが。…していたのに。今昔物語集4「碁を打つを役にて年月を送り給ふと聞く―、…証果の人にこそ坐すめる」 [二]〔接続〕 ①ちょうどそこへ。そこへもってきて。浄瑠璃、大経師昔暦「おかしいやら憎いやら、かかつた事ではござんせぬ、―私が茂兵衛殿の肩を持つた故」 ②しかるに。ところが。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「すごすご帰りました。―、天道様のお知らせにや」

ところ‐きらわず【所嫌わず】‥キラハズ🔗🔉

ところ‐きらわず所嫌わず‥キラハズ 場所を問題とせずに。どこでもかまわずに。ところかまわず。「出物腫物はれもの―」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐けんご【所堅固】🔗🔉

ところ‐けんご所堅固】 土地がけわしくて攻めにくいこと。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ことば【所言葉】🔗🔉

ところ‐ことば所言葉】 その地で使われることば。方言。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ざけ【所酒】🔗🔉

ところ‐ざけ所酒】 その土地でできた酒。地酒。日本永代蔵1「―の辛口」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐さらず【所去らず】🔗🔉

ところ‐さらず所去らず】 その場で。たちどころに。→所去る⇒ところ【所・処】

ところ‐さ・る【所去る】🔗🔉

ところ‐さ・る所去る】 〔他四〕 その場所を避けて他の場所に変える。場所を避け譲る。枕草子139「つれづれなるもの、―・りたる物忌」

ところざわ【所沢】‥ザハ🔗🔉

ところざわ所沢‥ザハ 埼玉県南部の市。市場町として発達。1911年(明治44)日本最初の飛行場が開設。東京の衛星都市。人口33万6千。

ところ‐じち【所質】🔗🔉

ところ‐じち所質】 中世、貸借契約の一形式。債務者が債務を果たさない場合、その属する集団(所)の成員またはその動産を債権者が私的に差し押さえる質取行為。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐じまん【所自慢】🔗🔉

ところ‐じまん所自慢】 自分の故郷や、今住んでいる土地の自慢をすること。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ずら【野老葛・冬薯蕷葛】‥ヅラ🔗🔉

ところ‐ずら野老葛・冬薯蕷葛‥ヅラ [一]〔名〕 トコロの古名。古事記「稲がらに這ひもとほろふ―」 [二]〔枕〕 (同音の反復で)「常とこしく」「求む」にかかる。万葉集7「―いや常しくにわれかへり見む」 ⇒ところ【野老】

ところ‐せ‐が・る【所狭がる】🔗🔉

ところ‐せ‐が・る所狭がる】 〔他四〕 場所が狭くて窮屈に思う。大和物語「これをなほこの嫁―・りて」

ところ‐せき‐な・し【所狭きなし】🔗🔉

ところ‐せき‐な・し所狭きなし】 〔形ク〕 (「なし」は甚だしい意)(→)「ところせし」1に同じ。日本永代蔵3「通り町十二間の大道―・く」

ところ‐せ・し【所狭し】🔗🔉

ところ‐せ・し所狭し】 〔形ク〕 ①場所が狭い。いっぱいになっている。源氏物語関屋「女車多く―・うゆるぎ来るに日たけぬ」 ②身うごきができない。気づまりである。窮屈だ。宇津保物語初秋「ことなる―・き御前もなくて」 ③堂々としている。重々しい。枕草子97「さるおほのかなるものは―・くやあらん」 ④大げさである。ぎょうぎょうしい。堤中納言物語「ただ近き所なれば、車は―・し」 ⑤煩わしい。面倒である。源氏物語玉鬘「和歌の髄脳いと―・う」 ⑥厄介である。困る。源氏物語末摘花「雨降り出でて―・くもあるに」

ところ‐せま・し【所狭し】🔗🔉

ところ‐せま・し所狭し】 〔形ク〕 (→)「ところせし」に同じ。

ところ‐そだち【所育ち】🔗🔉

ところ‐そだち所育ち】 その土地で成長したこと。また、その人。好色一代男4「―も物まぎれして」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐たがえ【所違え】‥タガヘ🔗🔉

ところ‐たがえ所違え‥タガヘ ①場所をまちがえたこと。場所違い。枕草子277「―などならば、おのづからまたいひに来なむ」 ②その所の名がその所のさまにふさわしくないこと。信明集「うきことも聞えぬものをうき島は―の名にこそありけれ」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ちがい【所違い】‥チガヒ🔗🔉

ところ‐ちがい所違い‥チガヒ 場所が違っていること。源平盛衰記25「人違ひか―か、あやしき賤が菴なり」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐で【所で】🔗🔉

ところ‐で所で】 [一]〔助詞〕 (名詞「ところ」に助詞「で」の付いたもの) ①…によって。…ので。狂言、鹿狩「終に持た事が御ざらぬ―持ちやうを存ぜぬほどに」 ②(「…たところで」の形で)仮定の事態を述べ、後にそれに反する事態が続くことを述べる語。もし…としても。たとえ…でも。…したからといって。「私が意見した―、彼は耳をかすまい」 [二]〔接続〕 ①そうすると。それで。蒙求抄1「其のくじに一くじが出たぞ。―臣下共が今年ばかり代を御もちあらうかと云ふ心にみたぞ」 ②しかるに。蒙求抄1「こなたへはまゐり候まいと云ぞ。―三度まで行んたぞ」 ③(別な話題をもち出す時に使う)時に。それはそれとして。「―お父さんはお元気ですか」

ところてん【心太・瓊脂】🔗🔉

ところてん心太・瓊脂】 (「心太こころぶと」をココロテイと読んだものの転か) ①テングサを洗ってさらし、煮てかすを去った汁を型に流しこんで冷却・凝固させた食品。心太突きで突き出して細い糸状とし、芥子醤油・酢・黒蜜などをかけて食べる。寒天からもつくる。こころぶと。〈[季]夏〉。浄瑠璃、国性爺合戦「李蹈天とやら―とやら」 ②1のように、押し出されて自然に前へ進むこと。ところてん式。 ⇒ところてん‐ぐさ【心太草】 ⇒ところてん‐しき【心太式】 ⇒ところてん‐つき【心太突き】

ところてん‐しき【心太式】🔗🔉

ところてん‐しき心太式(→)「ところてん」2に同じ。「―に卒業した」 ⇒ところてん【心太・瓊脂】

ところてん‐つき【心太突き】🔗🔉

ところてん‐つき心太突き】 木製・箱状の筒の一端に格子に編んだ金網があり、中に心太を入れ、他の一端から棒で突き出し、細長く切る道具。天突き。 ⇒ところてん【心太・瓊脂】

ところ‐どう【所籐】🔗🔉

ところ‐どう所籐】 所々に籐を巻いた弓。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐どころ【所所・処処】🔗🔉

ところ‐どころ所所・処処】 ①あちらこちら。ここかしこ。 ㋐それぞれの場所。また、その土地その土地。「―の風俗」 ㋑はなればなれのところ。別々の場所。平家物語9「―でうたれん事こそかなしけれ」。「―に雪が残る」「―まちがっている」 ②あちこちの官署。祝詞、春日祭「―家々の王等おおきみたちまえつぎみ等をも平らけく」 ③人々を敬っていう語。かたがた。源氏物語須磨「―ながめ給ふらんかし」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐な・し【所無し】🔗🔉

ところ‐な・し所無し】 〔形ク〕 すきまがない。余地がない。源氏物語「一条の大路―・くむくつけきまで騒ぎたり」

ところ‐ならわし【所習わし】‥ナラハシ🔗🔉

ところ‐ならわし所習わし‥ナラハシ その土地の風習。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐に【所に】🔗🔉

ところ‐に所に】 [一]〔助詞〕 (名詞「ところ」に助詞「に」の付いた語) ①…していると。…していたら。 ②…していたが。…していたのに。今昔物語集4「碁を打つを役にて年月を送り給ふと聞く―、…証果の人にこそ坐すめる」 [二]〔接続〕 ①ちょうどそこへ。そこへもってきて。浄瑠璃、大経師昔暦「おかしいやら憎いやら、かかつた事ではござんせぬ、―私が茂兵衛殿の肩を持つた故」 ②しかるに。ところが。浄瑠璃、仮名手本忠臣蔵「すごすご帰りました。―、天道様のお知らせにや」 ○所に置くところにおく 遠慮をする。曾我物語4「女とて所にも置かれず、幼なければとて助かる事なし」 ⇒ところ【所・処】 ○所に付くところにつく その場所にふさわしくする。枕草子99「所につけては、かかることなん見るべき」 ⇒ところ【所・処】

○所に置くところにおく🔗🔉

○所に置くところにおく 遠慮をする。曾我物語4「女とて所にも置かれず、幼なければとて助かる事なし」 ⇒ところ【所・処】

○所に付くところにつく🔗🔉

○所に付くところにつく その場所にふさわしくする。枕草子99「所につけては、かかることなん見るべき」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐の‐しゅう所衆】 律令制で、蔵人所くろうどどころの職員。雑用に従ったもの。宇津保物語蔵開下「其の時は大学の允、―にてありし」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐の‐ひと所の人】 土地の人。狂言、通円「―に尋ねばやと思ひ候」 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ばなし所話】 その地方のうわさ話。その土地に伝わる話。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ばらい所払い‥バラヒ 江戸時代の刑名。その居住地から追放すること。ところがまえ。 ⇒ところ【所・処】 ところ‐ばんち所番地】 住所の地名と番地。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐の‐しゅう【所衆】🔗🔉

ところ‐の‐しゅう所衆】 律令制で、蔵人所くろうどどころの職員。雑用に従ったもの。宇津保物語蔵開下「其の時は大学の允、―にてありし」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐の‐ひと【所の人】🔗🔉

ところ‐の‐ひと所の人】 土地の人。狂言、通円「―に尋ねばやと思ひ候」 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ばなし【所話】🔗🔉

ところ‐ばなし所話】 その地方のうわさ話。その土地に伝わる話。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ばらい【所払い】‥バラヒ🔗🔉

ところ‐ばらい所払い‥バラヒ 江戸時代の刑名。その居住地から追放すること。ところがまえ。 ⇒ところ【所・処】

ところ‐ばんち【所番地】🔗🔉

ところ‐ばんち所番地】 住所の地名と番地。 ⇒ところ【所・処】 ○所へ持ってきてところへもってきて ある事柄に加えて、また別の事柄が起こる意を表す。「父が寝込んだ―妻までが倒れた」 ⇒ところ【所・処】

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