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の‐ぞうり【野草履】‥ザウ‥🔗🔉

の‐ぞうり野草履‥ザウ‥ 葬礼の際はく草履。転じて、一般の式の時に用いる草履をいう地方もある。

のぞえ【野副】‥ゾヘ🔗🔉

のぞえ野副‥ゾヘ 姓氏の一つ。 ⇒のぞえ‐てつお【野副鉄男】

のぞえ‐てつお【野副鉄男】‥ゾヘ‥ヲ🔗🔉

のぞえ‐てつお野副鉄男‥ゾヘ‥ヲ 有機化学者。仙台生れ。東北大卒、同教授。ヒノキの精油からヒノキチオールを抽出、世界で初めて七員環の非ベンゼン系芳香族化合物を発見、ヒノキチオール・トロポロンの合成に成功し、有機化学の新分野を拓く。文化勲章。(1902〜1996) ⇒のぞえ【野副】

のぞか・せる【覗かせる】🔗🔉

のぞか・せる覗かせる】 〔他下一〕 ①外から中の物の一部分だけが見えるようにする。「襟元にスカーフを―・せる」 ②相撲で、相手のわきに浅く手を入れる。「右を浅く―・せる」

のぞき‐あな【覗き穴】🔗🔉

のぞき‐あな覗き穴】 のぞいて見るための穴。 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐いろ【覗色】🔗🔉

のぞき‐いろ覗色】 (染物用語)極めて淡い青色。染料の甕かめをちょっとのぞく程度に、浅く染めた意。甕覗かめのぞき⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐がき【覗き垣】🔗🔉

のぞき‐がき覗き垣】 葭よしまたは萩を用いて編み、中央の高部にすかしを設けた垣。 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐からくり【覗機関】🔗🔉

のぞき‐からくり覗機関】 箱の中に、物語の筋に応じた幾枚かの絵を入れておき、これを順次に転換させ、箱の前方の眼鏡を通して覗かせる装置。のぞきめがね。からくりめがね。浄瑠璃、冥途飛脚「節季候せきぞろに化けて家々を覘のぞきの機関からくり飴売と」 覗機関 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐こ・む【覗き込む】🔗🔉

のぞき‐こ・む覗き込む】 〔他五〕 首をのばすようにして中を見る。また、顔を近づけてよく見る。「部屋の中を―・む」「顔を―・む」

のぞき‐しゅみ【覗き趣味】🔗🔉

のぞき‐しゅみ覗き趣味】 他人の私生活や秘密などを興味本位にひそかに知ろうとすること。 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐だか【除高】🔗🔉

のぞき‐だか除高】 江戸時代、村高の中で、年貢・諸役の一部または全部を免除された高。

のぞき‐づり【覗き釣】🔗🔉

のぞき‐づり覗き釣】 河川などで、箱眼鏡で水中を覗きながら、釣竿をおろして魚をひっかけて釣る漁法。 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐ばな【覗き鼻】🔗🔉

のぞき‐ばな覗き鼻】 孔あなが上に向いている鼻。また、鷲鼻。〈日葡辞書〉 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐まど【覗き窓】🔗🔉

のぞき‐まど覗き窓】 向う側の様子をのぞいて見るために設けた小窓。 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐み【覗き見】🔗🔉

のぞき‐み覗き見】 (本来見るべきでないものを)隙間などからこっそり見ること。 ⇒のぞき【覗き・覘き】

のぞき‐めがね【覗眼鏡】🔗🔉

のぞき‐めがね覗眼鏡】 ①(→)「のぞきからくり」に同じ。 ②(→)「はこめがね」に同じ。 ⇒のぞき【覗き・覘き】 ○覗きをくれるのぞきをくれる のぞきこむ。好色五人女1「小袖幕の内ゆかしく、のぞきをくれて帰らんことを忘れ」 ⇒のぞき【覗き・覘き】

○覗きをくれるのぞきをくれる🔗🔉

○覗きをくれるのぞきをくれる のぞきこむ。好色五人女1「小袖幕の内ゆかしく、のぞきをくれて帰らんことを忘れ」 ⇒のぞき【覗き・覘き】 のぞく】 暦注の十二直の一つ。掃除・治療・煤払い・精進・沐浴などには吉、その他には凶という日。 のぞ・く除く】 〔他五〕 (古くは清音) ①そこからなくする。取り除く。取り去る。三蔵法師伝承徳点「聖慈を飲沐して已に沈痛ちんとうを祛ノソク」。「雑草を―・く」 ②それまで許されていた資格などを取り消す。隆信集「二条院の御時殿上―・かれたりしつぎの年の春、臨時祭の舞人にて参りたりしに」 ③加えない。除外する。別にする。「但し未成年者を―・く」「二人を―・いて誰も知らない」「名簿から―・く」 ④誅ちゅうする。殺す。「君側の奸を―・く」 のぞ・く覗く・覘く・臨く】 [一]〔他五〕 ①間を隔てる障害をとりのけて見る。小さなすきまや穴などを通して様子をうかがう。かいまみる。源氏物語紅葉賀「うへは御袿みうちき果てて、御障子の内より―・かせ給ひけり」。天草本平家物語「おそろしながら、―・いて見れば」。「部屋の中を―・く」「顕微鏡を―・く」 ②わずかに一部分だけを見る、または、知る。醒睡笑「伊勢の国を―・きたる事もなうて、いくたびも参宮したるよしはなす者あり」。「古本屋を―・く」 ③高い所からからだをのりだして見おろす。「谷底を―・く」 [二]〔自五〕 ①それに向かって見えやすい位置を占める。見やすい体勢をとる。のぞむ。源氏物語帚木「人々、渡殿より出でたる泉に―・きゐて酒飲む」。源氏物語椎本「水に―・きたる廊に」 ②一部分が外に出ている。一部が外から見える。「白い歯が―・いている」 のぞ・ける覗ける】 〔他下一〕 相手から見える位置に出す。のぞかせる。「顔を―・ける」 のぞこ・る除こる】 〔自四〕 のぞかれる。のぞかれてなくなる。今鏡「御さはりも―・らせ給ひ」 の‐そだち野育ち】 自然のままで育つこと。礼儀や作法をわきまえずに育つこと。また、そういう人。 のそ‐のそ 動作がにぶく、のろいさま。「―してないで速く歩け」「昼近くに―と起き出す」 のぞまし・い望ましい】 〔形〕[文]のぞま・し(シク) そうあってほしい。このましい。ねがわしい。「全員出席が―・い」「―・い結果」 のぞみ望み】 ①ながめ。眺望ちょうぼう。万葉集8「青浪に―はたえぬ」 ②ねがい。願望。希望。源氏物語行幸「この―を聞き給ひて」。「―がかなう」「―の綱」 ③人望。名望。「天下の―を一身に集める」 ④立派な見もの。狂言、太鼓負「いづれあの茶椀は―で御座る」 ⑤将来に寄せる期待。見こみ。「まだ―がある」 ⇒のぞみ‐うす【望み薄】 ⇒望みを託す のぞみ‐うす望み薄】 希望の実現する可能性が少ないこと。「合格は―だ」 ⇒のぞみ【望み】

のぞく【除】🔗🔉

のぞく】 暦注の十二直の一つ。掃除・治療・煤払い・精進・沐浴などには吉、その他には凶という日。

のぞ・く【除く】🔗🔉

のぞ・く除く】 〔他五〕 (古くは清音) ①そこからなくする。取り除く。取り去る。三蔵法師伝承徳点「聖慈を飲沐して已に沈痛ちんとうを祛ノソク」。「雑草を―・く」 ②それまで許されていた資格などを取り消す。隆信集「二条院の御時殿上―・かれたりしつぎの年の春、臨時祭の舞人にて参りたりしに」 ③加えない。除外する。別にする。「但し未成年者を―・く」「二人を―・いて誰も知らない」「名簿から―・く」 ④誅ちゅうする。殺す。「君側の奸を―・く」

のぞ・く【覗く・覘く・臨く】🔗🔉

のぞ・く覗く・覘く・臨く】 [一]〔他五〕 ①間を隔てる障害をとりのけて見る。小さなすきまや穴などを通して様子をうかがう。かいまみる。源氏物語紅葉賀「うへは御袿みうちき果てて、御障子の内より―・かせ給ひけり」。天草本平家物語「おそろしながら、―・いて見れば」。「部屋の中を―・く」「顕微鏡を―・く」 ②わずかに一部分だけを見る、または、知る。醒睡笑「伊勢の国を―・きたる事もなうて、いくたびも参宮したるよしはなす者あり」。「古本屋を―・く」 ③高い所からからだをのりだして見おろす。「谷底を―・く」 [二]〔自五〕 ①それに向かって見えやすい位置を占める。見やすい体勢をとる。のぞむ。源氏物語帚木「人々、渡殿より出でたる泉に―・きゐて酒飲む」。源氏物語椎本「水に―・きたる廊に」 ②一部分が外に出ている。一部が外から見える。「白い歯が―・いている」

のぞ・ける【覗ける】🔗🔉

のぞ・ける覗ける】 〔他下一〕 相手から見える位置に出す。のぞかせる。「顔を―・ける」

のぞこ・る【除こる】🔗🔉

のぞこ・る除こる】 〔自四〕 のぞかれる。のぞかれてなくなる。今鏡「御さはりも―・らせ給ひ」

のぞまし・い【望ましい】🔗🔉

のぞまし・い望ましい】 〔形〕[文]のぞま・し(シク) そうあってほしい。このましい。ねがわしい。「全員出席が―・い」「―・い結果」

のぞみ【望み】🔗🔉

のぞみ望み】 ①ながめ。眺望ちょうぼう。万葉集8「青浪に―はたえぬ」 ②ねがい。願望。希望。源氏物語行幸「この―を聞き給ひて」。「―がかなう」「―の綱」 ③人望。名望。「天下の―を一身に集める」 ④立派な見もの。狂言、太鼓負「いづれあの茶椀は―で御座る」 ⑤将来に寄せる期待。見こみ。「まだ―がある」 ⇒のぞみ‐うす【望み薄】 ⇒望みを託す

のぞみ‐うす【望み薄】🔗🔉

のぞみ‐うす望み薄】 希望の実現する可能性が少ないこと。「合格は―だ」 ⇒のぞみ【望み】 ○望みを託すのぞみをたくす 希望をかける。望みを属す。「子供に―」 ⇒のぞみ【望み】

○望みを託すのぞみをたくす🔗🔉

○望みを託すのぞみをたくす 希望をかける。望みを属す。「子供に―」 ⇒のぞみ【望み】 のぞ・む望む】 〔他五〕 ①遠くからながめやる。土佐日記「唐詩からうたに、日を―・めば都遠しなどいふなる事のさまを聞きて」。平家物語2「南を―・めば海漫々として、雲の波煙の波深く」。「ふもとより山頂を―・む」 ②願う。欲する。期待する。源氏物語宿木「御後見―・む気色漏らし申しけれど」。「合格を―・む」「―・むところだ」 ③仰ぐ。慕う。「その徳を―・む」 のぞ・む臨む】 〔自五〕 ①目の前にする。面する。和泉式部集「海に―・みたる松に、蔦の紅葉のかかりたるを」。「湖に―・む部屋」 ②場合・機会などに向かいあう。際会する。源氏物語須磨「これより大きなる恥に―・まぬさきに世をのがれなむと思う給へ立ちぬる」。平家物語1「やさ男に、時に―・んで、いかが情なう恥辱をば与ふべき」。「死に―・んでの言葉」「試験に―・む」 ③その場所に行く。徒然草「一道にたづさはる人、あらぬ道のむしろに―・みて」。日葡辞書「センヂャウニノゾム」。「祝典に―・む」 ④治者として被治者に対する。平家物語4「或いは摂政負ふて位に即け、或いは母后抱いて朝に―・むと見えたり」。「圧制をもって民衆に―・む」 ⑤身分の高い人が、みずからその場に行く。 のぞむらく‐は望むらくは】 (「恐らくは」などの類推によって生じた、ノゾムのク語法の誤形)望むことは。どうか(…してほしい)。願わくは。 のそり 遅鈍で行動のゆるやかなさま。のっそり。のさり。「―と姿を現す」 のそん のどかすぎる人。俚言集覧「鄙俗にゆたか過たる性質の人を―と云り」 のた ①(ヌタの転)湿地。低湿地。にた。 ②のたうつこと。苦しむこと。 ③(日本海側で)風の無い日の大波。 の‐だ野田】 野の中にある田。 のだ野田】 千葉県北西部の市。江戸川に沿い、醤油の産地。近郊農業も盛ん。近年、住宅地化が進行。人口15万1千。 のだ野田】 姓氏の一つ。 ⇒のだ‐ひでお【野田英夫】 のた‐あえ饅韲‥アヘ ヌタアエの訛。 の‐だいこ野太鼓・野幇間】 内職に幇間たいこもちをする者。素人しろうとの幇間。転じて、芸もなく、ただ客の座をとりもつだけの幇間を卑んでいう称。 の‐だいこん野大根】 ①野生の大根。「―引き捨てられもせざりけり」(一茶) ②マツムシソウの異称。 のた‐うちのた打】 泥打祝どろうちいわいのこと。 のたうち‐まわ・るのたうち回る‥マハル 〔自五〕 苦しみもがいてころげまわる。「あまりの痛さに―・る」 のた‐う・つ 〔自五〕 (ヌタウツの転)苦しみもがいてころげまわる。のたくる。 の‐だか野高】 江戸時代、収益のある原野を村高に算入したもの。年貢賦課の対象とした。 の‐だか野鷹】 野にすむ鷹。野生の鷹。 のた‐く・る 〔自五〕 (→)「ぬたくる」に同じ。 の‐だけ野竹・土当帰】 セリ科の多年草。山地に普通。高さ約1メートル。葉は革質でやや厚く、羽状複葉。葉柄は紫色で翼があり、基部は茎を抱く。秋に紫黒色の細小花を多数散形花序につける。根は芳香があり、漢方生薬の前胡ぜんことして解熱・鎮痛・鎮咳・去痰薬。 の‐だけ箆竹】 矢の箆にする竹。 の‐だち野立⇒のだて の‐だち野太刀】 ①野外出行の際に帯びた兵仗ひょうじょうの太刀。 ②長太刀ながたちの異称。 の‐だて野立】 (ノダチとも) ①貴人が野外で乗物をとめて休憩すること。 ②(大演習などで)天皇の野外の休息所。御野立所。 の‐だて野点】 野外で茶をたてること。また、その茶の湯。 のだ‐の‐たまがわ野田の玉川‥ガハ 六玉川の一つ。宮城県の塩竈付近、多賀城の東方を流れる川。千鳥の名所。(歌枕) 新古今和歌集「―千鳥鳴くなり」→玉川 のたばく宣ばく】 (ノタブのク語法)のたまうこと。おおせられること。万葉集20「なげき―」 のだ‐ひでお野田英夫‥ヲ 画家。アメリカ、カリフォルニア生れ。日系移民の子。リベラの助手となり壁画の手法を修得。壁画的な画面構成を特色とする。作「サーカス」。(1908〜1939) ⇒のだ【野田】 のた・ぶ宣ぶ】 〔自四〕 (ノリタブの約)おっしゃる。のたまう。〈類聚名義抄〉 のたま・う宣ふノタマフ 〔他四〕 (ノリタマフの約) ①(尊者が下位の者に)言ってきかせる。源氏物語帚木「いとかしこき仰せ言に侍るなり。姉なる人に―・ひみん」 ②「言う」の尊敬語。おっしゃる。竹取物語「何事をか―・はむことを」 のた‐まく宣巻く】 (近世、ノタマワクから転じた) ①おっしゃること。転じて、勝手なことを言うこと。わけのわからないことをくどくどと言うこと。根無草後編「貸したやつが―云や、横ぞつぽうはりのめすに」 ②酔漢。根無草後編「大戸じょうご酒にのまれて―となり」 のたまわく宣はく・曰はくノタマハク (ノタマフのク語法)のたまうこと。おっしゃるには。竹取物語「みこ―」。「子―」 の‐ため箆撓】 矢の箆のそりをためなおすこと。また、その道具。太平記17「金磁頭二つ―に取り添へて」 ⇒のため‐がた【箆撓形】 のため‐がた箆撓形】 箆撓に似た形。ななめ。また、こじれていること。ひねくれていること。平家物語9「河なかより―に押しなされて」 ⇒の‐ため【箆撓】 のたも・う宣ふノタマフ 〔他四〕 ⇒のたまう のた‐もち饅餅】 枝豆をゆでて皮をとり、すりつぶし、砂糖・卵・醤油・酒を加えてすりのばした餡あんを、糯米もちごめの飯にまぶしたもの。ぬたもち。 のたり ゆるやかにうねるさま。蕪村句集「春の海終日ひねもす――かな」 のた・る 〔自五〕 ①はって行く。 ②ぶらぶら歩く。遊び歩く。 の‐だるき野垂木】 化粧垂木の上にあって屋根をうける垂木。下から見えないのでいう。↔化粧垂木 のたれ‐じに野垂れ死に】 路傍などに、倒れて死ぬこと。また、それに似たみじめな死に方。ゆきだおれ。「わびしく―する」 のたれ‐ば湾刃】 波のうねるような刃文はもん。曲線の大小によって、大のたれ・小のたれという。 のた・れる 〔自下一〕 はう。はって行く。倒れる。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「そこらかまはずふんぞつて―・れてござれ」 のち】 ①(時間的に)あと。古事記「率寝てむ―は」。「晴―くもり」 ②未来。将来。万葉集19「少女らが―のしるしと」。「―の不安」 ③子孫。後胤。宇津保物語蔵開上「此の世に仲忠をはなちては御―なし」 ④なきあと。死後。源氏物語若菜下「ましてこの―といひては伝はるべき末もなき」 のち‐いり後入り⇒ごいり のち‐おい後生い‥オヒ ①後から生ずること。後にできること。また、そのもの。曾丹集「―のつのぐむ蘆の」 ②後に生まれる人。後に学ぶ人。後生こうせい。宇津保物語藤原君「―ともいふものなり」 のち‐おい後追い‥オヒ 時におくれたこと。おくればせにすること。落窪物語2「―なる御物詣なめりや」 のちかがみ後鑑】 江戸幕府編纂の室町幕府の歴史。幕府の奥儒者成島良譲(筑山)らが編纂し、1853年(嘉永6)成る。編年体で、各事件の下に1条ごとに古文書・旧記などを引用。本編347巻、付録20巻。 のち‐がし後菓子‥グワ‥ 会席料理の後段に出す菓子。 のち‐かた後方】 のちほど。後刻。狂言、仁王「―同道致いて参詣致しませう」 のち‐がま後窯】 4代藤四郎破風窯はふがま以後の瀬戸焼の茶入れの称。 のち‐きょうげん後狂言‥キヤウ‥ 上方歌舞伎で、二番目狂言の称。 のち‐くい後悔い】 あとでくやむこと。こうかい。華厳音義私記「後悔無及、乃知久伊矣与保須奈のちくいおよぼすなのち‐ぐすり後薬】 後々のために薬となること。あとで身のためとなること。また、そのもの。浮世草子、好色敗毒散「女郎の―とて折ふしの送り小袖」 のち‐くや・し後悔し】 〔形シク〕 あとになって悔しい。後悔される。竹取物語「深き心も知らであだ心つきなば―・しきこともあるべきを」 のち‐ごしらえ後拵え‥ゴシラヘ 後からこしらえること。また、そのもの。浮世草子、新可笑記「太刀は―に実定じつじょうのち‐ごと後言】 最後のことば。この世に言いのこすことば。ゆいごん。源平盛衰記42「余り強く投げられて―もせず死ににけり」 の‐ぢさ野萵苣】 〔植〕 ⇒のぢしゃ のち‐ざま後方】 後の時。後年。古今著聞集11「余りに好きならひければ―には僧正の筆をも恥ぢざりけり」 のち‐ざん後産⇒あとざん のち‐じて後仕手】 能または狂言で、中入なかいりより後に出るシテ。↔前ジテ の‐ぢしゃ野萵苣】 オミナエシ科の一年草。地中海原産の帰化植物。野菜として欧米で広く栽培。茎は叉状に分岐、夏に小形淡青色の花を球状につける。若葉はサラダに用いる。近縁種で花が淡紅色のモモイロノジシャが、近年日本にも帰化している。 のち‐ずり後刷・後摺⇒あとずり のち‐せ後世】 のちの世。こうせい。浄瑠璃、今宮の心中「わが心、書いて―に留めたや」 のち‐せ後瀬】 ①上流の瀬に対して、次の瀬。下流の瀬。万葉集11「鴨川の―静けく」 ②後に逢う時。後日の逢う瀬。後会。源氏物語帚木「見なほし給ふ―もや」 のち‐ぞい後添い‥ゾヒ 後につれそう妻。2度目の妻。後妻。のちづれ。のちぞえ。 のち‐ぞえ後添え‥ゾヘ (→)「のちぞい」に同じ。 のち‐ぞなえ後備え‥ゾナヘ 後方に備える軍勢。あとぞなえ。 のち‐だち後太刀】 先太刀に次いで斬りつけること。 のち‐つがい後番‥ツガヒ 歌合せ終了後、引き続きほぼ同じ成員によって再度行われる歌合せ。のちのつがい。ごばん。 のち‐つ‐かた後つ方】 のちの時。のちかた。水鏡「文徳天皇より―のことは」 のち‐づれ後連れ(→)「のちぞい」に同じ。 のち‐でき後出来】 晩年の製作。また、その作品。 のち‐とげ後遂げ】 最後までなし遂げること。大鏡道長「一きははいと高く鳴れど、―のなきなり」 のち‐どころ後所】 子孫。後胤。蜻蛉日記「故陽成院の御―ぞかし」 の‐ちどめ野血止】 セリ科の多年草。チドメグサの近縁種。暖地の野原に普通。小形で、細長い茎が地上を這う。葉は円形で5〜7裂。夏、微細な白花を密生した小球形の花穂をつける。葉を傷に貼れば止血作用があるという。 のち‐の‐あおい後の葵‥アフヒ 賀茂祭の日に簾すだれなどにかけた葵で、祭の過ぎた後までそのままにしておくもの。 のち‐の‐あさ後の朝(→)「のちのあした」に同じ。 のち‐の‐あした後の朝】 男女が逢った翌朝。きぬぎぬ。能因本枕草子頭の弁の職に「―は残り多かるここちなむする」 のち‐の‐あやめ後の菖蒲】 (端午の節句を過ぎた後のあやめの意)(→)「六日むいかのあやめ」に同じ。 のち‐の‐いみな後の諱】 おくりな。栄華物語月宴「後の御諱清慎公と聞ゆ」 のち‐の‐おうせ後の逢瀬‥アフ‥ 後日再会の時。 のち‐の‐おや後の親】 実の親の死後、親と頼む人。ままおや。源氏物語帚木「まうとの―」 のち‐の‐きく後の菊】 (重陽ちょうようの節句を過ぎた後の菊の花の意)(→)「十日の菊」に同じ。 のち‐の‐くい後の悔い】 後悔こうかい。源氏物語柏木「聞きすぐさむは―心苦しう」 のち‐の‐こと後の事】 ①将来の事。死後の事。 ②死んだ人に対する作法。葬儀または法会。のちのわざ。源氏物語松風「―おぼし営むな」 ③後産あとざん。のちのもの。源氏物語「―又いと心もとなし」 のち‐の‐すみ後の炭(→)「ごずみ(後炭)」に同じ。 のち‐のち後後】 ①将来。これから先。「―の事を考える」「―苦労することになろう」 ②それより後。以後。後撰和歌集「―まで来ずなりにければ」 ③死者の法事をする7日目ごとの日。また、死者の忌日。宇津保物語忠乞「―の御わざどもし給ふ」 のち‐の‐ちゅうしょおう後中書王‥ワウ 具平ともひら親王の異称。→中書王 のち‐の‐つき後の月】 ①陰暦八月十五夜に対して、九月十三夜の月。豆名月。栗名月。〈[季]秋〉 ②閏月うるうづき。欽明紀「去年の閏月のちのつきの四日を以て」 のち‐の‐つきみ後の月見】 陰暦九月十三夜の月見。中秋の月見に対していう。 のち‐の‐ひがん後の彼岸】 秋の彼岸。〈[季]秋〉 のち‐の‐ひな後の雛】 春の雛祭に対して、秋の9月9日(菊の節句)、または8月朔日ついたちに飾る雛。秋の雛。〈[季]秋〉 のち‐の‐ほとけ後の仏】 釈尊の後をうける仏。弥勒仏みろくぶつをいう。仏足石歌「―に譲りまつらむ」 のち‐の‐み後の身】 来世に生まれかわる身。 のち‐の‐もの後の物】 後産あとざん。のちのこと。宇津保物語蔵開上「―もいとたひらかなり」。日葡辞書「ノチノモノ。即ち、エナ(胞衣)」 のち‐の‐やぶいり後の藪入】 正月の藪入に対して、7月16日の藪入。〈[季]秋〉 のち‐の‐よ後の世】 ①将来。未来。後世。「―まで伝える」 ②死後。万葉集19「―に聞きつぐ人も語りつぐがね」 ③ごせ。ごしょう。源氏物語若紫「―のことなど聞え知らせ給ふ」 のち‐の‐わざ後の業】 死後の葬儀、また、法事。後のこと。源氏物語桐壺「―などにもこまかにとぶらはせ給ふ」 のち‐びと後人】 後世の人。万葉集9「永き世の語りにしつつ―の偲ひにせむと」 のち‐ほど後程】 しばらくしてから。後刻。「―お目にかかりましょう」 のち‐まき後蒔き】 時節におくれて蒔くこと。また、そのもの。おそまき。古今和歌集物名「―のおくれて生ふる苗なれど」 のち‐むかし後昔】 茶の銘。江戸時代、将軍家使用の極上の宇治茶で、湯引き法による青色系のもの。初昔はつむかしより後の時代に好まれた茶の意。製茶家は「あとむかし」と読む。→初昔 のち‐やく後厄(→)「あとやく」に同じ。 の‐ちょう野帳‥チヤウ ①(野外で記す仮帳簿の意)江戸時代、検地の際、実測したものを記載するメモを手帳てちょう、手帳を浄書したものを野帳と称した。野帳が確定した場合、さらに浄書した帳簿を清野帳せいのちょうと称し、検地帳の基礎とした。 ②会葬者の名を記す帳。到来帳。 のち‐わたり後渡り】 織地や器物の渡来時代の区分の一つ。明末の工芸品などで、16世紀後半、永禄・天正頃渡来したもの。陶磁器の場合は小堀遠州以後に舶来のものをいう。 ノッカーknocker】 ①訪問者が来訪を知らせる敲たたき金。玄関の戸などにつける。 ②野球で、ノックする人。 のっ‐かか・る乗っ掛かる】 〔自五〕 ノリカカルの音便。浄瑠璃、国性爺合戦「うち伏せうち伏せ怯ひるむ所を―・り」 の‐づかさ野阜】 小高いところ。野にある丘。万葉集17「あしひきの山谷越えて―に今は鳴くらむ鶯の声」 のっか‐のっか 悠々としたさま。堂々と。狂言、空腕「何の思ひ切て―と行くに行かれぬといふ事が有るものか」 のっ‐か・る乗っかる・載っかる】 〔自五〕 「乗る」の俗な言い方。「荷台に―・る」 のっ‐き・る乗っ切る】 〔自五〕 ノリキルの音便。 ノッキングknocking】 内燃機関のシリンダー内において燃料が過早発火したり異常爆発したりする現象。これが起こるとシリンダーの中で金鎚で叩くような音を出すので、ノッキングの語は本来これを指した。ノック。デトネーション。爆燃。→アンチノック性 ノックknock】 ①たたくこと。扉などをとんとんと打つこと。「―してから入室する」 ②(野球用語)守備を練習するためのボールを打つこと。 ③⇒ノッキング⇒ノック‐アウト【knock out】 ⇒ノック‐オン【knock-on】 ⇒ノック‐ダウン【knock-down】 ⇒ノック‐ダウン‐ゆしゅつ【ノックダウン輸出】 ノック‐アウトknock out】 ①ボクシングで、相手を倒して、10秒以内に立ち上がれなくすること。勝ちとなる。KOと略。 ②転じて、相手を完全に負かすこと。 ⇒ノック【knock】 の‐づくえ野机】 火葬場に据えて焼香などをするのに用いる机。 ノック‐オンknock-on】 ラグビーで、反則の一つ。手で受けたボールを前にこぼしたり、体で前にはじくこと。相手ボールのスクラムになる。 ⇒ノック【knock】 ノックスNO】 (nitrogen oxides)窒素酸化物のこと。 ノックスJohn Knox】 スコットランドのカルヴァン主義宗教改革者。長老教会の基本であるスコットランド信仰告白の起草者の一人。(1514頃〜1572) ノック‐ダウンknock-down】 ボクシングで、パンチを受けて倒れること。また、試合中に身体がロープの外に出たり、試合をする意志がなくロープに寄りかかったりするなど、攻撃や防御の力を失ったと判定された状態。10秒以内に試合体勢をとらないと、ノックアウト負けになる。 ⇒ノック【knock】 ノック‐ダウン‐ゆしゅつノックダウン輸出】 部品のまま輸出して、現地で組み立て販売する方式。 ⇒ノック【knock】 の‐づくり野作り】 畠作りの百姓。傾城禁短気「裏借屋に、東の―、又は大根売・駕籠舁」 のっけ仰け】 (ノケの促音化) ①はじめ。最初。「―から負け続ける」 ②あおむけ。あおのけ。浮世草子、御前義経記「立腹切つて―にそれば」 のつけ‐はんとう野付半島‥タウ 北海道東端部に伸びる日本最大の砂嘴さし。全長26キロメートル。近海はホッカイシマエビの好漁場。野付崎。 のっ・ける乗っける・載っける】 〔他下一〕 「乗せる」の俗な言い方。「頭に―・ける」 の‐つご野つご】 四国地方で、夜道を通る人や牛馬に憑いて歩けなくするという妖怪。赤子の声や「ぎゃあっ」という声を出す。牛馬供養や無縁仏供養をすると出なくなるなどという。 のっ‐こし乗っ越し】 一方の谷から反対側の谷に越えられる山稜の鞍部。峠とうげのっ‐こみ乗っ込み】 (ノリコミの音便)魚が産卵準備のため深場から浅い所へと移動を開始すること。「乗込鮒」は〈[季]春〉。 のっさ‐のっさ (ノサノサの促音化)ゆるくおおまたに歩み出るさま。浄瑠璃、曾我会稽山「―仮屋の歩み、ぐわつたぐわつたと踏み鳴らして」 のっし‐のっし ノシノシの促音化。 のっしり ずっしりと重みのあるさま。ゆるやかでこせつかないさま。浄瑠璃、浦島年代記「田地持ちとて―と、身に備はりし焙烙ほうろく頭巾」 のっ‐す衲子⇒のうす のつ‐そつ (→)「のっつそっつ」に同じ。夏目漱石、門「御米は依然として―床の中で動いていた」 のっそ‐のっそ ノソノソの促音化。 のっそり 動きが鈍重なさま。「部屋から―出てくる」 のったり ノタリの促音化。 ノッチnotch】 ①刻み目。目盛。 ②(→)切欠きりか。 ③抵抗器の抵抗値の切換え接点。 ⇒ノッチ‐ラペル の‐づち野土】 腐敗した植物を含んだ肥沃な黒い土。腐植土。 の‐づち野槌】 ①(「野つ霊」の意)野の神。 ②蠍さそりまたは蝮まむしの類か。〈新撰字鏡8〉 ③一種の妖怪。沙石集5「―といふは常にもなきけだものなり…形大にして、目鼻手足もなくして、只口ばかりあるものの、人を取りて食ふといへり」 ④胴が太く短く、蛇のような形をしている想像上の動物。つちのこ。 ノッチ‐ラペル (notched lapel)(V字形の刻み目ができることから)テーラード‐カラーで、ラペルの先が水平より下がっているもの。ノッチド‐カラー。菱襟。 ⇒ノッチ【notch】 のっつ‐そっつ (「伸りつ反りつ」の転か)身体を動かし姿勢を変える。のつそつ。狂言、腰祈「如何に―とする腰なりとも」 ノッティンガムNottingham】 イギリス、イングランド中部トレント川北岸にある都市。織物・薬品・自動車工業が盛ん。人口28万4千(1996)。 のっ‐と祝詞】 ①ノリトの音便。宇治拾遺物語10「神主―いみじく申して」 ②三味線音楽および長唄囃子の一名称。舞踊劇で祈祷の場面に用いる。 ノットknot】 ①ひも・ネクタイなどの結び目。 ②(「節」と当てる)船舶・海流などの速度の単位。1時間に1海里(1852メートル)の速度を、1ノットという。結び目をつけたロープで船の速度を測ったことからできた語。 ⇒ノット‐ステッチ【knot stitch】 ノットNOT】 (「…でない」の意)論理演算の一つ。命題が真のときは偽、偽のときは真となる。論理否定。否定。 のっ‐と 〔副〕 ぬっと。炭俵「梅が香に―日の出る山路かな」(芭蕉) のっ‐とう祝詞】 ノリトの促音便ノットの長音化。狂言、祝祷神楽のっとうかぐら「へいはくをおつとり―をぞ申けれ」 ノット‐ステッチknot stitch】 刺繍ししゅうのステッチの一種。布の表面に結び目を作り、点を表現したり、多数並べて面を表現したりするのに用いる。結び目により、フレンチ‐ノット・ジャーマン‐ノットなどがある。→ステッチ(図) ⇒ノット【knot】 のっとり ①ねばりけがあって滑らかなさま。 ②ゆるやかで迫らないさま。悠然ゆうぜん。浄瑠璃、伽羅先代萩「立派作りの大小も角菱立てぬ―顔」 の‐つ‐とり野つ鳥】 〔枕〕 野にすむ鳥の意で、「雉」にかかる。継体紀「―雉きぎしは響とよむ」 のっと・る則る】 〔自五〕 (ノリトルの音便)則のりとしてしたがう。模範としてならう。三蔵法師伝承徳頃点「仰ぎて忉利とうりの果に規ノツトリて」。「古式に―・る」 のっ‐と・る乗っ取る】 〔他五〕 (ノリトルの音便)攻め入って奪いとる。奪って自分の支配下におさめる。「敵の陣地を―・る」「飛行機を―・られる」 のっ‐ぴき退っ引き】 (ノキヒキの音便)避け退くこと。よけること。のがれること。尾崎紅葉、不言不語「但は池に入りて彼鉤取りて返すが可か、と―させたまはず」 ⇒退っ引きならぬ

のぞ・む【望む】🔗🔉

のぞ・む望む】 〔他五〕 ①遠くからながめやる。土佐日記「唐詩からうたに、日を―・めば都遠しなどいふなる事のさまを聞きて」。平家物語2「南を―・めば海漫々として、雲の波煙の波深く」。「ふもとより山頂を―・む」 ②願う。欲する。期待する。源氏物語宿木「御後見―・む気色漏らし申しけれど」。「合格を―・む」「―・むところだ」 ③仰ぐ。慕う。「その徳を―・む」

のぞ・む【臨む】🔗🔉

のぞ・む臨む】 〔自五〕 ①目の前にする。面する。和泉式部集「海に―・みたる松に、蔦の紅葉のかかりたるを」。「湖に―・む部屋」 ②場合・機会などに向かいあう。際会する。源氏物語須磨「これより大きなる恥に―・まぬさきに世をのがれなむと思う給へ立ちぬる」。平家物語1「やさ男に、時に―・んで、いかが情なう恥辱をば与ふべき」。「死に―・んでの言葉」「試験に―・む」 ③その場所に行く。徒然草「一道にたづさはる人、あらぬ道のむしろに―・みて」。日葡辞書「センヂャウニノゾム」。「祝典に―・む」 ④治者として被治者に対する。平家物語4「或いは摂政負ふて位に即け、或いは母后抱いて朝に―・むと見えたり」。「圧制をもって民衆に―・む」 ⑤身分の高い人が、みずからその場に行く。

のぞむらく‐は【望むらくは】🔗🔉

のぞむらく‐は望むらくは】 (「恐らくは」などの類推によって生じた、ノゾムのク語法の誤形)望むことは。どうか(…してほしい)。願わくは。

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