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かえ【代え・替え・換え】カヘ🔗🔉

かえ代え・替え・換えカヘ ①かえること。 ②代り。予備。「―のシャツ」 ③交換の割合。「1俵6000円―で買う」

かえ【萱】🔗🔉

かえ】 (上代東国方言)(→)「かや」に同じ。万葉集20「―がむた寝む」

か‐え【柏】カヘ🔗🔉

か‐えカヘ ①ヒノキ・サワラ・コノテガシワの類の古名。万葉集19「松―の栄えいまさね」 ②(「榧」と書く)カヤの古名。

か‐えい【花営】クワ‥🔗🔉

か‐えい花営クワ‥ 室町幕府の雅称。いわゆる「花の御所」を、柳営になぞらえてこう称した。

か‐えい【花影】クワ‥🔗🔉

か‐えい花影クワ‥ 月光などによる花のかげ。はなかげ。〈[季]春〉

か‐えい【果鋭】クワ‥🔗🔉

か‐えい果鋭クワ‥ 果断で気性の鋭いこと。

かえい【嘉永】🔗🔉

かえい嘉永】 [宋書楽志「思皇亨多祐、嘉楽永無央」]江戸後期、孝明天皇朝の年号。弘化5年2月28日(1848年4月1日)改元、嘉永7年11月27日(1855年1月15日)安政に改元。

かえいさんだいき【花営三代記】クワ‥🔗🔉

かえいさんだいき花営三代記クワ‥ 将軍義満・義持・義量の3代にわたる室町幕府関係の記録。3冊。前半は幕府の法令その他をもとに編纂。編者は政所関係者か。後半は御供衆伊勢貞弥の日記。武家日記。室町記。

かえ‐うた【替え歌】カヘ‥🔗🔉

かえ‐うた替え歌カヘ‥ ある歌の旋律に他の歌詞をあてはめたもの。替唱歌かえしょうか

かえ‐おとり【替え劣り】カヘ‥🔗🔉

かえ‐おとり替え劣りカヘ‥ 物を交換して前よりも悪いものを得ること。平家物語8「平家に源氏―したりとぞ人申しける」↔替え優り

かえ‐おや【替親】カヘ‥🔗🔉

かえ‐おや替親カヘ‥ (→)「けいやくおや(契約親)」に同じ。

かえ‐がえ【替え替え】カヘガヘ🔗🔉

かえ‐がえ替え替えカヘガヘ とりかえ。交換。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「どうやら台子だいすの伝授と―にするやうで」

かえ‐かご【替駕籠】カヘ‥🔗🔉

かえ‐かご替駕籠カヘ‥ 江戸時代、宿駅で駕籠をかえること。日本永代蔵2「此所は北国の舟着、殊更東海道の繁昌、馬次、―、車を轟かし」↔通し駕籠

かえ‐かた【替肩】カヘ‥🔗🔉

かえ‐かた替肩カヘ‥ かごなどを入れかわってかつぐ者。

かえ‐かたびら【替帷子】カヘ‥🔗🔉

かえ‐かたびら替帷子カヘ‥ 取りかえて着る帷子。予備の帷子。西鶴置土産「世は外聞つつむ風呂敷に―」

か‐えき【課役】クワ‥🔗🔉

か‐えき課役クワ‥ ①仕事を割り当てること。また、割り当てられた仕事。 ②律令制では課が調ちょう、役が庸ようと雑徭ぞうようとを指す。ときに課に田租まで含める場合や、広く租税一般を指す場合がある。かやく。みつぎえだち。 ③中世・近世では年貢や夫役など租税一般。かやく。

かえ‐ぎ【替着】カヘ‥🔗🔉

かえ‐ぎ替着カヘ‥ 着がえの着物。 ⇒替着無しの晴着無し ○替着無しの晴着無しかえぎなしのはれぎなし 常に一張羅いっちょうらを着ていて、着かえる着物のないことにいう。 ⇒かえ‐ぎ【替着】

○替着無しの晴着無しかえぎなしのはれぎなし🔗🔉

○替着無しの晴着無しかえぎなしのはれぎなし 常に一張羅いっちょうらを着ていて、着かえる着物のないことにいう。 ⇒かえ‐ぎ【替着】 かえ‐ごと替え事・易え事カヘ‥ 互いにとりかえること。とりかえこ。狂言、富士松「それ成らば―には何と有ろうぞ」 かえ‐ことば代詞カヘ‥ 合言葉。符牒ふちょうかえ‐さ帰さカヘ‥ 帰る時。帰りみち。帰ること。かえるさ。枕草子41「祭の―見るとて」 かえさい‐そう・す返さひ奏すカヘサヒ‥ 〔他サ変〕 (帝に対して)御辞退申しあげる。源氏物語行幸「内より御気色あることを―・し」 かえさい‐もう・す返さひ申すカヘサヒマウス 〔他四〕 御辞退申す。源氏物語若菜上「昔より好み給はぬ御心にて皆―・し給ふ」 かえさ・う返さふカヘサフ 〔他四〕 (カヘスに接尾語フの付いた語) ①うらがえす。ひっくりかえす。万葉集18「針袋取りあげ前に置き―・へば」 ②問い返す。質問する。源氏物語少女「史記のかたき巻々、寮試受けむに、博士の―・ふべきふしぶしを引き出でて」 ③思い返す。源氏物語手習「かくだに思はじなど心一つを―・ふ」 かえ‐さま返様カヘ‥ うらがえし。さかさま。あべこべ。宇津保物語貴宮「うへのはかまを―に着」 かえ‐ざや替鞘カヘ‥ 予備の鞘。 カエサルGaius Julius Caesar】 古代ローマの将軍・政治家。貴族の出。紀元前60年、ポンペイウス・クラッススと共に第1次三頭政治を開き、ガリアを討ち、クラッススの没後ポンペイウスと争い、エジプトにこれを追って滅ぼす。ついで各地の内乱を平定、ローマに帰って独裁者の地位に就いたが、反抗者によって元老院議事堂で暗殺された。文筆家としても卓絶し「ガリア戦記」「内乱記」はラテン文学の傑作。「カエサル」は後にローマ皇帝の称号。また、後世のカイザー・ツァーリなどの称号の語源。シーザー。ケーザル。(前100頃〜前44)→ユリウス暦 ⇒カエサルの物はカエサルに

かえ‐ごと【替え事・易え事】カヘ‥🔗🔉

かえ‐ごと替え事・易え事カヘ‥ 互いにとりかえること。とりかえこ。狂言、富士松「それ成らば―には何と有ろうぞ」

かえ‐ことば【代詞】カヘ‥🔗🔉

かえ‐ことば代詞カヘ‥ 合言葉。符牒ふちょう

かえ‐さ【帰さ】カヘ‥🔗🔉

かえ‐さ帰さカヘ‥ 帰る時。帰りみち。帰ること。かえるさ。枕草子41「祭の―見るとて」

かえさい‐そう・す【返さひ奏す】カヘサヒ‥🔗🔉

かえさい‐そう・す返さひ奏すカヘサヒ‥ 〔他サ変〕 (帝に対して)御辞退申しあげる。源氏物語行幸「内より御気色あることを―・し」

かえさい‐もう・す【返さひ申す】カヘサヒマウス🔗🔉

かえさい‐もう・す返さひ申すカヘサヒマウス 〔他四〕 御辞退申す。源氏物語若菜上「昔より好み給はぬ御心にて皆―・し給ふ」

かえさ・う【返さふ】カヘサフ🔗🔉

かえさ・う返さふカヘサフ 〔他四〕 (カヘスに接尾語フの付いた語) ①うらがえす。ひっくりかえす。万葉集18「針袋取りあげ前に置き―・へば」 ②問い返す。質問する。源氏物語少女「史記のかたき巻々、寮試受けむに、博士の―・ふべきふしぶしを引き出でて」 ③思い返す。源氏物語手習「かくだに思はじなど心一つを―・ふ」

かえ‐さま【返様】カヘ‥🔗🔉

かえ‐さま返様カヘ‥ うらがえし。さかさま。あべこべ。宇津保物語貴宮「うへのはかまを―に着」

かえ‐ざや【替鞘】カヘ‥🔗🔉

かえ‐ざや替鞘カヘ‥ 予備の鞘。

カエサル【Gaius Julius Caesar】🔗🔉

カエサルGaius Julius Caesar】 古代ローマの将軍・政治家。貴族の出。紀元前60年、ポンペイウス・クラッススと共に第1次三頭政治を開き、ガリアを討ち、クラッススの没後ポンペイウスと争い、エジプトにこれを追って滅ぼす。ついで各地の内乱を平定、ローマに帰って独裁者の地位に就いたが、反抗者によって元老院議事堂で暗殺された。文筆家としても卓絶し「ガリア戦記」「内乱記」はラテン文学の傑作。「カエサル」は後にローマ皇帝の称号。また、後世のカイザー・ツァーリなどの称号の語源。シーザー。ケーザル。(前100頃〜前44)→ユリウス暦 ⇒カエサルの物はカエサルに ○カエサルの物はカエサルにカエサルのものはカエサルに (新約聖書マタイ伝22章)(この「カエサル」は、ローマ皇帝の意)この世の務めと神への務めを共に果たせと教えたキリストの言葉。転じて、本来あるべきところに返せ、の意で用いられる。 ⇒カエサル【Gaius Julius Caesar】

○カエサルの物はカエサルにカエサルのものはカエサルに🔗🔉

○カエサルの物はカエサルにカエサルのものはカエサルに (新約聖書マタイ伝22章)(この「カエサル」は、ローマ皇帝の意)この世の務めと神への務めを共に果たせと教えたキリストの言葉。転じて、本来あるべきところに返せ、の意で用いられる。 ⇒カエサル【Gaius Julius Caesar】 かえし返しカヘシ ①手紙の返事。かえりごと。 ②返歌。答歌。和泉式部日記「御―、一夜見し月ぞと思へば…と聞えて」 ③(波・地震・風などが)いったん止んで、再び起こること。蜻蛉日記「昼つかた、―うち吹きて」 ④返報。返礼。「お―」 ⑤(「逆鉤」「逆刺」とも書く)(→)「かえり(返)」3に同じ。 ⑥「返し幕」の略。 ⑦字音の反切はんせつ。玉塵抄8「―もないほどに音も知らぬぞ」 ⑧各種の歌謡で、同じ文句を2度くりかえしてうたうこと。 ⑨鳥の糞。〈日葡辞書〉 ⑩沈香じんこうの燃えたあとの炭。日葡辞書「ヂンノカエシ」 ⇒かえし‐うた【返し歌】 ⇒かえし‐がたな【返し刀】 ⇒かえし‐こうばい【返し勾配】 ⇒かえし‐ざま【返し様】 ⇒かえし‐じ【返し字】 ⇒かえし‐じょう【返し状】 ⇒かえし‐づき【返し突】 ⇒かえし‐どめ【返し留め】 ⇒かえし‐ぬい【返し縫い】 ⇒かえし‐ばり【返し針】 ⇒かえし‐ぶみ【返し文】 ⇒かえし‐まく【返し幕】 ⇒かえし‐もの【返し物】 ⇒かえし‐ももだち【返し股立】 ⇒かえし‐や【返し矢】 ⇒かえし‐わざ【返し技】 かえ‐じ替字カヘ‥ 同じ読み方の他の字を替えて用いること。また、替えて用いる字。藤とうを東、竹を武、幸を孝に替える類。 かえし‐あわ・す返し合すカヘシアハス 〔自下二〕 ひきかえして敵と出合う。ひきかえして防ぎ戦う。平家物語4「―・せ―・せ防ぎ戦ふ」 かえし‐うた返し歌カヘシ‥ ①贈られた歌の意に和して詠みかえす歌。へんか。かえり。 ②(→)反歌はんかに同じ。 ③東遊あずまあそびの歌の大比礼おおひれ歌のうたい方。調子を変えて片下かたおろしにうたう。反歌。 ⇒かえし【返し】 かえし‐がたな返し刀カヘシ‥ ①一方へ切りつけた刀をすぐ翻して他の方を切ること。かえす刀。 ②竹や木の端をはすに切り、その尖端を裏から少しそぐこと。徒然草「枝の長さ七尺、あるいは六尺、―五分に切る」 ⇒かえし【返し】 かえし‐こうばい返し勾配カヘシ‥ 規矩術での勾配の表し方。矩かね勾配(45度)以上の急勾配の際、矩勾配を差し引いた残りで表示する。 ⇒かえし【返し】 かえし‐ざま返し様カヘシ‥ 返す途端。かえっさま。狂言、附子ぶす「その取て―に台天目の上へこけ掛つてござれば」 ⇒かえし【返し】 かえし‐じ返し字カヘシ‥ (→)「かえりじ」に同じ。 ⇒かえし【返し】 かえし‐じょう返し状カヘシジヤウ 手紙の返事。返書。 ⇒かえし【返し】 かえし‐づき返し突カヘシ‥ 剣道で相手が突いてくるのをはずして逆にこちらから突き返す技。 ⇒かえし【返し】 かえし‐どめ返し留めカヘシ‥ 裁縫で、縫い終りを2、3針もと縫った方へ縫い戻して、糸が抜けないように留めること。返し針。 ⇒かえし【返し】 かえし‐ぬい返し縫いカヘシヌヒ 裁縫の縫い方の一つ。1針ごとにあとへ返して縫うこと。1針返す本返し縫いと半針返す半返し縫いとの2種がある。返し針。 ⇒かえし【返し】 かえし‐ばり返し針カヘシ‥(→)「かえしぬい」に同じ。 ②(→)「かえしどめ」に同じ。 ⇒かえし【返し】 かえし‐ぶみ返し文カヘシ‥ 手紙の返事。返書。 ⇒かえし【返し】 かえし‐まく返し幕カヘシ‥ 歌舞伎で、いったん幕をしめ、鳴物などで間をつなぎ、すぐ幕を開くこと。かえし。 ⇒かえし【返し】 かえし‐もの返し物カヘシ‥ ①返却すべきもの。 ②返礼の品。 ③催馬楽さいばらなどで返り声(転調音)で謡うこと。 ⇒かえし【返し】 かえし‐ももだち返し股立カヘシ‥ 袴の左右の裾をはしょって引き上げ、腰の紐に挟むこと。日葡辞書「ハカマノカエシモモダチヲタカクトル」 ⇒かえし【返し】 かえし‐や返し矢カヘシ‥ 敵から射て来た矢で射返すこと。また、その矢。還矢。神代紀「―畏むべし」 ⇒かえし【返し】 かえ‐しょうか替唱歌カヘシヤウ‥ (→)「替え歌」に同じ。 かえ‐しょうぞく替装束カヘシヤウ‥ 能または狂言で、通例とはちがう扮装をすること。また、その時の全般の演出形式。 かえし‐わざ返し技カヘシ‥ 柔道の技の一つ。相手が仕掛けてきた技を、そのまま切り返して反撃する。裏を取る。 ⇒かえし【返し】 かえ‐しん替え芯カヘ‥ シャープ‐ペンシル・ボールペンなどの、取替え用の芯。 かえ・す反す・返す・帰す・還すカヘス 〔他五〕 ➊《反・返》事物・事柄の置かれた位置・順序・状態などを入れちがいにする。 ①表裏を反対にする。うらがえす。ひるがえす。万葉集11「わが背子が袖―・す夜の夢ならしまことも君に逢へりし如し」。万葉集1「采女の袖吹き―・す明日香風」。享和本新撰字鏡「翻、加戸須」。「手のひらを―・す」「軍配を―・す」「裏を―・す」 ②上であったものを下にする。くつがえす。ひっくりかえす。大和物語「雨のもりければむしろを引き―・すとて。思ふ人雨とふりくるものならば我がもる床は―・さざらまし」 ③たがやす。掘りかえす。古今和歌集「あらを田をあらすき―・し―・しても人の心を見てこそやまめ」。新撰字鏡8「耕、加戸須」 ➋事物・事柄を、もとの所・状態・人などへもどす。 ①もとの場所へもどす。帰らせる。万葉集6「病あらせず速やけく―・したまはね本の国へに」。「棚に本を―・す」「妻を里に―・す」 ②もとのようにする。もとへもどす。夫木和歌抄16「夕月夜染むる岡部の松の葉を緑に―・す村時雨むらしぐれかな」。「白紙に―・す」 ③もとの持主にもどす。返却する。また、官位を返上する。辞する。竹取物語「今金五十両たまはるべし…もし金賜はぬものならば衣の質―・したべ」。源氏物語澪標「病によりて位を―・し奉りてしを」。「借金を―・す」 ④返報する。むくいる。日本霊異記「畜生すらなほ恩を忘れずして恩を―・し報ゆ」。「恩を仇で―・す」 ⑤返事や返歌をする。大和物語「女、このかへし…と―・したりける」。「―・す言葉がない」 ⑥一度のどを通った食物をもどす。嘔吐する。栄華物語嶺月「湯のませなどすれど―・しつつ惑ふ」 ⑦(自動詞的に)ひきかえす。もどる。平家物語9「敵かたきにうしろを見せさせ給ふものかな。―・させ給へ」。「寄せては―・す浦波」 ➌《反・返》時の経過やある種の操作によって事物の状態・性質を今までと違ったものにする。 ①ある色に染まっている物を他の色に染める。染めかえす。平家物語1「小桜を黄に―・いたる鎧きて」 ②神楽歌・催馬楽さいばらなどを謡う時に、その調子を律から呂りょに、または呂から律にかえなどする。呂律の調子をかえる。袖中抄「古今のかへしものの歌…―・すとは催馬楽拍子に吹きなしひきなして朝倉をうたふなるべし」 ③(「孵す」と書く)卵をあたためて子にする。宇津保物語藤原君「卵かいの内に命こめたるかりの子は君が宿にて―・さざるらむ」。「雛ひなを―・す」 ➍《反・返》(他の動詞の連用形に付いて) ①その動作をもう一度する。繰り返す。「読み―・す」「思い―・す」 ②他から受けた動作と同じ動作をこちらから行う。「問い―・す」「なぐり―・す」 ◇もとへ戻す意の場合、事物には「返」、人には「帰」を使うのがふつう。ただし、乗物の場合は「車を帰す」のように「帰」を用いる。 かえす‐がえす返す返すカヘスガヘス 〔副〕 (古くは清音) ①幾度も繰り返して。再三再四。伊勢物語「歌を―誦じたまうて」 ②どう考えても。本当に。源氏物語桐壺「―つれなき命にも侍るかな」。「―も残念だ」 ③ねんごろに。ていねいに。十六夜日記「―も書きおく跡たしかなれども」 かえ‐すがた変え姿カヘ‥ それと知られぬように姿をかえること。また、その姿。変装。 かえす‐かたな返す刀カヘス‥ (→)「かえしがたな」に同じ。 かえ‐ズボン替えズボンカヘ‥ 予備のズボン。また、上着と生地や色・柄などを違えたズボン。 かえ‐せん替銭カヘ‥ (カエゼニとも)「かわせ(為替)2㋐」参照。 ⇒かえせん‐や【替銭屋】 かえせん‐や替銭屋カヘ‥ 中世、両替および為替を取り扱った金融機関。替屋。→割符さいふ ⇒かえ‐せん【替銭】 かえ‐ぞうり替草履カヘザウ‥ はきかえの草履。 かえ‐ぞん替え損カヘ‥ とりかえて損をすること。↔替え得 かえ‐た汲田カヘ‥ (兵庫県の旧印南郡地方で)土地が高くしばしば用水を汲み込む必要のある田。畑田はたけだかえ‐だま替え玉カヘ‥ ①本物のように見せかけてその代りに用いる偽物。 ②本人だと偽って実は他の人を使うこと。また、その人。「―受験」 ③ラーメン屋で、残った汁の中に麺だけをおかわりすること。また、その麺。 かえ‐ち替地カヘ‥ ①土地をとりかえること。→相博そうはく。 ②代りに与える土地。代替地。代地。 かえ‐ぢゃわん替茶碗カヘ‥ 茶会で、3客以上の時に主おも茶碗とかわるがわる使用する茶碗。↔主茶碗 か‐えつ下越‥ヱツ 新潟県北部を指していう語。 かえっ‐て却って・反ってカヘツテ 〔副〕 (カエリテの音便)反対に。逆に。あべこべに。保元物語(金刀比羅本)「天のあたへをとらざれば、―其のとがを得」。「金があり過ぎると―よくない」 ⇒かえって‐とく【却って説く】 かえって‐とく却って説くカヘツテ‥ (筆を改め他の事を説くのに用いる)さて。さてまた。話かわって。浮世床2「―、裏門からまかでた所が」 ⇒かえっ‐て【却って・反って】 かえ‐づる替弦カヘ‥ 予備の弓弦。 かえ‐で替手カヘ‥ (カエテとも) ①交替役。 ②地歌・箏曲などの演奏で、基本となる原旋律(本手)に対して、合奏するために作られた別の装飾的な旋律。また、その奏者。古くは本来の旋律に替え得る別の旋律を指した。 かえ‐で槭樹・楓カヘデ (カエルデ(蛙手)の約。葉の形が似ているからいう) ①カエデ科の落葉高木の総称。北半球の温帯に分布。葉は多くは掌状で、初め緑色、秋に赤・黄色に紅葉するが、全く葉の裂けないもの、複葉になるもの、また紅葉しないものもある。4〜5月頃、黄緑色や暗紅色の多数の小花をつけ、後に2枚の翼を持った果実をつける。材は器具・細工物にする。日本のイタヤカエデ・イロハカエデ、北米のサトウカエデなど種類が多い。モミジ。〈[季]秋〉 イタヤカエデ 提供:ネイチャー・プロダクション イロハカエデ 提供:ネイチャー・プロダクション ウリハダカエデ 提供:ネイチャー・プロダクション トウカエデ 提供:ネイチャー・プロダクション ハウチワカエデ 提供:ネイチャー・プロダクション ミネカエデ 提供:ネイチャー・プロダクション ②襲かさねの色目。表裏とも萌葱もえぎ⇒かえで‐か【楓科】 ⇒かえで‐だな【楓棚】 ⇒かえで‐ちょう【楓鳥】 ⇒かえで‐とう【楓糖】 ⇒かえで‐の‐ま【楓の間】 かえで‐か楓科カヘデクワ 双子葉植物の一科。高木で葉は対生。花は小さく、果実は有翼。北半球温帯に広く分布。大部分はカエデ属、ほかに2属があり、約200種。日本には30種ほど自生。 ⇒かえ‐で【槭樹・楓】 かえで‐だな楓棚カヘデ‥ 床脇の棚の一形式。袋棚を設けない。 楓棚 ⇒かえ‐で【槭樹・楓】 かえで‐ちょう楓鳥カヘデテウ スズメ目カエデチョウ科の鳥。スズメより小さく、主として草の実を食す。全身赤みを帯びた灰色で、嘴くちばしは太く短く赤い。アフリカにすむ。愛玩鳥として輸入飼育される。 ⇒かえ‐で【槭樹・楓】 かえで‐とう楓糖カヘデタウ 北アメリカ産の砂糖楓さとうかえでの樹幹から作る砂糖。メープル‐シュガー。 ⇒かえ‐で【槭樹・楓】 かえで‐の‐ま楓の間カヘデ‥ 江戸城中で、将軍が一般の政務を執ったあとの居室にあてた、8畳2間の座敷。 ⇒かえ‐で【槭樹・楓】 かえ‐どく替え得カヘ‥ とりかえて利得があること。↔替え損 かえ‐どの柏殿カヘ‥ 平安時代、朱雀院にあった皇后の座所。源氏物語若菜上「御しつらひは―の西おもてに」 かえ‐な替名カヘ‥ ①本名にかえて用いる名。変名。 ②遊里で客の本名を呼ばずに、その客に縁のある語にかえて呼ぶ名。浄瑠璃、女殺油地獄「客の―は蝋九とて」 ③芝居で、俳優の扮する役の名。根無草後編「しらせの撃柝ひょうしぎ―の読立て」 かえ‐に‐す肯へにすカヘ‥ (「不肯」の訓読。カヘは「できる」の意の動詞カフの連用形、ニは否定の助動詞ズの古い連用形、スはサ変動詞)…ができない。許されない。→がえんずる かえ‐の‐かた替の型カヘ‥ 能や狂言で、平常と変わった特殊な演出。狭義には舞い手の動きについていう。 かえ‐ばかえ葉】 握飯を包むのに用いる朴ほおの干葉。 かえ‐ば替刃・換刃カヘ‥ 安全かみそりやカッターなどで、とりかえて使う刃。 かえ‐ぶた替蓋カヘ‥ 代りのふた。とりかえぶた。 かえ‐ぼし換え乾しカヘ‥ (→)掻掘かいぼりに同じ。 かえ‐ほ・す換へ乾すカヘ‥ 〔他四〕 水を汲み尽くす。水を汲み出して涸からす。さらえる。 かえ‐ぼり換え掘りカヘ‥ (→)掻掘かいぼりに同じ。 かえ‐まい替米カヘ‥ 「かわせ(為替)2㋐」参照。 かえ‐まさり替え優りカヘ‥ 物を交換して前よりもよいものを得ること。狭衣物語1「武蔵野のわたりのよるの衣ならば、げに―もやおぼえまし」↔替え劣り かえ‐もの換え物カヘ‥ 物と物とをとりかえること。また、その品物。狂言、富士松「―といへば同心でおりやるの」 かえ‐もん代紋・替紋カヘ‥ 定紋じょうもんにかえて用いる紋。裏紋。 かえ‐や替矢カヘ‥ 予備の矢。かけがえの矢。 かえ‐やぐら代櫓カヘ‥ 江戸の大劇場、中村・市村・森田の三座中休業するものがある時に限って、それぞれの代りに興行を許された都座・桐座・河原崎座などの称。控櫓ひかえやぐら。仮櫓かりやぐらかえ‐ゆみ替弓カヘ‥ 予備の弓。取替えの弓。 かえらい・みる還らひみるカヘラヒミル 〔他上一〕 ふりかえりみる。万葉集16「おのが顔―・みつつ」 かえら・う反らふ・帰らふカヘラフ 〔自四〕 (カヘルに接尾語フの付いた語)たびたび帰る。万葉集7「い行き―・ひ見れど飽かぬかも」 かえら‐か・す返らかすカヘラ‥ 〔他四〕 煮立たせる。沸騰させる。宇治拾遺物語1「さらさらと―・して芋粥いでまうできにたりといふ」 かえら‐か・す孵らかすカヘラ‥ 〔他四〕 卵をかえらせる。 かえらぬ‐たび帰らぬ旅カヘラヌ‥ 死んで冥土に行くこと。帰らぬ路。千載和歌集哀傷「常に見し君が御幸を今日問へば―と聞くぞ悲しき」 かえらぬ‐ひと帰らぬ人カヘラヌ‥ 再び帰ってこない人。死んだ人。土佐日記「都へと思ふも物の悲しきは―のあればなりけり」 かえら‐ば‐に却らばにカヘラ‥ 〔副〕 かえって。反対に。万葉集12「暁あかときの朝霧隠ごもり―何しか恋の色に出でにける」 かえら‐ま‐に却らまにカヘラ‥ 〔副〕 (→)「かえらばに」に同じ。 かえり反りカヘリ ①うらがえること。くつがえること。ちゅうがえり。 ②返点かえりてん⇒かえり‐くじ【反公事】 ⇒かえり‐ばな【反花】 ⇒かえり‐ゆみ【反り弓】 かえり返り・帰り・還り・回りカヘリ ①帰ること。帰る時。帰り路。もどり。 ②かえりごと。返事。返書。返歌。 ③(「逆鉤」「逆刺」とも書く)骨・角などの釣針や銛もりや槍に切り込んでつくった針状の突起。獲物に突き刺さって抜けないようになる。かえし。 ④回数・度数を表す語。度たび。かい。へん。更級日記「今一―申しければ」 ⇒かえり‐あし【帰り足】 ⇒かえり‐あそび【還遊】 ⇒かえり‐あるじ【還饗】 ⇒かえり‐うち【返り討ち】 ⇒かえり‐うま【帰り馬】 ⇒かえり‐がけ【帰り掛け】 ⇒かえり‐かんじょう【返り感状】 ⇒かえり‐ぎわ【帰り際】 ⇒かえり‐ぐま【返り隈】 ⇒かえり‐ぐるま【帰り車】 ⇒かえり‐げ【帰りげ】 ⇒かえり‐ごえ【返り声】 ⇒かえり‐ごと【返り言・返り事】 ⇒かえり‐ざき【返り咲き・帰り咲き】 ⇒かえり‐ざま【帰り方・帰り様】 ⇒かえり‐じ【返り字】 ⇒かえり‐じ【帰り路】 ⇒かえり‐しな【帰りしな】 ⇒かえり‐しょうがつ【返り正月】 ⇒かえり‐しょうもん【返り証文】 ⇒かえり‐しょにち【返り初日】 ⇒かえり‐しんざん【帰り新参】 ⇒かえり‐ぜめ【返り攻め】 ⇒かえり‐だち【還立】 ⇒かえりだち‐の‐あるじ【還立の饗】 ⇒かえり‐ち【返り血】 ⇒かえり‐ちゅう【返り忠】 ⇒かえり‐てん【返り点】 ⇒かえり‐てんじょう【還殿上】 ⇒かえり‐にゅうまく【返り入幕】 ⇒かえり‐ばな【返り花・帰り花】 ⇒かえり‐ひきでもの【返り引出物】 ⇒かえり‐びな【帰り雛】 ⇒かえり‐ぶみ【返り書】 ⇒かえり‐みち【帰り道・帰り路】 ⇒かえり‐むこ【帰り婿】 ⇒かえり‐もうし【返り申し】 ⇒かえり‐もうで【返り詣で】 ⇒かえり‐やみ【返り病み】 かえり‐あし帰り足カヘリ‥ 帰る時の足のついで。七十一番職人尽歌合「―にて安く候ふぞ」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐あそび還遊カヘリ‥ 賀茂・石清水・春日などの祭ののち、使や舞人が還って更に歌舞を奏すること。栄華物語様々喜「祭の日の―御前にてある」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐あるじ還饗カヘリ‥ ①賭弓のりゆみ・相撲の節会などの晴はれの勝負事の終わったとき、勝った方の近衛大将が、家に帰ってその配下を饗応したこと。かえりだちのあるじ。かえりのあるじ。源氏物語匂宮「のり弓の―のまうけ、六条院にて、いと心ことにし給ひて」 ②賀茂・石清水・春日の祭などが終わって、使・舞人などが還って来た時の饗宴。宇津保物語梅花笠「春日より…―いかめしく」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐うち返り討ちカヘリ‥ かたきを討とうとして却ってかたきのために討たれること。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐う・つ反り打つカヘリ‥ 〔自四〕 ①宙返りをする。もんどりうつ。とんぼがえりをする。 ②鳥などが首を後ろに傾けて眠る。かえりさす。散木奇歌集「時鳥おのが根山の椎柴に―・てばや音づれもせぬ」 かえり‐うま帰り馬カヘリ‥ 人や荷物を運んだ帰りみちの馬。もどりうま。東海道中膝栗毛「―だが、乗つてくんなさい」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐がけ帰り掛けカヘリ‥ ①帰ろうとする時。「―に呼びとめられる」 ②帰路のついで。帰る途中。「―に立ち寄る」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐かんじょう返り感状カヘリ‥ジヤウ 敵方から受ける感状。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐き・く還り聞くカヘリ‥ 〔他四〕 まわりまわって耳に入る。事の終わった後、耳に入る。伝え聞く。古今著聞集16「僧正―・き給ひて」 かえり‐ぎわ帰り際カヘリギハ 帰ろうとする時。帰りしな。「―に雨が降り出した」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐くじ反公事カヘリ‥(→)逆公事さかくじに同じ。 ②苦情をいうべき相手から、かえって受ける苦情。浮世風呂2「そつちの娘のいたづらなことは言はねへで、人の子に―を食はせる」 ⇒かえり【反り】 かえり‐ぐま返り隈カヘリ‥ 明るい色を段階的に加えてハイライトの効果を出す隈取り。照り隈。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ぐるま帰り車カヘリ‥ 客を送っての帰りの空き車。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐げ帰りげカヘリ‥ 帰りそうな様子。枕草子74「とみも―もなきを」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ごえ返り声カヘリゴヱ 雅楽・声明しょうみょうで、調子が呂りょから律に、律から呂に移ること。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ご・つ返りごつカヘリ‥ 〔他四〕 (カヘリゴトスの約)返事をする。源氏物語賢木「情なからずうち―・ち給ひて」 かえり‐ごと返り言・返り事カヘリ‥ ①へんじ。返答。返書。日葡辞書「カエリコト」 ②和歌でする返言。返歌。 ③使者が帰ってする報告。万葉集19「早渡り来て―奏まうさむ日に」 ④返礼。答礼。土佐日記「米よねして―す」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ざき返り咲き・帰り咲きカヘリ‥ ①その季節でないのに花の咲くこと。多くは春咲いた花が秋に再び咲くのにいう。にどざき。くるいざき。〈[季]冬〉 ②いったん衰えたものが再び栄えること。もとの地位に復帰すること。カムバック。「三役への―」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ざ・く返り咲くカヘリ‥ 〔自五〕 ①花の咲く季節を過ぎて、再び咲く。返り咲きをする。夫木和歌抄4「散る花を吹上の浜の風ならばなほも木末に―・かせよ」 ②いったん衰えたものが再び栄える。失った地位などを回復する。「舞台に―・く」 かえり‐ざま帰り方・帰り様カヘリ‥ 帰ろうとするとき。帰りがけ。源氏物語蓬生「―に立ち寄り給ひて」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐じ返り字カヘリ‥ 漢文を訓読する時、顛倒して読むべき文字。かえしじ。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐じ帰り路カヘリヂ 帰りみち。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐しな帰りしなカヘリ‥ 帰りがけ。「―に投函する」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐しょうがつ返り正月カヘリシヤウグワツ 小正月のこと。正月20日のことをいう地方もある。戻り正月。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐しょうもん返り証文カヘリ‥ 人手に渡した物件に対し、約定の金額を期日通り持参すれば、再びとりかえし得る旨を記した証文。返り証。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐しょにち返り初日カヘリ‥ 演劇の興行中、いったん休演して再び開演した時の初日。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐しんざん帰り新参カヘリ‥ 主家をいったん去った人が、再び帰参して仕えること。また、その人。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ぜめ返り攻めカヘリ‥ ひきかえして攻めること。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐だち還立カヘリ‥ 賀茂・石清水・春日などの祭が終わり、奉仕した使・舞人などが還って更に天皇の御前で歌舞を演じ、賜宴などのあること。枕草子142「賀茂の臨時の祭は―の御神楽などにこそ慰めらるれ」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえりだち‐の‐あるじ還立の饗カヘリ‥ (→)「かえりあるじ」に同じ。 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐た・つ還り立つカヘリ‥ 〔自四〕 ①帰ろうとして出で立つ。帰路につく。万葉集16「―・ち路を来れば」 ②還立かえりだちをする。為忠百首「―・つ庭火の前のかなでこそ」 かえり‐ち返り血カヘリ‥ 自分にかかった、斬った相手の血。「―を浴びる」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐ちゅう返り忠カヘリ‥ 元の主君に背いて敵方の主君に忠を尽くすこと。うらぎり。平家物語2「他人の口よりもれぬさきに、―して命生かうど思ふ心ぞつきにける」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐つ・く帰り着くカヘリ‥ 〔自五〕 もどって、出発した所に着く。帰着する。 かえり‐つ・く復り即くカヘリ‥ 〔自五〕 退位した天皇が再び位に即く。重祚ちょうそする。 かえり‐て却りてカヘリ‥ 〔副〕 反対に。逆に。かえって。徒然草「あやしみを見てあやしまざるときは、あやしみ―破る」 かえり‐てん返り点カヘリ‥ 漢文を訓読するため、漢字の左側に記して、顛倒して読むことを表す符号。「」または一・二・三・四、上・中・下、甲・乙・丙、天・地・人などを用いる。反かえり⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐てんじょう還殿上カヘリ‥ジヤウ ①殿上人が昇殿をとめられた後、再び昇殿を許されること。還昇げんじょう・かんじょう。狭衣物語1「来年ばかり―して五位の蔵人になりて」 ②退位した天皇が再び即位すること。重祚ちょうそ。源平盛衰記3「孝謙女帝…後には―して称徳天皇と申しき」 ⇒かえり【返り・帰り・還り・回り】 かえり‐な・る還り為るカヘリ‥ 〔自四〕 再び元の官職に就く。源氏物語松風「かの解けたりし蔵人も―・りにけり」

かえし【返し】カヘシ🔗🔉

かえし返しカヘシ ①手紙の返事。かえりごと。 ②返歌。答歌。和泉式部日記「御―、一夜見し月ぞと思へば…と聞えて」 ③(波・地震・風などが)いったん止んで、再び起こること。蜻蛉日記「昼つかた、―うち吹きて」 ④返報。返礼。「お―」 ⑤(「逆鉤」「逆刺」とも書く)(→)「かえり(返)」3に同じ。 ⑥「返し幕」の略。 ⑦字音の反切はんせつ。玉塵抄8「―もないほどに音も知らぬぞ」 ⑧各種の歌謡で、同じ文句を2度くりかえしてうたうこと。 ⑨鳥の糞。〈日葡辞書〉 ⑩沈香じんこうの燃えたあとの炭。日葡辞書「ヂンノカエシ」 ⇒かえし‐うた【返し歌】 ⇒かえし‐がたな【返し刀】 ⇒かえし‐こうばい【返し勾配】 ⇒かえし‐ざま【返し様】 ⇒かえし‐じ【返し字】 ⇒かえし‐じょう【返し状】 ⇒かえし‐づき【返し突】 ⇒かえし‐どめ【返し留め】 ⇒かえし‐ぬい【返し縫い】 ⇒かえし‐ばり【返し針】 ⇒かえし‐ぶみ【返し文】 ⇒かえし‐まく【返し幕】 ⇒かえし‐もの【返し物】 ⇒かえし‐ももだち【返し股立】 ⇒かえし‐や【返し矢】 ⇒かえし‐わざ【返し技】

かえ‐じ【替字】カヘ‥🔗🔉

かえ‐じ替字カヘ‥ 同じ読み方の他の字を替えて用いること。また、替えて用いる字。藤とうを東、竹を武、幸を孝に替える類。

かえし‐あわ・す【返し合す】カヘシアハス🔗🔉

かえし‐あわ・す返し合すカヘシアハス 〔自下二〕 ひきかえして敵と出合う。ひきかえして防ぎ戦う。平家物語4「―・せ―・せ防ぎ戦ふ」

かえし‐うた【返し歌】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐うた返し歌カヘシ‥ ①贈られた歌の意に和して詠みかえす歌。へんか。かえり。 ②(→)反歌はんかに同じ。 ③東遊あずまあそびの歌の大比礼おおひれ歌のうたい方。調子を変えて片下かたおろしにうたう。反歌。 ⇒かえし【返し】

かえし‐がたな【返し刀】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐がたな返し刀カヘシ‥ ①一方へ切りつけた刀をすぐ翻して他の方を切ること。かえす刀。 ②竹や木の端をはすに切り、その尖端を裏から少しそぐこと。徒然草「枝の長さ七尺、あるいは六尺、―五分に切る」 ⇒かえし【返し】

かえし‐こうばい【返し勾配】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐こうばい返し勾配カヘシ‥ 規矩術での勾配の表し方。矩かね勾配(45度)以上の急勾配の際、矩勾配を差し引いた残りで表示する。 ⇒かえし【返し】

かえし‐ざま【返し様】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐ざま返し様カヘシ‥ 返す途端。かえっさま。狂言、附子ぶす「その取て―に台天目の上へこけ掛つてござれば」 ⇒かえし【返し】

かえし‐じ【返し字】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐じ返し字カヘシ‥ (→)「かえりじ」に同じ。 ⇒かえし【返し】

かえし‐じょう【返し状】カヘシジヤウ🔗🔉

かえし‐じょう返し状カヘシジヤウ 手紙の返事。返書。 ⇒かえし【返し】

かえし‐づき【返し突】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐づき返し突カヘシ‥ 剣道で相手が突いてくるのをはずして逆にこちらから突き返す技。 ⇒かえし【返し】

かえし‐どめ【返し留め】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐どめ返し留めカヘシ‥ 裁縫で、縫い終りを2、3針もと縫った方へ縫い戻して、糸が抜けないように留めること。返し針。 ⇒かえし【返し】

かえし‐ぬい【返し縫い】カヘシヌヒ🔗🔉

かえし‐ぬい返し縫いカヘシヌヒ 裁縫の縫い方の一つ。1針ごとにあとへ返して縫うこと。1針返す本返し縫いと半針返す半返し縫いとの2種がある。返し針。 ⇒かえし【返し】

かえし‐ばり【返し針】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐ばり返し針カヘシ‥(→)「かえしぬい」に同じ。 ②(→)「かえしどめ」に同じ。 ⇒かえし【返し】

かえし‐ぶみ【返し文】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐ぶみ返し文カヘシ‥ 手紙の返事。返書。 ⇒かえし【返し】

かえし‐まく【返し幕】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐まく返し幕カヘシ‥ 歌舞伎で、いったん幕をしめ、鳴物などで間をつなぎ、すぐ幕を開くこと。かえし。 ⇒かえし【返し】

かえし‐もの【返し物】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐もの返し物カヘシ‥ ①返却すべきもの。 ②返礼の品。 ③催馬楽さいばらなどで返り声(転調音)で謡うこと。 ⇒かえし【返し】

かえし‐ももだち【返し股立】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐ももだち返し股立カヘシ‥ 袴の左右の裾をはしょって引き上げ、腰の紐に挟むこと。日葡辞書「ハカマノカエシモモダチヲタカクトル」 ⇒かえし【返し】

かえし‐や【返し矢】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐や返し矢カヘシ‥ 敵から射て来た矢で射返すこと。また、その矢。還矢。神代紀「―畏むべし」 ⇒かえし【返し】

かえ‐しょうか【替唱歌】カヘシヤウ‥🔗🔉

かえ‐しょうか替唱歌カヘシヤウ‥ (→)「替え歌」に同じ。

かえ‐しょうぞく【替装束】カヘシヤウ‥🔗🔉

かえ‐しょうぞく替装束カヘシヤウ‥ 能または狂言で、通例とはちがう扮装をすること。また、その時の全般の演出形式。

かえし‐わざ【返し技】カヘシ‥🔗🔉

かえし‐わざ返し技カヘシ‥ 柔道の技の一つ。相手が仕掛けてきた技を、そのまま切り返して反撃する。裏を取る。 ⇒かえし【返し】

かえ‐しん【替え芯】カヘ‥🔗🔉

かえ‐しん替え芯カヘ‥ シャープ‐ペンシル・ボールペンなどの、取替え用の芯。

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