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から‐くり【絡繰・機関】🔗🔉

から‐くり絡繰・機関】 (カラクルの連用形から) ①糸のしかけであやつって動かすこと。また、その装置。転じて、一般に、しかけ。狂言、瓜盗人「この畑主は細工ききぢや。ことの外よい―ぢや」 ②しくんだこと。計略。たくらみ。浄瑠璃、心中天の網島「二人の手を切らせしは、このさんが―」。「―を見破る」 ③(→)絡繰人形に同じ。軽口露がはなし「芝居より借用した―の張抜ぢや」。樋口一葉、闇桜「八百屋お七の―が見たいと云つたんだツけ」 ④絡繰眼鏡の略。誹風柳多留22「―をへつぴり腰でのぞいてる」 ⑤やりくり算段。新編柳樽36「―の楽屋らつちもない始末」 ⇒からくり‐じかけ【絡繰仕掛】 ⇒からくり‐しばい【絡繰芝居】 ⇒からくり‐しんしょう【絡繰身上】 ⇒からくり‐どうろう【絡繰灯籠】 ⇒からくり‐にんぎょう【絡繰人形】 ⇒からくり‐まと【絡繰的】 ⇒からくり‐めがね【絡繰眼鏡】 ⇒からくり‐や【絡繰屋】

き【機】🔗🔉

】 ①はたおりの道具。また、組み立ててできた道具。 ②物事のおこるきっかけ。はずみ。しおどき。「―を逸せず」「―が熟す」「―に乗ずる」「―をうかがう」 ③素質。機根。性霊集9「迷悟―ことなり、感応一に非ず」 ④大事なところ。主要。枢要。かなめ。 ⑤飛行機。また、それを数える語。 ⇒機が熟す ⇒機に臨み変に応ず ⇒機に因りて法を説く

き‐うん【機運】🔗🔉

き‐うん機運】 時のまわりあわせ。おり。時機。「―が熟する」

き‐えい【機影】🔗🔉

き‐えい機影】 飛行機の姿。また、その影。「レーダーに―が映る」

き‐えん【機縁】🔗🔉

き‐えん機縁】 ①仏の教えを受ける衆生しゅじょうの能力(機)と、衆生と仏との関係(縁)をいう。栄華物語鶴林「―すでに尽くれば、必ず滅度に入り給」 ②きっかけ。機会。「これを―に仲直りしよう」

き‐かい【機械・器械】🔗🔉

き‐かい機械・器械】 ①しかけのある器具。からくり。 ②〔機〕(machine)外力に抵抗し得る物体の結合からなり、一定の相対運動をなし、外部から与えられたエネルギーを有用な仕事に変形するもの。原動機・作業機械など。 ◇「機械」は、主に人力以外の動力による複雑で大規模なものをいい、「器械」は、道具や人力による単純で小規模なものをいうことが多い。 ⇒きかい‐あぶら【機械油】 ⇒きかい‐あみ【機械編み】 ⇒きかい‐いと【機械糸】 ⇒きかい‐おりき【機械織機】 ⇒きかい‐か【機械化】 ⇒きかい‐がっき【器械楽器】 ⇒きかい‐ご【機械語】 ⇒きかい‐こうがく【機械工学】 ⇒きかい‐こうぎょう【機械工業】 ⇒きかい‐こうりつ【機械効率】 ⇒きかい‐しんかん【機械信管】 ⇒きかい‐すいらい【機械水雷】 ⇒きかい‐ずき【機械漉き】 ⇒きかい‐せいず【機械製図】 ⇒きかい‐そしき【機械組織】 ⇒きかい‐たいそう【器械体操】 ⇒きかい‐てき【機械的】 ⇒きかいてき‐エネルギー【機械的エネルギー】 ⇒きかいてき‐せいしつ【機械的性質】 ⇒きかいてき‐ゆいぶつろん【機械的唯物論】 ⇒きかい‐のこぎり【機械鋸】 ⇒きかい‐ばた【機械機】 ⇒きかい‐パルプ【機械パルプ】 ⇒きかい‐ぶんめい【機械文明】 ⇒きかい‐ぼり【機械掘り】 ⇒きかい‐ほんやく【機械翻訳】 ⇒きかい‐めいれい【機械命令】 ⇒きかい‐ろん【機械論】

きかい‐あぶら【機械油】🔗🔉

きかい‐あぶら機械油】 (キカイユとも)機械の運転を滑らかにし、摩擦熱の発生を防ぐため、軸受その他の摩擦部に使用する油。→潤滑油→マシン油⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐あみ【機械編み】🔗🔉

きかい‐あみ機械編み】 機械を用いて編むこと。また、その編物。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐いと【機械糸】🔗🔉

きかい‐いと機械糸】 動力を用いる製糸機械で製した生糸。↔座繰糸ざぐりいと⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐おりき【機械織機】🔗🔉

きかい‐おりき機械織機】 手織機に対して、動力を用いて自動的に行う織機。機械機ばた。力織機りきしょっき⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐おんがく【機会音楽】‥クワイ‥🔗🔉

きかい‐おんがく機会音楽‥クワイ‥ 儀式・慶弔などの特定の機会のために作曲される音楽。 ⇒き‐かい【機会】

きかい‐か【機械化】‥クワ🔗🔉

きかい‐か機械化‥クワ ①生産・労働手段に機械を導入すること。「農業の―」 ②軍隊の機動力を高めること。「―部隊」 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐きんとう【機会均等】‥クワイ‥🔗🔉

きかい‐きんとう機会均等‥クワイ‥ 機会を平等に与えること。 ①外交政策上、通商・事業経営などの活動に関し、諸外国に同一の待遇を与えること。 ②権利などについて、平等で差別がないこと。「教育の―」 ⇒き‐かい【機会】

きかい‐げんいん‐ろん【機会原因論】‥クワイ‥🔗🔉

きかい‐げんいん‐ろん機会原因論‥クワイ‥ 〔哲〕(occasionalism)物体や精神には原因としての働きを認めず、神だけに作用因があるとする説。身体と精神の間の相互作用を認めず、例えば意志によって手が動くのではなく、意志の働きは神が手を動かす機会となるにすぎないとする。代表者はゲーリンクス・マルブランシュら。偶因論。 ⇒き‐かい【機会】

きかい‐ご【機械語】🔗🔉

きかい‐ご機械語】 コンピューターのプログラム言語の一種。コンピューターが直接に解読し得るため、実行効率が高い。マシン語。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐こうがく【機械工学】🔗🔉

きかい‐こうがく機械工学】 機械及びそれに関する事項を研究する工学の一部門。材料力学・構造力学・機械力学・水力学・熱力学・流体力学・工業材料学・機構学などの基礎的部門のほかに、機械設計学・機械工作法などの応用的部門がある。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐こうぎょう【機械工業】‥ゲフ🔗🔉

きかい‐こうぎょう機械工業‥ゲフ ①産業機械・輸送用機械・精密機械・電気機械などを製造する工業。 ②機械を使って営む工業。機械制工業。↔手工業。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐こうりつ【機械効率】‥カウ‥🔗🔉

きかい‐こうりつ機械効率‥カウ‥ 効率の一種。機械に外部から供給された機械的エネルギーと機械が外部へ向かって実際に行う仕事(有効仕事)との比。この値が1に近いほど、効率が良いという。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐し【機会詩】‥クワイ‥🔗🔉

きかい‐し機会詩‥クワイ‥ (Gelegenheitsgedicht ドイツ)儀式・慶弔・記念などの機会に作られる詩。 ⇒き‐かい【機会】

きかい‐しんかん【機械信管】‥クワン🔗🔉

きかい‐しんかん機械信管‥クワン 時限信管の一種。主にばねで動く時計装置によって作動するもの。高射砲弾丸に用いる。時計信管。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐すいらい【機械水雷】🔗🔉

きかい‐すいらい機械水雷(→)機雷に同じ。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐ずき【機械漉き】🔗🔉

きかい‐ずき機械漉き】 抄紙しょうし機にかけて紙を漉くこと。また、その漉いた紙。↔手漉き。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐せいず【機械製図】‥ヅ🔗🔉

きかい‐せいず機械製図‥ヅ 正投影図法によって機械及び機械部品の構造・形状・寸法・使用材料・工作程度などを表示した図面。また、その図面を描くこと。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐そしき【機械組織】🔗🔉

きかい‐そしき機械組織】 植物体を保つ骨格の役を果たす組織。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐てき【機械的】🔗🔉

きかい‐てき機械的】 ①機械が動くように単調な動きを見せるさま。「―に手を動かす」 ②個性的でなく、型どおりのさま。「―に処理する」「―に目を通す」 ③力学的。力学の法則に還元できる過程についていう。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかいてき‐エネルギー【機械的エネルギー】🔗🔉

きかいてき‐エネルギー機械的エネルギー(→)力学的エネルギーに同じ。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかいてき‐せいしつ【機械的性質】🔗🔉

きかいてき‐せいしつ機械的性質】 一般に荷重かじゅうに対する性質。すなわち、静荷重・変動荷重などに対する変形・強度・硬度などの材料力学的性質。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかいてき‐ゆいぶつろん【機械的唯物論】🔗🔉

きかいてき‐ゆいぶつろん機械的唯物論】 〔哲〕目的概念を排して意識や生命を含め一切の生成変化過程を物質の力学的運動に基づいて説明しようとする立場。デモクリトスの原子論、18世紀のフランス唯物論など。→弁証法的唯物論⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐のこぎり【機械鋸】🔗🔉

きかい‐のこぎり機械鋸】 動力で往復運動または回転運動を与える鋸。円鋸まるのこ・帯鋸おびのこの類。きかいのこ。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐はんざいにん【機会犯罪人】‥クワイ‥🔗🔉

きかい‐はんざいにん機会犯罪人‥クワイ‥ 一時的・偶発的な外部的事情の影響で犯罪に陥った者。偶発的犯罪人。↔状態犯罪人。 ⇒き‐かい【機会】

きかい‐ひよう【機会費用】‥クワイ‥🔗🔉

きかい‐ひよう機会費用‥クワイ‥ ある選択肢を採用したとき、他の選択肢であれば得られたであろう潜在的利益のうちの最大のもの。 ⇒き‐かい【機会】

きかい‐ぶんめい【機械文明】🔗🔉

きかい‐ぶんめい機械文明】 産業革命以後、手工業生産に代わって、多く機械によって生産が行われるようになった近代資本主義社会の生んだ文明の一面。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐ぼり【機械掘り】🔗🔉

きかい‐ぼり機械掘り】 機械を用いて坑道の開鑿あるいは鉱石の採掘などをすること。↔手掘り。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐ほんやく【機械翻訳】🔗🔉

きかい‐ほんやく機械翻訳】 コンピューターを使った翻訳。文書や話し言葉をコンピューターを利用して自動的に別の言語に翻訳する。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐めいれい【機械命令】🔗🔉

きかい‐めいれい機械命令】 (machine instruction)コンピューターのハードウェアに対する操作指令。データ操作命令・分岐命令・入出力命令など。 ⇒き‐かい【機械・器械】

きかい‐ろん【機械論】🔗🔉

きかい‐ろん機械論】 〔哲〕(mechanism)あらゆる現象を機械的運動に還元して説明しようとする立場、およびこの考えに立つ世界観。一切の変化を時空間内における物体の運動・衝突などによって説明する点において弁証法と、また機械的な因果を主張する点において目的論と、特に生命現象の説明においては超因果的な生命原理を想定する生気説と対立。大体において唯物論。 ⇒き‐かい【機械・器械】

○機が熟すきがじゅくす🔗🔉

○機が熟すきがじゅくす 物事を始めるのに丁度よい時となる。 ⇒き【機】 きか‐しょくぶつ帰化植物‥クワ‥ 主に人為的な手段により、原産地以外の地域に入り込み定着した植物。日本では、セイタカアワダチソウ・ヒメジョオン・シロツメクサ・アレチマツヨイグサなど。→自生植物 き‐がしら木頭・柝頭⇒きのかしら

き‐かん【機感】🔗🔉

き‐かん機感】 〔仏〕 ①衆生しゅじょうの能力(機)が仏のはたらきを発動させること。また、それを衆生が感受すること。 ②仏が衆生の機に対応すること。平家物語7「―の純熟明らかなり」

き‐かん【機関】‥クワン🔗🔉

き‐かん機関‥クワン ①[漢書芸文志]活動の装置をそなえたもの。しかけのある器械。からくり。 ②はたらきのかなめ。正法眼蔵行持下「仏照ことに仏法の―をしらず」 ③(organ)個人または団体がその目的を達する手段として設ける組織。「執行―」「金融―」「交通―」「天皇―説」 ④(engine)火力・電力・水力などのエネルギーを機械的エネルギーに変換して他へ送る機械装置。蒸気機関・内燃機関・水力機関などの総称。 ⇒きかん‐いにんじむ【機関委任事務】 ⇒きかん‐く【機関区】 ⇒きかん‐し【機関士】 ⇒きかん‐し【機関紙・機関誌】 ⇒きかん‐しつ【機関室】 ⇒きかん‐しゃ【機関車】 ⇒きかん‐じゅう【機関銃】 ⇒きかん‐そしょう【機関訴訟】 ⇒きかん‐とうしか【機関投資家】 ⇒きかん‐ほう【機関砲】

きかん‐いにんじむ【機関委任事務】‥クワンヰ‥🔗🔉

きかん‐いにんじむ機関委任事務‥クワンヰ‥ 国または他の地方公共団体から都道府県知事・市町村長等に委任された事務。2000年に廃止され、自治事務と法定受託事務に二分して再構成された。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐く【機関区】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐く機関区‥クワン‥ 鉄道の現場組織の一つ。機関車などの点検を行い、所属する機関士が列車の運転業務に従事する。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐し【機関士】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐し機関士‥クワン‥ ①機関の運転をつかさどる人。 ②船舶職員の一種。船舶機関の運転・整備を行う海技免状保有者。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐し【機関紙・機関誌】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐し機関紙・機関誌‥クワン‥ 政党や研究所などの団体または個人が、その活動内容などの発表・宣伝・連絡のために発行する新聞や雑誌類。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐しつ【機関室】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐しつ機関室‥クワン‥ ①主要原動機を据えつけた室。 ②艦船で推進主機を設置した室。 ③発電・暖房・冷房・換気・給水・給湯・排水などの機関を据えつけた室。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐しゃ【機関車】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐しゃ機関車‥クワン‥ 客車・貨車などを牽引する目的に使用する鉄道車両。原動機として電動機・内燃機関・蒸気機関などを使用。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐じゅう【機関銃】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐じゅう機関銃‥クワン‥ 引き金を引き続けると自動的・連続的に弾丸が装填・発射される銃。軽機関銃と重機関銃とがある。マシンガン。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐そしょう【機関訴訟】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐そしょう機関訴訟‥クワン‥ 国または公共団体の機関相互間における権限の存否または行使に関する紛争についての訴訟。→行政訴訟⇒き‐かん【機関】

きかん‐とうしか【機関投資家】‥クワン‥🔗🔉

きかん‐とうしか機関投資家‥クワン‥ 証券投資による収益を主要な収益源とする法人形態の投資家。銀行・生命保険・損害保険・投資信託・年金基金・財団など。 ⇒き‐かん【機関】

きかん‐ほう【機関砲】‥クワンハウ🔗🔉

きかん‐ほう機関砲‥クワンハウ 自動火器の一種。機関銃より大型で、普通は口径20ミリメートル以上のもの。桜井忠温、肉弾「敵の―の弾丸は彼の頭部を貫通した」 ⇒き‐かん【機関】

き‐き【機器・器機】🔗🔉

き‐き機器・器機】 器具・器械・機械の総称。「事務―」「情報―」

き‐ぎ【機宜】🔗🔉

き‐ぎ機宜】 あることをするのにちょうどよい機会。時機に応じていること。時宜。「―を得た処置」

きき‐ぶんせき【機器分析】🔗🔉

きき‐ぶんせき機器分析】 化学分析操作の主要な部分を機器を用いて行う分析法。質量分析・X線分析・分光分析など。

き‐ぎょう【機業】‥ゲフ🔗🔉

き‐ぎょう機業‥ゲフ 絹・木綿などの布を織る事業。はたおりの仕事。

き‐ぐ【機具】🔗🔉

き‐ぐ機具】 機械と器具。

き‐けい【機警】🔗🔉

き‐けい機警】 機知があって賢いこと。

き‐げん【機嫌・譏嫌】🔗🔉

き‐げん機嫌・譏嫌】 ①〔仏〕人々がそしりきらい、不愉快に思うこと。今昔物語集7「聖人は食を要し給ふ事なしといへども、―の為に求め給ふか」 ②時機。都合。場合。徒然草「死ぬることのみ―をはからず」 ③様子。事情。起居。安否。義経記2「京の―をぞ窺ひける」 ④他人が心のうちにいだく思惑おもわく。意向。人の気受け。十訓抄「―を憚はばかりて和かに諫むべし」。「―を取る」 ⑤気持。気分。「―を損なう」「―が悪い」 ⑥(多く「御」を付けて)気分のよいさま。武家義理物語「常より―なる顔にして」。「なかなか御―ですね」 ⇒きげん‐うかがい【機嫌伺い】 ⇒きげん‐かい【機嫌買い】 ⇒きげん‐かえ【機嫌変え】 ⇒きげん‐がお【機嫌顔】 ⇒きげん‐じょうご【機嫌上戸】 ⇒きげん‐とり【機嫌取り】 ⇒きげん‐なおし【機嫌直し】 ⇒機嫌気褄を取る ⇒機嫌を取る

きげん‐うかがい【機嫌伺い】‥ウカガヒ🔗🔉

きげん‐うかがい機嫌伺い‥ウカガヒ 人の動静・安否をたずねること。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

きげん‐かい【機嫌買い】‥カヒ🔗🔉

きげん‐かい機嫌買い‥カヒ ①相手の機嫌をうかがい、うまく取り入ろうとすること。また、その人。 ②「機嫌変え」の転。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

きげん‐かえ【機嫌変え】‥カヘ🔗🔉

きげん‐かえ機嫌変え‥カヘ その時の気分のよしあしによって他人に対する好悪の感情が変わり易いこと。また、そういう性質の人。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

きげん‐がお【機嫌顔】‥ガホ🔗🔉

きげん‐がお機嫌顔‥ガホ 機嫌のよい顔つき。にこにこ顔。尾崎紅葉、紫「急作ごしらえの―」 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】 ○機嫌気褄を取るきげんきづまをとる (「機嫌を取る」に着物の「つまを取る」を結びつけ、口調をよくした語)機嫌を取る。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

○機嫌気褄を取るきげんきづまをとる🔗🔉

○機嫌気褄を取るきげんきづまをとる (「機嫌を取る」に着物の「つまを取る」を結びつけ、口調をよくした語)機嫌を取る。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】 ぎ‐けんし擬絹糸(→)シルケットに同じ。 きけん‐しそう危険思想‥サウ 国家・社会の存立に危険な影響を及ぼすとみなされる思想。 ⇒き‐けん【危険】 きけん‐じょう喜見城‥ジヤウ 帝釈天たいしゃくてんの居城。須弥山しゅみせんの頂にあり、その四門に四大園があり、天人たちが遊楽する。喜見宮。善見城。 きげん‐じょうご機嫌上戸‥ジヤウ‥ 酒に酔うと機嫌のよくなる酒飲み。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】 きけん‐しんごう危険信号‥ガウ ①危険を知らせる信号。赤ランプ。 ②比喩的に、健康状態や政治・経済状況で危険を暗示する徴候。 ⇒き‐けん【危険】 きけん‐しんし貴顕紳士】 身分や品格があり、名声が高い男性。 ⇒き‐けん【貴顕】 きけん‐じんぶつ危険人物】 ①危険思想を持っている者。 ②油断のならない人物。注意人物。 ⇒き‐けん【危険】 きけん‐せきにん危険責任】 〔法〕他人に損害を与える危険性のある物を支配・管理する者は、その危険が現実化したことによる損害については、過失がなくても賠償責任を負うべきとする考え方。→無過失責任⇒き‐けん【危険】 きげん‐せつ紀元節】 四大節の一つ。1872年(明治5)、神武天皇即位の日を設定して祝日としたもので、2月11日。第二次大戦後廃止されたが、1966年、「建国記念の日」という名で復活し、翌年より実施。 ⇒き‐げん【紀元】 きげん‐ぜん紀元前】 紀元元年以前。西暦ではB.C.(before Christ)で表す。 ⇒き‐げん【紀元】 き‐げんそ希元素・稀元素】 地球上で希少な存在と考えられた元素の総称。希ガス・希土類元素・白金族元素・チタン・モリブデン・ウランなど。 きけん‐そくど危険速度】 〔機〕回転軸の回転数が横振動の固有振動数と一致するときの回転速度。軸のたわみがきわめて大きくなり軸が破壊することがある。 ⇒き‐けん【危険】 きげん‐つき期限付】 ある事柄の実行に一定の期間が定まっていること。 ⇒き‐げん【期限】 きげん‐とり機嫌取り】 人の気にいるようにふるまうこと。また、その人。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】 きげん‐なおし機嫌直し‥ナホシ 不愉快な気分を愉快にすること。また、そのためのもの。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】 きけんなかんけい危険な関係‥クワン‥ (Les Liaisons dangereuses フランス)ラクロの書簡体小説。1782年刊。恋愛心理の分析と当代上流社会の風俗描写で名高い。 きげん‐の‐りえき期限の利益】 〔法〕期限の到来するまで間があることで当事者が得る利益。期限まで債務の履行を猶予される利益の類。これを持つ当事者は原則として自由にこれを放棄しうる。 ⇒き‐げん【期限】 きけん‐はん危険犯】 〔法〕法益侵害の結果の発生を必要とせず、法益侵害の危険が生ずれば足りる犯罪。たとえば放火罪。危殆きたい犯。↔侵害犯。 ⇒き‐けん【危険】 きけん‐はんえん危険半円‥ヱン 〔気〕移動する熱帯低気圧の進行方向に対し、北半球では右側、南半球では左側の半円。風や波が強く、低気圧の進行方向に船が流されるので危険。↔可航半円。 ⇒き‐けん【危険】 きけん‐ふたん危険負担】 〔法〕給付の目的物が債務者の責めに帰しえない事由によって滅失・毀損したような場合、債務者に損害賠償責任がないことから、債権者が甘受せざるをえない損失の負担。また、双務契約一般でも同様の負担をいずれが受け持つかが問題となる。 ⇒き‐けん【危険】

きげん‐じょうご【機嫌上戸】‥ジヤウ‥🔗🔉

きげん‐じょうご機嫌上戸‥ジヤウ‥ 酒に酔うと機嫌のよくなる酒飲み。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

きげん‐とり【機嫌取り】🔗🔉

きげん‐とり機嫌取り】 人の気にいるようにふるまうこと。また、その人。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

きげん‐なおし【機嫌直し】‥ナホシ🔗🔉

きげん‐なおし機嫌直し‥ナホシ 不愉快な気分を愉快にすること。また、そのためのもの。 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】

○機嫌を取るきげんをとる🔗🔉

○機嫌を取るきげんをとる 相手の気にいる言動をする。「上役の―」 ⇒き‐げん【機嫌・譏嫌】 き‐こ帰忌(→)帰忌日きこにちに同じ。 き‐こ旗鼓】 ①軍旗と太鼓。「―堂々」 ②軍隊。軍事。 ⇒旗鼓の間に相見ゆ き‐こ騎虎】 虎に乗ること。 ⇒騎虎の勢い き‐ご奇語】 珍しく思いもよらないことば。巧みで面白い言。奇言。 き‐ご季語】 連歌・連句・俳句で、句の季節を示すためによみこむように特に定められた語。例えば、鶯は春の季語、金魚は夏の季語。季の詞ことば。季題。 き‐ご寄語】 相手にことばを寄せ伝えること。言い送ること。ことづて。伝言。 き‐ご綺語】 (キギョとも) ①〔仏〕真実にそむいて巧みに飾り立てたことば。十悪の一つ。 ②巧みに飾って美しく表現したことば。特に、詩文・小説などにいう。「狂言―」 ぎ‐こ義故】 かつて恩義をかけた縁故のある者。 ぎ‐こ擬古】 古い時代のならわし・しかたをまねること。「―文」 ぎ‐こ議故】 律の六議りくぎの一つ。天皇の側近者で特に優遇されていた者が受ける刑法上の特典。 き‐こう危行‥カウ (「危」は高峻の意)気高い行い。 き‐こう気孔】 ①植物の表皮の孔辺細胞の間にある孔。主として呼吸・炭酸同化・蒸散作用などのための気体の通路となる。葉の裏面に最も多く、光や湿度により開閉する。 ②溶岩や陶器、またパンなどが固まる際、ガスの逃げたあとに残った孔。 き‐こう気功】 中国の保健養生法。気を養い、体内にめぐらせることにより心身の健康を得るための鍛練法。 き‐こう気候】 各地における長期にわたる気象(気温・降雨など)の平均状態。ふつう30年間の平均値を気候値とする。 ⇒きこう‐いんし【気候因子】 ⇒きこう‐がく【気候学】 ⇒きこう‐がた【気候型】 ⇒きこう‐く【気候区】 ⇒きこう‐たい【気候帯】 ⇒きこうへんどう‐わくぐみ‐じょうやく【気候変動枠組条約】 ⇒きこう‐ようそ【気候要素】 ⇒きこう‐りょうほう【気候療法】 き‐こう気閘‥カフ (→)エアロックに同じ。 き‐こう奇功】 思いもよらない、すぐれた功績。 き‐こう奇巧‥カウ 珍しくて上手なこと。珍しい細工。 き‐こう奇行‥カウ 普通の人と違った風変りな行い。「―の持主」「―を演ずる」 き‐こう奇効‥カウ 不思議なききめ。珍しい効能。 き‐こう季候】 (「四季七十二候」から)季節や天候。時候。時節。→七十二候 き‐こう紀行‥カウ 旅行中の出来事・見聞・感想などを記したもの。文学作品の一分野ともされる。日本では和歌・俳句・漢詩などをまじえたものが多く、「土佐日記」がその初め。「十六夜日記」「奥の細道」の類。道の記。旅日記。旅行記。道中記。 ⇒きこう‐ぶん【紀行文】 き‐こう紀綱‥カウ (「紀」は小づな、「綱」は大づなの意) ①政治上、根本となる重要な規則。法度。おきて。綱紀。 ②国家を統治すること。 き‐こう起工】 工事をはじめること。着工。「―式」 き‐こう起稿‥カウ 原稿を書き始めること。起草。 き‐こう帰向‥カウ (「帰」は、おもむく意)心がその方に向かうこと。心をよせること。帰趣。帰趨。帰付。 き‐こう帰耕‥カウ それまでの職業をやめて郷里に帰り農業に従事すること。 き‐こう帰航‥カウ 船や航空機が目的地から帰ること。帰りの航海・航空。復航。 き‐こう帰降‥カウ 戦いに敗れて敵に従うこと。降参。 き‐こう帰港‥カウ 船が出発した港に帰ること。 き‐こう寄口】 律令制の戸籍で、1戸を構成しえず、他戸に付記された小家族。また、その家族員。 き‐こう寄港・寄航‥カウ 航海の途中で船が港に立ち寄ること。航空機が途中の空港に寄ることにもいう。 き‐こう寄稿‥カウ 原稿を新聞・雑誌などに載せるように送ること。また、その原稿。「短いエッセーを―する」 ⇒きこう‐か【寄稿家】 き‐こう亀甲‥カフ ⇒きっこう き‐こう貴幸‥カウ 天子の寵愛をこうむること。 き‐こう葵向‥カウ ①アオイの花が日に向かうこと。 ②君主や長上の徳を仰ぎ慕うこと。 き‐こう稀覯・希覯】 (「覯」は、思いがけなく会う意)容易には見られないこと。 ⇒きこう‐ぼん【稀覯本】 き‐こう機巧‥カウ ①精巧にできた装置。細工。からくり。工夫くふう。 ②いろいろに才知をめぐらすこと。「―を弄す」 き‐こう機甲‥カフ 戦車・装甲車など、機械力を利用した兵器で装備すること。「―化師団」 ⇒きこう‐か【機甲科】 ⇒きこう‐ぶたい【機甲部隊】 き‐こう機構】 ①機械の内部の構造。からくり。 ②機械的に構成されているしくみ。官庁・会社・団体などの組織。活動単位としての組織。メカニズム。「流通―」「経済協力開発―」「―改革」 ⇒きこう‐がく【機構学】 き‐こう騎行‥カウ 馬に乗って行くこと。 き‐こう貴公】 〔代〕 (本来は武士ことばで、目上に対して用いたが、のち、同輩またはそれ以下の相手に対して用いるようになり、武士以外でも使うようになった)そこもと。おてまえ。きさま。おまえ。きみ。浄瑠璃、傾城反魂香「皆これ―のおかげ」 き‐ごう記号‥ガウ ①(sign; symbol)一定の事柄を指し示すために用いる知覚の対象物。言語・文字などがその代表的なもので、交通信号のようなものから高度の象徴まで含まれる。また、文字に対して特に符号類をいう。 ②〔言〕(signe フランス)ソシュールによれば、音や図像などの知覚される表象と意味(概念)とが結合した対象。表象をシニフィアン(能記、記号表現)、意味をシニフィエ(所記、記号内容)と呼ぶ。言語も記号の一種。シーニュ。→ランガージュ⇒きごう‐がく【記号学】 ⇒きごう‐ぎぞう‐ざい【記号偽造罪】 ⇒きごう‐そ【記号素】 ⇒きごう‐ろん【記号論】 ⇒きごう‐ろんりがく【記号論理学】 き‐ごう帰仰‥ガウ 深く仏道を信仰すること。帰依渇仰。 き‐ごう揮毫‥ガウ (筆をふるう意)書画をかくこと。揮筆。 ⇒きごう‐りょう【揮毫料】 き‐ごう貴号‥ガウ ①栄誉を表す称号。爵位など。 ②相手の人の号の尊敬語。 き‐ごう旗号‥ガウ 旗じるし。旗章。 き‐ごう徽号‥ガウ (「徽」は、はたじるしの意)天皇から高僧に贈る号。国師号・大師号など。「―勅書」 ぎ‐こう技工】 手で加工する技術。また、その技術者。「歯科―士」 ぎ‐こう技巧‥カウ ①技術の巧みなこと。 ②文学・美術・工芸などの表現や制作をたくみに行う手腕または手法。テクニック。「―をこらす」 ⇒ぎこう‐か【技巧家】 ⇒ぎこう‐は【技巧派】 ぎこう義公】 徳川光圀みつくにの諡号しごうぎ‐こう義甲‥カフ 箏・ギターなどの撥弦楽器を奏するのに用いる爪状の具。ピック。 ぎ‐こう義校‥カウ 小学校の前身をなす簡易な初等学校。一般住民の協力により、主として寄付金によって設立。1871年(明治4)名古屋に創設、72〜73年頃愛知県・岐阜県で多数設立。 ぎ‐こう擬講‥カウ 〔仏〕 ①僧侶が三会さんえの講師を拝命してから、それを勤めるまでの呼称。→已講いこう。 ②浄土宗・真宗大谷派などの学階の一つ。 ぎ‐ごう戯号‥ガウ 戯作者などが使う雅号。平賀源内の「風来山人」「福内鬼外ふくちきがい」など。げごう。 きこう‐いんし気候因子】 気候要素の分布を左右する要因。緯度、高度、海からの距離、大陸の東側か西側か、山脈との位置関係など。 ⇒き‐こう【気候】 きこう‐か寄稿家‥カウ‥ 寄稿する人。 ⇒き‐こう【寄稿】 きこう‐か機甲科‥カフクワ 陸上自衛隊の職種(旧日本陸軍の兵科に相当)の一つ。各国軍の機甲部隊・戦車兵に当たる。 ⇒き‐こう【機甲】 ぎこう‐か技巧家‥カウ‥ ①技巧のすぐれた人。 ②常に技巧を弄する人。 ⇒ぎ‐こう【技巧】 きこう‐がく気候学】 気候の原因、気候と人間生活との関係などを研究する学問。 ⇒き‐こう【気候】 きこう‐がく機構学】 工学の一部門。機械の部分相互の運動関係を研究する学問。 ⇒き‐こう【機構】 きごう‐がく記号学‥ガウ‥ (→)記号論1に同じ。 ⇒き‐ごう【記号】 きこう‐がた気候型】 ある特性によって分類された気候の型。分類の方式は種々あって、原因によるもの(大陸気候・海洋気候・季節風気候など)、植生によるもの(熱帯多雨林気候・ステップ気候・ツンドラ気候など)等がある。ドイツの気候学者ケッペン(W. P. Köppen1846〜1940)の気候区分がよく使われる。 ⇒き‐こう【気候】 きごう‐ぎぞう‐ざい記号偽造罪‥ガウ‥ザウ‥ 産物・商品・書籍などに押印する公務所の記号を偽造する罪。 ⇒き‐ごう【記号】 きこう‐く気候区】 気候によって区分した区域。同一の気候型をもつ地域。 ⇒き‐こう【気候】 き‐こうし貴公子】 ①身分の高い家の年若い男子。貴族の子弟。 ②容貌・風采がすぐれ、気品の高い男子。 きごう‐そ記号素‥ガウ‥ 〔言〕(monème フランス)マルティネの用語。最小の表意単位、すなわち最小記号。英米系言語学の形態素(morpheme)に相当。→分節⇒き‐ごう【記号】 きこう‐たい気候帯】 地球上ほぼ緯度に沿って分けた気候の共通な帯域。熱帯・亜熱帯・温帯・寒帯・極帯など。 ⇒き‐こう【気候】 きこう‐でん乞巧奠‥カウ‥ (キッコウデンとも。女子が手芸に巧みになることを祈る祭事の意)陰暦7月7日の夜、供え物をして牽牛けんぎゅう・織女星をまつる行事。中国の風習が伝わって、日本では宮中の儀式として奈良時代に始まり、後に民間でも行われた。〈[季]秋〉。→たなばた ぎこう‐は技巧派‥カウ‥ 文学・美術などの創作で、特に表現上の技巧を重んずる流派。 ⇒ぎ‐こう【技巧】 きこう‐ぶたい機甲部隊‥カフ‥ 装甲部隊と機械化部隊との総称。すなわち、戦車・装甲車・乗車歩兵・自走砲などで編制された部隊。 ⇒き‐こう【機甲】 きこう‐ぶん紀行文‥カウ‥ (→)紀行に同じ。 ⇒き‐こう【紀行】 きこうへんどう‐わくぐみ‐じょうやく気候変動枠組条約‥デウ‥ 人為的気候変動(地球温暖化)防止の枠組みとなる国連条約。1992年に採択、94年発効。→京都議定書⇒き‐こう【気候】 きこう‐ぼん稀覯本】 初版本・限定本や古書などで、比較的世間に流布るふされていることの少ない書物。稀本。稀書。 ⇒き‐こう【稀覯・希覯】 ぎこう‐よう宜興窯‥エウ 中国江蘇省宜興にある陶窯。明代後期以降の、朱泥や紫泥などの茶注ちゃちゅう(急須)で知られる。 きこう‐ようそ気候要素‥エウ‥ 気候を構成する要素。気温・降水量・湿度・風向・風速など、数値によって表現可能なもの。 ⇒き‐こう【気候】 きごう‐りょう揮毫料‥ガウレウ 揮毫に対する報酬。潤筆料。 ⇒き‐ごう【揮毫】 きこう‐りょうほう気候療法‥レウハフ 風土・気候のよい地に転住し健康の増進、疾病の治療をする方法。転地療養。 ⇒き‐こう【気候】 きごう‐ろん記号論‥ガウ‥ ①(semiotics; semiology)記号・記号体系に関する学問。言語・図像・社会活動などを、意味を伝達する記号として捉え、その特性や伝達の様態などを研究する。 ②(semiotic)論理実証主義の立場でなされる記号の働きに関する研究。語用論・意味論・統語論の3分野に分かれる。 ⇒き‐ごう【記号】 きごう‐ろんりがく記号論理学‥ガウ‥ (symbolic logic)推論を構成する命題を数学の記号に類する記号によって表現し、推論の規則を記号操作の規則として定式化する論理学。現代に一般に行われる論理学で、フレーゲ・ラッセルが体系化。数学的論理学・数理論理学などともいう。 ⇒き‐ごう【記号】 きこえ聞え】 ①音や声が耳に入ること。また、その度合。「―の良くないラジオ」 ②〔言〕(sonority)音声学で、音声の聞き取りやすさの度合。 ③うわさ。とりざた。評判。源氏物語桐壺「御かたちすぐれ給へる―、高くおはします」。「名人の―が高い」 ④世間の人に聞かれた時の体裁。外聞。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「師匠の聟と申せば―もよし」。「世間の―が悪い」 きこえ‐あ・ぐ聞え上ぐ】 〔他下二〕 申し上げる。古今和歌集雑体「身はしもながら言の葉を天つ空まで―・げ」 きこえあわせ‐びと聞え合せ人‥アハセ‥ (動詞「きこえあわす」の連用形に直ちに「人」を付けたもの)御相談申し上げる相手。お話し相手。源氏物語澪標「なほさる方の物をも―にも思ひ聞えつるを」 きこえ‐おと・す聞え落す】 〔他四〕 わるく申し上げる。源氏物語「こちなくも―・してけるかな」 きこえ‐かえ・す聞え返す‥カヘス 〔他四〕 御返事申し上げる。また、お断り申し上げる。枕草子184「御いらへをいささか恥かしとも思ひたらず―・し」 きこえ‐かよ・う聞え通ふ‥カヨフ 〔他四〕 親しくおつきあい申し上げる。また、たがいにお便りをさし上げる。聞え交す。源氏物語澪標「近隣りの御心寄せに何事も―・ひて」 きこえ‐かわ・す聞え交す‥カハス 〔他四〕 (→)「きこえかよう」に同じ。 きこえ‐き・る聞え切る】 〔他四〕 お話しに区切りをつける。お断りをする。和泉式部日記「一の宮の事も―・りてあるを」 きこえ‐ご・つ聞えごつ】 〔他四〕 (「聞え言ごと」を活用させたものとも、「聞え言す」の約ともいう)ことさらに申し上げる。聞こえよがしに言う。枕草子104「悪しかめり、後めたきわざかなと―・つ人々もをかし」 きこえ‐さ・す聞えさす】 〔他四〕 (「さす」は中途でやめる意。「言ひさす」の謙譲語)申し上げるのを中途でやめる。源氏物語紅梅「御前にはしもと―・してゐたれば」 きこえ‐さ・す聞えさす】 〔他下二〕 ①(謙譲語「聞ゆ」に使役の助動詞「さす」が付き、全体で「言う」の謙譲語となったもの)お耳に入れる。申し上げる。落窪物語1「―・すとも、あらがふとぞおしはからせたまふらん」 ②(動詞の連用形に付いて、謙譲の意を表す)…し申し上げる。源氏物語蜻蛉「女も宮を思ひ―・せけるにや」 きこえ‐つ・く聞え付く】 〔他四〕 気持などを申し上げて近づき親しむ。宇津保物語嵯峨院「仲忠、あて宮にいかで―・かむと思ふ心ありて、かく来歩くになむありける」 きこえよ‐がし聞えよがし】 (「聞こえる」の命令形に助詞「かし」が付いてできた語)皮肉・悪口などを直接相手に言わず、しかも当人に聞こえるように、わざとめかして言うこと。梅暦「つひ無理なことも仕なさる筈だト―の壁訴状」。「―に悪口を言う」 きこ・える聞こえる】 〔自下一〕[文]きこ・ゆ(下二) (聞カユの転)音・匂い・言葉などが自然に他の感覚に通じる意。 ①聴覚に感じられる。音声が自然に耳にはいる。古事記「鶴たずが音の―・えむ時は我が名問はさね」。「波の音が―・える」 ②聞く事の内容がそのように理解される。受けとられる。源氏物語花宴「いと若うをかしげなる声のなべての人とは―・えぬ」。徒然草「口にまかせて言ひちらすは、やがてうきたることと―・ゆ」。「皮肉に―・える」「彼が言うともっともらしく―・える」 ③噂にのぼる。世に知れわたる。評判になる。土佐日記「これ昔名高く―・えたる所なり」。日葡辞書「ヨニキコエタヒト」 ④(多く打消の語を伴って)相手の言う一語一語がわかる。理解できる。徒然草「年老い袈裟かけたる法師の、小童の肩をおさへて―・えぬ事ども言ひつつよろめきたる、いとかはゆし」。日葡辞書「キコエヌコトヲイウ」 ⑤嗅覚に感じる。かおる。におう。 →きこゆ(他下二) き‐こがんぴ黄小雁皮】 〔植〕キガンピの別称。 き‐こく枳殻】 カラタチの漢名。猿蓑「うき人を―垣よりくぐらせむ」(芭蕉) ⇒きこく‐てい【枳殻邸】 き‐こく鬼哭】 [李華、古戦場を弔う文]浮かばれぬ亡霊が恨めしさに泣くこと。また、その声。 ⇒きこく‐しゅうしゅう【鬼哭啾啾】 き‐こく帰国】 ①外国から自分の国へ帰ること。「―の途につく」 ②郷里へ帰ること。帰郷。 ⇒きこく‐しじょ【帰国子女】 き‐こく貴国】 相手の国に対する尊敬語。貴邦。 き‐こく旗国】 (flag state)船舶の掲げる国旗の属する国。船籍国。航空機の登録国についても用いる。 ⇒きこく‐しゅぎ【旗国主義】 ⇒きこく‐ほう【旗国法】 ぎ‐ごく疑獄】 ①[礼記王制]事情が入り組んで真相がはっきりしない裁判事件。折たく柴の記「―一条をしるし出されたりけり」 ②俗に、政府高官などが関係した疑いのある大規模な贈収賄事件をいう。「造船―」 きこくし鬼谷子】 ①中国、戦国時代の縦横家。姓氏・事跡不詳。鬼谷(山西省沢州府内)に隠棲したことから鬼谷先生と呼ばれた。蘇秦・張儀が彼に師事したという。 ②権謀術数の法などを述べた書。3巻。1の著とする後世の偽作。 きこく‐しじょ帰国子女‥ヂヨ 親の勤務の関係などから長年海外で生活して帰国した子供。 ⇒き‐こく【帰国】 きこく‐しゅうしゅう鬼哭啾啾‥シウシウ 鬼哭の声がしくしくと聞こえるさま。鬼気迫ってものすごいさまの形容。 ⇒き‐こく【鬼哭】 きこく‐しゅぎ旗国主義】 〔法〕公海・公空での船舶・航空機は、乗員・乗客も含めて、旗国の排他的管轄に服するという原則。 ⇒き‐こく【旗国】 きこく‐てい枳殻邸】 京都市下京区にある東本願寺の別邸。庭園の美で有名。渉成園。 枳殻邸庭園 撮影:的場 啓 ⇒き‐こく【枳殻】 きこく‐ほう旗国法‥ハフ 旗国の法律、すなわちその船舶・航空機の所属国の法律。公海・公空を航行中の船舶・航空機では、国際法上これに準拠する。国旗法。 ⇒き‐こく【旗国】 き‐ごこち着心地】 着物を着た時の体になじむ感じ。きごころ。「―がいい」 き‐ごころ着心(→)「きごこち」に同じ。 き‐ごころ気心】 その人が本来持っている気質。きだて。きまえ。「―が知れない」 き‐ござ着茣蓙】 雨露をしのぐために、身にまとうござ。古く旅行者が使い、現在も農作業などに用いる。〈[季]夏〉 き‐ごし木輿(→)板輿いたごしに同じ。 き‐ごし黄腰】 腰紐こしひもを黄色に染めた袴。 きこし‐お・す聞し食す‥ヲス 〔他四〕 ①お治めになる。きこしめす。万葉集18「すめろきの神のみことの―・す国のまほらに」 ②召しあがる。 きこしめし‐い・る聞し召し入る】 〔他下二〕 (「聞き入れる」の尊敬語)お聞きとどけになる。栄華物語後悔大将「おとづれ聞ゆる人々あまたあれど、ただいま―・れず」 きこしめし‐もの聞召し物】 召しあがりもの。栄華物語嶺月「―など参り据ゑたり」 きこし‐め・す聞し召す】 〔他五〕 ①「聞く」の尊敬語。お聞きなさる。竹取物語「かたち世に似ずめでたきことを、みかど―・して」 ②お聞き入れになる。お許しになる。栄華物語初花「上達部御前に召さんと啓し給ふ。―・すとあれば」 ③「飲む」「食う」などの尊敬語。お召し上がりになる。竹取物語「きたなき所の物―・したれば」 ④「治む」「行う」などの尊敬語。お治めになる。万葉集2「わがおほきみの―・す背面そともの国」 ⑤うまうまとだまされる。浄瑠璃、百日曾我「うまうまと―・したるをかしさよ」 ⑥酒などを飲むことを戯れていう語。「一杯―・す」 ぎこ‐しゅぎ擬古主義】 (多く芸術表現で)過去の或る時代の形式を崇拝模倣しようとする構え。 きごしょう綺語抄‥セウ 歌学書。3巻。藤原仲実著。平安後期に成立。歌語を天象・時節以下の17項目に分類して注釈、万葉・古今・後撰など諸集から例歌を引用。国語辞書の先駆として史的価値が高い。 きこ・す聞す】 〔他四〕 ①(「聞く」の尊敬語)お聞きになる。きこしめす。古事記「麗くわし女をありと―・して」 ②(「言う」の尊敬語)おっしゃる。万葉集13「逢ひたる君をな寝そと母―・せども」 ぎごち‐な・い 〔形〕[文]ぎごちな・し(ク) (ギコチナイとも。「ぎこつなし」の転) ①無骨ぶこつで洗練されていない。動作などがなめらかでなく、不自然である。「―・い挨拶」 ②(着物などが)体にうまく合わなくて、ぐあいが悪い。「―・い着付け」 き‐こつ気骨】 自分の信念に忠実で容易に人の意に屈しない意気。気概。「―のある人物」「―稜稜りょうりょうき‐こつ肌骨】 肌と骨。骨身。〈日葡辞書〉 ⇒肌骨を驚かす き‐こつ奇骨】 常人と異なった、すぐれた気風。風変りな性格。 ぎこつ‐な・し 〔形ク〕 (→)「ぎごちない」に同じ。「ぎごつなし」とも。醒睡笑「―・き法師のおもひを寄せながら」

き‐こう【機巧】‥カウ🔗🔉

き‐こう機巧‥カウ ①精巧にできた装置。細工。からくり。工夫くふう。 ②いろいろに才知をめぐらすこと。「―を弄す」

き‐こう【機甲】‥カフ🔗🔉

き‐こう機甲‥カフ 戦車・装甲車など、機械力を利用した兵器で装備すること。「―化師団」 ⇒きこう‐か【機甲科】 ⇒きこう‐ぶたい【機甲部隊】

き‐こう【機構】🔗🔉

き‐こう機構】 ①機械の内部の構造。からくり。 ②機械的に構成されているしくみ。官庁・会社・団体などの組織。活動単位としての組織。メカニズム。「流通―」「経済協力開発―」「―改革」 ⇒きこう‐がく【機構学】

きこう‐か【機甲科】‥カフクワ🔗🔉

きこう‐か機甲科‥カフクワ 陸上自衛隊の職種(旧日本陸軍の兵科に相当)の一つ。各国軍の機甲部隊・戦車兵に当たる。 ⇒き‐こう【機甲】

きこう‐がく【機構学】🔗🔉

きこう‐がく機構学】 工学の一部門。機械の部分相互の運動関係を研究する学問。 ⇒き‐こう【機構】

きこう‐ぶたい【機甲部隊】‥カフ‥🔗🔉

きこう‐ぶたい機甲部隊‥カフ‥ 装甲部隊と機械化部隊との総称。すなわち、戦車・装甲車・乗車歩兵・自走砲などで編制された部隊。 ⇒き‐こう【機甲】

き‐こん【機根・気根】🔗🔉

き‐こん機根・気根】 ①〔仏〕教えを聞いて修行しうる衆生しゅじょうの能力・素質。 ②物事に堪え得る気力。根気。 ③(「御―に」の形で)お気のままに。御自由に。

き‐さ【機作】🔗🔉

き‐さ機作】 しくみ。機序。機構。メカニズム。

き‐さい【機才】🔗🔉

き‐さい機才】 機敏に働く才気。

き‐ざい【機材】🔗🔉

き‐ざい機材】 機械の材料。また、機械や材料。

き‐じ【機事】🔗🔉

き‐じ機事】 ①物事をたくらむこと。巧みに行うこと。 ②機密に属する事項。

○機に臨み変に応ずきにのぞみへんにおうず🔗🔉

○機に臨み変に応ずきにのぞみへんにおうず その時や場所の状況に応じて、適当の処置をする。臨機応変。 ⇒き【機】

○機に因りて法を説くきによりてほうをとく🔗🔉

○機に因りて法を説くきによりてほうをとく 仏教の真理は一つであるが、それぞれの場合に応じて適切な説法をする。 ⇒き【機】 ギニョルguignol フランス】 操り指人形劇。初め人形師ムールゲ(L. Mourguet1769〜1844)の考案した、3本指で操る指人形の花形の称。のち操り指人形劇の総称。 き‐にん帰任】 一時離れていたもとの任地へ帰ること。 き‐にん貴人】 身分の高い人。立派な家柄の人。きじん。 ⇒きにん‐ぐち【貴人口】 ⇒きにん‐だたみ【貴人畳】 キニンquinine⇒キニーネ ぎ‐にん義認】 〔宗〕(justification)罪人である人間が神から義と認められること。キリストの十字架の贖あがないによる。時には聖化の意をも含む。カトリック教会では義化という。→聖化 きにん‐ぐち貴人口】 ①能舞台の右手、地謡座の突きあたりにある戸口。貴人の出入りに用いるというが、通常使用しない。→能舞台(図)。 ②茶室の名所などころ。貴人のための特別の出入り口。立ったまま出入りができる。普通の客は躙にじり口から出入りする。→躙り口⇒き‐にん【貴人】 きにん‐だたみ貴人畳】 茶室の名所などころ。貴人をすわらせる床前の畳。→茶室(図) ⇒き‐にん【貴人】 きぬ】 ①きもの。衣服。古事記「―着せましを」 ②衣冠の装束または直衣のうし・狩衣・女房装束の下に重ねる衣。衵あこめ。 ③中身を覆っているものを比喩的にいう。皮膚、動物の羽・皮または里芋の子の皮など。枕草子3「舎人の顔の―にあらはれ」 きぬ】 蚕の繭からとった繊維。また、それで織った織物。絹織物。万葉集16「我に遣おこせし水縹みはなだの―の帯を」 ⇒絹を裂くよう キヌアquinua】 (もとケチュア語)アカザ科の一年草。ペルーなどアンデス高地で栽培。実はインカ時代以来の主要な食品の一つ。キノア。 きぬ‐あや絹綾】 綾織の薄い羅紗ラシャきぬ‐いた衣板「砧きぬた参照。 きぬ‐いと絹糸】 蚕の繭からとった糸。生糸・練糸などがある。 ⇒きぬいと‐そう【絹糸草】 ⇒きぬいと‐ぼうせき【絹糸紡績】 きぬいと‐そう絹糸草‥サウ (→)「ひえまき(稗蒔)」に同じ。〈[季]夏〉 ⇒きぬ‐いと【絹糸】 きぬいと‐ぼうせき絹糸紡績‥バウ‥ ⇒けんしぼうせき ⇒きぬ‐いと【絹糸】 きぬ‐うんも絹雲母】 微細な鱗片状白雲母の総称。陶土として利用。 きぬ‐え絹絵‥ヱ 絹地にかいた絵。 きぬ‐おり絹織】 経緯たてよことも絹糸で織ること。また、その織物。羽二重はぶたえ・縮緬ちりめん・透綾すきや・海気かいき・塩瀬しおぜ・斜子ななこ・紬つむぎ・琥珀こはくなど種類が多い。 ⇒きぬおり‐もの【絹織物】 きぬおり‐もの絹織物】 絹織の織物。 ⇒きぬ‐おり【絹織】 きぬ‐がき絹垣】 ①神祭などの時、垣のようにひきめぐらした絹のとばり。綾垣。古事記「その山の上に―を張り帷幕を立てて」 ②神霊遷御の際に神体の上面・側面を覆う絹布。きんがい。 きぬかけ‐やま衣掛山】 衣笠山きぬがさやまのこと。宇多法皇が6月の盛夏に雪景色を見たいと、この山に白絹をかけ渡させたと伝えることからいう。絹掛山。 きぬ‐がさ衣笠・絹傘・華蓋】 ①絹張りの長柄の傘。古代、天皇・親王・公卿などの外出時に、背後からさしかざすのに用いた。翳えい。万葉集3「わがおほきみは―にせり」 衣笠 ②天蓋てんがい。〈倭名類聚鈔14⇒きぬがさ‐そう【衣笠草】 ⇒きぬがさ‐たけ【絹傘茸】 きぬがさ衣笠】 姓氏の一つ。 ⇒きぬがさ‐ていのすけ【衣笠貞之助】 きぬがさ‐そう衣笠草‥サウ ユリ科の多年草。日本特産で高山の半陰地に生える。太い地下茎があり、茎は高さ数十センチメートル。葉は8〜9葉輪生。夏、美しい白花を開く。花笠草。 きぬがさそう キヌガサソウ 提供:岩波書店 ⇒きぬ‐がさ【衣笠・絹傘・華蓋】 きぬがさ‐たけ絹傘茸】 担子菌類のきのこ。夏に竹林中に奇異な子実体を生ずる。約10センチメートルの円柱状白色蝋質の茎の上端に鐘形の頭部を有し、表面に網状の突出がある。表面全体をおおう緑褐色の粘液は無数の胞子を含み、悪臭を放つ。また菌の傘の下部から白色の網状のマントを垂下。中国料理で珍重する。コムソウタケ。 ⇒きぬ‐がさ【衣笠・絹傘・華蓋】 きぬがさ‐ていのすけ衣笠貞之助】 映画監督。本名、小亀貞之助。三重県生れ。新派の女形から映画界に入り、監督に転ずる。実験的映像表現を駆使した「狂った一頁」「十字路」のほか、「雪之丞変化」「地獄門」など。(1896〜1982) ⇒きぬがさ【衣笠】 きぬがさ‐やま衣笠山】 京都市北区にある山。仁和寺の北東。衣笠内大臣家良の別荘などがあった。形状が衣笠に似る。標高201メートル。絹笠山。別名、衣掛山。(歌枕) きぬ‐かずき衣被き・被衣‥カヅキ (「かずき」は「かぶり(被)」の意) ①平安時代ごろから身分ある女性が外出時顔をかくすために、衣をかぶったこと。また、その衣。元来は袿うちきをそのままかずいたが、漸次背通りより襟を前に延長して、かずき易いように仕立てるのを常とした。きぬかつぎ。きぬかぶり。かずき。かつぎ。古今著聞集12「上臈女房…―を脱がせておもてをあらはにして出されけり」 衣被き ②1をかぶった女性。 ③(女房詞)鰯いわしきぬ‐がち衣勝ち】 衣を多く重ね着て、着ぶくれているさま。紫式部日記「―にみじろきもたをやかならずぞ見ゆる」 きぬ‐かつぎ衣被ぎ】 ①⇒きぬかずき。 ②里芋の子を皮のままゆでたもの。皮をむき塩などをつけて食べる。〈[季]秋〉 きぬ‐かぶり衣被り】 きぬかずきの類で、僧侶などの用いたもの。 きぬ‐がわ鬼怒川‥ガハ 利根川の支流。源を栃木県北西部の鬼怒沼山に発し、長さ177キロメートル。上流に川俣・川治かわじ・鬼怒川などの温泉が湧出。水力発電に利用。古名、毛野川。 鬼怒川 撮影:関戸 勇 鬼怒川温泉 撮影:新海良夫 き‐ぬき着抜き】 既に袖を通して洗濯もしているので、着心地のよくなっている着物。 きぬき‐あな気抜き孔】 臭気・ガスの排除または換気用に設けた孔。換気口。 きぬ‐ぎぬ衣衣・後朝】 ①衣を重ねて共寝した男女が、翌朝、めいめいの着物を着て別れること。また、その朝。暁の別れ。古今和歌集「明けゆけばおのが―なるぞ悲しき」 ②男女、特に夫婦が別れること。離縁。狂言、箕被みかずき「此のごとくに―になるとても」 ③はなればなれになること。武道伝来記「首と胴との―」 ⇒きぬぎぬ‐の‐つかい【後朝の使】 きぬぎぬ‐の‐つかい後朝の使‥ツカヒ 男が女の家に泊まって翌朝家に帰り、女に文ふみをおくった、その文の使い。 ⇒きぬ‐ぎぬ【衣衣・後朝】 きぬ‐くばり衣配り】 年の暮に、目下めしたの者に、正月の料として衣類を配り与えること。日本永代蔵1「御祝言または―の折からは」 きぬ‐ぐら絹座】 絹を売買する所。宇津保物語藤原君「―にある徳まちといふ市女」 き‐ぬけ気抜け】 心がからだから脱け去ったようにぼんやりすること。張り合いがなくなること。失神。喪心。気落ち。「試験に落ちて―する」 きぬげ‐ねずみ絹毛鼠】 ネズミ科キヌゲネズミ亜科の哺乳類の総称。7属18種がユーラシアとアフリカに分布。ハムスターが代表的。また、その一種。頭胴長25センチメートル、尾長10センチメートル。朝鮮半島から中国東北部に野生。チョウセンネズミ。 きぬ‐こくら絹小倉】 小倉織に絹紡績糸または撚糸ねんしを用いた洋服地。 きぬ‐ごし衣越し】 衣をへだてること。古今著聞集8「―にみしといだきて」 きぬ‐ごし絹漉し】 ①絹篩きぬぶるいまたは絹で細かに漉すこと。また、その漉した物。 ②絹漉し豆腐の略。 ⇒きぬごし‐どうふ【絹漉し豆腐】 きぬごし‐どうふ絹漉し豆腐】 濃い豆乳と凝固剤を型箱の中に入れ、上澄みをとらずに全体をかたまらせた豆腐。絹で漉したかのように、きめこまかく滑らかなのでいう。きぬごし。ささのゆき。↔木綿豆腐 ⇒きぬ‐ごし【絹漉し】 きぬ‐こまちいと絹小町糸】 紡績絹糸でつくった縫糸。絹小町。 きぬ‐ゴロ絹呉絽】 絹糸でゴロフクレンのように織った織物。 きぬ‐ざ絹座】 鎌倉時代以後、絹の販売業者の組合。七座の一つ。 きぬ‐さや絹莢「莢豌豆さやえんどう参照。 きぬ‐さらぎ衣更着⇒きさらぎ きぬ‐サラサ絹更紗】 絹地に更紗模様を染めたもの。 きぬ‐じ絹地‥ヂ ①絹織の生地。 ②日本画をかくのに用いる絹。絵絹。 きぬ‐しじら絹縬】 絹織物にしじら織を応用したもの。 きぬ‐じょうふ絹上布‥ジヤウ‥ (→)透綾すきやに同じ。 きぬ‐ずきん絹頭巾‥ヅ‥ 頭巾の一種。つばはなく、絹布で円柱のやや平たいような形に造り、頭の全部にはめるようにしたもの。 きぬ‐ずくな衣少な】 着ている着物の数の少ないさま。栄華物語耀く藤壺「―に綿薄くて」 きぬ‐ずれ衣擦れ・衣摺れ】 着ている人の動作につれて、着物のすそなどのすれあうこと。また、その音。夏目漱石、彼岸過迄「奥の部屋で微かに―の音がするやうな気がした」 きぬ‐セル絹セル】 ①絹をまぜて織ったセル地。 ②絹糸を加工撚糸ねんしとしてセル風に織り出したもの。春秋の衣服に用いる。 きぬた砧・碪】 (キヌイタ(衣板)の約)布地を打ちやわらげ、つやを出すのに用いる木槌きづち。また、その木や石の台。その木槌で打つことや、打つ音にもいう。砧打ちは女の秋・冬の夜なべ仕事とされた。〈[季]秋〉。源氏物語夕顔「白妙の衣うつ―の音もかすかに」。「―を打つ」 ⇒きぬた‐こつ【砧骨】 ⇒きぬた‐せいじ【砧青磁】 きぬた】 ①能。世阿弥作。訴訟のため都にいる夫を慕う妻が砧を打って心を慰めるが、待ちこがれて死に、死後まで妄執に苦しむ。 ②河東。半太夫節からの継承曲。1に取材。 ③地歌・箏曲。佐山検校作曲。→五段砧⇒きぬた‐もの【砧物】 きぬた‐こつ砧骨】 哺乳類の耳小骨じしょうこつの一つ。ちんこつ。→耳(図)⇒きぬた【砧・碪】 きぬた‐せいじ砧青磁】 中国、宋・元代に浙江省の竜泉窯で焼かれた良質の青磁に対する日本での呼称。名は砧の形に似た首の長い花生けの名品に由来するともいう。青磁の最高級品として日本の茶人が珍重。 ⇒きぬた【砧・碪】 きぬた‐もの砧物】 地歌・箏曲・胡弓・尺八曲のうち、砧の擬音的描写を主題とする作品群。特に地歌・箏曲では砧3をもとに技巧的に編曲され、多く作られた。箏曲「四段砧」「二重砧」「五段砧」、三弦曲「京砧」「大阪砧」「新砧」など。 ⇒きぬた【砧】 きぬ‐ちぢみ絹縮】 経たてに生糸、緯よこに左撚りの強撚糸きょうねんしを用いた絹織物の一種。精練・しぼ出し処理によって片しぼになる。夏の単衣ひとえ・帯揚げ・腰紐などに用いる。きぬち。 きぬ‐てん絹天】 (「天」はビロードの意の「天鵞絨」の略)絹ビロードの一種。一般の別珍より高級なもの。足袋たび・鼻緒・夜具襟えりなどに用いる。 きぬ‐なり絹鳴り】 絹布のすれあう音。 き‐ぬの生布】 まださらしたり練ったりしていない布。夏の衣服の材にした。〈[季]夏〉 きぬ‐の‐くび衣の頸】 衣服の襟。枕草子142「冠こうぶり―など手もやまずつくろひて」 きぬ‐の‐しり衣の後・衣の尻(→)きょに同じ。 きぬ‐の‐みち絹の道】 シルクロードの訳語。 きぬ‐ばり絹針】 絹布を縫うのに用いる細い針。 きぬ‐ばり絹張り】 ①絹布を張ること。また、張った物。「―の屏風」 ②木や竹製の棒で、絹布を洗い張りするときに両端に付け、ひっぱって皺しわをのばす道具。また、それを使って絹布を伸子しんし張りすること。浄瑠璃、堀川波鼓「松の木に―結び」 ③絹布をのり張りする板。 きぬ‐びつ衣櫃】 衣服を入れておく櫃。衣裳櫃。宇津保物語吹上上「清らなる―一つに衣納れつつ奉り給ふ」 きぬ‐ひょうぐ絹表具・絹裱具‥ヘウ‥ 絹布を用いた表具。巻物・掛軸・書画帖・襖ふすま・屏風びょうぶなど。↔紙表具 きぬ‐ふたこ絹双子】 双子糸に絹糸を少し混ぜて織った双子縞ふたこじまきぬ‐ぶるい絹篩‥ブルヒ 絹布を底に張った篩。細粉をふるうのに用いる。 きぬまき‐せん絹巻線】 絹糸を絶縁体として被覆した銅線。 きぬ‐め絹目】 印画紙の表面加工の一つ。表面が織目状の凹凸をもち、肖像写真に多く用いる。シルク。 きぬ‐モスリン絹モスリン】 経緯たてよこともに1本の生糸に強撚を施した糸を用い、きわめて地を薄く平織りにした絹織物。肩掛・カーテンに用いる。シフォン。 きぬ‐もの絹物】 ①絹織物。 ②絹製の衣服。 きぬ‐や絹屋】 ①絹の幕を屋根と四方とに張りめぐらした仮小屋。栄華物語あさ緑「前に―造りて黄牛あめうし飼はせ給ふ」 ②絹布を織り、または売る人。また、その家。 きぬ‐わた絹綿】 屑繭の毳けばで作った真綿の一種。木綿よりも湿気を吸う程度が少ないので愛用される。

こぶち【首打・機】🔗🔉

こぶち首打・機】 (カウベウチの約)獣や野鳥の首を打ち挟んで捕らえる罠わな。鼠とりもある。くびち。

はた【機】🔗🔉

はた】 ①織物をつくる手動の機械。織機しょっき。万葉集7「未通女おとめらが織る―の上を」。「―の音」 ②(「服」と書く)機はたで織った布。古事記「わが王おおきみの織ろす―」

はた‐いと【機糸】🔗🔉

はた‐いと機糸】 機を織るのに用いる経緯たてよこの糸。

はた‐ぐ【機具】🔗🔉

はた‐ぐ機具】 織物を織るのに用いる具。機織道具。

はた‐むすび【機結び】🔗🔉

はた‐むすび機結び】 糸と糸とを結合する結び方。機糸・縫糸などを結びとめるのに用いた。織工結び。 機結び

はた‐や【機屋】🔗🔉

はた‐や機屋】 ①はたを織る家屋。 ②はたを織るのを業とする家。また、その人。

わかつり【機巧・機】🔗🔉

わかつり機巧・機】 物をあやつり動かすしかけ。からくり。西大寺本最勝王経平安初期点「機ワカツリの如くして業ごうに由りて転す」

わかつ・る【機巧る・誘る】🔗🔉

わかつ・る機巧る・誘る】 〔他四〕 ①機はたをあやつる。〈類聚名義抄〉 ②だまし誘う。誘惑する。欺く。おこつる。地蔵十輪経元慶点「愚痴のひとを誘ワカツリたぼろかすなり」

[漢]機🔗🔉

 字形  筆順 〔木部12画/16画/教育/2101・3521〕 [] 字形 〔木部12画/16画〕 〔音〕(漢) 〔訓〕はた [意味] ①はた。はた織りの道具。「機織・機業・孟母断機」 ②からくり。複雑なしかけ。細かいしくみ。「機械・機関・発動機・飛行機」。特に、「飛行機」の略。「機首・機長・搭乗機・三機編隊」 ③細かいはたらき。「機能・機根・心機・有機・無機」 ④他人にはうかがい知れない細かい事柄。「機微・機密・軍機」 ⑤物事の起こるきっかけ。きざし。はずみ。しおどき。「機を見るに敏びんなり」「機が熟す」「機会・機先・機縁・時機・危機・臨機応変」 [解字] 形声。「木」+音符「」(=細かい)。細かいしかけのしてある木製の器具、転じて、微妙なはたらきの意。簡体字としては「机」を用いる。 [下ツキ 逸機・危機・器機・軍機・契機・軽機・好機・時機・重機・春機・商機・正機・勝機・織機・心機・神機・枢機・戦機・待機・舵機・単機・天機・転機・電機・投機・動機・万機・無機・孟母断機・有機・臨機

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