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あだ【他・異】🔗🔉

あだ他・異】 ほか。別。余。〈天正十八年刊本節用集〉

あだ・し【他し・異し・徒し・空し】(形シク)🔗🔉

あだ・し他し・異し・徒し・空し】 〔形シク〕 (古くはアタシ) ①《他・異》異なっている。ほかのものである。別である。万葉集10「君に逢へる夜ほととぎす―・し時ゆは今こそ鳴かめ」 ②《徒・空》空しい。実じつがない。はかない。栄華物語本雫「露をだに―・しと思ひて」。栄華物語玉台「殿の御前の御声は、…―・しう聞えたり」

い【異】🔗🔉

】 ①ことなること。変わった点があること。別なこと。「―とするに足らぬ」「―文化」↔同。 ②普通とは違って怪しいこと、妙なこと。また、すぐれていること。「縁は―な物、味な物」 ③正統ではないこと。 ⇒異を挟む ⇒異を立てる ⇒異を唱える

い‐あんじん【異安心】🔗🔉

い‐あんじん異安心】 〔仏〕正統派と違った私説を主張する見解。特に浄土真宗における異端をいい、近世に多く現れた。

い‐いき【異域】‥ヰキ🔗🔉

い‐いき異域‥ヰキ よその地域。外国。異郷。 ⇒異域の鬼となる

○異域の鬼となるいいきのきとなる🔗🔉

○異域の鬼となるいいきのきとなる [李陵、蘇武に答うる書](「鬼」は霊魂)異国にとどまる霊魂となる。外国で死ぬことをいう。「異郷の鬼となる」とも。 ⇒い‐いき【異域】 いい‐きみ好い気味】 (訛って「いいきび」とも)胸のすくさま。多く、他人の不幸や失敗をあざけっていう。「失敗して―だ」 イー‐キューEQ】 ①(educational quotient)標準化された学力検査の結果、得られた教育年齢を暦年齢で割り、これに100を掛けたもの。年齢に比べて学習の進度を示すために用いる教育指数。 ②(emotional intelligence quotient)情動の知能指数。アメリカの心理学者P.サロヴェイとJ.メイヤーが理論化。情動を理解・制御する能力を示すもの。 いい‐きり言い切りイヒ‥ 言い切ること。特に、文を完結したかたちで終えること。 いい‐ぎり飯桐・椅イヒ‥ イイギリ科の落葉高木。暖地の山林に自生。高さ約10メートル。樹皮は白褐色で褐色の斑点がある。葉は心臓形で長柄、飯を包んだという。雌雄異株。5月頃大きな穂状の花序をつけ、雄花は緑色、雌花は淡紫色。実は南天に似て赤く、落葉後も赤実の果穂が枝に下る。材で器具を造る。ナンテンギリ。 いいぎり イイギリ(実) 撮影:関戸 勇 いい‐き・る言い切るイヒ‥ 〔他五〕 ①言い終える。「一息で―・る」 ②断言する。「必ずやると―・る」 ③口約束を守る。狂言、泣尼「せんどかたらうておいてくれまいか。わばうず、―・れ―・れ」 いい‐くく・む言ひ含むイヒ‥ 〔他下二〕 言いふくめる。能因本枕草子職の御曹司におはします頃「きたなげならむはかき捨ててなど、―・めてやりたれば」 いい‐ぐさ言い種・言い草イヒ‥ ①言うべきことがら。話の種。また、口に出すことば。言いかた。「―が気にくわない」 ②言い抜ける口実。傾城禁短気「手をよくはづす―に前方から遠過ぎゆかれしおやぢを内にまざまざ居らるるやうに言ひなし」。「そんな―は通用しない」 ③言いがかり。苦情。こごと。もんく。人情本、春色辰巳園「おめへに―を言つてやりこめられに来はしねへぜ」 ④口癖に言うこと。「彼の―ではないが、東京は物価が高い」 いい‐くさ・す言い腐すイヒ‥ 〔他五〕 わるく言う。けちをつける。けなす。 いい‐くず・す言ひ崩すイヒクヅス 〔他四〕 言葉で打ちのめす。論破する。日葡辞書「ヒトノシンシャウ(身上)ヲイイクヅス」「ヒトノダウリヲイイクヅス」 いい‐くた・す言ひ朽すイヒ‥ 〔他四〕 (→)「いいくさす」に同じ。源氏物語少女「紅葉を―・さむは立田姫の思はむこともあるを」 いい‐くだ・す言ひ下すイヒ‥ 〔他四〕 ①自分より身分の低い人の所へ言い送る。〈日葡辞書〉 ②すらすらと言う。 いい‐くら・す言い暮らすイヒ‥ 〔他五〕 その事ばかり言って日を暮らす。 イーグルeagle】 ①鷲わし。 ②ゴルフで、パー(基準打数)より二つ少ない打数でホール‐アウトすること。 イーグルトンTerry Eagleton】 イギリスの批評家。マンチェスター大学教授。フランスの現代思想の影響を受け、左翼的な立場から評論を行う。著「文学とは何か」「美のイデオロギー」など。(1943〜) いい‐くる・める言い包めるイヒ‥ 〔他下一〕 言葉たくみに言ってごまかす。口先でまるめこむ。「黒を白と―・める」「―・められて賛成に回る」 いい‐くろ・む言ひ包むイヒ‥ 〔他下二〕 言いくるめる。根無草後編「詞をかざり鷺を烏―・めんと」 いい‐くん・ず言ひ屈ずイヒ‥ 〔他サ変〕 (イヒクッスの音便)言って力を落とす。言いつつ思いに沈む。枕草子87「夜のほどに消えぬらん事と―・ずれば」 いい‐け飯笥イヒ‥ 飯を盛る器うつわいい‐けが・す言ひ汚すイヒ‥ 〔他四〕 人を中傷する。〈日葡辞書〉 いい‐け・す言い消すイヒ‥ 〔他五〕 ①言いかけてやめる。また、前言を打ち消す。 ②人の話を打ち消す。否定する。 ③けなす。非難する。 いい‐け・つ言ひ消つイヒ‥ 〔他四〕 ①言いかけてやめる。源氏物語椎本「末は―・ちて、いといみじく忍びがたきけはひにて入り給ひぬなり」 ②人の話を打ち消す。否定する。源氏物語松風「わざとはなくて、―・つさま、みやびかによしと聞き給ふ」 ③けなす。非難する。徒然草「をこにも見え、人にも―・たれ、わざはひをも招くは、ただこの慢心なり」 いい‐けらく言ひけらくイヒ‥ (言ヒケリのク語法)言ったことには。 いい‐こ好い児】 よい子供。子供をほめたり、なだめすかしたりする語。 ⇒好い児になる いい‐こうい以夷攻夷】 [王安石「兵法に所謂いわゆる夷を以て夷を攻むるなり」]「夷を以て夷を制す」に同じ。→夷(成句) いい‐こしら・う言ひ拵ふイヒコシラフ 〔他下二〕 とりつくろって言う。なだめ言う。源氏物語若菜下「はてはては腹だつをよろづに―・へて」 いい‐こと好い事】 ①よいこと。特に、男女間の色事についていう。 ②よい口実。「交通ストを―にして休む」 いい‐ごと言い事イヒ‥ ①言う事柄。言いぐさ。言いぶん。宇津保物語初秋「何を賭物にかせん…―を賭けん」 ②口論。口げんか。西鶴織留3「わが非分とはわきまへながら、―の種をこしらへ」 いい‐こな・す言いこなすイヒ‥ 〔他五〕 ①上手に言いまわす。論破する。色道大鏡「さきの理をくつがへしてこなたの正理に―・しおほせて」 ②悪く言う。私可多咄「いづれも気に入らぬ風情にてほめず―・しければ」

いい‐じゅうぎょう【異位重行】‥ヰヂユウギヤウ🔗🔉

いい‐じゅうぎょう異位重行‥ヰヂユウギヤウ 朝廷の儀式などの時の人の並び方。同じ位の者が横に1列に並び、その後に並行して次の位の者が順次に重なる。

い‐おん【異音】🔗🔉

い‐おん異音】 〔言〕(allophone)同じ音素が環境に応じて異なった音として現れたもの。

い‐か【異化】‥クワ🔗🔉

い‐か異化‥クワ ①〔美〕 ㋐(ostranenie ロシア・Verfremdung ドイツ)ロシア‐フォルマリズムの芸術説の一つ。シクロフスキーらが提唱。題材を非現実化・異常化してその知覚の過程に注意を向けさせる作用を芸術の特質とした。 ㋑ブレヒトの作劇上の中心概念。異化効果に同じ。 ②〔生〕(catabolism)物質代謝において、蛋白質・多糖類・脂肪酸・アミノ酸など化学的に複雑な構造の物質を単純な物質に分解する反応。生物は必要なエネルギーをこの反応により得る。異化作用。 ③〔言〕同じ音素が近接するとき、一方が別の音素に変わる音韻変化。 ↔同化

い‐かい【異界】🔗🔉

い‐かい異界】 日常とは異なる世界。物の怪や霊の住む領域。

い‐かく【異客】🔗🔉

い‐かく異客】 ①他国から来た客。 ②故郷を離れて他郷にいる人。たびびと。遊子。 ③常とはかわった客、すなわち盗賊。 →いきゃく(異客)

い‐がく【異学】🔗🔉

い‐がく異学】 異端の学。1790年(寛政2)江戸幕府は朱子学を正学とし、それ以外の学問を異学として排斥。「寛政―の禁」

いか‐こうか【異化効果】‥クワカウクワ🔗🔉

いか‐こうか異化効果‥クワカウクワ (Verfremdungseffekt ドイツ)演劇で、現実を批判的に対象化し、見慣れた事物をも、初めて見たように異様に感じさせ、その本質を観客に覚らせる効果。また、そういう手法。ブレヒトの叙事詩的演劇論の核心をなす用語。アリストテレス以来のカタルシス演劇論への批判に基づく。

いか‐さよう【異化作用】‥クワ‥🔗🔉

いか‐さよう異化作用‥クワ‥ (ostranenie ロシア)ロシア‐フォルマリズムの用語。日常的に見慣れたものを別の角度から見直して、新鮮さを生み出す技法。

い‐かひ【異花被】‥クワ‥🔗🔉

い‐かひ異花被‥クワ‥ 萼片がくへんと花弁との区別が明瞭なこと。サクラ・ツツジ・マメなどの花に見られる。↔同花被

い‐かん【異観】‥クワン🔗🔉

い‐かん異観‥クワン めずらしいみもの。めずらしいけしき。

い‐ぎ【異義】🔗🔉

い‐ぎ異義】 ことなった意味。「同音―」

い‐ぎ【異儀】🔗🔉

い‐ぎ異儀】 ①普通とちがった状態。異状。 ②⇒いぎ(異議)

い‐ぎ【異議・異儀】🔗🔉

い‐ぎ異議・異儀】 ①他人とちがった議論や意見。異論。「―なし」「―を唱える」 ②〔法〕(「異議」と書く)訴訟で裁判機関・書記官等または相手方の行為・手続違背等に対する当事者の不服申立てなどをいう。

いぎ‐の‐もうしたて【異議の申立て】‥マウシ‥🔗🔉

いぎ‐の‐もうしたて異議の申立て‥マウシ‥ 〔法〕刑事訴訟で、証拠調べや裁判長の処分などに対する不服申立てをいう。→異議申立て

いぎ‐もうしたて【異議申立て】‥マウシ‥🔗🔉

いぎ‐もうしたて異議申立て‥マウシ‥ 〔法〕行政不服審査法による不服申立ての一種。行政庁の処分・不作為について当該行政庁に対してする不服申立て。→異議の申立て→審査請求

い‐きゃく【異客】🔗🔉

い‐きゃく異客】 ①主客以外の客。 ②好ましくない客。困る客。浄瑠璃、女殺油地獄「―もまじり行き通ふ」 ③旅人。いかく。

い‐きょう【異香】‥キヤウ🔗🔉

い‐きょう異香‥キヤウ すぐれたよいかおり。いこう。栄華物語音楽「いろいろの宝の香どもを焚かせ給へれば―薫じたり」

い‐きょう【異教】‥ケウ🔗🔉

い‐きょう異教‥ケウ 自分が信じる宗教とはちがった宗教。特に一神教で、他の宗教をいう。 ⇒いきょう‐と【異教徒】

い‐きょう【異郷】‥キヤウ🔗🔉

い‐きょう異郷‥キヤウ 故国や郷里から遠く離れた土地。他郷。他国。異域。「―に骨を埋める」 ⇒いきょう‐の‐おに【異郷の鬼】

い‐きょう【異境】‥キヤウ🔗🔉

い‐きょう異境‥キヤウ 母国を遠く離れた、よその土地。他郷。他国。外国。「―に赴く」

い‐ぎょう【異形】‥ギヤウ🔗🔉

い‐ぎょう異形‥ギヤウ 普通とはちがった形。あやしい姿。いけい。謡曲、放下僧ほうかぞう「―の出で立ち心得難く候」

いきょう‐と【異教徒】‥ケウ‥🔗🔉

いきょう‐と異教徒‥ケウ‥ 異教を信仰する人。特にキリスト教から見て、他宗教の信者。 ⇒い‐きょう【異教】

いきょう‐の‐おに【異郷の鬼】‥キヤウ‥🔗🔉

いきょう‐の‐おに異郷の鬼‥キヤウ‥ 異郷で鬼籍きせきに入った人。他国で死んだ人。「異域の鬼」とも。「―となる」 ⇒い‐きょう【異郷】

いきょく‐どうこう【異曲同工】🔗🔉

いきょく‐どうこう異曲同工(→)同工異曲に同じ。

いく‐どうおん【異口同音】🔗🔉

いく‐どうおん異口同音】 多くの人が口をそろえて同じことを言うこと。多くの人の説が一致すること。「―に反対を唱えた」

い‐けい【異形・異型】🔗🔉

い‐けい異形・異型】 ①普通とはかわったかたち。いぎょう。 ②型かたが異なっているもの。 ⇒いけい‐かん【異形管】 ⇒いけい‐ぞうしょく【異型増殖】 ⇒いけい‐はいぐうし【異型配偶子】

い‐けい【異系】🔗🔉

い‐けい異系】 系統がちがうこと。 ⇒いけい‐こうはい【異系交配】

いけい‐かん【異形管】‥クワン🔗🔉

いけい‐かん異形管‥クワン 土管・鉄管などで、湾曲または分岐する箇所の接続に用いる、L字・T字・十字などの形をした管。 ⇒い‐けい【異形・異型】

いけい‐こうはい【異系交配】‥カウ‥🔗🔉

いけい‐こうはい異系交配‥カウ‥ 同一種類ではあるが、系統を異にする品種・変種などを交配すること。例えば、日本犬に外来品種を交配する類。交雑。 ⇒い‐けい【異系】

いけい‐ぞうしょく【異型増殖】🔗🔉

いけい‐ぞうしょく異型増殖】 正常と異なる未分化な細胞の増殖。広義には悪性増殖(癌)を含むが、ふつう悪性・良性の境界にある増殖状態を指す。 ⇒い‐けい【異形・異型】

い‐けいたい【異形態】🔗🔉

い‐けいたい異形態】 〔言〕(allomorph)環境に応じて異なった形で現れた、ある形態素の一形態。

いけい‐はいぐうし【異型配偶子】🔗🔉

いけい‐はいぐうし異型配偶子】 有性生殖で、合体する二つの配偶子のかたちが異なるもの。↔同型配偶子 ⇒い‐けい【異形・異型】

い‐けん【異見】🔗🔉

い‐けん異見】 ①他人とはちがった意見。異存。 ②(→)意見2に同じ。浄瑠璃、用明天皇職人鑑「―をすれども縁付きはいやといふ」 ⇒いけん‐だて【異見立て】

い‐げん【異言】🔗🔉

い‐げん異言】 〔宗〕(新約聖書の「コリントの信徒への手紙1」の語)宗教的恍惚状態において発せられる理解不可能なことば。

い‐げん【異験】🔗🔉

い‐げん異験】 変わった効験。ききめ。狂言、膏薬煉「扨そなたの膏薬には何ぞ―でも有るか」

いけん‐だて【異見立て】🔗🔉

いけん‐だて異見立て】 異見1を立てること。特に、出さずともよい異見を立てること。 ⇒い‐けん【異見】

い‐こう【異香】‥カウ🔗🔉

い‐こう異香‥カウ ⇒いきょう

いこく‐けいご‐ばんやく【異国警固番役】🔗🔉

いこく‐けいご‐ばんやく異国警固番役】 蒙古の襲来にそなえて、鎌倉幕府が九州の御家人に課した警備の軍役。 ⇒い‐こく【異国】

いこく‐しゅみ【異国趣味】🔗🔉

いこく‐しゅみ異国趣味】 ①外国の風物をあこがれ好む趣向。 ②外国の人物事象を描いて芸術的効果を高めようとする手法。エキゾチシズム。 ⇒い‐こく【異国】

いこく‐じょうしょ【異国情緒】‥ジヤウ‥🔗🔉

いこく‐じょうしょ異国情緒‥ジヤウ‥ (イコクジョウチョとも)外国らしい風物などに接しておこる気分。異国情調。エキゾチシズム。 ⇒い‐こく【異国】

いこく‐じょうちょう【異国情調】‥ジヤウテウ🔗🔉

いこく‐じょうちょう異国情調‥ジヤウテウ (→)異国情緒に同じ。 ⇒い‐こく【異国】

いこく‐じん【異国人】🔗🔉

いこく‐じん異国人】 外国人。異邦人。異人。 ⇒い‐こく【異国】

いこくせん‐うちはらい‐れい【異国船打払令】‥ハラヒ‥🔗🔉

いこくせん‐うちはらい‐れい異国船打払令‥ハラヒ‥ 1825年(文政8)に発布された江戸幕府の外国船追放令。18世紀末から日本近海に来航する欧米の船舶が増し、1808年(文化5)のフェートン号事件につづき、24年イギリス捕鯨船員が上陸して紛争を起こしたことから、翌年幕府が、外国船の追放、上陸外国人の逮捕・射殺を命じた。42年(天保13)廃止。無二念打払令。→薪水給与令→文献資料[異国船打払令] ⇒い‐こく【異国】

いこく‐ばり【異国張】🔗🔉

いこく‐ばり異国張】 西洋の洗濯法に日本の張り方を加味した洗い張りの方法。安政(1854〜1860)の頃、長崎から広まった。 ⇒い‐こく【異国】

い‐さい【異才】🔗🔉

い‐さい異才】 人並みすぐれた才能。また、それをもつ人。

い‐さい【異彩】🔗🔉

い‐さい異彩】 異なった色どり。転じて、他とひどく異なった趣。きわだってすぐれた様子。「―を放つ」

い‐しゅ【異株】🔗🔉

い‐しゅ異株】 異なる株。根元が別なこと。→雌雄異株

い‐な【異な】🔗🔉

い‐な異な⇒い(異)2

い‐な‐こと【異な事】🔗🔉

い‐な‐こと異な事】 かわったこと。妙なこと。ふしぎなこと。狂言、栗焼「はて―ぢやと存じて」

い‐な‐もの【異な物】🔗🔉

い‐な‐もの異な物】 かわったもの。妙なもの。へんなもの。不思議なもの。「縁は―、味な物」

○異を挟むいをさしはさむ🔗🔉

○異を挟むいをさしはさむ 他人の意見に対して異議を述べる。「決定に―」 ⇒い【異】

○異を立てるいをたてる🔗🔉

○異を立てるいをたてる 相手と違う意見を主張する。反対の意見を出す。異を唱える。 ⇒い【異】

○異を唱えるいをとなえる🔗🔉

○異を唱えるいをとなえる 相手と違う意見を述べる。反対する。異を立てる。 ⇒い【異】

け【異】🔗🔉

】 ①普通とは異なるさま。いつもと変わっているさま。万葉集13「葦毛の馬のいばえ声情こころあれかも常ゆ―に鳴く」 ②まさるさま。特出するさま。平治物語(金刀比羅本)「家俊には似ず、きやつは―のやつかな」→けに

け・し【異し・怪し】🔗🔉

け・し異し・怪し】 〔形シク〕 (普通と異なった状態、または、それに対して不審に思う感じを表す) ①普通と違っている。異様である。特別である。古事記「吾は―・しき夢見つ」 ②とがむべきだ。けしからぬ。万葉集14「韓衣裾のうち交へ合はねども―・しき心を吾が思はなくに」 ③解せない。変である。伊勢物語「この女かくかき置きたるを―・しう心おくべき事も覚えぬを」 ④(性向・容色・身分・病状などの程度が)あやしいまでにはなはだしい。普通、「けしうはあらず」など打消を伴った形で使われ、それほど悪くはない、そう不自然ではない、などの意となる。源氏物語帚木「心も―・しうはあらず侍りしかど」「中の品の―・しうはあらぬえり出でつべき頃ほひなり」。大鏡「―・しうはさぶらはぬとしなりな」 ⑤(連用形を副詞的に用いて)ひどく。蜻蛉日記「―・しうつつましき事なれど」

けしう【異しう】🔗🔉

けしう異しう⇒けしゅう

けしく‐は‐あらず【異しくはあらず】🔗🔉

けしく‐は‐あらず異しくはあらず】 「けしゅうはあらず」に同じ。→けし4

けしゅう【異しう】ケシウ🔗🔉

けしゅう異しうケシウ 形容詞ケシの連用形ケシクの音便。 ⇒けしゅう‐は‐あらず【異しうはあらず】

けしゅう‐は‐あらず【異しうはあらず】ケシウ‥🔗🔉

けしゅう‐は‐あらず異しうはあらずケシウ‥ ⇒けし4 ⇒けしゅう【異しう】

け‐な【異な】🔗🔉

け‐な異な】 〔連体〕 殊勝な。感心な。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「まあまあそちは―者ぢや」

け‐なり【異なり】🔗🔉

け‐なり異なり】 (ケに指定の助動詞ナリの付いたもの)普通とは違っている。きわだっている。また、すぐれていてうらやましい。新古今和歌集「おきて見んと思ひし程に枯れにけり露よりけなるあさがほの花」。狂言、連歌毘沙門「あらあら―や―やな、われにも福をたび給へ」 ⇒けなり‐が・る ⇒けなり‐げ

け‐に【異に】🔗🔉

け‐に異に】 〔副〕 他よりすぐれて。ひどく。伊勢物語「ありしより―恋しくのみおぼえければ」→け(異)

こと【異・殊】🔗🔉

こと異・殊】 ①普通とは違っていること。同じでないこと。後撰和歌集「涙の色も―にぞありける」 ②すぐれていること。特別。枕草子152「―なる事なき男の」 ③ある語に冠して、「別の」「他の」の意を表す語。「―国」「―思ひ」 ⇒異にする

こと‐うら【異浦】🔗🔉

こと‐うら異浦】 他の浦。別の浦。後拾遺和歌集「―にこそ煙立つなれ」

こと‐おおせごと【異仰せ言】‥オホセ‥🔗🔉

こと‐おおせごと異仰せ言‥オホセ‥ 別の仰せごと。他の御命令。宇津保物語初秋「―は…身の堪へむに従ひて承らむに」

こと‐ぎさき【異后】🔗🔉

こと‐ぎさき異后】 他のきさき。栄華物語若水「みかどの御母后・妻后を放ちては―のおはしますやうなかりければ」

こと‐きみ【異君】🔗🔉

こと‐きみ異君】 ①別の主君。謡曲、花筐「この君ならで日の本に又―のましますべきか」 ②他の人、他の男の尊敬語。 ⇒こときみ‐どり【異君取り】

こときみ‐どり【異君取り】🔗🔉

こときみ‐どり異君取り】 他の人を主君とすること。また、他の男を婿とすること。落窪物語1「何の由にか、―はし奉らむと泣けば」 ⇒こと‐きみ【異君】

こと‐くに【異国】🔗🔉

こと‐くに異国】 ①よその地方。他国。異郷。宇治拾遺物語4「おのが国にはあらで―に田を作りけるが」 ②外国。とつくに。源氏物語常夏「広く―のことを知らぬ女のためとなむ覚ゆる」

こと‐ごと【異異】🔗🔉

こと‐ごと異異】 [一]〔名〕 べつべつ。まちまち。源氏物語「御ましなども―にて大殿ごもる」 [二]〔副〕 別々に。まちまちに。古今和歌集「誰か―わきて折らまし」

こと‐ざえ【異才】🔗🔉

こと‐ざえ異才】 他の才。他の学問。また、他の芸能。宇津保物語俊蔭「琴をば更にもいはず、―もさるべき師ども召して、笙・横笛も習はせ給ふ」

こと‐さかい【異境】‥サカヒ🔗🔉

こと‐さかい異境‥サカヒ 他国。他郷。

こと‐ざとり【異悟り】🔗🔉

こと‐ざとり異悟り】 宗旨違いのさとり。黒谷上人語灯録4「―異学の人を見ては」

こと‐たばかり【異議】🔗🔉

こと‐たばかり異議】 異なる策略。他の工夫。宇津保物語藤原君「長雨の降れば、―もえせで」

こと‐づま【異妻】🔗🔉

こと‐づま異妻】 ことなる妻。あだしづま。

こと‐なつ【異夏】🔗🔉

こと‐なつ異夏】 他の年の夏。貫之集「―はいかが鳴きけんほととぎす」

ことなり‐ごすう【異なり語数】🔗🔉

ことなり‐ごすう異なり語数】 〔言〕ある言語資料で、同じ語に属すると見なされる語形をまとめて一つと数えた時の、その資料を構成する語の数。↔延べ語数

こと‐な・る【異なる】🔗🔉

こと‐な・る異なる】 〔自五〕 あるものが他のものと同じでない。ちがう。「―・る意見」「いつもとは―・った態度」

こと‐に【殊に・異に】🔗🔉

こと‐に殊に・異に】 〔副〕 ①普通と違って。とりわけて。別して。別段に。古今和歌集「山里は秋こそ―わびしけれ」。「今朝は―冷えこみがきびしい」 ②その上に。なお。狂言、盗人連歌「さてさて忝ない、―お酌まで」 ○事に当たることにあたる ある事柄にたずさわる。 ⇒こと【事】 ○異にすることにする 別にする。異なっている。「幽明境を―」「待遇を―」「意見を―」 ⇒こと【異・殊】 ○事に触れてことにふれて 事あるごとに。何かにつけて。 ⇒こと【事】 ○事に依るとことによると 事柄の如何によっては。ひょっとすると。「―深刻な事態になるかもしれない」 ⇒こと【事】

○異にすることにする🔗🔉

○異にすることにする 別にする。異なっている。「幽明境を―」「待遇を―」「意見を―」 ⇒こと【異・殊】

こと‐はな【異花】🔗🔉

こと‐はな異花】 ほかの花。別の花。源氏物語手習「紅梅の花も香もかはらぬを、春や昔のと、―よりもこれに心寄せのあるは」 ○言葉なお耳に在りことばなおみみにあり かつて聞いたことばだが、現在聞いているようにはっきり耳に残っている。 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に甘えることばにあまえる 相手の親切・好意をそのまま受け入れる。「お言葉に甘えて頂戴します」 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に余ることばにあまる ことばではとても言いつくせない。「―御好意」 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に鞘があることばにさやがある 物言いが率直でない。そのまま真実を語っていないところがある。 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に花が咲くことばにはながさく ①話がはずむ。 ②話がはずみ過ぎて喧嘩となる。 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に花実を交ぜることばにはなみをまぜる 話に修飾と真実とをうまく取り合わせて言う。 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に針を刺すことばにはりをさす 相手が言葉をたがえぬように念をおしておく。 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】 ○言葉に針を持つことばにはりをもつ 言うことに相手を傷つける点がある。言葉に棘とげがある。 ⇒こと‐ば【言葉・詞・辞】

こと‐まき【異巻】🔗🔉

こと‐まき異巻】 ①ほかの巻。ほかの本。 ②異本いほん

こと‐わざ【異業】🔗🔉

こと‐わざ異業】 異なるわざ。他のしごと。宇津保物語国譲下「琴をこそ教へざらめ、―も彼の侍従のすることはえならぬをや」

[漢]異🔗🔉

 字形  筆順 〔田部6画/11画/教育/1659・305B〕 〔音〕(呉)(漢) 〔訓〕ことことなる・け [意味] ①それとちがう。ことなる。ことにする。別の。ちがい。(対)同。「異を唱える」「異常・異性・異論・雌雄異株・差異・校異・大同小異」 ②普通でない。 ㋐変わっている。あやしい。ふしぎである。「異とするに足らぬ」「縁は異なもの」「異物・異様・異変・奇異・天変地異」 ㋑なみなみならず、すぐれている。「異才・異彩」 ㋒正当でない。「異心・異端・異学」 [解字] 会意。「田」(=大きなざる)+「共」(=両手で物を持つ)。一本の手にもう一本の手をそえることから、別にもうひとつ、ことなるの意となる。一説に、「田」を「」(=鬼の面)とし、鬼の面をかぶり神がかって立っている、常人とことなる人、とする。 [下ツキ 怪異・奇異・驚異・校異・差異・災異・殊異・小異・地異・党同伐異・特異・変異・妖異・霊異

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