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はし【箸】🔗⭐🔉
はし【箸】
中国や日本などで、食事などに物を挟み取るのに用いる細長く小さい2本の棒。木・竹・金属・象牙などで作る。古事記上「―其の河より流れ下る」
⇒箸が転んでもおかしい年頃
⇒箸が進む
⇒箸で含めるよう
⇒箸にも棒にもかからない
⇒箸の上げ下ろし
⇒箸より重い物は持ったことがない
⇒箸を下ろす
⇒箸をつける
⇒箸を取る
⇒箸を持って食うばかりに
はし‐あらい【箸洗い】‥アラヒ🔗⭐🔉
はし‐あらい【箸洗い】‥アラヒ
懐石料理で、八寸の前に、小さな器で出すごく薄味の吸物。一口吸い物。湯吸い物。一口椀。小吸い物。
○恥ありはじあり
恥を知る。名誉を重んずる。源平盛衰記20「恥ある郎党身に添はず」
⇒はじ【恥・辱】
はし‐おき【箸置き】🔗⭐🔉
はし‐おき【箸置き】
箸の先をのせておく小さい道具。はしだい。
箸置き
撮影:関戸 勇

○箸が転んでもおかしい年頃はしがころんでもおかしいとしごろ🔗⭐🔉
○箸が転んでもおかしい年頃はしがころんでもおかしいとしごろ
日常のたわいないことでもおかしく感ずる年頃。思春期の娘にいう。
⇒はし【箸】
はしかし【夫人】
(百済くだらの語か)夫人。婦人の敬称。雄略紀「慕尼むに―の女むすめ」
はしか・し
〔形ク〕
(「はしか(芒)」の形容詞形)
①いらいらするように感じる。こそばゆい。むずがゆい。類聚名義抄「苛、ハシカシ」
②もろい。折れやすい。日葡辞書「ハシカイキ(木)」
○箸が進むはしがすすむ🔗⭐🔉
○箸が進むはしがすすむ
次々と多量に食べる。「おいしくて―」
⇒はし【箸】
はし‐がため【橋固め】
橋のあたりを警固すること。また、その人。
はし‐がみ【箸紙】🔗⭐🔉
はし‐がみ【箸紙】
紙を折り畳んで、箸をさすようにしたもの。新年の太箸にはこれを使う。〈[季]新年〉
はし‐ぞめ【箸初め】🔗⭐🔉
はし‐ぞめ【箸初め】
食い初めのこと。
はし‐そろえ【箸揃え】‥ソロヘ🔗⭐🔉
はし‐そろえ【箸揃え】‥ソロヘ
(→)箸立はしたて1のこと。
はし‐たて【箸立】🔗⭐🔉
はし‐たて【箸立】
①生まれて百日目のくいぞめ。はしそろえ。
②箸を立てておく器。
はし‐つぼ【箸壺】🔗⭐🔉
はし‐つぼ【箸壺】
箸をさしておく壺。
○箸で含めるようはしでふくめるよう🔗⭐🔉
○箸で含めるようはしでふくめるよう
十分に理解するように言い聞かせることのたとえ。「噛かんで含めるよう」とも。
⇒はし【箸】
はし‐てんま【端伝馬】
大船・小船に添えおく伝馬船。
はしどい
(もと、木曾の方言)モクセイ科の落葉小高木。中部以北の山地に生ずる。高さ3〜10メートル。葉は広卵形、花序は円錐状で、白色4弁の小合弁花を多数つける。種子には翼がある。リラ(ライラック)と同属で、北海道では街路樹に用いる。観賞用にも栽培。材は堅く、細工物用。キンツクバネ。
ばじ‐とうふう【馬耳東風】
[李白、答王十二寒夜独酌有懐詩](馬の耳に東風の吹く意。春風が吹くと人は喜ぶが馬は何の感動も示さない)人の意見や批評などを、心に留めずに聞き流すこと。馬の耳に風。
はし‐どの【橋殿】
池などの上に、橋のように掛け渡して造った家。宇津保物語楼上下「楼の西東の―に迎へて立つ」
はしとみ【半蔀】
能。内藤左衛門作の鬘物。半蔀を掲げた家で夕顔が光源氏と結ばれたことを脚色する。「夕顔」と類曲。はじとみ。
は‐じとみ【半蔀】
上半分を外へ揚げるようにし、下ははめこみになった蔀。こじとみ。源氏物語夕顔「かみは―四五間ばかり上げ渡して」
⇒はじとみ‐ぐるま【半蔀車】
はじとみ‐ぐるま【半蔀車】
網代車あじろぐるまの一種。物見に半蔀を取り付けたもの。摂関・大臣・大将・高僧・女房、また上皇の乗用。
半蔀車
⇒は‐じとみ【半蔀】
はし‐なく‐も【端無くも】
〔副〕
これといったきっかけなく。思いがけず。はからずも。森鴎外、うたかたの記「この学校の或る教師に―見出されて」。「―大方の御好評を博して」「―無知をさらけ出す」

○箸にも棒にもかからないはしにもぼうにもかからない🔗⭐🔉
○箸にも棒にもかからないはしにもぼうにもかからない
ひどすぎて取り扱うべき方法がない。手がつけられない。
⇒はし【箸】
はし‐ぬい【端縫い】‥ヌヒ
布の端を細く折り返して縫うこと。はぬい。
○箸の上げ下ろしはしのあげおろし🔗⭐🔉
○箸の上げ下ろしはしのあげおろし
こまかな一挙一動。つまらない事に、一々口やかましくいう場合に用いる。浮世風呂3「いびいび、いびいびと―だからうるせへ」
⇒はし【箸】
はしはか‐こふん【箸墓古墳】🔗⭐🔉
はしはか‐こふん【箸墓古墳】
奈良県桜井市箸中にある最古の前方後円墳の一つ。墳長約280メートル。後円部の直径約160メートル。葺石や最古の埴輪があり、3世紀中葉から後半の築造とされる。崇神紀に倭迹迹日百襲姫命やまとととびももそひめのみことの墓とする伝説があり、卑弥呼の墓とする説もある。
箸墓古墳
撮影:的場 啓

はし‐ばこ【箸箱】🔗⭐🔉
はし‐ばこ【箸箱】
箸を入れておく細長い箱。
はし‐ぶくろ【箸袋】🔗⭐🔉
はし‐ぶくろ【箸袋】
使用前の箸を入れておく紙製の袋。
はし‐まくら【箸枕】🔗⭐🔉
はし‐まくら【箸枕】
(→)「箸置き」に同じ。
はし‐むかう【箸向ふ】‥ムカフ🔗⭐🔉
はし‐むかう【箸向ふ】‥ムカフ
〔枕〕
「弟おと」にかかる。
はし‐やすめ【箸休め】🔗⭐🔉
はし‐やすめ【箸休め】
食事の途中の気分転換になるように作られた、ちょっとしたおかず。おつまみ。
○箸より重い物は持ったことがないはしよりおもいものはもったことがない🔗⭐🔉
○箸より重い物は持ったことがないはしよりおもいものはもったことがない
大切に育てられ、労働したことがないというたとえ。
⇒はし【箸】
はしょ・る【端折る】
〔他五〕
(ハシオルの転)
①和服の褄つまなどを折りかかげて帯に挟む。おはしょりにする。誹風柳多留8「―・つたりおろしたりする御見合」
②はぶいて短く縮める。省略する。簡単にする。「話を―・る」
ばしょ‐わり【場所割り】
場所の全体をどう振り分けるかという配分。「陳列場の―をする」
⇒ば‐しょ【場所】
はしら【柱】
①〔建〕直立して上の荷重を支える材。万葉集20「真木まけ―讃めて造れる殿のごと」。「―を立てる」
②(比喩的に)たよりとなる人。根幹となるもの。「一家の―」「計画の―」
③貝柱のこと。
④(図書用語)
㋐和本などで、各丁の中央の折目に当たるところに刷り込んだ書名・巻数・丁数など。版心。柱刻。目。
㋑洋装本で、版面外の余白部に示した見出し。
㋒表ひょうの要目を示す見出し。
⑤神・霊または高貴の人を数えるのに用いる語。古事記上「此の三―の神は」
⇒はしら‐いし【柱石】
⇒はしら‐いわい【柱祝】
⇒はしら‐え【柱絵】
⇒はしら‐がくし【柱隠し】
⇒はしら‐がくれ【柱隠れ】
⇒はしら‐かけ【柱掛け】
⇒はしら‐かざり【柱飾り】
⇒はしら‐ごよみ【柱暦】
⇒はしら‐サボテン【柱サボテン】
⇒はしら‐たいまつ【柱炬火・柱松明】
⇒はしら‐だて【柱立て】
⇒はしら‐どけい【柱時計】
⇒はしら‐なべ【柱鍋】
⇒はしら‐ぬき【柱貫】
⇒はしら‐びき【柱引き】
⇒はしら‐ぼり【柱掘り】
⇒はしら‐ま【柱間】
⇒はしら‐まつ【柱松】
⇒はしら‐もち【柱餅】
⇒はしら‐よせ【柱寄せ】
⇒はしら‐わり【柱割】
はじらい【恥じらい・羞い】ハヂラヒ
はじらうこと。「―を見せる」
はしら‐いし【柱石】
柱を支えるために地面に据えた石。
⇒はしら【柱】
はしら‐いわい【柱祝】‥イハヒ
(→)「すすりがゆ」2に同じ。
⇒はしら【柱】
はじら・う【恥じらう】ハヂラフ
〔自五〕
相手の対応や、まわりの様子などによって、はずかしそうな素振りをする。はにかむ。源氏物語末摘花「いたう―・ひて口おほひし給へるさま」
はしら‐え【柱絵】‥ヱ
①寺院などの柱に描いた絵。
②浮世絵版画、特に錦絵の判型の一種。丈長奉書たけながほうしょ横四つ切で、縦約70センチメートル、横12〜13センチメートルの細長い画面。柱にかけて装飾とするのに適する。柱掛はしらかけ。柱隠はしらがくし。
⇒はしら【柱】
はしら‐がくし【柱隠し】
柱の表にかけて装飾とするもの。竹・板・陶器あるいは金属・ガラスの類で造り、多く書画などを描いたもの。はしらかけ。
⇒はしら【柱】
はしら‐がくれ【柱隠れ】
柱のかげにかくれること。源氏物語野分「―に少しそばみ給へりつるを」
⇒はしら【柱】
はしら‐かけ【柱掛け】
(→)「はしらがくし」に同じ。
⇒はしら【柱】
はしら‐かざり【柱飾り】
柱にかけるかざり。薬などを入れておく。
⇒はしら【柱】
はしらかし【走らかし】
「走らかし汁」の略。
⇒はしらかし‐じる【走らかし汁】
はしらかし‐じる【走らかし汁】
ざっと煮たてただけで、手軽にこしらえた汁。また、味噌を入れただけで実みのない汁。西鶴織留1「一つ釜の加賀米に、―、鰯菜も同じやうにすわりて」
⇒はしらかし【走らかし】
はしらか・す【走らかす】
〔他四〕
①走らせる。
②奔走させる。追い使う。狂言、鎌腹「女に―・されて外聞の悪い」
③汁などをちょっと煮立てる。江戸料理集「いりごひのごとくいり酒を―・し」
④屏風や幕などを引きまわす。東海道名所記「かうしの内には金屏風―・し」
⑤刀をさやから抜きはなつ。
⑥(舟乗りの忌み言葉)割る。ひびを入れる。浄瑠璃、義経千本桜「素頭微塵に―・し」
はしら‐ごよみ【柱暦】
家の柱などに掛ける小さい暦。後藤末雄、素顔「茶の間の障子を開け放して払塵はたきを掛けた序つひでに―を見詰めてゐた」
⇒はしら【柱】
はしら‐サボテン【柱サボテン】
サボテン類のうち、茎が柱状に直立する種類の総称。北米アリゾナ州のサガロ‐サボテンなど。→うちわサボテン。
⇒はしら【柱】
はしら・す【走らす】
[一]〔他五〕
(→)「はしらせる」に同じ。
[二]〔他下二〕
⇒はしらせる(下一)
はしら・せる【走らせる】
〔他下一〕[文]はしら・す(下二)
①走るようにする。駆けさせる。早く行かせる。また、逃走させる。「使を―・せる」
②すばやく、よどみなく動かす。「筆を―・せる」「目を―・せる」
③屏風や幕などを引きまわす。
はしら‐たいまつ【柱炬火・柱松明】
①高い柱の先に結んで焚くたいまつ。
②3月(もと陰暦2月)15日、京都市嵯峨の清涼寺釈迦堂の前で、大きなたいまつを焚いて行う涅槃会ねはんえの行事。
⇒はしら【柱】
はしら‐だて【柱立て】
①家屋の建築で、初めて柱を建てること。また、その時の祝賀の儀式。浄瑠璃、出世景清「今日吉日の―」
②柱立ての行事を脚色した歌舞伎舞踊やうた沢の曲名。
⇒はしら【柱】
はしら‐どけい【柱時計】
柱や壁などに掛けておく時計。掛時計。
⇒はしら【柱】
はしら‐なべ【柱鍋】
バカガイの貝柱を主材料とする鍋料理。
⇒はしら【柱】
はしら‐ぬき【柱貫】
柱を横に貫く材。古くは頭貫かしらぬきをいう。
⇒はしら【柱】
はしら‐びき【柱引き】
①和船で、帆柱を起こし、または倒す時に、船首・船尾へ引く綱。引手。巻手。先手さきて。
②「柱掘り」参照。
⇒はしら【柱】
はしら‐ぼり【柱掘り】
石炭採掘法の一つ。鉱床を互いに直交する一系の並行坑道で分割し、その間に長方形の炭柱を残して天井を支えさせ、鉱区の境界に達すると、漸次に炭柱を取り払う(柱引)もの。炭柱式採炭。
⇒はしら【柱】
はしら‐ま【柱間】
殿舎・家屋・橋などの柱と柱との間あいだ。間まともいう。
⇒はしら【柱】
はしら‐まつ【柱松】
①下部を地中に埋めて立てた松明たいまつ。たてあかし。たちあかし。
②(→)揚松あげまつに同じ。
⇒はしら【柱】
は‐じらみ【羽虱】
ハジラミ目の昆虫の総称。ほとんど無変態。主に鳥類に寄生し、その羽毛・垢などを食う。体はシラミに似てさらに細長い。羽虫。
はしら‐もち【柱餅】
歳暮の餅搗きのとき、終りの1臼の餅を大黒柱に巻き付けておき、正月15日の左義長さぎちょうの火にあぶって食うもの。世間胸算用4「長崎の―」
⇒はしら【柱】
はしら‐よせ【柱寄せ】
柱に沿って打ち付け、蔀戸しとみど・遣戸やりどなどの戸当りとした材。
⇒はしら【柱】
はしら‐わり【柱割】
柱の大きさや位置を定めること。
⇒はしら【柱】
はしり【走り】
①はしること。
②なめらかに動いて行くこと。滑走。「障子の―がいい」
③台所のながし。浄瑠璃、心中宵庚申「―の出刃庖丁よう磨がして置いたぞや」
④「はしりぎ」の略。
⑤魚鳥または野菜などの初物。はつ。はしりもの。西鶴織留3「寒のうちに鰭うるめの焼物、是は八九月の比ころ―を喰うて世にふるし」。「カツオの―」
⑥物事のはじめとなったもの。先駆け。「梅雨の―」
⑦逃げ失せること。かけおち。浄瑠璃、新版歌祭文「失せ物か―か」
⇒はしり‐あそび【走り遊び】
⇒はしり‐い【走井】
⇒はしり‐いで【走り出で】
⇒はしり‐うま【走り馬】
⇒はしり‐がき【走り書き】
⇒はしり‐がさ【走笠】
⇒はしり‐ぎ【走り木】
⇒はしり‐くさ【走り瘡】
⇒はしり‐くらべ【走り競べ】
⇒はしり‐こぎり【走りこぎり】
⇒はしり‐こぐら【走りこ競】
⇒はしり‐じ【走り痔】
⇒はしり‐しもべ【走り下部】
⇒はしり‐しゅう【走衆】
⇒はしり‐しょう【走り性】
⇒はしり‐すいかん【走水干】
⇒はしり‐ずみ【走り炭】
⇒はしり‐たかとび【走高跳】
⇒はしり‐ぢえ【走り知恵】
⇒はしり‐づかい【走り使い】
⇒はしり‐つき【走付】
⇒はしり‐づゆ【走り梅雨】
⇒はしり‐で【走り出】
⇒はしり‐どころ【走野老・莨菪】
⇒はしり‐とび【走り跳び】
⇒はしり‐の‐ないし【走の内侍】
⇒はしり‐ば【走羽】
⇒はしり‐はばとび【走幅跳】
⇒はしり‐び【走り火】
⇒はしり‐ぶね【走り舟】
⇒はしり‐ほ【走り穂】
⇒はしり‐ぼし【走り星】
⇒はしり‐ほだし【走絆】
⇒はしり‐まい【走回・走舞】
⇒はしり‐みょうと【走り夫婦】
⇒はしり‐もと【走り元】
⇒はしり‐もの【走物】
⇒はしり‐もの【走り者】
⇒はしり‐やぐら【走り矢倉・走り櫓】
⇒はしり‐ゆ【走り湯】
⇒はしり‐よみ【走り読み】
⇒はしり‐わらわ【走孺・走童】
バジリ
(basilicum ラテンの下略)オリーブ油・黄蝋おうろうなどで製した吸出膏薬。バジリ膏。バジリコン。
ぱしり
(「使いっ走り」を略した俗語)強い者に命じられて使い走りをする人。
はしり‐あそび【走り遊び】
走りまわってあそぶこと。隆信集「みどり子―して」
⇒はしり【走り】
はしり‐い【走井】‥ヰ
①湧き出て流れている泉。万葉集7「落ちたぎつ―の水の清くあれば」
②雅楽歌曲の一つ。催馬楽さいばらの律に属する。今は廃絶。
⇒はしり【走り】
はしり‐いで【走り出で】
(→)「はしりで」に同じ。
⇒はしり【走り】
はしり‐うま【走り馬】
①走り行く馬。
②早打のいそぎの馬。はやうま。
③競馬。また、競馬に用いる馬。宇津保物語梅花笠「―十疋」
⇒はしり【走り】
バシリカ【basilica ラテン】
①古代ローマで、裁判所や取引所などに使用した特殊な形式の建物。長方形で、内部を2列あるいは4列の柱列が縦に走り、その柱の上は桟敷状。
②1の形式を起源とするカトリック教会堂。側廊のついた広い本堂と一端(もと西端)に玄関廊(ナルテクス)とを具える。
はしり‐かか・る【走り掛る】
〔自四〕
①勢いよくとびかかる。枕草子9「痴者しれものは―・りたれば」
②とばしりがかかる。はねがかかる。伊勢物語「その石のうへに―・る水は」
はしり‐がき【走り書き】
筆を走らせて文字を続けざまに書くこと。また、一息に急いで書いたもの。はやがき。浄瑠璃、心中天の網島「―。謡の本は近衛流」。「―でメモをとる」
⇒はしり【走り】
はしり‐か・く【走り書く】
〔他四〕
走り書きにかく。達筆に書く。源氏物語帚木「ここかしこの点長に―・き」
はしり‐がさ【走笠】
室町時代に、走衆はしりしゅうのかぶった笠。
⇒はしり【走り】
はしり‐かさな・る【走り重なる】
〔自四〕
多くの人々が、次々に走って集まる。平家物語8「御使櫛のはのごとく―・つて」
はしり‐ぎ【走り木】
寄せてくる敵を倒すために、高い所から木をすべらせころがすこと。また、その木。はしり。
⇒はしり【走り】
はしり‐くさ【走り瘡】
(ハシリグサとも)丹毒の俗称。
⇒はしり【走り】
はしり‐くらべ【走り競べ】
共に走って速さを競うこと。かけくらべ。かけっこ。はしりくら。
⇒はしり【走り】
バジリコ【basilico イタリア】
シソ科の一年草メボウキ、また、その葉を乾燥させた香辛料。パスタなどイタリア料理に用いる。バジル。→めぼうき
はしり‐こぎり【走りこぎり】
ハシリコグラの転。
⇒はしり【走り】
はしり‐こぐら【走りこ競】
走りくらべ。狂言、伯養「それならば―を致しませうが」
⇒はしり【走り】
はしり‐こ・む【走り込む】
〔自五〕
①走って中に入る。かけ込む。「発車まぎわの電車に―・む」
②(トレーニングとして)十分に走る。「―・んで足腰を鍛える」
バジリコン【basilicum ラテン】
⇒バジリ
はしり‐じ【走り痔】‥ヂ
患部から血の流れ出る痔。
⇒はしり【走り】
はしり‐しもべ【走り下部】
走り使いをするしもべ。
⇒はしり【走り】
はしり‐しゅう【走衆】
①鎌倉・室町時代に、将軍出行の際に徒歩で随行した供衆。徒かちの者。
②江戸時代に、徒組かちぐみの若党の称。
⇒はしり【走り】
はしり‐しょう【走り性】‥シヤウ
せっかちな性分。気早な性質。
⇒はしり【走り】
はしり‐すいかん【走水干】
供奉ぐぶの前駆をする者の着る水干。
⇒はしり【走り】
はしり‐す・ぎる【走り過ぎる】
〔自上一〕[文]はしりす・ぐ(上二)
①走って通りすぎる。
②気早すぎる。はやりすぎる。早合点する。歌舞伎、けいせい仏の原「某が思案があるといふに、―・ぎた」
はしり‐ずみ【走り炭】
(→)「はねずみ」に同じ。〈[季]冬〉
⇒はしり【走り】
はしり‐たかとび【走高跳】
陸上競技のフィールド競技の一つ。助走して、水平にかけた横木を跳び越え、その高さを競うもの。ハイ‐ジャンプ。
⇒はしり【走り】
はしり‐ぢえ【走り知恵】‥ヱ
先走りするちえ。物事を早のみこみして考えの浅いこと。狂言、伊呂波「―な、要らざる事を言ふ」
⇒はしり【走り】
はしり‐ちが・う【走り違ふ】‥チガフ
〔自四〕
走って行きちがう。源平盛衰記20「長刀の鞘はづして立ち向ひたりけるを、景廉―・ふ様にして」
はしり‐づかい【走り使い】‥ヅカヒ
走りまわって使いをすること。また、その人。「上役の―をする」
⇒はしり【走り】
はしり‐つき【走付】
徒歩で従う身分の低い者。
⇒はしり【走り】
はしり‐づゆ【走り梅雨】
5月頃、梅雨入りする前の、梅雨を思わせるぐずついた気候。〈[季]夏〉
⇒はしり【走り】
はしり‐で【走り出】
門口。はいいで。一説に、山の姿の裾を引いたさま。万葉集2「―の堤に立てる槻の木の」。万葉集13「―の宜しき山の」
⇒はしり【走り】
はしり‐どころ【走野老・莨菪】
ナス科の多年草。山中の陰地に自生。塊状の地下茎がある。高さ40センチメートル位。春、葉腋に帯緑黄色の鐘形花を生じる。球形の蒴果さくかには多数の微細な種子がある。全体が有毒で、食べると錯乱状態になるのが名の由来という。地下茎は生薬の莨菪根ろうとこん(本来は中国産ヒヨスのもの)で、鎮痛・鎮痙薬とし、成分のアルカロイドは瞳孔を散大させる。オニヒルグサヤ。
はしりどころ
⇒はしり【走り】
はしり‐とび【走り跳び】
走って跳ぶこと。狂言、飛越「今度はつつとあれから―に致しませう」
⇒はしり【走り】
はしり‐ぬ・く【走り抜く】
[一]〔自五〕
最後まで走りとおす。完走する。「42.195キロを―・く」
[二]〔自下二〕
⇒はしりぬける(下一)
はしり‐ぬ・ける【走り抜ける】
〔自下一〕[文]はしりぬ・く(下二)
走って通り抜ける。「1塁ベースを―・ける」
はしり‐の‐ないし【走の内侍】
行幸の時、調度の大袋を持って先発し待ち受ける役の内侍。
⇒はしり【走り】
はしり‐ば【走羽】
矢羽のうち、矢をつがえた時に垂直になる羽。
⇒はしり【走り】
はしり‐はばとび【走幅跳】
陸上競技のフィールド競技の一つ。助走して、片足で踏み切って跳び、その跳んだ距離を競うもの。ロング‐ジャンプ。ブロード‐ジャンプ。
⇒はしり【走り】
はしり‐び【走り火】
はね飛ぶ火。はねび。古今和歌集雑体「胸―に心焼けをり」
⇒はしり【走り】
はしり‐ぶね【走り舟】
早く走る舟。
⇒はしり【走り】
はしり‐ほ【走り穂】
早く生い立った穂。夫木和歌抄12「みしぶつき植ゑしわさ田の―に」
⇒はしり【走り】
はしり‐ぼし【走り星】
流星のこと。
⇒はしり【走り】
はしり‐ほだし【走絆】
馬の前足をつなぎとめる縄。
⇒はしり【走り】
はしり‐まい【走回・走舞】‥マヒ
①奔走。尽力。馳走。問はず語り「御所の御―とて、ことさらもてなしひしめかる」
②上長者の気に入り。寵臣。〈日葡辞書〉
⇒はしり【走り】
はしり‐ま・う【走り舞ふ】‥マフ
〔自四〕
①せわしく入り乱れて走りまわる。義経記2「門開けんとする者もあり。橋渡さんとする者もあり。―・ふ所に」
②敏捷に勤める。〈日葡辞書〉
はしり‐まど・う【走り惑ふ】‥マドフ
〔自四〕
あわてて走る。蜻蛉日記中「西の宮へ人―・ふ」
はしり‐まわ・る【走り回る】‥マハル
〔自五〕
①あちこちを走る。あたり一面を走る。「子供が家の中を―・る」「山野を―・る」
②所用であちこちを忙しく回る。奔走する。「金策に―・る」
はしり‐みょうと【走り夫婦】‥メウト
故郷をかけおちして夫婦になった者。万葉集の文反古「大方―はめいめい過ぎいたせば」
⇒はしり【走り】
はしり‐もと【走り元】
台所のながしのそば。ながしもと。
⇒はしり【走り】
はしり‐もの【走物】
①雅楽用語。舞楽のうち、舞台上を勇壮に速足で舞うもの。散手さんじゅ・陵王・抜頭ばとう・還城楽げんじょうらく・貴徳・納蘇利などの曲がある。走舞はしりまい。
②(→)「はしり」5に同じ。一説に、「走る物」の意で兎・鹿・鳥などをいうとも。今昔物語集29「年の始めの―を生けて、食はざらむは忌々しき事也」
⇒はしり【走り】
はしり‐もの【走り者】
出奔した人。家出人。浄瑠璃、心中重井筒「外のかけおち―と違うて」
⇒はしり【走り】
はしり‐やぐら【走り矢倉・走り櫓】
広く作って、戦闘の時など、走りまわるのに都合よくしたやぐら。
⇒はしり【走り】
はしり‐ゆ【走り湯】
温泉。いでゆ。永久百首「浜の―浦さびて」
⇒はしり【走り】
はしり‐よみ【走り読み】
速く、ざっと読むこと。ななめよみ。「手紙を―する」
⇒はしり【走り】
はしり‐わらわ【走孺・走童】‥ワラハ
斎王いつきのみこの車などに徒歩で随行する女めの童。
⇒はしり【走り】
はし・る【走る・奔る】
〔自五〕
勢いよくとび出したり、す早く動きつづけたりする意。
①両足をす早く動かして移動する。かける。万葉集5「術も無く苦しくあれば出で―・り去いななと思へど子らに障さやりぬ」。平家物語8「栗毛なる馬の下尾白いが―・り出でたるを」。「50メートルを全力で―・る」
②早く移動する。さっと動く。万葉集17「鮎―・る夏の盛りと」。大鏡伊尹「余りに―・る車はいつかは黒さの程やは見え侍る」。日葡辞書「フネガハシル」。「汽車が―・る」「使いに―・る」
③早く流れる。また、ころころ転がって行く。万葉集8「石―・る垂水の上のさわらびの」。徒然草「身をあやぶめてくだけやすきこと、珠を―・らしむるに似たり」
④すらすらと早く動く。自由にめぐる。源氏物語椎本「なげの―・り書い給へる御筆づかひ言の葉も、をかしきさまになまめき給へる」。日葡辞書「チエノハシッタモノヂャ」「カタナガハシル」。「筆が―・る」
⑤とび散る。はねる。はじける。万葉集20「霜の上に霰たばしりいやましに我あれは参来まいこむ年の緒長く」。今昔物語集29「杖の目に従ひて血―・り肉ししただれけるを」。日葡辞書「シヲ(塩)ガハシル」「クリガハシル」
⑥逃げる。逃亡する。源氏物語紅葉賀「しどけなき姿にて、冠などうちゆがめて、―・らむうしろ手」。徒然草「奴したがへりとて頼むべからず、そむき―・ることあり」。「敵は武器を捨てて―・った」
⑦駆落ちをする。梅津政景日記「七蔵下女…連れて―・り候ふ男」
⑧ある方向に強くかたむく。急速に、または一瞬その状態が発現する。「悪に―・る」「感情に―・る」「痛みが―・る」
⑨ある方向に通ずる。「山脈が南北に―・っている」「広野の中を道が―・る」
⑩(主に「胸―・る」の形で)激しく動悸どうきが打つ。源氏物語夕霧「胸―・りて、いかで取りてしがなと…目もあはず思ひ臥し給へり」
⑪「割れる」「罅ひびが入る」などの意の忌詞。浄瑠璃、博多小女郎波枕「舟では割れたといふは忌々しい、頭のさらが―・つた」
⑫(体言に付いてバシルと濁音化し)そのものが唐突に、あるいは迅速に現れる意を表す。「あらぬことを口―・る」「眼が血―・る」「あの人は才―・っている」
は・じる【恥じる・愧じる・羞じる・慙じる】ハヂル
〔自上一〕[文]は・づ(上二)
①自分が劣っていることを意識して気がひける。過ち・欠点・罪などを悟って面目なく思う。古今和歌集恋「夢にだに見ゆとは見えじ朝な朝な我がおもかげに―・づる身なれば」。源氏物語橋姫「怪しくかうばしく匂ふ風の吹きつるを、思ひかけぬ程なれば、驚かざりける心おそさよと心もまどひて―・ぢおはさうず」。「罪を―・じる」
②自分の名誉・面目などを汚すことをはばかる。人の批評などを気にして尻ごみする。土佐日記「そもそもいかがよんだる、といぶかしがりてとふ。このわらはさすがに―・ぢていはず」。日葡辞書「ヒトメヲハヅル」。「―・じる様子もなく出しゃばる」
③(多く、打消を伴う)ひけをとる。劣る。源氏物語竹河「蔵人の少将の月の光に輝きたりし気色も、柱の影に―・づるにはあらずやありけむ」。保元物語「弓は養由をも―・ぢざれば」。「日本一の名に―・じない」
バジル【basil】
(→)バジリコに同じ。
バシレイオス【Basileios ギリシア】
初期キリスト教の教父。聖人。カッパドキア出身。アレイオス派批判と共住型修道院の確立に尽力。バシリウス。(330頃〜379)
は‐じろ【羽白】
翼の一部分(翼鏡)が白いカモの総称。キンクロハジロなど。
は‐じろ【端城】
本城の外に築いた出城。えだじろ。
はし‐ろう【橋廊】‥ラウ
下が池・水路または通路になっている廊下。
はじ‐ろう【黄櫨蝋】‥ラフ
ハゼノキの実からとった蝋。
バシロサウルス【Basilosaurus ラテン】
鯨類がハクジラ亜目とヒゲクジラ亜目に分化する以前の原鯨亜目の一つ。全長は20メートルを越えるが、頭は1メートル程度と非常に小さい。ごく小さな後肢が残る。始新世中期のアフリカ・北アメリカ・ヨーロッパの海に生息。
はし‐わたし【橋渡し】
①橋をわたすこと。橋をかけること。
②なかだちをすること。また、その人。仲介。「二人の仲の―をする」

○箸を下ろすはしをおろす🔗⭐🔉
○箸を下ろすはしをおろす
(→)「箸をつける」に同じ。
⇒はし【箸】
○箸をつけるはしをつける🔗⭐🔉
○箸をつけるはしをつける
食べはじめる。食べかける。箸を下ろす。
⇒はし【箸】
○箸を取るはしをとる🔗⭐🔉
○箸を取るはしをとる
食事をはじめる。
⇒はし【箸】
○箸を持って食うばかりにはしをもってくうばかりに🔗⭐🔉
○箸を持って食うばかりにはしをもってくうばかりに
それ以上は世話のしようがないところまで世話のゆきとどくことのたとえ。
⇒はし【箸】
[漢]箸🔗⭐🔉
箸 字形
〔竹部9画/15画/4004・4824〕
〔音〕チョ(漢)
〔訓〕はし
[意味]
食物をはさむ(竹製の)はし。「匕箸ひちょ」

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