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なみ【波・浪・濤】🔗🔉

なみ【波・浪・濤】 1 風や震動などによって水の表面に起こる起伏運動。水面のうねり。波浪。*万葉‐三九五九「越の海の荒磯の奈美(ナミ)も」 2 海水のながれ。うしお。潮流。*書紀‐神武即位前戊午年二月(熱田本訓)「奔(はや)き潮(ナミ)有りて」 3 形状・様態などが1に類似するものをたとえていう。 凹凸や起伏などが連続して見える山や雲などのさま。「甍(いらか)の波」*万葉‐一〇六八「天の海に雲の波」老いて皮膚にできるしわ。*古今‐仮名序「かがみのかげにみゆる、雪となみとをなげき」藤の花や稲の穂などのゆらぎ。物事が広く行きわたること。次々と引き続き現れるさま。*古今‐仮名序「あまねきおほんうつくしみのなみ」世の騒ぎ。動乱。もめごと。ごたごた。*大観本謡曲・内外詣「四海のなみも静かにて」感情や調子の、好い悪いの起伏。「好不調の波」はかないもの。うつろいやすいもの。泡沫。*謡曲・江口「波と消えにし跡なれや」 4 1を模様化したもの。 紋所の名。1を図案化したもので、向い波、波に兎、波に巴、立波などがある。「なみまく(波幕)」の略。「なみせん(波銭)」の略。 5 媒質の一点に生じた状態の変化が次々と一定の速度で伝わっていく現象。水面波・音波・地震波・X線・光・電波など。 ●波に乗(の)る 1 波の流れに乗る。 2 時の流れにうまくあう。時代の風潮、時勢にあって栄える。 3 調子に乗る。勢いにのる。 ●波にも磯(いそ)にも着かず 中途はんぱでどっちつかずの落ち着かないさまにいう。 ●波の綾(あや) 波によってつくられる水面の模様。さざなみのさまを綾織物にたとえていう語。波紋。 ●波の緒(お) 1 美しい楽音を立てる波。弦楽器(箏・琴など)で胴の表面を海、側面を磯、揺れる弦を波に見立てるところから、逆に波を弦にたとえていう語。*古今‐九二一「からことは浪のをすげて風ぞひきける」 2 二五弦の琴の初の緒。 ●波の通路(かよいじ) 波の行き交う路。海上の通路。波路。 ●波の標(しめ) 長く連なった波頭を、張り渡した標に見立てていう語。 ●波の皺(しわ) 1 波でつくられる水面の模様。波の綾(あや)。波紋。 2 年老いて皮膚にできるしわ。 ●波の=関(せき)[=関戸(せきど)] 波のために往来が妨げられるのを関所にたとえていう語。 ●波の関守(せきもり) 海岸の関戸で、波を関守に見立てていう語。 ●波の楯(たて) うち寄せる波のように、ずらりと立て並べた楯。 ●波の=便(たよ)り[=使い] 波音が伝える便り、消息。 ●波の鼓(つづみ) 波の音を、つづみを打つ音にたとえていう語。また、波の調べのように打つつづみ。 ●波の手(て) 波の中を船などを自由にあやつる技量やてだて。 ●波の音(と) 波の打ち寄せるおと。波のおと。*丹後風土記逸文(釈日本記)「奈美能等(ナミノト)聞こゆ」 ●波の花(はな) 1 波の白くあわだつのを白い花に見立てていう語。*古今‐二五〇「わたつうみの浪の花にぞ秋なかりけり」 2 塩。食塩。もとは女房詞。 ●波の穂(ほ) =なみほ(波穂)

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