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あだ【仇】🔗🔉

あだ【仇】 (近世中期まで「あた」。「当たる」などの「あた」と同根で、対するものをいうか。近世後期以後、「徒(あだ)」または「婀娜(あだ)」の意に「仇」の字をあてることがあり、意味の上でも混同があった。→あだ(徒)) 1 自分に向かって害を加えようとするもの。かたき。外敵。「不倶戴天の仇」*万葉‐四三三一「筑紫の国は安多(アタ)守る押への城(き)そと」 2 危害。害するもの。また、ひどい仕打ち。「親切をあだで返す」*虎明本狂言・察化「あのやうな物をわるうあひしらへば、後にあたをする物じゃ」 3 うらみ。怨恨。遺恨。*東大寺本地蔵十輪経元慶七年点‐四「此の怨(アタ)を滅し」 ●仇の風(かぜ) さわりとなるはげしい風。逆風。難風。*宇津保‐俊蔭「あたのかぜ吹きて」 ●仇は情(なさ)け あだと思ったことが、かえって情けとなる。 ●仇を鬼に作る 自分に害を与えるものを、さらに恐ろしい鬼の姿に作るの意で、はなはだ悪く、恐ろしい状態をたとえていう。 ●仇を恩で報ずる 恨みのあるものに対し、かえって情けをかける。 ●仇を=なす[=結(むす)ぶ] 恨みに思う。人に危害を加える。仕返しをする。*太平記‐一八「今武家の為に結怨(アタヲムスビ)」

あだ【他・異】🔗🔉

あだ【他・異】 (「あだ(徒)」と同源か)よそ。ほか。べつ。→あだし。*天正本節用集「他アダ非我事

あだ【徒】🔗🔉

あだ【徒】 〔形動〕表面だけで、実のないさま。まれに「の」を伴う用法もある。 1 空虚なさま。むだなさま。*古今‐四六七「おくれて生(お)ふる苗なれどあだにはならぬたのみとぞきく」 2 一時的でかりそめなさま。はかなくもろいさま。*古今‐八六〇「露をなどあだなる物と思ひけむ」 3 いいかげんでおろそかなさま。粗略なさま。*源氏‐葵「あなかしこ、あだにな」 4 浮薄なさま。不誠実で浮気っぽいさま。*伊勢‐一〇三「あだなる心なかりけり」 ●徒の火宅(かたく) はかなく悩み多いこの世。 ●徒の契(ちぎ)り 男女のかりそめの交わり。 ●徒の悋気(りんき) 自分に関係のない、他人の恋愛を見ておこす、むだなやきもち。おかやき。 ●徒や=おろそか[=おろか] 軽々しく、いいかげんにすることを強めていう。*滑・八笑人‐四「あだやおろそかにはいただきません」 あだ‐げ(形動)

あ‐だ【婀娜】🔗🔉

あ‐だ【婀娜】 〔形動ナリ・タリ〕(口語では、連体形「あだな」の形を用いる) 1 たおやかで美しいさま。なよやかで、なまめかしいさま。*古今‐四三六「我はけさうひにぞみつる花の色をあだなる物といふべかりけり」 2 (女性の)色っぽく、なまめかしいさま。特に、近世末期には、粋な感じも含んでいう。*滑・浮世床‐初「さう云っても婀娜な声だぜ」 3 物事が色っぽく洗練されているさま。

アダージェット🔗🔉

アダージェット (イタリアadagietto) 1 音楽で、アダージョよりやや速くの意。 2 短いアダージョの曲。

アダージョ🔗🔉

アダージョ (イタリアadagio)〈アダジオ・アダジヨ〉音楽で、ゆっくりと演奏せよの意。ラルゴよりは速く、アンダンテよりはおそい速度。転じて、その速度で奏する交響曲、ソナタなどの楽章。

あた‐あた🔗🔉

あた‐あた 〔感動〕(「あつあつ」の変化か)熱さにたえかねて発する言葉。あついあつい。

あだあだ‐し【徒徒し】🔗🔉

あだあだ‐し【徒徒し】 〔形シク〕 1 不誠実でいいかげんな態度である。無責任である。*狭衣‐一「よにあだあだしくも、思ひ聞え給はじ」 2 移り気である。浮気である。好色がましい。*宇津保‐蔵開中「あだあだしくはいはるれど、さりともと思ひてなん」 3 中身がなく、いいかげんである。内容が空虚で浮薄だ。*読・春雨物語‐二世の縁「仏のをしへは、あだあだしき事のみぞかし」 あだあだし‐さ(名)

あたい‐え【直え】(あたひ‥)🔗🔉

あたい‐え【直え】(あたひ‥) (「え」は「兄」か)=あたい(直)

あたい‐・する【価する】(あたひ‥)🔗🔉

あたい‐・する【価する】(あたひ‥) 〔自サ変〕あたひ・す〔自サ変〕その価値が他の特定の事物に相当する。「…に価する」の形で、それだけのねうちがあるの意に用いる。「尊敬に価する」「同情に価する」

あた・う【与う】(あたふ)🔗🔉

あた・う【与う】(あたふ) 〔他ハ下二〕⇒あたえる(与)

あた・う【能う】(あたふ)🔗🔉

あた・う【能う】(あたふ) 〔自ハ四〕(あとに必ず打消を伴って用いられたが、明治以後は肯定形も見られる。従って、「あたは」「あたふ」の形だけが用いられる) 1 可能の意を表わす。できる。 活用語の連体形に「こと」や助詞「に」を添えた形に付く。*平家‐一一「車は輪をめぐらす事あたはず」活用語の連体形に直接付く。「多少の変化なき能わず」「団結をなす能わず」動詞の連用形に付く。肯定の表現にも用いる、明治以後の用法。 2 なるほどと合点がゆく。理にかなう。*竹取「翁は泣きなげく、あたはぬ事也」 3 程度、状態などによく合う。適合する。相当する。*今昔‐二三・一八「此れ汝が着(きる)物に不能」 ●能わざるにあらずせざるなり (「孟子‐梁恵王上」の「王之不王、不為也、非能也」による)物事を成就できないのは、やる能力があるのに、それを発揮しないからである。実行力や意志の不足をいったもの。 ●能う限(かぎ)り できるだけ。「あたう(あとう)限り努力する」

あだ・う【徒う】(あだふ)🔗🔉

あだ・う【徒う】(あだふ) 〔自ハ下二〕ふざけたわむれる。いたずらをする。*紫式部日記「若やかなる人こそ物のほど知らぬやうにあだへたるも罪許さるれ」

あだ‐うち【仇討】🔗🔉

あだ‐うち【仇討】 1 主君、親、夫などが殺された時、その家臣、子、妻などが、殺害者を殺して仇を返すこと。敵討ち。 2 一般的に、しかえしをすること。

あだうち‐きょうげん【仇討狂言】(‥キャウゲン)🔗🔉

あだうち‐きょうげん【仇討狂言】(‥キャウゲン) =あだうちもの(仇討物)

あだうち‐もの【仇討物】🔗🔉

あだうち‐もの【仇討物】 仇討ちを主題とした、歌舞伎、浄瑠璃、小説、講談などの総称。曾我物、忠臣蔵物、伊賀越物などがある。

あた・える【与える】(あたへる)🔗🔉

あた・える【与える】(あたへる) 〔他ア下一(ハ下一)〕あた・ふ〔他ハ下二〕(「あた」は「当たり」などの「あた」で、相当するものを相手にやるのが原義という。室町時代ごろからヤ行にも活用) 1 自分の所有物を他人に渡して、その人の物とする。現在では、改まった言い方で、上の者から下の者へ授ける場合にいう。さずける。やる。*斯道文庫本願経四分律平安初期点「比丘尼の為に食を過(アタヘ)て」 2 影響、効果などが相手に及ぶようにする。こうむらせる。*平家‐一「恥辱をあたへられけるこそ」 3 物事の代償として金や物を供給する。あてがう。*南蛮寺物語「門徒に人まへにふちかねをあたへるよし」 4 物事を割り当てる。 課する。「仕事(問題)を与える」利用することを許す。「弁明の機会を与える」 5 こうむらせる。「損害(ショック)を与える」

あだおか‐じんじゃ【阿陀岡神社】(あだをか‥)🔗🔉

あだおか‐じんじゃ【阿陀岡神社】(あだをか‥) 兵庫県氷上郡春日町にある旧県社。祭神は吾田鹿韋津比売命(あだかあしつひめのみこと)。安産の守り神。

あだ‐おもい【徒思】(‥おもひ)🔗🔉

あだ‐おもい【徒思】(‥おもひ) 思ってもむだなことを、あれこれ思うこと。

あだ‐おろそか【徒疎か】🔗🔉

あだ‐おろそか【徒疎か】 〔形動〕軽々しく、粗末にするさま。いいかげん。あだやおろそか。*浄・本朝三国志‐三「あだおろそかには思はね共」

あた‐かたき【仇敵】🔗🔉

あた‐かたき【仇敵】 (「あだがたき」とも)害を及ぼす相手。憎い相手。きゅうてき。

あたか‐の‐せき【安宅関】🔗🔉

あたか‐の‐せき【安宅関】 石川県小松市にあった関所。謡曲「安宅」、歌舞伎「勧進帳」で有名。

あた‐かも【恰も・宛も】🔗🔉

あた‐かも【恰も・宛も】 〔副〕(近代では「あだかも」とも。「あた」は「当たる」の「あた」と同根。「ぴったり当たるかどうか」が原義かという) 1 (多く「似る」「如し」「よう」などの語をあとに伴って)よく似ている物事にたとえる場合に用いる語。さながら。まるで。まさしく。ちょうど。「あたかも夢の如し(ようだ)」*万葉‐四二〇四「安多可毛(アタカモ)似るか青き蓋(きぬがさ)」 2 ある時期や時刻にちょうど当たる。また、ある事とほとんど同時に、他の事が起こることを表わす語。ちょうど。ちょうどその時。「時あたかも九月一日の昼ごろ」 ●恰もしかり 「まさにその通り」の意。 ●恰もよし ちょうどいいことには。うまい具合に。

あたか・る【散る】🔗🔉

あたか・る【散る】 〔自ラ四〕散る。*大唐西域記巻十二平安中期点「聚まり散(アタカルコト)風に随ふ」

あたき🔗🔉

あたき (「うたき」と同源か)獣などのうなること。怒りほえること。

あだ・く【徒く】🔗🔉

あだ・く【徒く】 〔自カ下二〕(「あだ(徒)」を活用させた語か)浮気な行為をする。浮気っぽい様子を見せる。*源氏‐朝顔「うちあだけすきたる人の」

あたくし【私】🔗🔉

あたくし【私】 〔代名〕(「わたくし」の変化)自称。主として女性が用い、ややくだけた語感を持つ。

あだ‐くち【徒口】🔗🔉

あだ‐くち【徒口】 (「あだぐち」とも)実のないことば。むだぐち。

あだくち‐ねんぶつ【徒口念仏】🔗🔉

あだくち‐ねんぶつ【徒口念仏】 信仰心のない、口さきだけの念仏。から念仏。

あたくね🔗🔉

あたくね わだかまり。不和。[源平盛衰記]

あだ‐ぐも【徒雲】🔗🔉

あだ‐ぐも【徒雲】 風のまにまに漂う雲。また、はかなく消えやすい雲。浮雲。

あだ‐くらべ【徒比・徒競】🔗🔉

あだ‐くらべ【徒比・徒競】 1 互いに相手を浮気だと言い合うこと。*伊勢‐五〇「あだくらべかたみにしけるをとこ女の」 2 互いにはかない事をくらべ合うこと。

あたけ【安宅】🔗🔉

あたけ【安宅】 「あたけぶね(安宅船)」の略。 (巨船安宅丸が解体されるまでここに繋留されていたところから)江戸深川御船蔵前片側町の俗称。正徳頃、この地に水茶屋ができ、のちに江戸岡場所の一つとなり、俗に安宅長屋と呼ばれた。

あだ‐け【徒気】🔗🔉

あだ‐け【徒気】 (「け」は接尾語か。一説に、動詞「あだく(徒)」の名詞化) 1 好色。 2 たわむれ。冗談。*伎・伊賀越乗掛合羽‐七つ目「そんな事、あだけにもいうて下さんすなえ」

あたけ‐まる【安宅丸】🔗🔉

あたけ‐まる【安宅丸】 寛永一二年将軍徳川家光が相模で造らせた大型軍船。長さ一五六・五尺(約四七メートル)、幅五三・六尺(約一六メートル)、深さ一一尺(約三・三メートル)、二人掛りの大櫓百丁立、水夫二〇〇人、推定排水量一五〇〇トン。船体は日本式と西洋式の折衷構造で、周囲を銅板で包み、内部に大砲、鉄砲を備える。天和二年解体。 1 「あたけぶね(安宅船)」の別称。 2 (は江戸に回漕して深川御船蔵に入れておかれたが、夜な夜な「伊豆へ行こう伊豆へ行こう」とうなったという俗説から)だだを言うこと。無理を言うこと。また、その人。 3 (は取りこわされ焼却されたので)やくこと。嫉妬すること。

あた・ける🔗🔉

あた・ける 〔自カ下一〕(「あだける」とも)あばれさわぐ。当たり散らす。乱暴する。*伎・兵根元曾我‐二「あれあの如く鼠があたけます」

あだ‐こい【徒恋】(‥こひ)🔗🔉

あだ‐こい【徒恋】(‥こひ) むなしい恋。実を結ばない恋。

あだ‐ごころ【徒心】🔗🔉

あだ‐ごころ【徒心】 浮気な心。あだしごころ。

あだ‐ごと【徒言・徒事】🔗🔉

あだ‐ごと【徒言・徒事】 (「あだこと」とも) (徒言)うその言葉。まごころのない言葉。 (徒事) 1 はかないこと。ちょっとした、つまらないこと。 2 色ごと。浮気。情事。 3 むだなこと。役に立たないこと。

あだ‐ざくら【徒桜】🔗🔉

あだ‐ざくら【徒桜】 1 はかなく散る桜。また、はかないもののたとえ。 2 浮気な女。遊女。

あたし【私】🔗🔉

あたし【私】 〔代名〕(「わたし」の変化)自称。主として女性が用い、ややくだけた語感を持つ。

あだし【他し・異し・徒し・空し】🔗🔉

あだし【他し・異し・徒し・空し】 〔形シク〕 1 (他・異)(古くは「あたし」とも)異なっている。別のことである。*観智院本名義抄「他アタシホカ」 2 (徒・空)はかない。変わりやすい。*浄・日本蓬山‐二「それにんがいのあだしきは」→あだし〔語素〕

あだし【他し・異し・徒し・空し】🔗🔉

あだし【他し・異し・徒し・空し】 〔語素〕(「あだ」に助詞「し」のついたものとも、形容詞語尾「し」のついたものともいわれる) 1 (他・異)(古くは「あたし」とも)名詞につけて、「ほかの、別の、異なった」の意を表わす。「あだし国」「あだし事」「あだし人」など。 2 (徒・空)名詞につけて、「移りやすい、はかない、また、浮気な、心の変わりやすい」の意を表わす。「あだし色」「あだし心」「あだし契り」「あだし男」など。

アダジオ🔗🔉

アダジオ →アダージョ

あだし‐おとこ【他し男・徒し男】(‥をとこ)🔗🔉

あだし‐おとこ【他し男・徒し男】(‥をとこ) 1 (他男)ほかの男。 2 (徒男)誠意のない浮気な男。好色の男。あだおとこ。

あだし‐おんな【他し女・徒し女】(‥をんな)🔗🔉

あだし‐おんな【他し女・徒し女】(‥をんな) 1 (他女)ほかの女。 2 (徒女)実意のない浮気女。好色の女。

あだし‐が‐はら【仇原・徒原】🔗🔉

あだし‐が‐はら【仇原・徒原】 =あだしの(仇野)

あだし‐ぐさ【仇し草】🔗🔉

あだし‐ぐさ【仇し草】 (讎(あだ)し種(ぐさ)の意)害のもととなるもの。禍根。

あだし‐くに【他し国】🔗🔉

あだし‐くに【他し国】 ほかの国。外国。ことくに。

あだし‐けむり【徒し煙】🔗🔉

あだし‐けむり【徒し煙】 むなしく消えていく煙。火葬場の煙などをいう。

あだし‐ごころ【徒し心】🔗🔉

あだし‐ごころ【徒し心】 =あだごころ(徒心)

あだし‐ごと【他し事・徒し事】🔗🔉

あだし‐ごと【他し事・徒し事】 1 (他事)ほかの事。余事。 2 (徒事)むだなこと。つまらないこと。不必要なこと。 ●徒し事は=さておき[=さておく・さておきつ] (「閑話休題」と書く)話題を転換する時に用いる言葉。近世中期に中国白話小説を模倣した読本類に多く用いられ、以後流行した。それはさておき。

あだし‐ことば【徒し言葉】🔗🔉

あだし‐ことば【徒し言葉】 口先だけで実のない言葉。

あだし‐たまくら【他し手枕】🔗🔉

あだし‐たまくら【他し手枕】 夫婦などが、それぞれ他の女、他の男と共寝することにいう。

あだし‐ちぎり【徒し契】🔗🔉

あだし‐ちぎり【徒し契】 実行されない約束。

アダジッシモ🔗🔉

アダジッシモ (イタリアadagissimo)音楽で、非常にゆっくりの意。アダージョより遅い速度を示す。

あだし‐な【他し名・徒し名】🔗🔉

あだし‐な【他し名・徒し名】 1 (他名)他の人の名まえ。 2 (徒名)浮き名。浮気の評判。恋愛の評判。

あだし‐なさけ【徒し情】🔗🔉

あだし‐なさけ【徒し情】 =あだなさけ(徒情)

あだし‐の【仇野・徒野・化野】🔗🔉

あだし‐の【仇野・徒野・化野】 京都、嵯峨の奥、愛宕(あたご)山のふもとにある埋葬地。 一般に墓地、墓所。また、「仇野の露(風)」などの形で無常なところ、更に人生のはかないたとえにいう。

あだし‐びと【他し人】🔗🔉

あだし‐びと【他し人】 =あだびと(他人)

あだし‐み【徒し身】🔗🔉

あだし‐み【徒し身】 はかない身。もろい身。

あだし‐みやび【徒し雅】🔗🔉

あだし‐みやび【徒し雅】 うつろいやすい風流。きまぐれな物好き。

あだし‐よ【徒し世】🔗🔉

あだし‐よ【徒し世】 つねに移り変わるはかない世。無常の世の中。

あだ‐じょうるり【徒浄瑠璃】(‥ジャウルリ)🔗🔉

あだ‐じょうるり【徒浄瑠璃】(‥ジャウルリ) 口から出まかせに語る浄瑠璃。

あだ‐じろ・い【仇白い】🔗🔉

あだ‐じろ・い【仇白い】 〔形口〕妙に白い感じである。

あた‐・す【仇す・寇す】🔗🔉

あた‐・す【仇す・寇す】 〔自他サ変〕⇒あたする(仇)

あだ・す🔗🔉

あだ・す 〔他サ四〕散らす。あらす。また、他の動詞の下について、その動作をはげしくする意ともいう。*万葉‐四二三五「天雲をほろに踏み安太之(アダシ)」

あだ‐すがた【婀娜姿】🔗🔉

あだ‐すがた【婀娜姿】 なまめかしい姿。あだな姿。

あた‐・する【仇する・寇する】🔗🔉

あた‐・する【仇する・寇する】 (「あだする」とも) 〔自サ変〕あた・す〔自サ変〕 1 刃向かう。敵対する。*大唐西域記長寛元年点‐五「其れ敵(アタス)べけむや」 2 攻め入る。他国に侵入する。 〔他サ変〕あた・す〔他サ変〕そこなう。傷つける。*日蓮遺文‐開目抄「罪なきをあだすれば忽に現罰あるか」

あだ‐ぜに【徒銭】🔗🔉

あだ‐ぜに【徒銭】 むだに使う金。むだぜに。

あたた‐か【暖か・温か】🔗🔉

あたた‐か【暖か・温か】 〔形動〕 1 温度が低くないさま。熱があるさま。 気候が寒くなく程よいさま。温暖。「暖かな日(部屋)」*宇津保‐俊蔭「あたたかなるほどは、かく、しありきて」熱いさま。熱のあるさま。*真福寺本遊仙窟文和二年点「腹熱(アタタカナル)如焼」 2 財産が豊かであるさま。経済的にゆとりがあるさま。「ふところがあたたかになる」*談・艶道通鑑‐三「貧乏の足遅くそろそろ手前も暖(アタタカ)になれば」 3 物事がおだやかにすらすらとゆくさま。*浄・心中天の網島‐上「地獄へもあたたかに、二人連れでは落られぬ」 4 いい気なさま。ずうずうしく、こしゃくなさま。*浄・大覚大僧正御伝記‐二「ようもようもあたたかに此舟へは乗られたなふ」 5 愛情がこまやかなさま。思いやりや理解があるさま。「あたたかな家庭」

あたたか・い【暖かい・温かい】🔗🔉

あたたか・い【暖かい・温かい】 〔形口〕あたたか・し〔形ク〕(「あたたか」の形容詞化) 1 気候が、寒くなく、暑くなく、程よい。《季・春》*俳・続寒菊「暖うなりてもあけぬ北の窓」 2 金銭が十分に、豊かにあるさま。*咄・軽口御前男‐三「いつ見ても内があたたかさふな」 3 思いやりや理解がこもっている。「あたたかい目で見る」 あたたか‐げ(形動)/あたたか‐さ(名)/あたたか‐み(名)

あたたか・し【暖かし・温かし】🔗🔉

あたたか・し【暖かし・温かし】 〔形ク〕⇒あたたかい(暖)

あたたけ🔗🔉

あたたけ (形容詞「あたたけし」の語幹からという)鏡餅。また、雑煮(ぞうに)に入れる丸い餅。あたたき。

あたた‐け・し【暖けし・温けし】🔗🔉

あたた‐け・し【暖けし・温けし】 〔形ク〕暖かい。《季・春》*千里集「あたたけき春の山べに」

あたたし・い🔗🔉

あたたし・い 〔形口〕程度がはなはだしい。*史記抄‐一五「あたたしうひろい地そ」 あたたし‐げ(形動)

あだ‐たのみ【徒頼】🔗🔉

あだ‐たのみ【徒頼】 むだな頼み。頼りにならないものを頼りにすること。

あたたま・る【暖まる・温まる】🔗🔉

あたたま・る【暖まる・温まる】 〔自ラ五(四)〕 1 熱が加わって適当な温度になる。あたたかくなる。*浜松中納言‐四「やうやうあたたまりゆく」 2 物や金銭が豊かになる。*浄・堀川波鼓‐下「わしら迄つらりっと三百宛あたたまった」

あたた・む【暖む・温む】🔗🔉

あたた・む【暖む・温む】 〔他マ下二〕⇒あたためる(暖)

あた‐たむら【仇屯】🔗🔉

あた‐たむら【仇屯】 敵、賊が集まる所。また集まった賊ども。

あたた・める【暖める・温める】🔗🔉

あたた・める【暖める・温める】 〔他マ下一〕あたた・む〔他マ下二〕 1 熱を加えて、適当な温度にする。あたたかくする。あっためる。*平家‐六「酒あたためてたべける薪に」 2 自分のものとして大事に保つ。 交際を再開する。「旧交をあたためる」考えや文書を公にしないで、しばらくそのままにしておく。「長年あたためていたテーマ」 3 こっそり、自分のものにすることをいう俗語。

あだたら‐じんじゃ【安達太良神社】🔗🔉

あだたら‐じんじゃ【安達太良神社】 福島県安達郡本宮町にある旧県社。祭神、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、神皇産霊神(かみむすびのかみ)ほか。

あだたら‐まゆみ【安太多良真弓・安達太郎檀弓】🔗🔉

あだたら‐まゆみ【安太多良真弓・安達太郎檀弓】 古く、岩代国安達郡(福島県二本松付近)の安達太良山から産出する檀(まゆみ)で作った弓。

あだたら‐やま【安達太良山】🔗🔉

あだたら‐やま【安達太良山】 福島県中北部の休火山。コニーデ。主峰、安達太良山(一七〇〇メートル)、最高峰箕輪(みのわ)山(一七一八メートル)などから成る。

あだち【安達】🔗🔉

あだち【安達】 姓氏。

あだち【足立】🔗🔉

あだち【足立】 (葦立(あしだち)の転化した語か) 東京都足立区と埼玉県にまたがる地名。 東京市の区の一つ。 東京都二三区の一つ。東京都の北東端にあり、北は埼玉県に接する。

あだち【足立】🔗🔉

あだち【足立】 姓氏。

あだち‐かげもり【安達景盛】🔗🔉

あだち‐かげもり【安達景盛】 鎌倉前期の武将。法名覚地。号大蓮行。出羽介。のち執権北条時頼の外祖父として勢力をもち、相模の三浦氏を滅ぼす。(〜一二四八)

あだち‐が‐はら【安達原】🔗🔉

あだち‐が‐はら【安達原】 (「あだちのはら」とも)福島県安達太良(あだたら)山東の裾野。また、阿武隈川の東岸、二本松市の東部ともいう。鬼婆が住んだという黒塚の伝説で知られる。歌枕。 謡曲。切能物。各流。作者不明。安達原で女に一夜の宿を借りた山伏一行はその女の正体が鬼女であり、ここが有名な黒塚であると知って逃げ出し、追いかけてくる鬼女を祈り伏せる。観世流以外では「黒塚」。 浄瑠璃。「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」の通称。 長唄。二世杵屋勝三郎作曲。明治三年初演。吾妻能のために、謡曲「安達原」を長唄化したもの。

あだちがはら‐どの【安達原殿】🔗🔉

あだちがはら‐どの【安達原殿】 (奥州安達原に鬼女が住んでいたという伝説から)鬼婆(おにばば)のこと。転じて、嫁が悪意をもって姑をいう言葉。

あだち‐ぎぬ【安達絹】🔗🔉

あだち‐ぎぬ【安達絹】 岩代国安達郡(福島県二本松付近)で貢物として織り出した絹。

あだち‐けんぞう【安達謙蔵】(‥ケンザウ)🔗🔉

あだち‐けんぞう【安達謙蔵】(‥ケンザウ) 政治家。閔妃(びんぴ)暗殺事件に加わる。帰国後、熊本国権党を起こし、以後、立憲同志会、憲政会、民政党に属し、逓相、内相を歴任。(一八六四〜一九四八)

あだち‐しき【安達式】🔗🔉

あだち‐しき【安達式】 華道の流派の一つ。大正元年、池坊流出身の安達潮花が開く。装飾性を生かした新しい盛り花、投げ入れを工夫。

あだちしずか【安達静】(あだちしづか)🔗🔉

あだちしずか【安達静】(あだちしづか) 謡曲。番外曲で現在演能されていない。静御前が鎌倉八幡宮の若宮殿で源頼朝を前に安達三郎の鼓で、舞を舞う。

あだち‐たろう【安達太郎】(‥タラウ)🔗🔉

あだち‐たろう【安達太郎】(‥タラウ) 積乱雲の一種である雲の峰の異称。

あだち‐ちょうしゅん【足立長雋】(‥チャウシュン)🔗🔉

あだち‐ちょうしゅん【足立長雋】(‥チャウシュン) 江戸後期の医者。多紀桂山に漢方医学、吉田長淑にオランダ医学を学ぶ。「医方研幾」「産科集成」を翻訳。産科医として知られた。(一七七五〜一八三六)

あだち‐の‐まゆみ【安達の檀弓】🔗🔉

あだち‐の‐まゆみ【安達の檀弓】 =あだたらまゆみ(安太多良真弓)

あだち‐やすもり【安達泰盛】🔗🔉

あだち‐やすもり【安達泰盛】 鎌倉中期の武将。秋田城介、陸奥守。評定衆。法名覚真。執権北条貞時の外祖父として平頼綱と勢力を争ったが讒言により、貞時に討たれた。(一二三一〜八五)

あだ‐づかい【徒遣】(‥づかひ)🔗🔉

あだ‐づかい【徒遣】(‥づかひ) 金品をむだにつかうこと。

あだ‐つき【徒付・婀娜付】🔗🔉

あだ‐つき【徒付・婀娜付】 男女が一時の情を交わすこと。または、男女がたわむれあうこと。いちゃつき。

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