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あだ【仇・敵】🔗🔉

あだ仇・敵】 (室町時代までアタと清音) ①攻めて来る者。敵兵。万葉集6「―守る筑紫にいたり」 ②自分に害となるもの。かたき。宇津保物語藤原君「―は徳を持ちてとぞいふなる」。「―を討つ」「親切心がかえって―になる」 ③うらみ。遺恨。古今和歌集「形見こそ今は―なれ」。「恩を―で返す」 ⇒仇は情 ⇒仇を恩で報いる ⇒仇をなす

あだ【他・異】🔗🔉

あだ他・異】 ほか。別。余。〈天正十八年刊本節用集〉

あだ【徒・空】🔗🔉

あだ徒・空】 ①実じつのないこと。浮気。いたずら。伊勢物語「―なる心なかりけり」 ②はかないこと。かりそめ。古今和歌集哀傷「花よりも人こそ―になりにけれ」

あ‐だ【婀娜】🔗🔉

あ‐だ婀娜】 ①女の美しくたおやかなさま。白氏文集「春態紛として―たり」。太平記20「しをれ伏したる気色の、折らば落ちぬべき萩の露、拾はば消えなん玉ざさのあられよりなほ―なれば」 ②色っぽくなまめかしいさま。洗練されて粋なさま。梅暦「一日増しに―になるおめへを」。「―な姿」

アダージェット【adagietto イタリア】🔗🔉

アダージェットadagietto イタリア】 〔音〕速度標語。アダージョよりやや速い。

アダージョ【adagio イタリア】🔗🔉

アダージョadagio イタリア】 〔音〕速度標語。「ゆるやかに」の意。アンダンテとラルゴとの中間。

あだ‐あだ・し【徒徒し】🔗🔉

あだ‐あだ・し徒徒し】 〔形シク〕 実じつがない。不誠実だ。浮気っぽい。源氏物語澪標「―・しきすぢなど、疑はしき御心ばへにはあらず」

あだ‐いのち【徒命】🔗🔉

あだ‐いのち徒命】 はかない命。謡曲、悪源太「けふありとても―」

あだ・う【徒ふ】アダフ🔗🔉

あだ・う徒ふアダフ 〔自下二〕 (「徒あだ」を動詞化した語)ふざける。わるふざけをする。源氏物語夕霧「すずろにかく―・へ隠して」

あだ‐うち【仇討】🔗🔉

あだ‐うち仇討】 ①主君や父などを殺した者を討ちとって報復すること。かたきうち。中世・近世に盛んに行われたが、1873年(明治6)太政官布告により禁止された。「曾我兄弟の―」 ②転じて、先の負け戦の恥を、勝ってすすぐこと。「今度の試合で―をするぞ」 ⇒あだうち‐きょうげん【仇討狂言】

あだうち‐きょうげん【仇討狂言】‥キヤウ‥🔗🔉

あだうち‐きょうげん仇討狂言‥キヤウ‥ 仇討を題材とする浄瑠璃・歌舞伎劇。曾我物・忠臣蔵など近世演劇で重要な一分野をなす。仇討物。 ⇒あだ‐うち【仇討】

あだ‐おろそか【徒疎か】🔗🔉

あだ‐おろそか徒疎か】 (「あだにもおろそかにも」の意で、同意の語を重ねて強めたもの。打消の語を伴う)粗末にするさま。いい加減にするさま。かりそめ。浮世風呂「一文の銭も―には儲りませぬ」

あだ・く【徒く】🔗🔉

あだ・く徒く】 〔自下二〕 うわつく。浮気な気持でいる。源氏物語槿「うち―・け過ぎたる人の」

あだ‐くち【徒口】🔗🔉

あだ‐くち徒口】 実意のない言葉。むだぐち。魯庵、犬物語「犬公方いぬくぼうと下々の―に呼ばれた位だから」 ⇒あだくち‐ねんぶつ【徒口念仏】

あだくち‐ねんぶつ【徒口念仏】🔗🔉

あだくち‐ねんぶつ徒口念仏】 信仰心のない、口先だけの念仏。空から念仏。 ⇒あだ‐くち【徒口】

あだ‐くね🔗🔉

あだ‐くね うちとけないこと。わだかまり。不和。源平盛衰記19「和殿は我には甥、我は和殿に姨母おば、此の中には殊なる―なし」

あだ‐ぐも【徒雲】🔗🔉

あだ‐ぐも徒雲】 やがて消えるはかない雲。浮雲。夫木和歌抄16「―もなき冬の夜の空なれば」

あだ‐くらべ【徒競べ】🔗🔉

あだ‐くらべ徒競べ】 ①互いに浮気心があると言い合うこと。伊勢物語「―互かたみにしける男女の」 ②互いにはかなさ、もろさをくらべ合うこと。男色大鑑「―とや月の夜の雨、花盛りの風」

あだ‐ぐるま【徒車】🔗🔉

あだ‐ぐるま徒車】 乗って女の所へかよったが、恋は成らず、かいのなかった車。むだぐるま。浄瑠璃、双生隅田川「百夜車ももよぐるまの―」

あだけ【徒け】🔗🔉

あだけ徒け】 (アダクの連用形から転じた名詞か。アダにケ(気)が付いたとも)うわついたこと。浮気。源氏物語槿「今さらの御―も、かつは、世のもどきをも思しながら」

あだ‐げ【徒げ】🔗🔉

あだ‐げ徒げ】 はかなそうなこと。もろそうなこと。宇治拾遺物語3「門などもかたかたは倒れたる、よこざまによせかけたる所の―なるに」

あだ・ける🔗🔉

あだ・ける 〔自下一〕 (西日本で)落ちる。

あだ‐こい【徒恋】‥コヒ🔗🔉

あだ‐こい徒恋‥コヒ むなしい恋。浄瑠璃、嫗山姥こもちやまうば「立者たてものといはれし程の全盛の末もとげぬ―に」

あだ‐ごころ【徒心・他心】🔗🔉

あだ‐ごころ徒心・他心】 浮気な心。実じつがなく移りやすい心。あだしごころ。竹取物語「―つきなば」

あだ‐ごと【徒言】🔗🔉

あだ‐ごと徒言】 ①実じつのない言葉。あだくち。新古今和歌集「―の葉におく露の消えにしを」 ②むだな言葉。

あだ‐ごと【徒事】🔗🔉

あだ‐ごと徒事】 ①実じつのないこと。つまらないことがら。源氏物語帚木「折節にし出でんわざの―にも実事まめごとにも」 ②浮気な行為。色事。源氏物語絵合「世の常の―のひきつくろひ飾れるにおされて」

あだ‐ざくら【徒桜】🔗🔉

あだ‐ざくら徒桜】 散りやすく、はかない桜花。親鸞聖人絵詞伝「あすありと思ふ心の―夜半に嵐の吹かぬものかは」

あだ・し【他し・異し・徒し・空し】(形シク)🔗🔉

あだ・し他し・異し・徒し・空し】 〔形シク〕 (古くはアタシ) ①《他・異》異なっている。ほかのものである。別である。万葉集10「君に逢へる夜ほととぎす―・し時ゆは今こそ鳴かめ」 ②《徒・空》空しい。実じつがない。はかない。栄華物語本雫「露をだに―・しと思ひて」。栄華物語玉台「殿の御前の御声は、…―・しう聞えたり」

アダジオ【adagio イタリア】🔗🔉

アダジオadagio イタリア⇒アダージョ

あだ‐じおがら・い【あだ塩辛い】‥ジホ‥🔗🔉

あだ‐じおがら・いあだ塩辛い‥ジホ‥ 〔形〕 (食品・料理に)塩けがなじまず、いやにからい。

あだし‐おとこ【他し男・徒し男】‥ヲトコ🔗🔉

あだし‐おとこ他し男・徒し男‥ヲトコ ①ほかの男。特に、情夫。 ②実意のない男。薄情な男。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐おんな【他し女・徒し女】‥ヲンナ🔗🔉

あだし‐おんな他し女・徒し女‥ヲンナ ①ほかの女。特に、情婦。 ②浮気な女。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐が‐はら【徒しが原】🔗🔉

あだし‐が‐はら徒しが原】 無常の原の意。徒野あだしの⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐ぐさ【仇し種・仇し草】🔗🔉

あだし‐ぐさ仇し種・仇し草】 仇となるもと。禍根。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「しんきしんきの空悋気、終に我身の―」

あだし‐くに【他し国】🔗🔉

あだし‐くに他し国】 ほかの国。外国。異国。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐けむり【徒し煙】🔗🔉

あだし‐けむり徒し煙】 はかない煙。火葬場の煙などにいう。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐ごころ【他し心・徒し心】🔗🔉

あだし‐ごころ他し心・徒し心】 浮気な心。古今和歌集東歌「君をおきて―をわが持たば」 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐ごと【他し事・徒し事】🔗🔉

あだし‐ごと他し事・徒し事】 ほかの事。むだな事。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐ことば【徒し言葉】🔗🔉

あだし‐ことば徒し言葉】 実じつのない言葉。あてにならない言葉。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐たまくら【他し手枕・徒し手枕】🔗🔉

あだし‐たまくら他し手枕・徒し手枕】 他人の手枕。かりそめにほかの人と契ることにいう。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐ちぎり【徒し契り】🔗🔉

あだし‐ちぎり徒し契り】 はかない約束。末とげられぬちぎり。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐な【徒し名】🔗🔉

あだし‐な徒し名】 浮き名。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐なさけ【徒し情け】🔗🔉

あだし‐なさけ徒し情け】 あてにならない情。変わりやすい情。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐の【徒野・仇野・化野】🔗🔉

あだし‐の徒野・仇野・化野】 ①京都の嵯峨さがの奥、小倉山の麓の野。「あだし」にかけて、はかない物事の象徴となる。火葬場のあった地として鳥部野とともに有名。源氏物語手習「―の風になびくな女郎花」。徒然草「―の露きゆる時なく」 徒野 撮影:的場 啓 ②転じて、火葬場または墓場。父の終焉日記「おのおの卯木うつぎの箸折りて―にむかふ」

あだし‐びと【他し人】🔗🔉

あだし‐びと他し人】 ほかの人。たにん。允恭紀「是の歌―にな聆かせそ」 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐み【徒し身】🔗🔉

あだし‐み徒し身】 はかない身。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐みやび【徒し雅】🔗🔉

あだし‐みやび徒し雅】 次々と風流を求めてうつりゆくこと。 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだし‐よ【徒し世】🔗🔉

あだし‐よ徒し世】 はかない世。無常の世。千載和歌集「何―に生ひそめにけむ」 ⇒あだし【他し・異し・徒し・空し】

あだ‐じょうるり【徒浄瑠璃】‥ジヤウ‥🔗🔉

あだ‐じょうるり徒浄瑠璃‥ジヤウ‥ 口から出まかせに語る浄瑠璃。

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