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〔終助〕 (助動詞「けり」が変化して東国語に残ったもの)回想し、確認する意を表わす。親しい間柄の会話だけに用いられる。江戸では、江戸時代後期以後は「たっけ」「だっけ」の限られた形で用いられた。→たっけ・だっけ。 1 過去の事柄を思い起こして、確かにそうだったと確認していう。*滑・浮世風呂‐四「骨(むかふずね)をぽきイリと折(たたっくぢ)くと足が二本ぶらに為(なっ)たっけが」 2 相手の関心に訴えるように質問する時にいう。「なんだっけ」など。 (「かえ」「かい」の変化した語)疑問の終助詞。親しい間で用いる。現在も各地の方言として「け」「けえ」の形で残るが、上方では、天保以後用いられるようになった。*雑俳・机の塵「雪の肌・此米にゃ石ありゃせんけ」

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過去の助動詞「き」の未然形。記紀の歌謡にだけみえる。*古事記‐下・歌謡「根白の白腕(しろただむき)枕(ま)かず祁(ケ)ばこそ知らずとも言はめ」

け【け・ケ】🔗🔉

け【け・ケ】 五十音図の第二行第四段(カ行エ段)に置かれ、五十音順で第九位のかな。いろは順では、第三十一位で、「ま」のあと「ふ」の前に位置する。現代標準語の音韻では、軟口蓋の無声破裂音kと母音eとの結合した音節keにあたり、これを清音の「け」という。これに対して、「け」に濁点をつけた「げ」は、軟口蓋の有声破裂音の結合した音節eと、軟口蓋の通鼻破裂音の結合した音節eとにあてられる。eは語頭以外でeの代わりに現われる。e・eを合わせて「け」の濁音といい、特にeについては、鼻濁音の「げ」という。鼻濁音を特に示す心要があるときは、濁点を一つにし、または半濁点を用いることがある。「け」の字形は「計」の草体から、「ケ」の字形は「介」の省画から出たものである。ローマ字では、清音にkeを、濁音にgeをあてる。かたかなの「ケ」を物を数える。「一カ年・一コ」の「箇」に代用することがあり、近来は「一ケ・二ケ」等を「イッケ・ニケ」等とよむようにもなった。これらの「ケ」は、もともと「箇」の略体「个」から出たもので、かたかなとは起源を異にするが、字形として区別はなくなっている。また、「君ケ代」「越ケ谷」「八ケ岳」のように連体助詞の「が」にあてることがある。これは前例の「三ケ日(さんがにち)」等の「ケ」の転用である。

け【日】🔗🔉

け【日】 (「ふつか(二日)」などの「か」、「こよみ(日読)」の「こ」と同源といわれ、一日の場合には用いられない) 1 「日(ひ)」の複数を表わす上代語。二日以上の日。日々(ひび)。日かず。*古事記‐下・歌謡「君が行き気(ケ)長くなりぬ」 2 (「朝にけに」の形で)日ごと。毎日。*万葉‐三七七「青山の嶺の白雲朝に食(け)に常に見れども」 [補注]2に似た句に、「日に異(け)に」「月に異(け)に」があるが、この「異(け)」は上代仮名遣いでは甲類であって、乙類の「日(け)」とは別語である。 ●日のころごろ (「ころごろ」は、大体の時間を表わす「ころ」を重ねて、日数の経過を示す)このごろの日々。この日ごろ。このごろ。*万葉‐四八七「気乃己呂其侶(ケノコロゴロ)は恋ひつつもあらむ」

け【木】🔗🔉

け【木】 木(き)。*万葉‐四三七五「松の気(ケ)の並(な)みたる」 [補注]地名の一部や防人歌に見られるところから、「木(き)」の古形の一つであったものが、方言などに残ったものかと考えられる。

け【毛】🔗🔉

け【毛】 動物の皮膚を覆う細い糸状のもの。 1 哺乳類の表皮が陥入してできた毛嚢の底部から生じた角質形成物。毛幹と毛根の部分に分けられる。体の保護や体温の調節に関係する。広義には生物体の表面にある糸状物のべん毛、繊毛、刺毛なども含む。*竹取「ある人のけの穴さへ見ゆる程なり」 2 人間の髪の毛。かみ。*栄花‐見はてぬ夢「いと若う、けふくだみてぞ二人おはすめる」 3 鳥の羽。羽毛。*古今著聞集‐一六・五六三「其の鳥をとらへて、毛をつるりとむしりて」 4 羊毛。また、羊毛製品や、羊毛製であることをいう。ウール。「毛のシャツ」 植物の表皮細胞から発生した突起、または毛状体の総称。綿毛、鱗毛、刺毛など、構造、機能で種々に分けられる。毛茸(もうじょう)。「たんぽぽの毛をとばす」 一般に、毛のように見えるもの。 1 細い、糸状のものの総称。*宇津保‐あて宮「かねの御器に黄金のけうち」 2 =おどしげ(威毛)*吾妻鏡‐文治五年八月一一日「甲毛者紅也」 魚の鱗。特に鯉の鱗。 田畑の作物。作毛、毛上、毛付、毛見などの形で用いる。 ●毛の荒物(あらもの・あらきもの) 毛のかたい、大きな獣。⇔毛の柔物(にこもの) ●毛の=末(すえ)[=先(さき)] きわめて少ないことを、毛の先端にたとえていう語。毛の先。毫末(ごうまつ)。*書紀‐允恭一〇年正月(図書寮本訓)「毫毛(ケノスヱ)まかりも、弟姫を嫉むに非ず」 ●毛の柔物(にこもの・にこきもの) 毛のやわらかな、小さな獣。⇔毛の荒物 ●毛の生えた(ような)物 すこしまさったものの、やや年功を経たものなどのたとえ。「赤ん坊に毛の生えたようなもの」 ●毛を吹いて=疵(きず)[=過怠の疵]を求む (毛を吹きわけて、傷を探し出す意)好んで人の欠点を指摘する。また、わざと他人の弱点をあばいて、かえって、自分の欠点をさらけ出す。 ●毛を見て馬を相(そう)す (毛並みだけを見て、馬のよしあしを判断する意から)表面だけで、物事の価値を判断することのたとえ。 ●毛を焼く如し 1 きわめて容易なことのたとえ。 2 きわめて急なことのたとえ。

け【故】🔗🔉

け【故】 (「け(気)5」の意の変化とも、「けん(験)」から変化したものともいう)理由を示す語。ゆえ。ため。せい。*竹取「千度ばかり申し給ふけにやあらん。やうやうかみ鳴り止みぬ」

け【食】🔗🔉

け【食】 (「け(笥)」に盛る物の意から)食事。飲食物。たべもの。多く、「御食(みけ)」「大御食(おおみけ)」「遠御食(とおみけ)」などと複合して用いる。*書紀‐舒明即位前(北野本訓)「食(ケ)訖りて」

け【笥】🔗🔉

け【笥】 いれもの。容器。特に食器、食物を盛る器をいうことが多い。*万葉‐一四二「家にあれば笥(け)に盛る飯を」

け【褻】🔗🔉

け【褻】 (「け(日)」と同根で、日常の意という。神の祭や公の政など儀式や祝いごとを晴(はれ)というのに対して日常的な私ごとをいう)正式でないこと。よそいきでないこと。また、そのような状態の時や所。ふだん。常(つね)。*平中‐三四「上にもけにも心にまかせてまじり歩く人なれば」 ●褻にも晴(は)れにも 1 平常にも晴れの時にも。ふだんにも表立った時にも。いつでも。 2 よいにも悪いにも。あとにもさきにも。一つきりの様子にいう。 ●褻の御所(ごしょ) 上皇が日常起居している御殿。 ●褻の=衣(ころも)[=服] ふだん着る衣服。ふだん着。褻衣(けごろも)。 ●褻の装束(しょうぞく) 日常の殿舎の調度や衣服、装身具。衣類ではふだん着をいい、公家の服では宿直(とのい)装束。⇔納めの装束

け【化】🔗🔉

け【化】 仏語。 教え導いて良い方に転化させること。また、転化すること。教化。仮りに別の姿を現わすこと。また、別の姿を現わしたもの。化身。化性。

け【気】🔗🔉

け【気】 (「気」の字の呉音か。一説に、訓とも) 1 ある物の発する熱気や、ある物の持っている勢い。*神楽歌‐明星・湯立歌「焼く火(ほ)の介(ケ)」 2 気分。心地。また、気力。*源氏‐夕顔「恐ろしきけもおぼえず」 3 人や物の状態から受ける感じ。けはい。*落窪‐一「口つき愛敬づきて少しにほひたるけつきたり」 4 気候。天気。「気を寒み」の形で、寒さがきびしいのでの意に用いる。*曾丹集「けをさむみ冴えゆく冬の」 5 いろいろな要素、成分。また、「…の気」の形で用い、それらがわずかに感じられるさまをもいう。 病気。「中風の気」味、匂いなど。*今昔‐一・一一「米の気(け)なれば吉(よ)き物也と」(「けがつく」の形で)産気。 〔接頭〕 1 主として形容詞、また動詞、形容動司の上に付いて、様子、気配などの意を表わす。様子が…である。「けおそろし」「けぎよし」「けざやか」「けなつかし」など。 2 動詞、形容詞の上に付いて、何となく、漠然とした、などの意を表わす。「け押される」「けだるい」など。 〔接尾〕体言、動詞の連用形、形容詞・形容動詞の語幹などに付いて、そのような様子、気配、感じなどの意を表わす。名詞に付く場合、上に促音を介することも多い。「さむけ」「いやけ」「くいけ」「女っけ」「飾りっけ」など。 ●気が上(あ)がる =けあがる(気上) ●気が付(つ)く そのような気配になる。特に、お産をしそうな気配になる。産気づく。 ●気も無(な)い 1 みるかげもない。*宇津保‐祭の使「けもなく青みやせて」 2 少しもそんな様子が見えない。その時までのいきさつや状況をまったく忘れたような、また、以前の態度とすっかり違うさまにいう。*評判・名女情比‐五「われらにとらせんと仰られし御かねのことは、今はけもなひ」 3 (多く「けもないこと」の形で用いられ)思いもよらない。とんでもない。また、たわいもない。*浄・傾城八花形‐一「いつかないつかなけもなひ事、ならぬさせぬ」

け【卦】🔗🔉

け【卦】 易で占った結果あらわれる象(かたち)。陰と陽とを示す二爻(こう)を、三つ重ねてできる乾(けん)・兌(だ)・離・震・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)の八つを基本として、これを八卦といい、易経(周易)では、この八卦を二つずつ上下に組み合わせて六十四卦とする。この八卦、六十四卦によって、天地間のあらゆる変化をよみとり、吉凶を判断する。

け【怪】🔗🔉

け【怪】 1 不思議なこと。あやしいこと。*太平記‐二〇「加様(かやう)の怪(ケ)共、未然に凶を示しけれ共」 2 ばけもの。「物の怪(け)」

け【罫】🔗🔉

け【罫】 1 =けい(罫)1*源氏‐鈴虫「けかけたる金(かね)のすぢよりも」 2 =けい(罫)2

け【来】🔗🔉

け【来】 動詞「く(来)」の連用形「き」の上代東国方言。*万葉‐四三三七「父母にもの言(は)ず価(ケ)にて今ぞ悔しき」

け【消】🔗🔉

け【消】 (動詞「きゆ(消)」の未然形および連用形「きえ」の変化という。また、終止形が「く」の形をとる下二段動詞の未然・連用形とも。→補注) 1 消える。消滅する。*万葉‐八四九「雪は消(ケ)ぬとも」 2 しぼむ。*万葉‐二二九一「朝(あした)咲き夕(ゆふべ)は消流(けぬる)月草の」 3 死ぬ。比喩的表現で、露、霜、雪などの語を含む枕詞につづくことが多い。*万葉‐八八五「朝露の既(ケ)やすき我が身」 4 (他動詞的に用いて)消えるようにする。消す。*源氏‐総角「雪の山にや跡をけなまし」 [補注]「万葉‐四〇二四」の「立山の雪し久(ク)らしも延槻(はひつき)の川の渡り瀬鐙(あぶみ)浸(つ)かすも」の「く」をこれの終止形とみる説がある。ただし、「来らしも」とする説もあり、決定はしがたい。

け【異】🔗🔉

け【異】 〔形動〕 1 普通、一般とは違っているさま。他のものとは異なっているさま。*書紀‐舒明即位前(北野本訓)「誰人(たれ)か異(ケナル)言(こと)せむ」 2 ある基準となるものと比べて、程度がはなはだしいさま。きわだっているさま。多く、連用形「けに」の形で、特に、一段と、とりわけなどの意で用いられる。*万葉‐四三〇七「秋と言へば心そ痛きうたて家爾(ケニ)花になそへて見まく欲(ほ)りかも」*伊勢‐六五「ありしよりけに恋しくのみおぼえければ」 3 能力、心ばえ、様子などが特にすぐれているさま。ほめるべきさま。興の惹かれるさま。*源氏‐葵「行ひなれたる法師よりは、けなり」*夜の寝覚‐四「御かたちのいみじうにほひやかに、うつくしげなるさまは、からなでしこの咲ける盛りを見んよりもけなるに」*金比羅本保元‐中「奴はけな者かな」 4 一風変わっておもしろいさま。おつなさま。*浄・男作五鴈金‐新町捕物「ちっくりけな事云出しおった」

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〔接頭〕(「毛」の字を当てることが多い)名詞や用言の上に付いて、あなどり、ののしる気持を表わす。「け才六」「け侮る」「けいまいましい」など。

け【家】🔗🔉

け【家】 〔接尾〕(「家」の呉音) 1 官職、称号などの下に付けて、敬意を示す。*後拾遺‐一一八九「故土御門右大臣家の女房」 2 姓、氏の下に付けて、その一族またはその成員であることを示す。「平家」「鈴木家」 3 宗教、学問、芸術などの系統を示す。*文明本節用集「僧正、僧都二共聖道家(どうケ)官位也」 4 家屋、家筋、宗派、学派などの数を数える時に用いる。

け‐あい【蹴合】(‥あひ)🔗🔉

け‐あい【蹴合】(‥あひ) 互いに足でけること。

け‐あ・う【蹴合う】(‥)🔗🔉

け‐あ・う【蹴合う】(‥) 〔自ハ四〕 1 互いに足でける。闘鶏などにいう。 2 取引相場で、売手と買手とが互いに値段を競い合う。

け‐あがり【蹴上】🔗🔉

け‐あがり【蹴上】 鉄棒にぶらさがり、両足で空をけって、そのはずみで鉄棒に上がる器械体操。

け‐あが・る【気上がる】🔗🔉

け‐あが・る【気上がる】 〔自ラ四〕神経がたかぶって、のぼせる。逆上する。けのぼる。きあがる。けがあがる。*紫式部日記「気あがりて物ぞおぼえぬや」

け‐あげ【蹴上】🔗🔉

け‐あげ【蹴上】 1 けあげること。また、けあげたもの。特に、人や馬などが足でけった泥。はね。 2 足がかりとして踏みあがるところ。一段高くなったところ。 3 階段の一段の高さ。踏み板と踏み板との垂直距離。 4 「けあげろどこ(蹴上櫓床)」の略称。 京都市東山区の地名。日ノ岡峠西側のふもと、三条通の東端にあり、東海道から京都への入口にあたる。江戸時代には多数の茶店が並んでいた。現在は琵琶湖疏水の水を利用する上水道の浄水池がある。

け‐あ・げる【蹴上げる】🔗🔉

け‐あ・げる【蹴上げる】 〔他ガ下一〕けあ・ぐ〔他ガ下二〕けって上へあげる。また、上にむかってける。

けあげ‐ろどこ【蹴上櫓床】🔗🔉

けあげ‐ろどこ【蹴上櫓床】 大型和船で、その両端に櫓床を設ける船梁。

け‐あさがら【毛麻殻】🔗🔉

け‐あさがら【毛麻殻】 「おおばあさがら(大葉麻殻)」の異名。

け‐あし【毛足・毛脚】🔗🔉

け‐あし【毛足・毛脚】 1 毛の伸びていくようす。 2 毛の多く生えるたちの足。けずね。 3 毛織物や絨毯(じゅうたん)などの表面に立っている毛。

け‐あし【気悪し】🔗🔉

け‐あし【気悪し】 〔形シク〕すさまじく険悪なさま。はげしいさま。*今昔‐一〇・三六「麓より峰へ昇る程、嶮(さが)しく気悪しくて」 けあし‐げ(形動)

ケアド🔗🔉

ケアド (Edward Caird エドワード―)イギリスの哲学者。カント、ヘーゲルのドイツ観念論を自国に導入。主著「カントの批判哲学」「宗教の進化」。(一八三五〜一九〇八)

け‐あな【毛穴・毛孔】🔗🔉

け‐あな【毛穴・毛孔】 皮膚の表面にある毛の生える小さな穴。また、汗や脂の出る穴。

け‐あなど・る【け侮る】🔗🔉

け‐あなど・る【け侮る】 〔他ラ四〕(「け」は接頭語)相手の人間や物事を軽んじてばかにする。*浄・摂津国長柄人柱‐四「十両足らずの端物(はしたもの)物にならずとけあなどり」

ケアリー🔗🔉

ケアリー (Henry Charles Carey ヘンリー=チャールズ―)アメリカの経済学者。国民主義の立場から、スミス、リカード、マルサスなど古典学派を批判し、保護貿易論を主張した。主著「経済学原理」「社会学原理」。(一七九三〜一八七九)

け‐ありたそう【毛有田草】(‥ありたサウ)🔗🔉

け‐ありたそう【毛有田草】(‥ありたサウ) アカザ科の一年草。中央アメリカ原産で、都会の荒地などに見られる帰化植物。古く薬草として渡来したアリタソウに似るが、茎や葉に白い腺毛がある。高さ六〇〜八〇センチメートル。葉は互生し、長さ二〜五センチメートルの長楕円形で先が短くとがり、縁に欠刻状の切れ込みと鋸歯がある。夏から秋に、枝先に花穂を出し、葉状の苞の腋に緑色で柄のない小花がかたまってつく。全体に臭気がある。

ケアレス‐ミス🔗🔉

ケアレス‐ミス (英careless mistakeの略)不注意による誤り。そそっかしい間違い。

け‐あわ【毛粟】(‥あは)🔗🔉

け‐あわ【毛粟】(‥あは) 「おおあわ(大粟)」の異名。

ケアンズ🔗🔉

ケアンズ (John Elliot Cairnes ジョン=エリオット―)イギリスの経済学者。アイルランドに生まれる。その理論の基礎をリカードの経済学において、財の需給、生産費などについての理論を発展させた。主著「経済学の性格と論理的方法」。(一八二三〜七五)

け‐い【褻居】(‥ゐ)🔗🔉

け‐い【褻居】(‥ゐ) 主人が常にいる部屋。ふだん居るところ。居間。小座敷。

けい【兄】🔗🔉

けい【兄】 =あに(兄) 〔代名〕対称。男子が書簡などで、先輩・同輩などを敬っていうのに用いる。*頼山陽書簡‐文化一一年一二月七日「兄の所得、南海にて得候分歟」 〔接尾〕男子が書簡などで、先輩・同輩の氏名などに付して敬意を表わすのに用いる。*今昔‐九・三六「兄と同学で有し人也」 ●兄たり難(がた)く弟(てい)たり難し 二人のうちどちらを上とも下とも決めがたい。

けい【刑】🔗🔉

けい【刑】 =けいばつ(刑罰) ●刑の疑わしきをば軽(かろ)んぜよ (「書経‐大禹謨」の「罪疑惟軽、功疑惟重、与其殺不辜、寧失不軽」から)罪の疑わしい者を処分する時は、軽い方の刑に従った方がよい。

けい【圭】🔗🔉

けい【圭】 1 上部がとがり、下部が四角の玉。古代中国で、天子が諸侯を封ずる時、そのしるしとして与えたり、神をまつる時、その祭具の一つとして用いたりしたもの。 2 量の単位。勺の千分の一。

けい【系】🔗🔉

けい【系】 1 ある関係をもって、つながりをなすもの。系統。ちすじ。特に理化学では、一定の相互作用または相互連関を持つ物体の集合体をいう。 2 数学で、一つの定理からすぐに導かれる利用価値の高い命題の、もとの定理に対する称。 3 地層区分の単位の一つ。地質時代の区分の単位「紀」に対応する地層群をさす。石炭系と呼ばれる地層群の堆積した時を石炭紀と呼ぶなど。

けい【京】🔗🔉

けい【京】 数の単位。兆の一万倍。億の一億倍。

けい【径】🔗🔉

けい【径】 円形、球形などの物体や図形の、さしわたしの長さ。

けい【契】🔗🔉

けい【契】 朝鮮の農村で広く行なわれた相互扶助的共同組織。起源は高麗朝時代にあるとされ、李朝末期に盛んであった。

けい【奎】🔗🔉

けい【奎】 星宿の名。アンドロメダ星座付近にある西方の十六星。文章をつかさどるとあわれる。奎宿。奎星。

けい【荊】🔗🔉

けい【荊】 荊山のこと。 荊州のこと。 中国、楚の国の別名。

けい【計】🔗🔉

けい【計】 1 くわだて。はかりごと。計画。「一年の計は元旦にあり」 2 なりわい。生計。「計を立てる」 3 二つ以上の数を加え合わせて得られる値。合計。「計いくら?」

けい【奚】🔗🔉

けい【奚】 鮮卑族の一つ。四世紀頃からモンゴル東部のラオハ‐ムレン(老哈河)流域に遊牧。

けい【桂】🔗🔉

けい【桂】 1 クスノキ科の常緑高木。中国南部やインドシナなどで栽培される。幹は高さ一五メートルほどになる。葉は革質の長卵円形で長さ七〜一〇センチメートル、裏面は粉白色を帯びる。花は帯黄色。樹皮を桂皮といい、芳香があり、調味料、健胃・脱臭剤などとし、また、香料に用いる油を採る。とんきんにっけい。 2 カツラ、モクセイ、ニッケイ、クス、ゲッケイジュなどの総称。特にニッケイの慣用漢名に用いる。 3 =けいま(桂馬)1

けい【啓】🔗🔉

けい【啓】 1 公式令(くしきりょう)に定められた公文書の様式の一つ。令旨に対して、皇太子および三后に下から奉る文書。 2 皇太子や、三后に事を申し上げること。→啓する。 3 奈良時代の私文書で、個人の間でとりかわされた往復書状。 4 近代以後、手紙のはじめに書いて敬意を表わす語。「拝啓」より、敬意が少ない。 中国古代の伝説上の王。夏の禹王の子。姓は(じ)。禹の徳を思う諸侯に推されて即位。この時から世襲王朝制が始まったという。

けい【経】🔗🔉

けい【経】 1 正しいすじみち。正しい道理。のり。つね。*曾我物語‐一「世のけいにまかせ、伊東二郎にたまはるべきか」 2 聖人が説き著わした書物。聖人の言行を書きとめた書物。経書。経典(けいてん)。

けい【頃】🔗🔉

けい【頃】 中国の地積の単位。時代によって多少の相違があるが、ふつう百畝(ほ)。約六七〇アールにあたる。

けい【卿】🔗🔉

けい【卿】 1 古代中国における世襲的身分の一つ。天子や諸侯の有力家臣を卿・大夫・士の三等に分ける。その最も上位の身分。 2 =きょう(卿) 〔代名〕対称。改まった文章などで、軽い敬意をこめて用いる。 1 君主が臣下に対して用いる。 2 男子が同輩や目下の者、妻に対して用いる。

けい【景】🔗🔉

けい【景】 1 日の光。日光。日ざし。 2 見わたしたありさま。けしき。光景。ながめ。 3 興を添えるもの。 〔接尾〕劇などの場面。いくつかに分けた場面の一つ。ふつう。大きく「幕」に分け、幕の中をさらに「景」に細分する。

けい【罫】🔗🔉

けい【罫】 1 文字の列をそろえるために紙上に引く線。一定の間隔で引かれた線。古くは「け」。 2 碁盤、将棋盤などの表面に引かれた、縦横の線。け。 3 印刷で輪郭やすじを表わす線。表罫、裏罫、ブル罫、星罫、ミシン罫などがある。

けい【慶】🔗🔉

けい【慶】 1 めでたいこと。祝うこと。吉事。 2 昔、任官・叙位などのお礼を申しあげたこと。また、そのことば。奏慶。

けい【磬・🔗🔉

けい【磬・ 枠の中に石板をつり下げて、角製の槌で打ち鳴らす古代中国の打楽器。太古に起こって殷代の代表楽器となり、周代以来雅楽の楽器として使用。宋代に朝鮮に渡り、雅楽の楽器として使用。日本では奈良時代以後、仏具として用いられた。うちならし。うちなし。→磬(きん)。

けい【🔗🔉

けい【 「しらん(紫蘭)」の異名。

けい【薊】🔗🔉

けい【薊】 中国、戦国時代の燕の都。北京の郊外、西北の地。 薊州のこと。

けい【蹊】🔗🔉

けい【蹊】 細道。

け‐い【怪異】🔗🔉

け‐い【怪異】 (形動)(「け」は「怪」の呉音)あやしいこと。ふしぎであること。また、そのもの、そのさま。かいい。

ケイ🔗🔉

ケイ (John Kay ジョン―)イギリスの発明家。ランカシャーに生まれる。一七三三年、糸(かせいと)を引っ張ることにより自動的に動く飛杼(とびひ)を発明。(一七〇四〜六四頃) (Ellen Key エレン―)スウェーデンの婦人思想家。男女平等、女権伸張を説く。主著は「生活線」(英訳「恋愛と結婚」)「児童の世紀」「婦人運動」など。(一八四九〜一九二六)

けい‐あ【京鴉】🔗🔉

けい‐あ【京鴉】 京都から諸国へ下る行商人。商人。経屋(けいおく・けいや)。

けい‐あい【恵愛】🔗🔉

けい‐あい【恵愛】 愛情をもってかわいがること。

けい‐あい【敬愛】🔗🔉

けい‐あい【敬愛】 うやまって大切にすること。尊敬し、親しみの気持をもつこと。愛敬。きょうあい。

けいあい‐じ【景愛寺】🔗🔉

けいあい‐じ【景愛寺】 京都市上京区にあった寺。京都尼五山の一つ。尼僧景愛の開山。室町時代に栄えたが、のちに廃絶した。慶愛寺。

けいあい‐だいがく【敬愛大学】🔗🔉

けいあい‐だいがく【敬愛大学】 千葉市にある私立の大学。昭和二五年敬愛女子専門学校と関東学園が合併して千葉敬愛短期大学を開設。同四一年千葉敬愛経済大学となる。同六三年現名に改称。

けいあつ‐き【計圧器】🔗🔉

けいあつ‐き【計圧器】 圧力測定器の総称。圧力計と真空計。また、二つを兼ねたものがある。

けいあん【桂庵】🔗🔉

けいあん【桂庵】 ⇒げんじゅ(玄樹)

けいあん【慶安】🔗🔉

けいあん【慶安】 江戸初期、後光明天皇の代の年号。正保五年(一六四八)二月一五日改元。将軍徳川家光・家綱の時代。慶安五年(一六五二)九月一八日、承応となる。出典は「易経」の「乃終有慶、安貞之吉応地無彊」。 ●慶安の=乱(らん)[=変(へん)] =けいあんじけん(慶安事件)

けい‐あん【慶庵・慶安・桂庵】🔗🔉

けい‐あん【慶庵・慶安・桂庵】 (江戸時代、承応の頃、江戸京橋に住む医者大和慶庵が、縁談などを巧みに取りまとめたところから) 1 縁談や訴訟などの仲立ちをする人。また、雇人や奉公人の口入れを業とする者。また、その家。口入屋。請宿(うけやど)。 2 ことば巧みにお世辞や追従(ついしょう)を言うこと。また、その人。

けいあん‐おふれがき【慶安御触書】🔗🔉

けいあん‐おふれがき【慶安御触書】 江戸幕府が慶安二年二月、郷村、農民を対象として公布した全三二条の御触書。幕府の土地、農村制度の確立に伴って発布された勧農的条例。

けいあん‐ぐち【慶庵口】🔗🔉

けいあん‐ぐち【慶庵口】 周旋屋などが、両方に受けのいいように取りつくろって言うこと。信用のおけない言動をすること。また、へつらうこと。仲人口。追従(ついしょう)。

けいあん‐さぶらい【慶庵侍】(‥さぶらひ)🔗🔉

けいあん‐さぶらい【慶庵侍】(‥さぶらひ) へつらいを言う侍。

けいあん‐じけん【慶安事件】🔗🔉

けいあん‐じけん【慶安事件】 慶安四年、由井正雪、丸橋忠弥らが江戸幕府の転覆を企てた事件。江戸・駿府・京都・大坂で反乱を起こす計画が未然に発覚し、正雪は駿府で自刃、一味は逮捕。慶安の乱。慶安の変。由井正雪の乱。

けいあんたいへいき【慶安太平記】🔗🔉

けいあんたいへいき【慶安太平記】 歌舞伎。時代物。七幕。河竹黙阿弥作。明治三年東京守田座初演。初演名題「樟紀流花見幕張(くすのきりゅうはなみのまくばり)」。由井正雪らの慶安事件を題材にした実録本「慶安太平記」による。

けいあん‐もの【慶庵者】🔗🔉

けいあん‐もの【慶庵者】 慶庵を職業とする者。また、慶庵口をきく者。

けいあん‐りゅう【渓庵流】(‥リウ)🔗🔉

けいあん‐りゅう【渓庵流】(‥リウ) 清楽(しんがく)の一流派。江戸の鏑木渓庵を祖とする。長崎の通事穎川連等に学び、さらに明(みん)、清(しん)以前の雅楽、俗楽を参考にして一派を開いたという。渓庵派。

けい‐い【渭】(‥ヰ)🔗🔉

けい‐い【渭】(‥ヰ) 中国、陝西省にある二つの川の名、水と渭水。 (水は濁り、渭水は澄んでいるところから) 1 濁っているものと澄んでいるもの。真偽、善悪の意に用いる。 2 濁音と清音。

けい‐い【経緯】(‥ヰ)🔗🔉

けい‐い【経緯】(‥ヰ) 1 (「経」は「たていと」、「緯」は「よこいと」の意)縦糸と横糸。また、たてとよこ。縦横。「経緯の織りなす綾錦」 2 南北と東西。経線と緯線。経度と緯度。「経緯の度数」 3 秩序を整え正すこと。経営。また、秩序を整え正すもの。縦横に通暁していて秩序だての基幹となるべきもの。*古事記‐序「邦家の経緯、正化の鴻基なり」 4 物事の筋道。事情。いきさつ。顛末。径路。「事件の経緯」

けい‐い【軽衣】🔗🔉

けい‐い【軽衣】 薄い布を用いた軽い衣服。また、飾りのない衣服。略式の服。

けい‐い【軽易】🔗🔉

けい‐い【軽易】 (形動) 1 手軽であること。たやすいこと。簡単であること。 2 軽率であること。また、そのさま。*史記抄‐一五「軽易なる、かるかるしいふるまい」 3 (―する)あなどり軽んじること。軽蔑。*日蓮遺文‐佐渡御書「我人を軽しめば、還て我身人に軽易せられん」

けい‐い【敬畏】(‥ヰ)🔗🔉

けい‐い【敬畏】(‥ヰ) つつしみおそれること。おそれうやまうこと。また、深くうやまうこと。

けい‐い【敬意】🔗🔉

けい‐い【敬意】 うやまう気持。「敬意を表する」

けいい‐ぎ【経緯儀】(ケイヰ‥)🔗🔉

けいい‐ぎ【経緯儀】(ケイヰ‥) 天体や地上の目標の高度や方位角を測定する器具。高度を測定するための鉛直分度環と方位角を測定するための水平分度環をもつ架台上に、小型の天体望遠鏡を設置したもの。

けいい‐そくほう【経緯測法】(ケイヰソクハフ)🔗🔉

けいい‐そくほう【経緯測法】(ケイヰソクハフ) 地形測量の方法。羅針盤、または経緯儀を使って、互いに続いている測線の経度を測り、方向を定めてから側鎖(そくさ)でその長さを測る。

けい‐いん【京尹】(‥ヰン)🔗🔉

けい‐いん【京尹】(‥ヰン) =けいちょういん(京兆尹)1、2

けい‐いん【契印】🔗🔉

けい‐いん【契印】 1 =わりいん(割印) 2 (「げいいん」とも)仏語。真言密教などで、諸仏諸菩薩の内心を表わす標識として設定する、特定の所持物、三昧耶形(さんまやぎょう)。観世音菩薩の蓮華、地蔵菩薩の錫杖(しゃくじょう)、不動明王の剣、愛染明王の弓箭など。広義には、手印も含む。 3 護摩壇上に諸尊の三昧耶形を描いたもの。また、火天の内心の標識とする三昧耶形を護摩炉の炉底に泥で作ったり描いたりしたもの。

けい‐いん【渓陰】🔗🔉

けい‐いん【渓陰】 谷のかげ。谷間の暗いところ。

けいいんしょうちくず【渓陰小築図】(‥セウチクヅ)🔗🔉

けいいんしょうちくず【渓陰小築図】(‥セウチクヅ) 詩画軸。一幅。室町時代の作。紙本墨画、縦一〇一・五センチメートル、横三四・五センチメートル。明兆筆と伝える。大岳周崇以下六人の禅僧が賛をし、河東真玄が応永二〇年付けの序文を記している。

けい‐う【恵雨】🔗🔉

けい‐う【恵雨】 1 =じう(慈雨) 2 君主の恩恵がひろくゆきわたることのたとえ。

けい‐うん【奎運】🔗🔉

けい‐うん【奎運】 (「奎」は、文教をつかさどるという星の名)学問や文事の発展。文運。

けい‐うん【慶雲・景雲・卿雲】🔗🔉

けい‐うん【慶雲・景雲・卿雲】 =ずいうん(瑞雲) (慶雲)⇒きょううん(慶雲)

けいうん【慶運】🔗🔉

けいうん【慶運】 南北朝時代の歌僧。法印浄弁の子。慶幸の父。法印。祇園目代をつとめた。為世門下の二条派歌人で、浄弁、兼好、頓阿とともに和歌四天王の一人。「慶運法師百首」「慶運法師集」がある。応安二年ごろまで存命したことが知られているが、生没年不詳。「きょううん」ともいう。

けい‐えい【形影】🔗🔉

けい‐えい【形影】 かたちとかげ。ともない合って離れないさまなどにたとえる。 ●形影=相弔(あいとむら)う[=相弔(あいちょう)す] (自分の形と影とが、互いに憐み慰め合うの意から)孤独で、訪れてくれる人もいないさまをいう。 ●形影相伴う 形とその影がいつもいっしょであるように、夫婦などがむつまじくして離れないさま、人の仲のよい様子などをいう。

けい‐えい【勁鋭】🔗🔉

けい‐えい【勁鋭】 (形動)強く、するどいこと。また、そのような兵士。

けい‐えい【経営】🔗🔉

けい‐えい【経営】 1 なわを張り、土台をすえて建物をつくること。*太平記‐二四「仏殿・法堂〈略〉不日の経営事成て、奇麗の粧ひ交へたり」 2 物事のおおもとを定めて事業を行なうこと。 政治、公的な儀式、また、非営利的な組織体について、その運営を計画し実行すること。*太平記‐二七「御即位の大礼は、四海の経営にて」会社、商店、機関など、主として営利的・経済的目的のために設置された組織体を管理運営すること。「事業を経営する」 3 物事の準備やその実現のために大いにつとめはげむこと。特に接待のために奔走すること。けいめい。*今昔‐二六・一七「知りたりける僧の計に行着ぬ。〈略〉房主(ばうず)の僧、『不思懸(おもひかけず)』と云て、経営す」 4 意外な事などに出会って急ぎあわてること。*御堂関白記‐長和二年一一月一六日「弓場殿方人々走経営、〈略〉有火」 5 工夫して詩文などを作ること。*中華若木詩抄‐下「面白く経営したる詩也」 6 往来すること。めぐりあるくこと。*談・医者談義‐五「諸国経営(ケイエイ)して」

けい‐えい【継泳】🔗🔉

けい‐えい【継泳】 数人の水泳選手が一組となり、めいめいが一定の距離を分担して、次々とひきついで泳ぐ競技。

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