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さび【皺】🔗🔉

さび【皺】 烏帽子(えぼし)の表面に、もんだりしてわざとつけたしわ。しぼ。→皺烏帽子

さび【錆・銹・・寂】🔗🔉

さび【錆・銹・・寂】 (動詞「さびる(寂・錆)」の名詞化) 1 化学変化によって、金属の表面に生じた、酸化物の皮膜。水酸化物、炭酸塩その他の塩類の皮膜についてもいう。鉄さび、赤さび、緑青(ろくしょう)など。 2 わが身についた害物。→身から出た錆。 3 「さびうるし(錆漆)」の略。 1 (寂)蕉風俳諧の用語で、発句・付句の句中における閑寂の色あいを主調とする、深くかすかな美的情趣をいう。造化に随順し、世俗を超越した作者の精神の色調・俳諧的境地の表れ。 2 (寂)古びて枯れたあじわいのあること。閑寂な趣のあること。地味で趣のあること。静寂味。 3 =さびごえ(錆声) 4 一般に、低く太い声。人を威圧するようなすご味のある声。「さびのきいた声」

さび【山葵】🔗🔉

さび【山葵】 山葵(わさび)。鮨職人などの語。 ●山葵を利(き)かせる 十分に山葵をつけて味をひきしめる。物事をぴりっとひきしまった感じにする。

さびあげ‐たかまきえ【錆上高蒔絵】(‥たかまきヱ)🔗🔉

さびあげ‐たかまきえ【錆上高蒔絵】(‥たかまきヱ) 錆漆(さびうるし)で高く盛り上げた高蒔絵。

さび‐あゆ【錆鮎】🔗🔉

さび‐あゆ【錆鮎】 秋の産卵期に、鉄錆のような色になった鮎。落ち鮎。下り鮎。《季・秋》

さび‐いろ【寂色】🔗🔉

さび‐いろ【寂色】 閑寂な趣。枯淡の趣味。さび。

さび‐いろ【錆色】🔗🔉

さび‐いろ【錆色】 鉄錆のような赭褐(しゃかっ)色。赤茶色。あかつち色。

さび‐うるし【錆漆】🔗🔉

さび‐うるし【錆漆】 漆の一種。砥粉(とのこ)を水で練り、さらに生漆(きうるし)をまぜたもの。漆芸の塗りの工程で下地に用いる。さび。

さび‐え【錆江】🔗🔉

さび‐え【錆江】 さびれた入江、また、水の濁っている入江。 (佐比江)摂津国武庫郡の地名。現在の神戸市兵庫区佐比江町にあたる。江戸時代以前は兵庫港東部の船入江に面して船の出入が多く、多くの娼家があった。

さび‐え【錆絵】(‥ヱ)🔗🔉

さび‐え【錆絵】(‥ヱ) 漆芸の技法の一つ。やや水分の多い錆漆を日本画用の筆につけて絵や模様を描き、十分に乾かないうちに綿で磨いて光沢を出す技法。描いてから乾かし、彩漆(いろうるし)で彩色したものもある。石川県山中、静岡などで行われる。

さび‐えぼし【皺烏帽子】🔗🔉

さび‐えぼし【皺烏帽子】 (「さびえぼうし」とも)漆を厚く塗って皺(しわ)を固定したえぼし。

さび‐おさえ【錆押】(‥おさへ)🔗🔉

さび‐おさえ【錆押】(‥おさへ) 銀地、または、銀泥を施してある日本画などで、年月を経て黒く変色するのを防ぐために明礬(みょうばん)水を引くこと。

さび‐かえ・る【寂び返る】(‥かへる)🔗🔉

さび‐かえ・る【寂び返る】(‥かへる) 〔自ラ四〕まったく静かになる。ひっそりとする。*太平記‐九「京中は忽にさびかへり、嵐の後の木葉の如く、己が様々散行ば」

さび‐がたな【錆刀】🔗🔉

さび‐がたな【錆刀】 刃が錆びて役に立たない刀。また、刀剣を卑しめていう語。

さび‐かためぬり【錆固塗】🔗🔉

さび‐かためぬり【錆固塗】 鎧(よろい)などを錆色(さびいろ)に塗ること。また、その鎧。

さび‐かべ【錆壁】🔗🔉

さび‐かべ【錆壁】 壁の上塗りの土に醤油に漬けておいた鉄粉または鉄屑をまぜて塗った壁。鉄から生じる赤錆により斑紋を生じ、古雅な趣を加える。

さび‐きこり【錆木樵】🔗🔉

さび‐きこり【錆木樵】 コメツキムシ科の昆虫。体長一五ミリメートル内外。体は細長く後方でせばまり、体色は光沢のない暗褐色で密に鱗片でおおわれ、白や褐色の鱗片が混在するので霜降状に見える。五〜八月ごろ、各地の樹葉の上に見られる。

さびき‐づり【さびき釣】🔗🔉

さびき‐づり【さびき釣】 擬餌(ぎじ)を生き餌のように見せるため上下に動かしてする釣り。

さび‐きん【銹菌】🔗🔉

さび‐きん【銹菌】 =さびびょうきん(銹病菌)

さび‐ごえ【錆声】(‥ごゑ)🔗🔉

さび‐ごえ【錆声】(‥ごゑ) 謡物などの芸事の修練または職業柄生じた、やや枯れて趣のある声。

さび‐さび【寂寂】🔗🔉

さび‐さび【寂寂】 〔副〕 1 いかにもさびしい様子であることを表す。さびしげに。*中華若木詩抄‐中「柳も葉が疎にして、さびさびとありて」 2 閑寂な趣のあるさまを表す。かれがれとして。*花鏡‐比判之事「二曲も物まねも儀理もさしてなき能のさびさびとしたる中(うち)に」 〔形動〕さびしいさま。多く女房詞として用いる。*御湯殿上日記‐明応元年八月一日「宮の御方御とをとをの御ことにて御さひさひなり」

さびし【寂し・淋し】🔗🔉

さびし【寂し・淋し】 〔形シク〕⇒さびしい(寂)

さび‐じ【錆地】(‥ヂ)🔗🔉

さび‐じ【錆地】(‥ヂ) 1 錆漆だけを塗った漆器の下地。 2 鉄製品で、漆を塗らない地鉄のままのもの。

さびし・い【寂しい・淋しい】🔗🔉

さびし・い【寂しい・淋しい】 〔形口〕さびし〔形シク〕(「さぶし(寂)」の変化) 1 本来あるべき状態になく、また、本来備わっているはずのものが欠けていて、満たされない気持を表す。物足りない。不満足、不景気、憂鬱、物悲しさなどを表す。さぶし。さみしい。「懐中(口)がさびしい」*源氏‐須磨「ところ狭く集ひし馬・車の、かたもなく、さびしきに」 2 人の気配がなく心細い。ひっそりしている。静かで心細いほどである。さみしい。*阿波国文庫旧蔵本伊勢‐五八「むぐらおひ荒たる宿のさびしきは」 3 =さもしい さびし‐が・る(自ラ五(四))/さびし‐げ(形動)/さびし‐さ(名)/さびし‐み(名)

さびしがり‐や【寂しがり屋・淋しがり屋】🔗🔉

さびしがり‐や【寂しがり屋・淋しがり屋】 ふつうの人よりもさびしがる人。

さびしきざのなぐさみ【淋敷座の慰】🔗🔉

さびしきざのなぐさみ【淋敷座の慰】 邦楽書。延宝四年成立。編者不明。江戸初期の江戸の流行歌謡を集めたもの。曲舞(くせまい)、浄瑠璃道行、歌祭文など七〇種、二七〇首を収録。

さびしきひとびと【寂しき人々】🔗🔉

さびしきひとびと【寂しき人々】 (原題ドイツEinsame Menschen)戯曲。五幕。ゲルハルト=ハウプトマン、一八九一年作。若い自然科学者が、その研究を理解できない妻と、女子学生との三角関係に悩み、自殺をとげるまでを描いた自然主義的演劇。

さび‐じま【錆縞】🔗🔉

さび‐じま【錆縞】 麻織物の一つ。縦糸、または、横糸に苧(からむし)糸を用いて縞を現した一種の縮(ちぢみ)織。錆色を呈する。

さびし・む【寂しむ・淋しむ】🔗🔉

さびし・む【寂しむ・淋しむ】 〔他マ下二〕さびしがらせる。さびしく思わせる。*源平盛衰記‐三九「去(され)ばとて寂(サビ)しめ奉るべからず」 〔他マ五(四)〕(形容詞「さびしい(寂)」の動詞化)さびしがる。さびしく思う。「秋をさびしむ」

さび‐しゅ【錆朱】🔗🔉

さび‐しゅ【錆朱】 くすんだ朱色。

さびし‐ら【寂しら・淋しら】🔗🔉

さびし‐ら【寂しら・淋しら】 〔形動〕(「ら」は接尾語)さびしそうなさま。さびしいさま。

さびしろ【淋代】🔗🔉

さびしろ【淋代】 青森県三沢市の太平洋岸にある地名。昭和六年アメリカ人ハーンドンとパングボーンによる太平洋無着陸横断飛行の出発点。

さびた🔗🔉

さびた 1 植物「のりうつぎ(糊空木)」の異名。 2 糊空木の根で作ったパイプをいう。

さび‐だけ【錆竹】🔗🔉

さび‐だけ【錆竹】 立枯れして表皮に錆のような斑点の生じた竹。真竹、淡竹(はちく)などに多い。また、硫酸で焼いて錆竹のような色をつけた竹。

さ‐ひつ【左筆】🔗🔉

さ‐ひつ【左筆】 (書を右筆というのに対して)描絵(かきえ)による模様。多く虎の斑紋などを尻鞘(しざや)や(したぐら)の類に描いたものをいう。

さび‐つきげ【宿月毛・宿鴾毛】🔗🔉

さび‐つきげ【宿月毛・宿鴾毛】 馬の毛色の名。赤褐色を帯びた月毛。

さび‐つ・く【錆付く】🔗🔉

さび‐つ・く【錆付く】 〔自カ五(四)〕金物などが錆のためにくっついて離れなくなる。金属に錆ができる。また比喩的に、動くべきものがうまく動かなくなることにもいう。*たまきはる「西の御車寄せのつまどをあけんとすれば、さびつきにけり」

さび‐つけ【錆付】🔗🔉

さび‐つけ【錆付】 蒔絵の工程で、へら、はけなどで錆漆を塗り付けること。

さび‐つち【錆土・渋土】🔗🔉

さび‐つち【錆土・渋土】 茶室の塗壁などに用いる錆色の土。遊行土(ゆぎょうつち)。

さび‐とぎ【錆研】🔗🔉

さび‐とぎ【錆研】 蒔絵の工程で、錆付けの錆漆が乾燥したあとをとぐこと。

さび‐どめ【錆止】🔗🔉

さび‐どめ【錆止】 金属表面に生ずる錆を防止するための表面処理。表面にペイント、コールタール、樹脂などを塗布する方法、錆びにくい金属をめっきする方法、表面を錆の進行しない酸化物等に化学変化させる方法がある。

さびどめ‐ざい【錆止剤】🔗🔉

さびどめ‐ざい【錆止剤】 鋼(はがね)などの錆びやすい金属が錆びるのを防止する薬品。空気と金属との接触を断つようなもので、油、塗料などがよく用いられている。

さび‐ぬき【山葵抜】🔗🔉

さび‐ぬき【山葵抜】 山葵(わさび)をつけない握鮨(にぎりずし)をいう。

サビヌス🔗🔉

サビヌス (Massurius Sabinus マッスリウス―)古代ローマの法律学者。「市民法についての三書」をあらわし、市民法注解の体系を完成した。生没年不詳。

さび‐ぬり【錆塗】🔗🔉

さび‐ぬり【錆塗】 鉄の錆色に似せて塗ること。

さび‐ねず【錆鼠】🔗🔉

さび‐ねず【錆鼠】 藍鼠色に白茶色をまぜた染色。

さび‐の【錆篦】🔗🔉

さび‐の【錆篦】 =さわしの(醂篦)

さひのくま【さ檜隈】🔗🔉

さひのくま【さ檜隈】 (「さ」は接頭語)奈良県高市郡明日香村檜前(ひのくま)のこと。*万葉‐一一〇九「佐檜乃熊(サひノくま)檜の隈川の瀬を早み」

さび‐はく【錆箔】🔗🔉

さび‐はく【錆箔】 平金の一種。うすい漆液を雁皮紙または鳥の子紙に塗って、金平箔を貼り、色ニスを塗って艶消しにし、渋味を出したもの。

さび‐びょう【銹病】(‥ビャウ)🔗🔉

さび‐びょう【銹病】(‥ビャウ) 植物の病気の一つ。銹病菌の寄生によって起こるもの。

さびびょう‐きん【銹病菌】(さびビャウ‥)🔗🔉

さびびょう‐きん【銹病菌】(さびビャウ‥) 担子菌類に属するカビ。シダ植物、種子植物に寄生して銹病を起こす。葉や茎に鉄銹に似た胞子堆(ほうしたい)をつくったり、瘤やてんぐ巣状の奇形を起こしたりする。ムギ・マメ・キク・マツなど多数の種類に寄生し農作物の被害も大きい。さびきん。

さび‐むじ【錆無地】(‥ムヂ)🔗🔉

さび‐むじ【錆無地】(‥ムヂ) 麻織物の一つ。苧糸(からむしいと)を平織にしたもの。晒(さら)さないので淡い褐色を帯びる。そのままで夏の着物地などにする。

さひめ‐やま【佐比売山】🔗🔉

さひめ‐やま【佐比売山】 島根県中央部にある三瓶山(さんべさん)の古称。

さび‐もの【寂物】🔗🔉

さび‐もの【寂物】 茶道で、新規の道具に対して、古い寂(さび)のある道具をいう。わびもの。

さび‐や【錆矢】🔗🔉

さび‐や【錆矢】 鏃(やじり)の錆びた矢。また、自分の弓矢の腕を謙遜したりある人の矢を悪く言ったりする語。 ●錆矢を射掛(いか)ける 金品の無心を言いかける。

さ‐びょう【病】(‥ビャウ)🔗🔉

さ‐びょう【病】(‥ビャウ) 中毒性の血液が原因で起こる病気。鍼灸(しんきゅう)でいう語。

さ‐びょう【詐病】(‥ビャウ)🔗🔉

さ‐びょう【詐病】(‥ビャウ) 意識的あるいは無意識的に病気であるかのようにみせかけること。仮病。

さ‐びらき【早開】🔗🔉

さ‐びらき【早開】 =さなえびらき(早苗開)

さび・る【寂びる】🔗🔉

さび・る【寂びる】 〔自ラ下二〕⇒さびれる(寂)

さ・びる【寂びる・荒びる・錆びる・銹びる】🔗🔉

さ・びる【寂びる・荒びる・錆びる・銹びる】 〔自バ上一〕さ・ぶ〔自バ上二〕 1 心が荒れすさむ。さびしく思う。*万葉‐五七二「まそ鏡見飽かぬ君に後(おく)れてや朝夕(あしたゆふへ)に左備(サビ)つつ居らむ」 2 人気(ひとけ)がなくて荒れる。にぎやかでなくなる。*広本拾玉集‐四「宿さびて人めも草もかれぬれば」 3 いきおいが衰える。衰微する。古びゆく。また、おちぶれる。零落する。*玉葉‐八一三「夕づく日色さびまさる草の下に」 4 (寂)古びて趣がある。老熟して味わいを生じる。閑寂味がある。*平家‐灌頂「岩に苔(こけ)むしてさびたる所なりければ」 5 (錆)金属の表面に錆を生ずる。錆がつく。*小大君集「研(と)ぎおきし鞘の刀もさびぬらん」 6 水渋(みしぶ)がつく。水あかがつく。*神楽歌‐採物・杓「人し汲まねば水佐比(サビ)にけり」 7 声が低く太い。声に渋味がある。「さびた声で謡う」 8 けちである。*浮・新吉原常々草‐上「田舎者は是はつゐあがりてさびたるさはぎして」 [補注]古くなる、古色を帯びるというのが原義で、そこから、生気が失われる、荒れる、さらに金属などが錆びると、意味の広がった語。一方、古びて奥ゆかしい味わいを持つのように変化して行った意味もあると考えられる。→さぶ(窈窕)

さびれ【寂・荒】🔗🔉

さびれ【寂・荒】 衰えること。荒れはてること。

さび・れる【寂れる・荒れる】🔗🔉

さび・れる【寂れる・荒れる】 〔自ラ下一〕さび・る〔自ラ下二〕 1 盛んであった人の往来や出入りが衰える。にぎやかでなくなる。勢いが衰える。「店(街)がさびれる」「虫の音がさびれる」*随・賤のをだ巻「其頃より開帳もさびれて造り物工みて上る沙汰もなし」 2 荒れはてる。荒廃する。「さびれた廃屋」

さ‐びろ【さ広】🔗🔉

さ‐びろ【さ広】 (形動)茫漠としてとりとめのないこと。また、そのさま。*無名抄「題の歌はさもと聞こゆるこそよけれ、余りさびろなりと難ず」

さび‐ろうにん【錆浪人】(‥ラウニン)🔗🔉

さび‐ろうにん【錆浪人】(‥ラウニン) (身に帯びている刀が錆びているところから)落ちぶれた浪人。また、浪人をののしっていう語。

さ‐ひん【砂浜】🔗🔉

さ‐ひん【砂浜】 =すなはま(砂浜)

サビンコフ🔗🔉

サビンコフ (Boris Viktorovi Savinkov ボリス=ビクトロビチ―)ロシアの政治家、作家。筆名はロープシン。代表作「蒼ざめた馬」。(一八七九〜一九二五)

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