【畏】 9画　田部　 区点=1658　16進=305A　シフトJIS=88D8 《音読み》　イ（）／エ（）〈we〉 《訓読み》　おそれる（おそる）／おそれ／かしこい（かしこし）／かしこまる 《意味》 ｛動｝おそれる（オソル）。おさえられた感じを受ける。威圧を感じて心がすくむ。また、おそろしくて気味が悪い。おびえる。〈類義語〉→恐・→懼ク。「畏怖イフ」「予畏上帝＝予上帝ヲ畏ル」〔→書経〕「後生可畏＝後生畏ルベシ」〔→論語〕 ｛動｝おそれる（オソル）。こわいめにあう。また、おどされる。たちすくむ。〈類義語〉→威。「子畏於匡＝子匡ニ畏ル」〔→論語〕 ｛名｝おそれ。気味悪さ。また、威圧を受けた感じ。「天畏テンイ」 ｛形｝心のすくむようなさま。こわいさま。転じて、尊敬すべき。「畏友イユウ」 〔国〕かしこい（カシコシ）。おそれ多い。また、ありがたい。「申すも畏し」かしこまる。おそれ入ってつつしむ。また、つつしんで承る。「畏つて候ふ」 《解字》 象形。大きな頭をした鬼が手に武器を持っておどすさまを描いたもので、気味悪い威圧を感じること。 《単語家族》 威（押さえつける）隈ワイ（押さえくぼんだ所）と同系。また鬱ウツ（押さえられた感じ）は畏の語尾が入声（つまり音）に転じたことば。 《類義》 →恐 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語

【畏日】 イジツ きびしい太陽。夏の暑い日のこと。

【畏友】 イユウ 自分が尊敬している友人。自分の友人の敬称。

【畏忌】 イキ おそれいむ。おそれさけること。

【畏怯】 イキョウ おそれておびえる。『畏懦イダ』

【畏怖】 イフ おそれて心がすくむ。

【畏服】 イフク おそれて服従する。『畏附イフ・畏伏イフク』

【畏途】 イト ＝畏塗。険しくておそろしい道。「畏途巉巌不可攀＝畏途巉巌トシテ攀ヅベカラズ」〔→李白〕

【畏悪】 イオ おそれてにくむ。

【畏敬】 イケイ おそれうやまう。すぐれた人を尊敬すること。「之其所畏敬而辟焉＝ソノ畏敬スル所ニオイテ辟ス」〔→大学〕

【畏愛】 イアイ 敬服して親愛する。

【畏憚】 イタン おそれはばかる。すぐれたものに気がねすること。

【畏犠】 イギ〈故事〉犠牲となることをおそれる。▽犠牲になる動物は、りっぱに飾られて、うまいえさを与えられるけれども、ついには殺されるといって、荘子が君主からの招きをことわった故事。

【畏縮】 イシュク おびえて縮まる。おそれて、物事をすることをためらうこと。

【畏懼】 イク おびえてびくびくする。『畏恐イキョウ』「富貴則親戚畏懼之、貧賤則軽易之＝富貴ナレバスナハチ親戚モコレヲ畏懼シ、貧賤ナレバスナハチコレヲ軽易ス」〔→史記〕