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0346 感情の否定[IV 人間性]🔗⭐🔉
0346 感情の否定[IV 人間性]
0346.00 感情の否定
(1)気持がしない 無い 無くなる;
そうした気分が起こらない 〜する気にならない 動かない
[文例]
●もう煙草を喫む気にもなれぬのである。[森鴎外]
(2)気持が少い 弱い0112.02 弱まる0112.01;
〜の気持が消える 消える0128.01 凋む0117.04
[文例]
●喝采の気持はすでに凋(しぼ)んでおり、彼は曖昧な笑い顔になっている。[吉行淳之介]
●その埠頭に出れば、たくさんの燈火で夜は明るく〜。その景色の前に出れば、この危険な曖昧さは心から消えてゆくだろう。[吉行淳之介]
(3)不調和0055.05 そぐわない ぎくしゃく ぴったりしない;
いい気がしない 余所余所(よそよそ)しい0718.10
[文例]
●[大震災]其所の音楽堂のイルミネーションが此場合何となく気持に適(そぐ)わなかった。[志賀直哉]
●所が石はそんな気持は気振りにも見せなかった。[志賀直哉]
●どうしても一度雪子の顔を見ないことには気持が治まらなくなっていた。[谷崎潤一郎]
●[後悔したからと云って]直ぐせいせいされたらいい気がしないよ。[志賀直哉]
(4)無感覚 感じない0342.01 不感症 感覚を失う;
無意識0325.16 無反応 応えない 受け付けない 麻痺 痺れる;
凍る0999.02 凍り付く;
鈍感0342.02 鈍い;
気にも留めない 目もくれない 等閑(なおざり)にする0392.04;
気にしない0392.02 無視0392.05;
係わらない0002.05 無縁0002.01 冷静0364.16;
動じない 平然0364.14 不動0179.01;
鉄面皮0655.04 傍若無人0660.07 無表情 知らず顔0371.13;
生温い 何方付かず0411.03;
冷淡0648.11 冷たい 無情0336.10 石の心
[文例]
●そう重大にも考えられなかったので、知らない体にしていましたところ、…[谷崎潤一郎]
(5)枯れる 枯渇 消える;
遠い 遠のく 気持が遠のく;
忘れる 怒りを解く
[文例]
●お栄の方は、然し忙しかった。その忙しさからそう云う気持には遠いらしく見えた。[志賀直哉]
●私の頭の中で、多加子はみるみる遠ざかり、豆粒くらいの大きさになった。[吉行淳之介]
●繰返し陳弁して頭をさげて謝ると、検査官も幾らか気が折れたか。…[井伏鱒二]
(6)剥(は)がれ落ちる 消し飛ぶ
(7)拭う 〜の思いを殺す 去る 離れる;
抑える 我慢 堪え難い 押し殺す 押し潰す
[文例]
●感奮は鰊ではないから、二年も三年も塩漬にしては置かれまい…[森鴎外]
●そういう状況に興奮していることによって暗い行為にまつわる気分を押し潰してしまおう、と夫人は考えている…[吉行淳之介]
(8)消す 消し去る;
頭から追い払う;
拭い取る 拭い去る 洗い去る 洗い取る
(9)剥がす0197.17 取り去る 振り払う 振り切る;
〜の気持を追い払う 追い払う0199.08;
払い除ける 撥ね除ける;
突き除(の)ける0188.02
[文例]
●しかし今となっては、そういう気持を剥して、取り去ってしまうことはできない。[吉行淳之介]
●座りこんでしまいたい気分を振り切るようにして立上り…[吉行淳之介]
●一度は、その予感を追い払おうと、私は試みた。[吉行淳之介]
●驚いて其不思議な気持から飛び退(の)いた。[志賀直哉]
(10)破る 崩す 壊す
[文例]
●マキの私についての先入観念は、…この前で破られている筈だ。[吉行淳之介]
●私はその想像図を破り捨て、平静な声に戻った。[吉行淳之介]
(11)秘める 口に出さない 口を噤む0502.14 隠す0133.01 心にしまって置く
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