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0345.00 感情の表現🔗⭐🔉
0345.00 感情の表現
(1)気持0337.04 感じ 感ずる0341.01 思い0387.01 思う 念を作(な)す;
持つ 動く 働く;
抱える 抱え込む 抱きしめる 抱く0182.20;
背負う0182.17 負う 背負い込む;
〜の気にされる 〜の気になる;
誘い込まれる 誘う0763.18 唆(そそ)る 唆(そそ)られる そそる そそられる;
引き込む0200.12 引き込まれる
[文例]
●この町の飾りが目につくと、洞窟を出たような解放を感じた。[川端康成]
●〜を感ずると共に失望の念を作(な)すことを禁じ得なかった。[森鴎外]
●父親の替りを求めようとする心が反射的に強く働く。[吉行淳之介]
●さまざまな疲労をかかえて、かえって眼が冴えてしまったが…[吉行淳之介]
●彼が〜持ち帰った旅のにおいが、道子の感傷を唆ったためであったかも知れない。[吉行淳之介]
●それが一層そういう気分に自分を誘って行った。[志賀直哉]それが一層そういう気分に自分を誘って行った
(2)気分0341.06;
動く 働く;
通り過ぎる0221.12 過(よ)ぎる;
往来する0210.01 去来する 通い合う 通う;
掠める0387.09 閃く 脳裏に閃く0387.08;
流れる 〜の思いが流れる
[文例]
●安堵に似た気分さえ動いている。[吉行淳之介]
●〜しているという気持が、ゆっくり躯の中を通り過ぎてゆく。[吉行淳之介]
●今緒方からそれを聽くと変に甘い気持が胸を往来し始めた。[志賀直哉]
●博士の頭のうちには、こんな考が非常な速度を以て往来した。[森鴎外]
●女と男のあいだに、恋に近い感情が流れていたことはたしかである。[吉行淳之介]
●誰の胸にも淡く喜びが通い合って、皆快活な気分になった。[志賀直哉]
(3)起こる0130.05 生まれる 湧く0180.16 湧き上がる;
起きる 萌す1042.02 芽生える;
浮き上がる0153.02 浮かんで来る 込み上げる;
擡げる0130.03 生ずる うごめく0177.04;
育む0530.15;
目覚める0313.01;
気配0013.01 孕む 宿す 宿る;
醸(かも)す 醸(かも)し出す 立ち昇る 立ち篭める;
広がる0078.02
[文例]
●一瞬、躇いが起った。[吉行淳之介]
●そして一種の物足らぬような情と、萌芽のような反抗心とが、己(おれ)の意識の底に起った。[森鴎外]
●Mに対する旧い愛が〜眼覚めて行くのを感じた。[志賀直哉]
●それが不意に心へ入って来た。[志賀直哉]
●私には我侭な気持が無闇と込み上げて来た。[志賀直哉]
●不思議な悩ましさが胸に上(のぼ)って来た。[志賀直哉]
●荒れた気持が首をもたげてきている。[吉行淳之介]
●由紀子のなかに、騙すことの快感が薄くひろがってゆく。[吉行淳之介]
(4)出る0199.01 出て来る 滲み出る0180.02
[文例]
●学生服の青年は、喜色を顔に出した。[井伏鱒二]
●[そんな事になると]〜みたいな気持があたしに出てくるのよ」[吉行淳之介]
●冗談半分の口調だが、その底にはっきり欲情が滲んだ。[吉行淳之介]
(5)味わう0960.03 噛み締める 嘗(な)める0372.01 浸る;
楽しむ0349.02 喜ぶ0349.01
[文例]
●気持に余裕のあることを味わいながら、ゆっくりと待った。[吉行淳之介]
(6)植え付ける0863.14 根差す1042.04 引き起こす0184.03;
そそり立てる 煽る;
損傷0171.12 傷付ける 害する 壊す0171.01 殴る0192.02 ぶちのめす;
打つ0192.01 突く0192.05 刺す0197.16 突き刺す;
抉(えぐ)る0197.13 捉える0191.03
[文例]
●自分は知らず知らずに意固地な気持を又皆(みんな)へ投返す。[志賀直哉]
●悔恨の棘は我心を刺せり。[森鴎外]
(7)情に絆(ほだ)される 情詰め0647.20 つまされる;
〜に身を任せる 身に降りかかってくる 〜の餌食となる;
浴びる0180.07;
見舞われる 捉われる0191.03;
打たれる 襲われる0780.03 殺到0228.10 傾(なだ)れかかる0171.04;
覆われる・被われる 覆い被さってくる 被(おお)う0196.05;
包まれる0196.01 押し包む 絡む0224.11;
浸る0153.04 耽る0559.20;
傷付く 打たれる ぶちのめされる 刺さる 応える;
噛み付かれる0194.17 食らいつく0182.21
[文例]
●其気分には少しも捲込まれずに…[志賀直哉]
●それが暗い当惑となって彼におおい被さって来た。[志賀直哉]
●[笑顔が消えて〜]ふっと寂しい表情が女の顔を覆った。[吉行淳之介]
●謙作も龍岡も何かしらぎごちない氣持に捉えられて居た。[志賀直哉]
●[突然、ある]回想が、私を捉えた。[吉行淳之介]
●しかし、その考えは女の心に刺さってこない。[吉行淳之介]
●私はうとうとしていたのを一寸こづかれた感じだった。[尾崎一雄]
●淋しい気持が廻りから締めつけて来る。[志賀直哉]
●昔を懐しむ濃い気持が雪崩れこんだようだ。[吉行淳之介]
●嫉妬の感情はすでに動かし難く彼の心に喰い込んでいた。[吉行淳之介]
●今までとは別の平面にある嫉妬心に咬み付かれはじめた。[吉行淳之介]
(8)揺れる0177.07 搖れ動く 動く 浮遊 立ち迷う;
漂う0180.14
[文例]
●〜という気持が、由紀子の中にひろがっている。心の中で揺れている。[吉行淳之介]
(9)募る0113.02 昂ずる 満ちる0113.02;
膨らむ0078.03 膨らんで行く 漲(みなぎ)る 溢れ出す0180.04
(10)痛感0341.13 切情0341.12 痛切0106.09;
浸透0180.01 沁徹 侵入0200.07 染み透る・沁み透る 染み入る 染み込む 染み着く 染み渡る
(11)激情0341.11 渦巻く;
吹き出す 噴き出す 吹き出(い)だす 吹き出る 吹き出(い)ず 迸(ほとばし)る 迸(ほとばし)り出る 迸(とばし)る ほとばしる0180.17 噴出0180.17;
突き上げてくる 突き上げる0192.05;
走り抜ける 突き抜ける0221.03 走る0187.20;
吹き荒れる0992.29 嵐 大風0992.05;
溢れる0180.04 吹き出す;
燃え上がる0969.01 募る 猛る0354.02;
駆る 駆られる 駆り立てる 掻き立てる;
爆発する0171.06 暴発する;
激しい0113.04 頗る0106.06;
強く感ずる 強い0111.02 濃い0086.01 しっかり 確乎0111.04;
不動0175.02;
重い0083.02 深い0152.02
[文例]
●茫然とした気分に捉えられた数秒があって、佐々に烈しい欲情が衝き上げてきた。[吉行淳之介]
(12)心に残る0381.04 残る0125.01 続く0246.01 無くならない0125.02 残滓0025.10 引きずっている;
去らない 消えない 心を離れない 出て行かない 尾を引く0246.03 拭い切れない 振り切れない;
去る0212.10 引く0216.01 消える0128.01 離れる0229.02 出る0199.01;
居坐る0185.13 住み着く0575.02;
巣くう0575.01 蟠(わだかま)る 塒(とぐろ)を巻く 頭に付く こびり付く 取り憑く0327.51 燻(くすぶ)る 燻(いぶ)る0969.11;
付き纒う0211.06;
積もって行く0228.16 積み残される 溜まる
[文例]
●軽い浮揚感に似た上機嫌がつづいている。[吉行淳之介]
●後悔の色は、そのまま顔に残っていた。[吉行淳之介]
●架空の疑いとは分っていても、その考えがなかなか頭の中から出て行かない。[吉行淳之介]
●〜という気持が、星枝にまつわりついている。[吉行淳之介]
●一種の不安が心頭を離れない。[森鴎外]
●どうも僕には矢張さっき這入った時の第一の印象が附(つ)き纏(まと)つていてならない。[森鴎外]
●私怨を含んでいる自分が自分の中にあったのである。然し〜他方に心から父に同情している自分が一緒に住んでいた。[志賀直哉]
●その陰微な感情は、しばらく燻りつづけるだろう。[吉行淳之介]
(13)入り込む 入って来る 入り込む0200.01 侵入0200.07 侵蝕0171.14 蝕(むしば)む;
土足で踏み込んでくる;
忍び込む 食い込む0200.06 楔を打込む;
傾(なだ)れ込む;
飛びつく 飛び込む0841.02
[文例]
●だから、思いがけず彼の内に這入りこんできたこの感情は、彼を不安にした。[吉行淳之介]
(14)沈む0153.03 落ち込む 陥(おちい)る0149.07 はまり込む
[文例]
●[〜という]錯覚に、彼はふと陥った。[吉行淳之介]
(15)潜む 隠れる0132.01
[文例]
●一方、彼の心の片隅には、〜という気持も潜んでいた。[吉行淳之介]
(16)移る 反映 反射する 反射0952.12 影響0003.01;
伝わる0517.02
[文例]
●紀子の上機嫌がすこしずつ彼の中に移ってきた。[吉行淳之介]
●私の口から出た言葉は、自分にはね返ってきた。[吉行淳之介]
●そして純一のこう思う心(こころ)はその大きい瞳(ひとみ)を通して大村の心にも通じた。[森鴎外]
大シ ページ 1232。