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かかっ‐た【掛かった】🔗🔉

かかっ‐た【掛かった】 [連体](あとに打消しの語を伴って用いる)話になるような。口に出して言えるような。「ほんにほんに―事(こん)ちゃあねえ」〈滑・浮世床・二〉

かかっ‐て【係って・掛(か)って】🔗🔉

かかっ‐て【係って・掛(か)って】 〔連語〕(「かかって…にある」の形で用いる)ただもう。ひとえに。もっぱら。「未来は―若い社員の双肩にある」

かかり【掛(か)り・懸(か)り】🔗🔉

かかり【掛(か)り・懸(か)り】 掛かること。ひっかかること。「エンジンの―が遅い」(掛かり)物事をするのに必要な費用。入費。「―がかさむ」(掛かり)囲碁で、隅に打った相手の石のしまりを妨げること。「―を打つ」→締(しま)釣り針の、魚の外れるのを防ぐためにつける先端部の突起。針先の返しの部分。もどり。あぐ。女の髪の垂れかかったようす。下がりぐあい。「御髪(みぐし)の―、はらはらと清らにて」〈源・若菜下〉蹴鞠(けまり)をする場所。また、その場所の四隅に植えた樹木。普通は北東に桜、南東に柳、北西に松、南西にカエデを植える。「まりを好みてのち、―の下に立つ事七千日」〈著聞集・一一〉建物のつくり方。構え。つくり。「此の大門の―などは、誠に今迄の寺々とは格別なものでござる」〈虎寛狂・鐘の音〉趣。風情。「枝を矯(た)め葉を透かして、―あれと植ゑ置きし」〈謡・鉢の木〉

がかり【掛(か)り】🔗🔉

がかり【掛(か)り】 〔接尾〕名詞に付く。その物事に似たようすである意を表す。「芝居―」そのものに依存する意を表す。「親―の身」日数・人数などを表す言葉に付いて、それだけの時間・人手を要する意を表す。「一〇年―」「五人―」動詞の連用形に付く。その事のついでにの意を表す。「通り―」…した勢いの意を表す。「行き―上、そうなってしまった」

かかり‐あい【掛(か)り合い】‐あひ🔗🔉

かかり‐あい【掛(か)り合い】‐あひ つながりをもつこと。関係。かかわり。「私には―のないことだ」巻き添えをくうこと。「―になりたくない」

かかり‐あ・う【掛(か)り合う】‐あふ🔗🔉

かかり‐あ・う【掛(か)り合う】‐あふ [動ワ五(ハ四)]関係する。かかわる。「この事件は彼と深く―・っている」好ましくないことに関係する。巻き込まれる。「面倒なことに―・う」

かかり‐うど【掛かり△人】🔗🔉

かかり‐うど【掛かり人】 かかりゅうど

かかり‐きり【掛(か)り切り】🔗🔉

かかり‐きり【掛(か)り切り】かかりっきり」に同じ。「育児に―になる」

かかり‐き・る【掛(か)り切る】🔗🔉

かかり‐き・る【掛(か)り切る】 [動ラ五(四)]もっぱら、ある一つの事柄に関係・従事する。あることのために全力を注ぐ。「この仕事にだけ―・る」

かかり‐くち【掛(か)り口】🔗🔉

かかり‐くち【掛(か)り口】 着手する手がかり。端緒。攻めかかろうとする機会。また、その場所。攻め口。

かかり‐げいこ【掛(か)り×稽古】🔗🔉

かかり‐げいこ【掛(か)り×稽古】 剣道の練習法の一。上位の者を相手に何度も繰り返し打ち込むこと。柔道の練習法の一。同一の技を連続して掛けること。捨て稽古。ぶつかり稽古。

かかり‐だいこ【掛(か)り太鼓】🔗🔉

かかり‐だいこ【掛(か)り太鼓】 戦場で、敵に攻めかかる合図に打ち鳴らす陣太鼓。攻め太鼓。

かかりっ‐きり【掛(か)りっ切り】🔗🔉

かかりっ‐きり【掛(か)りっ切り】 ある物事だけをすること。かかりきり。「一日中、客の応対に―だった」

かかり‐つけ【掛(か)り付け】🔗🔉

かかり‐つけ【掛(か)り付け】 いつもその医者に診察してもらっていること。「―の医者」

かかり‐どころ【掛かり所】🔗🔉

かかり‐どころ【掛かり所】 頼りとするところ。頼みどころ。「ともかくもいふ言の葉の見えぬかな何(いづ)らは露の―は」〈後撰・恋二〉

かかり‐ば【掛かり端】🔗🔉

かかり‐ば【掛かり端】 女の額の上の髪が左右のほおに垂れかかっているぐあい。また、その髪の末のあたり。さがりば。「頭つき、髪の―しも、美しげにめでたし」〈源・末摘花〉

かかり‐ば【×繋かり場・掛かり場】🔗🔉

かかり‐ば【×繋かり場・掛かり場】 船をつなぎとめる所。船が停泊する場所。かかりどころ。〈日葡〉

かかり‐びと【掛かり人】🔗🔉

かかり‐びと【掛かり人】かかりゅうど」に同じ。

かかり‐むすこ【掛かり息‐子】🔗🔉

かかり‐むすこ【掛かり息子】 親が老後の頼りにしている息子。「今日は―の嫁取と、一際(ひときは)あらたまりたる服装(いでたち)にて」〈紅葉・二人女房〉

かかり‐もの【掛(か)り者】🔗🔉

かかり‐もの【掛(か)り者】 他家に身を寄せて食住の世話になっている人。居候。食客。「いつまでもぶらぶらとここに―になっているのが済まないような気がして」〈三重吉・桑の実〉

かかり‐ゆ【掛(か)り湯】🔗🔉

かかり‐ゆ【掛(か)り湯】 風呂から上がるときにからだを清めるために浴びる湯。上がり湯。おかゆ。

かか・る【掛(か)る・懸(か)る・係る】🔗🔉

かか・る【掛(か)る・懸(か)る・係る】 [動ラ五(四)]上が固定された状態で、高い所からぶらさがる。上から下へさがる。「壁に絵が―・っている」「カーテンの―・っている部屋」中空など、高い所に位置する。「月が中天に―・る」目につくように高い所に掲げられる。「高札が―・る」「磔(はりつけ)に―・る」(「繋る」とも書く)船が停泊する。係留される。「船は桟橋に―・っている」火に当てるために容器が上からつるしさげられる。また、火の上に据え置かれる。「ガスに鍋が―・っている」《竿秤(さおばかり)にぶらさげて計量するところから》はかりに受けとめられる。…の目方がある。「重すぎてはかりに―・らない」「四キロ―・る(=目方ガホボ四キロアル)」(「架かる」とも書く)物が一方から他方へまたぐように渡される。「橋が―・る」ひも・縄などが物のまわりにかけ渡される。「水引の―・った祝いの品」張り巡らすようにして作られる。一時的に設営される。「クモの巣が―・る」「小屋が―・る」《仮小屋を作って行われたところから》興行される。上演・上映される。「見世物が―・る」「評判の映画が―・っている」ほかのものの上にかぶさる。一面を覆う。「イチゴにミルクが―・っている」「霧が―・る」水や粉などが飛び散って当たる。ふりかかる。「しぶきが―・る」「ほこりが―・る」仕掛けなどで捕らえる。また、捕らえられた状態で動きが止まる。「大きな魚が―・る」「網に―・った鳥」「凧(たこ)が木の枝に―・る」仕組まれた謀(はかりごと)に陥る。はまる。「相手の罠(わな)に―・る」「計略に―・る」「暗示に―・る」(「…の手にかかる」の形で)傷つけられたり、殺されたりする。「敵の手に―・る」(「目にかかる」の形で)目にとまる。見られる。「勘当したからは二度と親の目に―・るな」「お目に―・る(=オ会イスル)」偶然に物にさわる。「うっかり手が―・ってしまった」他から作用・動作が及ぶ。「技が―・る」「ちっとも誘いが―・らない」送られてきて、こちらに届く。「声が―・る」「電話が―・ってくる」付いている仕掛けが働いて、本体が動かないように固定される。「錠が―・る」装置が作動して機能を発揮しだす。「車のエンジンが―・らない」「ひと晩じゅうラジオが―・っている」何かが心にしっかりと付いてその状態にとどまる。「気に―・る」「心に―・る日本の将来」望ましくないことがこちらの身に及んでくる。身にふりかかる。「迷惑が―・る」「疑いが―・る」負担すべきものとして押し付けられる。課せられる。「税金が―・る」(「罹る」とも書く)病気や災難などを身に受ける。とりつかれる。「伝染病に―・る」時間・費用・労力などが必要とされる。費やされる。要する。「手の―・る仕事」「完成に一〇年―・る」ものの働き・力が加わる。「芸に磨きが―・る」頭から押さえつけるような態度に出る。「かさに―・る」攻撃的に挑む。攻めていく。「束になって―・る」「攻略に―・る」物事に着手する。しはじめる。「仕事に―・る」「取り壊しに―・る」その事に当たる。従事する。「今―・っている仕事」ある範囲・場所・期間にまで及ぶ。経過してきてその所・時間に至る。「鼻に―・った声」「急勾配に―・る」「工事が来春まで―・る」重みなどがそちらに加え乗せられる。力などが向けられる。「体重が―・った姿勢」「揉(も)み消しの圧力が―・る」物心の両面にわたって頼みとする。他のものに頼る。養ってもらう。「老後は子供に―・る」処置・処理をまかせる。扱われる。「医者に―・る」「あの人に―・ってはかなわない」議案などが公の場に持ち出されて取り扱われる。「案件が委員会に―・る」「裁判に―・る」重大な結果が予想される。「優勝の―・った大一番」「懸賞が―・る」「この建物には保険が―・っている」そのような性質・傾向を帯びる。「赤みの―・った黄色」交配される。「四国犬にマスチフの―・った土佐犬」物事がかかわる。重要なところに関係をもつ。「存否に―・る問題」その人によって作られる。その人の手になる。「空海大師の開基に―・る」(係る)文章中のある語句の文法上の働きが、あとの他の語句と関係をもつ。修飾する。「『青い空』の『青い』は形容詞の連体形で、『空』に―・る」多く、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて、初めからそのような状態で、またはそのように思い込んで、事に対する意を表す。「相手をのんで―・る」「だめだと決めて―・る」神霊が人間に乗り移る。「神有(ま)して、皇后に―・りて誨(をし)へまつりて曰く」〈仲哀紀〉気分や調子が乗る。「声も調子に―・り、能も心づくころなれば」〈花伝・一〉他の動詞の連用形のあとに付いて用いる。今にも…しそうになる。また、ちょうど…する。…しはじめる。「溺(おぼ)れ―・る」「崩れ―・る」「通り―・る」「立ち―・る」ある動作を他に向ける。何かに向かって…する。「飛び―・る」「寄り―・る」 [可能]かかれる[ラ下一] [下接句]息が掛かる・意地に掛かる・御座敷(おざしき)が掛かる・御目(おめ)に掛かる・嵩(かさ)に懸かる・肩に掛かる・気に掛かる・食って掛かる・口が掛かる・口に税は掛からぬ・口の端(は)に掛かる・声が掛かる・心に掛かる・手が掛かる・縄に掛かる・箸(はし)にも棒にも掛からない・人手に掛かる・褌(ふんどし)を締めてかかる・刃(やいば)に掛かる

かき‐がね【掛き金・×繋き金】🔗🔉

かき‐がね【掛き金・×繋き金】掛け金(がね)」に同じ。「二足三足庭下駄が鳴ると、すぐもうくぐりの―がはずされた」〈里見・多情仏心〉

か・く【掛く・懸く・△構く】🔗🔉

か・く【掛く・懸く・構く】 [動カ五(四)](「胡坐(あぐら)をかく」の形で)足を横に三角の形に組んで座る。組み合わせる。編み合わせて作る。「こしきには蜘蛛(くも)の巣―・きて」〈万・八九二〉つなぎ留める。掛ける。「馬にこそ絆(ふもだし)―・くもの牛にこそ鼻縄著(は)くれ」〈万・三八八六〉 [可能]かける[動カ下二]「か(掛)ける」の文語形。

かけ【掛(け)・懸(け)】🔗🔉

かけ【掛(け)・懸(け)】 [名]売り値に対する卸値。また、本来の値段に対する、値引きして売る値段の割合。「掛け売り」「掛け買い」の略。「―で買う」「売掛金」「買掛金」の略。「―がたまる」「掛け蕎麦(そば)」「掛け饂飩(うどん)」の略。「打ち掛け」の略。「黒塗りの箪笥(たんす)から―を出して女に着せた」〈鴎外・ヰタ‐セクスアリス〉「掛け布団(ぶとん)」の略。相撲で、足を相手の足に掛けて倒す技の総称。内掛け・外掛けなど。女帯の、締めはじめるほうの端。名詞について、かけること。また、かけるもの。「洋服―」言葉に掛けて言うこと。「児(こ)らが名に―のよろしき朝妻の片山崖(ぎし)に霞たなびく」〈万・一八一八〉掛け緒。「折烏帽子に―して」〈義経記・二〉〔接尾〕動詞の連用形に付く。動作が途中である意を表す。「読み―」「食べ―」「吸い―」その動作が起ころうとする直前の状態であることを表す。「つぶれ―」その動作のついでである意を表す。「帰り―」助数詞。一人で担ぐ程度の物を数えるのに用いる。「衣櫃(きぬびつ)二―にてあるを」〈源・松風〉細長いものを数えるのに用いる。「中御門御亭へ馬手綱、二―、弁に一―」〈言継卿記〉掛け鯛を数えるのに用いる。「親仁には、角樽一荷に塩鯛一―、銀一枚」〈浮・永代蔵・六〉

掛けも構わ🔗🔉

掛けも構わ なんの関係もない。掛けも構いもなし。「―ぬわたしらまでが」〈伎・助六〉

がけ【掛(け)・懸(け)】🔗🔉

がけ【掛(け)・懸(け)】 〔接尾〕名詞に付く。それを身につけている意を表す。「たすき―」「ゆかた―」(「心」あるいはそれに類する語に付いて)心の中にいつもあることを抱いている意を表す。「心―」「思い―ない」それを賭けることを表す。「命―」人数を表す語に付いて、その人数だけ腰かけられることを表す。「三人―の椅子」漢語の数詞に付いて、その数の割合であることを表す。「定価の八―で卸す」和語の数詞に付いて、その数だけの倍数であることを表す。「その五つ―」動詞の連用形に付いて、その動作の途中、その動作のついで、の意を表す。「帰り―」「行き―の駄賃」

かけ‐あい【掛(け)合い・懸(け)合い】‐あひ🔗🔉

かけ‐あい【掛(け)合い・懸(け)合い】‐あひ 互いに掛けること。「技の―」「水の―」要求などについて先方と話し合うこと。交渉。談判。「地主に―に行く」一つの事を二人以上が交互にすること。また、その演芸。掛け合い話、掛け合い万歳の類。「―で歌う」歌舞伎舞踊で、二種以上の異なった流派が伴奏音楽を交互に、あるいは同時に分担演奏すること。「喜撰(きせん)」での清元と長唄の掛け合いなど。義太夫節で、二人以上の太夫が登場人物をそれぞれ分担して語ること。双方が正面から攻め合うこと。「平家は定めて大勢なれば、砥浪山(となみやま)打越え、ひろみへ出て―の戦にてぞあらんずらん」〈平家・七〉

かけあい‐ばなし【掛(け)合い話】かけあひ‐🔗🔉

かけあい‐ばなし【掛(け)合い話】かけあひ‐ 寄席演芸の一。まじめな役ととぼけた役の二人の芸人が、こっけいな対話をするもの。明治時代に盛行した。漫才の先行演芸。

かけあい‐まんざい【掛(け)合い万歳】かけあひ‐🔗🔉

かけあい‐まんざい【掛(け)合い万歳】かけあひ‐ 二人または数人が、こっけいなせりふをやり取りする万歳。

かけ‐あ・う【掛(け)合う・懸(け)合う】‐あふ🔗🔉

かけ‐あ・う【掛(け)合う・懸(け)合う】‐あふ [動ワ五(ハ四)]互いに掛ける。「声を―・う」要求について先方と話しあう。交渉する。談判する。「家賃について大家と―・う」匹敵する。照応する。「猫の一年は人間の十年に―・う」〈漱石・吾輩は猫である〉

かけ‐あきない【掛(け)商い】‐あきなひ🔗🔉

かけ‐あきない【掛(け)商い】‐あきなひ 掛け売りでする商売。現金商い。

かけ‐あわ・す【掛(け)合(わ)す】‐あはす🔗🔉

かけ‐あわ・す【掛(け)合(わ)す】‐あはす [動サ五]「掛け合わせる」に同じ。「ライオンとヒョウを―・してレオポンをつくる」[動サ下二]「かけあわせる」の文語形。

かけ‐あわせ【掛(け)合(わ)せ】‐あはせ🔗🔉

かけ‐あわせ【掛(け)合(わ)せ】‐あはせ 交配すること。また、その結果生じたもの。二種以上の色を重ねること。

かけ‐あわ・せる【掛(け)合(わ)せる】‐あはせる🔗🔉

かけ‐あわ・せる【掛(け)合(わ)せる】‐あはせる [動サ下一]かけあは・す[サ下二]掛け算をする。「二と三を―・せると六」交配する。交尾させる。「いのししと豚を―・せる」二つのものを照らし合わせる。「彼の発言と行動とを―・せてみる」印刷などで、二種以上の色を重ねて別の色を出すこと。「黄と青を―・せて緑色を出す」

かけ‐あんどん【掛(け)行△灯】🔗🔉

かけ‐あんどん【掛(け)行灯】 家の入り口や店先、または柱・廊下などにかけていた行灯。かけあんどう。

かけ‐えり【掛(け)襟】🔗🔉

かけ‐えり【掛(け)襟】 汚れやいたみを防ぐために、和服の襟の上に共布でかけた襟。ともえり。丹前・半纏(はんてん)・夜具などの襟の上に、汚れやいたみを防ぐためにさらに重ねて掛ける別布や共布の襟。

かけ‐おび【掛(け)帯】🔗🔉

かけ‐おび【掛(け)帯】 社寺参詣の女性が、物忌みのしるしとして用いた赤い帯。赤色の絹を畳み、胸の前に掛け、背後で結んだもの。近世の女子の盛装に用いた裳(も)のひも。裳の大腰につけ、肩に掛けて胸の前で結ぶもの。

かけ‐がえ【掛(け)替え】‐がへ🔗🔉

かけ‐がえ【掛(け)替え】‐がへ 《「かけかえ」とも》かけかえること。また、そのもの。予備のために用意しておく同種類のもの。かわり。「命と―の漁場が」〈有島・生れ出づる悩み〉

掛け替えのな・い🔗🔉

掛け替えのな・い かわりになるものがない。このうえなく大切な。「―・い人を失う」

かけ‐か・える【掛(け)替える】‐かへる🔗🔉

かけ‐か・える【掛(け)替える】‐かへる [動ア下一]かけか・ふ[ハ下二]取り外して、別のものを掛ける。「応接間の絵を―・える」掛ける場所や相手をかえて掛ける。「電話を―・える」

かけ‐がね【掛(け)金】🔗🔉

かけ‐がね【掛(け)金】 戸や箱などに取り付け、もう一方の金具に掛けて開かないようにする金具。

かけ‐かまい【掛(け)構い】‐かまひ🔗🔉

かけ‐かまい【掛(け)構い】‐かまひ 気遣うこと。遠慮のあること。「人見知りをせず、年は若し、―のない女であるから」〈鏡花・湯島詣〉(下に否定の語を伴う)かかわり。かかりあい。関係。「―なき伺候の武士も、感涙もよほすばかりなり」〈浄・聖徳太子〉

かけ‐がわら【掛け×瓦】‐がはら🔗🔉

かけ‐がわら【掛け×瓦】‐がはら 登り軒に用いる軒平(のきひら)瓦。

かけ‐きん【掛(け)金】🔗🔉

かけ‐きん【掛(け)金】 日掛け、月掛けなどで定期的に積み立てたり、支払ったりする金。「保険の―を払う」掛け売りの代金。掛け代金。

かけ‐ご【掛(け)子・懸け×籠】🔗🔉

かけ‐ご【掛(け)子・懸け×籠】 箱の縁に掛けて、その中にはまるように作った平たい箱。が箱の底を隠すところから》隔て心。隠し事。底意。「ことばにも虚言(きよごん)なく心にも―なし」〈浄・嫗山姥〉

かけ‐ごい【掛け×乞ひ】‐ごひ🔗🔉

かけ‐ごい【掛け×乞ひ】‐ごひ掛け取り」に同じ。「惣じて―の、無常を観ずる事なかれ」〈浮・永代蔵・五〉《季 冬》

かけ‐ごう【掛(け)香・懸(け)香】‐ガウ🔗🔉

かけ‐ごう【掛(け)香・懸(け)香】‐ガウ 調合した香を絹の小袋に入れたもの。室内にかけたり、女性が懐中したり、ひもをつけて首にかけたりした。におい袋。《季 夏》「―や派手な浴衣の京模様/碧梧桐」

かけ‐こうじ【掛け×麹】‐かうぢ🔗🔉

かけ‐こうじ【掛け×麹】‐かうぢ 清酒のもろみを仕込むのに用いる麹。

かけ‐ごえ【掛(け)声】‐ごゑ🔗🔉

かけ‐ごえ【掛(け)声】‐ごゑ 人に呼びかける声。特に、芝居や競技などで、ひいきの者に呼びかける声。勢いをつけたり、調子をとったりするために出す声。新しいことを始めるときに、意気込んで出す声。転じて、近くある事を始めるという前触れの言葉。「機構改革も―だけに終わる」

かけ‐ことば【掛け△詞・懸け△詞】🔗🔉

かけ‐ことば【掛け詞・懸け詞】 一つの言葉に同時に二つの意味をもたせる修辞法。「立ち別れいなばの山の峰におふるまつとし聞かば今帰り来(こ)む」〈古今・離別〉の歌で、「いなば」に「立ち別れ往(い)なば」と「因幡(いなば)の山」の意味が、また「まつ」に「松」と「待つ」の意味が含まれている類。和歌・謡曲・浄瑠璃などに多くみられる。

かけご‐ぬり【掛(け)子塗(り)】🔗🔉

かけご‐ぬり【掛(け)子塗(り)】 土蔵の観音開きの扉の合わさる部分に、左右が組み合うように段をつけて漆喰(しつくい)を塗ること。

かけ‐こみ【掛(け)込み】🔗🔉

かけ‐こみ【掛(け)込み】 両替をするとき、利ざやを稼ぐために、客から受け取った金銀の目方を実際より少なめに読むこと。また、その利ざや。「銀二匁、三匁のうちにて、五厘、一分の―を見て」〈浮・永代蔵・四〉掛け出し。

かけ‐こ・む【掛け込む】🔗🔉

かけ‐こ・む【掛け込む】 [動マ下二]鍵を掛けて門戸を閉ざす。「その遣戸(やりど)―・めて」〈落窪・二〉

かけ‐ごや【掛(け)小屋】🔗🔉

かけ‐ごや【掛(け)小屋】 臨時にこしらえた興行用などの小屋。

かけ‐ざお【掛け×竿】‐ざを🔗🔉

かけ‐ざお【掛け×竿】‐ざを 手ぬぐい・衣服などを掛けるために横に渡した細い竹。掛け軸をかける竹。

かけ‐さき【掛(け)先】🔗🔉

かけ‐さき【掛(け)先】 掛け売り代金を受け取るべき得意先。また、その代金。「二葉やのお角(かく)に心(しん)から落込んで、―を残らず使い込み」〈一葉・にごりえ〉

かけ‐ざん【掛(け)算】🔗🔉

かけ‐ざん【掛(け)算】 ある数を他の数の表す回数だけ加えた合計を求める計算。乗法。割り算。

かけ‐じ【掛(け)字】🔗🔉

かけ‐じ【掛(け)字】 床の間などに掛ける、文字を書いた掛け軸。また、広く、掛け軸をいう。

かけじ‐かけ【掛(け)字掛(け)】🔗🔉

かけじ‐かけ【掛(け)字掛(け)】掛け物掛け」に同じ。

かけ‐じく【掛(け)軸】‐ヂク🔗🔉

かけ‐じく【掛(け)軸】‐ヂク 書画を軸物に表装し、床の間・壁などに掛けて飾りとするもの。掛け物。

かけ‐しょうじ【掛(け)障子】‐シヤウジ🔗🔉

かけ‐しょうじ【掛(け)障子】‐シヤウジ 和室の小窓や下地窓の内側に、壁に折れ釘を打って掛ける障子。

かけ‐じょうゆ【掛け×醤油】‐ジヤウユ🔗🔉

かけ‐じょうゆ【掛け×醤油】‐ジヤウユ 料理に味つけのためにかける醤油。合わせ醤油を用いる。

かけ‐じる【掛(け)汁】🔗🔉

かけ‐じる【掛(け)汁】 料理に味つけのためにかける汁。

かけ‐ず【掛(け)図】‐ヅ🔗🔉

かけ‐ず【掛(け)図】‐ヅ 地図や標本の絵・図などを掛け軸のようにしたもの。主として教材用。

かけ‐すずり【懸け×硯・掛け×硯】🔗🔉

かけ‐すずり【懸け×硯・掛け×硯】 掛け子のある硯箱。掛け子には硯・墨・水入れなどを入れ、その下の引き出しには小物などを入れる。かけすずりばこ。

かけ‐すて【掛(け)捨て】🔗🔉

かけ‐すて【掛(け)捨て】 《「かけずて」とも》無尽・保険などで、掛け金を期限まで続けず、中途でやめること。損害保険などで、保険期間中に対象となる事故にあわない場合、満期になっても掛け金は戻らないこと。「―の火災保険」

かけ‐せん【掛(け)銭・×賭け銭】🔗🔉

かけ‐せん【掛(け)銭・×賭け銭】 頼母子講(たのもしこう)や無尽などで積み立てていく金。掛け金。中世、領主が領民に課した課銭。勝負事にかける金銭。

かけ‐そば【掛け蕎=麦】🔗🔉

かけ‐そば【掛け蕎麦】 ゆでたそばに熱いつゆだけをかけたもの。ぶっかけそば。かけ。

かけ‐だし【掛(け)出し】🔗🔉

かけ‐だし【掛(け)出し】 建物の一部を突き出して造ること。また、その部分。「―舞台」両替をするとき、客に渡す金銀の目方をごまかして実際より多めに読むこと。また、それによって得る利益。〈日葡〉掛け込み。

かけ‐だ・す【掛(け)出す・懸(け)出す】🔗🔉

かけ‐だ・す【掛(け)出す・懸(け)出す】 [動サ五(四)]桟敷・縁など、建物の一部を本体から突き出して造る。「池へ―・した濡れ縁」両替をするとき、客に渡す金銀の目方をごまかして実際より多く読む。「両替が手前にある物を―・して、身請けの間もなく」〈浮・諸艶大鑑・六〉

かけ‐ちがい【掛(け)違い】‐ちがひ🔗🔉

かけ‐ちがい【掛(け)違い】‐ちがひ かけちがうこと。「ボタンの―」

かけ‐ちが・う【掛(け)違う】‐ちがふ🔗🔉

かけ‐ちが・う【掛(け)違う】‐ちがふ [動ワ五(ハ四)]行き違う。「―・って会えなかった」考え方などが食い違う。「話がどこか―・っている」まちがった所にかける。かけまちがえる。「電話を―・う」

かけ‐つぎ【掛(け)継ぎ・掛(け)接ぎ】🔗🔉

かけ‐つぎ【掛(け)継ぎ・掛(け)接ぎ】 掛け接(は)」に同じ。鉄道レールの継ぎ目が枕木と枕木との間にくるようにする継ぎ方。

かけ‐つなぎ【掛け×繋ぎ・懸け×繋ぎ】🔗🔉

かけ‐つなぎ【掛け×繋ぎ・懸け×繋ぎ】 ヘッジ

かけ‐て【掛けて】🔗🔉

かけ‐て【掛けて】 [副]心にかけて。「山越しの風を時じみ寝(ぬ)る夜おちず家なる妹を―しのひつ」〈万・六〉ちょっと。少しでも。「この人の御ことをだに―聞き給ふは」〈源・夕霧〉(下に打消し・反語の語を伴う)決して。いささかも。「つれなく知らず顔にて、―思ひ寄らぬさまに」〈源・夕顔〉

かけ‐て【掛けて】🔗🔉

かけ‐て【掛けて】 〔連語〕(「…にかけては」の形で用いる)…に関しては。…については。「早起きに―は彼の右に出る者はいない」(「…から…にかけて」「…から…へかけて」の形で)ある所・時から他の所・時まで、動作・状態が及ぶ意を表す。…にわたって。「この鳥は秋から冬に―日本にやって来る」

かけて‐も【掛けても】🔗🔉

かけて‐も【掛けても】 [副]少しでも。「年ごろ殿しろしめすと、承らましかば」〈落窪・三〉(下に打消しの語を伴う)少しも。いささかも。全然。「―この方には言ひ出づることなくて」〈源・須磨〉

かけ‐ど【掛(け)戸】🔗🔉

かけ‐ど【掛(け)戸】 敷居・鴨居の間に入れず、折れ釘に掛けてつるす戸。

かけ‐どけい【掛(け)時‐計】🔗🔉

かけ‐どけい【掛(け)時計】 柱や壁などに掛けておく時計。

かけ‐とり【掛(け)取り】🔗🔉

かけ‐とり【掛(け)取り】 掛け売りの代金を取り立てること。また、その人。掛け乞い。《季 冬》

かけ‐とりひき【掛(け)取引】🔗🔉

かけ‐とりひき【掛(け)取引】 代金を後日支払う契約で行う取引。現金取引。

かけ‐な【掛(け)菜・懸(け)菜】🔗🔉

かけ‐な【掛(け)菜・懸(け)菜】干葉(ひば)」に同じ。《季 冬》「程あらで―にむつき干す家かな/白雄」

かけ‐はぎ【掛け△接ぎ・掛け×矧ぎ】🔗🔉

かけ‐はぎ【掛け接ぎ・掛け×矧ぎ】 布が破れたりしたときに、ついだ所がほとんどわからないようにはぎ合わせる方法。かけつぎ。

かけ‐はし【懸(け)橋・掛(け)橋・△桟・×梯】🔗🔉

かけ‐はし【懸(け)橋・掛(け)橋・桟・×梯】 険しいがけに沿って通行するために板を棚のようにさしかけて造った道。桟道。谷や川など、水の上にかけ渡した橋。橋渡し。なかだち。「両国親善の―となる」はしご。階段。〈和名抄〉

かけ‐はずし【掛(け)外し】‐はづし🔗🔉

かけ‐はずし【掛(け)外し】‐はづし 掛けたり外したりすること。魚釣りで、釣り針が水中で物にひっかかったときに外す道具。

かけ‐はな【掛(け)花】🔗🔉

かけ‐はな【掛(け)花】 四季の花や鳥を組み合わせて薬玉(くすだま)の形に作り、部屋飾りに用いたもの。江戸時代、公家の間で多く行われた。

かけ‐ばな【掛(け)花・懸(け)花】🔗🔉

かけ‐ばな【掛(け)花・懸(け)花】 生け花で、壁・柱などに掛けた花器に生けた花。→置き花 →釣り花

かけ‐ばり【掛(け)針・掛け×鉤】🔗🔉

かけ‐ばり【掛(け)針・掛け×鉤】 裁縫で、布がたるまないように引っ張っておく、釣り針形の道具。くけ台の役目をする。長い柄の先に鉤(かぎ)をつけた漁具。水中の魚を引っ掛けて捕る。

かけ‐びな【掛け×雛】🔗🔉

かけ‐びな【掛け×雛】 雛人形を描いた掛け軸。絵びな。

かけ‐ふだ【掛(け)札・懸(け)札】🔗🔉

かけ‐ふだ【掛(け)札・懸(け)札】 目につきやすい所に掛けておく札。門札や看板など。江戸時代、幕府や領主からの通知事項を記して掲げた札。特に、年貢に関する事項を書いて、名主・庄屋の門や戸口などに掲示した札。

かけ‐べり【掛(け)減り】🔗🔉

かけ‐べり【掛(け)減り】 はかりにかけたとき、最初のときより目方が減ること。目減り。

かけ‐まもり【掛(け)守り・懸(け)守り】🔗🔉

かけ‐まもり【掛(け)守り・懸(け)守り】(にしき)のきれで筒形に作った袋に神仏像や守り札を入れ、ひもで胸にかけるようにしたお守り。平安中期ごろからみられ、上流の女性が用いた。

かけ‐むかい【掛(け)向(か)い】‐むかひ🔗🔉

かけ‐むかい【掛(け)向(か)い】‐むかひ 他人を交えないで、二人が向かい合うこと。差し向かい。「柳之助と―は今日が初発(はじめて)なので」〈紅葉・多情多恨〉二人きりになること。多く夫婦二人だけの生活についていう。「お前さんこそ夫婦―だから今の中はドンドン調達(こしら)えて貰えるサ」〈魯庵・社会百面相〉

かけ‐もち【掛(け)持ち】🔗🔉

かけ‐もち【掛(け)持ち】 [名]スル同時に二つ以上の仕事や役目を一人で受け持つこと。「二本の映画に―で出演する」

かけ‐も・つ【掛(け)持つ】🔗🔉

かけ‐も・つ【掛(け)持つ】 [動タ五(四)]掛け持ちをする。兼務する。兼任する。「高校と中学を―・って教えている」

か・ける【掛ける・懸ける】🔗🔉

か・ける【掛ける・懸ける】 [動カ下一]か・く[カ下二]高い所からぶらさげる。上から下にさげる。垂らす。「すだれを―・ける」「バッグを肩に―・ける」目につくように高い所に掲げる。「看板を―・ける」「獄門に―・ける」高く上げて張る。「帆を―・ける」火に当てるために鍋などをつるしさげる。また、火の上にのせ置く。「ストーブにやかんを―・ける」《竿秤(さおばかり)の鉤(かぎ)につるして重さをはかるところから》目方を量る。「はかりに―・ける」物を一方から他方へ渡す。(「架ける」とも書く)またぐように渡す。かけわたす。「歩道橋を―・ける」細長いものを他の物のまわりに渡す。巻きつけて結ぶ。「たすきを―・ける」「リボンを―・けた箱」張り巡らすようにして組み、つくる。一時的に設営する。「クモが巣を―・ける」「小屋を―・ける」《仮小屋を作って行ったところから》芝居・見世物などを興行する。上演する。「母物を舞台に―・ける」他の物の上にかぶせるようにして物をのせ置く。全体におおう。「布団を―・ける」「テーブルクロスを―・ける」水や粉などを、物の上に注いだり物に打ち当たるようにしたりする。「こしょうを―・ける」「ホースで水を―・ける」建物などに火をつける。燃やす。「館(やかた)に火を―・ける」矢を放つ。「敵陣に矢を―・ける」曲がった物など、ある仕掛けで他の物を捕らえる。ひっかけて留める。「針に―・けて釣り上げる」「ボタンを―・ける」たくらんで陥れる。謀(はかりごと)を用いてだます。「罠(わな)に―・ける」「ぺてんに―・ける」自分で直接そのことをする。自分でそのことを扱う。「今まで手に―・けた仕事の数々」「手塩に―・けて育てる」(多く「手にかける」「人手にかける」の形で)みずから実行して始末する。殺す。「わが子を手に―・けてしまった」目や耳などの感覚や心の働きにとめる。(多く「目にかける」「目をかける」の形で)目に触れさせる。目にとめる。見せる。また、面倒を見る。人の世話をする。「作品をお目に―・ける」「今後とも目を―・けてやってください」(「耳にかける」の形で)聞く。「いくら懇願しても耳に―・けてもくれない」(「心にかける」などの形で)心にとめておく。心配する。「気に―・ける」からだのある部分で受けとめる。「教養を鼻に―・ける」「歯牙にも―・けない」ある働き・作用を仕向ける。また、こちらの気持ちなどを相手へ向ける。「催眠術を―・ける」「暗示に―・ける」「なぞを―・ける」「情けを―・ける」送って相手に届かせる。「電話を―・ける」「言葉を―・ける」取り付けてある仕掛けを働かせて、本体が動かないように固定する。「鍵(かぎ)を―・ける」操作を加えて機械・装置などを作動させる。「目覚ましを―・ける」「レコードを―・ける」「ブレーキを―・ける」道具を用いて他に作用を及ぼす。「アイロンを―・ける」「雑巾を―・けた廊下」望ましくないこと、不都合なことなどを他に与える。こうむらせる。負わせる。「苦労を―・ける」「疑いを―・ける」「迷惑を―・ける」負担すべきものとして押しつける。課する。「税金を―・ける」時間・費用・労力などをそのために使う。費やす。つぎ込む。「内装に金を―・ける」「手間暇―・けて」(多く「…から…にかけて」の形で)ある地域・時間から他の地域・時間までずっと続く。「ただ今東海地方から関東地方に―・けて地震を感じました」「今夜半から明朝に―・けて断水します」(多く「…にかけては」の形で)そのことに関する。「外交手腕に―・けては定評がある」力・重みなどを一方に加えのせる。力などを仕向ける。「体重を―・けて浴びせ倒す」「もみけしの圧力を―・ける」手などを他の物に当て添える。あてがう。「引き戸に手を―・ける」物のある部分を他の物の上に置いて支える。「いすにお―・けください」「肩に手を―・ける」物の上端を他の物に支えさせるようにして立てる。「屋根にはしごを―・ける」それに頼る。ゆだねる。また、頼って処置・世話を受けさせる。「願(がん)を―・ける」「期待を―・ける」「病人を医者に―・ける」議案などを取り上げるために公の場に持ち出す。「公聴会に―・ける」「裁判に―・ける」そこで受け止めて処理する。そこに持ち込んで取り扱う。「篩(ふるい)に―・ける」「印刷機に―・ける」「取り立ての野菜を朝市に―・ける」(多く「…にかけて」の形で)きわめて大切なものを証拠としてあげて、あることを約束する。「神に―・けて誓う」「面目に―・けてもあとへ引けない」保証の契約をして掛け金を払う。「保険を―・ける」二つ以上のものを同時に併せ持つ。兼ねる。「二股(ふたまた)を―・ける」同音を利用して一つの語句に二つの意味を持たせる。掛け詞にする。「和歌では多く『海松布(みるめ)』に『見る目』を―・けて用いられる」さらに増し加える。「馬力を―・ける」「磨きを―・ける」定まった値段にさらに加えのせる。掛け値をする。「原価に五割を―・けた値段で売る」掛け算をする。「二に三を―・けると六になる」交配をする。「ラバは、雌の馬に雄のロバを―・けてできた雑種である」ものにある性質・傾向を与える。「サーブに回転を―・ける」「シュートを―・けた内角球」芸妓などをよぶ。「その芸者を―・けろ」〈荷風・つゆのあとさき〉測って比べる。「筒井つの井筒に―・けしまろが丈(たけ)過ぎにけらしな妹(いも)見ざる間に」〈伊勢・二三〉たとえる。かこつける。「細石(さざれいし)にたとへ、筑波山に―・けて君を願ひ」〈古今・仮名序〉目標にする。「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山―・けて漕ぐ舟泊り知らずも」〈万・九九八〉船を停泊させる。係留する。「港ニ船ヲ―・クル」〈日葡〉掛け売りにする。「―・くるとは二文や五文のこと候ふよ」〈咄・醒睡笑・四〉他の動詞の連用形のあとに付いて用いる。…しはじめる、途中まで…する、今にも…しそうになるの意を表す。「言い―・けてやめる」「死に―・ける」他へ働きを仕向ける意を表す。「仲間に呼び―・ける」「押し―・ける」 [下接句]後足で砂をかける・命を懸ける・腕に縒(よ)りを掛ける・御土砂(おどしや)を掛ける・御目(おめ)に掛ける・思いを掛ける・鎌(かま)を掛ける・口に掛ける・口を掛ける・口の端(は)に掛ける・財布の紐(ひも)を頸(くび)に懸けるよりは心に懸けよ・歯牙(しが)にもかけない・尻(しり)に帆を掛ける・後目(しりめ)に懸ける・之繞(しんにゆう)を掛ける・手に掛ける・手を掛ける・手塩に掛ける・天秤(てんびん)に掛ける・謎(なぞ)を掛ける・縄を掛ける・秤(はかり)に掛ける・拍車を掛ける・橋を掛ける・発破を掛ける・鼻に掛ける・馬力を掛ける・篩(ふるい)に掛ける・股(また)に掛ける・磨きを掛ける・水を掛ける・目に掛ける・目を掛ける・モーションを掛ける・山を掛ける・輪に輪を掛ける・輪を掛ける

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[音]カイ    カ [訓]か‐ける    か‐かる    か‐かり    か‐け [部首]手 [総画数]11 [コード]区点    1961      JIS   335D      S‐JIS 8A7C [分類]常用漢字 [難読語] →おも‐がい【面繋・面懸・羈・面掛】かかりゅうど【掛人】かけがわ【掛川】か‐しゃく【掛錫・挂錫】か‐た【掛搭・挂搭】か‐とう【掛搭】か‐ら【掛絡・掛羅・掛落】くつかけ【沓掛】けい‐かん【挂冠・掛冠】け‐しゃく【掛錫・挂錫】さん‐がい【三繋・三懸・三掛】とかけ‐ば【外掛羽】むな‐がい【胸繋・胸懸・鞅・胸掛】むな‐かき【胸繋・胸懸・鞅・胸掛】

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