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こと【言】🔗🔉

こと【言】 《「事(こと)」と同語源》口に出して言うこと。言葉。現代では多く複合語として用いられる。「泣き―(ごと)」「わび―(ごと)」「片―」「一―多い」「旅といへば―にそ易き少なくも妹に恋ひつつ術(すべ)なけなくに」〈万・三七四三〉言葉で表現された事柄・内容。「たらちねの母の命(みこと)の―にあらば年の緒長く頼み過ぎむや」〈万・一七七四〉うわさ。評判。「心には忘るる日なく思へども人の―こそ繁き君にあれ」〈万・六四七〉詩歌。特に、和歌。「この歌は、常にせぬ人の―なり」〈土佐〉体系としての言語。「唐(もろこし)とこの国とは、―異なるものなれど」〈土佐〉

こと【事】🔗🔉

こと【事】 《「言(こと)」と同語源》「もの」が一般に具象性をもつのに対して、思考・意識の対象となるものや、現象・行為・性質など抽象的なものをさす語。世の中に起こる、自然または人事の現象。事柄。出来事。「―の真相」「―の起こり」大変な事態。重大な出来事。「失敗したら―だ」「ここで―を起こしたら苦労が水の泡だ」仕事。用件。「―をなしとげる」物事の状態や経過。また、それを中心とした事情。いきさつ。「―を見守る」「―と次第によっては許さないでもない」行事や儀式。「夜いたう更けてなむ、―果てける」〈源・花宴〉生命。「いみじき―の閉ぢめを見つるに」〈源・幻〉言外に了解されている、ある事柄。例のこと。「この僧、彼の女に合宿して、―ども企てけるが」〈著聞集・二〇〉食事。特に、僧の夜食。「ある人、―をして贈りたりけるに」〈著聞集・一八〉他の語句をうけて、その語句の表す行為や事態を体言化する形式名詞。行為。仕業。「つまらない―をしでかしたものだ」ある対象に関連する事柄。「映画の―は彼が詳しい」「後の―は君に一任する」心情や動作の向かっている対象。「君の―が好きだ」「家族の―を大切にする」言葉の内容や意味。「君の言う―はわからないでもない」文章の段落などの題目。「イソポが生涯の―」(「…ということだ」「…とのことだ」などの形で)噂。伝聞。「彼も結婚したという―だ」(「…ことがある」などの形で)場合。「ときどき郵便物が返ってくる―がある」(「…ことがある」などの形で)経験。「アメリカなら行った―がある」(「…ことはない」などの形で)必要。「そこまでしてやる―はない」(「…だけのことはある」などの形で)価値。「専門家に任せただけの―はあって、見事な出来だ」「わざわざ出かけただけの―はあった」(「…のことだ」などの形で)ある言葉の指し示す対象である意を表す。「九郎判官とは源義経の―だ」(「…ことにする」「…こととする」などの形で)決定する意を表す。「やっぱり田舎に帰る―にするよ」(「…ことにしている」などの形で)意図的な習慣にしている意を表す。「毎朝ジョギングする―にしている」(「…ことになる」「…こととなる」などの形で)結果的にそうなる意を表す。「今度の会談で、国際情勢は新たな局面を迎える―になった」(「…ことになっている」などの形で)既に規則や予定で、そう決まっている意を表す。「法律で弁償しなくてはならない―になっている」「来秋から留学する―になっている」(「…ことだ」などの形で)話し手自身の判断に基づいた進言・忠告である意を表す。「入院を機に、ゆっくり休む―だ」「彼にはよく謝っておく―だな」(「…をこととする」などの形で)その行為に没頭していること、それを当面の仕事としていることを表す。「晴耕雨読を―とする」「銭積もりて尽きざるときは、宴飲声色を―とせず」〈徒然草・二一七〉それに関して言えば、の意を表す。「私―この度転居致しました」通称・雅号などと本名との間に用いて、両名称の指す人物が同一であることを表す。「楠公(なんこう)―楠木正成」活用語の連体形に付いて句を体言化し、そこに述べられた事柄をきわだたせる意を表す。「未来を予知する―ができる」「走る―は走るけれど、遅い」「間もなく帰る―と思います」形容詞・形容動詞の連体形に付いて、その状態を強調する意を表す。「長い―お世話になりました」「不思議な―にからだが宙に浮いた」「の」を介して程度を示す副詞に付き、さらに強調する意を表す。「なおの―悪い」「いっその―やめたらどうだ」(多く「…ごと」の形で用いる)動詞の連用形、名詞、形容動詞の語幹に付いて、事柄としての行為や状態を表す。「考え―」「悩み―」「色―」「きれい―」真似をする遊びであることを表す。「まま―」「鬼―(=鬼ごっこ)」活用語の連用形に付いて、句を体言化する。「呉人が西施をくせ物と云ひ―は無益なり」〈中華若木詩抄〉→こと〔終助〕 [下接語]当て事・好(い)い事・一つ事・若しもの事・我が事(ごと)遊び事・徒(あだ)事・他(あだ)し事・荒(あら)事・案じ事・粋(いき)事・痛事・入れ事・色事・祝い事・憂い事・絵空事・大事・公(おおやけ)事・鬼事・隠し事・隠れ事・賭(か)け事・考え事・綺麗(きれい)事・稽古(けいこ)事・景事・芸事・拵(こしら)え事・酒(さか)事・杯事・定め事・戯(ざ)れ事・仕事・実(じつ)事・忍び事・修羅(しゆら)事・冗談事・勝負事・所作(しよさ)事・心配事・空事・徒(ただ)事・茶事・作り事・艶(つや)事・出来事・手事・内証(ないしよ)事・慰み事・何事・習い事・濡(ぬ)れ事・願い事・祈(ね)ぎ事・囃子(はやし)事・僻(ひが)事・人事・秘め事・節事・振り事・舞事・禍(まが)事・真似(まね)事・飯(まま)事・見事・密(みそ)か事・無駄事・物事・揉(も)め事・約束事・(やつ)し事・由(ゆえ)無し事・余所(よそ)事・和事・業(わざ)事・私事・笑い事

こと【異】🔗🔉

こと【異】 [名]別のもの。他のもの。「下の十巻を、明日にならば、―をぞ見給ひ合はするとて」〈枕・二三〉名詞の上に付いて複合語を作り、別の、他の、などの意を表す。「―どころ(異所)」「―ひと(異人)」[形動ナリ]それぞれ別々なさま。まちまちなさま。「もろこしとこの国とは、言(こと)―なるものなれど」〈土佐〉→異なる普通と違っているさま。格別なさま。「この皇子(みこ)生まれ給ひて後は、いと心―に思ほしおきてたれば」〈源・桐壺〉→殊(こと)

こと【琴・×箏】🔗🔉

こと【琴・×箏】 (そう)のこと。箏が流行弦楽器となった江戸時代以後、特にいわれる。近年は「琴」の字を当てて、箏を表すことも多い。日本で、弦楽器の総称。「琴」の字を当てたが、のち「箏」の字も用いた。琴(きん)・箏(そう)・和琴(わごん)・百済琴(くだらごと)・新羅琴(しらぎごと)などのすべてをさす。

こ‐と【古都】🔗🔉

こ‐と【古都】 古い都。昔の都。旧都。「―奈良」

こ‐と【古渡】🔗🔉

こ‐と【古渡】古渡(こわた)」に同じ。

こ‐と【×糊塗】🔗🔉

こ‐と【×糊塗】 [名]スル一時しのぎにごまかすこと。その場を何とか取り繕うこと。「失態を―する」

こと🔗🔉

こと [副]未然形に「ば」のついた仮定条件を表す句を導き、どうせ(…なら)、同じ(…なら)、の意を表す。「―放(さ)けば沖ゆ放けなむ湊より辺(へ)付かふ時に放くべきものか」〈万・一四〇二〉◆助動詞「ごとし」は、この「こと」に形容詞を作る接尾語「し」のついた「ことし」が濁音化したもの。

こと🔗🔉

こと [終助]《形式名詞「こと」から》活用語の連体形に付く。ただし、形容動詞・助動詞「だ」には終止形にも付く。感動を表す。「まあ、きれいに咲いた―」「大変な人出だ―」質問の意を表す。「お変わりありません―」「これでいい―」同意を求めたり、勧誘したりする意を表す。「皆さんもそうお思いにならない―」「そろそろいらっしゃいません―」(「ことよ」の形で)婉曲(えんきよく)な断定を表す。「気を遣わなくてもいい―よ」「学生らしくない―よ」命令・注意の意を表す。「明日までに用意する―」「大声を出さない―」◆文を止めて感動を表す用法が終助詞化してできたもの。を除いては、主に女性の会話に用いられる。

こと‐あげ【言挙げ・言揚げ】🔗🔉

こと‐あげ【言挙げ・言揚げ】 [名]スルことさら言葉に出して言いたてること。揚言。「葦原(あしはら)の瑞穂(みづほ)の国は神(かむ)ながら―せぬ国」〈万・三二五三〉

こと‐あたらし・い【事新しい】🔗🔉

こと‐あたらし・い【事新しい】 [形]ことあたら・し[シク]今までのものと違って新しい。「―・い出品はない」ことさらに取り上げるさま。わざとらしい。「―・く説明するまでもない」

こと‐あまつかみ【△別天つ神】🔗🔉

こと‐あまつかみ【別天つ神】 古事記で、天地開闢(かいびやく)の初めに現れたとされる神。天つ神の中で別格とされる。天之御中主神(あまのみなかぬしのかみ)・高御産巣日神(たかみむすひのかみ)・神産巣日神(かみむすひのかみ)・宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこじのかみ)・天之常立神(あまのとこたちのかみ)の五神。

こと‐あやまり【言誤り】🔗🔉

こと‐あやまり【言誤り】 言葉のまちがい。言いあやまり。言いそこない。「小さき子どもなどの侍るが、―しつべきも、言ひ紛らはして」〈源・夕顔〉

こと‐あやまり【事誤り】🔗🔉

こと‐あやまり【事誤り】 事の行き違い。事のまちがい。過失。「花の香をえならぬ袖に移しもて―と妹(いも)やとがめむ」〈源・梅枝〉

ことあり‐がお【事有り顔】‐がほ🔗🔉

ことあり‐がお【事有り顔】‐がほ [名・形動]何かわけのありそうな顔つき。また、そのさま。「―なひそひそ話」「―で集まっている」

ことあり‐げ【事有り気】🔗🔉

ことあり‐げ【事有り気】 [形動][ナリ]いかにも特別な事情がありそうなさま。「―にメモを渡す」

こと‐あれかし【事有れかし】🔗🔉

こと‐あれかし【事有れかし】 〔連語〕《「かし」は強めの終助詞》何か事件などが起こればいいと待ち望むようす。事が起こってくれよ。「―と待ち構える」

ことい【特=牛】ことひ🔗🔉

ことい【特牛】ことひこというし」に同じ。「淡路の門(と)渡る―こそ、角を並べて渡るなれ」〈梁塵秘抄・二〉

ことい‐うし【△特牛】ことひ‐🔗🔉

ことい‐うし【特牛】ことひ‐ 《古くは「こというじ」とも》頭が大きく、強健で、重荷を負うことのできる牡牛。ことい。こってい。こといのうし。「しぶしぶに馬鍬(まぐわ)引く小田の―打たれぬ先に歩めと思へど」〈草径集〉

こというし‐の【△特牛の】ことひうし‐🔗🔉

こというし‐の【特牛の】ことひうし‐ 〔枕〕特牛が租米を屯倉(みやけ)に運ぶところから、地名の「みやけ(三宅)」にかかる。「―三宅の潟(かた)にさし向かふ」〈万・一七八〇〉

こと‐い・ず【言△出づ】‐いづ🔗🔉

こと‐い・ず【言出づ】‐いづ [動ダ下二]言い出す。ことず。「おほなおほな―・づる事を物憂くはもてなすべきぞ」〈源・早蕨〉楽器の音を出す。「想夫恋(さうふれん)は、心とさしすぎて―・で給はむや」〈源・横笛〉

こと‐いた【琴板】🔗🔉

こと‐いた【琴板】 琴占(ことうら)に用いる檜(ひのき)の板。長さ約七五センチ、幅約三〇センチ、厚さ約三センチ余りのもので、笏(しやく)でたたいて神おろしを行う。→琴占

こと‐いと【琴糸】🔗🔉

こと‐いと【琴糸】 琴に張る糸。琴の緒。琴の弦。

ことい‐の‐うし【△特牛】ことひ‐🔗🔉

ことい‐の‐うし【特牛】ことひ‐こというし」に同じ。「―を二疋(ひき)までただ一月に見殺(たを)し」〈浮・沖津白浪〉

こと‐いみ【言忌み】🔗🔉

こと‐いみ【言忌み】 不吉な言葉を使うのを避けること。「―もえしあへず、もの嘆かしげなるさまの」〈源・浮舟〉

こと‐いみ【事忌み】🔗🔉

こと‐いみ【事忌み】 不吉なことを忌み慎むこと。「世の人のする―などもせぬ所なればや、かうはあらむ」〈かげろふ・中〉

こ‐とう【戸頭】🔗🔉

こ‐とう【戸頭】 律令制で、一戸の長のこと。戸主。

こ‐とう【古刀】‐タウ🔗🔉

こ‐とう【古刀】‐タウ 古い刀剣。特に、慶長年間(一五九六〜一六一五)以前に作られた刀剣の称。→新刀

こ‐とう【古塔】‐タフ🔗🔉

こ‐とう【古塔】‐タフ 古い塔。昔の塔。

こ‐とう【孤灯】🔗🔉

こ‐とう【孤灯】 一つだけともっている灯火。

こ‐とう【孤島】‐タウ🔗🔉

こ‐とう【孤島】‐タウ 陸地や他の島から一つだけ遠く離れている島。「絶海の―」

こ‐とう【弧灯】🔗🔉

こ‐とう【弧灯】 アーク灯のこと。

こ‐とう【×胡豆】🔗🔉

こ‐とう【×胡豆】 エンドウの別名。

こ‐とう【湖頭】🔗🔉

こ‐とう【湖頭】 湖のほとり。特に、湖に河川などの注ぎ込む所。

こと‐うけ【言△承け】🔗🔉

こと‐うけ【言承け】 受け答え。返答。また、引き受けること。承知。「都の人は、―のみよくて実(まこと)なし」〈徒然・一四一〉

こと‐うた【琴歌・×箏歌】🔗🔉

こと‐うた【琴歌・×箏歌】 琴に合わせてうたう歌。歌舞伎下座音楽の一。の感じを取り入れたもので、時代物の御殿の場の幕開きなどに用いる。普通は三味線を伴奏とする。

ことう‐ぶんじろう【小藤文次郎】‐ブンジラウ🔗🔉

ことう‐ぶんじろう【小藤文次郎】‐ブンジラウ一八五六〜一九三五]地質学者。島根の生まれ。東京帝大教授。ドイツに留学。日本岩石学・火山学・地震地質学・東亜地質学の分野で開拓者となった。

ことう‐やき【湖東焼】🔗🔉

ことう‐やき【湖東焼】 琵琶湖東岸の滋賀県彦根市付近で焼成された陶磁器。井伊家の藩窯となったが、文久二年(一八六二)廃窯。広義には明治二八年(一八九五)まで同地方で焼かれたものも含む。

こと‐うら【琴△占】🔗🔉

こと‐うら【琴占】 古代の占いの一。琴を弾いて神霊を迎え、神がかりした人の口から出る託宣によって吉凶を占った。後世は、琴の代わりに琴板(こといた)を笏(しやく)でたたいて占った。→琴板

こと‐うるわ・し【言△美はし】‐うるはし🔗🔉

こと‐うるわ・し【言美はし】‐うるはし [形シク]言葉遣いがきちんとしていて、端正である。「若くかたちよき人の―・しきは忘れがたく」〈徒然・二三三〉

こと‐うるわ・し【事△美はし】‐うるはし🔗🔉

こと‐うるわ・し【事美はし】‐うるはし [形シク]物事のようすがきちんとしていて、端正である。「狩衣(かりぎぬ)に青袴きたるが、いと―・しく」〈宇治拾遺・一四〉

こと‐えり【言△選り】🔗🔉

こと‐えり【言選り】 用語を選択すること。言葉選び。「文を書けど、おほどかに―をし」〈源・帚木〉

こと‐おさめ【事納め】‐をさめ🔗🔉

こと‐おさめ【事納め】‐をさめ 物事のしおさめ。御事納(おことおさ)」に同じ。御事納(おことおさ)」に同じ。《季 冬》「灯ともして下城の人や―/鳴雪」

こと‐おとこ【異男】‐をとこ🔗🔉

こと‐おとこ【異男】‐をとこ ほかの男。夫以外の情人である男。他(あだ)し男。「別当が妻、―にかたらはれて、跡を晦(くら)うして失(うせ)ぬ」〈宇治拾遺・三〉

こと‐おり【異折】‐をり🔗🔉

こと‐おり【異折】‐をり 別の時。ほかの機会。「いつか―は、さはしたりし」〈能因本枕・四六〉

こと‐おんな【異女】‐をんな🔗🔉

こと‐おんな【異女】‐をんな ほかの女。妻以外の情人である女。他(あだ)し女。「―に思ひつきて、思ひ出でずなり侍りにけり」〈後拾遺・雑中・詞書〉

こと‐かき【事欠き】🔗🔉

こと‐かき【事欠き】 ある物が不足したり欠如したりしていること。また、物がなくて不自由すること。「昔は天子も諸侯も師匠といふ者あり。今はなし。…これそ―の第一なるべきか」〈仮・清水物語〉間に合わせ。「夜半油をきらして、女房の髪の油を―にさすなど」〈浮・永代蔵・四〉

こと‐がき【事書(き)】🔗🔉

こと‐がき【事書(き)】 文書で「一、…の事」という書式で書くこと。また、その書式で書いたもの。箇条書き。古文書学の用語。公文書の本文の前にあって、「…事」と主旨を要約して記載した部分。(「言書き」とも書く)和歌の初めに書く小序。詞書(ことばがき)。「―に私の家にてと書かれたれば」〈謡・定家〉

こと‐か・く【事欠く】🔗🔉

こと‐か・く【事欠く】 [動カ五(四)]物が不足する。なくて不自由する。「食べる物にも―・く始末」(「…にことかく」の形で用いて)他に適当なことがあるのに、よりによってわざわざそんなことをする。「言うに―・いて家族の悪口までしゃべるとは」→事を欠く[動カ下二]に同じ。「遁世者は、なきに―・けぬやうを計らひて過ぐる、最上のやうにてあるなり」〈徒然・九八〉

こと‐かけ【事欠け】🔗🔉

こと‐かけ【事欠け】 事欠き」に同じ。「いかに―なればとて、いつの程よりかく物毎をさもしくなしぬ」〈浮・一代男・一〉事欠き」に同じ。「これらは美児人(びせうじん)のなき国の―、隠居の親仁の翫(もてあそ)びのたぐひなるべし」〈浮・男色大鑑・一〉

こと‐かた【異方】🔗🔉

こと‐かた【異方】 別の所。別の方面。「しばし、―にやすらひて参り来む」〈源・葵〉

こと‐かたら・う【言語らふ】‐かたらふ🔗🔉

こと‐かたら・う【言語らふ】‐かたらふ [動ハ四]言葉を交わす。語り合う。「音にのみ聞けば悲しなほととぎす―・はむと思ふ心あり」〈かげろふ・上〉

こと‐がま・し【事がまし】🔗🔉

こと‐がま・し【事がまし】 [形シク]仰々(ぎようぎよう)しい。ことごとしい。大げさだ。「その体(てい)―・しく出で立ちたり」〈曾我・九〉

こと‐がま・し【言×囂し】🔗🔉

こと‐がま・し【言×囂し】 [形シク]言葉が多い。口やかましい。うるさい。「さがなく―・しきも、しばしは、なまむつかしう」〈源・夕霧〉

こと‐がみ【琴△頭】🔗🔉

こと‐がみ【琴頭】 琴の頭の方。琴尾(ことじり)

こと‐がら【言柄】🔗🔉

こと‐がら【言柄】 歌などの、言葉の品位や趣。「今の世の人の詠みぬべき―とは見えず」〈徒然・一四〉

こと‐がら【事柄】🔗🔉

こと‐がら【事柄】 物事の内容・ようす。また、物事そのもの。「調べた―を発表する」「新企画に関する極秘の―」「重大な―」《「こつがら(骨柄)」の音変化という》人物のありさま。体格。品格。「つらだましひ、―、いづれも劣らず」〈平家・九〉

こと‐かわ・る【事変(わ)る】‐かはる🔗🔉

こと‐かわ・る【事変(わ)る】‐かはる [動ラ五(四)]ようすが違う。趣が変わる。「以前とは―・ってカラフルな制服が多くなった」

こと‐き【異木】🔗🔉

こと‐き【異木】 別の木。ほかの木。「桐の木の花…、―どもと等しう言ふべきにもあらず」〈枕・三七〉

こと‐ぎれ【事切れ】🔗🔉

こと‐ぎれ【事切れ】 事が終わること。決着がつくこと。息が絶えること。死ぬこと。

ことぎれ‐の‐ごせいばい【事切の御成敗】🔗🔉

ことぎれ‐の‐ごせいばい【事切の御成敗】 鎌倉時代の裁判で、勝訴の訴人または論人(被告)に下知状を下付して結審としたこと。

ことぎれ‐もんじょ【事切文書】🔗🔉

ことぎれ‐もんじょ【事切文書】 鎌倉時代、落着した裁判の一件書類。

こと‐き・れる【事切れる】🔗🔉

こと‐き・れる【事切れる】 [動ラ下一]ことき・る[ラ下二]息が絶える。死ぬ。「救急車が来たときにはすでに―・れていた」事が終わる。落着する。「疾(とく)してあはれ―・れよかし」〈平治・上〉

こ‐とく【古徳】🔗🔉

こ‐とく【古徳】 昔の、徳をつんだ人。昔の聖(ひじり)

こと‐ぐさ【言△種】🔗🔉

こと‐ぐさ【言種】 いつも口にすること。口ぐせ。「山里に問ひ来る人の―はこの住まひこそ羨(うらや)ましけれ」〈新古今・雑中〉話のたね。語りぐさ。話題。「このごろ、世の人の―に…と、ことにふれつつ言ひ散らすを」〈源・篝火〉

こと‐くに【異国】🔗🔉

こと‐くに【異国】 ほかの国。別の国。他国。異郷。「おのが国にはあらで、―に田を作りけるが」〈宇治拾遺・四〉外国。とつくに。「広く―の事を知らぬ女のためとなむ覚ゆる」〈源・常夏〉

ことくらく【胡徳楽】🔗🔉

ことくらく【胡徳楽】 雅楽。高麗楽(こまがく)。高麗壱越(こまいちこつ)調の小曲。舞楽は六人で演じる。酔ったしぐさで舞うこっけいな曲。

こと‐くらげ【琴水=母】🔗🔉

こと‐くらげ【琴水母】 コトクラゲ科の腔腸(こうちよう)動物。遊泳せず、海底にすむ。体長一二〜一五センチ。体は竪琴(たてごと)に似て、両端から長い羽根状の触手を出す。体色は黄・灰・淡紅色で、濃紅色のいぼが多数ある。

こと‐ごころ【異心】🔗🔉

こと‐ごころ【異心】 ほかの事を思うこと。別の考え。他意。「―なくて、夜を昼になしてなむ、急ぎまかで来し」〈宇津保・吹上上〉ほかの人を思う心。ふたごころ。あだしごころ。浮気心。「年ごろ―なくて過ぐし給へるなどを」〈源・藤裏葉〉

こと‐こと【異異】🔗🔉

こと‐こと【異異】 [名・形動ナリ]それぞれに異なること。また、そのさま。まちまち。別々。副詞的にも用いる。「人はみな御宿世といふもの―なれば」〈源・椎本〉「梅の香のふりおける雪にまがひせば誰か―わきて折らまし」〈古今・冬〉

こと‐こと🔗🔉

こと‐こと [副]軽く物をたたいたとき、または軽い物が触れ合うときの音を表す語。「風で裏木戸が―(と)鳴る」あまり強くない火力で鍋の中の物が煮える音を表す語。「弱火で―(と)煮込む」

こと‐ごと【×悉・△尽】🔗🔉

こと‐ごと【×悉・尽】 《「事事(ことごと)」の意から》あのことも、このこともすべて。あるもの全部。あるかぎり。副詞的にも用いる。「夜はも夜の―昼はも日の―」〈万・一五五〉「はたこらが夜昼といはず行く道を我は―宮道(みやぢ)にぞする」〈万・一九三〉

こと‐ごと【事事】🔗🔉

こと‐ごと【事事】 このこと、あのこと。いろいろな事。「―なすことなくして、身は老いぬ」〈徒然・一八八〉

こと‐ごと【異事】🔗🔉

こと‐ごと【異事】 ほかの事。別の事。「―に言ひ紛らはして、おのおの別れぬ」〈源・若菜上〉

ことごと‐く【×悉く・△尽く】🔗🔉

ことごと‐く【×悉く・尽く】 [副]問題にしているもの全部。残らず。すべて。みな。「財産を―投げ打つ」「見るもの聞くもの―が珍しい」

ことごと‐し・い【事事しい】🔗🔉

ことごと‐し・い【事事しい】 [形]ことごと・し[シク]大げさである。ものものしい。仰々(ぎようぎよう)しい。「―・くあいさつを述べる」「―・い警戒」 [派生]ことごとしげ[形動]ことごとしさ[名]

ことごと‐に【事△毎に】🔗🔉

ことごと‐に【事毎に】 [副]物事があるたびに。事につけて。いつも。「―反対する」

こと‐ごのみ【事好み】🔗🔉

こと‐ごのみ【事好み】 風流を好むこと。物好き。好事(こうず)。「もの清げに住みなし、―したるほどよりは」〈源・東屋〉

こと‐こまか【事細か】🔗🔉

こと‐こまか【事細か】 [形動][ナリ]こまごまと詳しいさま。つまびらかなさま。詳細。ことこまやか。「―に説明する」

こと‐こまか・い【事細かい】🔗🔉

こと‐こまか・い【事細かい】 [形]注意などが、細部にまで及んでいる。詳細である。「―・く指示を与える」

こと‐こまやか【事細やか】🔗🔉

こと‐こまやか【事細やか】 [形動][ナリ]「ことこまか」に同じ。「―な検討を加える」

こと‐ざ【琴座】🔗🔉

こと‐ざ【琴座】 北天の星座の一。八月下旬の午後八時ごろ南中し、天頂近くに見える。天の川の西岸にあり、α(アルフア)星は光度〇・〇等のベガ(織女星)、β(ベータ)星は周期一二・九日の食変光星。環状星雲も含まれる。学名 (ラテン)Lyra

こと‐ざえ【異△才】🔗🔉

こと‐ざえ【異才】 他の才。ほかの芸能や学問。「琴をば更にもいはず、―もさるべき師ども召して」〈宇津保・俊蔭〉

こと‐さえく【言×喧く】‐さへく🔗🔉

こと‐さえく【言×喧く】‐さへく 〔枕〕外国人が意味の通じない言葉をしゃべる意から、「韓(から)」「百済(くだら)」にかかる。ことさやぐ。「―辛(から)の崎なる」〈万・一三五〉「―百済の原ゆ」〈万・一九九〉

こと‐さきく【事△幸く】🔗🔉

こと‐さきく【事幸く】 [副]無事で。平安に。しあわせに。「―、ま幸(さき)くませと」〈万・三二五三〉◆一説に、「言(こと)幸く」で、言霊(ことだま)の力によって無事であるように、の意とも。

こと‐ざま【事様】🔗🔉

こと‐ざま【事様】 事のありさま。事の次第。ようす。「ぬえ鳥も喚子鳥(よぶこどり)の―に通ひてきこゆ」〈徒然・二一〇〉心のありさま。心のもちよう。「大方は、家居にこそ―はおしはからるれ」〈徒然・一〇〉

こと‐ざま【異様】🔗🔉

こと‐ざま【異様】 [名・形動ナリ]普通とは変わったありさま。ことよう。「かたちの―にて、うたてげに変はりて侍らば」〈源・賢木〉期待などに反しているか、または今までと違ったありさま。「ねむごろに言ひ契りける女の―になりにければ」〈伊勢・一一二〉他の方面。ほかの人。「さりとて、―の頼もしき方もなし」〈和泉式部日記〉

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[音]イ [訓]こと    こと‐なる    あや‐しむ [部首]田 [総画数]11 [コード]区点    1659      JIS   305B      S‐JIS 88D9 [分類]常用漢字 [難読語] →い‐あんじん【異安心】け‐い【怪異】こころ‐こと【心異・心殊】こと‐おとこ【異男】こと‐おり【異折】こと‐おんな【異女】こと‐ざえ【異才】こと‐ざま【異様】しゃ‐い【差異】しゅん‐い【俊異・儁異】たんにしょう【歎異抄】

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[音]キン    ゴン [訓]こと [部首]玉 [総画数]12 [コード]区点    2255      JIS   3657      S‐JIS 8BD5 [分類]常用漢字 [難読語] →きん‐き【琴棋・琴碁】こと‐がみ【琴頭】こと‐じ【琴柱・箏柱】こと‐じり【琴尾・琴尻・琴後】ことじりしゅう【琴後集】びやぼん【琵琶笛・口琴】よき‐こと‐きく【斧琴菊】

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[音]ゲン    ゴン [訓]い‐う    こと    ことば    われ [部首]言 [総画数]7 [コード]区点    2432      JIS   3840      S‐JIS 8CBE [分類]常用漢字 [難読語] →い‐ごん【遺言】いたずら‐ごと【徒言】いつのことわき【稜威言別】いん‐だいなごん【尹大納言】うわ‐ごと【譫言・囈言】おおい‐ものもうすつかさ【大納言】およずれ‐ごと【妖言】か‐ごと【託言】かね‐ごと【予言・兼ね言】けと‐ば【言葉】げん‐ぎょ【言語】げんぎょししゅろん【言語四種論】げん‐ち【言質】こと‐ぐさ【言種】こと・ず【言出】こと‐だま【言霊】ことだまのしるべ【言霊指南】こと‐づて【言伝】こととい【言問】こと‐わざ【言事】しい‐ごと【誣言】しりう‐ごと【後言】しりゅう‐ごと【後言】すない‐ものもうし【少納言】せん‐げん【譫言】ぞう‐げん【讒言】そえ‐こと【諷言】そ‐げん【粗言・麁言】そら‐ごと【空言・虚言】たわ‐ごと【戯言】つうげんそうまがき【通言総籬】つて‐こと【伝言・流言】とつ‐げん【訥言】なか‐の‐ものもうすつかさ【中納言】はち‐げん【発言】ひ‐げん【鄙言】ほぎ‐ごと【祝言・寿言・祝詞】むな‐ごと【空言・虚言】ゆ‐げん【諛言】よう‐げん【揚言・言】よ‐ごと【寿詞・吉言】

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[音]サイ [訓]の‐る    の‐せる    み‐ちる    こと    はじめ    すなわち    とし [部首]車 [総画数]13 [コード]区点    2660      JIS   3A5C      S‐JIS 8DDA [分類]常用漢字 [難読語] →ふう‐さい【覆載】

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[音]シツ    シチ [訓]つく‐す    ことごと‐く [部首]心 [総画数]11 [コード]区点    2829      JIS   3C3D      S‐JIS 8EBB [難読語] →しった【悉達・悉多】しったるた【悉達多】しったん【悉曇】しょう‐しつ【詳悉】

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[音]ショウ [訓]くわ‐しい    つまびら‐か    ことごと‐く    いつわ‐る [部首]言 [総画数]13 [コード]区点    3060      JIS   3E5C      S‐JIS 8FDA [分類]常用漢字 [難読語] →しょう‐しつ【詳悉】

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[音]シン    ジン [訓]つ‐きる    つ‐くす    つ‐かす    ことごと‐く [部首]冫 [総画数]6 [コード]区点    3152      JIS   3F54      S‐JIS 9073 [分類]常用漢字 [難読語] →し‐じん【尽】

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[音]ヒツ    ヒチ [訓]おわ‐る    おえ‐る    ことごと‐く    つい‐に [部首]田 [総画数]11 [コード]区点    4113      JIS   492D      S‐JIS 954C [難読語] →ひっ‐きょう【畢竟・必竟】ひっ‐せい【畢生】ひつ‐みょう【畢命】

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[音]シ    ジ    ズ [訓]こと    つか‐える [部首]亅 [総画数]7 [コード]区点    4815      JIS   502F      S‐JIS 98AD

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[音]タン [訓]つ‐きる    ことごと‐く [部首]歹 [総画数]16 [コード]区点    6149      JIS   5D51      S‐JIS 9F70

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[音]シン    ジン [訓]つ‐きる    つ‐くす    つ‐かす    ことごと‐く [部首]皿 [総画数]14 [コード]区点    6624      JIS   6238      S‐JIS E1B6

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[音]サイ [訓]こと [部首]糸 [総画数]16 [コード]区点    6950      JIS   6552      S‐JIS E371

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