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こと【言】🔗⭐🔉
こと【言】

名
口に出していうこと。また、ことば。
「━挙げ・━魂ことだま」
「繰り━ごと・泣き━」
「一━ひとこと」
◇「事」と同語源。




こと【事】🔗⭐🔉
こと【事】

名
〔人間の意識や思考の対象となるもののうち、「もの」の性質・状態、変化、その関係など、抽象的な事柄をさす。実際に見たり触れたりすることのできる「もの」に対する〕
この世に起こる現象や出来事、人間の行為、また、それらの成果・推移などを広くいう。特に、大きな出来事や事件をいう。
「━が起こる前に手を打とう」
「力を尽くして━に当たる」
「━は重大だ」
「心臓発作でも起こしたら━だ」
《連体修飾語を受けて》それによって特徴づけられるさまざまな事柄をいう。
「それはある日の暮れ方の━だった」
「どんな━があってもそこを動くな」
「困った━になった」
「人生には辛い━もあるさ」
「細かい━にはこだわるな」
《「…の━」の形で》それに関連するさまざまな事柄を表す。
「釣りの━なら任せてくれ」
「今後の━は頼む」
「病気の━が心配で…」
《人代名詞や人を表す語+「の━」の形で》その人に関するさまざまな事柄を表す。また、その人そのものについてもいう。
「老父の━が心配だ」
「彼女の━が好きだ」
「太郎君の━をよろしく」
意味の境界が曖昧あいまいな言い方。「…のこと」を省くと、より直截ちょくせつ的な表現となる。「太郎君をよろしく」
《連体修飾語を受けて》ことばで表される内容を表す。意味や指示対象物をいう。
「急にそんな━を言われても困るよ」
「ILOとは国際労働機関の━だ」
「何の━かさっぱり分からない」
《人代名詞に付いて》それについて言う意を表す。…に関して言うと。
「私━この度転居いたしました」
「私こと(=私儀)」の形で使われることが多い。
《雅号・通称などと本名との間にはさんで》同一人物であることを表す。すなわち。
「金太郎━坂田金時さかたのきんとき」
《活用語の連体形を受けて》
《思考・知覚・発話などの精神作用を表す動詞を伴って》精神作用の内容を表す。〜するところの事柄の意。…ところ(のもの)。
「思っている━を言いなさい」
「私が見た━を申し上げます」
活用語を名詞化する。
「見る━は信ずる━である」
「僕は本を読む━が好きだ」
「こと」は文法的に働くだけで、何らかの意味を追加するわけではない。
この応用として、次のような助動詞相当に働く連語がある(それぞれの項目を参照)。→…ことができる(可能。できる

)・…ことだ(勧告や要求。こと
)・…ことがある(経験。また、状況による事態の成立)・…ことがない(未経験)・…ことはない(不必要・事態の不成立)・…ことにする(意志に基づく決定。また、みなし行為)・…こととする(意志に基づく決定)・…ことになる(事態の成立・口裏合わせ・必然的結論など)・…こととなる(事態の成立)
命令的な伝達を表す。…ように。
「決して口外しない━」
「五時までに集合の━」
《「…━だ」の形で》
特定の相手に対する勧告・忠告・要求などを表す。…することが肝心[最善]だ。
「君はとにかくゆっくり休息する━だ」
「文章上達の秘訣ひけつはまず本を読む━だ」
感動・詠嘆を表す。
「故郷の山々は何と懐かしい━だ」
「いやあ、うらやましい━で…」

は、「…ことです(丁寧語)」「…こった(俗語)」などのバリエーションがある。「まあ、景色の美しい━」など、「だ」を伴わない言い方も多い。
《「…という━だ」「…との━だ」の形で》伝聞を表す。…と聞く。…という。
「もうすぐ帰れるという━だ」
「宜よろしくとの━だった」
伝え聞いた情報を直接引用して述べる気持ちで使う。丁寧形は「…という[との]ことです」。
《「…━か」の形で》感動・詠嘆を表す。…ことだろう。
「この絵の何と素晴らしい━か」
「どんなに辛い思いをした━か」
やや古い言い方に「(何と)…ことよ」がある。「めでたい━よのう」
《「…━だろう」の形で》推測を詠嘆的に表す。
「さぞかし無念だった━だろう」
丁寧形は「ことでしょう」。
《「…━だし」の形で》理由や根拠を述べて(または、他にも理由や根拠があることをほのめかして)、下に続ける。
「還暦を迎えた━だし、引退を考え始めているところだ」
「子供のした━だし、許してくれまいか」
「ことだ」の形で、いったん言い切る言い方もある。「夏休みも終わった━だ。あとは頑張るしかない」。また、倒置させて終助詞的にも使う。「ここは私が持とう。先日ご馳走になった━だし…」
丁寧形は「…ことですし」。
《「…━この上ない」の形で》事柄の程度が最高である意を表す。
「面白い━この上ない」
「手のかかる━この上ない」
《「━に(は)」の形で、感情を表す活用語の連体形や完了の助動詞「た」の付いた形を受けて》その感情を事実として強調する。
「ありがたい━に(は)、全員が無事だった」
「困った━に、話すわけにはいかないのだ」
前置きや挿入句の形で副詞的に使う。
《「…━と思う」「…━と存ずる」などの形で》それが相手や第三者についてなされた推測の内容であることを明示する。
「突然の申し入れにさぞや驚かれた━と存じます」
「御承知の━と思いますが、…」
「御迷惑とは思いますが/御迷惑なこととは思いますが」のように、「なこと」は省略しても意味に変わりはないが、丁寧さの度合いは落ちる。
《「…の━」の形で、程度を表す副詞を受けて》その意味を強める。
「なおの━、君が悪い」
「いっその━死んでしまいたい」
「勿論もちろんの━、賛成だ」
《「A━はAだが…」の形で》事実として肯定しながらも、十全に肯定できない要素があることをいう。一応Aであることは確かだが、しかし…。
「行く━は行くが、みずから進んでではない」
「好きな━は好きだが、君ほどではない」
「労作なことは労作だが、深みがない」など、名詞を受けるときは、名詞+「な」の形をとることも多い。
《形容詞の連体形を受けて》全体で副詞のように使って述語を修飾する。
「長い━(=長い間)待たされた」
「早い━(=早めに)済ませてしまおう」
《「…って━よ」の形で》〔俗〕さとすような調子で、相手を説得したり言い含めたりする。
「気にするな。いいって━よ」
「泣いたって仕方がないって━よ」
《「…までの━だ」の形で》→まで
《「…だけの━はある」の形で》→だけ
《動詞の連用形・名詞・形容動詞の語幹などに付いて、「…ごと」と濁って》そのような事柄の意を表す。
「願い━・隠し━・考え━」
「勝負━」
「きれい━」
◆
事件・事態など、実質的な意味を表す
は「事」と書くのが標準的(事が起こる・事を急ぐ)。形式的な意味を表す
〜
は「こと」と書くのが標準的(彼のことが心配だ・見たことがある)。
は、新聞では原則として漢字で書くが、一般にはかな書きも多い(勝負事/勝負ごと)。子見出しに立てた「事が事」「事ここに至る」のような「事」で始まる成句は、漢字で書くのが標準的。
関連語
大分類‖事‖こと
中分類‖事‖こと



























































【事が事こと】🔗⭐🔉
【事が事こと】
その事柄が問題含みであることをいう。
「━だから先行きが心配だ」
【事ここに至いた・る】🔗⭐🔉
【事ここに至いた・る】
どうにも打開しようのない状態に至る。
「━・ってはあきらめざるをえない」
【事、志こころざしと違たが・う】🔗⭐🔉
【事、志こころざしと違たが・う】
現実の結果が意図したものと食い違う。事、志と違ちがう。
【事と次第しだいによ・る】🔗⭐🔉
【事と次第しだいによ・る】
物事の結果や人の対応が事柄や成り行きに左右される。
「━・っては今夜は徹夜だ」
【事ともせ・ず】🔗⭐🔉
【事ともせ・ず】
問題にもせず。物ともせず。
【事なきを・得える】🔗⭐🔉
【事なきを・得える】
危ういところを無事に助かる。
「とっさに身をかわして━」
【事に触ふれ(て)】🔗⭐🔉
【事に触ふれ(て)】
ある物事に触発されて。何かに関連して。
【事によ・る】🔗⭐🔉
【事によ・る】
事にかかわる。事情次第である。
「正直なのも━」
【事によると】🔗⭐🔉
【事によると】
もしかすると。ひょっとして。ことによったら。
【事のついで】🔗⭐🔉
【事のついで】
ちょうどよい機会。もの(ごと)のついで。
「━に言っておく」
【事もあろうに】🔗⭐🔉
【事もあろうに】
他にいろいろあるだろうに、よりによって。あろうことか。
こと【琴(▼箏)】🔗⭐🔉
こと【琴(▼箏)】

名
桐きりで作った中空の胴に弦を張った撥弦はつげん楽器。ふつう弦は一三本で、指につけた三本の爪で弾く。箏そう。
◇古くは撥弦楽器の総称。
「一面いちめん…」「一張ひとはり…」と数える。





こ‐と【古都】🔗⭐🔉
こ‐と【古都】

名
古いみやこ。昔のみやこ。旧都。




こ‐と【▼糊塗】🔗⭐🔉
こ‐と【▼糊塗】

名・他サ変
一時しのぎに、うわべだけをとりつくろうこと。
「失策を━する」




こと🔗⭐🔉
こと

終助
事務的な命令を表す。
「授業中は静かにすること」
「廊下は走らないこと」
◇形式名詞ともする。
軽い感動を表す。
「まあ、お上手だこと!」
「まあ、ご立派なこと!」
「きれいにできたこと」
軽く問いかける気持ちを表す。
「お変わりありませんこと?」
《「ことよ」の形で》断定を和らげる。
「お父様、お怒りになることよ」
◆名詞「こと」から。
活用語の終止形・連体形に付く。

〜
は、古風で上品な言い方。












ごと【▽如】🔗⭐🔉
ごと【▽如】
文語助動詞「ごとし」の語幹
…のようだ、…のように、の意を表す。
「月の━大きな露の玉一つ
高浜虚子
」




ごと🔗⭐🔉
ごと

接尾
《名詞に付いて》そのものも含めて一緒に、の意を表す。…とともに。…ぐるみ。
「皮━たべる」
「梯子はしご━転倒する」




ごと【▽毎】🔗⭐🔉
ごと【▽毎】

接尾
《名詞や動詞の連体形に付いて》
それを一つの単位として物事が行われる意を表す。そのものに応じて。
「分野━に色分けする」
「クラス━の出展」
そのたびに物事が行われる意を表す。その時はいつも。
「ことある━に反対する」
そのたびに物事の程度が進む意を表す。…につれてますます。
「失敗する━に上達する」
「一雨━に暖かくなる」
関連語
大分類‖頻度‖ひんど
中分類‖度度‖たびたび







こと‐あげ【言挙げ】🔗⭐🔉
こと‐あげ【言挙げ】

名・自他サ変
〔古〕ことばに出して言いたてること。




こと‐あたらし・い【事新しい】🔗⭐🔉
こと‐あたらし・い【事新しい】

形
いままでのものと違って新しいさま。
「━作品はなにもない」
わざとらしい。ことさららしい。
「━・く説明するには及ばない」
‐げ
関連語
大分類‖物事の性質‖ものごとのせいしつ
中分類‖新しい‖あたらしい







こ‐とう【古刀】━タウ🔗⭐🔉
こ‐とう【孤島】━タウ🔗⭐🔉
こ‐とう【孤島】━タウ

名
陸地や他の島から遠く離れて、海上にただ一つある島。
「陸の━(=陸上にあるが、極端に交通の不便な土地)」




ご‐とう【▼梧▼桐】🔗⭐🔉
ご‐とう【▼梧▼桐】

名
アオギリの別称。




ご‐とう【誤答】━タフ🔗⭐🔉
ご‐とうしょ【御当所】━タウショ🔗⭐🔉
ご‐とうしょ【御当所】━タウショ

名
「当所」の尊敬語。相手を高めてその出身地や居住地をいう語。御当地。
「━相撲(=その力士の出身地で行われる相撲興行)」




ご‐とうち【御当地】━タウチ🔗⭐🔉
ご‐とうち【御当地】━タウチ

名
「当地」の尊敬語。ある土地を訪問した人が、そこに住む人を高めてその土地をいう語。
「━は風光明媚なところですね」
〔ある土地に特有のものを指し示して〕その土地。その地方。
「━ソング(=ある土地をテーマにした歌謡曲)」
「━キャラクター」






こと‐おさめ【事納め】━ヲサメ🔗⭐🔉
こと‐おさめ【事納め】━ヲサメ

名
物事のしおさめ。




ごとお‐び【五十日】ゴトヲ━🔗⭐🔉
ごとお‐び【五十日】ゴトヲ━

名
月のうち、五と十のつく日。取引の支払日にあたることから交通渋滞が激しい日とされる。




ことが‐あ・る🔗⭐🔉
ことが‐あ・る

連語
経験を表す。
「壱岐には一度行った━」
状況の違いに応じて、そういう事態が起こる意を表す。
「度が過ぎると罰せられる━」






こと‐か・く【事欠く】🔗⭐🔉
こと‐がら【事柄】🔗⭐🔉
ご‐とく【五徳】🔗⭐🔉
ご‐とく【五徳】

名
五つの徳目。儒教で、温・良・恭・倹・譲。兵家で、知・信・仁・勇・厳。
三脚または四脚をつけた鉄製などの輪。火鉢や炉の中に立てて、鉄瓶・やかんなどをかける。






ごとく‐・だ【▽如くだ】🔗⭐🔉
ごとく‐・だ【▽如くだ】

連語
…ようだ。
「開票の結果は次の━」
「会則の第一条を右の━・に定める」
◇文語助動詞「ごとし」の連用形「ごとく」+断定の口語助動詞「だ」。




ごとく‐・なり【▽如くなり】🔗⭐🔉
ごとく‐・なり【▽如くなり】

連語
文語
…ようだ。
「人間五十年、化天けてんのうちをくらぶれば、夢まぼろしの━
幸若舞・敦盛
」
◇文語助動詞「ごとし」の連用形「ごとく」+文語助動詞「なり」。







こと‐こと🔗⭐🔉
こと‐こと

副ト
物を軽くたたく音や、堅い物が連続して軽く触れ合う音を表す語。
「━(と)戸をたたく」
物が(静かに)煮える音を表す語。
「豆を━(と)煮る」






ことごと‐く【▼悉く・▽尽く】🔗⭐🔉
ことごと‐く【▼悉く・▽尽く】

名・副
個々に注目しながら、その全体をいう語。あるものすべて。残らず。みんな。
「住民の━が反対した」
「意見という意見は━対立した」
「あらゆる試みが━裏目に出る」
◇「事々ことごと」+接尾語「く」から。
関連語
大分類‖すべて‖すべて
中分類‖悉く‖ことごとく




ことごと‐し・い【事事しい】🔗⭐🔉
ことごと‐し・い【事事しい】

形
物事をいかにも重要なことのように思わせるさま。おおげさだ。ものものしい。
「言うことが━」
‐げ/‐さ





ことごと‐に【事▽毎に】🔗⭐🔉
ことごと‐に【事▽毎に】

副
ことがあるたびに。いつも。
「━反論する」




こと‐こまか【事細か】🔗⭐🔉
こと‐こまか【事細か】

形動
細部にわたって詳しいさま。
「━に説明する」
‐さ





こと‐さら【殊更】🔗⭐🔉
こと‐さら【殊更】

副ニ
考えがあって、特にあることをするさま。わざと。わざわざ。
「━(に)いやがらせをする」
特に際だっているさま。とりわけ。
「━(に)寒い朝」
◆
かな書きも多い。







こ‐とし【《今年》】🔗⭐🔉
こ‐とし【《今年》】

名
現在経過している年。本年。




こと‐じ【琴▽柱】━ヂ🔗⭐🔉
こと‐じ【琴▽柱】━ヂ

名
琴の胴の上に立てて弦を支える器具。その位置を移動して音の高低を調節する。
「━に膠にかわす(=融通が利かないことのたとえ)」




ごとし【▽如し】🔗⭐🔉
ごとし【▽如し】

助動 形型
文語
○‐ごとく‐ごとし‐ごとき‐○‐○
比況
似たものにたとえる。…ようだ。
「人生は泡沫ほうまつの━」
「過ぎたるは及ばざるが━」
「休日などはあってなきが━」
「風のごとく去りぬ」
例示
例として示す。…ようだ。
「本件のごとき行為は許されない」
「ごとき」の形で、体言に直接付くこともある。その場合、前にくる体言についての何らかの評価を伴うことも多い。「お前ごとき若輩に何が分かるか」「たかが落第ごときでくじけるな」
前置き
相手がすでに知っていることをことわる。
「ご存じのごとく」
後述することを告げる。
「論点は以下の━」
「実情はかくの━」
不確かな断定を表す。…ようだ。
「売れ行きはなはだ振るわざるが━
芥川
」
◆
体言+が、体言+の、あるいは活用語の連体形(+が)に付く。
口語の「ようだ」に相当するが、連用形「ごとく」、連体形「ごとき」は現在でもよく使う。




















こと‐だま【言霊】🔗⭐🔉
こと‐だま【言霊】

名
古代日本で、ことばに宿ると信じられていた神秘的な霊力。
「━の幸さきわう国(=ことばの霊力が幸福をもたらす国。日本のこと)」




こと‐づか・る【言付かる(▽託かる)】🔗⭐🔉
こと‐づか・る【言付かる(▽託かる)】

他五
人から伝言を頼まれる。また、人から品物などを届けるように頼まれる。ことづけられる。
「母から伝言を━」
「先生からお手紙を━・って参りました」




こと‐づけ【言付け(▽託け)】🔗⭐🔉
こと‐づけ【言付け(▽託け)】

名
ことづけること。また、そのことば。伝言。ことづて。
「━を頼む」




こと‐づ・ける【言付ける(▽託ける)】🔗⭐🔉
こと‐づ・ける【言付ける(▽託ける)】

他下一
人に頼んで先方に伝言してもらう。また、人に頼んで品物などを先方に届けてもらう。託たくす。
「父あてのメッセージを帰省する妹に━」
「使者に欠席の理由を━」
「姪めいへのお祝いを母に━」
ことづ・く(下二)
言付け






こと‐づて【言▽伝】🔗⭐🔉
こと‐づめ【琴爪】🔗⭐🔉
こと‐づめ【琴爪】

名
琴を弾くとき、親指・人さし指・中指の先にはめるつめ形の道具。象
ぞうげ・獣骨・竹などで作る。





こと‐てん【事典】🔗⭐🔉
こと‐と・う【言問う】━トフ🔗⭐🔉
こと‐と・う【言問う】━トフ

自四
〔古〕
問う。問いかける。尋ねる。
「名にし負はばいざ━・はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
在原業平・古今集
」
おとずれる。訪問する。
「━人もなき山里」
言問い









こと‐とて🔗⭐🔉
こと‐とて

連語
それが原因・理由で、の意。…なので。
「年金生活の━贅沢はできない」




ことと‐な・る🔗⭐🔉
ことと‐な・る

連語
「…ことになる」のやや硬い言い方。→ことになる
「処女作が文壇に迎えられ、一世を風靡ふうびする━」
自然の成り行きで言及した事柄を主題化する意を表す。
「他人の━と、勝手なものだ」






ことなかれ‐しゅぎ【事▼勿れ主義】🔗⭐🔉
ことなかれ‐しゅぎ【事▼勿れ主義】

名
やっかいな問題が起こらず、ただ平穏無事にすめばよいと望む消極的な態度や考え方。




こと‐な・る【異なる】🔗⭐🔉
こと‐な・る【異なる】

自五
ある事柄が基準となる事柄や他の同様の事柄と同一でない。一致しない。違う。
「見本と実物と
が/で━」
「報告が事実と━」
「品質によって値段が━」
「あれとこれとは全く次元の━話だ」
ほとんどの文脈で「違う」と置き換え可(ただし、「違う」に比べてやや文章語的)。
《「…に━・らない」の形で》二つのものが同一として認定される意を表す。…にほかならない。…以外の何ものでもない。
「太い洋杖をわざとらしく振り廻す彼の態度は、まるで冷たい空気に抵抗する示威運動者に━・らなかった
漱石
」
◆文語形容動詞「異なり」の動詞化。
異なり
関連語
大分類‖違う‖ちがう
中分類‖相違‖そうい











こと‐に【殊に】🔗⭐🔉
こと‐に【殊に】

副
特に。とりわけ。
「この小説は━おもしろい」
「今年の夏は━暑い」




ことに‐・する🔗⭐🔉
ことに‐・する

連語
ある動作・行為が自分の意志で決めたものである意を表す。…こととする。
「旅行は一人で行く━・した」
→ようだ
《「…た━」の形で》事実に反して(都合よく)、そのように決める(みなす)意を表す。
「このことは見なかった━」
《「━・している」の形で》意志的な行為が自然に習慣化したものである意を表す。
「家では仕事の話はしない━・している」









ことに‐な・る🔗⭐🔉
ことに‐な・る

連語
ある事態の成立・発生をいう。ことが起こる(生じる)。
「困った━・ったなあ」
〔助動詞的に〕事柄の内容に自分の意向が及ぼせないことを表す。
自然の成り行きや状況、規則などによって、そう決まる意を表す。
「電車賃も節約しなければならないから、歩いて帰るという━
開高健
」
「試験は二月初めに実施される━・っている」
→ようだ
筋道立てて考えた結果、必然的にそのように導かれる意を表す。
「それが事実ならば、二人は従姉妹いとこ同士という━」
「明日で三週間滞在した━」
もともとの趣旨とは関係なく、そう解釈される意を表す。
「そんなことをすると彼を侮辱ぶじょくした━」
《多く「━・っている」などの形で》口裏を合わせる形でそう取り決めている意を表す。
「表向きは初めて会うという━・っている」
「一身上の都合で退職した━・っている」
《「━・っている」などの形で》慣習として定着している意を表す。
「代金は食べる前に払う━・っている」
「『花』といえば『桜』を指す━・っている」
「拝観料を頂く━・っております」















ことに‐よると【事に▽依ると】🔗⭐🔉
ことに‐よると【事に▽依ると】

連語
ひょっとすると。ことによったら。
「━中止かもしれない」




こと‐の‐は【言の葉】🔗⭐🔉
こと‐の‐は【言の葉】

名
〔古〕
ことば。
和歌。






こと‐の‐ほか【殊の外】🔗⭐🔉
こと‐の‐ほか【殊の外】

副ニ
予想していたこととかなりの差があるさま。思いのほか。意外に。
「━出費がかさんだ」
程度がきわめてはなはだしいさま。とりわけ。
「━嬉しい知らせ」






こと‐ば【言葉(▽辞・▽詞)】🔗⭐🔉
こと‐ば【言葉(▽辞・▽詞)】

名
人間の言語。社会的に決められた音の組み合わせで、意志・思想・感情などを表現するもの。広くは、文字によるものもいう。
「━を交わす」
「話し━・書き━」
単語。また、語句。
「別の━に置き換える」
能楽・邦楽などで、旋律を持った節ふしの部分に対して、通常のせりふの部分。
小説・戯曲などで、地の文に対して、会話の部分。
◆

は「詞」と書くことが多い。
「言葉」の敬語表現
〔尊敬語〕
仰せ
「先生からありがたい仰せを賜りました」
お言葉
「貴重なお言葉をありがとうございます」
*「仰せ」は、「御命令」「御指示」の意で使うことが多い。「仰せに従って、はせ参じました」
〔丁重語〕
蕪辞ぶじ
「恥ずかしながら、くだくだしくも蕪辞を連ねた次第です」
妄言
「妄言をお許しください」「妄言多罪」
















【言葉が過・ぎる】🔗⭐🔉
【言葉が過・ぎる】
言い過ぎて失礼にあたる。
「どうも━・ぎました」
【言葉に甘あま・える】🔗⭐🔉
【言葉に甘あま・える】
《多く「お━」の形で》相手の親切な申し出に従う。
「お━・えて頂戴します」
【言葉に余あま・る】🔗⭐🔉
【言葉に余あま・る】
とても言葉で言い尽くせない。
【言葉を返・す】🔗⭐🔉
【言葉を返・す】
返事をする。
口答えをする。
「お━ようですが、一言言わせていただきます」


【言葉を尽つく・す】🔗⭐🔉
【言葉を尽つく・す】
相手が納得するように、いろいろな言葉を使ってこと細かに言う。
【言葉を濁にご・す】🔗⭐🔉
【言葉を濁にご・す】
はっきり言わず、あいまいな言い方をする。口を濁す。
ことば‐がき【▽詞書き(言葉書き)】🔗⭐🔉
ことば‐がき【▽詞書き(言葉書き)】

名
和歌の前書き。その歌を作った日時・場所・事情などを簡単に記したもの。
絵巻物で、絵と絵の間に記した説明の文章。
絵本・草双紙などで、画中の人物の会話を記した文。
◆
「詞書」と書くことが多い。








ことば‐かず【言葉数】🔗⭐🔉
ことば‐かず【言葉数】

名
ことばの数。語数。
ものを言う回数。口数。






ことば‐じち【言葉質】🔗⭐🔉
ことば‐じち【言葉質】

名
あとで証拠となることば。言質げんち。




こと‐はじめ【事始め】🔗⭐🔉
こと‐はじめ【事始め】

名
物事を新しく始めること。物事の始め。手始め。
江戸時代、陰暦十二月八日にすす払いなどして正月の準備を始めたこと。御事始め。
関連語
大分類‖始まる‖はじまる
中分類‖着手‖ちゃくしゅ






ことば‐じり【言葉尻】🔗⭐🔉
ことば‐じり【言葉尻】

名
ことばの終わり。語尾。
ことばの端々。特に、ことばの言いそこなった部分。
「━をとらえて非難する」






ことば‐ずくな【言葉少な】🔗⭐🔉
ことば‐ずくな【言葉少な】

形動
口数の少ないこと。ことばすくな。
「━に答える」




ことば‐つき【言葉つき(言葉付き)】🔗⭐🔉
ことば‐つき【言葉つき(言葉付き)】

名
話すときの、ことばの調子。物の言い方。




ことは‐な・い🔗⭐🔉
ことは‐な・い

連語
…する必要がない意を表す。
「もう何も心配する━」
そういう事態は起こらない意を表す。…ことがない。
「しばらくは金に困る━」
「あんな頼りない━・かった(=この上なく頼りなかった)」

は、「毛筆を使うことはほとんど[めったに]ない」のように、間に修飾語が入ることも多い。








こと‐ぶき【寿】🔗⭐🔉
こと‐ぶき【寿】

名
めでたいこと。祝い。また、祝いのことば。ことほぎ。
◇祝儀袋などに書く文字としても使う。
命の長いこと。長寿。
「百歳の━を保つ」
◆「ことほぐ」の名詞形「ことほぎ」の転から。
関連語
大分類‖祝う‖いわう
中分類‖めでたい‖めでたい






こと‐ぶれ【事触れ(言触れ)】🔗⭐🔉
こと‐ぶれ【事触れ(言触れ)】

名
物事を広く世間に知らせて歩くこと。また、その人やもの。
「角ぐむ葦あしは春の━(=春が来たという知らせ)」




こと‐ほ・ぐ【言▽祝ぐ・▽寿ぐ】🔗⭐🔉
こと‐ほ・ぐ【言▽祝ぐ・▽寿ぐ】

他五
祝って喜びのことばを述べる。また、祝う。
「新春を━」
◇ことばでもって祝福する意。
ことほぎ





ことも‐なげ【事も無げ】🔗⭐🔉
ことも‐なげ【事も無げ】

形動
何事もないかのように平然としているさま。
「難しい仕事を━にやってのける」




こと‐よ・せる【事寄せる】🔗⭐🔉
こと‐よ・せる【事寄せる】

自下一
ほかのことを口実にして目的の事をなす。かこつける。
「視察に━・せて観光旅行をする」
ことよ・す(下二)





こ‐とり【小鳥】🔗⭐🔉
こ‐とり【小鳥】

名
小さな鳥。スズメ・ウグイス・カナリアなど。




こと‐わけ【事訳】🔗⭐🔉
こと‐わけ【事訳】

名
〔古い言い方で〕そうなったことの理由。事情。




こと‐わざ【▼
】🔗⭐🔉
こと‐わざ【▼
】

名
教訓・風刺・真理などを巧みに言い表し、古くから世間の人々に知られてきた短いことば。俚
りげん。「親の心子知らず」「旅は道連れ世は情け」などの類。
関連語
大分類‖言葉‖ことば
中分類‖格言‖かくげん






こと‐わり【▽理】🔗⭐🔉
こと‐わり【▽理】

名
物事の正しい筋道。道理。条理。
理由。わけ。
◆「断り」と同語源。






こと‐わり【断り】🔗⭐🔉
こと‐わり【断り】

名
拒絶すること。辞退すること。
「━の手紙を書く」
了承を得るために前もって連絡しておくこと。また、その連絡。
「なんの━もなく欠席する」
わびること。あやまること。また、そのことば。
「車をぶつけておいて一言の━もない」
関連語
大分類‖断る‖ことわる
中分類‖断る‖ことわる







こと‐わ・る【断る】🔗⭐🔉
こと‐わ・る【断る】

他五
他からの要求・依頼・提案などに応じられないことを告げる。拒否する。拒絶する。辞退する。拒こばむ。
「援助の申し出を手紙で━」
「面会を━」
「いやなものはいやだと━べきです」
「━・り切れず引き受ける」
「きっぱり[にべもなく]━」
→拒む
後で起こることが予想される不具合を解消するために、そのことを前もって知らせておく。
「何も━・らずに一週間も休んだのか?」
「外出する旨を主任に━・ってから出かける」
「ちょっと待ってて、お父さんに━・って来るから」
念のためにいう。
「私が賛成であることはいちいち━までもない」
雇用や取引の契約を打ち切る。解消する。
「今後一切の取引はお━・りします」
◆「事割る」の意。
送りがなは「断わる」も許容。
断れる
断り
関連語
大分類‖断る‖ことわる
中分類‖断る‖ことわる












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