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あまし‐もの【余し物・余し者】🔗🔉

あまし‐もの余し物・余し者】 ①もてあました品物。また、もてあまされた人。もてあましもの。 ②残した物。残り物。

あま・す【余す】🔗🔉

あま・す余す】 〔他五〕 ①余分・余力・余地を残す。残っている。古事記「築くや玉垣つき―・し」。「ご飯を―・す」「夏休みも―・すところ3日」 ②もらす。とり逃がす。平家物語6「―・すな、もらすなとて攻め給へば」 ③(主として受身の形で用いる)処理できないものとする。また、もてあます。平家物語1「世に―・されたるいたづら者なんど」 ④余勢で外にほうり出す。保元物語「馬は屏風を倒すごとく、がはと倒るれば、主は前へぞ―・されける」 ⇒余すところなく

○余すところなくあますところなく🔗🔉

○余すところなくあますところなく 残らず。ことごとく。 ⇒あま・す【余す】 あま‐ずら甘葛‥ヅラ ①ツタの古名。 ②今のアマチャヅルに当たるといわれる蔓草の一種。また、その蔓草からとった甘味料。甘葛煎あまずらせん。味煎。宇津保物語蔵開上「金のかめ二つに、一つには蜜、一つには―入れて」 あま‐ぜ尼前】 尼御前の略。平家物語3「御車の尻には、―一人まゐられたり」 あま‐そうぞく雨装束‥サウ‥ 外出の時に着る、雨にぬれない用意の衣服。 あま‐そぎ天削】 高い峰。(八雲御抄に見える) あま‐そぎ尼削】 ①肩から背のあたりで髪を切り揃えること。在俗のまま仏門に入った優婆夷うばいの髪型。そぎあま。さげあま。 ②女性の髪を尼のように肩のあたりで切り揃えること。源氏物語薄雲「この春よりおほす御ぐし―の程にて」 あま‐そそぎ雨注ぎ】 (古くは清音)あまだれ。雨のしずく。催馬楽、東屋「東屋のまやのあまりのその―」 アマゾネス (Amazon(アマゾン)に、英語で女性形を示す接尾辞essを付けて、女性であることを強調した和製語)(→)アマゾンに同じ。 あま‐ぞら雨空】 雨が降りそうな空。また、雨が降っている空。 アマゾンAmazon(s)】 (もとギリシア語で「乳なし」の意。戦闘と狩りを好み、弓をひくのに邪魔な右の乳房を切除する慣わしだった) ①ギリシア神話に出てくる女戦士から成る部族。小アジア北東部に住み、ペンテシレイアなどの女王に率いられて戦った。 ②転じて、女丈夫・女傑・勇婦の意。 ⇒アマゾン‐がわ【アマゾン川】 ⇒アマゾン‐せき【アマゾン石】 アマゾン‐がわアマゾン川‥ガハ 南米の大河。アンデス山脈中の源流からブラジル北部アマゾン盆地を東に貫流して大西洋に注ぐ。密林が流域の大部分をおおい、長さ約6516キロメートル。川幅は河口で100キロメートル。流域705万平方キロメートル。水量・流域面積とも世界第一。 アマゾン川 提供:NHK ⇒アマゾン【Amazon(s)】 アマゾン‐せきアマゾン石】 (amazonite)微斜長石(カリ長石の一種)のうち、美しい緑青色のもの。アマゾナイト。天河石。 ⇒アマゾン【Amazon(s)】 アマゾン‐ドット‐コムAmazon.com】 世界的規模のインターネット小売業者。1995年アメリカで書籍の販売から創業。 あま‐た数多】 〔名・副〕 ①(数量について)多く。たくさん。允恭紀「―は寝ずにただ一夜のみ」。「―の人」「引く手―」 ②(程度について)非常に。甚だしく。万葉集7「沖つ波さわくを聞けば―悲しも」 ⇒あまた‐え【数多重】 ⇒あまた‐かえり【数多返り】 ⇒あまた‐たび【数多度】 あま‐だ (→)天棚あまだなに同じ。 あまだ天田】 姓氏の一つ。 ⇒あまだ‐ぐあん【天田愚庵】 あま‐だいあま台】 (「あま」は女の意。三重県から北陸にかけていう)裁縫用の針箱。あまむろ。 あま‐だい甘鯛‥ダヒ アマダイ科の海産の硬骨魚の総称。全長30〜50センチメートル。体はやや長く側扁、頭は短く、鮮赤色で横縞がある。冬に美味。南日本・朝鮮に多い。シロアマダイ・アカアマダイ・キアマダイなどがある。〈[季]冬〉 あかあまだい アマダイ 提供:東京動物園協会 あまた‐え数多重‥へ 幾重にも重なるさま。栄華物語耀く藤壺「御袖も一つならず―濡らさせ給ふ」 ⇒あま‐た【数多】 あまた‐かえり数多返り‥カヘリ 何度も。たびたび。源氏物語総角「御文は明くる日ごとに―づつ奉らせ給ふ」 ⇒あま‐た【数多】 あまだ‐ぐあん天田愚庵】 歌人。本名、甘田五郎。剃髪して鉄眼。磐城生れ。正岡子規と交わり、その歌風に影響を与えた。「愚庵全集」がある。(1854〜1904) ⇒あまだ【天田】 あまた‐たび数多度】 たびたび。しばしば。古今和歌集「草の枕に―ねぬ」 ⇒あま‐た【数多】 あま‐だな天棚】 ①炉の上に天井からつるした棚。火棚。天皿あまざら。火天ひあま。火高。あまだ。 ②天井。転じて、二階のことをもいう。あまだ。あまごこ。 あま‐だな尼店・尼棚】 今の東京日本橋室町1丁目南西付近の俗称。江戸時代には塗物問屋が多くあった。尼崎店。 あま‐だむ天飛む】 〔枕〕 (アマトブの転)「かり(雁)」「かる(軽)」にかかる。古事記「―軽のをとめ」 あま‐たら・す天足らす】 〔自四〕 (スは尊敬の助動詞)天界に満ち満ちておられる。万葉集2「大君の御寿みいのちはながく―・したり」 あま‐だり雨垂り】 ①あまだれ。 ②あまだれの落ちるところ。宇治拾遺物語1「しばし―におはしませと」 ⇒あまだり‐うけ【雨垂り受け】 あまだり‐うけ雨垂り受け】 雨だれを受ける樋とい⇒あま‐だり【雨垂り】 あま‐たる・い甘たるい】 〔形〕 (→)「あまったるい」に同じ。 あま‐だれ雨垂れ】 軒先などから落ちる雨のしずく。 ⇒あまだれ‐おち【雨垂れ落ち】 ⇒あまだれ‐びょうし【雨垂れ拍子】 ⇒雨垂れ石を穿つ

あま‐べ【余戸】🔗🔉

あま‐べ余戸⇒あまりべ

あまり【余り】🔗🔉

あまり余り】 ①事をした結果、出た残り。 ㋐事物をあることに役立てた残り。余分。剰余。古事記「枯野(船の名)を塩に焼き、其が―琴につくり」。「生活費の―を貯金する」 ㋑割り算で割り切れずに残った数。整数を自然数で割るとき、 abqr(0≦rb) をみたす整数がただ一組定まる。をそれぞれ商、余りという。また、整式fx)を整式gx)で割るとき、 fx)=gxqx)+rx)(rx)の次数<gx)の次数) をみたす整式の組qx),rx)がただ一組定まる。qx),rx)をそれぞれ商、余りという。剰余。 ②(副詞的にも使う) ㋐物事が普通(正当)と思われる程度を越えること。過度。法外。あんまり。「―ひどいのであきれた」「―たべると腹をこわす」 ㋑主として「…の―に」の形で「度をこして…した結果」の意に、また「―の…」の形で「度をこした…のため」の意に用いる。土佐日記「京の近づくよろこびの―に或る童のよめる」。日葡辞書「アマリノコトニ」。「―の暑さに食欲をなくす」「心痛の―に寝込む」「急ぐ―、失敗した」 ③(下に打消を伴って)それほど。そんなに。「―よくは知らない」 ④数詞に付いて、さらに余分のあることを示す。仏足石歌「三十―二つの相」。源氏物語紅葉賀「朱雀院の行幸は十月十日―なり」。土佐日記「師走の二十日―一日ひとひの日」。日葡辞書「サンネンアマリ」。「50人―の参加者」 ⇒あまり‐ごと【余り事】 ⇒あまり‐ちゃ【余り茶】 ⇒あまり‐に【余りに】 ⇒あまり‐べ【余戸】 ⇒あまり‐もの【余り物】 ⇒あまり‐もの【余り者】 ⇒余りと言えば ⇒余り物に福あり

あまり‐ある【余り有る】🔗🔉

あまり‐ある余り有る】 余分がある。しつくせないほどである。続後撰和歌集「ももしきや古き軒端の忍ぶにも猶―昔なりけり」。「彼の心中は察するに―」

あまり‐ごと【余り事】🔗🔉

あまり‐ごと余り事】 余分なこと。また、過分なこと。源氏物語真木柱「いかに面目あらましと―をぞ思ひてのたまふ」 ⇒あまり【余り】

あまり‐ちゃ【余り茶】🔗🔉

あまり‐ちゃ余り茶】 茶筒などに余っている茶。また、茶碗などに飲み残した茶。浄瑠璃、ひらかな盛衰記「―には福が有る」 ⇒あまり【余り】

あまり‐て【余りて】🔗🔉

あまり‐て余りて】 〔副〕 あまりにも。後撰和歌集「―などか人の恋しき」 ○余りと言えばあまりといえば (程度のひどいさまに使う)あまりにも。甚だしく。「―ひどいやり方」 ⇒あまり【余り】

○余りと言えばあまりといえば🔗🔉

○余りと言えばあまりといえば (程度のひどいさまに使う)あまりにも。甚だしく。「―ひどいやり方」 ⇒あまり【余り】 あまり‐に余りに】 〔副〕 過度に。法外に。「―ひどい仕打ち」 ⇒あまり【余り】 あまり‐べ余戸】 大化改新後の律令国家で50戸を「里」としたとき、それに満たなかった小集落。あまるべ。余目あまるめ。あまべ。地名の余戸よど・よごはこの転かという。 ⇒あまり【余り】 あまり‐もの余り物】 残ったもの。不用なもの。 ⇒あまり【余り】 あまり‐もの余り者】 手におえない人。御しがたい人。〈日葡辞書〉 ⇒あまり【余り】

あまり‐に【余りに】🔗🔉

あまり‐に余りに】 〔副〕 過度に。法外に。「―ひどい仕打ち」 ⇒あまり【余り】

あまり‐べ【余戸】🔗🔉

あまり‐べ余戸】 大化改新後の律令国家で50戸を「里」としたとき、それに満たなかった小集落。あまるべ。余目あまるめ。あまべ。地名の余戸よど・よごはこの転かという。 ⇒あまり【余り】

あまり‐もの【余り物】🔗🔉

あまり‐もの余り物】 残ったもの。不用なもの。 ⇒あまり【余り】

あまり‐もの【余り者】🔗🔉

あまり‐もの余り者】 手におえない人。御しがたい人。〈日葡辞書〉 ⇒あまり【余り】 ○余り物に福ありあまりものにふくあり 人の残したものや最後に残ったものに、かえっていいことがある。残り物には福がある。 ⇒あまり【余り】

○余り物に福ありあまりものにふくあり🔗🔉

○余り物に福ありあまりものにふくあり 人の残したものや最後に残ったものに、かえっていいことがある。残り物には福がある。 ⇒あまり【余り】 あま‐りょう雨竜・螭竜】 想像上の動物。竜の一種。トカゲに似て大きく、角なく尾は細く、青黄色をなすといわれる。 アマリリスamaryllis】 ①熱帯アメリカ産のヒガンバナ科ヒペアストラム属の数種をもとに交雑した園芸品種の総称。一種は嘉永(1848〜1854)年間に渡来、ジャガタラ水仙と呼ばれた。多くの品種がある。形状は2に似るが、花は弁質厚く、白・桃・鮭肉・赤色など。普通、温室で栽培。暖地の戸外では夏咲き。 アマリリス 提供:OPO ②ヒガンバナ科の多年草で、1属(その学名)1種。南アフリカ原産。長大な広線形の葉を叢生。40〜50センチメートルの太い花茎の頂部に散形花序をつける。6弁の大輪で緋色または紅色。ホンアマリリス。 あま・る余る】 〔自五〕 ①必要量や容量などを越える。多すぎて残る。余勢が残る。また、割り切れずに残る。古今和歌集「在原業平は、其の心―・りて、詞足らず」。保元物語「冑の星を射けづりて―・る矢」。日葡辞書「アクギャクミニアマル」。「会費が―・る」「人手が―・る」「10を3で割って1が―・る」 ②目安や区切りを越える。それ以上である。宇津保物語吹上上「髪丈に―・り色白くて」。竹取物語「翁、年七十に―・りぬ」。「身の丈六尺に―・る」 ③可能性を越える。能力以上である。伊勢物語「田舎人の歌にては―・れりや、足らずや」。愚管抄6「手に―・りたる事かな」。「目に―・る行状」「言葉に―・る」 ④分際を越える。分不相応である。源氏物語若菜上「おもだたしきことをも身に―・りて並びなく思ひ侍り」。「身に―・る光栄」 アマルガムamalgam】 (ギリシア語の「やわらかい物質」に由来)水銀と他の金属との合金。鉄・白金・タングステン・ニッケル・マンガンなどの高融点金属との間にはできにくい。汞和金こうわきん⇒アマルガム‐ほう【アマルガム法】 アマルガム‐ほうアマルガム法‥ハフ 金・銀の精錬法の一つ。金銀鉱石を水銀に接触させてアマルガムをつくり、これを蒸留して金または銀を回収する。古くから用いられ、比較的粗粒の鉱石に適する。混汞こんこう法。→青化法 ⇒アマルガム【amalgam】 アマルナ‐じだいアマルナ時代】 (Amarna)古代エジプト第18王朝の一時期(前14世紀)。一神教の創始、新都の建設など革新策が行われたが間もなく旧に復した。芸術上の写実的な新傾向(アマルナ芸術)はのちにまで強い影響を及ぼした。 あまる‐べ余部・余戸(→)「あまりべ」に同じ。安閑紀「安芸国の過戸あまるべあまる‐め余目(→)「あまりべ」に同じ。 あまんじゃく天ん邪鬼】 アマノジャクの転訛。 あまん・じる甘んじる】 〔自上一〕 「あまんずる」に同じ。 あまん・ずる甘んずる】 〔自サ変〕[文]あまん・ず(サ変) (アマミスのミが撥音化したもの) ①よい味だとする。満足に思う。奥の細道「坐してまのあたり奇景を―・ず」 ②与えられたものをしかたないと思って受ける。「薄給に―・ずる」「―・じて犠牲となる」 アマンタジンamantadine】 A型インフルエンザ‐ウイルスに有効な抗ウイルス剤。パーキンソン病の治療や精神活動改善にも使用。商品名、シンメトレル。 アマンドamande フランス】 アーモンド。巴旦杏はたんきょうあみ】 ①鳥獣や魚などをとるために、糸や針金を編んで造った道具。また一般に、糸や針金を編んで造ったもの。万葉集17「二上ふたがみの彼面おもて此面このもに―さして吾が待つ鷹を夢いめに告げつも」。「―ですくう」 ②比喩的に、人や物を捕らえるために綿密にはりめぐらしたもの。「検問の―にひっかかる」「法の―をくぐる」 ③(印刷で)網点・網版の略。 ⇒網が上がる ⇒網が下りる ⇒網呑舟の魚を漏らす ⇒網無くて淵をのぞくな ⇒網を張る あみ醤蝦】 アミ目の甲殻類の総称。形はエビに似るが小形で、鋏はさみをもたない。体長1センチメートル内外。海産種が多く、沿岸から深海まで約1000種が知られている。釣りのまき餌にするほか、佃煮として食用。コマセアミ・イサザアミなど。新撰字鏡9、阿弥」 あみ阿弥「阿弥陀号あみだごう参照。 アミami(e) フランス】 友人。特に異性の友だち。愛人。 あみあげ‐ぐつ編上靴】 足の甲や脛すねをおおう部分を紐でからげて履く半長靴。あみあげ。 アミアンAmiens】 フランス北西部の都市。ソンム川に沿い、繊維工業が発達。13世紀建設のフランス最大の大聖堂は世界遺産。1802年英仏休戦条約締結の地。人口13万5千(1999)。 アミアン 提供:JTBフォト あみ‐あんどん網行灯】 金網をはった行灯。 アミーゴamigo スペイン】 (男性の)友だち。親友。 あみ‐いし網石】 漁網のおもりにする石。沈子いわあみ‐いた編板・箯輿⇒あんだ。〈倭名類聚鈔13あみ‐いと編糸】 編物用の糸。毛糸・レース糸など。 アミーバamoeba⇒アメーバ あみいり‐ガラス網入硝子】 金網を封じ込んだ板ガラス。衝撃などに比較的よく堪える。 アミールamīr アラビア】 司令官。総督。首長。また、イスラム王朝の君主または王子の称号。 アミーレ‐フスラウAmīr-i Khusraw】 北インド出身のペルシア語詩人。「インドの鸚鵡」の渾名を持つ。叙事詩「マジュヌーンとライラー」など。(1253〜1325) あみ‐うち網打ち】 ①投網とあみを打って魚を捕ること。また、その人。 ②(その形が投網を打つさまに似ているところから)相撲の手の一つ。相手の差し手を両手で抱えるようにして、差し手の側に捻ひねり倒すもの。 あみうち ⇒あみうち‐ば【網打場】 あみうち‐ば網打場】 江戸深川の遊里の一つで、やや下等な所。 ⇒あみ‐うち【網打ち】 あみ‐うど網人】 (アミビトの転)漁師。平家物語3「―に魚をもらうてもち」 アミエルHenri Frédéric Amiel】 フランス系スイスの哲学者・文学者。深い省察に満ちた、30年余にわたる「日記」で有名。(1821〜1881) あみ‐おり網織】 細かく切った漁網を緯糸よこいとに交ぜて織った織物。 あみ‐おろし網卸し・網下し】 ①新調の網を初めて使用すること。 ②網漁始めの祝祭。恵比寿祝。大玉起し。

あま・る【余る】🔗🔉

あま・る余る】 〔自五〕 ①必要量や容量などを越える。多すぎて残る。余勢が残る。また、割り切れずに残る。古今和歌集「在原業平は、其の心―・りて、詞足らず」。保元物語「冑の星を射けづりて―・る矢」。日葡辞書「アクギャクミニアマル」。「会費が―・る」「人手が―・る」「10を3で割って1が―・る」 ②目安や区切りを越える。それ以上である。宇津保物語吹上上「髪丈に―・り色白くて」。竹取物語「翁、年七十に―・りぬ」。「身の丈六尺に―・る」 ③可能性を越える。能力以上である。伊勢物語「田舎人の歌にては―・れりや、足らずや」。愚管抄6「手に―・りたる事かな」。「目に―・る行状」「言葉に―・る」 ④分際を越える。分不相応である。源氏物語若菜上「おもだたしきことをも身に―・りて並びなく思ひ侍り」。「身に―・る光栄」

あまる‐べ【余部・余戸】🔗🔉

あまる‐べ余部・余戸(→)「あまりべ」に同じ。安閑紀「安芸国の過戸あまるべ

あんまり【余】🔗🔉

あんまり】 〔名・副〕 (アマリの撥音化)度を過ぎるさま。度はずれて。浄瑠璃、曾根崎「ほんに又―な」。「―ひどいじゃないか」「―あわてると失敗するぞ」

まり【余】🔗🔉

まり】 〔接尾〕 「あまり」の略。続日本後紀15「百ももち―十」

よ【余・餘】🔗🔉

余・餘】 ➊(「余」と書く)われ。おのれ。予。「―の信念」 ➋①それ以上であること。端数があることを示すときにいう語。「百人―の参加者」 ②そのほか。それ以外。「―の儀ではない」

よ‐い【余威】‥ヰ🔗🔉

よ‐い余威‥ヰ ある事を成し遂げ、そのあとになお余った勢い。また、後々まで残っている先人の威光。

よ‐い【余意】🔗🔉

よ‐い余意】 言外の意味。

よいち【余市】🔗🔉

よいち余市】 北海道西部、後志しりべし支庁北部の町。積丹しゃこたん半島北東側基部にあり、石狩湾に臨む。果樹栽培・ウィスキー製造で知られる。

よ‐いん【余胤】🔗🔉

よ‐いん余胤】 あとにつづいた血筋。後胤こういん

よ‐いん【余音】🔗🔉

よ‐いん余音(→)余韻よいん1に同じ。

よ‐いん【余蔭】🔗🔉

よ‐いん余蔭】 あとに残された恩恵。先人のおかげ。余徳。

よ‐いん【余韻】‥ヰン🔗🔉

よ‐いん余韻‥ヰン ①音の消えたあとまで残る響き。「余音」とも書く。 ②転じて、事が終わったあとも残る風情や味わい。また、詩文などで言葉に表されていない趣。余情。「感動の―にひたる」

よ‐えい【余映】🔗🔉

よ‐えい余映】 あとに残っている輝き。余光。

よ‐えい【余栄】🔗🔉

よ‐えい余栄】 死後の光栄。死後に残る名誉。

よ‐えん【余炎】🔗🔉

よ‐えん余炎】 ①他に及ぶほのお。また、消え残りのほのお。 ②残りの暑さ。残暑。

よ‐えん【余煙】🔗🔉

よ‐えん余煙】 消え残るけむり。

よ‐か【余花】‥クワ🔗🔉

よ‐か余花‥クワ 春におくれて咲く花。特に初夏に咲くおそ咲きの桜。〈[季]夏〉

よ‐か【余暇】🔗🔉

よ‐か余暇】 自分の自由に使える、あまった時間。ひま。いとま。〈日葡辞書〉。「―を楽しむ」→レジャー

よ‐かく【余角】🔗🔉

よ‐かく余角】 〔数〕二つの角の和が直角に等しい時、その一方の角を他の角の余角という。

よ‐かつ【余割】🔗🔉

よ‐かつ余割】 〔数〕(cosecant)三角関数の一つ。コセカント。→三角関数

よ‐かん【余寒】🔗🔉

よ‐かん余寒】 立春後の寒気。寒があけてもまだ残る寒さ。残寒。〈[季]春〉。「―がなお厳しい」

よ‐ぎ【余技】🔗🔉

よ‐ぎ余技】 専門以外の技芸。「―に絵を描く」「ほんの―にすぎない」

よ‐ぎ【余儀】🔗🔉

よ‐ぎ余儀】 他の事。他の方法。→余儀無い ○善き意志よきいし 〔哲〕(Guter Wille ドイツ)理性の命ずるところによって道徳法則に従う意志。カントは、行為の結果ではなくて、善き意志が道徳における絶対的な善であると考えた。善意志。 ⇒よ・い【良い・善い・好い・佳い】

よぎ‐な・い【余儀無い】🔗🔉

よぎ‐な・い余儀無い】 〔形〕[文]よぎな・し(ク) ①他にとるべき方法が無い。やむを得ない。「―・い事だ」「撤退を―・くされる」 ②へだて心がない。他事ない。浄瑠璃、心中二つ腹帯「互に―・く見えければ」 ○よき分別は老人に問えよきふんべつはろうじんにとえ 名案は経験豊かな老人に教えてもらうのがよい。 ⇒よ・い【良い・善い・好い・佳い】

よ‐きょう【余教】‥ケウ🔗🔉

よ‐きょう余教‥ケウ それ以外の教え。大鏡「法華経一部をときたてまつらんとてこそ、まづ―をばとき給ひけれ」

よ‐きょう【余興】🔗🔉

よ‐きょう余興】 ①感興のあまっていること。また、あまっている感興。方丈記「もし―あれば、しばしば松の響に秋風楽をたぐへ」 ②行事・宴会などの席で、興を添えるために行う演芸など。アトラクション。「―に歌を歌う」

よ‐きょう【余響】‥キヤウ🔗🔉

よ‐きょう余響‥キヤウ もとの音がなくなってからもなお残るひびき。余韻。

よ‐ぎょう【余業】‥ゲフ🔗🔉

よ‐ぎょう余業‥ゲフ ①残りの仕事。残した事業。 ②本業以外の仕事。

よ‐くん【余薫】🔗🔉

よ‐くん余薫】 ①残りのかおり。余香。 ②先代の余徳。余慶。

よ‐けい【余計】🔗🔉

よ‐けい余計】 ①物が余ること。あまり。余分。日本永代蔵4「金銀に―なく、京・堺の者によい事させて」 ②そのほか。その上。浮世風呂2「朝晩の介抱から口食物、縫針の―に人仕事だ」 ③必要の度を越えてかえって無用なこと。むだ。無益。「―なお世話」 ④(副詞的に)いっそう。「それでは―困る」「他人より―に練習する」 ⇒よけい‐もの【余計物】 ⇒よけい‐もの【余計者】

よ‐けい【余慶】🔗🔉

よ‐けい余慶】 ①[易経坤卦]先祖の善行のおかげで子孫が得る幸福。「積善の家には必ず―あり」↔余殃よおう。 ②おかげ。余光。

よけい‐もの【余計物】🔗🔉

よけい‐もの余計物】 あって困る物。持て余す物。無用の長物。 ⇒よ‐けい【余計】

よけい‐もの【余計者】🔗🔉

よけい‐もの余計者】 ①はみ出た者。厄介者。 ②19世紀のロシア文学に現れた没落貴族・インテリゲンチアの一典型。新旧の階級からはみ出し、方向を失って無為に暮らす人。ゴンチャローフの「オブローモフ」、ツルゲーネフの「ルージン」の主人公など。 ⇒よ‐けい【余計】

よ‐げん【余弦】🔗🔉

よ‐げん余弦】 〔数〕(cosine)三角関数の一つ。コサイン。→三角関数⇒よげん‐ていり【余弦定理】

よげん‐ていり【余弦定理】🔗🔉

よげん‐ていり余弦定理】 三角形ABCにおいて、頂点A、B、Cの対辺の長さをとするとき、 abc−2bccosA などが成り立つという定理。余弦法則。 ⇒よ‐げん【余弦】

よ‐こう【余光】‥クワウ🔗🔉

よ‐こう余光‥クワウ ①日没のあとに残っているひかり。 ②おかげ。余徳。

よ‐こう【余香】‥カウ🔗🔉

よ‐こう余香‥カウ 後に残るかおり。のこりが。うつりが。

よ‐こく【余国】🔗🔉

よ‐こく余国】 余の国。他の国。他国。

よご‐こ【余呉湖】🔗🔉

よご‐こ余呉湖】 滋賀県北部、伊香郡余呉町にある陥没湖。湖面標高132メートル。最大深度13メートル。面積1.8平方キロメートル。余呉川によって琵琶湖に注ぐ。羽衣伝説がある。よごのうみ。 余呉湖 撮影:的場 啓

よ‐ざい【余材】🔗🔉

よ‐ざい余材】 余った材木、または材料。

よ‐ざい【余財】🔗🔉

よ‐ざい余財】 ①余った財宝や資金。 ②その財物以外の財物。

よ‐ざい【余罪】🔗🔉

よ‐ざい余罪】 ①余れる罪。つぐないきれない罪。 ②問われている罪以外の罪。主たる罪以外の罪。「―が発覚した」

よ‐さん【余算】🔗🔉

よ‐さん余算】 余命の数。余命。残生。方丈記「一期の月影かたぶきて、―山の端に近し」

よ‐し【余子】🔗🔉

よ‐し余子】 ①長子以外の子。 ②その人以外の人。

よ‐し【余資】🔗🔉

よ‐し余資】 余っている資金。使い残りの資金。余財。

よ‐じ【余事】🔗🔉

よ‐じ余事】 ①余力でする仕事。余暇でする仕事。 ②それ以外の事柄。他事。「―にかまける」

よ‐じしょう【余事象】‥シヤウ🔗🔉

よ‐じしょう余事象‥シヤウ 〔数〕事象が起こらないという事象A′をの余事象という。pA),pA′)をそれぞれの確率とすればpA)+pA′)=1

よ‐しゅう【余宗】🔗🔉

よ‐しゅう余宗】 別の宗旨。他の宗旨。

よ‐しゅう【余臭】‥シウ🔗🔉

よ‐しゅう余臭‥シウ 残っているにおい。昔からのなごり。「前代の―をとどめる」

よ‐しゅう【余執】‥シフ🔗🔉

よ‐しゅう余執‥シフ 〔仏〕心に残って離れない執念。前世から現世に、または現世から来世まで残る執着。無名抄「この歌の入りて侍るが、生死の―ともなるばかり嬉しく侍るなり」

よ‐しゅう【余習】‥シフ🔗🔉

よ‐しゅう余習‥シフ ①残っているならわし。余臭。 ②〔仏〕煩悩を断った後にも残る煩悩の潜在的影響力。声聞しょうもんと縁覚えんがくの二乗はこれを断つことができないとされる。

よ‐しゅうごう【余集合】‥シフガフ🔗🔉

よ‐しゅうごう余集合‥シフガフ 〔数〕(→)補集合に同じ。

よ‐そ【余所・他所】🔗🔉

よ‐そ余所・他所】 ①ほかの所。別の所。他所。万葉集4「―にゐて恋ひつつあらずは」。「―で聞いてみる」 ②直接関係のない物事や人または場所。他事。局外。また、かかわりのないこと。疎遠なこと。万葉集4「闇の夜に鳴くなる鶴たずの―のみに聞きつつかあらむ逢ふとはなしに」。古今和歌集「天雲の―にも人のなりゆくかさすがに目には見ゆるものから」。「―の会社の人」 ⇒余所に聞く ⇒余所にする ⇒余所に見る

よそ‐いき【余所行き】🔗🔉

よそ‐いき余所行き(→)「よそゆき」に同じ。

よそ‐がたり【余所語り】🔗🔉

よそ‐がたり余所語り】 よその物語。世間ばなし。

よそ‐がまし・い【余所がましい】🔗🔉

よそ‐がまし・い余所がましい】 〔形〕[文]よそがま・し(シク) よそよそしい様子である。浄瑠璃、夏祭浪花鑑「あ、―・い、何のお礼」

よそ‐げ【余所げ】🔗🔉

よそ‐げ余所げ】 よそよそしいさま。関係のない様子。新古今和歌集「もみぢ葉はおのが染めたる色ぞかし―における今朝の霜かな」

よそ‐ご【余所子】🔗🔉

よそ‐ご余所子】 よその子。他人の子。栄華物語布引滝「同じ程―のやうに生ませさせ給へり」

よそ‐ごころ【余所心】🔗🔉

よそ‐ごころ余所心】 よそよそしい心。

よそ‐ごと【余所事】🔗🔉

よそ‐ごと余所事】 自分に直接関係のないこと。「―とは思えない」

よそ‐づま【余所妻】🔗🔉

よそ‐づま余所妻】 ①他人の妻。 ②他所にかこっておく妻。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「―は知らぬが花よ折らば折れ」

よそ‐ながら【余所ながら】🔗🔉

よそ‐ながら余所ながら】 ①自分に関係したことではないけれども。古今和歌集雑体「―わが身にいとのよるといへばただいつはりにすぐばかりなり」 ②よそにいながら。遠く離れていながら。大和物語「―思ひしよりも夏の夜の見はてぬ夢ぞはかなかりける」。「―御多幸を祈る」 ③それとなく。間接に。平家物語6「少将―も小督殿見奉る事もやと」 ○余所に聞くよそにきく 他人の事のように聞き流す。 ⇒よ‐そ【余所・他所】 ○余所にするよそにする いいかげんにして、かえりみない。なおざりにする。「仕事をよそにして遊び歩く」 ⇒よ‐そ【余所・他所】 ○余所に見るよそにみる 自分と関係のない事のように見る。無関心に見る。 ⇒よ‐そ【余所・他所】

○余所に聞くよそにきく🔗🔉

○余所に聞くよそにきく 他人の事のように聞き流す。 ⇒よ‐そ【余所・他所】

○余所にするよそにする🔗🔉

○余所にするよそにする いいかげんにして、かえりみない。なおざりにする。「仕事をよそにして遊び歩く」 ⇒よ‐そ【余所・他所】

○余所に見るよそにみる🔗🔉

○余所に見るよそにみる 自分と関係のない事のように見る。無関心に見る。 ⇒よ‐そ【余所・他所】 よそ‐びと余所人】 よその人。他所にいる人。他人。宇津保物語俊蔭「―に聞き見むだにあるに」 よそ‐ほか余所外】 (「よそ」を強めていう語)まったくほかの所。また、まったく関係のないこと。狂言、悪太郎「誠に―ではなし、伯父と甥との事ぢやによつて」 よそ‐み余所見】 ①よそを見ること。他を見ること。わきみ。よそめ。 ②他人の見たところ。よそめ。はため。 ③よそごととして見ること。見て見ぬふりをすること。好色一代女5「人の手にさはり腰を叩く程のことは―しておきしが」 よそ‐みみ余所耳】 よそながら聞くこと。聞くともなく聞くこと。曾丹集「―に鹿のと声を聞きしより」 よそ‐め余所目】 ①よそながら見ること。見るともなしに見ること。万葉集12「―にも君が姿を見てばこそ」 ②よそを見るような目つき。わきめ。よこみ。よそみ。為忠百首「あたりなる花の―に」 ③他人の見る目。第三者が見たところ。はため。ひとめ。能因本枕草子故殿の御ために「さる人しも―よりほかに褒むるたぐひ多かれ」。日葡辞書「ヨソメヲハバカル」。「―には幸福そうだ」「―を気にする」 ④わきから見て見まがうこと。千載和歌集「卯の花の―なりけり山里の垣根ばかりに降れる白雪」 よそ‐もの余所者】 他の土地から来た者。他国者。「―はことばで分かる」「―扱いする」 よそもの‐どころ装物所】 (ヨソヒモノドコロの約か)節会せちえなどの時、紫宸殿の内に、屏風でかこい倚子いしを立てて天皇が装束をつけた所。 よそ‐ゆき余所行き】 ①よそへ行くこと。他出。外出。 ②外出の時に着る衣服。はれぎ。 ③比喩的に、特に改まったことば遣いや態度。「―の顔」 よそ‐よそ ①ゆったりと落ちつきはらっているさま。悠々。栄華物語玉台「行者の智恵のけしき―にして」 ②山が高くそびえているさま。巍巍ぎぎ。〈類聚名義抄〉 よそ‐よそ余所余所】 ①別れ別れ。別々なこと。また、その所。源氏物語若菜下「―にていとおぼつかなしとて」 ②よそよそしいさま。親しくないさま。輔親集「相かたらふ人の―なるに」 ③所在をほのめかしていう語。そこらあたり。浄瑠璃、心中重井筒「その銀かねで、―のお山がひとつ買うて見たい」 よそよそ‐し・い余所余所しい】 〔形〕[文]よそよそ・し(シク) 他人同士のように親しみがなく、冷淡である。他人行儀である。うとうとしい。狭衣物語2「―・しからむもてなしに」。「―・い態度」 よ‐ぞら夜空】 夜の空。 よそり‐づま寄夫・寄妻】 関係があると噂を立てられた相手の異性。万葉集14「青嶺ろにいさよふ雲の―はも」 よそ・る寄る】 〔自四〕 ①自然に寄せられる。引きつけられる。万葉集13「荒山も人し寄すれば―・るとぞいふ」 ②打ち寄せられる。寄せる。万葉集20「白波の―・る浜辺に」 ③ある異性と関係があると言われる。万葉集14「吾に―・り間はしなる児らしあやに愛かなしも」 よそ・る装る】 〔他五〕 (「よそう」と「もる」との混交した語)飲食物を器に盛る。 よた与太】 ①知恵の足りない者。役に立たない者。おろかもの。滑稽本、旧観帖「―婆アさまには困るよう」 ②でたらめ。ふざけた、くだらないことば。「―を飛ばす」 よだ依田】 姓氏の一つ。 ⇒よだ‐がっかい【依田学海】 よたい‐りつ預貸率】 銀行の預金残高に対する貸出残高の比率。銀行の資産構成を示す一つの指標。 よ‐たか夜鷹】 ①ヨタカ目ヨタカ科の鳥。カケス大で、全身灰褐色。口は大きく、扁平。昼間は樹枝上か地上に眠り、夕刻から活動して飛びながら虫を捕食。東アジアと南アジアで繁殖し、冬南方に渡る。蚊吸鳥かすいどり。蚊母鳥。怪鴟。〈[季]夏〉。〈倭名類聚鈔18〉 よたか(雄) ヨタカ 提供:OPO →鳴声 提供:NHKサービスセンター ②夜歩きをする者のたとえ。浄瑠璃、大職冠「大事の男を―にして」 ③江戸で、夜間、路傍で客をひく下等の売春婦の称。つじぎみ。やほち。根無草「地にたたずむ―は客をとめんことをはかる」 ④「夜鷹そば」の略。 ⇒よたか‐そば【夜鷹蕎麦】 よたか‐そば夜鷹蕎麦】 夜ふけまで街上を売り歩く蕎麦屋。また、その売っている蕎麦。夜鳴蕎麦。〈[季]冬〉 ⇒よ‐たか【夜鷹】 よだ‐がっかい依田学海‥ガク‥ 漢学者・演劇評論家・劇作家。名は朝宗、字は百川。佐倉藩士。江戸生れ。演劇改革に参与し、脚本「吉野拾遺名歌誉」など。日記「学海日録」は明治文壇史上、貴重な資料。(1833〜1909) ⇒よだ【依田】 よ‐だき夜焚・夜抱】 夜、火を焚いてその光に集まる魚をとること。火振ひぶり。〈[季]夏〉 よだき・い 〔形〕 (大分・宮崎県で)億劫おっくうだ。面倒くさい。 よ‐たく余沢】 先人が残しためぐみ。余徳。「―にあずかる」 よ‐たく預託】 ①あずけまかせること。寄託。 ②政府や日本銀行の金を普通金融機関に預け入れること。 ⇒よたく‐しょうほう【預託商法】 よたく‐しょうほう預託商法‥シヤウハフ 契約者が購入した商品を業者が預かり、その商品から生じた収益を契約者に還元する商法。預託牛飼育など。 ⇒よ‐たく【預託】 よ‐だけ裄丈】 衣服の裄ゆきのたけ。ゆだけ。山家集「―たつ袖にたたへて忍ぶかな袂の滝に落つる涙を」 ⇒裄丈も無い よ‐だけ節竹】 (一説に「良い竹」「世竹」の意とも)ふしのある竹。節の多い竹。節を含めて切った竹。継体紀「泊瀬の川ゆ流れ来る竹のい組竹―」 よだけ・し 〔形ク〕 ①ことごとしい。大層である。大げさである。源氏物語鈴虫「所せく―・き儀式を」 ②ものうい。大儀である。面倒である。おっくうである。源氏物語行幸「よろづうひうひしう―・くなりにて侍り」

よそ‐びと【余所人】🔗🔉

よそ‐びと余所人】 よその人。他所にいる人。他人。宇津保物語俊蔭「―に聞き見むだにあるに」

よそ‐ほか【余所外】🔗🔉

よそ‐ほか余所外】 (「よそ」を強めていう語)まったくほかの所。また、まったく関係のないこと。狂言、悪太郎「誠に―ではなし、伯父と甥との事ぢやによつて」

よそ‐み【余所見】🔗🔉

よそ‐み余所見】 ①よそを見ること。他を見ること。わきみ。よそめ。 ②他人の見たところ。よそめ。はため。 ③よそごととして見ること。見て見ぬふりをすること。好色一代女5「人の手にさはり腰を叩く程のことは―しておきしが」

よそ‐みみ【余所耳】🔗🔉

よそ‐みみ余所耳】 よそながら聞くこと。聞くともなく聞くこと。曾丹集「―に鹿のと声を聞きしより」

よそ‐もの【余所者】🔗🔉

よそ‐もの余所者】 他の土地から来た者。他国者。「―はことばで分かる」「―扱いする」

よそ‐ゆき【余所行き】🔗🔉

よそ‐ゆき余所行き】 ①よそへ行くこと。他出。外出。 ②外出の時に着る衣服。はれぎ。 ③比喩的に、特に改まったことば遣いや態度。「―の顔」

よっ‐ぽど【余っ程】🔗🔉

よっ‐ぽど余っ程】 〔名・副〕 (ヨキ(善)ホドの転。「余」は江戸中期以後の当て字) ①程よいさま。適宜。日葡辞書「シロノフシン(普請)ヲヨッポドニシナイタ」 ②かなり。相当。ほとんど。日葡辞書「コノコトヲヨッポドキ(聞)キハタ(果)イタ」。「―ましだ」 ③(1を逆説的に)いい加減。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「―にあがけよ(ふざけるのもいい加減にせよ)そこなぬく奴」 ④すんでのところで。ほとんどもう。「―言ってやろうと思った」 →よほど

よ‐づめ【余詰め】🔗🔉

よ‐づめ余詰め】 詰将棋で、作者の意図した正解以外の詰め方があり、不完全であること。

よ‐ない【余内・余荷】🔗🔉

よ‐ない余内・余荷】 江戸時代、俳優などが特に請求した給料の割増。

よ‐の‐ぎ【余の儀】🔗🔉

よ‐の‐ぎ余の儀】 ほかのこと。「―にあらず」

よ‐まき【余蒔】🔗🔉

よ‐まき余蒔】 とれた種子を、その年のうちにまくこと。また、遅くまくこと。〈俚言集覧〉

[漢]余1🔗🔉

 字形 〔人(亻・)部5画/7画/4530・4D3E〕 〔音〕ヨ(呉)(漢) [意味] 自称の代名詞。われ。自分。予。「余は如何いかにして基督キリスト信徒となりし乎」「余輩」 [解字] 会意。「」(=スコップの形)+「八」(=分散させる)。スコップで土を押し広げる意。転じて、ゆったりとのばす意。一人称に用いるのは仮借。

[漢]余2🔗🔉

2 字形  筆順 〔人(亻・)部5画/7画/教育/4530・4D3E〕 [餘] 字形 〔食部7画/16画/8117・7131〕 〔音〕(呉)(漢) 〔訓〕あまる・あます [意味] ①ありあまって残っている。あまり。あます。「一年の余もかかった」「余分・余白・残余・酔余・三年余」 ②(その)ほか。別。「余の儀でもない」「余人・余罪・余所よそ・余談」 [解字] 形声。「食」+音符「余」(=ゆとりがある)。食物が十分にある意。 [下ツキ 窮余・刑余・月余・蘖余・残余・尺余・旬余・時余・爾余・自余・丈余・剰余・緒余・睡余・酔余・寸余・有余・零余 [難読] 余所よそ・余波なごり

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