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てんいむほう【天衣無縫】▽中国🔗🔉

てんいむほう【天衣無縫】▽中国 《天人の衣服には縫い目がないの意》 詩文などが、技巧を凝らさず、自然で美しいこと。 《参考》 郭翰(カクカン)という人が、庭で寝ていると、空から縫い目のない衣服を着た織女が降りて来た。翰がその衣服の訳を尋ねたら、「天衣は針や糸など使いません。」と答えたという。 《出典》 〔霊怪録(レイカイロク)〕 純真で無邪気で、人に好感を与えるようす。

てんかのうれいにさきんじてうれえてんかのたのしみにおくれてたのしむ【天下の憂いに先んじて憂え天下の楽しみに後れて楽しむ】▽中国🔗🔉

てんかのうれいにさきんじてうれえてんかのたのしみにおくれてたのしむ【天下の憂いに先んじて憂え天下の楽しみに後れて楽しむ】▽中国 国家を思う志士は、自分個人のことを気にせず、天下の憂え事については世の人が心配する前に心配し、天下の喜び事については世の人が楽しんだ後に楽しむ。「先憂後楽」とも。 《参考》 岡山と東京にある庭園の「後楽園」の名は、このことばから付けられた。 《出典》 廟堂(ヒ゛ョウト゛ウ)ノ高キニ居リテハ則(スナワ)チ其(ソ)ノ民ヲ憂エ、江湖ノ遠キニ処(オ)リテハ則チ其ノ君ヲ憂ウ。是(コレ)進ムモ亦(マタ)憂エ、退クモ亦憂ウ。然(シカ)ラバ則チ何レノ時ニシテ楽シマンヤ。其レ必ズ天下ノ憂イニ先ンジテ憂エ、天下ノ楽シミニ後レテ楽シムト曰(イワ)ンカ。〔范仲淹(ハンチュウエン)・岳陽楼記〕

てんかはまわりもち【天下は回り持ち】🔗🔉

てんかはまわりもち【天下は回り持ち】 天下を支配する運命は回り巡るもので、だれでも機会があれば、天下の支配者になれるということ。 人の貴賤(キセン)・貧富の運命は一つ所にとどまるものではなく、各人を回り巡るものであるということ。

てんかはれて【天下晴れて】🔗🔉

てんかはれて【天下晴れて】 世間に遠慮することなく、公然と行うようす。 《例文》 「無実が明らかになり、天下晴れてその金が自由に使えるようになった。」

てんきをもらす【天機を洩らす】▽中国🔗🔉

てんきをもらす【天機を洩らす】▽中国 《天の神の大事な秘密を漏らすの意》重大な秘密を漏らすことのたとえ。 《参考》 「洩らす」は「泄(モ)らす」とも。 《出典》 一碩儒(セキシ゛ュ)言ワク、星人間(シ゛ンカン)ニ降リテ、将(マサ)ニ三子ニ福(サイワイ)セントス、今天機ヲ泄ラサバ、三子禍(ワサ゛ワイ)ヲ免レテ幸イナラン。〔神仙感遇伝(シンセンカンク゛ウテ゛ン)〕

てんさだまってまたよくひとにかつ【天定まって亦能く人に勝つ】▽中国🔗🔉

てんさだまってまたよくひとにかつ【天定まって亦能く人に勝つ】▽中国 たとえ悪人が一時栄えることがあっても、天運が巡って来て天の力が常態に復すると、天の正道は人の邪悪に勝って悪人を滅ぼす。「天定まって人に勝つ」とも。 《出典》 吾(ワレ)之(コレ)ヲ聞ク、人衆(オオ)ケレバ天ニ勝チ、天定マッテ亦能ク人ヲ破ルト。〔史記(シキ)・伍子胥伝〕 《対句》人衆(オオ)ければ天に勝つ。

てんじょうからめぐすり【天井から目薬】🔗🔉

てんじょうからめぐすり【天井から目薬】 二階から目薬

てんじょうてんがゆいがどくそん【天上天下唯我独尊】▽東洋🔗🔉

てんじょうてんがゆいがどくそん【天上天下唯我独尊】▽東洋 宇宙の中で自分はただ一人の存在であるということ。人格の尊厳性を言い表したことば。 《参考》 釈迦(シャカ)が誕生したとき、7歩歩み、一方の手で天を指し、他方の手で地をさし、四方を顧みて「天上天下唯(タタ゛)我のみ尊し。」と言ったという。 《出典》 〔伝灯録(テ゛ントウロク)〕 《類句》天上天下唯我最勝。 うぬぼれることや自負することのたとえ。唯我独尊。 《参考》 「天下」は「てんげ」とも読む。

てんしるちしるわれしるひとしる【天知る地知る我知る人知る】▽中国🔗🔉

てんしるちしるわれしるひとしる【天知る地知る我知る人知る】▽中国 《天と地と私と君とが知っているの意》自分の不正や悪事を他人が知らないだろうと思っても、必ず知る人がいるということ。「四知(シチ)」「天知る地知る」とも。 《参考》 後漢の楊震(ヨウシン)が、わいろを断って言ったことば。 《出典》 密曰(イワ)ク、暮夜(ホ゛ヤ)知ル者無シト。震曰ク、天知ル、神(シン)知ル、我知ル、子(シ)知ル、何ゾ知ル無シト謂(イ)ワンヤト。〔後漢書(コ゛カンシ゛ョ)・楊震伝〕

てんだいのふでをふるう【椽大の筆を振るう】▽中国🔗🔉

てんだいのふでをふるう【椽大の筆を振るう】▽中国 《たるきのように大きい筆でものを書くの意》格調の高いりっぱな文章を書くことのたとえ。「椽筆(テンヒ゜ツ)を振るう」「椽(タルキ)の如(コ゛ト)き筆を振るう」とも。 《参考》 (イ)「振るう」は「揮う」とも書く。 (ロ)晋(シン)のある高官が、たるきのように大きな筆を与えられた夢を見、近く大文章を書く前兆だろうと思っていると、にわかに武帝が死去し、哀悼の文や謚(オクリナ)などを皆書くことになったという。《晋書(シンシ゛ョ)》

てんたかくうまこゆ【天高く馬肥ゆ】▽中国🔗🔉

てんたかくうまこゆ【天高く馬肥ゆ】▽中国 秋は、空が澄み渡り、馬が豊かな飼料を食って肥えてたくましくなる。秋の季節のよいことのたとえ。 《参考》 秋高く馬肥ゆ。

てんちはばんぶつのげきりょ【天地は万物の逆旅】▽中国🔗🔉

てんちはばんぶつのげきりょ【天地は万物の逆旅】▽中国 天地は、万物が生まれてから死ぬまでの間に一時的にとどまる宿屋のようなものである。 《参考》 (イ)生まれた者は必ず死に、人生ははかないという思想を述べたことば。 (ロ)「逆旅」は、旅人を迎(=逆)える宿屋。 《出典》 夫(ソ)レ天地ハ万物ノ逆旅ニシテ、光陰ハ百代ノ過客(カカク)ナリ。而(シコ)ウシテ浮生ハ夢ノ如(コ゛ト)シ、歓(ヨロコ)ビヲ為(ナ)スコト幾何(イクハ゛ク)ゾ。〔李白(リハク)・春夜桃李園に宴する序〕

てんちょうちきゅう【天長地久】▽中国🔗🔉

てんちょうちきゅう【天長地久】▽中国 《天地は永遠不滅であるの意》物事が永久に続くこと。「天は長く地は久し」とも。 《出典》 天ハ長ク地ハ久シ。天地ノ能(ヨ)ク長ク且ツ久シキ所以(ユエン)ノ者ハ、其(ソ)ノ自ラ生キントセザルヲ以(モッ)テナリ。故ニ能ク長生ス。〔老子(ロウシ)・第七章〕

てんてきいしをうがつ【点滴石を穿つ】▽中国🔗🔉

てんてきいしをうがつ【点滴石を穿つ】▽中国 雨垂れ石を穿つ

てんどうおそるべし【天道畏るべし】▽中国🔗🔉

てんどうおそるべし【天道畏るべし】▽中国 天の神が定めた道理はおそれ従わなければならない。 《出典》 天道畏ルベシ。聖帝明王モ天ニ事(ツカ)ウルコト父母ニ事ウルガ如(コ゛ト)シ。〔読書録(トクショロク)〕

てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる【天道様と米の飯は何処へも付いて回る】🔗🔉

てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる【天道様と米の飯は何処へも付いて回る】 米の飯と天道様は何処へ行っても付いて回る

てんどうぜかひか【天道是か非か】▽中国🔗🔉

てんどうぜかひか【天道是か非か】▽中国 天の神は果たして正しいものなのか、それとも正しくないものなのか、迷って分からないということ。 《参考》 司馬遷(シハ゛セン)は、仁を行った伯夷(ハクイ)・叔斉(シュクセイ)が餓死し、孔子の弟子の顔淵(カ゛ンエン)が貧しくて十分に食も得られずに若死にしたのに対し、悪人の盗跖(トウセキ)が何の天罰もなく天寿を全うしたことを指摘し、天を恨んで、「これはいったいどういうわけだろうか。」と言ったという。 《出典》 〔史記(シキ)・伯夷伝〕

てんにくちなしひとをもっていわしむ【天に口なし人を以て言わしむ】🔗🔉

てんにくちなしひとをもっていわしむ【天に口なし人を以て言わしむ】 《天は、何も言わないが、その意志を人に言わせるの意》世評が真実を伝えるものであることが多いということ。

てんにしたがうものはそんしてんにさからうものはほろぶ【天に順う者は存し天に逆らう者は亡ぶ】▽中国🔗🔉

てんにしたがうものはそんしてんにさからうものはほろぶ【天に順う者は存し天に逆らう者は亡ぶ】▽中国 自然の道理に従う者は長く存在するが、逆らう者は滅亡する。 《出典》 〔孟子(モウシ)・離婁上篇〕

てんにせくぐまりちにぬきあしす【天に跼り地に蹐す】▽中国🔗🔉

てんにせくぐまりちにぬきあしす【天に跼り地に蹐す】▽中国 《天は高いのに、頭が天に触れることを恐れて背を曲げて歩き、大地は厚いのに、地面がへこんで落ち込むことを恐れて抜き足で歩くの意》非常に恐れて身を慎み、自由に行動できないでいることのたとえ。「跼蹐(キョクセキ)」「跼天蹐地(キョクテンセキチ)」とも。 《出典》 天ヲ蓋(ケタ゛)シ高シト謂(イ)ウモ敢(アエ)テ局ラズンバアラズ。地ヲ蓋シ厚シト謂ウモ敢テ蹐セズンバアラズ。〔詩経(シキョウ)・小雅・正月〕

てんにつばきす【天に唾す】🔗🔉

てんにつばきす【天に唾す】 天を仰いで唾す

てんににじつなし【天に二日なし】▽中国🔗🔉

てんににじつなし【天に二日なし】▽中国 天に二つの太陽はない。君主は国に二人いるべきではないということ。 《出典》 孔子曰(イワ)ク、天ニ二日無ク、土ニ二王無シ。〔礼記(ライキ)・曾子問篇〕

てんにむかってつばはく【天に向かって唾吐く】🔗🔉

てんにむかってつばはく【天に向かって唾吐く】 天を仰いで唾す

てんにものぼるここち【天にも昇る心地】🔗🔉

てんにものぼるここち【天にも昇る心地】 非常にうれしく思う気持ちのたとえ。 《例文》 「天にも昇る心地で合格の通知をもらった。」

てんにんのごすい【天人の五衰】▽東洋🔗🔉

てんにんのごすい【天人の五衰】▽東洋 天人の臨終のときにその体に現れるという五つの死相。着物が垢(アカ)や脂で汚れること、頭の上の花がしぼむこと、体が臭くなること、わきの下から汗が出ること、自分の座を楽しまないことの五つ。 《出典》 〔涅槃経(ネハンキ゛ョウ)〕 《類句》天上の五衰。

てんのうちどころがない【点の打ち所がない】🔗🔉

てんのうちどころがない【点の打ち所がない】 指摘すべき欠点が全くない。 《例文》 「どこから見ても点の打ち所がない男性だ。」 《類句》非の打ち所がない。

てんのときはちのりにしかず【天の時は地の利に如かず】▽中国🔗🔉

てんのときはちのりにしかず【天の時は地の利に如かず】▽中国 戦いで、天の与える攻撃の好機会は、地理的条件の有利さに及ばない。 《出典》 孟子曰(イワ)ク、天ノ時ハ地ノ利ニ如カズ。地ノ利ハ人ノ和ニ如カズ。〔孟子(モウシ)・公孫丑下篇〕

てんのびろく【天の美禄】▽中国🔗🔉

てんのびろく【天の美禄】▽中国 《天から賜ったすぐれた俸禄(ホウロク)の意》酒のたとえ。 《出典》 酒ハ天ノ美禄ニシテ、帝王ノ天下ヲ頤養(イヨウ)(=養う)シ、享祀(キョウシ)(=供え祭る)シテ福ヲ祈リ、衰ヲ扶(タス)ケ疾(ヤマイ)ヲ養ウ所以(ユエン)ナリ。〔漢書(カンシ゛ョ)・食貨志下篇〕

てんばくうをゆく【天馬空を行く】🔗🔉

てんばくうをゆく【天馬空を行く】 《天馬が空中を駆けるの意》何ものにも邪魔されずに勢いよく進むようすのたとえ。また、着想・手腕などが自由奔放で、何ものにも束縛されることのないようすのたとえ。 《例文》 「天馬空を行く手腕を見せる。」 《参考》 「天馬」は、天の神を乗せて天を走るという馬。

てんはたかきにおりてひくきにきく【天は高きに居りて低きに聴く】▽中国🔗🔉

てんはたかきにおりてひくきにきく【天は高きに居りて低きに聴く】▽中国 天帝は高い所にいても、地上の人間のことばをよく聞いて善悪に対して厳正な判断を下す。 《出典》 〔史記(シキ)・宋微子世家〕

てんはにぶつをあたえず【天は二物を与えず】🔗🔉

てんはにぶつをあたえず【天は二物を与えず】 《天は一人の人間に二つの長所や才能を与えないの意》一人の人間には長所もあるが同時に短所もあり、よい所ばかりそろった人はいないということ。「天、二物を与えず」とも。

てんはみずからたすくるものをたすく【天は自ら助くる者を助く】▽西洋🔗🔉

てんはみずからたすくるものをたすく【天は自ら助くる者を助く】▽西洋 天は、他人に頼らず自立して努力する者に助力を与えるということ。 《参考》 Heaven helps those who help them selves.の訳。

てんはみとおし【天は見通】🔗🔉

てんはみとおし【天は見通】 《天の神はすべての物事を見ているの意》悪事は必ず露見するということ。 《類句》神は見通し。天道様(テントウサマ)は見通し。神仏は見通し。

てんびんにかける【天秤に掛ける】🔗🔉

てんびんにかける【天秤に掛ける】 《天秤(はかりの一種)を用いて二つの物の目方を比べることから》 二つのものの優劣・損得などを比べ考えることのたとえ。 《例文》 「進学と就職を天秤に掛けて、結局就職と決めた。」 対立する両者から悪く思われないようにするために自分の去就をはっきりさせずにおくことのたとえ。「両天秤に掛ける」とも。

てんもうかいかいそにしてもらさず【天網恢恢疎にして漏らさず】▽中国🔗🔉

てんもうかいかいそにしてもらさず【天網恢恢疎にして漏らさず】▽中国 《天が悪人を捕らえるために張った網は大きくて目が粗いが、悪人をすくい漏らすことがないの意》天道の制裁は公正で、悪人は悪い報いを受けて必ず滅びるということ。 《参考》 「漏らさず」は「失わず」とも。 《出典》 天ノ道ハ争ワズシテ善ク勝チ、言ワズシテ善ク応ジ、……天網恢恢疎ニシテ失ワズ。〔老子(ロウシ)・第七十三章〕

てんよとらざればかえってそのとがをうく【天与取らざれば反ってその咎を受く】▽中国🔗🔉

てんよとらざればかえってそのとがをうく【天与取らざれば反ってその咎を受く】▽中国 天が与えるものは受け取るべきであって、それを受け取らないと、かえって天罰を受ける。「天の与うるを取らざれば反ってその咎を受く」とも。 《出典》 且ツ夫(ソ)レ天ノ与ウルヲ取ラザレバ、反ッテ其(ソ)ノ咎ヲ受ク。〔史記(シキ)・越世家〕

てんをあおいでつばきす【天を仰いで唾す】▽東洋🔗🔉

てんをあおいでつばきす【天を仰いで唾す】▽東洋 《天に向かってつばを吐けば、自分の顔に落ちて汚れることから》人を害しようとして、かえって自分がひどい目に遭うことのたとえ。「天に唾す」「天に向かって唾(ツハ゛)吐く」とも。 《出典》 悪人賢者ヲ害セント欲シ、天ヲ仰イデ唾ス。唾天ヲ汚(ケカ゛)サズ、還(カエ)リテ己ガ面ヲ汚ス。〔四十二章経(シシ゛ュウニショウキ゛ョウ)〕 《類句》お天道様(テントウサマ)に石。空向けて石を投げる。寝て吐く唾は身にかかる。

てんをうらみずひとをとがめず【天を怨みず人を咎めず】▽中国🔗🔉

てんをうらみずひとをとがめず【天を怨みず人を咎めず】▽中国 どんなに不遇であっても、天を恨んだり人を責めたりせずに修養に努めること。 《出典》 子曰(イワ)ク、天ヲ怨ミズ、人ヲ尤(トカ゛)メズ。下学シテ上達ス。我ヲ知ル者ハ其(ソ)レ天カ。〔論語(ロンコ゛)・憲問篇〕

てんをまくとしちをむしろとす【天を幕とし地を席とす】▽中国🔗🔉

てんをまくとしちをむしろとす【天を幕とし地を席とす】▽中国 《大空を天幕とし大地を敷物とするの意》天地を自分の家とする。気性が大きくて物事にこだわらないようすのたとえ。「幕天席地(ハ゛クテンセキチ)」とも。 《出典》 居ニ室廬(シツロ)無ク、天ヲ幕トシ地ヲ席トシ、意ノ如(ユ)ク所ニ従ウ。〔劉伶(リュウレイ)・酒徳頌〕

てんいむほう【天衣無縫】🔗🔉

てんいむほう【天衣無縫】 まるで飾り気も邪気もないこと。また、詩文などにわざとらしい技巧を凝らした跡がなく、のびのびとして美しく完璧(かんぺき)であること。 ◎天人の衣には縫い目のような手を加えた跡がないの意から。 〔出〕霊怪録(れいかいろく) 〔類〕天真爛漫(てんしんらんまん)

てんかとこんか【天下と粉糠】🔗🔉

てんかとこんか【天下と粉糠】 発音は似ているが、内容がまるで違っていることのたとえ。 ◎「こんか」は「こぬか」の転。「天下」と「粉糠」では音は似ているもののまったく異なる物であることから。

てんかのうれいにさきだちてうれいてんかのたのしみにおくれてたのしむ【天下の憂いに先立ちて憂い天下の楽しみに後れて楽しむ】🔗🔉

てんかのうれいにさきだちてうれいてんかのたのしみにおくれてたのしむ【天下の憂いに先立ちて憂い天下の楽しみに後れて楽しむ】 →先憂後楽(せんゆうこうらく)

てんかわけめ【天下分け目】🔗🔉

てんかわけめ【天下分け目】 勝負の決する重大な分かれ目のこと。 ◎天下の支配権を自分の手中に握れるか敵に取られてしまうかのだいじな運命の分かれ目の意から。→関ケ原

てんき もらすべからず【天機 洩らすべからず】🔗🔉

てんき もらすべからず【天機 洩らすべからず】 重大な秘密はどんなことがあっても洩らしてはならないということ。 ◎「天機」は天の神が決めた機密の意。なお「洩らす」は「泄らす」とも書く。

てんくうかいかつ【天空海闊】🔗🔉

てんくうかいかつ【天空海闊】 天空や大海が果てしなく広大なように、度量が大きく、気持ちがさっぱりしていること。

てんぐになる【天狗になる】🔗🔉

てんぐになる【天狗になる】 自慢すること。うぬぼれること。 ◎自慢することを「鼻が高い」と言い、それを鼻の高い天狗になぞらえた形容。

てんぐのとびそこない【天狗の飛びそこない】🔗🔉

てんぐのとびそこない【天狗の飛びそこない】 日ごろ鼻高々と自慢している者が、油断をしてやりそこなうことのたとえ。 ◎自由自在に空を飛びまわる天狗がふとした拍子に飛びそこなってしまうことから。 〔例〕「天狗の子やっとつかまり飛びをする」(古川柳) 〔類〕猿も木から落ちる

てん こうせんをむなしゅうすることなかれときにはんれいなきにしもあらず【天 勾践を空しゅうすること莫れ時に范蠡なきにしも非ず】🔗🔉

てん こうせんをむなしゅうすることなかれときにはんれいなきにしもあらず【天 勾践を空しゅうすること莫れ時に范蠡なきにしも非ず】 天よ、どうか捕らわれた勾践をあっさり殺すようなことはしてくださるな。いずれ時がくれば范蠡のような忠臣が出現するかもしれないという、不遇の君主を臣下が励ますことば。 ◎中国の春秋時代、呉(ご)と戦って敗れた越王(えつおう)勾践がやがて范蠡という忠義の臣に助けられて呉を滅ぼした。この故事をふまえ、室町時代、隠岐(おき)へ流されようとする後醍醐(ごだいご)天皇に対し、児島高徳(こじまたかのり)が「いずれ必ず再起のときが来ます。そのときにはあの范蠡のように私がお助けします」という気持ちを込めて、桜の木に刻みつけた詩句として知られる。

てんさいとはいちパーセントのれいかんときゅうじゅうきゅうパーセントのあせである【天才とは一パーセントの霊感と九十九パーセントの汗である】🔗🔉

てんさいとはいちパーセントのれいかんときゅうじゅうきゅうパーセントのあせである【天才とは一パーセントの霊感と九十九パーセントの汗である】 天才とは、単にひらめきとか思いつきがすぐれているというのではなく、ふだんの努力の結晶なのだということ。 ◎発明王エジソンが、その天才をたたえられたときに言ったことば。

てんさいはわすれたころにやってくる【天災は忘れた頃にやってくる】🔗🔉

てんさいはわすれたころにやってくる【天災は忘れた頃にやってくる】 天災は人々がその恐ろしさを忘れたころにまた襲ってくる。だから、ゆめゆめ油断は禁物、日ごろからその恐ろしさを肝に銘じて用心を怠るなということ。 ◎「災害は忘れた頃にやってくる」とも言う。寺田寅彦が言ったとされる。

てんしるちしるわれしるひとしる【天知る地知る我知る人知る】🔗🔉

てんしるちしるわれしるひとしる【天知る地知る我知る人知る】 悪事や不正はいずれ必ず発覚するという戒めのことば。 ◎中国後漢の楊震(ようしん)が賄賂(わいろ)を贈られたときに「天の神が知っている、地の神が知っている、私も知っている、あなたも知っている。だからひそかにやっているつもりでも不正はいつかきっと露見する」と戒めたという故事から。「四知(しち)」とも言う。 〔出〕後漢書(ごかんじょ) 〔例〕「天知る地知る二人知る御用知る」(古川柳―御用聞きのこと) 〔較〕The day has eyes,the night has ears.(昼に目あり夜に耳あり)

てんしんらんまん【天真爛漫】🔗🔉

てんしんらんまん【天真爛漫】 飾り気がなく、無邪気で明るいこと。また、くったくがなく、自然のままにふるまうこと。 ◎「天真」は自然で飾りがない、「爛漫」は光り輝くの意。 〔出〕輟耕録(てっこうろく) 〔類〕天衣無縫(てんいむほう)

てんじょうからめぐすり【天井から目薬】🔗🔉

てんじょうからめぐすり【天井から目薬】 →二階から目薬

てんじょうてんげゆいがどくそん【天上天下唯我独尊】🔗🔉

てんじょうてんげゆいがどくそん【天上天下唯我独尊】 天上界また天の下の世界広しといえども、自分にまさる尊大なものはないということ。 ◎釈迦(しゃか)が生まれたとき、一方の手で天を指し、一方の手で地を指して七歩歩き、あたりを見まわしながら唱えたと言われることば。なお「天下(てんげ)」は「天下(てんが)」とも読む。

てんせきこけをしょうぜず【転石苔を生ぜず】🔗🔉

てんせきこけをしょうぜず【転石苔を生ぜず】 →転がる石には苔が生えぬ

てんたかくうまこゆるあき【天高く馬肥ゆる秋】🔗🔉

てんたかくうまこゆるあき【天高く馬肥ゆる秋】 さわやかで気分のはればれとする、気候のよい秋の季節を言うことば。 ◎空は澄みきって高く、牧草などの食べ物も豊かになって馬も肥える秋の意から。「秋高く馬肥ゆ」とも言う。

てんだいのふで【椽大の筆】🔗🔉

てんだいのふで【椽大の筆】 堂々としたりっぱな文章のこと。 ◎家屋の屋根を支える角材(椽(たるき))のように大きな筆の意から。 〔出〕晋書(しんじょ)

てんち なつふゆ ゆきとすみ【天地 夏冬 雪と墨】🔗🔉

てんち なつふゆ ゆきとすみ【天地 夏冬 雪と墨】 まったく正反対なこと、はなはだしい差があることのたとえ。 ◎天と地ほど、夏と冬ほど、雪と墨ほどかけ離れているの意から。 〔類〕雲泥の差

てんちはばんぶつのげきりょ【天地は万物の逆旅】🔗🔉

てんちはばんぶつのげきりょ【天地は万物の逆旅】 この世のあらゆるものは、すべてみなはかないものだということ。 ◎「万物」はあらゆるもの、「逆旅」は宿屋のこと。天地というのは、あらゆるものが泊まる宿屋のような仮の場所にすぎないの意から。 〔出〕李白(りはく)

てんちょうちきゅう【天長地久】🔗🔉

てんちょうちきゅう【天長地久】 天や地が永久に続くように、ものごとがいつまでも変わらずに続くこと。 〔出〕老子

てんちをうごかしきじんをかんぜしむ【天地を動かし鬼神を感ぜしむ】🔗🔉

てんちをうごかしきじんをかんぜしむ【天地を動かし鬼神を感ぜしむ】 詩歌の与える感動が大きいことを言うことば。 ◎『詩経』の「天地を動かし鬼神を感ぜしむるは詩より近きは莫(な)し」を引いて「力をも入れずして天地(あめつち)を動かし、目に見えぬ鬼神をも哀れと思はせ、男女(をとこをんな)の仲をも和らげ、猛(たけ)き武士(もののふ)の心をも慰むるは歌(うた)なり」としるした『古今集』の序のことばから。

てんてき いしをうがつ【点滴 石を穿つ】🔗🔉

てんてき いしをうがつ【点滴 石を穿つ】 →雨垂れ石を穿つ

てんてんはんそく【輾転反側】🔗🔉

てんてんはんそく【輾転反側】 一晩中、思い悩んで眠ることができずに、何度も寝返りを打つこと。 ◎「輾転」も「反側」も、寝返りを打つの意。 〔出〕詩経(しきょう)

てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる【天道様と米の飯はどこへも付いて回る】🔗🔉

てんとうさまとこめのめしはどこへもついてまわる【天道様と米の飯はどこへも付いて回る】 →米の飯と天道様はどこへ行っても付いて回る

てんとうさまはおみとおし【天道様はお見通し】🔗🔉

てんとうさまはおみとおし【天道様はお見通し】 地上全体を照らしているお天道様は、人がすることならすべてを見抜いている。悪事や不正はいつか必ず白日のもとにさらされるから、悪いことはできないということ。 〔類〕天網恢々疎にして漏らさず/天に眼(まなこ)

てんどう ぜかひか【天道 是か非か】🔗🔉

てんどう ぜかひか【天道 是か非か】 天の道理では、善人に幸福を、悪人に懲罰を与えられなければならないのに、現実には善人が不幸で、悪人が繁栄していることも多い。とすると、いったい天は正しいのか正しくないのかと思い悩まざるを得ないということ。 〔出〕史記

てんどう ひとをころさず【天道 人を殺さず】🔗🔉

てんどう ひとをころさず【天道 人を殺さず】 天の道理は常に正しく、決して善良な人間を見捨てたりするような無慈悲なまねはしないということ。

てんにあらばひよくのとりちにあらばれんりのえだ【天にあらば比翼の鳥地にあらば連理の枝】🔗🔉

てんにあらばひよくのとりちにあらばれんりのえだ【天にあらば比翼の鳥地にあらば連理の枝】 →比翼連理(ひよくれんり)

てんにくちなしひとをもっていわしむ【天に口なし人を以て言わしむ】🔗🔉

てんにくちなしひとをもっていわしむ【天に口なし人を以て言わしむ】 天は直接ものを言ったりはしないが、その意志を人の口を借りて伝える。つまり、世論というものは天の声のようなもので、真実を語っているということ。 〔例〕「天に口あり人をして酔わしむる」(古川柳) 〔較〕The voice of the people,the voice of God.(民の声は神の声)

てんにせぐくまりちにぬきあしす【天に跼り地に蹐す】🔗🔉

てんにせぐくまりちにぬきあしす【天に跼り地に蹐す】 →跼天蹐地(きょくてんせきち)

てんにつばきす【天に唾す】🔗🔉

てんにつばきす【天に唾す】 人を陥れようとして、かえって自分がひどい目にあうこと。 ◎天に向かって唾(つば)を吐けば、その唾は自分の顔に落ちてくることから。「天に向かって唾す」「天を仰(あお)いで唾す」とも言う。 〔較〕Who spits against heaven spits in his own face.(天に向かって唾を吐けば自分の顔に落ちてくる)

てんににじつなし【天に二日なし】🔗🔉

てんににじつなし【天に二日なし】 天に二日、つまり二つの太陽はなく一つしかない。同様に、一国の君主もただ一人だけで、二人存在してはならないということ。 ◎「天に二つの日なし」「天に二日なし地に二王なし」とも言う。 〔出〕礼記(らいき) 〔較〕Heaven cannot support two suns,nor earth two masters.(天は二つの太陽を支え得ず、地も二人の君主を支え得ず)

てん にぶつをあたえず【天 二物を与えず】🔗🔉

てん にぶつをあたえず【天 二物を与えず】 人はそれぞれ長所と短所を持っている。一人の人間が長所ばかりを備えているということはあり得ないということ。 ◎天の神は一人の人間に二つの長所・美点といったものばかりをお授けにならないの意から。

てんにまなこ【天に眼】🔗🔉

てんにまなこ【天に眼】 天の神には下界の一部始終を見通す眼があって、人のおこないのよしあしに応じた賞罰を的確にくだされる。だから、悪いことなどできないということ。 〔類〕天道様はお見通し/天の配剤

てんのうざん【天王山】🔗🔉

てんのうざん【天王山】 勝敗の分かれ目となるきわめて重大な時や場所のこと。 ◎「天王山」は京都にある山で、史上有名な羽柴秀吉(はしばひでよし)と明智光秀(あけちみつひで)の山崎の戦いで、この山を占領できるかどうかで勝敗が左右されたことから。 〔類〕関ケ原/天下分け目

てんのときはちのりにしかずちのりはひとのわにしかず【天の時は地の利に如かず地の利は人の和に如かず】🔗🔉

てんのときはちのりにしかずちのりはひとのわにしかず【天の時は地の利に如かず地の利は人の和に如かず】 天の神が与える絶好のチャンスも、地理的条件の有利さには及ばない。しかし、その地の利も一致団結した人の和にはとうてい及ばないということ。 〔出〕孟子(もうし)

てんのはいざい【天の配剤】🔗🔉

てんのはいざい【天の配剤】 天の神は、よいおこないに対してはよい報いを、悪いおこないに対しては悪い報いを与えるということ。 ◎「配剤」は薬の調合のことから転じて、ものごとをほどよく配合するの意。 〔類〕天に眼(まなこ)

てんのびろく【天の美禄】🔗🔉

てんのびろく【天の美禄】 →酒は天の美禄

てんはひとのうえにひとをつくらずひとのしたにひとをつくらず【天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず】🔗🔉

てんはひとのうえにひとをつくらずひとのしたにひとをつくらず【天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず】 すべての人間は平等で、身分の上下や貴賤などという区別などないということ。 〔出〕福沢諭吉

てんば くうをゆく【天馬 空を行く】🔗🔉

てんば くうをゆく【天馬 空を行く】 いかなるものにも邪魔されることなく、持てる力を自由奔放に発揮して活躍すること。 ◎天上界に住むと言われる駿馬(しゅんめ)が、天空を思うがままに駆けめぐるの意から。

てんばつてきめん【天罰覿面】🔗🔉

てんばつてきめん【天罰覿面】 悪事をおこなえばその報いとして、天の罰がすぐさまくだされるということ。 ◎「覿面」は結果が即座に現れるの意。 〔較〕Swift is Heaven"s retribution.(天の復讐(ふくしゅう)は迅速である)

てんぺんちい【天変地異】🔗🔉

てんぺんちい【天変地異】 天と地の自然の世界に起こる異変のこと。 ◎「天変」は台風・雷・大雨・日食などの気象上の変事、「地異」は地上に起こる地震・大水などのこと。

てんもうかいかい そにしてもらさず【天網恢々 疎にして漏らさず】🔗🔉

てんもうかいかい そにしてもらさず【天網恢々 疎にして漏らさず】 悪事を犯した者は決して天罰をのがれることはできないということ。 ◎「恢々」は広大、「疎」は粗いの意。悪人を捕らえるために天の張る網(あみ)は広く大きくて、その目は一見粗いように見えても、絶対に悪人を網の目から漏らすことはないの意から。 〔出〕魏書(ぎしょ) 〔類〕天に眼(まなこ)/天道様はお見通し 〔較〕Murder will out.(殺人は必ず露見する)

てんをあおいでつばきす【天を仰いで唾す】🔗🔉

てんをあおいでつばきす【天を仰いで唾す】 →天に唾す

てんをうらみずひとをとがめず【天を怨みず人を咎めず】🔗🔉

てんをうらみずひとをとがめず【天を怨みず人を咎めず】 どんなに不遇であっても、決して天を怨んだり、人のせいにしたりせず、現在自分の置かれている境遇を反省して、精神の修養につとめよということ。 ◎「咎めず」は「尤めず」とも書く。 〔出〕論語

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