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く【口】🔗🔉

く【口】 [名]仏教で、くち。また、口から出す言葉。→口業(くごう)〔接尾〕助数詞。器物や人数を数えるのに用いる。「鍬(くわ)一―」

くち【口】🔗🔉

くち【口】 [名]動物の消化器系の開口部で、食物を取り入れる器官。人間では顔面の下部にあって、口唇・口蓋(こうがい)・口底に囲まれ、中に歯・舌などがある。発声にも関係する。口腔(こうこう)。「食べ物を―に入れる」「―をつぐむ」に似ているところから》人や物の出入りするところ。「通用―」「改札―」「粟田(あわた)―」容器の中身を出し入れするところ。「缶の―を開ける」物の、外部に開いたところ。すきま。穴。「傷―(きずぐち)」「ふすまの破れ―」就職や縁組みなどの落ち着く先。「事務員の―がある」物事を分類したときの、同じ種類に入るものの一つ。また、その種類。たぐい。「彼は相当いける―だ」「甘―」物事の初めの部分。または、まだ始まったばかりのこと。発端(ほつたん)。「宵の―」「序の―」物の端(はし)。ふち。先端。「切り―」雅楽の一曲や義太夫節の一段を細分したときの最初の部分。が飲食の器官であるところから》食べ物の好み。味覚。「―が肥えている」生活のために食料を必要とする人数。「―を減らす」食べる量。「三度の―を詰められるほど辛いことはなく」〈秋声・縮図〉が言語器官であるところから》口に出して言うこと。ものの言い方。「―を慎む」「―が悪い」世間の評判。うわさ。「人の―が気になる」口出しをすること。または、その意見。「『お止しなさい』と女は叱咤る様に男の―を制えた」〈魯庵・くれの廿八日〉話す能力。「―が達者だ」客の呼び出しがかかること。また、友人などの誘いがあること。→口が掛(か)かる →口を掛(か)ける意向。意見。「この男の―を窺(うかが)ひ」〈浮・永代蔵・一〉歌などの詠みぶり。「おのおの初心講へも推参すると聞いたが、殊の外―がよいと仰せらるる程に」〈虎明狂・皹〉馬の口につける縄。口取り縄。「―引きける男…聖(ひじり)の馬を堀へ落としてげり」〈徒然草・一〇六〉直径。さしわたし。「―六尺の銅(あかがね)の柱を」〈平家・五〉〔接尾〕助数詞。刀剣などを数えるのに用いる。「脇差し数―」ものを食べる回数をいうのに用いる。「ひと―食べる」寄付や出費などの分担の単位として用いる。「ひと―一万円の寄付金」 [下接語]合い口・後口・甘口・生き口・薄口・甘(うま)口・売り口・売れ口・追い口・大口・下(お)り口・折れ口・貝の口・風(かざ)口・片口・語り口・辛口・軽口・切り口・切れ口・消し口・濃い口・仕口・死に口・初(しよ)口・諸口・序の口・吸い口・攻め口・先(せん)口・竜(たつ)の口・とば口・取り口・上り口・飲み口・早口・一口・広口・別口・火(ほ)口・水(みな)口・無口・八つ口・遣(や)り口・宵の口・詠み口・悪口(ぐち)上がり口・秋口・悪たれ口・糸口・入り口・受け口・歌口・裏口・落ち口・おちょぼ口・表口・陰口・肩口・勝手口・門(かど)口・蝦蟇(がま)口・烏(からす)口・川口・木口・傷口・木戸口・金口・口口・鯉(こい)口・小口・木(こ)口・賢(さか)しら口・石榴(ざくろ)口・差し口・差し出口・地口・獅子(しし)口・蛇口・冗談口・袖(そで)口・焚(た)き口・滝口・追従(ついしよう)口・告げ口・勤め口・燕(つばめ)口・壺(つぼ)口・出入り口・手口・出口・戸口・鳶(とび)口・仲人口・憎まれ口・逃げ口・二字口・躙(にじ)り口・抜け口・呑(の)み口・入(はい)り口・捌(は)け口・働き口・火(ひ)口・一人口・減らず口・細口・間口・窓口・水(みず)口・店口・無駄口・儲(もう)け口・鰐(わに)

口が上が・る🔗🔉

口が上が・る 生活の道を失う。口が干上(ひあ)がる。話し方がじょうずになる。「たんと―・ったの」〈浄・淀鯉〉

口がうま・い🔗🔉

口がうま・い 話し方が巧みである。口先で人をまるめ込んだりするのがじょうずである。

口が煩(うるさ)・い🔗🔉

口が煩(うるさ)・い いろいろと評判やうわさをする。「世間の―・い」少しのことでも小言や意見をやかましく言う。口うるさい。「―・い年寄り」

口が奢(おご)・る🔗🔉

口が奢(おご)・る うまい食べ物に慣れて、ぜいたくになる。「―・った人」

口が重・い🔗🔉

口が重・い 口数が少ない。寡黙である。「―・い人」「その話が出ると―・くなる」

口が掛か・る🔗🔉

口が掛か・る 芸人・芸妓などが客の座敷に呼ばれる。「宴会の―・る」仕事の注文などを受ける。「バイトの―・る」仲間などから誘いがある。「マージャンの―・る」

口が堅・い🔗🔉

口が堅・い 言うべきでないことをむやみに他言しない。「―・い男だから信用できる」

口が軽・い🔗🔉

口が軽・い おしゃべりで、言ってはいけないことまで言ってしまう。

口が腐っても🔗🔉

口が腐っても 《口を動かさないために腐ってしまってもという意から》秘密などをもらさない決意の強いことをいう言葉。「―言わない」

口が肥・える🔗🔉

口が肥・える いろいろなものを食べて、味のよしあしがよくわかるようになる。舌が肥える。

口が裂(さ)けても🔗🔉

口が裂(さ)けても 秘密などを決してもらさない決意を表すのにいう言葉。「―言えない」

口が過・ぎる🔗🔉

口が過・ぎる 言うのを控えるべきことまで言う。言いすぎる。「年長者に向かって少し―・ぎるぞ」

口が酸っぱくなる程🔗🔉

口が酸っぱくなる程 同じ言葉をなん度も繰り返して言い聞かせるさま。「―注意する」

口が滑・る🔗🔉

口が滑・る 言ってはならないことをうっかり言ってしまう。「つい―・って秘密をもらす」

口が干上(ひあ)が・る🔗🔉

口が干上(ひあ)が・る 生活手段を失い、食えなくなる。あごが干上がる。「職がなくて―・る」

口が減らない🔗🔉

口が減らない 口が達者で、理屈を並べて言い返したり、勝手なことを遠慮なくしゃべったりするさま。「ああ言えばこう言う、まったく―やつだ」

口が解(ほぐ)・れる🔗🔉

口が解(ほぐ)・れる 気持ちが和らいで少しずつ話すようになる。「会が進むにつれ、出席者の―・れる」

口が曲が・る🔗🔉

口が曲が・る 目上の人や恩義を受けた人などの悪口を言うと、その罰として口の形がゆがむという意。人に対しての悪口をいさめる言葉。

口から高野(こうや)🔗🔉

口から高野(こうや) 《うっかりした言葉がもとで、出家して高野山へ行かなければならなくなるの意から》「口は禍(わざわい)の門(かど)(もん)」に同じ。「―へ参ったかと後悔すれど」〈洒・繁千話〉

口から先に生ま・れる🔗🔉

口から先に生ま・れる 口数の多い者や口の達者な者をあざけっていう言葉。

口から出任せを言・う🔗🔉

口から出任せを言・う 口から出るままにいいかげんなことを言う。「―・って言い逃れる」

口が悪・い🔗🔉

口が悪・い 人や物事をずけずけとけなすような話し方をするさま。「根はいい人だが―・い」

口では大坂の城も建つ🔗🔉

口では大坂の城も建つ 口先だけなら、どんな大きなことでも言えるというたとえ。

口と腹とは違う🔗🔉

口と腹とは違う 口で言うことと、腹の中で考えていることとは別である。

口なお乳(ちち)臭し🔗🔉

口なお乳(ちち)臭し 《「漢書」高帝紀から》年が若くて経験の足りないさまをいう言葉。口なお乳臭(にゆうしゆう)

口に合・う🔗🔉

口に合・う 飲食物の味が好みに合う。「お―・えばよろしいのですが」

口にする🔗🔉

口にする 口に入れる。飲み食いする。また、口にくわえる。「朝から何も―していない」言葉に出して言う。話す。「―するのも不愉快な話」

口に税は掛からない🔗🔉

口に税は掛からない 《どんな発言にも税金は掛からないところから》身勝手な発言をするたとえ。

口に出・す🔗🔉

口に出・す 言葉に表して言う。話す。「思わず―・す」

口に乗・せる🔗🔉

口に乗・せる 言葉たくみに人をだます。口車に乗せる。「つい―・せられてしまった」

口に上(のぼ)・る🔗🔉

口に上(のぼ)・る うわさになる。話題になる。「世間の―・る」

口に乗・る🔗🔉

口に乗・る 人々の話の種になる。評判になる。「僕なんぞでも、こうやって始終書いて居ると少しは人の―・るからね」〈漱石・野分〉だまされる。口車に乗る。「迂闊(うつか)り―・ったのが矢張此方が馬鹿なのサ」〈魯庵・くれの廿八日〉

口に針🔗🔉

口に針 言葉がとげとげしく、皮肉や悪意が感じられること。

口に任・せる🔗🔉

口に任・せる 深く考えず、思いつくまま口に出して言う。「―・せてしゃべりまくる」

口に蜜(みつ)あり腹に剣あり🔗🔉

口に蜜(みつ)あり腹に剣あり 《「唐書」李林甫伝にある、唐の宰相、李林甫を評した言葉》口ではやさしいことを言うが、心の中は陰険であること。

口にも筆にも尽くせない🔗🔉

口にも筆にも尽くせない 話にも文章にも表現しきれない。筆舌に尽くしがたい。「―ないすばらしい出来栄え」

口の下(した)から🔗🔉

口の下(した)から 言い終わるか終わらないうちに。「もう言わないという―また愚痴を言う」

口の虎(とら)は身を破・る🔗🔉

口の虎(とら)は身を破・る 「口の虎」の子項目

口は口(くち)心(こころ)は心🔗🔉

口は口(くち)心(こころ)は心 口に出して言うことと、心で思っていることとが別であること。

口は禍(わざわい)の門(かど)・(もん)🔗🔉

口は禍(わざわい)の門(かど)・(もん) 不用意な言葉から災難を招くことがあるので、言葉は慎むべきものであるという戒め。口はわざわいのもと。

口も八丁(はつちよう)手も八丁🔗🔉

口も八丁(はつちよう)手も八丁口八丁手八丁」に同じ。

口より先に手が出る🔗🔉

口より先に手が出る 言葉で注意したり叱(しか)ったりする前に、相手に腕力をふるう。

口を過ご・す🔗🔉

口を過ご・す 生計を立てる。口を糊(のり)する。「親子四人の―・して行くばかりも容易でない」〈小杉天外・初すがた〉余計なことをしゃべる。「弁説にまかせ―・しける乞食」〈咄・露がはなし・五〉

口を引き垂(た)・る🔗🔉

口を引き垂(た)・る 口をヘの字に曲げる。「やや、さらにえ知らずとて、―・れて」〈枕・一四三〉

口を(むし)・る🔗🔉

口を(むし)・る 誘いをかけて必要とする言葉を引き出す。かまをかける。「子供に飴(あめ)をねぶらせて―・るや罠(わな)の鳥」〈浄・冥途の飛脚〉

くち‐さがな・い【口さがない】🔗🔉

くち‐さがな・い【口さがない】 [形]くちさがな・し[ク]他人のうわさや批評を無責任・無遠慮にするさま。「―・い世間の人々」

くち‐ず‐から【口ずから】‐づ‐🔗🔉

くち‐ず‐から【口ずから】‐づ‐ [副]その人自身の口で。自分の言葉で。「―語る所によれば」〈荷風・つゆのあとさき〉

くち‐ずつ【口づつ】‐づつ🔗🔉

くち‐ずつ【口づつ】‐づつ ものの言い方がへたなこと。くちてずつ。「己は―に侍れば」〈今昔・二四・二二〉

くち‐てずつ【口てづつ】‐てづつ🔗🔉

くち‐てずつ【口てづつ】‐てづつ口ずつ」に同じ。「おのれは―にて、人の笑ひ給ふばかりの物語は、え知り侍らじ」〈宇治拾遺・一四・一一〉

くち‐てんごう【口てんがう】‐てんがう🔗🔉

くち‐てんごう【口てんがう】‐てんがう 冗談を言うこと。また、冗談。ざれごと。「あれは人の―花のお江戸は京まさり」〈浄・丹波与作〉→てんごう

くち‐の‐とら【口の×虎】🔗🔉

くち‐の‐とら【口の×虎】 言葉から生じるわざわいの恐ろしいことのたとえ。

口の虎(とら)は身(み)を破(やぶ)・る🔗🔉

口の虎(とら)は身(み)を破(やぶ)・る 言葉を慎まないために、ついに身を滅ぼしてしまうたとえ。

くち‐の‐は【口の端】🔗🔉

くち‐の‐は【口の端】 言葉のはしばし。口先。くちは。「無理に言わせられた表面の―に過ぎないのだ」〈左千夫・春の潮〉うわさ。評判。くちは。

口の端に掛か・る🔗🔉

口の端に掛か・る 人々の話の種にされる。うわさされる。「徐々(そろそろ)人の―・るようになりましたものですから」〈二葉亭訳・めぐりあひ〉

口の端に掛・ける🔗🔉

口の端に掛・ける 評判にする。

口の端に上(のぼ)・る🔗🔉

口の端に上(のぼ)・る うわさになる。話の種になる。「世間の―・る」

くち‐の‐よ【口の世】🔗🔉

くち‐の‐よ【口の世】 食っていくのがやっとの状態。また、その程度のわずかな手当。「やうやう―で抱へられ」〈浮・永代蔵・五〉

こう【口】🔗🔉

こう【口】 〔接尾〕助数詞。人数を数えるのに用いる。「伴僧二〇―」刀剣、その他の器具を数えるのに用いる。「剣一千―」

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