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かた【片】🔗🔉

かた【片】 [名]一対のもの、二つで一組のものの一方。片方。片一方。「―や横綱、―や平幕の対戦」〔語素〕名詞または動詞の上に付いて、複合語をつくる。一対となるものの一方、一方だけ、の意を表す。「―親」「―面」「―思い」不完全な、整っていない、の意を表す。「―言(こと)」「―仮名」かたよる、一方に偏した、の意を表す。「―田舎」「―意地」わずかな、少ない、の意を表す。「―時(とき)」「―手間」しきりに、ひたすら、の意を表す。「鶯は今は鳴かむと―待てば霞たなびき月は経につつ」〈万・四〇三〇〉

かた‐いじ【片意地】‐イヂ🔗🔉

かた‐いじ【片意地】‐イヂ [名・形動]自分の考えを執拗(しつよう)に押し通すこと。また、そのさま。「―を張る」「―なところがある」

かた‐いっぽう【片一方】‐イツパウ🔗🔉

かた‐いっぽう【片一方】‐イツパウ 二つのうちの一方。片方。

かた‐うた【片歌】🔗🔉

かた‐うた【片歌】 古代歌謡の一体。五・七・七の三句一九音からなる歌。多く問答に用いられ、二首合わせると旋頭歌(せどうか)の形になる。雅楽寮で教習した大歌(おおうた)の一つでもある。

かた‐うらみ【片恨み】🔗🔉

かた‐うらみ【片恨み】 [名]スル一方だけが恨みに思うこと。一方的な恨み。「―されるとは心外だ」

かた‐おか【片×岡】‐をか🔗🔉

かた‐おか【片×岡】‐をか 一方が切り立ち、他方がなだらかになっている丘。また、一つだけの孤立した丘。

かたおか【片岡】かたをか🔗🔉

かたおか【片岡】かたをか 京都市北区、上賀茂神社の東にある山。片岡の杜(もり)。《歌枕》「ほととぎす声待つほどは―のもりの雫(しづく)に立ちや濡れまし」〈新古今・夏〉奈良県北葛城郡王寺町から香芝市にかけての丘陵。片岡山。《歌枕》「―のこの向(むか)つ峰(を)に椎まかば今年の夏の陰にならむか」〈万・一〇九九〉

かたおか【片岡】かたをか🔗🔉

かたおか【片岡】かたをか 姓氏の一。

かたおか‐けんきち【片岡健吉】かたをか‐🔗🔉

かたおか‐けんきち【片岡健吉】かたをか‐一八四三〜一九〇三]政治家。高知の生まれ。立志社をつくり、自由民権運動を推進。民選議院設立建白書や国会開設請願書提出の中心になった。

かたおか‐ちえぞう【片岡千恵蔵】かたをかちヱザウ🔗🔉

かたおか‐ちえぞう【片岡千恵蔵】かたをかちヱザウ一九〇三〜一九八三]映画俳優。本名、植木正義。群馬の生まれ。昭和の初め、伊丹万作・稲垣浩とともに千恵蔵プロを設立し、以後時代劇を中心に数多くの映画に主演した。代表作に「国士無双」「宮本武蔵」「血槍富士」など。

かたおか‐てっぺい【片岡鉄兵】かたをか‐🔗🔉

かたおか‐てっぺい【片岡鉄兵】かたをか‐一八九四〜一九四四]小説家。岡山の生まれ。新感覚派からプロレタリア文学に転換。のちに検挙されて転向してからは通俗小説を書いた。代表作「綱の上の少女」「生ける人形」「朱と緑」など。

かたおか‐にざえもん【片岡仁左衛門】かたをかニザヱモン🔗🔉

かたおか‐にざえもん【片岡仁左衛門】かたをかニザヱモン 歌舞伎俳優。延宝期(一六七三〜一六八一)の若女方豊島春之丞の弟、片岡仁左衛門に始まる上方で最も古い家系。七世以後の家号は松島屋。(七世)[一七五五〜一八三七]京都の人。敵役(かたきやく)で名を挙げたが、女形も兼ね、所作事にもすぐれていた。(一一世)[一八五七〜一九三四]江戸の生まれ。八世の子。前名、我当。和事・実事・敵役・老役と芸域が広く、新作でも活躍した。(一三世)[一九〇三〜一九九四]東京の生まれ。一一世の子。前名、我当。芸域の広い立役で、特に上方の世話物にすぐれ、上方歌舞伎の伝統保持に努めた。

かた‐おろし【片下ろし】🔗🔉

かた‐おろし【片下ろし】 古代歌謡で、本(もと)・末(すえ)の二部に分けて歌うとき、その一方を声の調子を下げて歌うもの。また、そのような歌い方をする曲の名。「この歌は夷振(ひなぶり)の―なり」〈記・下〉

かた‐か・く【片掛く】🔗🔉

かた‐か・く【片掛く】 [動カ下二]片方を掛ける。寄せ掛ける。「山に―・けたる家なれば」〈源・手習〉頼りにする。「かの殿の御蔭に―・けてと思ふ」〈源・松風〉

かた‐かげ【片陰】🔗🔉

かた‐かげ【片陰】 陰になっている所。物陰。「高い用水桶の―から中を覗いて」〈秋声・足迹〉日陰。特に、夏の午後に家並みなどの片側にできる日陰。《季 夏》「―をもとめてすでに海の風/汀女」

かた‐がっしょう【片合掌】‐ガツシヤウ🔗🔉

かた‐がっしょう【片合掌】‐ガツシヤウ 片手だけで合掌のかたちをすること。また、そのかたちで拝むこと。

かた‐かど【片△才】🔗🔉

かた‐かど【片才】 少しばかりの才能。「ただ、―を聞きつたへて、心を動かすこともあめり」〈源・帚木〉

かた‐かな【片仮名】🔗🔉

かた‐かな【片仮名】 《「かた」は不完全の意で、漢字の一部分を用いるところから》万葉仮名として用いた漢字の偏(へん)・旁(つくり)・冠(かんむり)・脚(あし)など、その一部を取って作り出された音節文字。「阿→ア」「伊→イ」「宇→ウ」の類。平安時代に訓点が用いられるようになってから、その記入用として発達したが、現在では、主に外国語や擬声語・擬態語などの表記に用いる。大和仮名。五十音仮名。かたかんな。 →平仮名

かた‐かま【片×鎌】🔗🔉

かた‐かま【片×鎌】 鎌槍の、左右に突き出た枝の一方の刃。「片鎌槍(かたかまやり)」の略。

かたかま‐やり【片×鎌×槍】🔗🔉

かたかま‐やり【片××槍】 穂先の片側にだけ枝のある鎌槍。

かた‐がわせ【片為‐替】‐がはせ🔗🔉

かた‐がわせ【片為替】‐がはせ 外国との間の銀行為替で、売り為替か買い為替かの一方に偏ること。

かた‐かんな【片△仮名】🔗🔉

かた‐かんな【片仮名】 《「かんな」は「かりな」の音変化》「かたかな」に同じ。「一には―、一は葦手」〈宇津保・蔵開中〉

かた‐ぎき【片効き】🔗🔉

かた‐ぎき【片効き】 効果・効力が片寄ること。「ブレーキが―で事故を起こす」

かた‐ぎし【片岸】🔗🔉

かた‐ぎし【片岸】 《古くは「かたきし」とも》片方の岸。一方が険しいがけになっている所。「山の奥の谷の―に、高き木のあるに」〈宇治拾遺・六〉かたわらにある場所。ほとり。「左近の馬場(むまば)を―にしたれば、いと遥かなり」〈かげろふ・上〉

かたぎり【片桐】🔗🔉

かたぎり【片桐】 姓氏の一。

かたぎり‐かつもと【片桐且元】🔗🔉

かたぎり‐かつもと【片桐且元】一五五六〜一六一五]安土桃山から江戸初期の武将。近江(おうみ)の人。豊臣秀吉に仕え、賤ヶ岳(しずがたけ)七本槍の一人。秀頼の後見役になったが、大坂の陣では徳川方についた。

かたぎり‐せきしゅう【片桐石州】‐セキシウ🔗🔉

かたぎり‐せきしゅう【片桐石州】‐セキシウ一六〇五〜一六七三]江戸初期の茶道家。且元(かつもと)の甥(おい)。名は貞昌。大和小泉城主。石見守(いわみのかみ)。茶を桑山宗仙に学び、四代将軍徳川家綱の茶道師範となった。石州流開祖。

かた‐ぎん【片吟】🔗🔉

かた‐ぎん【片吟】 独吟(どくぎん)

かた‐くち【片口】🔗🔉

かた‐くち【片口】 一方の人だけの言い分。「―では事の真相はわからない、と思い返して」〈里見・安城家の兄弟〉一方にだけつぎ口のある長柄の銚子。一方にだけつぎ口のある鉢。馬の口取り縄を、左または右の片方だけ引くこと。「或(ある)は諸口に引くもあり、或は―に引かせ」〈長門本平家・一六〉諸口(もろくち)

かたくち‐いわし【片口×鰯】🔗🔉

かたくち‐いわし【片口×鰯】 ニシン目カタクチイワシ科の海水魚。全長約一五センチ。背部は暗青色、腹部は銀白色。沿岸の表層を回遊し、太平洋沿岸の各地で漁獲。ごまめ・煮干しの材料。ひしこいわし。しこ。せぐろいわし。《季 秋》

かた‐くり【片×栗】🔗🔉

かた‐くり【片×栗】 ユリ科の多年草。山地の林に生え、高さ約一五センチ。葉は楕円形で、表面に紫色の斑紋がある。早春、花茎の頂に紫色の花を下向きに一個つけ、花びらは六枚あり、先が反り返る。鱗茎(りんけい)は良質のでんぷんを含む。かたかご。《季 春》「―の一つの花の花盛り/素十」「片栗粉」の略。

かたくり‐こ【片×栗粉】🔗🔉

かたくり‐こ【片×栗粉】 カタクリの地下茎から作られる白色のでんぷん。料理や菓子材料などに用いる。現在、多くはジャガイモのでんぷんで代用。

かた‐ぐるし【片苦し】🔗🔉

かた‐ぐるし【片苦し】 [形動ナリ]片思いでせつない気持ちになるさま。「榊葉(さかきば)の常磐堅磐(ときはかきは)に木綿四手(ゆふしで)や―なる目な見せそ神」〈かげろふ・上〉

かた‐けい【片敬】🔗🔉

かた‐けい【片敬】 江戸時代、武家の会見のあいさつや書状などで、一方だけが相手に対して敬称を用いたこと。諸敬(もろけい)

かた‐こと【片言】🔗🔉

かた‐こと【片言】 語られる言葉の一部分。へんげん。「―も聞きもらさない」幼児や外国人などの話す、たどたどしい不完全な言葉。「―の英語を話す」なまり・俗語・方言など、標準から外れている言葉。「さるといふをはるといふ、すべて―は察し給へ」〈人・梅児誉美・初〉

かたこと‐まじり【片言交じり】🔗🔉

かたこと‐まじり【片言交じり】 片言をまじえて話すこと。「―の英語」

かた‐こま【片×駒】🔗🔉

かた‐こま【片×駒】 将棋で、棋力の上の者が、飛車または角行を落として対局すること。一枚落ち。

かた‐さがり【片下(が)り】🔗🔉

かた‐さがり【片下(が)り】 一方が他方より下がっていること。着物の一方の裾が他方より下がっていること。

かた‐さ・る【片去る】🔗🔉

かた‐さ・る【片去る】 [動ラ四]片側に寄る。「ぬばたまの夜床(よとこ)―・り」〈万・四一〇一〉遠慮する。「いづかたにも皆こなたの御けはひには、―・り憚(はばか)るさまにて」〈源・若菜上〉

かたし【片し・片△足】🔗🔉

かたし【片し・片足】 《「かたあし(片足)」の音変化》二つあるもののうちの一つ。片方。「薩摩下駄の―も投散されたる中に」〈紅葉・金色夜叉〉一方の足。片足(かたあし)。「お里は踏脱(くつぬぎ)へ―おろして」〈人・閑情末摘花・初〉細長いものの一本。一挺(いつちよう)。「剃刀(かみそり)―見えける」〈浮・諸国ばなし・二〉

かたし‐がい【片し貝】‐がひ🔗🔉

かたし‐がい【片し貝】‐がひ 二枚貝の貝殻が離れて一枚になったもの。かたつがい。

かたし‐めぬき【片し目△貫】🔗🔉

かたし‐めぬき【片し目貫】 一対の目貫のうちの片方。または、それぞれつくりの違う目貫。

かた‐しゃぎり【片しゃぎり】🔗🔉

かた‐しゃぎり【片しゃぎり】 歌舞伎の下座音楽の一。太鼓と能管による囃子(はやし)。しゃぎりの楽器編成から大太鼓を除くのでいう。松羽目物(まつばめもの)や口上などの幕開き、時代物の幕切れなどに用いる。

かた・す【片す】🔗🔉

かた・す【片す】 [動サ五(四)]他の場所へ移す。散らかっている物を整理する。かたづける。「荷物を―・す」「机の上を―・す」

かた‐すみ【片隅】🔗🔉

かた‐すみ【片隅】 中心から離れた所。すみっこ。「部屋の―」目立たない所。「社会の―」

かた‐ず・む【片ずむ・△偏む】🔗🔉

かた‐ず・む【片ずむ・偏む】 [動マ五(四)]一方へかたよる。「右なら右、左なら左へ―・んだ揺れ方をしているような奴は」〈里見・多情仏心〉◆「ずむ」の歴史的仮名遣いは未詳。「かたづむ」とも。

かた‐そぎ【片△削ぎ】🔗🔉

かた‐そぎ【片削ぎ】 片方をそぎ落とすこと。また、そぎ落としたもの。千木(ちぎ)の先を斜めにそぎ落としたもの。また、その千木。

かた‐つ‐かた【片つ方】🔗🔉

かた‐つ‐かた【片つ方】 二つあるものの一方。片一方。「御手―をばひろげたるやうに」〈更級〉もう一つの方。他方。「甲斐ある御事を見奉り喜ぶものから、―には、覚束(おぼつか)なく悲しきことのうち添ひて絶えぬを」〈源・若菜上〉片隅。「この御畳紙(たたうがみ)の―に」〈源・空蝉〉

かた‐つきみ【片月見】🔗🔉

かた‐つきみ【片月見】 八月十五夜の月見だけして、九月十三夜の「後(のち)の月見」をしないこと。災いが来るといって忌まれた。《季 秋》

かたっ‐ぱし【片っ端】🔗🔉

かたっ‐ぱし【片っ端】 「かたはし」の促音添加。

かたっぱし‐から【片っ端から】🔗🔉

かたっぱし‐から【片っ端から】 [副]たくさんあるものを次々に処理していくさま。次から次へと。手当たり次第に。かたはしから。「問題を―解いていく」

かたっ‐ぽ【片っ△方】🔗🔉

かたっ‐ぽ【片っ方】 「かたほう」の音変化。

かたっ‐ぽう【片っ方】‐パウ🔗🔉

かたっ‐ぽう【片っ方】‐パウ 「かたほう」の音変化。

かた‐ど【片戸】🔗🔉

かた‐ど【片戸】 扉が一枚の開き戸。片とびら。両開きの扉の片方の戸。「大寺の―さしけり夕紅葉」〈一茶発句集〉

かた‐なき【片泣き・片鳴き】🔗🔉

かた‐なき【片泣き・片鳴き】 独りで泣くこと。独り泣き。一説に、半泣き、また、ひたすら泣く意とも。「朝妻の避介(ひか)の小坂(をさか)を―に道行く者も偶(たぐひ)てぞ良き」〈仁徳紀・歌謡〉不十分な鳴き方。未熟な鳴き声。「おのづからまだ―のひな鳥のかまへがたさのよをいかにせん」〈新撰六帖・六〉

かた‐に【片荷】🔗🔉

かた‐に【片荷】 てんびん棒で前後に荷物を担ぐときの、片方の荷。責任の一端。心配事の一部。「先ず―だけ卸したなと思った」〈漱石・虞美人草〉

かた‐は【片羽】🔗🔉

かた‐は【片羽】 片方の翼。かたはね。二つ揃っているはずのものの片方。「鴛鴦(をし)の―のとぼとぼと」〈浄・盛衰記〉

かた‐ばかま【片×袴】🔗🔉

かた‐ばかま【片×袴】 両脚に分かれる袴の片方の脚。山伏などが用いる短い袴。旅行用の下にはく短い袴とも。

かたは‐じめ【片羽絞め】🔗🔉

かたは‐じめ【片羽絞め】 柔道の絞め技の一。背後から腕を相手のあごの下に入れて反対側の襟を取り、片手はわきの下から入れて、その腕を巻き上げるようにして制しながら、相手の首の後方へ差し入れて絞める技。

かた‐はずし【片外し】‐はづし🔗🔉

かた‐はずし【片外し】‐はづし 江戸時代、御殿女中や武士の妻などの髪の結い方の一。下げ髪を輪に結び、笄(こうがい)を横に挿し、輪の一方を外したもの。歌舞伎の女形用かつらの一。御殿女中や武家女房の役に使う。また、その役柄。「伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)」の政岡、「恋女房染分手綱(こいにようぼうそめわけたづな)」の重の井など。

かた‐はぶたえ【片羽二重】‐はぶたへ🔗🔉

かた‐はぶたえ【片羽二重】‐はぶたへ 縦糸を生糸一本にして織った軽い羽二重。軽目羽二重(かるめはぶたえ)

かた‐ひ・く【片引く・方引く】🔗🔉

かた‐ひ・く【片引く・方引く】 [動カ四]一方だけをひいきにする。えこひいきする。「兄を憎みて、弟(おとと)を―・き給ひて」〈愚管抄・四〉

かた‐ひじ【片×肘・片×肱】‐ひぢ🔗🔉

かた‐ひじ【片×肘・片×肱】‐ひぢ 片方のひじ。「机に―を突く」

かた‐びらき【片開き】🔗🔉

かた‐びらき【片開き】 開き戸が一枚だけで、一方にだけ開閉する戸。両開き。

かたふた‐ばしら【片×蓋柱】🔗🔉

かたふた‐ばしら【片×蓋柱】 壁面から本来の形の約半分だけを突出させて取り付けた装飾的な柱。

かた‐ぶり【△偏降り・片降り】🔗🔉

かた‐ぶり【偏降り・片降り】 雨降りばかりが続くこと。偏照(かたで)り。

かた‐みせ【片見世・片店】🔗🔉

かた‐みせ【片見世・片店】 店の一部で、本業とは別の商売をすること。また、その店。「すこしの酒、―に米商売しけるが」〈浮・織留・一〉

かた‐みつわ【片三輪】🔗🔉

かた‐みつわ【片三輪】 江戸時代の女性の髪形の一。三輪の一方を切り外し、若衆髷(わかしゆまげ)のようにした結い方。

かた‐むすび【片結び】🔗🔉

かた‐むすび【片結び】 帯やひもの結び方の一。一方はまっすぐのままにし、他方をそれに絡ませて輪にして結ぶもの。

かた‐もい【片×椀・片×】‐もひ🔗🔉

かた‐もい【片×椀・片×‐もひ ふたのない土製のわん。「思い遣るすべの知らねば―の底にぞわれは恋ひなりにける」〈万・七〇七〉

かた‐や【片屋】🔗🔉

かた‐や【片屋】 雨水が一方に多く流れ落ちるようにつくった屋根。片屋造り。

かた‐や【片や】🔗🔉

かた‐や【片や】 〔連語〕《「や」は間投助詞》相対するものの片一方は。「―ベテラン、―新人」相撲で、取り組みに際し、行司が先に呼び上げるほう。後からの力士には「こなた」と言う。

かた‐やま【片山】🔗🔉

かた‐やま【片山】 山の片側。また、一方が傾斜面になっている山。一説に、一つだけ孤立した山、また人里離れた山とも。「この―に二つ立つ櫟(いちひ)がもとに」〈万・三八八五〉

かたやま【片山】🔗🔉

かたやま【片山】 姓氏の一。

かたやま‐がい【片山貝】‐がひ🔗🔉

かたやま‐がい【片山貝】‐がひ イツマデガイ科の巻き貝。水田などにみられ、貝殻は細長い円錐形で、殻高七ミリくらい。殻表は、黄褐色で光沢がある。本州・九州の一部に分布、広島県片山地方で発見された。日本住血吸虫の第一中間宿主となることが宮入慶之助によって発見されたので、宮入貝(みやいりがい)ともいう。

かたやま‐かげ【片山陰】🔗🔉

かたやま‐かげ【片山陰】 山の片側で陰になった所。また、へんぴな山陰。「うちなびき春さりくればひさぎ生ふる―に鶯ぞ鳴く」〈金槐集〉

かたやま‐ぎし【片山岸】🔗🔉

かたやま‐ぎし【片山岸】 山沿いのがけ。「児(こ)らが名にかけの宜(よろ)しき朝妻の―に霞たなびく」〈万・一八一八〉

かたやま‐くにか【片山国嘉】🔗🔉

かたやま‐くにか【片山国嘉】一八五五〜一九三一]法医学者。静岡の生まれ。日本に近代法医学を確立。社会事業にも尽くした。

かたやま‐けんざん【片山兼山】🔗🔉

かたやま‐けんざん【片山兼山】一七三〇〜一七八二]江戸中期の儒学者。上野(こうずけ)の人。名は世。荻生徂徠(おぎゆうそらい)の古文辞学を学んだが、のちこれを批判し、唐宋諸家の説を加え、折衷学を提唱した。

かたやま‐せん【片山潜】🔗🔉

かたやま‐せん【片山潜】一八五九〜一九三三]労働運動指導者。岡山の生まれ。米国留学から帰国後、労働組合結成を指導。また、社会主義運動の先駆となった。日露戦争中、反戦を主張。のち、ソ連に渡ってコミンテルン中央執行委員となり、モスクワで死去。著「日本の労働運動」など。

かたやま‐ひさやす【片山久安】🔗🔉

かたやま‐ひさやす【片山久安】 安土桃山から江戸初期にかけての武術家。片山流剣道の祖。居合抜きの名人で、豊臣秀次に仕えたが、のち、中国地方を巡遊。生没年未詳。

かた‐よ・せる【片寄せる】🔗🔉

かた‐よ・せる【片寄せる】 [動サ下一]かたよ・す[サ下二]一方へ寄せる。「―・せた障子に影がさす」〈漱石・虞美人草〉一つの所にまとめる。かたづける。「十吉はそれを一々手の平に拾い集めて―・せて見た」〈三重吉・小鳥の巣〉

かた‐より【偏り・片寄り】🔗🔉

かた‐より【偏り・片寄り】 かたよること。「栄養に―のないようにする」光などの横波の振動が、その伝わる方向に垂直な方向のうち、ある方向にだけ特に著しい現象。

かた‐よ・る【偏る・片寄る】🔗🔉

かた‐よ・る【偏る・片寄る】 [動ラ五(四)]ある基準、または中心から外れて、一方へ寄る。傾く。「進路が北へ―・る」「―・った考え方」ある部分・方面に集中して、全体のつりあいを欠いた状態になる。不均衡になる。偏する。「栄養が―・る」「人口が首都圏に―・る」取り扱いや考え方などが不公平・不公正になる。偏する。「愛情が―・らないようにする」「―・った税制」あるものの方に近づく。「彼の児(こ)ろと寝ずやなりなむはだすすき浦野の山に月―・るも」〈万・三五六五〉一方に味方する。「今二人の后、十人の女御、―・り給ひつつ、皆人心をひとつになして」〈浜松・一〉

かた‐われ【片割れ・片△破れ】🔗🔉

かた‐われ【片割れ・片破れ】 割れた器物などの一片。また、対になっているものの一方。「靴下の―を捜す」一つのものから分かれたもの。分身。「清をおれの―と思うからだ」〈漱石・坊っちゃん〉仲間の一人。「密輸団の―」

かたわれ‐づき【片割れ月】🔗🔉

かたわれ‐づき【片割れ月】 半分またはそれ以上欠けている月。「十日頃の―が白くかかっている」〈荷風・見果てぬ夢〉

ひら【△片・△枚】🔗🔉

ひら【片・枚】 《「平(ひら)」と同語源》[名]紙・葉・花弁など、薄くて平らなもの。「白き赤きなど掲焉(けちえん)なる―は」〈源・梅枝〉〔接尾〕助数詞。薄くて平らなものを数えるのに用いる。「一―のバラの花弁」

びら【△片・△枚】🔗🔉

びら【片・枚】 広告・宣伝のために、人目につく所に掲げるはり紙。ポスター。広告・宣伝のために人に配る紙片。ちらし。「―をまく」

へん【片】🔗🔉

へん【片】 〔接尾〕助数詞。物の切れはし、花びらなどを数えるのに用いる。上にくる語によっては「ぺん」となる。「二、三―の花びら」

ぺん【片】🔗🔉

ぺん【片】 〔接尾〕「へん(片)」に同じ。「一―の雲」

へん‐うん【片雲】🔗🔉

へん‐うん【片雲】 一片のちぎれ雲。

へん‐えい【片影】🔗🔉

へん‐えい【片影】 わずかに見えた、ものの姿。「水平線上に敵艦の―を認める」人物の性格などの一面。「故人の―を見る思い」

へん‐かん【片簡】🔗🔉

へん‐かん【片簡】 文書の切れはし。また、ちょっとした書き物。断簡。

へん‐ぐう【片隅】🔗🔉

へん‐ぐう【片隅】 かたすみ。すみ。

へん‐げつ【片月】🔗🔉

へん‐げつ【片月】 かたわれ月。弓張り月。弦月。

へん‐げん【片言】🔗🔉

へん‐げん【片言】 わずかな言葉。ちょっともらした言葉。片語。「―もゆるがせにしない」一方の人の言葉。片方の言い分。

へんげん‐せきご【片言隻語】🔗🔉

へんげん‐せきご【片言隻語】 ほんのちょっとした言葉。片言隻句。一言半句。「―も漏らさず書き留める」

へん‐ご【片語】🔗🔉

へん‐ご【片語】片言(へんげん)」に同じ。

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