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あし【×葦・×蘆・×葭】🔗⭐🔉
あし【×葦・×蘆・×葭】
イネ科の多年草。根茎は地中をはい、沼や川の岸に大群落をつくる。高さは二〜三メートルになり、茎は堅く、円柱形で、細長い葉が互生する。穂は秋に出て紫色から紫褐色に変わる。若芽は食用になり、茎ですだれを作る。よし。《季 秋》「日の暮れや―の花にて子をまねく/一茶」


葦をふくむ雁(かり)🔗⭐🔉
葦をふくむ雁(かり)
海を渡って遠くへ飛ぶとき、海上で羽を休めるために、枯れ葦を口にくわえていくという雁。→雁風呂(がんぶろ)
あしか【海=驢・×葦×鹿】🔗⭐🔉
あしか【海=驢・×葦×鹿】
アシカ科の海獣。オットセイに似るが、やや大形で体長約二メートル、暗褐色。太平洋に分布。近縁のアザラシとは異なり、陸上では四肢で体を支えて歩行する。うみおそ。うみうそ。みち。
鰭脚(ききやく)目アシカ科の哺乳類の総称。トド・オットセイなども含まれる。




あし‐がき【×葦垣】🔗⭐🔉
あし‐がき【×葦垣】
《古くは「あしかき」》葦で作った垣根。「―の隈処(くまと)に立ちて我妹子が袖(そで)もしほほに泣きしそ思(も)はゆ」〈万・四三五七〉
あしがき‐の【×葦垣の】🔗⭐🔉
あしがき‐の【×葦垣の】
〔枕〕
葦垣は古びて見え、乱れやすく、また、その結び目は間が近いところから、「古(ふ)る」「乱る」「間近し」などにかかる。「―古りにし里と」〈万・九二八〉「―ま近けれども逢ふよしのなき」〈古今・恋一〉
垣は内外の隔てとするところから「ほか」にかかる。「―外(ほか)に嘆かふ吾(あれ)し悲しも」〈万・三九七五〉
葦を「よし」ともいうところから「吉野」にかかる。「―吉野の山の花のさかりは」〈続後撰・春中〉



あし‐が‐ちる【×葦が散る】🔗⭐🔉
あし‐が‐ちる【×葦が散る】
〔枕〕難波(なにわ)一帯には、葦が多かったところから「難波(なには)」にかかる。「―難波の三津(みつ)に」〈万・四三三一〉
あし‐かび【×葦×牙】🔗⭐🔉
あし‐かび【×葦×牙】
葦の若芽。「―のごとく萌えあがるものによりてなれる神の名は」〈記・上〉
あし‐がも【×葦×鴨】🔗⭐🔉
あし‐がも【×葦×鴨】
《葦の生えている所にいるところから》鴨のこと。《季 冬》
あしがも‐の【×葦×鴨の】🔗⭐🔉
あしがも‐の【×葦×鴨の】
〔枕〕群れ飛ぶ意から「うちむれ」にかかる。「―うちむれてこそわれは来にけれ」〈土佐〉
あし‐かり【×葦刈(り)・×蘆刈(り)】🔗⭐🔉
あし‐かり【×葦刈(り)・×蘆刈(り)】
葦を刈ること。また、その人。《季 秋》「―のそこらさまよふ一人かな/素十」
あし‐げ【×葦毛】🔗⭐🔉
あし‐げ【×葦毛】
馬の毛色の名。栗毛(くりげ)・青毛・鹿毛(かげ)の毛色に、年齢につれて白い毛がまじってくるもの。白葦毛・黒葦毛・連銭(れんぜん)葦毛などに分ける。
あしげ‐ひばり【×葦毛雲=雀】🔗⭐🔉
あしげ‐ひばり【×葦毛雲=雀】
馬の毛色の名。白と黄の毛のまじった葦毛。
あし‐ごい【×葦五位】‐ゴヰ🔗⭐🔉
あし‐ごい【×葦五位】‐ゴヰ
ヨシゴイの別名。
あし‐すだれ【×葦×簾】🔗⭐🔉
あし‐すだれ【×葦×簾】
葦を編んで作ったすだれ。よしず。
鈍色(にびいろ)の布でへりをつけたすだれ。天皇が喪に服している仮屋に掛けた。


あし‐たず【×葦田×鶴】‐たづ🔗⭐🔉
あし‐たず【×葦田×鶴】‐たづ
《葦の生える水辺にいるところから》鶴(つる)の別名。「湯の原に鳴く―は我(あ)がごとく妹(いも)に恋ふれや時わかず鳴く」〈万・九六一〉
あしたず‐の【×葦田×鶴の】あしたづ‐🔗⭐🔉
あしたず‐の【×葦田×鶴の】あしたづ‐
〔枕〕「音(ね)になく」にかかる。「―ねに泣かぬ日はなし」〈古今・恋五〉
あし‐つき【×葦付】🔗⭐🔉
あし‐つき【×葦付】
ネンジュモ科の藍藻(らんそう)。淡水藻で、葦の根、芝地などの土の表面に生える。細胞が一列に連なって寒天質に包まれ、糸状になる。食用。あしつきのり。
あし‐づの【×葦角】🔗⭐🔉
あし‐づの【×葦角】
《角のように先がとがっているところから》葦の新芽。「―の生(お)ひ出でし時に天地(あめつち)と人との品(しな)は定まりにけり」〈古今六帖・六〉
あし‐で【×葦手】🔗⭐🔉
あし‐で【×葦手】
装飾文様の一種で、文字を絵画的に変形し、葦・水鳥・岩などになぞらえて書いたもの。平安時代に始まり、中世を通じて行われた。葦手書き。
「葦手絵」の略。




あしで‐え【×葦手絵】‐ヱ🔗⭐🔉
あしで‐え【×葦手絵】‐ヱ
樹木・草花・岩などの一部に文字を装飾的に組み込んだ絵。料紙の下絵や蒔絵(まきえ)などに用いられた。
あしで‐がき【×葦手書(き)】🔗⭐🔉
あしで‐がき【×葦手書(き)】
「葦手
」に同じ。

あしで‐もじ【×葦手文字】🔗⭐🔉
あしで‐もじ【×葦手文字】
葦手書きにした文字。
あし‐の‐かりね【×葦の仮寝】🔗⭐🔉
あし‐の‐かりね【×葦の仮寝】
《「葦を刈る」の「刈る」を「仮寝」の「仮」に言い掛けたもの》かりそめに寝ること。仮寝。「夏刈(なつがり)の―もあはれなり玉江の月のあけがたの空」〈新古今・羇旅〉
あしのね‐の【×葦の根の】🔗⭐🔉
あしのね‐の【×葦の根の】
〔枕〕
「ね」の音の繰り返しで「ねもころ」にかかる。「―ねもころ思ひて」〈万・一三二四〉
葦の根は
(うき)の中にあり、節(よ)が短く、分かれる意から「うき」「よ」「短し」「分く」にかかる。「―憂(う)き身のほどと知りぬれば」〈後拾遺・恋四〉「―分けても人にあはむとぞ思ふ」〈後撰・恋二〉



あし‐の‐ほわた【×葦の穂綿】🔗⭐🔉
あし‐の‐ほわた【×葦の穂綿】
葦の穂の、綿のように見える細毛。綿の代用にした。「子ばかりのふとんに―かな/宗鑑」〈おらが春〉《季 秋》
あし‐の‐まろや【×葦の△丸屋】🔗⭐🔉
あし‐の‐まろや【×葦の△丸屋】
葦で葺(ふ)いた粗末な小屋。葦の屋。「夕されば門田の稲葉音づれて―に秋風ぞ吹く」〈金葉・秋〉
あし‐の‐や【×葦の矢】🔗⭐🔉
あし‐の‐や【×葦の矢】
葦の茎で作った矢。朝廷で大晦日(おおみそか)の追儺(ついな)の式に、桃の木の弓につがえて鬼払いの具として用いた。
あし‐の‐や【×葦の屋】🔗⭐🔉
あし‐の‐や【×葦の屋】
「葦の丸屋(まろや)」に同じ。「―の灘(なだ)の塩焼きいとまなみつげの小櫛(をぐし)も挿さず来にけり」〈伊勢・八七〉
あしはな‐げ【×葦花毛】🔗⭐🔉
あしはな‐げ【×葦花毛】
馬の毛色の名。黄色の毛のまじった葦毛(あしげ)。
あし‐はら【×葦原】🔗⭐🔉
あし‐はら【×葦原】
葦の多く生えている所。あしわら。《季 秋》
あしはら‐がに【×葦原×蟹】🔗⭐🔉
あしはら‐がに【×葦原×蟹】
イワガニ科のカニ。河口の葦原などにすむ。甲幅三・五センチくらいで、全体に暗緑色。はさみ脚で音を出す。
あしはら‐の‐くに【葦原の国】🔗⭐🔉
あしはら‐の‐くに【葦原の国】
日本の国の異称。「草木みなことやめよとて―へ立ちにしいさをなりけり」〈日本紀竟宴和歌〉
あしはらのちいおあき‐の‐みずほのくに【葦原の千五百秋の瑞穂の国】あしはらのちいほあき‐みづほのくに🔗⭐🔉
あしはらのちいおあき‐の‐みずほのくに【葦原の千五百秋の瑞穂の国】あしはらのちいほあき‐みづほのくに
日本の国の美称。穀物がいつも豊かにみのる国の意。「―は、是、吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり」〈神代紀・下〉
あしはら‐の‐なかつくに【葦原の中つ国】🔗⭐🔉
あしはら‐の‐なかつくに【葦原の中つ国】
日本の国の異称。「中つ国」は、高天原(たかまがはら)と黄泉(よみ)の国の中間にある地上の世界の意。「―に有らゆるうつくしき青人草の、苦しき瀬に落ちて」〈記・上〉
あしはら‐の‐みずほのくに【葦原の瑞穂の国】‐みづほのくに🔗⭐🔉
あしはら‐の‐みずほのくに【葦原の瑞穂の国】‐みづほのくに
日本の国の美称。「―を天降り知らしめける皇祖(すめろき)の」〈万・四〇九四〉
あし‐び【×葦火】🔗⭐🔉
あし‐び【×葦火】
干した葦を燃やすたき火。《季 秋》「忽に燃えほそりたる―かな/虚子」
あし‐ぶえ【×葦笛】🔗⭐🔉
あし‐ぶえ【×葦笛】
葦の葉を丸く巻いて作った笛。あしのはぶえ。
あし‐ぶね【×葦舟】🔗⭐🔉
あし‐ぶね【×葦舟】
葦や藺草(いぐさ)などを束ねてつくった小さい舟。最も原始的な舟で、古代のエジプト・インド・中国などで用いられた。日本でも古事記に水蛭子(ひるこ)をこの舟に乗せて流した話がある。ペルーとボリビアとの国境にあるチチカカ湖では、今も漁などに使用。
刈り取った葦を載せた舟。あしかりおぶね。
水面に浮いた葦の葉を舟にたとえていう語。



あし‐べ【×葦辺・×蘆辺】🔗⭐🔉
あし‐べ【×葦辺・×蘆辺】
葦の茂っている水辺。
あし‐ま【×葦間】🔗⭐🔉
あし‐ま【×葦間】
葦の茂みのあいだ。「―より見ゆる長柄(ながら)の橋柱昔のあとのしるべなりけり」〈拾遺・雑上〉
あしや‐の‐うないおとめ【葦屋菟原処女】‐うなひをとめ🔗⭐🔉
あしや‐の‐うないおとめ【葦屋菟原処女】‐うなひをとめ
うないおとめ

あし‐わけ【×葦分け】🔗⭐🔉
あし‐わけ【×葦分け】
[名・形動ナリ]舟が葦の生い茂ったところを押し分けて進むこと。また、物事をするのに障害があるさまにたとえていう。「過ぎぬる夜は―なることのありしなり。今夜は必ず待て」〈頼政集・詞書〉
あしわけ‐おぶね【×葦分け小舟】‐をぶね🔗⭐🔉
あしわけ‐おぶね【×葦分け小舟】‐をぶね
葦の中をこぎ分けて進む小舟。多く、物事に差し障りの多いことをたとえていう。「湊入りの―障り多みいま来む吾をよどむと思ふな」〈万・二九九八〉
あし‐わら【×葦原】‐はら🔗⭐🔉
あし‐わら【×葦原】‐はら
あしはら

よし【×葦・×蘆・×葭】🔗⭐🔉
よし【×葦・×蘆・×葭】
植物アシの別名。「悪(あ)し」に通じるのを忌んで、「善(よ)し」にちなんで呼んだもの。
葦の髄から天井を覗(のぞ)・く🔗⭐🔉
葦の髄から天井を覗(のぞ)・く
細い葦の茎の管を通して天井を見て、それで天井の全体を見たと思い込むこと。自分の狭い見識に基づいて、かってに判断することのたとえ。
よし‐がも【×葦×鴨・×葭×鴨】🔗⭐🔉
よし‐がも【×葦×鴨・×葭×鴨】
カモ科の鳥。全長約四八センチ。雄は頭部が緑と茶色で、体は灰色、三列風切り羽が長い。雌は全体に茶色。東アジアに分布。日本では冬鳥であるが、北海道では繁殖。みのがも。《季 冬》
よし‐きり【×葦切・×葭切・葦=雀】🔗⭐🔉
よし‐きり【×葦切・×葭切・葦=雀】
スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科の一群の鳥。日本ではオオヨシキリとコヨシキリが夏にみられ、葦原でギョギョシと鳴く。行々子(ぎようぎようし)。よしわらすずめ。《季 夏》「―や葛飾(かつしか)ひろき北みなみ/荷風」
よしきり‐ざめ【×葦切×鮫】🔗⭐🔉
よしきり‐ざめ【×葦切×鮫】
メジロザメ科の海水魚。全長約三メートル。体は細長い紡錘形で胸びれが長く、緑青色。性質は荒く人も襲う。熱帯から亜寒帯の外洋に分布。肉は練り製品の材料、ひれは中国料理の「ふかのひれ」として上等品。《季 冬》


よし‐ご【×葦子・×葭子】🔗⭐🔉
よし‐ご【×葦子・×葭子】
アシの若芽。あしかび。
よし‐ごい【×葦五位・×葭五位】‐ゴヰ🔗⭐🔉
よし‐ごい【×葦五位・×葭五位】‐ゴヰ
サギ科の鳥。全長約三七センチ。全体に黄褐色。南アジアに分布。日本には夏鳥として渡来し、水辺の葦原で繁殖。敵が近づくと、くちばしを天に向けてじっと立ち、周りのアシと見分けにくくなる。煩悩鷺(ぼんのうさぎ)。あしごい。《季 夏》


よしご‐ぶえ【×葦子笛】🔗⭐🔉
よしご‐ぶえ【×葦子笛】
葦子でつくった笛。
よし‐しょうじ【×葦障子・×葭障子】‐シヤウジ🔗⭐🔉
よし‐しょうじ【×葦障子・×葭障子】‐シヤウジ
「葦戸(よしど)」に同じ。
よし‐ず【×葦×簀・×葭×簀】🔗⭐🔉
よし‐ず【×葦×簀・×葭×簀】
ヨシの茎を編んで作った簀(す)。よしすだれ。人目や日ざしをさえぎるのに使う。《季 夏》「影となりて茶屋の―の中にをる/誓子」
よし‐すだれ【×葦×簾・×葭×簾】🔗⭐🔉
よし‐すだれ【×葦×簾・×葭×簾】
ヨシの茎を編んで作ったすだれ。よしず。《季 夏》
よしず‐ばり【×葦×簀張り】🔗⭐🔉
よしず‐ばり【×葦×簀張り】
よしずで囲うこと。また、よしずで囲った小屋や店。「―の茶店」
よし‐たけ【×葦竹・×葭竹】🔗⭐🔉
よし‐たけ【×葦竹・×葭竹】
ダンチクの別名。
よし‐ど【×葦戸・×葭戸】🔗⭐🔉
よし‐ど【×葦戸・×葭戸】
よしずを張った戸・障子。夏、ふすまなどの代用にする。簀戸(すど)。葦障子。《季 夏》「仮越しのやや落ちつきし―かな/万太郎」
よし‐のぼり【×葦登】🔗⭐🔉
よし‐のぼり【×葦登】
ハゼ科の淡水魚。河川・湖沼にすみ、全長四〜一二センチ。ハゼに似て、ふつう黄褐色または灰褐色の地に暗色斑があり、雄の第一背びれは長く伸びている。佃煮などにする。ごり。いしぶし。
よし‐ぶえ【×葦笛】🔗⭐🔉
よし‐ぶえ【×葦笛】
アシで作った笛。あしぶえ。
よし‐ぶき【×葦×葺き・×葭×葺き】🔗⭐🔉
よし‐ぶき【×葦×葺き・×葭×葺き】
アシで屋根をふくこと。また、その屋根。
よし‐わら【×葦原】‐はら🔗⭐🔉
よし‐わら【×葦原】‐はら
ヨシの生い茂っている原。
よしわら‐すずめ【×葦原×雀】よしはら‐🔗⭐🔉
よしわら‐すずめ【×葦原×雀】よしはら‐
ヨシキリの別名。《季 夏》「門出吉し田よしと―かな/一茶」
《ヨシキリのやかましい鳴き声から》口数が多くうるさい人。おしゃべり。「―口々に科(とが)の善し悪し夕時雨」〈浄・八百屋お七〉


葦🔗⭐🔉
葦
[音]イ
[訓]あし
よし
[部首]艸
[総画数]13
[コード]区点 1617
JIS 3031
S‐JIS 88AF
[難読語]
→あしか【海驢・葦鹿】
→あし‐かび【葦牙】
→うましあしかびひこじ‐の‐みこと【可美葦牙彦舅尊】
→よし‐がも【葦鴨・葭鴨】
→よし‐きり【葦切・葭切・葦雀】
→よし‐ごい【葦五位・葭五位】
→よし‐ず【葦簀・葭簀】
→よし‐すだれ【葦簾・葭簾】
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