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いな・す【去なす・往なす】🔗🔉

いな・す去なす・往なす】 〔他五〕 ①人を行かせる。帰らせる。離縁する。狂言、今参「取り戻いて―・せ」 ②相撲で、急に体をかわして相手をおよがせる。 ③転じて、相手の攻撃・追及を軽くあしらう。「質問を―・す」 ④愚弄する。悪口をいう。歌舞伎、韓人漢文手管始「コリヤ―・すな」

いに‐がけ【往に掛・去に掛】🔗🔉

いに‐がけ往に掛・去に掛】 帰るついで。 ⇒往に掛の駄賃 ○往に掛の駄賃いにがけのだちん 帰りの空馬に人の荷物をつけて駄賃を取ることから、事のついでに物事をすることのたとえ。行きがけの駄賃。 ⇒いに‐がけ【往に掛・去に掛】 ○意に適ういにかなう 気に入る。満足する。意に添う。「意にかなった就職先」 ⇒い【意】

い・ぬ【往ぬ・去ぬ】🔗🔉

い・ぬ往ぬ・去ぬ】 〔自ナ変〕 (近世後期、上方では四段に活用。関西方言に残る) ①行く。行ってしまう。去る。万葉集5「うぐひすそ鳴きて―・ぬなる」 ②㋐過ぎ去る。時が経過する。万葉集11「相見ては千歳や―・ぬる」 ㋑来る。大鏡道長「暮れの―・ぬるにやとおぼえて」 ③死ぬ。〈字鏡集〉 ④帰る。狂言、釣狐「愚僧が言ふ事をきかれて満足した。もはや―・なう」 ⑤腐る。悪くなる。ことわざ臍の宿替「うどんもだしも―・んである」

きょ【去】🔗🔉

きょ】 (呉音はコ)漢字の四声しせいの一つ。去声きょしょう。「平上去入」

きょ‐か【去家】🔗🔉

きょ‐か去家】 もと、家の制度で、戸主または家族がその属する家の籍を脱すること。

きょきょ‐げつ【去去月】🔗🔉

きょきょ‐げつ去去月】 先月の前の月。先々月。

きょきょ‐じつ【去去日】🔗🔉

きょきょ‐じつ去去日】 昨日の前の日。一昨日。おととい。

きょきょ‐ねん【去去年】🔗🔉

きょきょ‐ねん去去年】 去年の前の年。一昨年。おととし。 ○虚器を擁すきょきをようす 実権の伴わない地位にあって他人にいいようにあやつられる。 ⇒きょ‐き【虚器】

きょ‐げつ【去月】🔗🔉

きょ‐げつ去月】 前の月。先月。

きょ‐さい【去歳】🔗🔉

きょ‐さい去歳】 ①去年。昨年。 ②過ぎ去った年。往年。

きょ‐しゅう【去秋】‥シウ🔗🔉

きょ‐しゅう去秋‥シウ 去年の秋。昨秋。

きょ‐しゅう【去就】‥シウ🔗🔉

きょ‐しゅう去就‥シウ 離れ去ることとつき従うこと。また、事に際してどう身を処するかという態度。進退。「―を決する」

きょ‐しゅん【去春】🔗🔉

きょ‐しゅん去春】 去年の春。昨春。

きょ‐しょう【去声】‥シヤウ🔗🔉

きょ‐しょう去声‥シヤウ 漢字の四声しせいの一つ。仄声そくせいに属する。現代中国語の第四声にあたり、北京では高降りの音調に発音する。きょせい。

きょ‐せい【去声】🔗🔉

きょ‐せい去声⇒きょしょう

きょ‐せい【去勢】🔗🔉

きょ‐せい去勢】 ①動物の、殊に雄性の性巣を除去、または働かなくすること。未成熟のうちにこれを行うと、第二次性徴が発現しない。畜産では、性質をおとなしくし、上質の肉を得るようにするために行われる。 ②比喩的に、抵抗・反対などの気力を奪ってしまうこと。「―された現代人」

きょ‐たん【袪痰・去痰】🔗🔉

きょ‐たん袪痰・去痰】 気管または気管支にたまっている喀痰を除去すること。 ⇒きょたん‐やく【袪痰薬】

きょ‐とう【去冬】🔗🔉

きょ‐とう去冬】 去年の冬。

きょ‐ねん【去年】🔗🔉

きょ‐ねん去年】 今の年から見て、そのすぐ前の年。昨年。こぞ。

きょ‐らい【去来】🔗🔉

きょ‐らい去来】 ①去ることと来ること。ゆきき。「思い出が脳裏に―する」 ②過去よりこのかた。 ⇒きょらい‐こん【去来今】

きょらい‐こん【去来今】🔗🔉

きょらい‐こん去来今】 過去と未来と現在。すなわち三世の称。 ⇒きょ‐らい【去来】

きょらい‐しょう【去来抄】‥セウ🔗🔉

きょらい‐しょう去来抄‥セウ 向井去来の俳論書。「先師評」「同門評」「故実」「修行」の4部より成る。去来の芭蕉随聞記的資料で、「さび」「しおり」「不易流行」などの俳論が重要。1702〜04年(元禄15〜17)成る。75年(安永4)刊。 →文献資料[去来抄] ⇒きょらい【去来】

こぞ‐くさ【去年草】🔗🔉

こぞ‐くさ去年草】 (二年草であるからいう)麦の異称。和訓栞「―は麦をいふといへり」

こぞ‐ことし【去年今年】🔗🔉

こぞ‐ことし去年今年】 ①去年と今年。ここ一、二年。 ②新年を迎えて、年の移り変りをあらためて実感していう語。行く年来る年。〈[季]新年〉

さられん‐ぼう【去られん坊】‥バウ🔗🔉

さられん‐ぼう去られん坊‥バウ 夫に去られた女。離縁された妻。東海道名所記「もし蘆高明神より―のもどり神かと問へば」

さり‐がた・し【避り難し・去り難し】🔗🔉

さり‐がた・し避り難し・去り難し】 〔形ク〕 ①避けにくい。捨てさりがたい。よんどころない。源氏物語夢浮橋「―・きほだしに覚え侍りて」 ②離れにくい。別れがたい。とりかへばや「またなく―・きものに思ひ聞え給へり」

さり‐きらい【去嫌】‥キラヒ🔗🔉

さり‐きらい去嫌‥キラヒ ①連歌・俳諧の禁制の一つ。単調を嫌い変化を貴ぶところから、同季・同字や類似した詞などを続けてまたは近くに用いないこと。指合さしあいになるものを避けること。嫌物きらいもの。 ②すききらい。えりごのみ。甲陽軍鑑7「道具なんどに―の仕置してもいかがと思ふが」

さり‐じょう【去り状・避状】‥ジヤウ🔗🔉

さり‐じょう去り状・避状‥ジヤウ ①中世、自己の権益を放棄して辞退の意を表し、またこれを他に譲ることを示す文書。避り文。 ②離縁する旨を記して夫から妻に渡す書状。離縁状。去り文。退き状。三行半みくだりはん

さり‐ぬる【去りぬる】🔗🔉

さり‐ぬる去りぬる】 〔連体〕 過ぎ去った。いにし。さんぬる。

さり‐ぶみ【去り文・避文】🔗🔉

さり‐ぶみ去り文・避文(→)「去り状」に同じ。

さ・る【去る】(自五)🔗🔉

さ・る去る】 〔自五〕 (常時そこに存在するものが、共に存在するものの意思・感情にかかわりなく)移動する。古くは、遠ざかるにも近づくにもいう。 ①(時・季節などが)移りめぐってくる。万葉集1「冬ごもり春―・り来れば」。万葉集15「夕―・ればひぐらし来鳴く生駒いこま山」 ②時が過ぎてゆく。平家物語3「年―・り年来れ共、忘れ難きは撫育の昔の恩」。平家物語4「これは―・んぬる夜、御寝の成らざりし故也」。「夏が―・る」 ③ある所・地位・状況から離れ、ほかへ行く。移る。竹取物語「御心をのみまどわして―・りなむことの、悲しくたへがたく侍るなり」。枕草子160「さすがになどてかと思ひ顔にえ―・らぬ」。源氏物語若菜上「今かく政事を―・りて静かにおはします頃ほひ」。「職を―・る」 ④物事が過ぎてゆく。過去のものとなる。古今和歌集「たとひ時移り事―・りたのしびかなしびゆきかふともこの歌のもじあるをや」。「唯一のチャンスも―・った」「一難―・ってまた一難」 ⑤へだたる。離れる。 ㋐距離がある。「京を―・ること10里」 ㋑過去にさかのぼる。「今を―・る10年」 ⑥(色が)あせる。また、(感覚・幻覚などが)消えうせる。なくなる。貫之集「雨ふれば色―・りやすき花桜うすき心を我が思はなくに」。源氏物語早蕨「面影―・らぬ人の御事をさへ思ひ出できこえ給ふに」。「痛みが―・る」 ⑦(「世を―・る」の形で)亡くなる。死ぬ。源氏物語若菜上「うちつづき世を―・らむきざみ心苦しく」 ⑧(サ変動詞の連用形に付いて)…してしまう。…してのける。「聴衆を魅了し―・る」「一笑に付し―・った」 ⇒去る者は追わず ⇒去る者は日日に疎し

さ・る【去る・避る】(他五)🔗🔉

さ・る去る・避る】 〔他五〕 自分の意思のままに遠ざけたり、譲ったり、拒んだりする意。 ①遠ざける。はなす。蜻蛉日記「なほしばし身を―・りなむと思ひたちて」。源氏物語桐壺「あながちにお前―・らずもてなさせ給ひし程に」 ②さける。よける。古今和歌集「道も―・りあへず花ぞ散りける」。古今和歌集「世の中に―・らぬ別れのなくもがな」。源氏物語玉鬘「和歌の髄脳いと所せく、病―・るべきこころ多かりしかば」 ③譲歩する。ゆずる。源氏物語「ここにやは立たせ給はぬ。所―・り聞えむ」。源氏物語紅葉賀「やんごとなき御腹々のみこたちだにうへの御もてなしのこよなきに、煩はしがりて、いと殊に―・り聞え給へるを」 ④離縁する。宇治拾遺物語4「もとの妻をば―・りつつ、わかくかたちよき女に思ひつきて」 ⑤のぞく。すてさる。わらんべ草1「行水などして身の垢あかを―・つて」。「俗念を―・る」 ⑥ことわる。こばむ。辞退する。允恭紀「今群臣の請ふこと事理ことわり灼然いやちこなり。何ぞ遂に謝らむや」。大鏡為光「かの左衛門督はえなられじ。又そこに―・らればこと人こそはなるべかなれ」 ⑦連歌・俳諧で、指合さしあいにならないよう句を隔てる。三湖抄「舟と舟、煙と烟、衣と衣いづれも七句―・るなり」

さる【去る】(連体詞)🔗🔉

さる去る】 〔連体〕 過ぎ去った。「―10日の朝」↔来きた

○去る者は追わずさるものはおわず🔗🔉

○去る者は追わずさるものはおわず [公羊伝隠公2年「来者勿拒、去者勿追」]去って行く者は敢えてひきとめない。→来る者は拒まず(「来る」成句) ⇒さ・る【去る】

○去る者は日日に疎しさるものはひびにうとし🔗🔉

○去る者は日日に疎しさるものはひびにうとし [文選、古詩十九首「去る者は日に以て疎し、生ける者は日に以て親し」] ①死んだ人は月日のたつに従って次第に忘れるものである。 ②親しかった人でも、遠ざかると次第にその人への情が薄れる。 ⇒さ・る【去る】 さる‐ももひき猿股引】 猿股さるまたの別名。守貞漫稿「旅行の半股引…江戸は―といふ」 さる‐よう然る様‥ヤウ しかるべき事情。源氏物語浮舟「殿は―ありて」 さるわか猿若】 ①歌舞伎の役柄。阿国おくに歌舞伎の時代に道化どうけた滑稽を演じた者の名に起こり、道化役の意に用いる。 ②猿若1を主人公とした能狂言式の所作事しょさごと。猿若座(中村座)の家狂言として伝えられたものが残り、歌舞伎最古の現存脚本という。 猿若 ③歌舞伎の猿若の滑稽なまねをして歩く乞食芸人。 ④猿若町大芝居の略。→猿若町⇒さるわか‐ざ【猿若座】 ⇒さるわか‐ちょう【猿若町】 さるわか‐ざ猿若座】 江戸の歌舞伎劇場。1624年(寛永1)猿若勘三郎が中橋南地に創建。51年(慶安4)堺町(後の人形町)に移転、勘三郎の本姓中村を取って中村座と改称。→中村座⇒さるわか【猿若】 さるわか‐ちょう猿若町‥チヤウ 東京都台東区の旧町名。水野越前守の天保の改革の際、風俗取締りのために、江戸市中に分散していた芝居類の興行物を浅草聖天町の一郭に集合させて名づけた芝居町。3区分して一丁目(中村座)・二丁目(市村座)・三丁目(森田座)と称した。明治以後1966年まで町名だけ残る。 ⇒さるわか【猿若】 ざれ戯れ】 ざれること。たわむれ。じゃれ。「―も昂こうずれば喧嘩となる」 ざれ‐あ・う戯れ合う‥アフ 〔自五〕 互いにたわむれる。じゃれあう。 さ‐れい茶礼】 茶の湯の礼式。〈日葡辞書〉 ざ‐れい座礼・坐礼】 ①座ったままでする礼。 ②座っている時の礼法。↔立礼 ざれ‐うた戯歌】 ①滑稽味のある和歌。俳諧歌。ざれごとうた。 ②狂歌。 ざれ‐え戯絵‥ヱ ①滑稽を主とした絵。おどけえ。 ②略画。狂言、末広がり「―といふは、或は児・若衆かなどを、―ざつと書いたこそ―なれ」 され‐がい曝貝‥ガヒ 潮水や風雨にさらされた貝殻。 ざれ‐がき戯書き】 たわむれに書いたもの。手慰みに書いた書画・文章。 さ‐れき砂礫】 すなと小石。つぶて。しゃれき。 ざれ‐く戯句】 ふざけて作った発句。狂句。 ざれ‐くつがえ・る戯れ覆る‥クツガヘル 〔自四〕 甚だしく気取る。甚だしくなまめく。源氏物語末摘花「―・る今やうのよしばみよりは」 され‐こうべ髑髏‥カウベ (「曝れ頭」の意)風雨にさらされてしらけた頭骨。野晒のざらし。どくろ。しゃれこうべ。 ざれ‐ごころ戯心】 たわむれる心。あだめかしい心。しゃれっ気。源氏物語東屋「ゐなかびたる―もてつけて」 ざれ‐ごと戯言】 (ザレコトとも)ふざけて言うことば。冗談。狂言、餅酒「わごりよは、最前から―深い人ぢや」 ⇒ざれごと‐うた【戯言歌】 ざれ‐ごと戯事】 (ザレコトとも)ふざけた事柄。冗談事。狂言、末広がり「―をせずと末広がりを見せい」 ざれごと‐うた戯言歌】 ①滑稽味のある和歌。俳諧歌。ざれうた。俊秘抄「誹諧歌といへるものあり…古今について尋ぬれば、―といふなり」 ②狂歌。 ⇒ざれ‐ごと【戯言】 サレジオ‐かいサレジオ会‥クワイ (Society of St. Francis de Sales)カトリック修道会の一つ。フランスの聖人フランソワ=ド=サール(フランチェスコ=サレジオ)(1567〜1622)の精神に基づき、1859年にイタリア人司祭ドン=ボスコがトリノに創始。青少年教育を行う。 ざ‐れつ座列・坐列】 いならぶこと。座につらなること。列座。 ざれ‐つ・く戯れつく】 〔自四〕 たわむれかかる。じゃれつく。狂言、寝音曲「ちと―・いた所で御座る」 サレップsalep オランダ・沙列布】 サレップランなどのラン科植物の球根を花期に採取し、熱湯に投じた後、これを乾燥した生薬。煎剤として胃炎の治療に用いる。日本ではサイハイランの鱗茎を代用した。 され‐ど然れど】 〔接続〕 けれども。しかし。伊勢物語「逢はじとも思へらず。―、人目しげければ、え逢はず」 され‐ば然れば】 [一]〔接続〕 ①上の文をうけて、次の論を展開させるのに用いる。そうであるから。それゆえ。源氏物語帚木「―、かのさがなものも思ひいであるかたに忘れがたけれど、さしあたりて見むには煩はしく、よくせずはあきたきこともありなむや」 ②「―よ」「―こそ」などの形で、思った通りだ、案の定だ、の意を表す。源氏物語少女「あさましくもあるかな、―よ、思ひ寄らぬ事にはあらねど、いはけなき程にうちたゆみて、世は憂きものにもありけるかな」。天草本平家物語「三位の入道―こそと言うて喜ばれた」 ③強い驚き・意外さを表す文の中に用いて、いったい、そもそもの意を表す。平家物語3「こは―何事ぞや。御とがあるべしとも思し召さず」 ④話題を先へ転じたり、新しく説き起こしたりする際に用いる。さて。ところで。日本永代蔵3「この男…世の人あやかりものとて升掻ますかきを切らせける。―かぎりある命、この親父その年の時雨降るころ」 [二]〔感〕 答える際に用いる語。下に「いの」「いな」「さ」を伴い、また「―その事」「―でございます」などの形で用いられる。さよう。いや。狂言、仏師「何時頃出来ませう。―、十年ばかりせずば出来ますまい」。天草本平家物語「木曾が京で狼藉をしたは何たることぞ。―そのことでござる」。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「権三殿は御存じないか。―、存じたとも申されず、存ぜぬとも申されぬ」 ⇒されば‐いな【然ればいな】 ⇒されば‐こそ【然ればこそ】 ⇒されば‐よ【然ればよ】 されば‐いな然ればいな】 〔感〕 (近世語)女性が他人の語を受けて答える時の語。さればいの。 ⇒され‐ば【然れば】 されば‐こそ然ればこそ】 そうであればこそ。思ったように。竹取物語「―こと物の皮なりけり」 ⇒され‐ば【然れば】 ざれ‐ば・む戯ればむ】 〔自四〕 しゃれたさまをする。気取ったふうをする。源氏物語夕顔「―・みて書いたるさま」 されば‐よ然ればよ】 思ったとおりよ。そうれ。伊勢物語「―といひて」 ⇒され‐ば【然れば】 ざれ‐ふで戯筆】 戯れに書いた書画。ざれがき。 され‐まつ曝松】 松の園芸品。枝葉が茂り、たけの低い、古木のような松。多く盆栽とする。天目松てんもくまつざれ‐もの戯者】 ふざける人。おどけもの。〈日葡辞書〉 さ‐れる (動詞「する」の未然形サに助動詞の付いたもの) ①「する」の尊敬語。なさる。「先生が話をされる」 ②「する」の受身。「相手にされない」 ざ・れる戯れる】 〔自下一〕[文]ざ・る(下二) (古くはサルとも) ①たわむれる。ふざける。枕草子96「げすども―・れゐたる」 ②気がきいている。しゃれる。落窪物語1「使ひつけたるわらはの―・れたる女ぞ」 ③趣がある。風雅である。源氏物語夕顔「さすがに―・れたる遣戸口に」 サレルノ‐だいがくサレルノ大学】 (Università di Salerno イタリア)イタリアの総合大学の一つ。中世、イタリア南部の都市サレルノに成立した医学を中心とする学院が起源。1231年大学として公認。14世紀に衰退。19世紀初頭に閉鎖され、1970年代に再興。 サロイヤンWilliam Saroyan】 アメリカの作家。楽天的なユーモアと感傷で愛される。小説「人間喜劇」「わが名はアラム」、劇「わが心は高原に」など。(1908〜1981) さ‐ろう砂漏】 砂の漏刻。すなどけい。しゃろう。 サロートNathalie Sarraute】 フランスの女性作家。ロシア生れ。アンチ‐ロマン・ヌーヴォー‐ロマンの創始者の一人。小説「プラネタリウム」、評論「不信の時代」など。(1902〜1999) サロードsarod ヒンディー】 北インドの撥弦楽器。円胴に皮を張り、フレットなしの幅広い棹の上面に金属弦を張り、通常4〜5本の旋律弦、3〜5本のドローン弦、10本以上の共鳴弦をもつ。マンドリンのように小さな義甲で弾く。サロッド。 ざ‐ろく座彔・坐彔】 (座する時に用いる曲彔きょくろくの意)木のわくに籐とうを編みつけ、背をよせかける椅子。よりかかり。 サロス‐しゅうきサロス周期‥シウ‥ 〔天〕(saros period)バビロニア時代から知られている日食と月食の周期。約18年ごとにほぼ同じ状況の日食や月食が起こる。カルデア食期。 サロニカSalonika】 ギリシア北部、マケドニア地方の港湾都市。古代マケドニアの首都。人口38万5千(2001)。ギリシア語名テッサロニーキ。 サロベツ‐げんやサロベツ原野】 北海道北西部、宗谷・留萌るもい支庁にまたがる原野。内陸部は泥炭湿地、日本海沿岸には砂丘が広がる。 サロペットsalopette フランス】 ①作業用の上っ張り。 ②胸当てや吊紐つきの作業用ズボン。 サロマ‐こサロマ湖】 北海道北東部、オホーツク海に臨む潟湖せきこ。最大深度19.6メートル。面積151.9平方キロメートル。カキ・ホタテ貝の養殖地として有名。 サロメSalome】 ①ガリラヤの太守ヘロデ=アンティパスの姪。洗礼者ヨハネの首を所望した。 ②1の伝説に取材して脚色したオスカー=ワイルド作の戯曲。原文はフランス語。1893年刊。 ③2に基づいたリヒャルト=シュトラウス作曲の楽劇。1905年初演。 サロンsalon フランス】 ①客室。応接間。また、ホテル・客船などの広間・談話室。サルーン。 ②フランスなどの上流婦人が客間で催す社交的集会。また、学者や芸術家などの社交的な集まり。 ③(フランス‐アカデミーの美術展がルーヴル宮殿内のサロン‐カレで開かれたことから)美術展覧会。サロン‐ドートンヌは1903年革新的画家たちが設立、毎秋開催。サロン‐ド‐メは43年設立。45年以降、毎年5月に開催。→アンデパンダン⇒サロン‐ミュージック【salon music】 サロンsaron インドネシア】 インドネシアの金属製打楽器。青銅または鉄の板を音高順に並べて叩くもの。ジャワのガムランの中で主に高音域を受け持ち、音域により数種ある。 サロンsārung マレー】 (筒または鞘さやの意)インドネシア・マレーシアなどで着用する筒型の腰布。 ⇒サロン‐エプロン ざ‐ろん座論】 座して議論すること。座上の空論。 ⇒ざろん‐うめ【座論梅】 ザロンGia Long・嘉隆】 ベトナムのグエン(阮)朝(1802〜1945)の初代皇帝。廟号、世祖。グエン=フクアイン(阮福映)。国内の反乱を平らげ、1802年ハノイに入城して全土を統一。清朝に朝貢して国号を越南とし、06年帝位についた。(在位1806〜1820)(1762〜1820) ざろん‐うめ座論梅】 梅の一品種。一つの花に多くの実を結ぶもの。品字梅ひんじばい。八房梅。ざろんばい。 ⇒ざ‐ろん【座論】 サロン‐エプロン (和製語)胸当てのない、腰から下だけを覆うエプロン。 ⇒サロン【sārung マレー】 サロン‐ミュージックsalon music】 ホテルやレストランで演奏される上品な音楽。もとヨーロッパの王侯・貴族・芸術家のサロンで演奏された社交的な音楽。 ⇒サロン【salon フランス】 さわサハ 多いこと。あまた。たくさん。平面に広がり散らばっているものにいう。神武紀「忍坂おさかの大室屋おおむろやに人―に来入り居り」 さわサハ ①低くて水がたまり、蘆あし・荻おぎなどの茂った地。水草の交じり生えた地。大唐西域記長寛点「西のかた平川サワを渡て行くこと七百余里にして」 ②山間の比較的小さな谷川。渓流。「―を登る」 さわサハ 姓氏の一つ。 ⇒さわ‐のぶよし【沢宣嘉】 さ‐わ茶話】 茶を飲みながら気軽に話す話。ちゃのみばなし。ちゃわ。「―会」 サワーsour】 (「酸っぱい」の意)ウィスキー・ジンなどの蒸留酒に、レモン‐ジュースなどを加えて酸味をもたせたカクテル。 ⇒サワー‐クリーム【sour cream】 ザワークラウトSauerkraut ドイツ⇒ザウアークラウト サワー‐クリームsour cream】 クリームに乳酸菌を加えて発酵させた食品。 ⇒サワー【sour】 さわ‐あじさい沢紫陽花サハアヂサヰ ユキノシタ科の落葉低木。山地の斜面・沢などに群生。高さ1メートル内外。7〜8月頃、白色の細花を多数散形につけ、周囲の装飾花は碧色または淡紅色・白色。ヤマアジサイ。 さわあじさい さわ‐あららぎ沢蘭サハ‥ サワヒヨドリの別称。万葉集19「黄葉もみちせる―一株を抜き取り」 さわ‐いずみ沢泉サハイヅミ 沢にわき出る水。万葉集11「こもりどの―なる石根いわねをも」 さわ‐おぐるま沢小車サハヲ‥ キク科の多年草。山間湿地の水中に生える。長い柄のある根出葉をもち、初夏、茎頂に直径約4センチメートルの黄色の頭状花を多数つける。 さわ‐かい茶話会‥クワイ 茶菓をともにしながら話し合う会。ちゃわかい。福地桜痴、時事論集「夜会、園遊会、―の如きには」 さわがし・い騒がしい】 〔形〕[文]さわが・し(シク) (動詞サワグの形容詞形) ①物音や声などがやかましい。人がたくさんこみあっている。騒々しい。宇津保物語楼上下「神いと―・しくなりひらめきて」。源氏物語柏木「馬・車たちこみ、人―・しうさわぎみちたり」。「場内が―・くなる」 ②事が多い。いそがしい。とりこんでいる。源氏物語賢木「いと―・しき程なれど御返りあり」 ③心が落ちつかない。今昔物語集31「―・しく、もの念じせざらむ人は必ずかく弊つたなきなり」 ④穏やかでない。平穏でない。(物情騒然たる状態や疫病流行などについていうことが多い)源氏物語明石「おほきおとど亡せ給ひぬ。ことわりの御よはひなれど、次々におのづから―・しき事あるに、大宮もそこはかとなう煩ひ給ひて」。「世の中が―・い」 ⑤ごたごたしている。乱雑である。三冊子「書き様はいろいろあるべし。ただ―・しからぬ心づかひありたし」 さわが・せる騒がせる】 〔他下一〕[文]さわが・す(下二) 騒がしい状態にする。混乱した状態にする。「世間を―・せた事件」「胸を―・せる」 さわ‐がに沢蟹サハ‥ サワガニ科のカニ。甲は丸みのある四角形で、幅約2.5センチメートル。灰青色・茶褐色・紫黒褐色の三つの色彩型がある。北海道を除く各地の渓流・河川の砂礫中に穴居。肺臓ジストマの第2中間宿主となる。食用。〈[季]夏〉 サワガニ 提供:東京動物園協会 さわが‐れ騒がれ】 さわがれること。とやかくやかましく言われること。源氏物語総角「御―にこそはおはすなれ」 さわがわ・し騒がはしサワガハシ 〔形シク〕 「さわがしい」に同じ。新撰字鏡10「怓、大乱、佐和加波志」 さわぎ騒ぎ】 (奈良時代には清音) ①さわぐこと。さわがしいこと。また、人々を騒がせるような事件。混雑。取りこみ。「―が起きる」「けんか―」 ②騒乱。騒動。戦乱。大和物語「純友が―の時」 ③遊びさわぐこと。万葉集11「ますらをは友の―に慰もる心もあらめ」 ④酒宴の席でにぎやかに遊ぶこと。遊興。日本永代蔵2「―は両色里の太鼓に本粋になされ」 ⑤(下に打消の語を伴って)そんな程度の事柄。「寒いどころの―ではない」 ⇒さわぎ‐うた【騒ぎ唄】 ⇒さわぎ‐なかま【騒ぎ仲間】 ⇒さわぎ‐びと【騒ぎ人】 さわぎ‐うた騒ぎ唄】 ①遊里で、三味線・太鼓を用いて歌うにぎわしい歌。元禄頃に流行。 ②下座音楽の一つ。大鼓・小鼓・太鼓に唄や三味線が入り、揚屋の騒ぎなどの時に用いるもの。 ⇒さわぎ【騒ぎ】 さわ‐ぎきょう沢桔梗サハギキヤウ ①キキョウ科の多年草。山野の湿地に生え、高さ1メートル内外。葉は互生し笹形。夏から秋にかけ鮮紫色の美しい唇形花を総状につける。 ②ハルリンドウの別称。 さわぎ‐た・つ騒ぎ立つ】 〔自四〕 騒ぎはじめる。また、さかんに騒ぐ。 さわぎ‐た・てる騒ぎ立てる】 〔自下一〕 大さわぎする。「マスコミが―・てる」 さわぎ‐なかま騒ぎ仲間】 遊蕩仲間。好色五人女3「折ふし洛中に隠れなき―の男四天王」 ⇒さわぎ【騒ぎ】 さわぎ‐びと騒ぎ人】 遊蕩の客。男色大鑑「今の世の―の気の毒とぞなれる」 ⇒さわぎ【騒ぎ】 さわ・ぐ騒ぐ】 〔自五〕 (奈良時代にはサワクと清音。サワは擬態語。クはそれを動詞化する接尾語) ①やかましく声を立てる。ざわざわと音をたてる。騒々しく動く。万葉集6「み吉野の象山きさやまのまの木末こぬれにはここだも―・く鳥の声かも」「朝風に浦波―・き夕浪に玉藻は来寄る」。宇津保物語梅花笠「山に―・ぐ鹿」。「波が―・ぐ」「酒を飲んで―・ぐ」 ②忙しく立ち働く。万葉集1「もののふの八十宇治川に玉藻なす浮べ流せれそを取ると―・く御民も家忘れ」 ③ただならぬ動きを見せる。騒動がおこる。景行紀「東夷あずまのひな多に叛きて、辺境ほとりのくに騒動さわきとよむ」。平家物語2「小松殿に―・ぐ事ありと聞えしかば」。「会場で―・ぐ気配がある」 ④不平をいう。苦情をいう。やかましく抗議する。源氏物語紅葉賀「宮はその頃まかで給ひぬれば、例のひまもやと窺ひありき給ふをことにて大殿には―・がれ給ふ」 ⑤心が動揺する。思い乱れる。源氏物語紅葉賀「あらだちし波に心は―・がねど寄せけむ磯をいかがうらみぬ」。源氏物語夕顔「頭中将を見給ふにもあいなく胸―・ぎて」 ⑥あわてふためく。うろたえる。枕草子142「うちたゆみたる舞人…ものにあたるばかり―・ぐも、いといと物ぐるほし」。「火急の場合にも―・ぐな」 ⑦あれこれと取沙汰する。また、もてはやす。評判にする。大和物語「この―・がれし女のせうとどもなどなむ、人のわざしに山に登りたりける」。「世間が―・ぐ事件」 ⑧酒宴などでにぎわしく歌舞音曲をする。遊興する。松の葉3「やつこりやこりやこりや飲めさ、嫌ださ、ぞめき―・ぎし有様を」 さわ‐ぐるみ沢胡桃サハ‥ クルミ科の落葉高木。沢など山間の湿地に多い。高さ約20メートル、周囲2メートル以上に及ぶ。葉は大形の羽状複葉。4〜5月頃、淡黄色の単性花を密生した尾状の花序を垂らす。のち両側に翼のある堅果を結ぶ。材は黄白色の光沢あり、下駄・マッチの軸木・箸・経木に利用。カワグルミ。ヤマギリ。〈[季]秋〉 さわぐるみ サワグルミ(花) 提供:ネイチャー・プロダクション さわ‐さわ爽爽サハサハ (歴史的仮名遣サワサワとも) ①さっぱりと気持のよいさま。さわやか。源氏物語総角「―とはえあきらめ給はで」 ②すらすら。愚管抄3「―と皇子皇子つがせ給ひて」 さわ‐さわ騒騒】 ①騒がしく音を立てるさま。古事記「口大の尾翼鱸おはたすずき―に引き寄せあげて」 ②物などが軽くふれて鳴る音。 ③不安なさま。落ちつかないさま。浄瑠璃、心中重井筒「聞くより胸も―と」 ざわ‐ざわ騒騒】 ①草木の葉や水などが揺れ動き触れ合って立てる連続音。また、そのさま。「風で木々が―と鳴る」 ②大勢の人の声や身動きする音が混じり合って聞こえる騒音。大勢の人が動揺して落着きのないさま。「場内が―する」 ③嫌悪感・不快感・高熱などで悪寒がしたり心が乱れ騒いだりするさま。「―と鳥肌が立つ」 さわし醂しサハシ さわすこと。さわしたもの。 ⇒さわし‐がき【醂柿】 ⇒さわし‐の【醂箆】 さわ‐しおん沢紫苑サハ‥ヲン 〔植〕タコノアシの別称。 さわし‐がき醂柿サハシ‥ 渋を去った柿の実。渋抜きには樽に入れ温湯につける方法やアルコール・炭酸ガスを用いる方法がある。たるがき。あわしがき。↔木練柿こねりがき⇒さわし【醂し】 さわし‐の醂箆サハシ‥ 黒漆で光沢のないように薄く塗った矢の箆。錆箆さびの。淡箆さわしの⇒さわし【醂し】 さわ‐しば沢柴サハ‥ カバノキ科の落葉高木。山地に自生し、高さ10メートル内外。葉は卵形で葉脈が目立つ。5月、新葉と共に緑黄色、尾状の花穂をつける。材は細工物・家具用・薪炭材とする。 さわ‐しょう沢正サハシヤウ 沢田正二郎の通称。 さわ・す醂すサハス 〔他五〕 ①柿の果実の渋を抜く。あわす。 ②水に浸してさらす。 ③黒漆で光沢のないように薄く塗る。淡さわす。桃華蘂葉「烏帽子。当家はもろ額なり。四十以後やうやう―・すべし」 さわずみ沢住・沢角サハ‥ 姓氏の一つ。 ⇒さわずみ‐けんぎょう【沢住検校・沢角検校】 さわずみ‐けんぎょう沢住検校・沢角検校サハ‥ゲウ 江戸初期の琵琶法師。堺の人。京都に住む。初めて小歌・浄瑠璃に三味線を合わせて弾いたといわれる。生没年未詳。 ⇒さわずみ【沢住・沢角】 さわ‐だ沢田サハ‥ 冬・春の頃、水のたまった田。沢辺にある田。曾丹集「ねぜりつむ春の―におりたちて」 さわだ沢田サハ‥ 姓氏の一つ。 ⇒さわだ‐しょうじろう【沢田正二郎】 ⇒さわだ‐とうこう【沢田東江】 ⇒さわだ‐みき【沢田美喜】 さわ‐だサハ‥ 〔副〕 (ダは程度や量を表す接尾語)多く。万葉集14「綿―いりなましもの妹が小床おどこに」 さわだ‐しょうじろう沢田正二郎サハ‥シヤウ‥ラウ 俳優。大津市生れ。早大卒。文芸協会出身で芸術座に参加。1917年(大正6)新国劇を結成。剣劇に壮烈な殺陣たてを演じ大衆に喜ばれた。プロデューサー・演出家も兼ねる。通称、沢正さわしょう。(1892〜1929) 沢田正二郎(1) 提供:毎日新聞社 沢田正二郎(2) 提供:毎日新聞社 ⇒さわだ【沢田】 さわ‐たずみ沢潦サハタヅミ 沢に湧く水の意か。万葉集11「こもりづの―なる石根いわねゆも」 さわ‐だ・つ爽立つサハ‥ 〔自四〕 (歴史的仮名遣サワダツとも)さわやかになる。さっぱりする。宇津保物語国譲中「御心地も今は―・ち給ひにたれど」 さわ‐だ・つ騒立つ】 〔自四〕 (ザワダツとも)さわがしくなる。さわぎはじめる。 さわだ‐とうこう沢田東江サハ‥カウ 江戸中期の儒学者・書家。江戸の人。井上蘭台(1705〜1761)に学び、林家りんけに入門。山県大弐らの明和事件に連座。東江流の書家として名高く、また、吉原通で「異素六帖」などの戯作もある。著「来禽堂詩草」など。(1732〜1796) ⇒さわだ【沢田】 さわだ‐みき沢田美喜サハ‥ 慈善事業家。東京生れ。岩崎久弥の長女。日本聖公会信徒。第二次大戦後、混血孤児養育に献身し、神奈川県大磯町にエリザベス‐サンダース‐ホームなどを開設。(1901〜1980) ⇒さわだ【沢田】 さ‐わた・る 〔自四〕 ちょっと当たって見る。試みに交渉する。狂言、茶壺「―・つて、仕合せを致さうと存ずる」 さ‐わた・るさ渡る】 〔自四〕 (サは接頭語)わたる。万葉集6「たにぐくの―・るきはみ」 さわち‐りょうり皿鉢料理‥ハチレウ‥ 種々の魚介・野菜などを大皿や大鉢に盛って出し、めいめいが取り分ける料理。土佐の名物料理。→さはち1 ざわ‐つ・く騒つく】 〔自五〕 ①そわそわする。浄瑠璃、松風村雨束帯鑑「身は震ふ。胸も―・く」 ②ざわざわする。「会場が―・く」 さわ‐て沢手サハ‥ (近世語)輸送の途中、海水・雨水などのため、貨物が濡れ損ずること。 ⇒さわて‐まい【沢手米】 さわて‐まい沢手米サハ‥ 江戸時代、年貢米を遠国から輸送する途中、海水・雨水などに濡れ損じた米。沢手米が出ると、船頭と百姓に3対7の割合で代米(1俵につき1斗〜3升)を納めさせた。ぬれごめ。 ⇒さわ‐て【沢手】 さわ‐に沢煮サハ‥ 肉・魚介・野菜など各種の材料を取り合わせて、煮汁を多くしてごく淡泊に味付けをした煮物。 さわの沢野サハ‥ 姓氏の一つ。 ⇒さわの‐ちゅうあん【沢野忠庵】 さわの‐ちゅうあん沢野忠庵サハ‥ フェレイラの日本名。 ⇒さわの【沢野】 さわ‐のぶよし沢宣嘉サハ‥ 幕末・維新期の公家。三条実美さねとみらと朝権回復・攘夷実行を唱えた。文久3年(1863)8月18日の政変で七卿落ちをし、平野国臣と生野に挙兵。維新後は九州鎮撫総督・外務卿など。(1835〜1873) ⇒さわ【沢】 さわ‐のぼり沢登りサハ‥ 道のない渓流に沿って登山すること。 さわ‐ひこめサハ‥ 霜の異称。秘蔵抄「―おく我が宿のませの内に」 さわ‐ひよどり沢鵯サハ‥ キク科ヒヨドリバナ属の多年草。高さ約60センチメートル。葉は無柄、長楕円形で対生。秋、淡紅紫色の小頭状花を集散花序につけ、花後、痩果そうかを結ぶ。さわあららぎ。 さわ‐ふたぎ沢蓋木サハ‥ ハイノキ科の落葉低木。日本各地の山地に普通。高さ1〜3メートル、互生する葉は倒卵形で長さ3〜6センチメートル、両面ともざらつく。新緑の頃、枝先に円錐花序を出し多数の小白花を密集。花冠は深く5裂して梅の花に似る。秋に青紫色の球形果をつける。沢筋をふさぐように茂るのでいう。 さわ‐べ沢辺サハ‥ 沢のほとり。 さわ‐ま・く多巻くサハ‥ 〔他四〕 たくさん巻く。古事記「出雲たけるが佩ける刀たちつづら―・き」 さわ‐みず沢水サハミヅ 沢にある水。沢を流れる水。後撰和歌集「―に蛙鳴くなり」 さわむら沢村サハ‥ 姓氏の一つ。 ⇒さわむら‐えいじ【沢村栄治】 ⇒さわむら‐しょう【沢村賞】 ⇒さわむら‐そうじゅうろう【沢村宗十郎】 ⇒さわむら‐たのすけ【沢村田之助】 さわむら‐えいじ沢村栄治サハ‥ヂ 職業野球選手。三重県生れ。プロ野球黎明期に東京巨人軍の速球投手として活躍。1937年日本野球連盟初の最高殊勲選手。台湾沖で戦死。(1917〜1944) 沢村栄治 提供:毎日新聞社 ⇒さわむら【沢村】 さわむら‐しょう沢村賞サハ‥シヤウ プロ野球で、その年に最も活躍した先発型投手に与えられる賞。1947年沢村栄治の業績を称えて創設。 ⇒さわむら【沢村】 さわむら‐そうじゅうろう沢村宗十郎サハ‥ジフラウ 歌舞伎俳優。屋号、紀伊国屋。 ①(初代)京の武家出身。沢村長十郎の門弟。江戸で名優となる。後、3代長十郎・助高屋高助と改名。(1685〜1756) ②(3代)2代の子。初名、田之助。寛政期の立役の名優。和事に最も長じた。(1753〜1801) ③(5代)4代の門弟。特に和事に長じ、武道・所作事などを能くした。(1802〜1853) ④(7代)帝劇専属となり、江戸和事を能くした。当り役に「矢口」のお舟など。(1875〜1949) ⑤(9代)本名、寿一。8代の子。悪婆役を得意とし晩年は立役にも芸域を広げた。(1933〜2001) ⇒さわむら【沢村】 さわむら‐たのすけ沢村田之助サハ‥ 歌舞伎俳優。 ①(初代)3代沢村宗十郎。 ②(3代)5代宗十郎の次子。一代の人気役者であったが、脱疽で両手両足を切断。(1845〜1878) ⇒さわむら【沢村】 ざわ‐めき騒めき】 ざわめくこと。また、その騒音。「―が消える」 ざわ‐め・く騒めく】 〔自五〕 ざわざわする。「場内が―・く」 さわ‐やか爽やかサハヤカ (歴史的仮名遣サワヤカとも) ①すがすがしく快いさま。気分のはればれしいさま。爽快。〈[季]秋〉。源氏物語柏木「御心地、―になり果て給へりや」。「―な朝」 ②はっきりしているさま。分明。源氏物語総角「―に承りにしがな」。「弁舌―」 ③あざやかなさま。新しくさっぱりしたさま。太平記14「馬、物具誠に―に勢ひあつて出で立たれたり」 さわ‐や・ぐ爽やぐサハヤグ [一]〔自五〕 (歴史的仮名遣サワヤグとも)さわやかになる。病気が良くなる。源氏物語若菜下「え―・ぎ給はねど、ありしよりは少しよろしきさまなり」 [二]〔他下二〕 さわやかにする。病気をなおす。夜の寝覚2「いましばし―・げてわたし奉れ」 さわ‐やけ黄菜サハ‥ ダイコンのもやし。宇津保物語祭使「黒き飯、笥に入れて、―の汁して持て来たり」 さわやなぎ沢柳サハ‥ 姓氏の一つ。 ⇒さわやなぎ‐じけん【沢柳事件】 ⇒さわやなぎ‐まさたろう【沢柳政太郎】 さわやなぎ‐じけん沢柳事件サハ‥ 1913年(大正2)京都大学総長の沢柳政太郎が教授会の同意なしに7名の教授を罷免したのに端を発した事件。これに対し、教授会は抗議行動を起こし、翌年奥田義人文相は教授会の主張を認める覚書を出して沢柳は辞任し、教員人事に関する教授会の権限が公認されるきっかけになった。 ⇒さわやなぎ【沢柳】 さわやなぎ‐まさたろう沢柳政太郎サハ‥ラウ 教育家。松本市出身。東大卒。文部次官。貴族院議員。東北・京都両大学総長、大正大学初代学長、帝国教育会会長などを歴任。1917年(大正6)成城小学校を創設、新教育・自由主義教育を先導。(1865〜1927) ⇒さわやなぎ【沢柳】 さわ‐やま多山・沢山サハ‥ (「沢山」を訓でよんだもの)たくさん。近世、多く女性が手紙に用いた。 さわら 細く割った竹や藁縄わらなわで作ったたわし。〈日葡辞書〉 さわらサハラ ヒノキ科の常緑高木。ヒノキに酷似、幹高30メートルに達する。葉の裏面の白斑がV字形で、ヒノキのY字形と区別できる。花は4月に開き雌雄同株。木曾五木の一つ。材は耐水性に富み香気が少ない。桶・障子・襖ふすまの組子の材となる。ニッコウヒバ・ヒヨクヒバなど葉の美しい園芸品種がある。サワラギ。易林本節用集「弱桧、サハラ」 さわら さわらサハラ サバ科の海産の硬骨魚。また、その一種。全長約1メートル。マグロを細長くした形。体の上部に青緑色の斑紋を密布。南日本に普通で、瀬戸内海では春に来遊、冬に外海へ出る。美味。小さいものをサゴシという。広義にはサバ科サワラ属魚類の総称。馬鮫魚。〈[季]春〉。〈伊呂波字類抄〉 さわら さわら佐原‥ハラ 千葉県香取市の地名。かつては利根川水運の要地。現在、水郷観光の拠点。古くから酒・醤油を産する。 さわら・う障らふサハラフ 〔自四〕 (サハルに接尾語フの付いた語)くり返し障害となる。万葉集4「一瀬には千たび―・ひ」 さわ‐らか爽らかサハラカ (歴史的仮名遣サワラカとも)さっぱりしたさま。すっきりとしたさま。さわやか。源氏物語東屋「めやすきさまに―に」 さわら‐しんのう早良親王‥ハラ‥ワウ 光仁天皇の皇子。同母兄桓武天皇の即位とともに皇太子となる。785年(延暦4)藤原種継暗殺事件に連座して廃され、淡路に配流される途中で死亡。怨霊として祟ったとされ、800年、崇道すどう天皇の尊号が追贈された。(750〜785)

さん‐ぬる【去んぬる】🔗🔉

さん‐ぬる去んぬる】 〔連体〕 (サリヌルの音便)過ぎ去った。去る。平治物語「―保元三年八月十一日」

[漢]去🔗🔉

 〔厶部3画〕 ⇒土部

[漢]去🔗🔉

 字形  筆順 〔土部2画/5画/教育/2178・356E〕 〔音〕キョ(漢) (呉) 〔訓〕る・いぬ [意味] ①その場から離れて行く。時間が経過してゆく。(対)来。「去就・去年・退去・死去・過去かこ」 ②遠ざける。とりのぞく。「去勢・除去・撤去」 ③漢字の四声の一つ。「去声きょしょう」 [解字] 解字ふたつきのくぼんだ容器を描いた象形文字。くぼむ、ひっこむ意。一説に、からの容器からふたをはずした会意文字で、とりさる意。もと、厶部3画。は異体字。 [下ツキ 過去・帰去来・薨去・死去・辞去・消去・除去・逝去・卒去・退去・脱去・撤去 [難読] 去年こぞ

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