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あや【文・綾】🔗🔉

あや文・綾】 ➊①物の面に表れたさまざまの線や形の模様。特に、斜めに交差した模様。土佐日記「さざれ波寄する―をば青柳のかげの糸して織るかとぞみる」 ②入り組んだ仕組。ものの筋道や区別。平中物語「あなさがな。などて寝られざらむ。もし、―やある」。「事件の―」 ③文章などの表現上の技巧。いいまわし。ふしまわし。「ことばの―」「声の―」 ➋①経糸たていとに緯糸よこいとを斜めにかけて模様を織り出した絹。 ②斜線模様の織物。あやじ。 ③曲芸の綾織の略。

あや‐いがさ【綾藺笠】‥ヰ‥🔗🔉

あや‐いがさ綾藺笠‥ヰ‥ 藺を編んで造り、裏に絹をはった笠。中央に突出部がある。武士の狩装束で、遠行または流鏑馬やぶさめ用。あやがさ。 綾藺笠

あや‐いと【綾糸】🔗🔉

あや‐いと綾糸】 ①子供の遊戯の綾取りに用いる糸。 ②綜あぜの中で、機はたの経糸たていとをまとめる糸。 ⇒あやいと‐おり【綾糸織】

あや‐おどし【綾縅】‥ヲドシ🔗🔉

あや‐おどし綾縅‥ヲドシ 綾を畳み芯に麻を加えた鎧よろいの縅。

あや‐おどり【綾踊】‥ヲドリ🔗🔉

あや‐おどり綾踊‥ヲドリ 綾竹を両手に持って踊る民俗芸能。静岡・千葉・和歌山など、各地に分布。

あや‐おり【綾織】🔗🔉

あや‐おり綾織】 ①経糸たていとと緯糸よこいとが交差する点が斜めになる織り方。また、その技法で織った織物。綾織物。また、綾を織る人。栄華物語若水「人々の唐衣・表着の織物どもは、―召して仰せ侍りぬ」 ②(→)斜文織しゃもんおりに同じ。 ③放下師ほうかしなどのする曲芸の名。数本の竹管などをほうり上げて手玉に取る技。あやとり。 綾織 ⇒あやおり‐だけ【綾織竹】 ⇒あやおり‐もの【綾織物】

あやおり‐だけ【綾織竹】🔗🔉

あやおり‐だけ綾織竹】 綾織の曲芸に用いる竹。あやだけ。 ⇒あや‐おり【綾織】

あやおり‐もの【綾織物】🔗🔉

あやおり‐もの綾織物】 綾を織り出した美しい織物。あやおり。 ⇒あや‐おり【綾織】

あや‐かき【綾垣】🔗🔉

あや‐かき綾垣】 古代、絁あしぎぬで作った幕で、殿内・室内の隔てにしたもの。きぬがき。

あや‐がさ【綾笠】🔗🔉

あや‐がさ綾笠(→)綾藺笠あやいがさに同じ。

あや‐ぎぬ【綾絹】🔗🔉

あや‐ぎぬ綾絹】 綾織の白または無地染の絹。

あやぎり【綾切】🔗🔉

あやぎり綾切】 雅楽。高麗楽こまがく、高麗壱越調こまいちこつちょうの曲。四人舞。女面をつけて舞い、動きに女性的要素がある。元来は渤海楽の曲とされる。

あや‐ぐ【綾語】🔗🔉

あや‐ぐ綾語】 沖縄の宮古諸島に伝わる古謡の総称。長編の叙事的歌謡が多く、主として巫女が祭式の時歌う。創造神話・英雄譚のほか、短い物語もある。

あや‐くず【綾葛】🔗🔉

あや‐くず綾葛】 綾織の葛布くずふ

あや‐けん【綾絹】🔗🔉

あや‐けん綾絹】 綾織の絹。好色一代男6「さる太夫は肌に―の巾着離さず」

あやこ‐まい【綾子舞】‥マヒ🔗🔉

あやこ‐まい綾子舞‥マヒ 新潟県柏崎市に伝わる民俗芸能。女性の小歌踊と男性の囃子舞・狂言とから成る。初期の歌舞伎のおもかげを残すとされる。

あや‐ゴロ【綾呉絽】🔗🔉

あや‐ゴロ綾呉絽】 綾織のゴロフクレン。

あや‐じ【綾地】‥ヂ🔗🔉

あや‐じ綾地‥ヂ 綾織物の地合じあい

あや‐すぎ【綾杉】🔗🔉

あや‐すぎ綾杉】 ①スギ、またサワラの一品種。新古今和歌集神祇「ちはやぶる香椎の宮の―は神のみそぎにたてるなりけり」 ②杉の薄板を網代あじろに編んだもの。垣などに使用。 ③<形を連ねた文様。三味線・腰鼓の胴裏、紗綾さや・綸子りんずなどに見られる。杉綾。

あや‐すげがさ【綾菅笠】🔗🔉

あや‐すげがさ綾菅笠】 菅を斜めにうち違えて編んだ笠。謡曲、安宅「―にて顔を隠し」

あや‐ずり【綾摺】🔗🔉

あや‐ずり綾摺(→)藍摺あいずり1に同じ。

あやせ【綾瀬】🔗🔉

あやせ綾瀬】 神奈川県中部の市。畑作を主とする近郊農業地帯であったが、近年住宅団地・工業団地が進出し、都市化する。米軍厚木航空基地がある。人口8万2千。

あや‐だけ【綾竹】🔗🔉

あや‐だけ綾竹】 ①機はたの経糸たていとに挟んで、その乱れを防ぐ竹。文竹。あぜたけ。 ②踊に用いる小道具、または楽器。色紙を巻いた竹の棒、またはその竹のなかに小豆を入れて振るもの。曲芸にも用いた。あやおりだけ。 ③引窓の引縄を掛ける、横に渡した竹。

あや‐だすき【綾襷】🔗🔉

あや‐だすき綾襷】 背中でX字形に交差するように結んだたすき。

あや‐つき【綾槻】🔗🔉

あや‐つき綾槻】 もくめの美しい槻。

あやっ‐こ【綾子】🔗🔉

あやっ‐こ綾子】 (×印のことで、魔除けのしるし)生まれた子を初めて宮参りさせるとき、額ひたいに鍋墨か紅かで魔除けとして「×」「犬」「大」などのしるしを書く風習。やすこ。

あや‐とり【綾取り】🔗🔉

あや‐とり綾取り】 ①輪にした糸を左右の手首や指にかけて、琴・鼓・川などの形を作ってあそぶ女児の遊戯。糸取り。糸掛。取りあげ。襷たすき取り。あぜ取り。守貞漫稿「江戸にて―、京坂にては糸取と云ふ」 ②(→)綾織3に同じ。

あや‐ど・る【綾取る】🔗🔉

あや‐ど・る綾取る】 〔他五〕 ①巧みに扱う。あやつる。 ②(文章などを)飾る。日葡辞書「ブンシャウヲアヤドル」 ③(たすきなどを)十字に結ぶ。

あや‐にしき【綾錦】🔗🔉

あや‐にしき綾錦】 綾と錦。美しい着物や紅葉の形容。

あやのつづみ【綾鼓】🔗🔉

あやのつづみ綾鼓】 能。庭掃きの老人が女御を思慕する。なぶられて綾で作った鼓を打たされるが鳴らぬので絶望して自殺し、怨霊となって女御を恨む。→恋重荷こいのおもに

あや‐ひがき【綾桧垣】🔗🔉

あや‐ひがき綾桧垣】 ヒノキの薄板や皮で、あじろに編んだ垣。夫木和歌抄31「―立てへだてたる」

あや‐ぶね【紋船・綾船】🔗🔉

あや‐ぶね紋船・綾船】 戦国時代、琉球国から薩摩の島津氏に世子嗣立を慶賀するために派遣された使節船。船首に青雀黄竜を描くなど装飾してあるのでいう。近世、薩摩に服属以降は、楷船かいせんと称した。

あや‐ふり【綾振り】🔗🔉

あや‐ふり綾振り】 ①数個のお手玉を投げ上げて、片手または両手で受けることを繰り返して行う女児の遊戯。 ②生糸を枠に巻き取る時、糸を綾状に交差させること。糸のくずれを防ぐと同時に巻直しを容易にする。絡文。

あやべ【綾部】🔗🔉

あやべ綾部】 京都府福知山盆地東端の市。もと九鬼氏2万石の城下町。大本教の本拠があった。人口3万8千。

あや‐まき【綾巻】🔗🔉

あや‐まき綾巻】 砧きぬたで布を打つ時、その布を巻きつける棒。

あや‐むしろ【綾筵】🔗🔉

あや‐むしろ綾筵】 模様(綾)を織り出したむしろ。〈[季]夏〉。万葉集11「―緒になるまでに」

りょう‐がん【綾紈】‥グワン🔗🔉

りょう‐がん綾紈‥グワン 綾織りのしろぎぬ。

りょうき‐でん【綾綺殿】🔗🔉

りょうき‐でん綾綺殿】 ①平安京内裏の殿舎の一つ。仁寿殿じじゅうでんの東、宜陽殿の北にあり、沐浴・斎服着御の所。→内裏(図)。 ②皇居内の賢所かしこどころの後方にある御殿。斎戒・衣替の所。

りょう‐ら【綾羅】🔗🔉

りょう‐ら綾羅】 あやぎぬとうすもの。また、美しい衣服。 ⇒りょうら‐きんしゅう【綾羅錦繍】

りょうら‐きんしゅう【綾羅錦繍】‥シウ🔗🔉

りょうら‐きんしゅう綾羅錦繍‥シウ 綾絹あやぎぬ・羅うすぎぬ・錦・刺繍織など、あでやかで美しい衣服。また美しく着飾ること。 ⇒りょう‐ら【綾羅】

りん‐ず【綸子・綾子】🔗🔉

りん‐ず綸子・綾子】 (「綾子」の唐音)紋織物の一つ。通常は綸子縮緬ちりめんの略で、経緯たてよこともに生糸を用い、製織後に精練した、滑らかで光沢と粘り気がある染め生地。松の葉3「昼は縄帯縄だすき、夜は―の八重まはり」 ⇒りんず‐がみ【綸子紙】

[漢]綾🔗🔉

 字形 〔糸部8画/14画/人名/1629・303D〕 〔音〕リョウ(呉)(漢) リン(唐) 〔訓〕あや [意味] あや。美しい模様を浮き織りにした絹。あやぎぬ。「綾綺りょうき・綾羅・綾子りんず

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