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てん【纏】🔗🔉

てん】 〔仏〕煩悩ぼんのうの異称。衆生しゅじょうにまとわりついて生死に流転させるからいう。纏縛。

てん‐じょう【纏繞】‥ゼウ🔗🔉

てん‐じょう纏繞‥ゼウ まといつくこと。まきつくこと。 ⇒てんじょう‐けい【纏繞茎】

てんじょう‐けい【纏繞茎】‥ゼウ‥🔗🔉

てんじょう‐けい纏繞茎‥ゼウ‥ 蔓になって他のものにまといつく茎。朝顔・藤などの茎の類。 ⇒てん‐じょう【纏繞】

てん‐そく【纏足】🔗🔉

てん‐そく纏足】 中国で、女児が4〜5歳になった頃、足指に長い布帛を巻き、第1指(親指)以外の指を足裏に折り込むように固く縛って、大きくしないようにした風俗。唐末の頃から起こり、南宋頃から盛行。清の康帝が禁止令を出したが効果がなかった。民国となってからはほとんど廃滅。纏脚。裹足かそく

てん‐ちゃく【纏着】🔗🔉

てん‐ちゃく纏着】 まといつくこと。纏繞てんじょう

てん‐とう【纏頭】🔗🔉

てん‐とう纏頭】 (古くはテンドウ) ①歌舞・演芸などをした者に、褒美ほうびとして与えるもの。もとは衣服をぬいで与え、その頭に纏まとわせた。かずけもの。古今著聞集6「今夜の―は他の人に及ぶべからず、用枝一人にあるべし」 ②当座の祝儀として与える金銭。はな。祝儀。

てん‐ばく【纏縛】🔗🔉

てん‐ばく纏縛】 ①からみしばること。 ②足手まとい。係累。 ③〔仏〕衆生しゅじょうを迷いの世界につなぎとめるもの。煩悩のこと。

てん‐めん【纏綿】🔗🔉

てん‐めん纏綿】 ①からみつくこと。まといつくこと。 ②情緒が深く、こまやかで離れにくいさま。「情緒―」

はな【花・華】🔗🔉

はな花・華】 ① ㋐被子植物の生殖器官で、雌しべ(子房)をもつことが特徴である。広義には種子植物の有性生殖にかかわる器官をいう。花は葉の変形である花葉と、茎の変形である花軸から成る。花被(萼と花冠)は形・色とも多様で、合弁花・離弁花があり、全く花被を欠くもの(裸花)もある。雄しべ・雌しべのそろった花を両性花、いずれか一方を欠くものを単性花という。なお、俗にコケなどの生殖器官を花ということもある。万葉集5「青柳梅との―を折りかざし」 花の構造 雌蕊 柱頭 花柱 子房 胚珠 雄蕊 花糸 花弁 花床 花柄 ㋑特に、梅または桜の花。平安後期以降は桜の花。〈[季]春〉。古今和歌集「春やとき―や遅きと聞き分かん」。新古今和歌集「吉野山―や盛りににほふらん」 ㋒仏に供える樒しきみなどの枝葉。 ②1のようであること。また、そういうもの。 ㋐美しいこと。盛りであること。「―の都」「今が人生の―だ」 ㋑時めくこと。栄えること。名誉。栄華物語初花「時の―をかざす心ばへにや」。「相手に―を持たせる」 ㋒うわべだけで真実味のないこと。あだあだしくはかないこと。万葉集8「―に問はむとわが思はなくに」 ㋓世阿弥の能楽論の用語。演技・演奏が観客に感動を呼び起こす魅力。風姿花伝「―と、面白きと、めづらしきと、これ三つは同じ心なり」 ③㋐ツユクサの花から採った絵具。栄華物語本雫「頭には―を塗り」 ㋑はなだ色。はないろ。枕草子200「すずしの単ひとえのいみじう綻び絶え―もかへりぬれなどしたる」 ④㋐(「纏頭」とも書く)芸人などに出す当座の祝儀しゅうぎ。 ㋑芸者の揚代あげだいの称。花代。 ⑤いけばな。 ⑥㋐「花合せ」の略。 ㋑花札の略。 ◇一般には「花」を使う。「華」は、きらびやかで美しいもの、すぐれた性質のたとえの場合に多く使われる。 ⇒花が咲く ⇒花と散る ⇒花に嵐 ⇒花に風 ⇒花は折りたし梢は高し ⇒花は桜木、人は武士 ⇒花は根に鳥は故巣に ⇒花も恥じらう ⇒花も実も有る ⇒花より団子 ⇒花を折る ⇒花を持たす ⇒花をやる

まき・ぬ【纏き寝】🔗🔉

まき・ぬ纏き寝】 〔自下二〕 互いの手を枕にして寝る。共寝する。万葉集12「玉くしろ―・ねし妹を」

まきむく‐いせき【纏向遺跡】‥ヰ‥🔗🔉

まきむく‐いせき纏向遺跡‥ヰ‥ 奈良盆地南東部、桜井市にある3〜4世紀の集落・墳墓遺跡。出土した多くの土器から東海・山陰・山陽地方との交流が推定される。

まきむく‐やま【巻向山・纏向山】🔗🔉

まきむく‐やま巻向山・纏向山】 奈良県中部、桜井市北部の山。標高567メートル。痛足あなし山。(歌枕)

まき‐も・つ【纏き持つ】🔗🔉

まき‐も・つ纏き持つ】 〔他四〕 手にまきつけて持つ。手にもつ。万葉集13「―・てる小鈴もゆらに」

ま・く【枕く・婚く・纏く】🔗🔉

ま・く枕く・婚く・纏く】 〔他四〕 ①枕とする。古事記「玉手さし―・きもも長に寝をし寝せ」 ②(後にマグとも)抱いて寝る。共寝をする。結婚する。古事記「誰をし―・かむ」。宇治拾遺物語9「人の妻―・くものあり」

まつ・う【纏ふ】マツフ🔗🔉

まつ・う纏ふマツフ 〔他四〕 「まとう」に同じ。

まつ・べる【集べる・纏べる】🔗🔉

まつ・べる集べる・纏べる】 〔他下一〕 一つにまとめる。あつめる。浄瑠璃、丹波与作待夜の小室節「沓見―・べて腰に付け」

まつ・む【集む・纏む】🔗🔉

まつ・む集む・纏む】 〔他下二〕 ひとところに集めそろえる。まとめる。〈日葡辞書〉

まつり‐ぐけ【纏り絎】🔗🔉

まつり‐ぐけ纏り絎】 布端の始末の方法。三つ折りにした布の折り山部分を、表布は小さくすくって針目が目立たないように絎縫いする。まつり縫い。

まつり‐ぬい【纏り縫い】‥ヌヒ🔗🔉

まつり‐ぬい纏り縫い‥ヌヒ (→)「まつりぐけ」に同じ。

まつ・る【纏る】🔗🔉

まつ・る纏る】 〔他五〕 布の端を折って、内側から外側に糸を回しながら縫いつける。

まつわ・す【纏はす】マツハス🔗🔉

まつわ・す纏はすマツハス 〔他四〕 ①まつわるようにする。源氏物語明石「ただ同じさまなる物のみ来つつ―・し聞ゆと見給ふ」 ②絶えずつきまとわせる。栄華物語初花「たびたびよび―・し聞えたまひつつ」

まつわり‐つ・く【纏わり付く】マツハリ‥🔗🔉

まつわり‐つ・く纏わり付くマツハリ‥ 〔自五〕 物にからみつく。また、からむようにつきまとう。まといつく。まとわりつく。「クモの巣が体中に―・く」「母親に―・いて離れない」「脳裏に―・く」

まつわ・る【纏わる】マツハル🔗🔉

まつわ・る纏わるマツハル 〔自五〕 (下二段にも活用) ①物にからみつく。まきつく。源氏物語夕顔「軒のつまなどに這ひ―・れたるを」。古今和歌集「唐衣なれば身にこそ―・れめ」。「裾が―・る」 ②絶えずくっついていて離れない。まとわる。つきまとう。万葉集13「藤波の思ひ―・り」。「あの一件が頭に―・って眠れない」 ③(からみついてほぐれない意から)筋が通らなくなる。わけがわからなくなる。日葡辞書「マツワッタコトヲイウ」 ④関係する。関連する。「それに―・る話」

まとい【纏】マトヒ🔗🔉

まといマトヒ ①まとうこと。 ②馬標うまじるしの一種。竿の頭に種々の飾りをつけ、多くはその下に馬簾ばれんを垂れた。 ③江戸中期以降、纏2に模して作り、火消組の標しるしとしたもの。 纏 ④纏持まといもちの略。 ⇒まとい‐もち【纏持】

まとい‐つ・く【纏い付く】マトヒ‥🔗🔉

まとい‐つ・く纏い付くマトヒ‥ 〔自五〕 からまりつく。まつわりつく。

まとい‐もち【纏持】マトヒ‥🔗🔉

まとい‐もち纏持マトヒ‥ 火消し2のうち、纏を持つ役を勤めるもの。消し口の要路に立つのが普通。 ⇒まとい【纏】

まと・う【纏う】マトフ🔗🔉

まと・う纏うマトフ [一]〔他五〕 ①巻きつくようにする。巻きつかせる。からみつかせる。法華経天喜頃点「手・脚繚マトハれ戻もとれらむ」。宇治拾遺物語14「経頼が足を三返四返ばかり―・ひけり」 ②身につける。「晴着を身に―・う」 [二]〔自四〕 巻きつく。からまる。からみつく。平家物語6「法衣自然に身に―・つて肩にかかり」

まとまり【纏り】🔗🔉

まとまり纏り】 まとまること。まとまったぐあい。「―のない話」「―がない集団」「―をつける」

まとま・る【纏まる】🔗🔉

まとま・る纏まる】 〔自五〕 ①ばらばらだったものが、一つの整った状態のものになる。ひとかたまりになる。「意見が―・る」「―・って歩いて下さい」「―・った金を用意する」 ②望ましい状態で成就する。決着がつく。完成する。「論文が―・る」「縁談が―・る」

まと・む【纏む】🔗🔉

まと・む纏む】 〔他下二〕 ⇒まとめる(下一)

まとめ‐やく【纏め役】🔗🔉

まとめ‐やく纏め役】 利害などの調整をして、事をスムーズに進行させる立場の人。「―に徹する」

まと・める【纏める】🔗🔉

まと・める纏める】 〔他下一〕[文]まと・む(下二) ①ばらばらだったものを一つの整った状態にする。「荷物を―・める」「意見を―・める」 ②望ましい状態に成就させる。決着をつける。完成させる。「交渉を―・める」「考えを―・める」

まとわ・す【纏わす】マトハス🔗🔉

まとわ・す纏わすマトハス 〔他五〕 ①からまりつくようにする。 ②馴れ親しんで付きまとうようにする。宇津保物語楼上上「この殿をば父こそとて睦まじう―・し奉り給ふ」

まとわり‐つ・く【纏わり付く】マトハリ‥🔗🔉

まとわり‐つ・く纏わり付くマトハリ‥ 〔自五〕 (→)「まつわりつく」に同じ。「足に―・く猫」

まとわ・る【纏はる】マトハル🔗🔉

まとわ・る纏はるマトハル 〔自下二〕 ①まきつく。からみつく。沙石集2「在世の蛇、池の中より出て仏の説法し給ふを草の根に―・れて聞く時に」 ②絶えずくっついていて離れない。まつわる。元真集「秋霧のはれぬおもひに―・れて」 ○的を射るまとをいる 物事の肝心な点を確実にとらえる。「的を射た発言」 ⇒まと【的】

[漢]纏🔗🔉

 字形 〔糸部15画/21画/3727・453B〕 〔音〕テン(漢) 〔訓〕まとう・まとい [意味] ①まといつく。まきつける。身にまとう(もの)。「纏繞てんじょう・纏足・半纏」 ②まとい。陣所や火消し組のしるしとして、さおの先にいろいろな飾りをつけたもの。 ▷[纒]は異体字。

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