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広辞苑の検索結果 (49)

かた【片】🔗🔉

かた】 ①揃えば対ついとなるものの一方。万葉集8「天飛ぶや領巾ひれ―敷き真玉手の玉手さしかへ」。万葉集11「磯貝の―恋のみに年は経につつ」。「―手」 ②整わないこと。不完全。万葉集9「八年児やとせごの―生おいの時ゆ」。「―こと」 ③わずか。竹取物語「―時の間」 ④一方に偏し、中心部から離れていること。神代紀「石川―淵、―淵に網張り渡し」。伊勢物語「―ゐなかに住みけり」。「―端」「―よる」 ⇒片が付く

かた‐いお【片庵】‥イホ🔗🔉

かた‐いお片庵‥イホ 粗末な家。自分の家の謙譲語。宇津保物語藤原君「おきなの―にゐてまして」

かた‐いじ【片意地】‥ヂ🔗🔉

かた‐いじ片意地‥ヂ 頑固に自分の考えを立てとおすこと。また、その性質。「―を張る」

かた‐いっぽう【片一方】‥パウ🔗🔉

かた‐いっぽう片一方‥パウ 二つの中の一方。片方。かたっぽ。

かた‐おか【片岡】‥ヲカ🔗🔉

かた‐おか片岡‥ヲカ 一方が切り立っている岡。また、孤立した岡。万葉集7「―の此の向つ峯に」

かたおか【片岡】‥ヲカ(地名)🔗🔉

かたおか片岡‥ヲカ 奈良県北葛城郡王寺町辺。片岡坐かたおかにます神社は式内社。(歌枕)

かたおか‐けんきち【片岡健吉】‥ヲカ‥🔗🔉

かたおか‐けんきち片岡健吉‥ヲカ‥ 政治家。土佐藩士。立志社を創設し、民撰議院設立建白に加わるなど自由民権運動の指導者。自由党・政友会の領袖。衆議院議長。(1843〜1903) ⇒かたおか【片岡】

かたおか‐ちえぞう【片岡千恵蔵】‥ヲカ‥ヱザウ🔗🔉

かたおか‐ちえぞう片岡千恵蔵‥ヲカ‥ヱザウ 俳優。本名、植木正義。群馬県生れ。歌舞伎から映画界に転じ、「赤西蠣太」「国士無双」など時代劇の花形として活躍。第二次大戦後も「血槍富士」などに出演。(1903〜1983) ⇒かたおか【片岡】

かたおか‐てっぺい【片岡鉄兵】‥ヲカ‥🔗🔉

かたおか‐てっぺい片岡鉄兵‥ヲカ‥ 小説家。岡山県生れ。慶大中退。新感覚派からプロレタリア文学に転向、のち仏門に帰依した。作「綾里村快挙録」「花嫁学校」など。(1894〜1944) ⇒かたおか【片岡】

かたおか‐にざえもん【片岡仁左衛門】‥ヲカ‥ヱ‥🔗🔉

かたおか‐にざえもん片岡仁左衛門‥ヲカ‥ヱ‥ 歌舞伎俳優。京都の人。屋号、7代以降松島屋。 ①(初代)実悪じつあくに長じた。(1656〜1715) ②(7代)化政期京坂劇壇の重鎮。名跡を再興。(1755〜1837) ③(11代)8代の4男。大阪で初代中村鴈治郎と対抗して活躍。(1857〜1934) ④(12代)10代の甥・養子。15代市村羽左衛門の女房役として活躍。(1882〜1946) ⑤(13代)11代の3男。長く関西歌舞伎を支える。当り役は由良之助・菅丞相・忠兵衛など。(1903〜1994) ⇒かたおか【片岡】

かた‐おさえ【片押え】‥オサヘ🔗🔉

かた‐おさえ片押え‥オサヘ 江戸時代、大名行列で中間ちゅうげん・小者などを支配する足軽が片側に一人だけつくもの。二人つく両押えに対していう。

かた‐おし【片押し】🔗🔉

かた‐おし片押し】 一方に片寄ること。片方だけに負担をかけたりすること。歌舞伎、名歌徳三升玉垣「ほんに意地の悪い天道様、コウ―に照つたり降つたりするのが」

かた‐かく・る【片隠る】🔗🔉

かた‐かく・る片隠る】 〔自下二〕 片方が隠れる。少し隠れる。続後撰和歌集「谷深み岩―・れ行く水のかげばかり見て袖濡らせとや」

かた‐かげ【片陰】🔗🔉

かた‐かげ片陰】 ①一方が物の陰になっている所。 ②日光のあたらない所。特に、夏の午後のひかげ。〈[季]夏〉

○片が付くかたがつく🔗🔉

○片が付くかたがつく 物事が処理される。始末がつく。梅暦「おいらんのお身の上も、どうか手軽く方が付きませう」 ⇒かた【片】 かた‐がっしょう片合掌‥シヤウ 片手でする合掌。 かた‐かど片才】 少しの才能。一つの才芸。源氏物語帚木「その―もなき人はあらむやと」 かた‐かど片角】 ①一方のかど。ひとかど。 ②少しの量。 かた‐かな片仮名】 (「片」は一部分の意)仮名文字の一つ。阿→ア、伊→イ、宇→ウ、久→ク、己→コのように漢字の一部を取って作ったもの。平安初期、漢文訓点に使って様々の字体があったが、院政時代にほぼ現行に近い形になった。現在では主に外来語や擬音語などの表記に用いる。かたかんな。↔平仮名。→仮名⇒かたかな‐ご【片仮名語】 かたかな‐ご片仮名語】 ふつう片仮名で表記する、主に欧米から入ってきた外来語。日本で外来語を模してつくられた語にもいう。 ⇒かた‐かな【片仮名】 かた‐かま片釜】 竈かまどに二つ並べて据えた釜の、その一つ。 かた‐かま片鎌】 ①鎌槍の一方の枝。 ②片鎌槍の略。浄瑠璃、堀川波鼓「素鑓―十文字」 ⇒かたかま‐やり【片鎌槍】 かたかま‐やり片鎌槍】 槍の身の片方に鎌状の枝のあるもの。鎌槍の片方だけを加えたもの。片鎌。 片鎌槍 ⇒かた‐かま【片鎌】 かたがみ片上】 姓氏の一つ。 ⇒かたがみ‐のぶる【片上伸】 かた‐がみ型紙】 ①模様を彫り抜いた厚紙。布帛ふはくにあてて模様を捺染なっせんするのに用いる。型付紙。 ②洋裁や手芸などで、作ろうとするものの形を製図して切った紙。これを布などにあてて裁断する。「―を取る」 かたがみ潟上】 秋田県西部、八郎潟・日本海に臨む市。南接する秋田市のベッドタウン化が進む。人口3万6千。 かたがみ‐のぶる片上伸】 評論家・ロシア文学者。号、天弦。愛媛県生れ。早大卒、同教授。自然主義・理想主義を経て、文学の社会性を強調。著「文学評論」など。(1884〜1928) ⇒かたがみ【片上】 かた‐がゆ固粥】 固く煮た粥。現在の普通の飯。〈倭名類聚鈔16〉↔汁粥 かた‐ガラス片硝子】 懐中時計の、外蓋の一方にガラスをはめたもの。両蓋に対していう。 カタカリkathakali】 南インド西海岸、ケーララ地方の古典舞踊劇。隈取りをし、大きなスカート様の衣装をつけ、演劇的要素の濃い舞踊。 かたが・る傾がる】 〔自五〕 かたむく。 かた‐かわ片皮‥カハ 行縢むかばきの、片方の足を入れる方。古今著聞集16「むかばき…―に左右の足を入れて」 かた‐がわ片側‥ガハ 一方のかわ。かたほう。「―通行止め」 ⇒かたがわ‐まち【片側町】 ⇒かたがわ‐やぶり【片側破り】 かた‐がわせ片為替‥ガハセ 銀行で売為替か買為替かの一方の額が他方を超過して、いずれかにかたよっている状態。 かたがわ‐まち片側町‥ガハ‥ 道の片側だけ家の建ち並んだ町。片町。片通り。 ⇒かた‐がわ【片側】 かたがわ‐やぶり片側破り‥ガハ‥ 理非・善悪もかまわずに押し通そうとする性質。また、その人。よこがみやぶり。保元物語「―の猪武者」 ⇒かた‐がわ【片側】 かた‐がわり肩代り‥ガハリ ①駕籠かごなどを舁く者が交代すること。また、その代りの者。転じて、他人の負債・負担を代わって引き受けること。 ②取引相場で、他人の建玉たてぎょくをその人に代わって引き受けること。 かた‐かんな片仮名】 (カンナはカリナの転)(→)「かたかな」に同じ。宇津保物語蔵開中「一つには―一つは葦手」 かたき】 ①相手。競争相手。源氏物語宿木「碁盤召し出でて、御碁の―に召し寄す」。「商売―」 ②戦争の相手。てき。平家物語5「げにもまことに野も山も海も河もみな―でありけり」 ③(「仇」とも書く)恨みのある相手。あだ。仇敵きゅうてき。枕草子49「愛敬あいぎょうおくれたる人などは、あいなく―にして」。「親の―」 ④配偶者。むこ。よめ。宇津保物語藤原君「―を得むずるやうは、比叡の中堂に常灯を奉り給へ」 ⇒かたき‐うち【敵討】 ⇒かたきうち‐もの【敵討物】 ⇒かたき‐どうし【敵同士】 ⇒かたき‐もち【敵持ち】 ⇒かたき‐やく【敵役】 かたき難き】 (カタシの連体形)むずかしいこと。たやすくないこと。「―を先にして獲うるを後にす」↔易やすき かた‐き片食】 カタケの転。「一ひと―」 かた‐ぎ気質】 (「形木かたぎ」から転じて) ①物事のやり方。慣習。ならわし。天草本伊曾保物語「あるほどの宝を奉らるる―がござつた」 ②顔やからだの様子。また、性質や気だて。浄瑠璃、鑓の権三重帷子「万人にも憎まれぬいとしらしい―」 ③(「形気」「容気」「形儀」とも書く)身分・職業・年齢などに相応した特有の類型的な気風。日本永代蔵6「利発なる小判を長櫃の底に入れ置き、年久しく世間を見せ給はぬは商人の―にあらず」。「職人―」「昔―」 ⇒かたぎ‐もの【気質物】 かた‐ぎ形木・模】 ①物の形を彫り刻んだ板。その形を布や紙にすって染め付けるのに用いる。枕草子90「いみじうやうじたる白き衣、―のかたは絵にかきたり」 ②版木はんぎ。摺すり形木。 ③(→)型板かたいた1の古称。 ④一定の型。定型。規範。きまり。風姿花伝「格別の事なれば定めて稽古すべき―もなし」 かた‐ぎ堅木】 ①堅固な材木。カシ・クヌギ・ナラ・ケヤキのような薪炭とする木の称。宇津保物語貴宮「一尺三寸ばかりの―の盌もいに」 ②(→)アカガシの異称。 かた‐ぎ堅気】 ①もの堅い性質。律儀りちぎ。 ②まじめな職業。主に芸娼妓・ばくちうちなどに対していう。「―になる」 かたき‐うち敵討】 ①主君・近親・朋友などの仇あだを討ち果たすこと。江戸時代に最も多かった。仇討。復讐ふくしゅう。 ②転じて一般に、恥辱をすすぐことをもいう。「このあいだの―だ」 ⇒かたき【敵】 かたきうち‐もの敵討物】 敵討を主題とした小説・浄瑠璃・脚本・講談などの称。仇討物。 ⇒かたき【敵】 かた‐ぎき片聞き】 一方の言い分だけを聞くこと。

かた‐がわせ【片為替】‥ガハセ🔗🔉

かた‐がわせ片為替‥ガハセ 銀行で売為替か買為替かの一方の額が他方を超過して、いずれかにかたよっている状態。

かた‐くも【片雲】🔗🔉

かた‐くも片雲】 一片の雲。ちぎれ雲。へんうん。

かた‐さがり【片下がり】🔗🔉

かた‐さがり片下がり】 着物を着たとき、一方の裾すそがさがること。

かた‐し【片し】🔗🔉

かた‐し片し】 対ついのものの片方。かたかた。片一方。宇津保物語貴宮「うへの袴をかへざまに着、―に足二つをさし入れて」 ⇒かたし‐がい【片し貝】 ⇒かたし‐がたし【片し片し】 ⇒かたし‐めぬき【片し目貫】

かたし‐がい【片し貝】‥ガヒ🔗🔉

かたし‐がい片し貝‥ガヒ 二枚貝の離れた一片。かたつがい。内裏名所百首「伊勢島や二見の浦の―あはで月日を待つぞつれなき」 ⇒かた‐し【片し】

かたし‐がたし【片し片し】🔗🔉

かたし‐がたし片し片し】 対ついであるべきものが揃わないこと。ちぐはぐ。好色五人女4「―の草履をはき」 ⇒かた‐し【片し】

かたし‐めぬき【片し目貫】🔗🔉

かたし‐めぬき片し目貫】 一対の目貫の半端になった片方。西鶴織留2「口のうちより虎の―を取り出し」 ⇒かた‐し【片し】

かた‐しゃぎり【片しゃぎり】🔗🔉

かた‐しゃぎり片しゃぎり】 歌舞伎囃子はやしの一つ。松羽目物の幕開きや時代物の幕切れなどに、太鼓・能管・大小鼓ではやすもの。片砂切。

かた・す【片す】🔗🔉

かた・す片す】 〔他五〕 ①移し変える。片寄せる。 ②(東北・関東地方で)片付ける。

かた‐ず・む【片ずむ】🔗🔉

かた‐ず・む片ずむ】 〔自四〕 (ズムのかなづかい未詳。一説に、「詰む」とも)かたよる。一方へ傾く。 ○固唾を呑むかたずをのむ 事のなりゆきを案じなどして息をこらすさまにいう。沙石集9「光寂坊かたづのみて、云ひやりたる事なし」 ⇒かた‐ず【固唾】

かた‐たがい【片違い】‥タガヒ🔗🔉

かた‐たがい片違い‥タガヒ 物の順序・高低・方向などのそろわないこと。ふぞろい。参差しんし。かたちがい。欽明紀「前後さきのちついでを失ひて、兄弟あにおとと参差かたたがいなり」

かた‐ちがい【片違い】‥チガヒ🔗🔉

かた‐ちがい片違い‥チガヒ (→)「かたたがい(片違い)」に同じ。新撰六帖6「あふ事は―なる笹結び」 ○形変わるかたちかわる 出家姿になる。剃髪する。源氏物語橋姫「御形も変りておはしますらむが」 ⇒かたち【形・容】

かた‐ちぐ【片ちぐ】🔗🔉

かた‐ちぐ片ちぐ】 物が揃わないこと。ちぐはぐ。申楽談儀「帯などの先、―なる所、心得べし」

かた‐つ‐え【片つ枝】🔗🔉

かた‐つ‐え片つ枝】 片方の枝。片枝。

かた‐つ‐がい【片つ貝】‥ガヒ🔗🔉

かた‐つ‐がい片つ貝‥ガヒ 二枚貝の片方の貝がら。かたしがい。

かた‐つ‐かた【片つ方】🔗🔉

かた‐つ‐かた片つ方】 ①(二つあるものの)かたほう。片一方。源氏物語絵合「御櫛の箱の―を見給ふに」 ②いま一つの方。他方。源氏物語夕顔「待ちきこえがほなる―人を」 ③かたすみ。かたはし。源氏物語空蝉「この御たたう紙の―に」

かたっ‐ぱし【片っ端】🔗🔉

かたっ‐ぱし片っ端】 カタハシの促音化。 ⇒かたっぱし‐から【片っ端から】

かたっぱし‐から【片っ端から】🔗🔉

かたっぱし‐から片っ端から】 端から。次々に。手当り次第に。 ⇒かたっ‐ぱし【片っ端】

かたっ‐ぽ【片っ方】🔗🔉

かたっ‐ぽ片っ方】 (くだけた感じの語)(→)「かたほう」に同じ。

かた‐は【片羽】🔗🔉

かた‐は片羽】 片方の翼。

かた‐はがい【片羽交】‥ガヒ🔗🔉

かた‐はがい片羽交‥ガヒ 鳥の片方の翼。狂言、鴈礫「其雁は取るとも、―なり共置いて行け」

かた‐はぶたえ【片羽二重】‥ヘ🔗🔉

かた‐はぶたえ片羽二重‥ヘおさ一羽に経たて糸一本を入れた軽目の羽二重。

かた‐ひき【片引き・方引き】🔗🔉

かた‐ひき片引き・方引き(→)「かたびいき」に同じ。

かた‐ひ・く【片引く・方引く】🔗🔉

かた‐ひ・く片引く・方引く】 〔他四〕 一方だけをひいきにする。えこひいきをする。枕草子135「け近き人思ひ―・き、ほめ」

かた‐や【方屋・片屋・形屋】🔗🔉

かた‐や方屋・片屋・形屋】 ①相撲や競馬などの時、左右・東西に分けた競技者の控える所。今昔物語集28「埒より東の左の―の西のそばに立てて御覧じけり」 ②相撲場の四本柱しほんばしらの内。土俵場。〈日葡辞書〉 ⇒かたや‐いり【方屋入】

かた‐や【片や】🔗🔉

かた‐や片や】 一方は。片方は。「―大鵬、こなた柏戸」

かた‐や【片屋】(建築)🔗🔉

かた‐や片屋】 雨水が一方に多く落ちるように造った屋根。

ひら【片・枚】🔗🔉

ひら片・枚】 うすくひらたいもの。すなわち、紙・葉・筵むしろなど。また、それを数えるのに用いる語。源氏物語梅枝「白き赤きなど、掲焉けちえんなる―は、筆取りなほし用意し給へるさまさへ」。枕草子36「あざやかなる畳一―うち敷きて」。「一―の雲」

へん【片】🔗🔉

へん】 ①ひときれ。きれはし。 ②ペンスの当て字。

へん‐うん【片雲】🔗🔉

へん‐うん片雲】 一片の雲。ちぎれぐも。奥の細道「―の風にさそはれて漂泊の思ひやまず」

へん‐えい【片影】🔗🔉

へん‐えい片影】 わずかのかげ。わずかに見える物の姿。また、ある側面。「沖ゆく舟の―」「故人の―を物語る逸話」

へん‐ぺん【片片】🔗🔉

へん‐ぺん片片】 ①きれぎれなさま。 ②断片の軽くひるがえるさま。「―として散る」 ③取るに足りないさま。「―たる小事」

[漢]片🔗🔉

 字形  筆順 〔片部0画/4画/教育/4250・4A52〕 〔音〕ヘン(呉)(漢) 〔訓〕かた・きれ・ひら・ペンス [意味] ①二つのうちの一方。かたわれ。「片務・片帆」 ②きれはし。かけら。「木片・破片・片雲・断片」 ③転じて、ごくわずか。ちょっと。「片言・片時」 ④ペンス。イギリスの貨幣単位。▶pennyの複数形penceの音訳。 [解字] 解字「木」を二つに割った右半部を描いた象形文字。木の切れはしの意。は異体字。 [下ツキ 阿片・鴉片・一片・花片・砕片・残片・紙片・小片・切片・雪片・断片・鉄片・肉片・薄片・破片・半片・氷片・木片・鱗片 [難読] 片方かたえ

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かた【片】🔗🔉

かた 【片】 (接頭) 〔「かた(方)」と同源〕 名詞に付く。 (1)(ア)二つそろったものの一方の意を表す。「―親」「―思い」「―敷く」(イ)すくない,わずかである意を表す。「―時」(ウ)完全でない意を表す。「―言(コト)」(エ)中心より離れ,一方に寄っている,へんぴである意を表す。「―田舎」「―山里」 (2)〔上代の用法〕 動詞に付いて,ひたすらそれをするさまを表す。「―待つ」「―設(マ)く」 →片や

かた=が付・く🔗🔉

――が付・く 「方が付く」に同じ。 〔「片付く」からの類推表記〕

かた=を付・ける🔗🔉

――を付・ける 「方を付ける」に同じ。 〔「片付ける」からの類推表記〕

かた-いじ【片意地】🔗🔉

かた-いじ ―イヂ [0] 【片意地】 (名・形動)[文]ナリ 頑固に自分の考えを押し通す・こと(さま)。「―な男」「―を張る」

かた-いっぽう【片一方】🔗🔉

かた-いっぽう ―イツパウ [3] 【片一方】 二つのうちの一つ。片方。

かた-うた【片歌】🔗🔉

かた-うた [2][0] 【片歌】 〔二つ組み合って完全になる歌の片方の意〕 (1)古代歌謡の一体。五・七・七の三句で一首をなす歌で,多くは問答に用いた。二つ合わせると旋頭歌(セドウカ)の形となる。「はしけやし我家(ワギエ)の方よ雲居立ち来も/古事記(中)」の類。 (2)江戸時代の俳人建部綾足が,俳諧の起源を{(1)}に求めて提唱した一九音(五・七・七)の発句形式。

かた-おか【片岡】🔗🔉

かた-おか ―ヲカ 【片岡】 一方が他方よりなだらかに傾斜している岡。また,孤立している岡。「―にしば移りしてなく雉子(キギス)/山家(春)」

かたおか【片岡】🔗🔉

かたおか カタヲカ 【片岡】 (1)奈良県北葛城郡王寺町付近の丘陵。かたおかやま。((歌枕))「霧立ちて鴈(カリ)ぞなくなる―の朝(アシタ)の原はもみぢしぬらむ/古今(秋下)」 (2)京都市北区の上賀茂神社本殿の東にある小山。海抜170メートル。片岡の森。((歌枕))「郭公(ホトトギス)こゑ待つ程は―の杜のしづくに立ちやぬれまし/新古今(夏)」

かたおか【片岡】🔗🔉

かたおか カタヲカ 【片岡】 姓氏の一。

かたおか-けんきち【片岡健吉】🔗🔉

かたおか-けんきち カタヲカ― 【片岡健吉】 (1843-1903) 政治家。土佐藩出身。立志社を創立し,自由民権運動を指導した。また,国会期成同盟総代として活躍。国会開設後衆議院議員,同議長。

かたおか-ちえぞう【片岡千恵蔵】🔗🔉

かたおか-ちえぞう カタヲカチザウ 【片岡千恵蔵】 (1903-1983) 映画俳優。本名,植木正義。群馬県生まれ。歌舞伎から映画に転じ,時代劇を中心に長く第一線のスターとして活躍。代表作「国士無双」「赤西蠣太」「血槍富士」など。

かたおか-てっぺい【片岡鉄兵】🔗🔉

かたおか-てっぺい カタヲカ― 【片岡鉄兵】 (1894-1944) 小説家。岡山県生まれ。横光利一らと「文芸時代」を創刊,新感覚派の提唱者となるが,プロレタリア文学に転じた。のち転向,以後大衆文学に進んだ。代表作「綱の上の少女」「綾里村快挙録」

かたおか-にざえもん【片岡仁左衛門】🔗🔉

かたおか-にざえもん カタヲカニザモン 【片岡仁左衛門】 上方の歌舞伎俳優。屋号,松島屋。 (1)(初世)(1656-1715) 元禄期(1688-1704)に敵役(カタキヤク)・実事・武道の名人といわれた。 (2)(七世)(1755-1837) 文化・文政期(1804-1830)に大坂を中心に活躍,幅広い芸風を示した。 (3)(一一世)(1857-1934) 大正・昭和初期の名優。晩年は東京に移り,和事や新作物の老け役を得意とした。 (4)(一三世)(1903-1994) 一一世の三男。上方歌舞伎の復興に貢献。

かたおか-やすし【片岡安】🔗🔉

かたおか-やすし カタヲカ― 【片岡安】 (1876-1946) 建築家。金沢生まれ。東京帝大卒。関西建築協会(現・日本建築協会)の初代理事長。大阪市中央公会堂,大阪毎日新聞社などを設計。

かた-おろし【片下ろし】🔗🔉

かた-おろし [3] 【片下ろし】 古代歌謡のうたい方の一。本(モト)と末(スエ)に分かれてうたうとき,一方の調子を下げてうたうこと。また,そのようなうたい方をする歌謡の曲名。

かた-か・く【片掛く】🔗🔉

かた-か・く 【片掛く】 (動カ下二) (1)片方を寄せかける。「山に―・けたる家なれば/源氏(手習)」 (2)頼みにする。当てにする。「かの殿の御蔭に―・けて/源氏(松風)」

かた-かげ【片陰】🔗🔉

かた-かげ [3] 【片陰】 (1)日陰。特に夏の夕方の日陰。[季]夏。 (2)何かに隠されて,ある方角からは見えない所。物かげ。「―へ呼んで,紙に包んだ物を手に握らせて/雁(鴎外)」

かた-かな【片仮名】🔗🔉

かた-かな [3] 【片仮名】 〔「かたかんな」の転。「かた」は不完全の意。多く漢字の画の一部分より作られたのでこの名がある〕 仮名の一種。万葉仮名として用いられた漢字の一部分,あるいは画数の少ない漢字の全画より作られた音節文字。平安初期,漢文訓読に用いられたものが起源。1900年(明治33)の「小学校令施行規則」改正で種々の異字体を廃し現行字体に統一された。現在は主に外来語・擬声語・擬態語などの表記に用いられる。大和(ヤマト)仮名。五十音仮名。略体仮名。 →仮名 →平仮名

かたかな-ご【片仮名語】🔗🔉

かたかな-ご [0] 【片仮名語】 片仮名で表記される語。主として,外来語。

かた-がわせ【片為替】🔗🔉

かた-がわせ ―ガハセ [3] 【片為替】 特定国との間で,貿易不均衡のため為替の受け払いが,一方に偏った状態。

かた-かんな【片仮名】🔗🔉

かた-かんな 【片仮名】 「かたかな」に同じ。「一には―,ひとつは葦手/宇津保(蔵開中)」

かた-さがり【片下(が)り】🔗🔉

かた-さがり [3] 【片下(が)り】 (1)片方が下がっていること。 (2)着物の裾の一方が下がっていること。

かたし【片足・片し】🔗🔉

かたし 【片足・片し】 〔「かたあし」の転〕 (1)片方の足。「お里は踏脱(クツヌギ)へ―おろして/人情本・閑情末摘花」 (2)対になっているものの片方。また,半分。「くろ箱のふたも―落ちたる硯/枕草子(二一九・能因本)」 (3)ほんのわずかの物。少しの物。「食物等―なければ/四河入海 14」

かたし-がたし【片し片し】🔗🔉

かたし-がたし 【片し片し】 履物など対になっているものの片方が違っていること。「―の奈良草履/浮世草子・五人女 3」

かたし-めぬき【片し目貫】🔗🔉

かたし-めぬき [4] 【片し目貫】 (1)もともと,裏表一対あった目貫が片方だけになったもの。 (2)一対の目貫の片方が造りを異にしているもの。

かた-しゃぎり【片しゃぎり】🔗🔉

かた-しゃぎり [3] 【片しゃぎり】 歌舞伎の下座の一。松羽目物や口上などの幕開き,大時代物の幕切れなどに用いる。太鼓・大鼓・小鼓・能管などを用い,太鼓を右ばちの片方で流す手法が特徴。

かた・す【片す】🔗🔉

かた・す [2] 【片す】 (動サ五[四]) 物を他の場所に移す。どける。また,かたづける。「おもちゃを―・す」「其所を―・して盥(タレイ)をあげろ/塩原多助一代記(円朝)」

かた-ちぐ【片ちぐ】🔗🔉

かた-ちぐ 【片ちぐ】 (名・形動) 対をなすものが,ふぞろいな・こと(さま)。ちぐはぐ。ふぞろい。「―に片枝は蕾,片枝は開きそめたる花衣/浄瑠璃・五十年忌(中)」

かた-つ-かた【片つ方】🔗🔉

かた-つ-かた 【片つ方】 (1)二つ一組のもののどちらか一方。片一方。片側。「御手,―をばひろげたるやうに/更級」 (2)いま一つの方。他方。「きびしき―(=本妻)やありけむ/堤中納言(このついで)」 (3)かたすみ。かたはし。「御たたう紙の―に/源氏(空蝉)」

かたっ-ぱし【片っ端】🔗🔉

かたっ-ぱし [0] 【片っ端】 「かたはし」の促音添加。

かたっぱし-から【片っ端から】🔗🔉

かたっぱし-から 【片っ端から】 (副) はしから次々に。手当たり次第に。無差別に。かたはしから。「―投げつける」「―けちをつける」

かたっ-ぽう【片っ方】🔗🔉

かたっ-ぽう ―パウ [2] 【片っ方】 「かたほう」の促音添加。かたっぽ。

かた-に【片荷】🔗🔉

かた-に [0] 【片荷】 (1)天秤棒(テンビンボウ)で前後に分けて担った荷物の片方。 (2)荷物が片方に寄ってしまうこと。 (3)船舶・トラックなどで,積み荷が往路または復路のどちらか一方しかないこと。 (4)責任の一半。「―を下ろす」

かた-は【片羽】🔗🔉

かた-は [0] 【片羽】 (1)片一方の翼。かたはね。 (2)対になっているものの一方。転じて,不完全なさま。「鎮西八郎為朝の箭(ヤ)の根あり。…―の長さ八寸ばかり/読本・弓張月(残)」「名を知って物を知らぬ―になった/サフラン(鴎外)」

かた-はずし【片外し】🔗🔉

かた-はずし ―ハヅシ [3] 【片外し】 (1)江戸時代の女性の髪の結い方の一。束ねた髪を根の前に水平に挿した笄(コウガイ)に巻きつけ,片方を笄からはずし後ろへ垂れ下げたもの。笄を抜き取ると,下げ髪となる。諸侯の奥女中などが結った。 (2)歌舞伎の鬘の一。「伽羅先代萩(メイボクセンダイハギ)」の政岡,「鏡山」の尾上など御殿女中や武家の奥方に扮する女形が用いる。 片外し(1) [図]

かた-はぶたえ【片羽二重】🔗🔉

かた-はぶたえ ―ハブタヘ [3] 【片羽二重】 普通,筬(オサ)一羽にたて糸を二本入れるのに対して,たて糸一本で織った軽い羽二重。

かた-ひ・く【片引く・方引く】🔗🔉

かた-ひ・く 【片引く・方引く】 (動カ四) えこひいきする。「け近き人思ひ―・き/枕草子 135」

かた-びらき【片開き】🔗🔉

かた-びらき [3] 【片開き】 開き戸が一枚で,一方だけに開くこと。 ⇔両開き

かたふた-ばしら【片蓋柱】🔗🔉

かたふた-ばしら [5] 【片蓋柱】 装飾として壁面に取り付けた柱。壁面より多少突き出ている。つけ柱。

かた-や【片屋・傍屋】🔗🔉

かた-や [0] 【片屋・傍屋】 (1)片流れの屋根。また,その造りの建物。片屋造り。 (2)母屋の傍らにある建物。

かた-や【片や】🔗🔉

かた-や 【片や】 (連語) (1)片一方は。「―五期連続の名人,―新進気鋭の四段」 (2)相撲で,行司が力士を土俵上で名を呼び上げて,名指す時に用いる語。

かた-われ【片割れ】🔗🔉

かた-われ [0][4] 【片割れ】 (1)仲間の一部。「盗賊の―」 (2)器などの割れた一片。また,ひとそろいのものの一部。 (3)分身。「清をおれの―と思ふからだ/坊っちゃん(漱石)」

ひら【片・枚】🔗🔉

ひら 【片・枚】 (接尾) 〔「ひら(平)」と同源〕 助数詞。花弁・葉・紙などのような,薄くて幅広く,平らなものを数えるのに用いる。枚(マイ)。「一―の花弁」

へん【片】🔗🔉

へん 【片】 (接尾) 〔促音・撥音のあとに付くときは「ぺん」となる〕 助数詞。物の切れはし,花びらなどを数えるのに用いる。「牡丹散て打かさなりぬ二三―/蕪村句集」

へん-うん【片雲】🔗🔉

へん-うん [0] 【片雲】 ちぎれ雲。一片の雲。一かけらの雲。「―の風にさそはれて漂泊の思ひやまず/奥の細道」

へん-えい【片影】🔗🔉

へん-えい [0] 【片影】 (1)物のわずかな影。姿のほんの一部分。 (2)人の性格などの一面。「父の―を伺わせる」

かたいじ【片意地な】(和英)🔗🔉

かたいじ【片意地な】 stubborn;→英和 obstinate.→英和

かたかな【片仮名】(和英)🔗🔉

かたかな【片仮名】 the square form of kana[the Japanese syllabary].

かたっぱし【片っ端から】(和英)🔗🔉

かたっぱし【片っ端から】 ⇒片端(かたはし).

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