ちから【力】[3] (一)人や物や社会を、直接 作用して動かしたり 変化させたり する根源的なもの。その大小は、動き変化する量の多寡によって測られることが多い。〔文脈により能力・学力・精神力・体力・暴力・権力・勢力・威力・資力などの意に用いられ、物理学では、重力・引力・圧力などのように物体の位置・状態を変化させる作用として規定される。例、「労組の―に屈する／―の論理で押しまくる／―関係を変える」〕 (二)他を動かしてそうさせる、目に見えない働き。〔威力・効力の意にも用いられる〕 「女の涙には男を動かす―が有る」 (三)気力・体力の総合として発揮される、活発な活動への意志。 「―を△落とす（付ける・増す）」 (四)そのものに接した時に感じられる、強い勢い。 「―〔＝張り〕の有る文章／―を入れて〔＝強調して〕言う」 (五)独立・独行出来ない人を元気づける働きとしての力。 「一つ私の―になってくれませんか／―を△貸す（借りる）／―の限界」 (六)何かの実現に集中して発揮される力。 「―を入れる〔＝（集中的に）努力する〕／―を合わせる〔＝協力する〕／―を△傾ける（尽くす・たのむ・分散する）／強い―を発揮する」

ちからあし【力足】[3] 「―を踏む〔＝すもうで、四股^シコを踏む〕」

ちからいっぱい【力一杯】[4] （副） 出来るだけの力を出すことを表わす。 「―走る／―（ボートを）漕^コぐ」

ちからうどん【力饂飩】[4] かけうどんに餅（^モチ）を入れたもの。

ちからおとし【力落とし】【力落し】[4] がっかりして物事を行う気力が無くなること。

ちからがみ【力紙】[3] けしょうがみ

ちからこぶ【力瘤】[3] こぶしに力を入れ、ひじを曲げた時に、二の腕に出来る、筋肉の隆起。 「―を入れる〔＝重要な事と考え、熱心に援助する〕」

ちからしごと【力仕事】[4] 強い力が必要な、肉体労働。

ちからずく【力ずく】チカラヅク[0] 腕力・暴力などをふるって、目的を果たすこと。 「―で押えつける」

ちからぜめ【力攻め】【力攻】[0] 策を用いず武力にのみ頼って真っ向から攻めること。

ちからぞえ【力添】チカラゾヘ[0] 助け（ること）。 個人的な援助。

ちからだのみ【力頼】[4] 助けてくれるものとして たよりにすること。

ちからだめし【力試し】【力試】[4] 自分の△能力（体力・技術）を試してみること。 「―に受験する」

ちからづく【力付く】[4]:[4] （自五） 力が加わる。元気がつく。

ちからづける【力付ける】[5]:[5] （他下一） 励ましたり 慰めたり して、元気が出るようにする。

ちからづよい【力強い】[5]:[5] （形） (一)見るからに力がこもっていて、人を圧倒する様子だ。 「―△滑り（バックハンド）／四・九％の―〔＝堅実な〕成長」 (二)作風が雄渾（^ユウコン）で、印象的な様子だ。 「―タッチ／きれいでしかも―詠みぶり」 (三)心強い。 ――さ[4]――げ[0][5]

ちからなげ【力無げ】[4][5][0] ―な／―に 力の無い様子。

ちからぬけ【力抜け】【力抜】[0][5] ―する 力が抜けて無くなること。落胆。 [表記]「力《脱」とも書く。

ちからぬの【力布】[3] △縫い合わせた（ボタンを付けた）所が破れないように裏から当てる布。力ぎれ[0][5][3]。

ちからまかせ【力任せ】【力任】[4] ―な／―に （加減をしないで）ありったけの力を出して物事をする様子。 「―に引っ張る」

ちからまけ【力負け】【力負】[0] ―する (一)力の入れ方を間違えたために負けること。 (二)力が段違いのために負けること。

ちからみず【力水】チカラミヅ[3] 力士がすもうを取る前に、口に含んで力をつける水。けしょうみず[2]。

ちからもち【力持ち】【力持】[3][5] 力の強い△こと（人）。

ちからわざ【力業】[0][5] (一)力（のいる）仕事。肉体労働。 (二)強い力を頼みにしてする業。

りき［力］ ちからの限り何かをする。いっしょうけんめい。 「力泳・力投・力走・力作」りょく

りき【力】[1][2] 「ちから」の意の漢語的表現。 「―が有る／―士・―量・怪―・千人―」

りきえい【力泳】[0] ―する 〔競泳で〕力一杯泳ぐこと。

りきえん【力演】[0] ―する △力（熱意）をこめて、演じること。熱演。

りきがく【力学】[2] 物体間に働く力と物体の運動との関係を論じる、物理学の基礎分野。〔文脈により、力関係の意に用いられることもある。例、「時勢の―に敏感な人／政治―」〕

りきかん【力感】[0] 〔動作や作品が〕接する人にいかにも力がこもっている、という印象を与える様子。 「―あふれた大作」

りきさく【力作】[0] 他のまねではなく、全精力を傾けて仕上げた（と感じられる）作品。

りきし【力士】[1][0] (一)「すもうとり」の意の漢語的表現。 (二)〔←金剛力士〕 仁王（^ニオウ）

りきせつ【力説】[0] ―する 特にその点を、強調すること。

りきせん【力戦】[0] ―する 力一杯戦うこと。力闘。

りきそう【力走】【力漕】リキサウ[0] 〔競走で〕力一杯走ること。 【力〈漕】 〔ボートなどを〕力一杯こぐこと。

りきてん【力点】[0][3] てこで力のかかる点。〔主眼とする所や、力を入れる意にも用いられる。例、「…に―〔＝強調点〕を置く／―〔＝アクセント〕が置かれる」〕作用点・支点

りきとう【力投】[0] ―する （野球で投手が）持てる力をフルに発揮して投げること。 「A投手の―により大勝」

りきとう【力闘】[0] ―する 「力戦」の意の漢語的表現。

りきむ【力む】[2]:[2] （自五） (一)息を詰めて、力をこめる。 「力んで持ち上げようとしたが、だめだった」 (二)気負う。 「今度は勝ってみせると力み返った」〔方言としては、いばる意に用いる所もある〕 [名]力み[3]

りきりょう【力量】リキリヤウ[0][2] 〔「量」も、ちからの意〕 何かを十分になしうるかどうかという観点から見た、その面の能力。 「―を△高める（問われる・試される）／―に欠ける」

りっこう【力行】リキカウ[0] ―する 誘惑などに負けないで、初志を貫徹すること。 「苦学―の士」

りょく［力］ (一)ちから。 「能力・学力・電力・理解力[2]・政治力・労働力[3]」 (二)力を出してつとめる。 「努力・尽力」