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さくら【桜】🔗🔉

さくら【桜】 1 バラ科サクラ属のうちの一群。おおむね落葉高木。北半球の温帯ないし暖帯に分布し、特に東アジアに多く、数十の野生種がある。花はふつう春に咲き、葉の展開に先だって開くことが多い。淡紅・白などの美しい五弁花で、八重咲きのものもある。古くから和歌や絵画にとり上げられ、現在日本の国花とされる。観賞用に古くから栽培され江戸時代以来多くの園芸品種が作られた。材は版木、家具、建築、造船などに使い、樹皮は漢方で鎮咳(ちんがい)、痰(きょたん)薬に用いる。塩漬けにした花や蕾は桜湯にして飲み、ミザクラ(オウトウ)の実はさくらんぼと称して食用にする。ヤマザクラ、サトザクラ、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、エドヒガン、ヒガンザクラなど。《季・春》*万葉‐三九六七「山峡(やまがひ)に咲ける佐久良(サクラ)を」 2 1の木材。材質は緻密で、家具材・器具材・船材などに用いられる。江戸時代には版木としても用いられた。桜の木。 3 =さくらがわ(桜皮) 4 「さくらいろ(桜色)」また、「さくらがさね(桜襲)」の略。 5 桜の花を図案化したもの。桜の花の模様。桜模様。 6 紋所の名。桜の花を図案化したもの。桜、山桜、細川桜、大和桜、裏桜、桜井桜、浮線桜(ふせんざくら)、三つ割り桜、八重桜などがある。 7 (色が桜色であるところから)馬肉のこと。さくらにく。 8 (桜の花の刻印があるところから)天保一分銀の異称。 9 上方の遊里で、遊女の階級である小天神(こてんじん)の異称。 10 「さくらゆ(桜湯)」の略。 11 花札で、桜の花の絵が描いてある札の称。 12 魚のひれの部分の名。背びれの中程の部分をいう。 13 江戸時代の劇場で、頼まれて役者に声をかける者などを入れるための特別の桟敷。また、その者。太郎桟敷。 14 露店などの業者の仲間で、客を装って品物を買ったりほめたりして他の客の購買心をそそる者。また、なれあいをいう俗語。「夜店のさくら」 15 耳をいう隠語。 16 (「佐倉」に「桜」を当てたもの)「さくらずみ(佐倉炭)」の略。 17 「さこん(左近)の桜」の略。 平曲の冒頭に語られる一句の曲名。桜町中納言が泰山府君(たいさんぷくん)に祈って桜の花の命を延ばしたという内容。 箏曲。初心者の手ほどきに用いられる小曲。作曲者不明。明治時代、文部省で「咲いた桜」の古謡を改作し、「さくら、さくら、弥生の空は…」の歌詞を定めて「箏曲集第一編」(東京音楽学校)の中に発表。さくらさくら。 東京と長崎、佐世保間に運行されている。JRの特別急行列車の愛称。大正一二〜昭和一七年、東京、下関との間に運行されていた特別急行列車を昭和四年に命名したのが始め。 ●桜の宴(えん) 桜の花を観賞しながら催す宴。 ●桜の御能(おのう) 陰暦三月、桜の花の咲く頃、宮中で行った能楽。

さくら【佐倉】🔗🔉

さくら【佐倉】 千葉県北部の地名。印旛沼(いんばぬま)に面する。江戸時代は、堀田氏一一万石の城下町。現在は工業団地が造成され、住宅都市として発展。昭和二九年市制。 「さくらずみ(佐倉炭)」の略。

さくら【佐倉・佐久良】🔗🔉

さくら【佐倉・佐久良】 姓氏。

さくら‐あさ【桜麻】🔗🔉

さくら‐あさ【桜麻】 (花が薄紅色で桜のような五弁であるところからとも、桜の咲く頃に種子をまくところからとも)麻の雄株。雄麻(おあさ)。《季・夏》

さくらあさ‐の【桜麻の】🔗🔉

さくらあさ‐の【桜麻の】 1 麻と苧(お)とが同義であるところから、「おふ(苧生=麻の生えている所、麻畑)」にかかる。さくらおの。 2 「苧生」と同音の地名「おふの浦」にかかる。 3 桜麻を刈る意で、「刈る」と同音を持つ地名「かりふの原」にかかる。

さくら‐あめ【桜雨】🔗🔉

さくら‐あめ【桜雨】 桜の花の咲くころに降る雨。

さくら‐あずまお【佐久良東雄】(‥あづまを)🔗🔉

さくら‐あずまお【佐久良東雄】(‥あづまを) 幕末の志士、歌人。号は薑園(きょうえん)。常陸の人。はじめ僧、のち還俗。平田篤胤の門に学ぶ。桜田門外の変に連座し、獄死。歌集「薑園集」。(一八一一〜六〇)

さくらあらそい【桜争】(さくらあらそひ)🔗🔉

さくらあらそい【桜争】(さくらあらそひ) 狂言「花争(はなあらそい)」の別名。「狂言記」にみられる。

さくらい【桜井】(さくらゐ)🔗🔉

さくらい【桜井】(さくらゐ) 奈良県中部の地名。奈良盆地の南東部にある。市場町、宿場町として発展。木材の集散地で製材所が多い。山田寺跡。談山神社などの史跡に富む。昭和三一年市制。 大阪府三島郡島本町の地名。昔は西国街道の宿駅で、楠正成・正行父子の訣別の地として知られる。 能楽。楠正成は足利尊氏追討の宣旨を受けて兵庫に向かう途中、桜井の里で子の正行を諭して帰郷させる。廃曲。

さくらい【桜井】(さくらゐ)🔗🔉

さくらい【桜井】(さくらゐ) 姓氏。

さくらい‐いずみだゆう【桜井和泉太夫】(さくらゐいづみダイフ)🔗🔉

さくらい‐いずみだゆう【桜井和泉太夫】(さくらゐいづみダイフ) 古浄瑠璃の太夫。薩摩浄雲の高弟。通称和泉半右衛門。掾領して桜井丹波少掾と称した。明暦の大火の後、金平物などを語り好評を博した。元禄一〇年ごろまで活躍したらしい。生没年不詳。

さくら‐いか【桜烏賊】🔗🔉

さくら‐いか【桜烏賊】 桜の花の咲くころとれるイカ。花いか。《季・春》

さくらい‐ざくら【桜井桜】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらい‐ざくら【桜井桜】(さくらゐ‥) 桜紋で、一重の桜で、花弁が細く、その基部にひげ状の曲線がえがかれている紋所。桜井の松平氏が用いたのでこの名がある。

さくら‐いし【桜石】🔗🔉

さくら‐いし【桜石】 菫青石(きんせいせき)の一種。灰白色をなし、六角柱状で、断面が桜の花に似る。接触変成作用をうけた粘板岩中に産する。

さくらい‐じょうじ【桜井錠二】(さくらゐヂャウジ)🔗🔉

さくらい‐じょうじ【桜井錠二】(さくらゐヂャウジ) 化学者。石川県出身。ロンドン大学でウィリアムソンに師事、日本化学界の指導者としてその基礎を固めた。主著「有機化学物命名法」。(一八五八〜一九三九)

さくらい‐ずし【桜井鮨】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらい‐ずし【桜井鮨】(さくらゐ‥) 鱧(はも)を薄く切って酢に浸し、千切りの生姜(しょうが)とともに酢飯に載せて作った押しずし。

さくらい‐そう【桜井草】(さくらゐサウ)🔗🔉

さくらい‐そう【桜井草】(さくらゐサウ) ユリ科の多年生の腐生植物。岐阜県と京都の山林の林床にまれに生育する。全体が淡黄色で、茎は高さ一〇〜二〇センチメートル。まばらに小さな鱗片がある。茎の先端は、ふつう総状花序となり、小さな花をまばらに上向きに付ける。花は径四ミリメートルぐらいで、六枚の花被片と、六本の雄しべ、一個の雌しべがある。果実は長さ約三ミリメートルの果で、熟すると裂開する。

さくらいちゃうすやま‐こふん【桜井茶臼山古墳】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらいちゃうすやま‐こふん【桜井茶臼山古墳】(さくらゐ‥) 奈良県桜井市外山に所在する四世紀初頭の前方後円墳。竪穴式石室から鏡・玉仗・琴柱形石製品などを出土。

さくらい‐でら【桜井寺】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらい‐でら【桜井寺】(さくらゐ‥) 奈良県高市郡明日香村豊浦にある広厳寺の通称。豊浦寺(とゆらでら)。向原寺(むくはらでら)。

さくらい‐ばいしつ【桜井梅室】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらい‐ばいしつ【桜井梅室】(さくらゐ‥) 江戸末期の俳人。名は能允。金沢の人。高桑闌更に師事し、巧緻な技法で名声を博したが、作風は月並み調と評されている。(一七六九〜一八五二)

さくらい‐やき【桜井焼】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらい‐やき【桜井焼】(さくらゐ‥) 大阪府三島郡島本町桜井で焼いた陶器。清水寛蔵が天明二年に開窯。以後一時期興隆したが、大正初年廃窯。

さくら‐いり【桜煎】🔗🔉

さくら‐いり【桜煎】 蛸(たこ)の脚を薄く小口切りにし、たれ味噌またはみりんと醤油とで柔らかく煮た料理。古くは桜の花を添えた。さくらに。

さくらい‐りとう【桜井吏登】(さくらゐ‥)🔗🔉

さくらい‐りとう【桜井吏登】(さくらゐ‥) 江戸中期の俳人。別号季洞・人左・斑象・乱雪など。江戸の人。服部嵐雪の高弟で、師の庵号を嗣ぎ二世雪中庵を称した。晩年、深川の北島に隠棲。句集に「吏登句集」など。(一六八一〜一七五五)

さくら‐いろ【桜色】🔗🔉

さくら‐いろ【桜色】 桜の花のような色。淡紅色。また、顔や膚などのほんのりと赤みを帯びた色など。「わずかの酒で桜色になる」

さくら‐いんこ【桜鸚哥】🔗🔉

さくら‐いんこ【桜鸚哥】 「えびちゃいんこ(海老茶鸚哥)」の異名。

さくら‐うお【桜魚】(‥うを)🔗🔉

さくら‐うお【桜魚】(‥うを) 桜の花の咲く頃にとれる魚。特に、小さい鮎、または、わかさぎをいう。《季・春》

さくら‐うぐい【桜】(‥うぐひ)🔗🔉

さくら‐うぐい【桜】(‥うぐひ) 桜の花の咲くころにとれるウグイ。このころはちょうど産卵期にあたり、赤の婚姻色にいろどられたウグイが産卵のために瀬に集まり、多量に漁獲される。《季・春》

さくら‐うめ【桜梅】🔗🔉

さくら‐うめ【桜梅】 ウメの園芸品種。花は大輪の八重咲きで淡紅色。

さくら‐え【桜会】(‥ヱ)🔗🔉

さくら‐え【桜会】(‥ヱ) 平安時代から鎌倉末期にかけて、桜の花の咲くころに行われた法会。法会の後で、観桜の宴を開いた。

さくら‐えび【桜海老】🔗🔉

さくら‐えび【桜海老】 サクラエビ科の小形のエビ。太平洋岸のやや深海に分布するが駿河湾の富士川沖で多量にとれる。体長四〜五センチメートル。生きているときは体が透明で、微小な赤い色素胞によって桜色に見える。第二触角は非常に長く、体表の約三・五倍。体長に約一五〇個ほどの発光器があり緑黄色の弱い光を出すのでヒカリエビともいう。干しえびなどにして食用にする。《季・春》

さくら‐お【桜麻】(‥を)🔗🔉

さくら‐お【桜麻】(‥を) =さくらあさ(桜麻)

さくら‐おどし【桜威】(‥をどし)🔗🔉

さくら‐おどし【桜威】(‥をどし) 鎧(よろい)の威毛(おどしげ)の一種。札(さね)を小桜の模様の染革で編みつづったもの。こざくらおどし。

さくらお‐の【桜麻の】(さくらを‥)🔗🔉

さくらお‐の【桜麻の】(さくらを‥) ⇒さくらあさの(桜麻)

さくら‐か【桜科】(‥クヮ)🔗🔉

さくら‐か【桜科】(‥クヮ) 双子葉植物の一科。バラ科のうち、子房が普通一心皮から成る仲間を、独立の科として扱う場合の名称。サクラの仲間を初めとして、アンズ、モモ、ウメなどの果樹で、花が美しく、庭木として植えられているものが多い。また、ウワミズザクラ、バクチノキなどのように花序が総状となり、小形の花を密生するものもある。

さくら‐かい【桜会】(‥クヮイ)🔗🔉

さくら‐かい【桜会】(‥クヮイ) 旧陸軍将校の秘密結社。昭和五年橋本欣五郎、長勇ら昭和の軍閥を構成する参謀本部や陸軍省の佐官級中堅将校が結成。満州問題の解決とそのための国家改造を目的に、北一輝、大川周明らと結んで、昭和六年の三月事件、十月事件などをくわだて、満州事変の発生にも暗躍した。十月事件(錦旗革命)後に自然消滅。

さくら‐がい【桜貝】(‥がひ)🔗🔉

さくら‐がい【桜貝】(‥がひ) ニッコウガイ科の二枚貝。北海道南部以南の沿岸に分布し、殻は浜辺によく打ちあげられる。殻は薄く、長さ二〜三センチメートルの扁平な楕円形で、表面に輪脈がある。殻の内外とも桜色で光沢があって美しい。貝殻細工に利用。古くからよく知られ、歌などに詠まれる。べにがい。はながい。《季・春》

さくら‐かざし【桜挿頭】🔗🔉

さくら‐かざし【桜挿頭】 花の咲いた桜の小枝を頭上にかざすこと。また、そのもの。

さくら‐がさね【桜襲・桜重】🔗🔉

さくら‐がさね【桜襲・桜重】 1 襲(かさね)の色目の名。白桜・花桜・紅桜などの総称。表は白、裏は赤、または葡萄染(えびぞめ)。なお、裏については濃紫・二藍(ふたあい)・縹(はなだ)などの諸説がある。女房の襲は上に白を重ね、下に紫、単(ひとえ)は緑とする。冬より春まで用いる。さくら。《季・春》 2 蹴鞠(しゅうきく)のわざの一つ。曲鞠(きょくまり)の一種。

さくら‐がしわ【桜柏・桜膳】(‥がしは)🔗🔉

さくら‐がしわ【桜柏・桜膳】(‥がしは) 三方に桜の花を散らしかけ、その上に食器を置く膳立て。

さくら‐がみ【桜紙】🔗🔉

さくら‐がみ【桜紙】 もとは反古紙を漉(す)きかえして、現在はマニラ麻、わらなどの繊維を用いて製する、小判の薄い柔らかな和紙。ちり紙などに用いる。

さくら‐がり【桜狩】🔗🔉

さくら‐がり【桜狩】 1 山野に桜をたずねあるいて観賞すること。観桜。花見。桜見物。《季・春》*宇津保‐吹上上「さくらかりぬれてぞ来にし鶯の」 2 (交野(かたの)が桜の名所であり、また、皇室領の遊猟地でもあったので、桜を見ながら狩をしたところから)鷹狩の異称。 3 馬術で用いる語。 鷹狩で、退却ぐせのある馬が首を下横腹につけるようにまげて止まるとき、下頤の部分を鐙の先で蹴ること。花の木を折ることがあるのでこの名がある。遠乗りで、馬の息づかいをはかって走らせる鞭のあて方。 箏曲。平調子。文化年間山田検校の作曲したもので、歌詞は越前家の息女の作という。花見の情緒を表現したもの。 長唄。安政年間二世芳村孝次郎(または、十世杵屋六左衛門)の作曲で、隅田川・吉原の桜気分を表現したもの。

さくら‐がわ【桜川】(‥がは)🔗🔉

さくら‐がわ【桜川】(‥がは) 1 川ぞいに桜の咲く川。 2 衣服の模様などで、流水に桜の散っているさまのもの。 3 植物「げんのしょうこ(現証拠)」の異名。 4 「さくらがわは(桜川派)」の略。 5 江戸時代、江戸芝宇田川町の山屋から販売されていた銘酒。天保頃には浅草並木町の山屋からも販売。 滋賀県蒲生川の上流をいう。一説に茨城県桜川のこととも。歌枕。 東京都港区を流れていた川。赤坂方面から愛宕山付近を流れて、古川に合流していたという。 謡曲。四番目物。各流。世阿弥作。母の貧窮をみかねて人買いにわが身を売った桜子は、三年後の春に常陸国(茨城県)桜川で、狂女となってわが子の行方をさがしている母に再会する。 雑俳撰集。内藤風虎編。北村季吟序、松山玖也跋。延宝二年刊。四季類題別に作者数八一四名、計七〇三六句を収めた発句集。

さくらがわ【桜川】(さくらがは)🔗🔉

さくらがわ【桜川】(さくらがは) 姓氏。

さくら‐がわ【桜皮】(‥がは)🔗🔉

さくら‐がわ【桜皮】(‥がは) 桜の木の外皮。曲物(まげもの)、折(おり)などをとじるのに用いる。

さくらがわ‐ぐさ【桜川草】(さくらがは‥)🔗🔉

さくらがわ‐ぐさ【桜川草】(さくらがは‥) 「かのこそう(鹿子草)」の異名。

さくらがわ‐じひなり【桜川慈悲成】(さくらがは‥)🔗🔉

さくらがわ‐じひなり【桜川慈悲成】(さくらがは‥) 江戸後期の戯作者、落語家。通称錺屋大五郎(かざりやだいごろう)。戯作者桜川杜芳門下。江戸芝宇田川町に住み、黄表紙、滑稽本、咄本などの、滑稽を中心とした作風に見るべきところがある。黄表紙「馬鹿長命子気物語」、咄本「滑稽好(こっけいこう)」などがその代表作。(一七六二〜一八三三)

さくらがわ‐ぬり【桜皮塗】(さくらがは‥)🔗🔉

さくらがわ‐ぬり【桜皮塗】(さくらがは‥) 漆塗の一種。はじめ黄色を帯びた漆、次に赤褐色の漆をぬって研(と)ぎ、桜の皮のような漆面を現したもの。

さくらがわ‐は【桜川派】(さくらがは‥)🔗🔉

さくらがわ‐は【桜川派】(さくらがは‥) 戯作者桜川慈悲成系統の江戸吉原の幇間(ほうかん)の一派。

さくら‐かん【桜羹】🔗🔉

さくら‐かん【桜羹】 水に浸した寒天に砂糖と葛粉を入れて煮立てたのち、冷やして固まったものを、桜の花の形をした金属製の型で抜きとった食品。

さくら‐がんぴ【桜雁皮】🔗🔉

さくら‐がんぴ【桜雁皮】 ジンチョウゲ科の落葉低木。相模、伊豆、駿河地方の山地に生える。ガンピに似るが、枝がやや細く、葉がまばらにつき、葉裏の毛も少なく、花序はよく分枝する。ガンピと同様に紙の原料とされ、修善寺紙はこれで作られたという。みやまがんぴ。いぬこがんぴ。

さくら‐ぎ【桜木】🔗🔉

さくら‐ぎ【桜木】 1 桜の木。 2 桜の材。特に、江戸時代、版木に多く用いたところから、版木の異称。

さくら‐きって【桜切手】🔗🔉

さくら‐きって【桜切手】 (印面の四すみに桜の花の模様があるところから)竜切手(りゅうきって)のあと明治五年七月から、同九年に小判切手が出るまで発行された郵便切手の俗称。半銭以上各種ある。

さくらぎみんでん【佐倉義民伝】🔗🔉

さくらぎみんでん【佐倉義民伝】 歌舞伎脚本。お家世話物。十一幕。明治二七年東京新富座初演。「東山桜荘子(ひがしやまさくらそうし)」以来、増補改作された佐倉宗吾劇の決定版。

さくら‐きりん【桜麒麟】🔗🔉

さくら‐きりん【桜麒麟】 サボテン科の低木。南アメリカ北部の原産。茎は径〇・八センチメートルぐらいで、枝にはとげがある。葉は長さ約二〇センチメートルになる。花は径約三センチメートルの淡紅紫色。

さく‐らく【錯落】🔗🔉

さく‐らく【錯落】 〔形動タリ〕入りまじるさま。

さくら‐こがね【桜黄金・桜金亀子】🔗🔉

さくら‐こがね【桜黄金・桜金亀子】 コガネムシ科の昆虫。体長約一八ミリメートル。卵形で背面が高くなり、体色はほぼ黄褐色で、銅緑色のものもある。六〜八月ごろ現れ、薔薇(ばら)、桜、栗などの葉を食害。灯火にもよく飛来する。各地にふつうに分布。

さくら‐ことば【桜言葉】🔗🔉

さくら‐ことば【桜言葉】 口先だけで言うほめことば。

さくら‐ごろも【桜衣】🔗🔉

さくら‐ごろも【桜衣】 桜襲(さくらがさね)の衣。また、桜の咲くころに着る春着。《季・春》

さくら‐じま【桜島】🔗🔉

さくら‐じま【桜島】 鹿児島市の対岸にある火山。コニーデ。火山島であったが、有史以来しばしば噴火し、大正三年の大爆発で南東部は大隅半島と陸続きになった。 小説。梅崎春生作。昭和二一年発表。終戦前後の基地桜島での「私」村上兵曹と兵士たちの極限状況に置かれた生と死の相克を描く。

さくらじま‐だいこん【桜島大根】🔗🔉

さくらじま‐だいこん【桜島大根】 ダイコンの品種。日本で改良され鹿児島県桜島に特産する。根は球形または球状紡錘形で径五〇センチメートル、重さ一五キログラムに達する。漬物にする。《季・春》

さくら‐しゅ【桜酒】🔗🔉

さくら‐しゅ【桜酒】 桜の実のしぼり汁に、アルコールと濃厚な砂糖溶液を混ぜ、ベニバナのしぼり汁を加えて着色した混成酒。

さくら‐じょう【佐倉城】(‥ジャウ)🔗🔉

さくら‐じょう【佐倉城】(‥ジャウ) 千葉県佐倉市にあった城。文明一六年千葉氏の創建。のち土井利勝が慶長一六年から元和三年に完成。のち石川・松平・戸田・堀田氏などが入封。現在空堀と土塁だけを残す。

さくら‐すずめ【桜雀】🔗🔉

さくら‐すずめ【桜雀】 カエデチョウ科の小鳥。キンパラ大の褐色の地味な鳥で、桜の樹皮状の模様がくびから腹にかけてあり、翼の先に白斑がある。雄ののどの下には黒斑がある。オーストラリア原産で飼い鳥とする。

さくら‐ずみ【佐倉炭・桜炭】🔗🔉

さくら‐ずみ【佐倉炭・桜炭】 (「桜」は当て字)千葉県佐倉地方のクヌギを材料とした良質の木炭。

さくら‐すみれ【桜菫】🔗🔉

さくら‐すみれ【桜菫】 スミレ科の多年草。北海道、本州、九州の山地の林下などに生える。葉は二〜五枚が地下茎から束生し長柄があり、狭卵形で長さ三〜七センチメートル。葉質は薄く、縁にはまばらな鋸歯がある。花時には十分のびきらず、両縁が表面に巻きこみ菱形状にみえる。五月頃花茎をのばし、淡紅紫色の五弁花を単生する。花は横向きに開き、花弁は約一五ミリメートルで、日本の野生スミレのうち最大。《季・春》

さくら‐ぜんせん【桜前線】🔗🔉

さくら‐ぜんせん【桜前線】 桜の染井吉野の開花日が等しい地点を結んだ線。三月末九州から北上、五月初め北海道に至る。

さくら‐そう【桜草】(‥サウ)🔗🔉

さくら‐そう【桜草】(‥サウ) 1 サクラソウ科の多年草。各地の山野の低湿地に生える。高さ約二〇センチメートル。全体に軟毛を密布。根茎は紅色を帯び地中をはってひげ根を下ろす。葉は長柄をもち根もとからむらがって生える。葉身は長さ約一〇センチメートルの卵状長楕円形で縁は浅く切れ込み、裂片にはさらに鋸歯がある。春、葉間から高さ二〇センチメートル内外の花茎を立て、頂に淡紅色の花を数個つける。花冠の基部は細長い筒状で、先は五裂して平開し、径二〜三センチメートルとなり、各裂片は浅く二裂する。園芸品種が多く、花は白、紫、桃紫、絞りなどがある。にほんさくらそう。《季・春》 2 富本節の家の定紋。転じて、富本節の異称。

さくらそう‐か【桜草科】(さくらサウクヮ)🔗🔉

さくらそう‐か【桜草科】(さくらサウクヮ) 双子葉植物の一科。世界に約二〇属千余種あり、広く世界に分布。この仲間の多くは園芸栽培上の価値があり、日本原産のものばかりでなく外国産のものもプリムラとして数多く観賞用に栽培される。

さくら‐そうごろう【佐倉宗五郎】(‥ソウゴラウ)🔗🔉

さくら‐そうごろう【佐倉宗五郎】(‥ソウゴラウ) ⇒きうちそうご(木内宗吾)

さくら‐だ【桜田】🔗🔉

さくら‐だ【桜田】 桜の木が多く生えているところ。桜の花のたくさん咲いているところ。 武蔵国荏原郡桜田郷。現在の東京都千代田区霞が関一帯にあたる。

さくらだ【桜田】🔗🔉

さくらだ【桜田】 (「さくらた」とも)姓氏。

さくら‐だい【桜台】🔗🔉

さくら‐だい【桜台】 能楽で、白い布をまいた竹の土台に桜の花の枝を立てて、桜の立木と見立てた作物(つくりもの)。能「右近」「嵐山」などに用いる。

さくら‐だい【桜鯛】(‥だひ)🔗🔉

さくら‐だい【桜鯛】(‥だひ) 1 桜の花の咲くころ産卵のため内湾の浅瀬に群がり、漁獲されるタイ。特に瀬戸内海沿岸で称される。《季・春》 2 スズキ科の海魚。全長二〇センチメートルに達する。体はタイ型で、尾びれの両端は糸状にのびる。雄は紅色で乳白色の斑点が散在するが、雌は黄色を帯びるのでオウゴンサクラダイともいう。房総半島以南の沿岸に分布。食用にするが美味ではない。

さくらだ‐こもん【桜田虎門】🔗🔉

さくらだ‐こもん【桜田虎門】 江戸後期の儒者、易学者。仙台の生まれ。名は質。字は仲文。別号に欽斎・鼓岳子を用いた。儒学を学び、江戸の仙台藩藩邸にある順造館の教授となる。易学を研究し、天文、武術などにも通じた。(一七七四〜一八三九)

さくらだ‐じすけ【桜田治助】(‥ヂすけ)🔗🔉

さくらだ‐じすけ【桜田治助】(‥ヂすけ) 初代。江戸時代の歌舞伎作者。江戸の生まれ。上方で作風を学び、帰京後、江戸劇壇の立作者となる。師の壕越菜陽の作風に安永・天明当時の世相を加味し、しゃれや警句、風刺をまじえた軽妙な筆致で、世話狂言・浄瑠璃などに一形式を確立した。また、狂言の外題や角書にも独特の風趣をみせた。脚本「御摂勧進帳」「名歌徳三舛垣」など名作が多い。(一七三四〜一八〇六)

さくら‐たで【桜蓼】🔗🔉

さくら‐たで【桜蓼】 タデ科の多年草。本州以西の水湿地などに生える。根茎は地中をはう。茎は直立して高さ五〇〜八〇センチメートル。葉は長さ七〜一三センチメートルの披針形で互生。鞘は筒状で縁毛がある。秋、枝先に長さ五〜一〇センチメートルの花穂をつけ小型で径五ミリメートルぐらいの淡紅色の花を密につける。漢名に蚕繭草をあてるが別物。

さくらだ‐ふう【桜田風】🔗🔉

さくらだ‐ふう【桜田風】 江戸の歌舞伎作者、初代桜田治助の作風。→桜田治助。

さくら‐だま【桜玉】🔗🔉

さくら‐だま【桜玉】 淡青色のガラス玉に桜の花などの絵を描いた装飾品。

さくらだ‐もん【桜田門】🔗🔉

さくらだ‐もん【桜田門】 江戸城の城門の一つ。江戸時代は内桜田門(桔梗門)、南大手門、外桜田門をいい、現在は外桜田門だけをいう。

さくらだもんがい‐の‐へん【桜田門外の変】(‥モングヮイ‥)🔗🔉

さくらだもんがい‐の‐へん【桜田門外の変】(‥モングヮイ‥) 安政七年三月三日、江戸城桜田門外で、大老井伊直弼が水戸・薩摩の浪士ら一八名によって殺害された事件。直弼が勅許を待たずに日米修好通商条約に調印したこと、尊王攘夷派に対して安政の大獄などの苛酷な弾圧政策をとったことなどが原因で、以後幕府の権威は急激に衰退した。

さくら‐ぢゃや【桜茶屋】🔗🔉

さくら‐ぢゃや【桜茶屋】 桜の花の咲くころ、花見客のために設ける茶屋。

さくらづか【桜塚】🔗🔉

さくらづか【桜塚】 大阪府豊中市の地名。かつては花の名所として知られた。

さくら‐づき【桜月】🔗🔉

さくら‐づき【桜月】 陰暦三月の異称。桜の咲く季節なのでいう。《季・春》

さくら‐づくし【桜尽】🔗🔉

さくら‐づくし【桜尽】 1 桜の種類を多数並べあげること。染め模様などで種々の桜の花を並べること。 2 歌文等の中に桜の種類を口調よく列挙すること。

さくら‐づけ【桜漬】🔗🔉

さくら‐づけ【桜漬】 中開きの桜の花を塩漬けにしたもの。熱湯をそそぎ桜湯とする。《季・春》

さくらつばうらみのさめざや【桜鍔恨鮫鞘】🔗🔉

さくらつばうらみのさめざや【桜鍔恨鮫鞘】 浄瑠璃。世話物。作者未詳。安永三年大坂豊竹座初演。お妻八郎兵衛の巷説を題材とする。主家の宝刀を詮議する丹波屋八郎兵衛は、女房のお妻が金を調達するために愛想づかししたとも知らず、お妻とその母を殺し、のちに本意を知って切腹する。通称「鰻谷」。

さくら‐ど【桜戸】🔗🔉

さくら‐ど【桜戸】 1 桜の板木で作った戸。《季・春》 2 桜の木のあたりにある家。《季・春》

さくら‐どうろう【桜灯籠】🔗🔉

さくら‐どうろう【桜灯籠】 銅の薄板を張った円形の灯籠で、全体に桜の花を透かし彫りにし、内側に紙をはったもの。茶人が用いる。

さくら‐どき【桜時】🔗🔉

さくら‐どき【桜時】 桜の花の咲くころ。花時。《季・春》

さくら‐なべ【桜鍋】🔗🔉

さくら‐なべ【桜鍋】 桜肉(馬肉)とねぎ、こんにゃく、焼き豆腐などを浅い鍋で味噌仕立てに煮た鍋料理。《季・冬》

さくら‐に【桜煮】🔗🔉

さくら‐に【桜煮】 桜煎(さくらいり)のこと。また、蛸(たこ)と大豆の炊き合わせたものもいう。

さくら‐にく【桜肉】🔗🔉

さくら‐にく【桜肉】 =さくら(桜)7

さくらのその【桜の園】🔗🔉

さくらのその【桜の園】 (原題ロシアVinjovyi Sad)戯曲。四幕。チェーホフ、一九〇三年作。翌年モスクワ芸術座で初演。零落し、競売されようとしているラネーフスカヤ家の領地「桜の園」をめぐる新旧三世代の心の動きと、哀感を描く。日本では大正四年初演。

さくら‐の‐はまきむし【桜の葉巻虫】🔗🔉

さくら‐の‐はまきむし【桜の葉巻虫】 ハマキムシの一種。コカクモンハマキの幼虫の異名か。幼虫は二センチメートル内外。頭は黒く他は暗灰色で少し青みを帯びる。桜などの葉を円筒形に巻き、中から葉を食害。

さくら‐のり【桜海苔】🔗🔉

さくら‐のり【桜海苔】 海藻「こめのり(米海苔)」の異名。《季・春》

さくら‐ばい【佐倉灰・桜灰】(‥ばひ)🔗🔉

さくら‐ばい【佐倉灰・桜灰】(‥ばひ) 佐倉炭の灰。客用のタバコ盆の火入れなどに使う。

さくら‐ばな【桜花】🔗🔉

さくら‐ばな【桜花】 桜の花。おうか。《季・春》 桜の花の盛りのようにの意から、「栄え少女(おとめ)」にかかる。

さくらはま‐いし【桜浜石】🔗🔉

さくらはま‐いし【桜浜石】 高知県土佐市桜浜から産する石。硯(すずり)材にする。土佐石。

さくら‐ばら【桜薔薇】🔗🔉

さくら‐ばら【桜薔薇】 バラ科の落葉低木。ノイバラに由来する園芸品種で、昔から人家の垣根などに用いられている。葉は互生で五〜七枚の小葉からなる。初夏、枝の先に紅紫色の花を密集して開く。花は径三センチメートルぐらいで、八重咲き。

さくら‐ばり【桜張】🔗🔉

さくら‐ばり【桜張】 キセルの張り方の一つ。近世、京都二条通富小路の桜屋で作り出したもの。

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