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かしが・る【傾がる】🔗🔉

かしが・る【傾がる】 〔自ラ四〕=かしぐ(傾)

かし・ぐ【傾ぐ】🔗🔉

かし・ぐ【傾ぐ】 〔自ガ五(四)〕=かたむく(傾)*雑俳・柳多留‐五六「宝舟布袋の方へかしぐなり」 〔他ガ下二〕⇒かしげる(傾)

かし・げる【傾げる】🔗🔉

かし・げる【傾げる】 〔他ガ下一〕かし・ぐ〔他ガ下二〕=かたむける(傾)*人情・春色梅児誉美‐初「首をかしげて物あんじ」

かた・ぐ【傾ぐ】🔗🔉

かた・ぐ【傾ぐ】 〔自ガ四〕かたむく。かたよる。また、よろめく。「家がかたぐ」*俳・炭俵‐下「杉の木末に月かたぐ也」 〔他ガ下二〕⇒かたげる(傾)

かた・げる【傾げる】🔗🔉

かた・げる【傾げる】 〔他ガ下一〕かた・ぐ〔他ガ下二〕 1 かたむける。かしげる。*俳・玉海集‐付句「小頸かたげて月ぞながむる」 2 からだを横にする。寝る。*滑・続膝栗毛‐四「もう、おかたげなさりまし。お床しきませずに」

かた‐ぶき【傾】🔗🔉

かた‐ぶき【傾】 =かたむき(傾)*新撰六帖‐六「ただかたぶきになる我が身かな」

かたぶき‐かか・る【傾き掛かる】🔗🔉

かたぶき‐かか・る【傾き掛かる】 〔自ラ四〕 1 傾いて他によりかかる。*源氏‐橋姫「添ひふしたる人は琴の上にかたぶきかかりて」 2 傾きはじめる。

かた‐ぶ・く【傾く】🔗🔉

かた‐ぶ・く【傾く】 (「かた(片)ぶく」の意で、「ぶく」は「向く」の変化形) 〔自カ四〕 1 斜めになる。一方へ向き寄る。かしぐ。*古事記‐下・歌謡「隅(すみ)加多夫祁(カタブケ)り」 2 太陽や月が沈みかける。*万葉‐三六二三「山の端に月可多夫気(カタブケ)ば」 3 盛んな状態から次第に衰えの状態になる。国、家、年齢、運命などについていう。*大鏡‐一「みかどかしこしと申せど、臣下のあまたしてかたぶけ奉る時は、かたぶき給ふものなり」 4 (首が傾く、というところから)不思議に思う。また、あれこれと考える。*竹取「この匠(たくみ)らが申すことは何事ぞ、とかたぶきをり」 5 物事の状態や人の気持、考えなどがある方向にかたよる。*太平記‐四「此の君禅の宗旨に傾(カタフ)かせ給ひて」 〔他カ四〕非難する。*今鏡‐二「金葉集といふなこそ撰者のえらべるにや。かたぶく人はんべるとかや」 〔他カ下二〕⇒かたぶける(傾)

かた‐ぶ・ける【傾ける】🔗🔉

かた‐ぶ・ける【傾ける】 〔他カ下一〕かたぶ・く〔他カ下二〕 1 斜めになるようにする。一方にかしがせる。*枕‐二四七「からかさ〈略〉横さまに雪を吹きかくれば、すこしかたぶけてあゆみ来るに」 2 滅亡させる。衰えさせる。*宇津保‐忠こそ「みかどかたぶけ奉らむとさわぎ侍るめる」 3 酒など飲む時、器をかしがせる。また、器の中の酒や茶などを飲む。*平家‐一〇「其時坏をかたぶけらる」 4 (中のものを出すのに器をかしがせるところから)中のものをすっかり出す。*石山寺本大智度論天安二年点「大海の水も傾(カタフケ)竭すべからぬがごとし」 5 非難する。けなす。*源氏‐乙女「あまりひきたがへたる御ことなりとかたぶけ侍るめるを」 6 ある物事に、力や精神などを集中させる。枕‐九〇「耳をかたぶけて問ふに」 7 こちらの思う通りに従わせる。*浮・好色一代男‐三「小半酒(こなからさけ)に両隣をかたぶけ」

かた‐むき【傾】🔗🔉

かた‐むき【傾】 1 斜めになること。かしぐこと。また、その程度。傾斜。 2 終わり方になること。衰えること。 3 物事がある方向に進んでいく気配。とかくそうなりがちなさま。傾向。「人命軽視の傾きがある」 4 数学で、平面上の直線の向きと方向をあらわす量。勾配。数式 y=ax+bのa にあたる。

かたむき‐やま【傾山】🔗🔉

かたむき‐やま【傾山】 大分・宮崎県境、九州山地の北部にある山。西方は祖母山に連なる。標高一六〇二メートル。

かた・む・く【傾く】🔗🔉

かた・む・く【傾く】 〔自カ五(四)〕(「かたぶく」の変化) 1 斜めになる。かしぐ。「船が傾く」*中華若木詩抄‐上「次第にをもく成て、ふさが、かたむきたやうな也」 2 太陽や月が沈みかける。*平家‐灌頂「夕陽西にかたむけば」 3 盛んな状態から次第に衰えの状態になる。国、家、年齢、運命などについていう。「家(運)が傾く」*平家‐二「その時都かたむいて幽王終(つゐ)にほろびにき」 4 物事の状態や人の気持、考えなどが、ある方向にかたよる。ある傾向を帯びる。「右よりに傾いた政治」*日葡辞書「アクニ catamuqu(カタムク)」 5 時間が過ぎる。*浪花聞書「八ツがかたむいた抔(など)云八時過のこと也」 〔他カ下二〕⇒かたむける(傾)

かた‐む・ける【傾ける】🔗🔉

かた‐む・ける【傾ける】 〔他カ下一〕かたむ・く〔他カ下二〕(「かたぶける」の変化) 1 斜めになるようにする。一方にかしがせる。*俳・和漢文操‐七「西行法師のふじ見笠か、東坡居士の雪見笠か。〈略〉霰にさそひ、時雨にかたむけ」 2 滅亡させる。衰えさせる。「国を傾ける」 *平家‐一一「平氏をかたむけんがために」 3 酒などを飲むとき、器をかしがせる。器の中の酒や茶などを飲む。「一献傾ける」 *中華若木詞抄‐中「さらは一盃かたむけんと思ふて」 4 (中のものを出すのに器をかしがせるところから)中のものをすっかり出す。 5 非難する。けなす。*平家‐四「今度の譲位いつしかなりと、誰かかたむけ申べき」 6 ある物事に、力や精神などを集中させる。「心(耳)を傾ける」「全力を傾ける」

かぶき‐ちゃ【傾茶】🔗🔉

かぶき‐ちゃ【傾茶】 =ちゃかぶき(茶歌舞伎)

かぶ・く【傾く】🔗🔉

かぶ・く【傾く】 〔自カ四〕(「かぶ(頭)」の動詞化) 1 頭がかたむく。かたぶく。*行宗集「雨ふれば門田の稲ぞしどろなる心のままにかぶき渡りて」 2 勝手気ままなふるまいをする。派手な身なりや、異様な、または好色めいた言動をする。*伽・猫の草紙「かぶきたるなりばかりを好み」 3 歌舞伎踊りを演ずる。 4 茶の風味を味わって、その品種を飲み分ける。

かぶし【傾】🔗🔉

かぶし【傾】 (動詞「かぶす(傾)」の名詞化)頭を傾けること。また、そのさま。転じて、頭つき。→かぶしかたち

かぶし‐かたち【傾容】🔗🔉

かぶし‐かたち【傾容】 頭を傾けたさま。また、「かぶし」「かたち」の二語で、頭つき、容貌の意とも。*徒然‐一〇五「かぶしかたちなど、いとよしと見えて」

かぶ・す【傾す】🔗🔉

かぶ・す【傾す】 〔自サ四〕(「かぶ(頭)」の動詞化)頭を下げる。うなだれる。また、首を傾ける。*古事記‐上・歌謡「山処(やまとの)一本薄(ひともとすすき)項(うな)加夫斯(カブシ)汝が泣かさまく」

けい‐えん【傾延】🔗🔉

けい‐えん【傾延】 (中国、魏の夏侯玄の「楽毅論」の「隣国傾慕、四海延頸」から)いちずに慕い、首を長くして待つこと。

けい‐かい【傾壊】(‥クヮイ)🔗🔉

けい‐かい【傾壊】(‥クヮイ) 建物などがかたむきこわれること。

けい‐がい【傾蓋】🔗🔉

けい‐がい【傾蓋】 (「蓋」はきぬがさ。孔子が、道でたまたま会った程子と車の蓋を傾け合って、親しく話し込んだという「孔子家語‐致思」の故事から)たまたま会うこと。また、ちょっと会っただけで、親しくなること。 ●傾蓋=故(こ)[=旧(きゆう)]の如し (「傾蓋」の故事をひいた、「鄒陽‐獄中上書自明」の「語曰、白頭如新、傾蓋如故」による)ちょっと会っただけで、たちまち昔からの知り合いのように親しくなる。

●傾蓋=故(こ)[=旧(きゆう)]の如し🔗🔉

●傾蓋=故(こ)[=旧(きゆう)]の如し (「傾蓋」の故事をひいた、「鄒陽‐獄中上書自明」の「語曰、白頭如新、傾蓋如故」による)ちょっと会っただけで、たちまち昔からの知り合いのように親しくなる。 けい‐がい【境外】(‥グヮイ) さかいの外。特に、寺社などの敷地の外。きょうがい。

けい‐かく【傾角】🔗🔉

けい‐かく【傾角】 1 一定の基準方向から他方向への傾きをあらわす角度。方向角。 2 =ふっかく(伏角) 3 気象学で、気圧傾度と風向とのなす角度。

けい‐き【傾危】🔗🔉

けい‐き【傾危】 あぶらげに傾いていること。かたむいてあぶないこと。

けい‐き【傾奇】🔗🔉

けい‐き【傾奇】 あやしむこと。不思議に思うこと。

けい‐こう【傾向】(‥カウ)🔗🔉

けい‐こう【傾向】(‥カウ) 1 (―する)ある方向にむかうこと。一方に片寄ること。 2 思想上、ある特定の考え方に片寄ること。 3 心理学で、一定の刺激に対して一定の反応によって応ずる有機体の素質をいう。また、学習によって習得した態度。

けいこう‐えいが【傾向映画】(ケイカウエイグヮ)🔗🔉

けいこう‐えいが【傾向映画】(ケイカウエイグヮ) 昭和初期に作られた日本映画の一連の作品。当時の社会不安を背景に、階級意識を強調したもの。鈴木重吉の「何が彼女をさうさせたか」、田坂具隆の「この母を見よ」など。

けいこう‐しょうせつ【傾向小説】(ケイカウセウセツ)🔗🔉

けいこう‐しょうせつ【傾向小説】(ケイカウセウセツ) 作者が自分の主義や思想を、作中の人物の言動や事件の展開などによって表現した小説。また、その時代の一般的な思想や風潮などを題材としてつくった小説。明治期の政治小説をさすことが多い。「佳人之奇遇」「経国美談」「雪中梅」など。

けいこう‐せい【傾向性】(ケイカウ‥)🔗🔉

けいこう‐せい【傾向性】(ケイカウ‥) (ドイツNeigungの訳語)倫理学で、一般には特定の感情や欲望を引き起こさせる性向をいう。カントでは、習慣的感性的欲望をさし、これに基づく行為は、道徳法則に合致していても道徳性はないとした。

けいこう‐せい【傾光性】(ケイクヮウ‥)🔗🔉

けいこう‐せい【傾光性】(ケイクヮウ‥) 植物が光の強さの変化に対して示す傾性。萩の葉やたんぽぽの花などにみられ、葉や花冠の基部における上下面の生長の差が原因となって起こる。

けい‐さ【傾差】🔗🔉

けい‐さ【傾差】 =ふっかく(伏角)

けいこう‐ぶんがく【傾向文学】(ケイカウ‥)🔗🔉

けいこう‐ぶんがく【傾向文学】(ケイカウ‥) 特定の目的、思想、主義を宣伝しようとする態度の強い文学。主として社会主義文学にいう。

けい‐こく【傾国】🔗🔉

けい‐こく【傾国】 1 国家の存立をあやうくすること。 2 (「漢書‐外戚伝上・光武李夫人」の「一顧傾人城、再顧傾人国」から)美人。美女。傾城(けいせい)。 3 遊女。傾城(けいせい)。 4 遊里。遊郭。

けい‐しゃ【傾斜】🔗🔉

けい‐しゃ【傾斜】 1 (―する)ななめに傾くこと。また、その程度。 2 比喩的に、ある方向に気持や考えの傾くこと。「某女に心が傾斜する」 3 =けいしゃかく(傾斜角)

けい‐しゃ【傾瀉】🔗🔉

けい‐しゃ【傾瀉】 1 傾けて注ぐこと。傾注。 2 一つの事に心を向けること。一心不乱になること。 3 化学で、沈殿物を沈ませて上の澄んだ液を流し去ること。

けいしゃ‐かく【傾斜角】🔗🔉

けいしゃ‐かく【傾斜角】 地学で、水平面に対する地層面のなす角度をいう。

けいしゃ‐ぎ【傾斜儀】🔗🔉

けいしゃ‐ぎ【傾斜儀】 地層の傾斜角を測定するのに用いる器械。測斜計。クリノメーター。

けいしゃ‐けい【傾斜計】🔗🔉

けいしゃ‐けい【傾斜計】 1 航空機に作用する加速度の方向に対する傾斜や、地面に対する航空機の傾斜を測知する装置。 2 地平面の大まかな傾斜を測定する器具。 3 地層の走向、傾斜の方向を測定する器具。

けいしゃ‐しけん【傾斜試験】🔗🔉

けいしゃ‐しけん【傾斜試験】 船の重心を算定する試験。

けいしゃ‐せいさん【傾斜生産】🔗🔉

けいしゃ‐せいさん【傾斜生産】 原材料や労働力の不足が国の経済の危機を招いているとき、基礎資材、資金、労働力などを重点的に石炭、鉄鋼などの基礎物資の生産にふりむけ、それから順次各産業部門の生産を回復する方式。

けいしゃ‐だんそう【傾斜断層】🔗🔉

けいしゃ‐だんそう【傾斜断層】 断層面の走向が地層(鉱脈)の走向と直角をなすもの。

けいしゃ‐りゅう【傾斜流】(‥リウ)🔗🔉

けいしゃ‐りゅう【傾斜流】(‥リウ) 海水の流れの一種。風や気圧の変化、河水の流入などにより海面に高低を生じたとき、海中の圧力分布と平衡を保つために流れるもの。

けいしょく‐せい【傾触性】🔗🔉

けいしょく‐せい【傾触性】 生物学で、物体の接触によって起こされる傾性をいう。モウセンゴケなどの食虫植物にみられ、捕虫葉の触糸の先端が物に触れると、触糸が葉の中心部に向かって屈曲を起こす現象。

けい‐せい【傾性】🔗🔉

けい‐せい【傾性】 植物が外界からの刺激を受けて、その刺激の方向とは関係なく一定の方向に屈曲する性質。刺激の種類によって傾光性、傾触性、傾熱性などに分けられる。

けい‐せい【傾城・契情】🔗🔉

けい‐せい【傾城・契情】 (「漢書‐光武李夫人」の「北方有佳人、絶世而独立、一顧傾人城、再顧傾人国」から出た語。その色香におぼれて、城や国を傾け滅ぼすほどの美人の意) 1 美しい女性。美人。美女。傾国。 2 遊女。女郎。近世には特に太夫、天神など上位の遊女をさすことがある。傾婦。 ●傾城に誠(まこと)なし 遊女が客に対して誠意をもって接するはずがない。 ●傾城をたてる 遊女を職業とする。

●傾城に誠(まこと)なし🔗🔉

●傾城に誠(まこと)なし 遊女が客に対して誠意をもって接するはずがない。 ●傾城をたてる 遊女を職業とする。 けい‐せい【警世】 世間の人に警告を与えること。

●傾城をたてる🔗🔉

●傾城をたてる 遊女を職業とする。 けい‐せい【警世】 世間の人に警告を与えること。

けいせいあさまがたけ【傾城浅間嶽】🔗🔉

けいせいあさまがたけ【傾城浅間嶽】 歌舞伎。時代物。三幕。中村七三郎作と伝える。元禄一一年京都布袋屋座初演。諏訪家のお家騒動を背景に、小笹巴之丞の傾城買いを中心に脚色。歌舞伎所作事「浅間物」の原拠となるなど、後への影響が大きい。

けいせいあずまかがみ【傾情吾嬬鑑・契情吾妻鑑】(‥あづまかがみ)🔗🔉

けいせいあずまかがみ【傾情吾嬬鑑・契情吾妻鑑】(‥あづまかがみ) 歌舞伎。六幕。初世桜田治助作。天明八年江戸中村座初演。白井権八・幡随院長兵衛に亀山のあだ討ちをからませて脚色。権八と長兵衛の出合いが見せ場で「鈴ケ森」の原型をなす。

けいせいあわのなると【傾城阿波の鳴門】(‥あはのなると)🔗🔉

けいせいあわのなると【傾城阿波の鳴門】(‥あはのなると) 歌舞伎。時代物。三幕。近松門左衛門作。元禄八年京都早雲座初演。和泉国斑鳩(いかるが)家のお家騒動物。 浄瑠璃。時代物。一〇段。近松半二らの合作。明和五年大坂竹本座初演。夕霧伊左衛門の話に伊達騒動、阿波の十郎兵衛の巷説をとり入れたもの。お弓とその子お鶴の愁嘆の場が特に有名で、歌舞伎では「どんどろ大師の場」として繰り返された。

けいせいいろじゃみせん【傾城色三味線】🔗🔉

けいせいいろじゃみせん【傾城色三味線】 浮世草子。五冊。江島其磧作。元禄一四年刊。遊里、遊女を主題とする短編二四話を収める。西鶴の影響が濃いが、新趣向がこらされている。「八文字屋本」の最初の小説。

けいせい‐うけじょう【傾城請状】(‥うけジャウ)🔗🔉

けいせい‐うけじょう【傾城請状】(‥うけジャウ) =けいせいぼうこううけじょう(傾城奉公請状)

けいせいうたじゃみせん【傾城歌三味線】🔗🔉

けいせいうたじゃみせん【傾城歌三味線】 浮世草子。五冊。八文字屋自笑・江島其磧作。享保一七年刊。遊女小女郎と新兵衛は周囲の迫害をうけ、島原、吉原、新町と流転する。やがて新兵衛の勘当も許され、小女郎は身受けされるが、新兵衛の妻へ義理を立てて尼となる。当時はやりの浄瑠璃、歌舞伎の趣向をきかせた長編小説。

けいせい‐かい【傾城買】(‥かひ)🔗🔉

けいせい‐かい【傾城買】(‥かひ) 遊里で遊女を買って遊ぶこと。女郎買い。 ●傾城買いの糠味噌汁(ぬかみそじる) 傾城買いで多額の金銭を用いるものが、他方では、糠味噌汁のような粗末な食事をとっていること。むだな金を使う者が、必要な事の費用を惜しむたとえ。また、豪遊をした後に、必要な最低の経費も残っていないことのたとえにもいう。

●傾城買いの糠味噌汁(ぬかみそじる)🔗🔉

●傾城買いの糠味噌汁(ぬかみそじる) 傾城買いで多額の金銭を用いるものが、他方では、糠味噌汁のような粗末な食事をとっていること。むだな金を使う者が、必要な事の費用を惜しむたとえ。また、豪遊をした後に、必要な最低の経費も残っていないことのたとえにもいう。 けいせいかいしじゅうはって【傾城買四十八手】(‥かひシジフハッて) 洒落本。一冊。山東京伝作・画。寛政二年刊。客と遊女との恋の手管を、軽妙な会話のはこびの中に的確にとらえ、京伝独特の精細な筆致が十分に生かされている。

けいせいかいしじゅうはって【傾城買四十八手】(‥かひシジフハッて)🔗🔉

けいせいかいしじゅうはって【傾城買四十八手】(‥かひシジフハッて) 洒落本。一冊。山東京伝作・画。寛政二年刊。客と遊女との恋の手管を、軽妙な会話のはこびの中に的確にとらえ、京伝独特の精細な筆致が十分に生かされている。

けいせいかいふたすじみち【傾城買二筋道】(‥かひふたすぢみち)🔗🔉

けいせいかいふたすじみち【傾城買二筋道】(‥かひふたすぢみち) 洒落本。一冊。梅暮里谷峨(うめほりこくが)作。雪華画。寛政一〇年刊。好男子のうぬぼれ男と、誠実な醜男との遊女に対する二様の態度を写し、後者がついには遊女に愛されるにいたるいきさつを描く。「契情買虎之巻」の影響を受け、後の人情本発生の過程を示す作。

けいせいかがみやま【傾城加賀見山】🔗🔉

けいせいかがみやま【傾城加賀見山】 歌舞伎脚本「契情曾我廓亀鑑(けいせいそがくるわかがみ)」の通称。

けいせいきんたんき【傾城禁短気】🔗🔉

けいせいきんたんき【傾城禁短気】 浮世草子。六巻六冊。八文字屋自笑作とあるが、実際は江島其磧作。宝永八年刊。巻一、二では女色、男色の優劣を論じ、巻三では公娼対私娼の争いを描き、巻四、五、六では吉原、新町、島原に即して色道の聖(ひじり)がその奥儀を伝えるという筋。一巻四話、全二四話から成る。

けいせい‐ぐるい【傾城狂】(‥ぐるひ)🔗🔉

けいせい‐ぐるい【傾城狂】(‥ぐるひ) 1 美女の色香に迷うこと。 2 遊女買いにふけること。遊女狂い。

けいせいさんどがさ【傾城三度笠】🔗🔉

けいせいさんどがさ【傾城三度笠】 浄瑠璃。世話物。三段。紀海音作。正徳三年大坂曾根崎新地芝居初演。近松門左衛門作「冥途の飛脚」の改作。

けいせい‐だい【傾城代】🔗🔉

けいせい‐だい【傾城代】 遊女と遊ぶ費用。遊女の揚げ代。

けいせい‐づか【傾城柄】🔗🔉

けいせい‐づか【傾城柄】 (「傾城柄を握る」の形で用いて)傾城買いの権威となること。遊里に関する通人としてはばをきかすこと。

けいせいはんごんこう【傾城反魂香】(‥ハンゴンカウ)🔗🔉

けいせいはんごんこう【傾城反魂香】(‥ハンゴンカウ) 浄瑠璃。時代物。三段。近松門左衛門作。宝永五年大坂竹本座初演。狩野元信が土佐光信の女婿になり、絵所の預かりとなった史実を中心に、吃(ども)の又平の伝説、反魂香の説話、名画の威徳、名古屋山三の話などを加えて脚色したもの。吃又。

けいせいぼうこう‐うけじょう【傾城奉公請状】(‥ボウコウうけジャウ)🔗🔉

けいせいぼうこう‐うけじょう【傾城奉公請状】(‥ボウコウうけジャウ) 遊女として身を売るについての、身元引受けの証文。遊女奉公の身元保証書。

けいせい‐まち【傾城町】🔗🔉

けいせい‐まち【傾城町】 遊女屋の集まっている町。遊里。遊郭。いろざと。いろまち。

けいせい‐みょうが【傾城冥加】(‥ミャウガ)🔗🔉

けいせい‐みょうが【傾城冥加】(‥ミャウガ) (傾城である自分の言うことが違ったら、神仏の冥加も受けられなくなるから、神仏の名にかけても自分の言うことは真実であるの意)遊女の誓いのことば。神仏の名にかけて、どんなことがあっても。

けいせい‐もの【傾城物】🔗🔉

けいせい‐もの【傾城物】 1 名題に「傾城」の語を用い、内容にも傾城買いの場面が出てくる歌舞伎の脚本。 2 歌舞伎舞踊の一系統。傾城の心境、生活などを描き、郭の風情を見せるもの。

けいせい‐や【傾城屋】🔗🔉

けいせい‐や【傾城屋】 遊女をかかえておいて、客に遊興をさせる家。女郎屋。遊女屋。

けいせいやつのはながた【傾城八花魁】🔗🔉

けいせいやつのはながた【傾城八花魁】 浄瑠璃。時代物。五段。錦文流作。元禄一五年大坂竹本座初演。享保二〇年歌舞伎に書き替えられた。

けいせい‐ろっぽう【傾城六方】(‥ロクハウ)🔗🔉

けいせい‐ろっぽう【傾城六方】(‥ロクハウ) 歌舞伎の歩く所作の一つ。肩から両手は六方を振り、足どりは傾城の道中に用いる八文字を踏むもの。「宮島のだんまり」で、傾城漣(さざなみ)太夫(盗賊袈裟太郎)が引込みに演ずるものなど。

けい‐せん【傾城】🔗🔉

けい‐せん【傾城】 「けいせい(傾城)」の変化した語。

けいせん‐さ【傾船差】🔗🔉

けいせん‐さ【傾船差】 液体式の磁気コンパスで、船が傾いたときに生ずる指示方位の誤差。

けい‐たい【傾頽】🔗🔉

けい‐たい【傾頽】 建物、国家などが倒れかかってくずれること。おとろえほろびること。傾敗。

けい‐ちゅう【傾注】🔗🔉

けい‐ちゅう【傾注】 1 容器を傾けて中の液体などを注ぐこと。 2 一つのことにうちこむこと。熱中すること。

けい‐ちょう【傾聴】(‥チャウ)🔗🔉

けい‐ちょう【傾聴】(‥チャウ) 耳を傾けて一心にきくこと。熱心にきくこと。「傾聴に値する話」

けい‐ど【傾度】🔗🔉

けい‐ど【傾度】 傾斜の程度。

けい‐とう【傾倒】(‥タウ)🔗🔉

けい‐とう【傾倒】(‥タウ) 1 立っていたものが傾いて倒れること。また、傾けて倒すこと。 2 器をさかさまにして、中にはいっているものを出し尽くすこと。 3 興味をもちそれに夢中になること。また、心から尊敬し、慕うこと。

けい‐どう【傾動】🔗🔉

けい‐どう【傾動】 1 他の働きかけによって心がぐらつくこと。また、他に働きかけて動かすこと。 2 断層により地塊が上昇する時に、上昇が一様でなく、地塊の一方がより大きく上昇するために生ずる運動。急な断層崖とその後方にゆるやかに下る斜面とができる。

けいどう‐ちかい【傾動地塊】(‥チクヮイ)🔗🔉

けいどう‐ちかい【傾動地塊】(‥チクヮイ) 地塊の片側が断層面に沿って上昇し、傾斜の急な断層崖をつくり、反対側はゆるやかな斜面となっている断層地形。

けいど‐ふう【傾度風】🔗🔉

けいど‐ふう【傾度風】 気圧傾度による力、コリオリの力、遠心力の三つの力が釣り合ったとき、等圧線に沿って吹くと考えられる理論上の風。地上から数キロメートル上層の風は、ほぼこれに当たる。

けい‐は【傾破】🔗🔉

けい‐は【傾破】 倒れてこわれること。また、国などがほろびること。

けい‐はい【傾杯・傾盃】🔗🔉

けい‐はい【傾杯・傾盃】 酒を飲むこと。

けい‐はい【傾敗・傾廃】🔗🔉

けい‐はい【傾敗・傾廃】 建物などが傾いて荒れはてること。また、国などがすっかり衰えること。傾頽(けいたい)。

けいばいらく【傾杯楽・傾盃楽】🔗🔉

けいばいらく【傾杯楽・傾盃楽】 雅楽。唐楽、大食調(たいしきちょう)の曲。序破急のうち破、急だけが伝わる。けんぱいらく。

けい‐ふく【傾覆】🔗🔉

けい‐ふく【傾覆】 物が横に倒れること。また、ひっくりかえすこと。多く国や家などがほろび倒れること、また、倒すことをいう。

けい‐ぼ【傾慕】🔗🔉

けい‐ぼ【傾慕】 心を傾けてしたうこと。心からしたうこと。

けい‐みん【傾眠】🔗🔉

けい‐みん【傾眠】 意識がなくなっていく状態。常にうとうとしていて、呼びかけたり、ゆすぶったりするとぼんやりと目をさます。

けい‐めい【傾命】🔗🔉

けい‐めい【傾命】 老い衰えたいのち。年とって残り少ないいのち。

なだ・る【傾る・雪崩る・頽る】🔗🔉

なだ・る【傾る・雪崩る・頽る】 〔自ラ下二〕⇒なだれる(傾)

なだれ【傾・雪崩・頽】🔗🔉

なだれ【傾・雪崩・頽】 1 斜めに傾いていること。傾斜。特に、山や川岸などの傾斜している所。傾斜面。傾斜地。 2 傾斜地などに積もった雪が、傾斜面を一時に大量にくずれ落ちる現象。《季・春》「表層雪崩」 3 一般に、くずれ落ちること。また、そのもの。*浮・御前義経記‐一「前髪のなだれ両の耳にふりわけ」 4 歌舞伎の大道具で、土手・坂道などに急な傾斜をつけること。 5 歌舞伎下座音楽の一つ。雪おろし。 6 陶芸品で、釉(うわぐすり)が肩からなだれるようにさがっている状態をいう。 ●雪崩を打(う)つ なだれが起こるように、大量の人などが一時に動くこと。多く「なだれをうって…する」の形で用いる。「雪崩をうって敗走する」

なだれ‐こ・む【傾れ込む・雪崩れ込む】🔗🔉

なだれ‐こ・む【傾れ込む・雪崩れ込む】 〔自マ五(四)〕なだれのように、多くの人や物が一度にどっとはいりこむ。「群衆がどっとなだれこんできた」

なだ・れる【傾れる・雪崩れる・頽れる】🔗🔉

なだ・れる【傾れる・雪崩れる・頽れる】 〔自ラ下一〕なだ・る〔自ラ下二〕 1 斜めに傾く。傾斜する。*太平記‐二〇「西へなだれたる尾崎は平地につづきたれば」 2 斜めにくずれ落ちる。くずれて、しだいにすべり落ちる。崩壊する。特に、雪や土砂などが、くずれ落ちる。*為尹千首‐夏「今日いくか猶五月雨のふるはたをなだれて埋む山のしゐ柴」 3 勢いよく、おし寄せる。人波などが、一時に、どっとあふれるように揺れ動く。

ななめ【斜・傾】🔗🔉

ななめ【斜・傾】 (形動)(「なのめ」の変化) 1 ある基準に対して傾いているさま。垂直・水平でないさま。まっすぐでないさま。はす。「柱がななめに立つ」「道路をななめに横切る」「身代がななめになる」 2 日月が中天を過ぎたこと。「陽がななめになる」 3 時刻などが半ば過ぎて終わりに近いこと。さがり。*海道記「申の斜に湯井浜におちつきぬ」 4 普通であるさま。また、不十分であるさま。 5 (「ななめに」の形で、「ななめならず」と同意に用いる)=なのめ(斜)ならず*幸若・信太「子共もななめに悦ふで」 6 普通でないさま。また、わるいさま。「御機嫌がななめだ」 ●斜めならず =なのめ(斜)ならず

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