【忠】 8画　心部　［六年］ 区点=3573　16進=4369　シフトJIS=9289 《常用音訓》チュウ 《音読み》　チュウ〈zhng〉 《訓読み》　まごころ／じょう 《名付け》　あつ・あつし・きよし・じょう・すなお・ただ・ただし・ただす・つら・なり・なる・のり・ほどこす 《意味》 ｛名｝まごころ。偽りのない誠意。すみずみまで欠けめのないまごころ。「尽忠＝忠ヲ尽クス」「修其孝悌忠信＝ソノ孝悌忠信ヲ修ム」〔→孟子〕 チュウナリ｛形｝まじめである。また、誠意にあふれている。「忠告」「為人謀而不忠乎＝人ノ為ニ謀リテ忠ナラザルカ」〔→論語〕 チュウナリ｛形・名｝君主に対して誠実な。また、君主に対して誠意を尽くすこと。「忠誠」「報先帝而忠陛下＝先帝ニ報ジテ、陛下ニ忠ナリ」〔→諸葛亮〕 〔国〕じょう。四等官で、弾正台ダンジョウダイの第三位。 《解字》 会意兼形声。中とは、なか・中身などの意。忠は「心＋音符中」で、中身が充実して欠けめのない心のこと。 《単語家族》 充実の充（いっぱい）と同系。 《熟語》 →熟語 →下付・中付語 →故事成語

【忠心】 チュウシン 真心。忠義な心。

【忠切】 チュウセツ 真心がこもって肌身ハダミにこたえること。

【忠君】 チュウクン 君主に忠義を尽くすこと。「忠君愛国」

【忠言】 チュウゲン 真心をこめていさめること。また、そのことば。『忠告チュウコク』「忠告而善道之＝忠告シテ善ヲモツテコレヲ道ク」〔→論語〕

【忠言逆耳】 チュウゲンハミミニサカラウ〈故事〉真心をこめたいさめのことばは、とかく、相手に聞き入れられないものである。〔→家語〕

【忠孝】 チュウコウ 主君に対して真心（忠義）を尽くすことと、親に対して真心（孝行）を尽くすこと。

【忠志】 チュウシ 真心のこもった志。「忠志之士＝忠志ノ士」〔→諸葛亮〕

【忠臣】 チュウシン 忠義な臣下。「国家昏乱有忠臣＝国家昏乱シテ忠臣有リ」〔→老子〕

【忠良】 チュウリョウ 真心がこもって善良である。誠意があって、すなおなこと。そのような人。〔→書経〕

【忠実】 チュウジツ 物事を真心をこめてすること。違い、いつわりのないこと。

【忠直】 チュウチョク 忠実で実直である。真心があってまじめなこと。また、そのような人。

【忠厚】 チュウコウ 真心があって、ていねいで親切なこと。「文武未遠猶忠厚＝文武イマダ遠カラズナホ忠厚ナリ」〔→蘇軾〕

【忠信】 チュウシン 忠と信。真心があってうそ偽りのないこと。▽「忠」は、心の誠意。「信」は、ことばの誠意。『忠亮チュウリョウ』「言忠信、行篤敬」〔→論語〕「残賊生而忠信亡焉＝残賊生ジ、忠信亡ブ」〔→荀子〕

【忠貞】 チュウテイ 真心があって、節操が堅い。忠実貞正。「臣敢竭股肱之力、効忠貞之節、継之以死＝臣アヘテ股肱ノ力ヲ竭シ、忠貞ノ節ヲ効シ、コレニ継グニ死ヲモッテセン」〔→蜀志〕

【忠勇】 チュウユウ 忠義と勇気。

【忠益】 チュウエキ 真心を尽くして人のためになることをすること。

【忠純】 チュウジュン 真心があって、心が純粋ですなおなこと。「志慮忠純＝志慮忠純ナリ」〔→諸葛亮〕

【忠恕】 チュウジョ 真心と思いやり。真心を尽くして、人のためを思いやること。「夫子之道、忠恕而已矣＝夫子ノ道ハ、忠恕ノミ」〔→論語〕

【忠烈】 チュウレツ 忠義を尽くそうとする思いが激しく強いこと。

【忠勤】 チュウキン 真心を尽くしてつとめること。

【忠敬】 チュウケイ 真心があって、慎み深い。

【忠善】 チュウゼン 誠実で善良なこと。真心をこめて善を行うこと。

【忠愛】 チュウアイ 真心を尽くして愛する。真心をこめた愛。

【忠義】 チュウギ 真心を尽くして君主や国家に仕えること。〔→後漢書〕

【忠誠】 チュウセイ 自分の関係する団体・君主・国家などに対し、真心を尽くそうとする気持ち。

【忠節】 チュウセツ 真心を尽くそうとする心。忠義の心の堅いこと。

【忠魂】 チュウコン 忠義の心。忠義のために死んだ人の魂。

【忠僕】 チュウボク 忠実な召使。

【忠憤】 チュウフン 悪や矛盾に対する、忠義な心からおこる憤り。

【忠諫】 チュウカン 真心を尽くしていさめる。真心のこもったいさめ。