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広辞苑の検索結果 (96)

うかさ・れる【浮かされる】🔗🔉

うかさ・れる浮かされる】 〔自下一〕[文]うかさ・る(下二) ①刺激を受けて心が正常でなくなる。何かに心を奪われる。好色一代女5「人に―・れて親の日をかまはず」。「海外旅行ブームに―・れる」 ②茶類を飲んで興奮し、眠れなくなる。鯛の味噌津「茶に―・れると夜寝られませぬから」 ③高熱により意識が不確かになる。「熱に―・れる」

うかし【浮かし】🔗🔉

うかし浮かし】 ①浮かすこと。また、浮かすもの。汁の実など。浄瑠璃、心中宵庚申「かき立て汁に小菜の―」 ②(→)「うき(浮子)」に同じ。 ⇒うかし‐びょうし【浮かし拍子】

うかし‐びょうし【浮かし拍子】‥ビヤウ‥🔗🔉

うかし‐びょうし浮かし拍子‥ビヤウ‥ 人の心を浮き立たせる拍子。浮き拍子。うかれ拍子。 ⇒うかし【浮かし】

うか・す【浮かす】🔗🔉

うか・す浮かす】 〔他五〕 ①浮くようにする。浮かべる。赤染衛門集「筏の形を作りて―・したりしを見て」。「池に小舟を―・す」 ②浮き立たせる。ひき立てて陽気にする。狂言、宗論「これから踊り念仏を初めて、きやつを―・いてやらう」 ③本来の状態から浮き上がったようにする。今昔物語集19「神拝も―・し、朔幣なども止められて」。「腰を―・して逃げ腰になる」 ④やりくりして余分が出るようにする。「時間を―・す」

うかぬ‐かお【浮かぬ顔】‥カホ🔗🔉

うかぬ‐かお浮かぬ顔‥カホ 心配事などがあって、晴れ晴れしない顔。

うかば・れる【浮かばれる】🔗🔉

うかば・れる浮かばれる】 〔自下一〕 ①死者の霊が成仏できる。「これで父も―・れるでしょう」 ②(多く打消の語を伴う)苦労などが報われる。「必死に勉強したのに不合格では―・れない」

うかび‐あが・る【浮かび上がる】🔗🔉

うかび‐あが・る浮かび上がる】 〔自五〕 ①底の方から浮きあがる。 ②見えなかったものがおもてにあらわれる。判明する。「犯人が―・った」「対立点が―・る」 ③地位や境遇が、悪い状態から脱してよくなる。「最下位から―・る」

うかび・でる【浮かび出る】🔗🔉

うかび・でる浮かび出る】 〔自下一〕 明らかでなかった物事が現れる。浮かび上がる。

うか・ぶ【浮かぶ・泛ぶ】🔗🔉

うか・ぶ浮かぶ・泛ぶ】 [一]〔自五〕 ➊浮力などによって、基底から離れて位置し、漂っている。 ①水面・水中・空中などにおいて沈まず均衡を保っている。古今和歌集「わたつみの沖つしほあひに―・ぶあわの消えぬものから」。「空に雲が―・ぶ」 ②浮動して定まらない。気持などがうわついている。源氏物語帚木「女の宿世はいと―・びたるなむあはれに侍る」。源氏物語夕顔「―・びたる心のすさびに人をいたづらになしつるかごと負ひぬべきが」 ③根拠がない。確かでない。源氏物語東屋「ようも案内せで、―・びたる事を伝へける」 ④心がうきうきする。気が晴れ晴れする。「心配気な、―・ばない顔色」 ➋奥底にあるものごとが表面に姿を現す。 ①水中から水面の方へ出てくる。今昔物語集19「母は一町ばかり下りて―・び沈みして流れ下りけるに」 ②表面に出てくる。外面に現れる。蜻蛉日記「あやしうも心細う、涙―・ぶ日なり」。「おのずとほほえみが―・んだ」 ③意識の表面に出てくる。思い起こされる。更級日記「これを見るよりほかの事なければ、おのづからなどは、そらにおぼえ―・ぶを」。「故郷の山河が目に―・ぶ」「アイディアが―・ぶ」 ④はっきりしなかった物事がくっきりと鮮明になる。「容疑者が―・ぶ」 ⑤苦境を脱する。世に出る。立身出世する。源氏物語澪標「御子どもなど、沈むやうにものし給へるを、皆―・び給ふ」 ⑥亡者の霊が成仏する。山家集「―・ばん末をなほ思はなん」→うかばれる。 [二]〔他下二〕 ⇒うかべる(下一) ⇒浮かぶ瀬 ○浮かぶ瀬うかぶせ 成仏する機縁。また、苦しい境遇や気持から脱け出す機会。「身を捨ててこそ―もあれ」 ⇒うか・ぶ【浮かぶ・泛ぶ】

○浮かぶ瀬うかぶせ🔗🔉

○浮かぶ瀬うかぶせ 成仏する機縁。また、苦しい境遇や気持から脱け出す機会。「身を捨ててこそ―もあれ」 ⇒うか・ぶ【浮かぶ・泛ぶ】 うか・べる浮かべる・泛べる】 〔他下一〕[文]うか・ぶ(下二) ①沈まないように浮かせる。万葉集5「春やなぎかづらに折りし梅の花誰か―・べしさかづきの上に」。日葡辞書「フネヲウカブル」 ②表面に出す。表情にあらわす。今昔物語集16「目に涙を―・ぶるを見て」。「満面に喜色を―・べる」 ③意識にのぼせる。思い出す。「状況を頭に―・べる」 ④そらよみする。暗記する。枕草子23「古今の歌二十巻をみな―・べさせ給ふを」 ⑤熟知する。熟達する。玉塵抄19「竇は天文暦道をかんがへ―・べた者なり」 ⑥苦しい境遇から助け出す。また、立身出世させる。源氏物語明石「沈めるともがらをこそ多く―・べ給ひしか」 ⑦迷いからぬけ出させ、亡者の霊を成仏させる。往生させる。山家集「身の憂さを君ならでまた誰か―・べん」 うか‐み斥候】 (「窺い見る」の意か)敵の様子をさぐること。また、その人。ものみ。間諜。令制では陸奥・出羽・越後に置く。天武紀「処々に―を置けり」 うか・む浮む】 [一]〔自四〕 「うかぶ」に同じ。 [二]〔他下二〕 「うかべる」に同じ。 うかむせ浮む瀬】 江戸時代に、大坂天王寺の西、新清水の北坂にあった料理屋。あわび貝でつくった「浮む瀬」という大盃をはじめ、種々の盃を秘蔵していたという。東海道中膝栗毛8「秋は―の月。冬は解船町の雪げしき」 うかめ‐だて浮め立て】 知ったかぶり。浮世風呂3「諸国のことば、―の謬誤あやまりだらけ」 うがやふきあえず‐の‐みこと鸕鷀草葺不合尊‥アヘズ‥ 記紀神話で、彦火火出見尊ひこほほでみのみことの子。母は豊玉姫。五瀬命・神日本磐余彦尊かむやまといわれびこのみこと(神武天皇)の父。 うから親族】 (奈良時代はウガラ。カラは血縁集団の意)血のつづいた人。親族。万葉集3「問ひ放くる―兄弟はらから無き国に」 ⇒うから‐やから【親族】 うからか・す浮からかす】 〔他四〕 うかれさせる。陽気にする。閑吟集「―・いたよ、よしなの人の心や」 うから‐やから親族】 一家親族。一門。神代紀「天稚彦が親ちちはは―妻子めこ皆謂おもはく」 ⇒うから【親族】 うかり浮かり】 心づかずぼんやりしているさま。うっかり。浮世床「―とすると落し穴へはまるよ」 ⇒うかり‐ひょん【浮かりひょん】 ⇒うかり‐ぼう【浮かり坊】 ウガリット‐ごウガリット語】 (Ugaritic)セム語派北西セム語群に属する言語の一つ。死語。紀元前14世紀ごろ栄えたシリアの地中海岸の町ウガリットから出土した多くの粘土板に楔形くさびがた文字で書かれた言語。 うかり‐ひょん浮かりひょん】 ぼんやりしているさま。うっかりしているさま。続山の井「夕顔に見とるるや身も―」(宗房) ⇒うかり【浮かり】 うかり‐ぼう浮かり坊‥バウ ぼんやりとしている人をあざけっていう語。 ⇒うかり【浮かり】 うか・る受かる】 〔自五〕 試験などに合格する。「志望校に―・る」 うか・る浮かる】 〔自下二〕 ⇒うかれる(下一) うかれ浮かれ】 ①うかれること。 ②うかれめ。 ⇒うかれ‐うど【浮かれ人】 ⇒うかれ‐お【浮かれ男】 ⇒うかれ‐がらす【浮かれ烏】 ⇒うかれ‐ごころ【浮かれ心】 ⇒うかれ‐ぞめき【浮かれ騒き】 ⇒うかれ‐ちょうし【浮かれ調子】 ⇒うかれ‐づま【浮かれ妻】 ⇒うかれ‐どり【浮かれ鳥】 ⇒うかれ‐びと【浮かれ人】 ⇒うかれ‐びょうし【浮かれ拍子】 ⇒うかれ‐ぶし【浮かれ節】 ⇒うかれ‐ぼうず【浮かれ坊主】 ⇒うかれ‐め【浮かれ女】 ⇒うかれ‐もの【浮かれ者】 ⇒うかれ‐ゆかた【浮かれ浴衣】 うかれ‐ある・く浮かれ歩く】 〔自五〕 楽しい気分で目あてなく歩く。心が落ちつかないままあてもなく歩く。 うかれ‐い・ず浮かれ出づ‥イヅ 〔自下二〕 うかれでる。 うかれ‐うど浮かれ人】 ウカレビトの音便。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐お浮かれ男‥ヲ 浮かれて遊びあるく男。うかれおとこ。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐がらす浮かれ烏】 月夜に浮かれてねぐらに落ちつかない烏。人にたとえてもいう。歌舞伎、三人吉三廓初買「―のただ一羽ねぐらへ帰る川端で」 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐ごころ浮かれ心】 落ちつかない気持。謡曲、蝉丸「鳴くや関路の夕烏、―はうば玉の」 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐ぞめき浮かれ騒き】 遊郭の店先をひやかして歩きまわること。また、その人。浮かれ素見。浄瑠璃、心中天の網島「門行灯の文字が関、―のあだ浄瑠璃」 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐た・つ浮かれ立つ】 〔自五〕 ①ぶらりと出発する。奥の細道「路の枝折しおりと―・つ」 ②気が浮き立つ。 うかれ‐ちょうし浮かれ調子‥テウ‥ 心の浮き立って落ちつかなくなるような調子。うかれびょうし。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐づま浮かれ妻】 遊女。うかれめ。続千載和歌集「一夜逢ふ行き来の人の―」 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ・でる浮かれ出る】 〔自下一〕 心が落ちつかないままに目的もなく家を出る。 うかれ‐どり浮かれ鳥】 夜明けでもないのに鳴く鶏。万代和歌集「なそもかく人の心の―」 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐びと浮かれ人】 ①戸籍をはなれ、他所に住む人。浮浪人。〈日本霊異記訓釈〉 ②花や月などに浮かれ歩く人。風流人。 ③道楽者。遊蕩児。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐びょうし浮かれ拍子‥ビヤウ‥ 三味線や踊りなどで、人の心を浮き立たせるような間のとり方。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐ぶし浮かれ節】 ①三味線にあわせて唄う俗歌。 ②「浪花節なにわぶし参照。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐ぼうず浮かれ坊主‥バウ‥ ①浮かれ歩く坊主。俗気のある僧。 ②(→)願人坊主2の別名。 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐め浮かれ女】 管弦・歌舞をなし、また色を売る女。遊女。宇津保物語藤原君「君達の御前に―廿人ばかり、琴ひき、歌うたひて」 ⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐もの浮かれ者】 うかれて遊びあるく者。遊冶郎ゆうやろう⇒うかれ【浮かれ】 うかれ‐ゆかた浮かれ浴衣】 浮かれた人の着るゆかた。はでなゆかた。浄瑠璃、津国女夫池「―の菊の露」 ⇒うかれ【浮かれ】 うか・れる浮かれる】 〔自下一〕[文]うか・る(下二) ①自然に浮く。浮きただよう。神代紀「洲壌くにつちの―・れ漂ただよへること」 ②心がうきうきして落ちつかなくなる。山家集「さらぬだに―・れてものを思ふ身の」。「入賞に―・れる」 ③所定めずさすらう。山家集「ここもまたわれ住みうくて―・れなば」 ④面白さに心を奪われる。興に入る。梅暦「話に―・れて、薬をあげもふさなんだ」 う‐かわ鵜川‥カハ 鵜を川に放して鮎あゆをとらせること。鵜飼。また、その川。〈[季]夏〉。万葉集17「清き瀬ごとに―立ち(鵜飼を催し)⇒鵜川の小鮎

うか・べる【浮かべる・泛べる】🔗🔉

うか・べる浮かべる・泛べる】 〔他下一〕[文]うか・ぶ(下二) ①沈まないように浮かせる。万葉集5「春やなぎかづらに折りし梅の花誰か―・べしさかづきの上に」。日葡辞書「フネヲウカブル」 ②表面に出す。表情にあらわす。今昔物語集16「目に涙を―・ぶるを見て」。「満面に喜色を―・べる」 ③意識にのぼせる。思い出す。「状況を頭に―・べる」 ④そらよみする。暗記する。枕草子23「古今の歌二十巻をみな―・べさせ給ふを」 ⑤熟知する。熟達する。玉塵抄19「竇は天文暦道をかんがへ―・べた者なり」 ⑥苦しい境遇から助け出す。また、立身出世させる。源氏物語明石「沈めるともがらをこそ多く―・べ給ひしか」 ⑦迷いからぬけ出させ、亡者の霊を成仏させる。往生させる。山家集「身の憂さを君ならでまた誰か―・べん」

うか・む【浮む】🔗🔉

うか・む浮む】 [一]〔自四〕 「うかぶ」に同じ。 [二]〔他下二〕 「うかべる」に同じ。

うかむせ【浮む瀬】🔗🔉

うかむせ浮む瀬】 江戸時代に、大坂天王寺の西、新清水の北坂にあった料理屋。あわび貝でつくった「浮む瀬」という大盃をはじめ、種々の盃を秘蔵していたという。東海道中膝栗毛8「秋は―の月。冬は解船町の雪げしき」

うかめ‐だて【浮め立て】🔗🔉

うかめ‐だて浮め立て】 知ったかぶり。浮世風呂3「諸国のことば、―の謬誤あやまりだらけ」

うからか・す【浮からかす】🔗🔉

うからか・す浮からかす】 〔他四〕 うかれさせる。陽気にする。閑吟集「―・いたよ、よしなの人の心や」

うかり【浮かり】🔗🔉

うかり浮かり】 心づかずぼんやりしているさま。うっかり。浮世床「―とすると落し穴へはまるよ」 ⇒うかり‐ひょん【浮かりひょん】 ⇒うかり‐ぼう【浮かり坊】

うかり‐ひょん【浮かりひょん】🔗🔉

うかり‐ひょん浮かりひょん】 ぼんやりしているさま。うっかりしているさま。続山の井「夕顔に見とるるや身も―」(宗房) ⇒うかり【浮かり】

うかり‐ぼう【浮かり坊】‥バウ🔗🔉

うかり‐ぼう浮かり坊‥バウ ぼんやりとしている人をあざけっていう語。 ⇒うかり【浮かり】

うか・る【浮かる】🔗🔉

うか・る浮かる】 〔自下二〕 ⇒うかれる(下一)

うかれ‐ある・く【浮かれ歩く】🔗🔉

うかれ‐ある・く浮かれ歩く】 〔自五〕 楽しい気分で目あてなく歩く。心が落ちつかないままあてもなく歩く。

うかれ‐い・ず【浮かれ出づ】‥イヅ🔗🔉

うかれ‐い・ず浮かれ出づ‥イヅ 〔自下二〕 うかれでる。

うかれ‐うど【浮かれ人】🔗🔉

うかれ‐うど浮かれ人】 ウカレビトの音便。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐お【浮かれ男】‥ヲ🔗🔉

うかれ‐お浮かれ男‥ヲ 浮かれて遊びあるく男。うかれおとこ。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐がらす【浮かれ烏】🔗🔉

うかれ‐がらす浮かれ烏】 月夜に浮かれてねぐらに落ちつかない烏。人にたとえてもいう。歌舞伎、三人吉三廓初買「―のただ一羽ねぐらへ帰る川端で」 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐ごころ【浮かれ心】🔗🔉

うかれ‐ごころ浮かれ心】 落ちつかない気持。謡曲、蝉丸「鳴くや関路の夕烏、―はうば玉の」 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐ぞめき【浮かれ騒き】🔗🔉

うかれ‐ぞめき浮かれ騒き】 遊郭の店先をひやかして歩きまわること。また、その人。浮かれ素見。浄瑠璃、心中天の網島「門行灯の文字が関、―のあだ浄瑠璃」 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐た・つ【浮かれ立つ】🔗🔉

うかれ‐た・つ浮かれ立つ】 〔自五〕 ①ぶらりと出発する。奥の細道「路の枝折しおりと―・つ」 ②気が浮き立つ。

うかれ‐ちょうし【浮かれ調子】‥テウ‥🔗🔉

うかれ‐ちょうし浮かれ調子‥テウ‥ 心の浮き立って落ちつかなくなるような調子。うかれびょうし。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐づま【浮かれ妻】🔗🔉

うかれ‐づま浮かれ妻】 遊女。うかれめ。続千載和歌集「一夜逢ふ行き来の人の―」 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ・でる【浮かれ出る】🔗🔉

うかれ・でる浮かれ出る】 〔自下一〕 心が落ちつかないままに目的もなく家を出る。

うかれ‐どり【浮かれ鳥】🔗🔉

うかれ‐どり浮かれ鳥】 夜明けでもないのに鳴く鶏。万代和歌集「なそもかく人の心の―」 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐びと【浮かれ人】🔗🔉

うかれ‐びと浮かれ人】 ①戸籍をはなれ、他所に住む人。浮浪人。〈日本霊異記訓釈〉 ②花や月などに浮かれ歩く人。風流人。 ③道楽者。遊蕩児。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐びょうし【浮かれ拍子】‥ビヤウ‥🔗🔉

うかれ‐びょうし浮かれ拍子‥ビヤウ‥ 三味線や踊りなどで、人の心を浮き立たせるような間のとり方。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐ぶし【浮かれ節】🔗🔉

うかれ‐ぶし浮かれ節】 ①三味線にあわせて唄う俗歌。 ②「浪花節なにわぶし参照。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐ぼうず【浮かれ坊主】‥バウ‥🔗🔉

うかれ‐ぼうず浮かれ坊主‥バウ‥ ①浮かれ歩く坊主。俗気のある僧。 ②(→)願人坊主2の別名。 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐め【浮かれ女】🔗🔉

うかれ‐め浮かれ女】 管弦・歌舞をなし、また色を売る女。遊女。宇津保物語藤原君「君達の御前に―廿人ばかり、琴ひき、歌うたひて」 ⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐もの【浮かれ者】🔗🔉

うかれ‐もの浮かれ者】 うかれて遊びあるく者。遊冶郎ゆうやろう⇒うかれ【浮かれ】

うかれ‐ゆかた【浮かれ浴衣】🔗🔉

うかれ‐ゆかた浮かれ浴衣】 浮かれた人の着るゆかた。はでなゆかた。浄瑠璃、津国女夫池「―の菊の露」 ⇒うかれ【浮かれ】

うか・れる【浮かれる】🔗🔉

うか・れる浮かれる】 〔自下一〕[文]うか・る(下二) ①自然に浮く。浮きただよう。神代紀「洲壌くにつちの―・れ漂ただよへること」 ②心がうきうきして落ちつかなくなる。山家集「さらぬだに―・れてものを思ふ身の」。「入賞に―・れる」 ③所定めずさすらう。山家集「ここもまたわれ住みうくて―・れなば」 ④面白さに心を奪われる。興に入る。梅暦「話に―・れて、薬をあげもふさなんだ」

うき【浮き・浮子・泛子】🔗🔉

うき浮き・浮子・泛子】 ①水に浮かせて目標物とし、または他に浮力を与えるものの総称。 ㋐釣糸につけて水に浮かす、小さい木片・プラスチックなど浮力のあるもの。また、漁網などにつけて、その所在を明らかにするための木片など。 ㋑流れの速度・方向や水深などを測定するために水面に浮かべる具。浮標。 ㋒水泳用・救命用の浮袋。 ②鼈甲べっこうの合せ目のすきま。錦之裏「わたしが此ぢうの笄こうがいね、―がでんした」

うき‐あが・る【浮き上がる】🔗🔉

うき‐あが・る浮き上がる】 〔自五〕 ①水面(液体の表面)または空中の高い所へ出る。「体が宙に―・る」 ②苦しい状態から抜け出す。「下積み生活から―・る」 ③密着しているべきところにすきまができる。遊離する。「土台から―・る」「政治が大衆から―・る」

うき‐いね【浮稲】🔗🔉

うき‐いね浮稲】 水稲の一つ。水田の増水に伴って茎が数メートルから十数メートルに達し、水面上に浮いているように見える。主に東南アジアで栽培。

うき‐いわ【浮石・浮岩】‥イハ🔗🔉

うき‐いわ浮石・浮岩‥イハ ①うきいし。かるいし。 ②水面に姿をあらわして浮いたように見える岩。

うき‐うお【浮き魚】‥ウヲ🔗🔉

うき‐うお浮き魚‥ウヲ 常に海水の上層にすむ魚。イワシ・カツオなど。表層魚。↔底魚そこうお

うき‐うき【浮き浮き】🔗🔉

うき‐うき浮き浮き】 ①落ちつかないさま。狭衣物語1「かく―と、頼みがたき有様を、思ひわびたるなめり」 ②陽気で心がはずむさま。日葡辞書「ウキウキトモノヲイワヌヒトヂャ」。「桜の頃は―する」 ③(女房詞)白玉を冷やして(小豆に入れ)砂糖をかけた食べもの。

うき‐え【浮絵・浮画】‥ヱ🔗🔉

うき‐え浮絵・浮画‥ヱ 西洋の透視画法を応用し、誇張された奥行感の中に像を浮き立たせる絵。浮世絵版画や覗機関のぞきからくりの絵などに用いた。歌舞伎、助六所縁江戸桜「安房・上総が―のやうに見へるは」

うきがね‐いし【浮金石】🔗🔉

うきがね‐いし浮金石】 福島県田村市黒石山産の斑糲はんれい岩。黒色で美しい艶が得られる。墓石・彫刻・建築用。

うき‐かわたけ【浮河竹・憂き河竹】‥カハ‥🔗🔉

うき‐かわたけ浮河竹・憂き河竹‥カハ‥ (「浮き」と「憂き」とかける)河辺の竹が水に浮き沈みするように、遊女の身の上のつらいこと。

うき‐ぎょしょう【浮魚礁】‥セウ🔗🔉

うき‐ぎょしょう浮魚礁‥セウ 人工魚礁の一種。表層または中層の魚を集めるため海面または海中に浮遊物を係留する。

うき‐ぐ【浮具】🔗🔉

うき‐ぐ浮具】 泳ぐとき、人体の浮力をたすける器具。浮袋・浮板など。

うき‐ぐつ【浮沓】🔗🔉

うき‐ぐつ浮沓】 ①馬の足にはめる水上歩行用の器具。 ②近世、浮具うきぐの一種。大小3本の木製の筒をおのおの布袋に入れて締めつなぎ、大筒を背に、小筒を左右の乳にあてて結べば、泳ぎのできない者も、立身たちみで自由に泳げる。

うき‐ぐも【浮雲】🔗🔉

うき‐ぐも浮雲】 (古くはウキクモ) ①空にうかび、風に従って動く雲。 ②物事の落ちつき定まらないもののたとえ。「―の生活」

うきぐも【浮雲】(作品名)🔗🔉

うきぐも浮雲】 二葉亭四迷の小説。1887〜89年(明治20〜22)発表。言文一致体を用いた近代写実小説の先駆。失業した青年官吏に対する周囲の変化や彼の心理描写によって日本近代小説の出発点となった。 →文献資料[浮雲]

うき‐ぐり【浮繰り】🔗🔉

うき‐ぐり浮繰り】 煮繭後、繰糸鍋に繭を浮かせたまま繰糸する方法。↔沈み繰り

うき‐ごり【浮吾里・浮鮴】🔗🔉

うき‐ごり浮吾里・浮鮴】 ハゼ科の淡水産の硬骨魚。四国を除く各地の河川に分布。全長約14センチメートル。

うき‐しずみ【浮き沈み】‥シヅミ🔗🔉

うき‐しずみ浮き沈み‥シヅミ 浮くことと沈むこと。繁栄と衰微。ふちん。「―の激しい業界」

うき‐だい【浮き鯛】‥ダヒ🔗🔉

うき‐だい浮き鯛‥ダヒ 水面に浮き上がった鯛。潮流などの影響で急に海面に押し上げられ、浮袋の調節がうまく出来なくなったもの。

うき‐だ・す【浮き出す】🔗🔉

うき‐だ・す浮き出す】 〔自五〕 ①表面に浮いて出てくる。「油が水面に―・す」 ②模様・姿などが地・背景からきわ立って見える。「エプロンの刺繍が―・す」

うき‐た・つ【浮き立つ】🔗🔉

うき‐た・つ浮き立つ】 〔自五〕 ①わきあがる。たちのぼる。続後拾遺和歌集「秋霧の―・つ空に」 ②おちつかないでさわぎ立つ。方丈記「世の中―・ちて」。「敵の反撃に―・つ」 ③心がたいそう陽気になる。うきうきする。徒然草「心も―・つものは春の気色にこそあめれ」。「心の―・つリズム」

うき‐つち【浮き土・埿土】🔗🔉

うき‐つち浮き土・埿土】 ぬかるみの土。どろ。うきひじ。山家集「畔の―洗ひ漉されて」

うき・でる【浮き出る】🔗🔉

うき・でる浮き出る】 〔自下一〕 「うきだす」に同じ。「血管が―・でる」

うき‐ドック【浮ドック】🔗🔉

うき‐ドック浮ドック】 ドックの一種で、横断面が凹形またはL形の鋼鉄製の箱。注水して沈めた状態で船を引き入れたのち、排水して船ごと浮上させ、船舶の修理などを行う。浮船渠うきせんきょ

うき‐どま・る【浮き泊る】🔗🔉

うき‐どま・る浮き泊る】 〔自四〕 船が港に入っても、上陸せず船に乗ったままでいる。三体詩鈔「京口に―・りて」

うき‐なえ【浮き苗】‥ナヘ🔗🔉

うき‐なえ浮き苗‥ナヘ 稲の苗が活着せずに浮き上がってしまうこと。また、その苗。稚苗の移植時や淡水直播栽培で発生しやすい。

うき‐に【浮荷】🔗🔉

うき‐に浮荷】 打荷うちにのために海中に投げ棄てられ、または風波のために船中からさらわれて海中に漂っている貨物。

うき‐はえなわ【浮延縄】‥ハヘナハ🔗🔉

うき‐はえなわ浮延縄‥ハヘナハ 延縄の一種。上層または中層を遊泳するサケ・マス・マグロ・カジキ・サメなどを捕らえるのに用いる。

うき‐はし【浮橋】🔗🔉

うき‐はし浮橋】 水上に筏いかだまたは多くの舟を浮かべてその上に板を渡した橋。船橋。浮桟橋。万葉集17「上つ瀬にうち橋渡し淀瀬には―渡し」

うき‐びしゃ【浮き飛車】🔗🔉

うき‐びしゃ浮き飛車】 将棋の一戦法。飛車を自陣の4段目または5段目に据えるもの。先手・後手ともに4段目の場合は両浮き飛車・相浮き飛車という。

うき‐み【浮き実】🔗🔉

うき‐み浮き実】 西洋料理で、スープに少量浮かして食べるもの。クルトン・パスタ・パセリなど。

うき‐みどう【浮御堂】‥ダウ🔗🔉

うき‐みどう浮御堂‥ダウ 滋賀県大津市堅田の、琵琶湖の水面に浮かんだように造った臨済宗の仏堂。満月寺ともいい、阿弥陀の千体仏を安置する。長徳(995〜999)年間源信の開創といわれ、近江八景の一つ「堅田の落雁」で知られる。千体仏堂。 浮御堂 撮影:山梨勝弘

うき‐め【浮海布】🔗🔉

うき‐め浮海布】 水面に浮いている海草。「憂き目」にかけて用いられる。古今和歌集「―のみ負ひて流るる浦なれば」

うき‐もの【浮き者】🔗🔉

うき‐もの浮き者】 さすらいびと。

うき‐わ【浮輪・浮環】🔗🔉

うき‐わ浮輪・浮環】 輪形に作った浮袋。

う・く【浮く】🔗🔉

う・く浮く】 [一]〔自五〕 ①水中から水面に出てくる。万葉集16「新羅斧おとし入れ…―・き出づるやと見むわし」。「―・きつ沈みつする」 ②物が地面を離れて空中にある。「空に―・く雲」 ③中から表面へ出てくる。栄華物語楚王夢「涙―・かせ給ふに、殿原もえ堪へ給はず」。「肌に脂が―・く」 ④沈まずに、漂っている。古事記「瑞玉盃みずたまうきに―・きし脂」 ⑤着く所がなく漂う。頼り所がなくさすらう。源氏物語若紫「むつましかるべき人にも立ちおくれ侍りにければ、あやしう―・きたるやうにて」 ⑥心が落ち着かず、ふらふらする。不安で動揺する。源氏物語「起き臥し思し煩ふけにや、御心地も―・きたるやうに思されて」。大鏡師尹「聞かせ給ふ御心地はいとど―・きたるやうに思し召されて」 ⑦根拠がない。確かでない。あてにならない。後撰和歌集「天雲の―・きたることと聞きしかど」。徒然草「口にまかせて言ひ散らすは、やがて―・きたることと聞ゆ」 ⑧軽々しい。軽薄である。うわついている。源氏物語夕霧「この―・きたる御名をぞ聞し召したるべき」。日葡辞書「ココロノウイタヒト」。「―・いた噂一つない」 ⑨心がうきうきしてはずむ。気が引き立つ。浄瑠璃、津国女夫池「自ら―・かぬ顔色を機嫌直しと」。「春は心が―・く」 ⑩(釘・歯などが)固定しないでぐらぐらする。日葡辞書「ハガウク」 ⑪下地などから、くっきりうきあがったように見える。比喩的に、基盤から遊離する。うきあがる。源氏物語玉鬘「紅梅のいといたく文―・きたるに、葡萄えび染の御小袿こうちぎ」。「大衆から―・いた指導者」 ⑫余分ができる。余る。「タバコをやめると月5千円―・く」 ⑬(取引用語)相場が上すべりし、あるいは浮動する。引き緩み下値に向かう。 ⑭織物で、経糸・緯糸が1本ずつ織り合わずに、何本かとばして織られる。そのような織り方をするのを「地紋を浮かす」という。 [二]〔他下二〕 ①水面・水中にうかばせる。また、空中にうかばせる。うかす。万葉集17「布勢の海に船―・けすゑて」。竹取物語「尾―・けてめぐるに」 ②涙などを表面に出す。うかべる。源氏物語須磨「涙を一目―・けて」

うけ【浮け・浮子・泛子】🔗🔉

うけ浮け・浮子・泛子】 釣魚用・漁網用のうき。万葉集11「つもり網引あびきの―の緒の」

うけ‐あゆみ【浮け歩み】🔗🔉

うけ‐あゆみ浮け歩み】 (傾城けいせい道中で)足を浮かせてゆっくり歩くこと。うきあゆみ。好色一代女1「素足道中くり出しの―」

うけ‐ばり【浮け貼り】🔗🔉

うけ‐ばり浮け貼り】 屏風びょうぶなどをはる時、骨の上だけに糊をつけて、その他を浮かせてはること。

うわ‐き【浮気・上気】ウハ‥🔗🔉

うわ‐き浮気・上気ウハ‥ ①心がうわついていること。心が落ち着かず変わりやすいこと。五輪書「敵―にして事を急ぐ心の見ゆる時は」。「―な性分で流行にすぐ飛びつく」 ②陽気で派手な気質。好色一代男6「女郎は―らしく見えて心のかしこきが上物」 ③男女間の愛情が、うわついて変わりやすいこと。多情なこと。他の異性に心を移すこと。「―な男」 ⇒うわき‐がらす【浮気烏】 ⇒うわき‐ざけ【浮気酒】 ⇒うわき‐の‐かばやき【浮気の蒲焼】 ⇒うわき‐もの【浮気者】

うわき‐がらす【浮気烏】ウハ‥🔗🔉

うわき‐がらす浮気烏ウハ‥ (→)「うかれがらす」に同じ。浄瑠璃、長町女腹切「―とそやされて、月夜も闇もこの里へ」 ⇒うわ‐き【浮気・上気】

うわき‐ざけ【浮気酒】ウハ‥🔗🔉

うわき‐ざけ浮気酒ウハ‥ うかれて飲む酒。浄瑠璃、淀鯉出世滝徳「仁三郎が―、いき倒れては性根つかず」 ⇒うわ‐き【浮気・上気】

うわき‐の‐かばやき【浮気の蒲焼】ウハ‥🔗🔉

うわき‐の‐かばやき浮気の蒲焼ウハ‥ 浮気を鰻うなぎにかけて、蒲焼と続けた地口じぐち。江戸中期の流行語。洒落本、風俗通「『おめへはとんだうわきだよ』『―、お茶づけさらさらとしてへ』」 ⇒うわ‐き【浮気・上気】

うわき‐もの【浮気者】ウハ‥🔗🔉

うわき‐もの浮気者ウハ‥ 心の移りやすい人。多情な人。 ⇒うわ‐き【浮気・上気】

うわ‐つ・く【浮つく】ウハ‥🔗🔉

うわ‐つ・く浮つくウハ‥ 〔自五〕 (「上付く」の意)気がうきうきしておちつかない。また、軽薄な感じがする。「―・いた気持」「―・いた風潮」

ふ‐うん【浮雲】🔗🔉

ふ‐うん浮雲】 うきぐも。不安なこと、定めなくうつろいやすいもののたとえ。太平記27「―の富貴、忽ちに夢の如くなりにけり」。「―流水」

ふ‐えい【浮泳】🔗🔉

ふ‐えい浮泳】 水にうかんで泳ぐこと。

ふ‐えい【浮影】🔗🔉

ふ‐えい浮影】 水にうかんだかげ。

ふ‐えん【浮堰】🔗🔉

ふ‐えん浮堰】 上流の水位を高めて水を引きやすくするため、必要に応じて浮動するように装置した堰せき

ふ‐か【浮家】🔗🔉

ふ‐か浮家】 (浮いた家の意)船の異称。〈下学集〉

ふ‐か【浮華】‥クワ🔗🔉

ふ‐か浮華‥クワ うわついていて、華やかなこと。外面だけ華やかで実質のないこと。

ふ‐かん【浮桿・浮竿】🔗🔉

ふ‐かん浮桿・浮竿】 (rod-float)浮きの下端に重おもりをつけ、河中に投じて簡便に流速を測る器具。棒浮き。

ふ‐ぎ【浮蟻】🔗🔉

ふ‐ぎ浮蟻】 ①羽蟻はあり。 ②酒の上に浮く油、すなわち粕。また、酒の異称。〈日葡辞書〉

ふ‐げん【浮言】🔗🔉

ふ‐げん浮言】 根拠のないうわさ。流言。浮説。

ふ‐こ【浮誇】🔗🔉

ふ‐こ浮誇】 落ちつきがなく、うわずって大げさなこと。おごりたかぶること。

ふこう‐せかい【浮香世界】‥カウ‥🔗🔉

ふこう‐せかい浮香世界‥カウ‥ 〔仏〕よい香りの漂っている世界。維摩経ゆいまぎょうに説く香積如来の浄土。衆香世界の誤りという。太平記39「香風四方に散じて、人皆―の中に在るが如し」 ○不幸中の幸いふこうちゅうのさいわい 不幸な出来事の中で、いくらかそれを緩和するようなよい面。 ⇒ふ‐こう【不幸】

[漢]浮🔗🔉

 字形  筆順 〔水(氵・氺)部7画/10画/常用/4166・4962〕 [] 字形 〔水(氵・氺)部7画/10画〕 〔音〕(慣) ブ(呉) 〔訓〕く・かぶ・かべる・かれる・うわつく [意味] ①水面(または空中)にうく。うかぶ。うきただよう。(対)沈。「浮力・浮上・浮游ふゆう・浮動」 ②よりどころがない。一定しない。「浮説・浮生・浮浪・浮民」 ③かるがるしい。うわついている。「浮薄・浮華・軽浮」 [解字] 形声。「水」+音符「孚」(=手でおおう。上からかぶせる)。水面に上からかぶせる、水にうく意。 [難読] 浮子うき・浮塵子うんか・浮腫むむくむ

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うい-た【浮いた】🔗🔉

うい-た 【浮いた】 (連語) (連体詞的に用いる) (1)恋愛に関する。「―噂はない」 (2)軽薄な。浮わついた。「―調子」

うかさ・れる【浮かされる】🔗🔉

うかさ・れる [0] 【浮かされる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うかさ・る 〔動詞「浮かす」の未然形に受け身の助動詞「れる」の付いたものから〕 (1)発熱などのために意識がはっきりしなくなる。「熱に―・れてうわごとを言う」 (2)心がある事のとりこになる。「音楽に―・れる」 (3)茶などを飲んで,神経が興奮する。「茶に―・れると,夜ねられませぬから/咄本・鯛の味噌津」

うかし【浮かし】🔗🔉

うかし [0] 【浮かし】 〔動詞「浮かす」の連用形から〕 (1)汁の実。 (2)浮きのこと。

うか・す【浮かす】🔗🔉

うか・す [0] 【浮かす】 (動サ五[四]) (1)浮くようにする。浮かせる。「水に花を―・す」 (2)不安定な状態にする。「腰を―・す」 (3)予定よりも少ない費用・手間ですませ,余りが出るようにする。「旅費を―・す」 (4)気分を浮き立たせる。陽気にする。「ちと踊り念仏を始めて,きやつを―・いてやらう/狂言・宗論(虎寛本)」

うか・せる【浮かせる】🔗🔉

うか・せる [0] 【浮かせる】 (動サ下一) 「浮かす」に同じ。「腰を―・せる」「費用を―・せる」

うか-つ・く【浮かつく】🔗🔉

うか-つ・く [0] 【浮かつく】 (動カ五[四]) 浮かれる。うかうかする。「―・クトミゾニハマルゾ/ヘボン(二版)」

うかぬ-かお【浮かぬ顔】🔗🔉

うかぬ-かお ―カホ 【浮かぬ顔】 (連語) 沈んだ顔つき。気になることがあって晴れ晴れしない顔つき。

うかば・れる【浮かばれる】🔗🔉

うかば・れる [0] 【浮かばれる】 (動ラ下一) 〔動詞「浮かぶ」の未然形に可能の助動詞「れる」の付いたものから〕 (1)死者の無念さが解消されて霊が成仏する。「これで仏も―・れるだろう」 (2)(多く打ち消しの語を伴う)苦労などがむくわれる。面目が立つ。「このままでは彼の努力も―・れない」

うかび-あが・る【浮か(び)上がる】🔗🔉

うかび-あが・る [5] 【浮か(び)上がる】 (動ラ五[四]) (1)水中から水面に現れ出る。うかびでる。「鯨が―・ってくる」 (2)地表を離れて空中に上がる。「飛行船が―・る」 (3)今まで恵まれない環境にあったものが,よい状態になる。「下積み生活からやっと―・る」 (4)それまで明らかでなかった事物が表面に現れる。注目されるようになる。「ある人物の名が―・る」「エネルギー問題が急に―・ってきた」 [可能] うかびあがれる

うかび・でる【浮(か)び出る】🔗🔉

うかび・でる [4] 【浮(か)び出る】 (動ダ下一) 水面に現れ出る。また,表面に現れる。浮かび上がる。

うか・ぶ【浮(か)ぶ・泛かぶ】🔗🔉

うか・ぶ [0] 【浮(か)ぶ・泛かぶ】 ■一■ (動バ五[四]) (1)(ア)物が液体の表面にある。浮いている。 ⇔沈む 「紅葉が―・ぶ山間の湖」(イ)物が,ほかの物の表面を離れて空中にある。浮いている。「白雲が―・ぶ」 (2)水中や水底にあった物が水面まで移動する。浮上する。「ついに―・んで来なかった」 (3)奥に隠れていたものが表面に現れる。(ア)感情が表情に表れる。「不快の色が顔に―・ぶ」(イ)考えや思いが意識されるようになる。「名案が―・ぶ」「心に―・ぶ」「喜ぶ顔が目に―・ぶ」(ウ)はっきりしなかったものの輪郭がわかるようになる。「照明に―・んだ人影」「捜査線上に―・んだ容疑者」 (4)死者の無念の思いが晴らされてやすらかになる。成仏する。うかばれる。「ながれ出る涙に今日は沈むとも―・ばむ末を猶思はなむ/山家(雑)」 (5)よりどころがない。不安定だ。「女の宿世はいと―・びたるなむあはれに侍る/源氏(帚木)」 (6)(気持ちが)うわついている。「―・びたる心のすさびに/源氏(夕顔)」 〔「うかべる」に対する自動詞〕 ■二■ (動バ下二) ⇒うかべる

浮かぶ瀬(セ)🔗🔉

浮かぶ瀬(セ) 境遇などがよくなる機会。悪運から脱する機会。助かる機会。「身を捨ててこそ―もあれ」

うか・べる【浮(か)べる・泛かべる】🔗🔉

うか・べる [0] 【浮(か)べる・泛かべる】 (動バ下一)[文]バ下二 うか・ぶ (1)水面に浮かぶようにする。 ⇔沈める 「笹舟を―・べる」 (2)表面に表す。「顔に笑みを―・べる」 (3)考えや思いを意識にのぼらせる。「面影を心に―・べる」 (4)暗記する。「古今の歌二十巻をみな―・べさせ給ふを/枕草子 23」 (5)苦しい境遇から救い出す。また,人を出世させる。「沈めるともがらをこそ多く―・べ給ひしか/源氏(明石)」 〔「うかぶ」に対する自動詞〕

うか・む【浮かむ】🔗🔉

うか・む 【浮かむ】 ■一■ (動マ四) 「うかぶ」に同じ。「早くいるやの靭(ウツボ)草―・む瀬もなき水草に/浄瑠璃・用明天皇」 ■二■ (動マ下二) 「うかべる」に同じ。「汀(ミギワ)に小舟を―・め/浮世草子・一代男 6」

うかり【浮かり】🔗🔉

うかり 【浮かり】 (副) 「うっかり」に同じ。「― ―と此所迄,傾城に附添ひござるといふは/歌舞伎・幼稚子敵討」

うかり-ひょん【浮かりひょん】🔗🔉

うかり-ひょん 【浮かりひょん】 (副) うっかり。ぽかん。「いかい愚痴(タワケ)のなれの果,―とぞ見えにける/松の葉」

うか・る【浮かる】🔗🔉

うか・る 【浮かる】 (動ラ下二) ⇒うかれる

うかれ【浮(か)れ】🔗🔉

うかれ [0] 【浮(か)れ】 浮かれること。「…とそでをひかれてきた八すこし―がきて/滑稽本・膝栗毛 7」

うかれ-あるき【浮(か)れ歩き】🔗🔉

うかれ-あるき [4] 【浮(か)れ歩き】 心が落ち着かず出歩くこと。浮かれて遊び歩くこと。

うかれ-お【浮かれ男】🔗🔉

うかれ-お ―ヲ 【浮かれ男】 浮かれて遊び歩く男。うかれおとこ。「酒をたしなむ―も/人情本・梅美婦禰(初)」

うかれ-がらす【浮かれ烏】🔗🔉

うかれ-がらす [4] 【浮かれ烏】 (1)月の光に浮かれ出してねぐらに落ち着かないカラス。「月さえて山はこずゑのしづけきに―のよたた鳴くらん/新撰六帖 6」 (2)夜,家に落ち着かず歩き回る人。遊客などをいう。「心持ち好くうかと,―のただ一羽/歌舞伎・三人吉三」

うかれ-づま【浮かれ妻】🔗🔉

うかれ-づま 【浮かれ妻】 遊女。うかれめ。「一夜あふゆききの人の―/続千載(雑下)」

うかれ-どり【浮かれ鳥】🔗🔉

うかれ-どり 【浮かれ鳥】 (1)夜が明けないうちから浮かれたように鳴き出す鶏。「なぞもかく人の心の―/万代集」 (2)夜,ねぐらを離れて浮かれ飛ぶ鳥。「よるべ定めぬ―/謡曲・藤」

うかれ-びと【浮かれ人】🔗🔉

うかれ-びと 【浮かれ人】 〔古くは「うかれひと」〕 (1)奈良時代,租税などの重い負担を逃れるために本籍地を離れて流浪する者。 (2)にぎやかな所や美しいものなどに心をひかれて遊び歩く人。放蕩児(ホウトウジ)。道楽者。

うかれ-びょうし【浮(か)れ拍子】🔗🔉

うかれ-びょうし ―ビヤウ― [4] 【浮(か)れ拍子】 心を浮き立たせるような三味線などの軽快な調子。うかれちょうし。

うかれ-ぶし【浮(か)れ節】🔗🔉

うかれ-ぶし [0] 【浮(か)れ節】 (1)三味線に合わせて謡う俗謡。 (2)浪花節の旧称。関西では,明治40年代までいわれた。

うかれ-ぼうず【浮かれ坊主】🔗🔉

うかれ-ぼうず ―バウ― 【浮かれ坊主】 (1)浮かれ歩く坊主。 (2)歌舞伎所作事。1811年に三世坂東三津五郎が七変化舞踊「七枚続花の姿絵」中で清元の「願人坊主」として初演。

うかれ-め【浮(か)れ女】🔗🔉

うかれ-め [0][3] 【浮(か)れ女】 〔一定の住居を定めず遊行したことから〕 歌や踊りで客を楽しませ,また色も売った女。遊女。娼妓。

うかれ-もの【浮かれ者】🔗🔉

うかれ-もの 【浮かれ者】 遊び歩く人。道楽者。遊蕩児(ユウトウジ)。「此処彼処遊びさまよふ―と成にけり/仮名草子・浮世物語」

うかれ-ある・く【浮(か)れ歩く】🔗🔉

うかれ-ある・く [5] 【浮(か)れ歩く】 (動カ五[四]) 遊び気分であちこち歩き回る。遊び回る。「夜の町を―・く」

うかれぐさ【浮かれ草】🔗🔉

うかれぐさ 【浮かれ草】 江戸後期の歌詞集。松井譲屋編。1822年成立。当時上方ではやっていた唄を集めたもの。今日の主要民謡がすでに収められている。

うかれ-だ・す【浮(か)れ出す】🔗🔉

うかれ-だ・す [4] 【浮(か)れ出す】 (動サ五[四]) 心がうきうきと調子づいてくる。「軽快なリズムに―・す」

うかれ-た・つ【浮(か)れ立つ】🔗🔉

うかれ-た・つ [4] 【浮(か)れ立つ】 (動タ五[四]) (1)楽しい気分になって陽気に騒ぎ出す。「祭りで町全体が―・っていた」 (2)あてもなく出かける。ぶらりと出発する。「路の枝折と―・つ/奥の細道」

うかれ・でる【浮(か)れ出る】🔗🔉

うかれ・でる [4] 【浮(か)れ出る】 (動ダ下一) (1)心がうきうきと陽気になって外へ出る。「花見に―・でる」 (2)どこというあてもなく,家を出る。「過ぐべくも覚えず候間,―・でて候也/十訓 7」

うか・れる【浮(か)れる】🔗🔉

うか・れる [0] 【浮(か)れる】 (動ラ下一)[文]ラ下二 うか・る 〔動詞「浮く」の未然形に自発の助動詞「る」が付いたものから〕 (1)楽しくてじっとしていられない気持ちになる。うきうきする。「合格の報に―・れる」 (2)自然に浮いている。「くにつちの―・れただよへる/日本書紀(神代上訓)」 (3)居所を離れてさまよう。「年来仕へける所をも其の事となく―・れて/今昔 16」

うき【浮き・浮子・泛子】🔗🔉

うき [0] 【浮き・浮子・泛子】 〔動詞「浮く」の連用形から〕 (1)釣り糸の途中につけて浮かせ,針の深さを一定に保ったり,その動きで魚信を見たりする釣り用具。 (2)魚網につけて水面に浮かせ,水中の網のありかを知るためのもの。木片,中空のガラス球やプラスチック球などを用いる。あば。 (3)(「浮標」とも書く)水流の方向・速度を測定するために水面に浮かべるもの。 (4)タンクなどの中にある液体の残量を知るため液体の表面に浮かせておくもの。 (5)「浮き袋」「浮き輪」などの略。

うき-あが・る【浮き上(が)る】🔗🔉

うき-あが・る [4] 【浮き上(が)る】 (動ラ五[四]) (1)液体・気体の中にある物が底を離れて上方に移動する。「魚が―・る」「気球が―・る」 (2)基盤となっている所から離れる。地面や土台などから離れてもち上がる。「地震で土台が基礎から―・った」 (3)ほかのものとのつながりがなくなり離れる。遊離する。「指導部は大衆から―・っている」 (4)苦しい状態から抜け出る。「下積みの生活からやっと―・る」 (5)背景から際立って,はっきりした形を示す。「血管が―・って見える」 [可能] うきあがれる

うき-あげぼり【浮(き)上げ彫り】🔗🔉

うき-あげぼり [0] 【浮(き)上げ彫り】 「浮き彫り{(1)}」に同じ。

うき-いし【浮(き)石】🔗🔉

うき-いし [0] 【浮(き)石】 (1)軽石。 (2)基盤から遊離して不安定な状態の石。ぐらぐらする石。 (3)一部が河床を離れ,下を水が流れている石。 (4)囲碁で,目形をもたず他の石からも孤立している一群の石。

うき-いね【浮(き)稲】🔗🔉

うき-いね [0] 【浮(き)稲】 水稲の品種群の一。主に東南アジアで栽培され,水田が増水するのに伴って茎が伸長し,水面上に穂をつける。草丈は数メートルから十数メートルに達する。

うき-うお【浮(き)魚】🔗🔉

うき-うお ―ウヲ [0] 【浮(き)魚】 「表層魚(ヒヨウソウギヨ)」に同じ。 ⇔沈み魚

うき-え【浮(き)絵】🔗🔉

うき-え [0] 【浮(き)絵】 西洋画の透視図法を用いて情景が浮き出て見えるように描いた浮世絵や銅版画など。江戸時代中期に流行。初め覗(ノゾ)き機関(カラクリ)などに用いられたが,のち奥村政信らによって浮世絵として描かれた。遠視画。

うき-おり【浮(き)織り】🔗🔉

うき-おり [0] 【浮(き)織り】 地の組織とは別の絵緯(エヌキ)によって模様を表す織り方。模様の部分の糸が浮いて,刺繍のようにみえる。また,その織物。浮き紋。 ⇔固織(カタオ)り

うきおり-もの【浮(き)織物】🔗🔉

うきおり-もの [3][4] 【浮(き)織物】 浮き織りにした織物。

うき-かぶ【浮(き)株】🔗🔉

うき-かぶ [2] 【浮(き)株】 浮動株(フドウカブ)。

うき-かわたけ【浮き河竹】🔗🔉

うき-かわたけ ―カハタケ 【浮き河竹】 〔「河竹」はネンジュモ〕 浮き沈みしながら流される,つらい身の上。「浮き」に「憂き」をかけていう。「わたしが昔は―の傾城/浄瑠璃・嫗山姥」

うき-ぐつ【浮き沓】🔗🔉

うき-ぐつ 【浮き沓】 (1)馬の足につけると水上を自由自在に走ることができると信じられていた架空の浮き具。「神通自在の葦毛の駒,歴劫(リヤツコウ)不思議の―はかせ/浄瑠璃・平家女護島」 (2)江戸時代の浮き具の一種。60センチメートルくらいの木の大筒を背に,30センチメートルくらいの小筒二個を胸に当てるように紐(ヒモ)で連ねたもの。「こなたの岸につつ立上り,―しごいて一息つぎ/浄瑠璃・布引滝」

うき-ぐも【浮(き)雲】🔗🔉

うき-ぐも [0] 【浮(き)雲】 〔古くは「うきくも」とも〕 (1)空に浮いてただよう雲。 (2)不安定でどうなるかわからないことのたとえ。「浮き」と「憂き」をかけていうことが多い。「身を―となりて果てけれ/篁物語」

うき-こうぞう【浮(き)構造】🔗🔉

うき-こうぞう ―コウザウ [3] 【浮(き)構造】 〔建〕 (1)軟弱な地盤上に建造物を支持するための基礎構造。べた基礎・筏(イカダ)基礎など。 (2)振動を防止するため,主構造体から床・壁・天井などを,ゴムなど弾力のある支持材で遮断した構造。放送室・録音室などに用いる。

うき-ごし【浮(き)腰】🔗🔉

うき-ごし [0] 【浮(き)腰】 (1)腰が不安定なこと。また,そのような姿勢。へっぴり腰。 (2)あわてたり,動揺したりして,落ち着かないこと。「突然の出火で―になる」 (3)柔道の技の名。相手の腰を浮かせるようにして自分の腰に乗せ,ひねって投げる腰技。

うき-さしあみ【浮(き)刺し網】🔗🔉

うき-さしあみ [3] 【浮(き)刺し網】 刺し網の一。水面近くに張り,サバ・トビウオなどの浮き魚をとる。 →底刺し網

うき-さんばし【浮(き)桟橋】🔗🔉

うき-さんばし [3] 【浮(き)桟橋】 係船施設の一。大きな浮き箱をつなぎ並べて,桟橋としたもの。

うき-しろ【浮(き)城】🔗🔉

うき-しろ [0] 【浮(き)城】 〔水に浮かぶ城の意〕 軍艦の雅称。

うき-す【浮(き)州・浮き洲】🔗🔉

うき-す [0] 【浮(き)州・浮き洲】 (1)池・沼・湖・川などで,浮遊物などが集まり,木・草が生えて島のように見えるもの。 (2)水面に出て浮いているように見える州。「あれに見えたる―の岩の少し此方の水の深みに/謡曲・藤戸」

うき-す【浮(き)巣】🔗🔉

うき-す [0] 【浮(き)巣】 葦(アシ)や水草・枯れ葉などで水面に作ったカイツブリの巣。[季]夏。

うき-ぜい【浮き勢】🔗🔉

うき-ぜい 【浮き勢】 本隊から離れて待機し,戦況に応じて戦闘に加わる軍勢。遊軍。遊撃隊。浮き備え。「―に成てひかへたり/太平記 36」

うき-だし【浮(き)出し】🔗🔉

うき-だし [0] 【浮(き)出し】 紙や織物の面に文字や模様などを浮き上がらせて表すこと。

うきだし-いんさつ【浮(き)出し印刷】🔗🔉

うきだし-いんさつ [5] 【浮(き)出し印刷】 雌型(メガタ)と雄型(オガタ)とを用いて,印刷と同時に文字や模様を浮き出させる印刷法。

うきだし-おり【浮(き)出し織り】🔗🔉

うきだし-おり [0] 【浮(き)出し織り】 ⇒ピケ

うき-だ・す【浮(き)出す】🔗🔉

うき-だ・す [3] 【浮(き)出す】 (動サ五[四]) 文字や模様がはっきり見える。「黄色の文字が―・して見える」

うきだま-コック【浮(き)玉―】🔗🔉

うきだま-コック [5] 【浮(き)玉―】 タンクの水面に浮かべた浮き玉の位置に従って開閉する栓。水位が下がると浮き玉が下がって給水弁を開き,上がると閉じる。

うき・でる【浮(き)出る】🔗🔉

うき・でる [3] 【浮(き)出る】 (動ダ下一) (1)表面に浮かび出る。「額に青筋が―・でる」 (2)形・模様・色などが背景や周囲のものから抜け出て,くっきりと見える。「照明に映えて天守閣が夜空に―・でて見える」

うき-ドック【浮き―】🔗🔉

うき-ドック [3] 【浮き―】 船を修理するためのドックの一種。鋼鉄製の大きな箱形の船台。水を入れて沈め,船を中に入れたのち,排水して浮き上がらせ,船の修理・改装などを行う。浮き船渠(センキヨ)。 →乾ドック

うき-に【浮(き)荷】🔗🔉

うき-に [0] 【浮(き)荷】 海難に遭った船から海中に投げ捨てられたり,風波のために船からさらわれたりして海上に漂っている貨物。うきにもつ。

うき-にんぎょう【浮(き)人形】🔗🔉

うき-にんぎょう ―ニンギヤウ [3] 【浮(き)人形】 子供の玩具。ビニールなどで作った小さい人形や魚・鳥を試験管状のガラス筒に入れ,筒の上部に空気を残して薄いゴムで密閉する。指でこのゴムを押すと人形が水の中を浮き沈みする。[季]夏。《水面にぶつかり沈む―/星野立子》

うき-ね【浮き根】🔗🔉

うき-ね 【浮き根】 〔「うき」は泥地の意〕 泥中に生えた水草の根。アヤメ(現在のショウブ)についていう。多くは「憂き音(ネ)」にかけていう。「―のみ袂(タモト)にかけしあやめ草引たがへたる今日ぞうれしき/栄花(浦々の別)」

うき-ね【浮き寝】🔗🔉

うき-ね 【浮き寝】 (1)水鳥が水の上に浮いたまま眠ること。また,水上に停泊した船中で寝ることにたとえていう。「浮き」に「憂き」の意をかけて,不安な思いで寝る意を表す場合が多い。「海原に―せむ夜は/万葉 3592」「しきたへの枕ゆくくる涙にそ―をしける恋の繁きに/万葉 507」 (2)かりそめの添い寝。「かりなる―のほどを思ひ侍るに/源氏(帚木)」

うきね-どり【浮き寝鳥】🔗🔉

うきね-どり [3] 【浮き寝鳥】 「浮き寝の鳥」に同じ。[季]冬。《―うつゝに尾振る一羽あり/鈴木花蓑》

うきね-の-とこ【浮き寝の床】🔗🔉

うきね-の-とこ 【浮き寝の床】 水上や舟の中などの寝る所。「をしどりの―や荒れぬらむ/千載(冬)」

うきね-の-とり【浮き寝の鳥】🔗🔉

うきね-の-とり 【浮き寝の鳥】 水の上に浮いたまま眠る水鳥。雁(ガン)や鴨(カモ)など。うきねどり。「涙川―となりぬれば/千載(恋一)」

うき-はえなわ【浮き延縄】🔗🔉

うき-はえなわ ―ハヘナハ [3] 【浮き延縄】 浮きをつけて水面下につり下げた延縄。水面近くから中層を泳ぐマグロ・カジキ・サバなどを取る。 →底延縄

うき-はし【浮き橋】🔗🔉

うき-はし 【浮き橋】 舟・筏(イカダ)などの上に板を渡し,橋の用をさせるもの。舟橋。「淀瀬には―渡しあり通ひ仕へまつらむ/万葉 3907」

うき-ふね【浮(き)舟】🔗🔉

うき-ふね [0] 【浮(き)舟】 水に漂っている舟。しばしば,不安定で頼りないものにたとえる。

うき-み【浮(き)身】🔗🔉

うき-み [0] 【浮(き)身】 水泳で,全身の力を抜いて静かに仰向けになって水面に浮かぶ法。

うき-み【浮(き)実】🔗🔉

うき-み [0] 【浮(き)実】 スープの上に浮かせるもの。クルトン・パスタ・野菜のせん切りなど。浮かし実。

うき-め【浮き海布】🔗🔉

うき-め 【浮き海布】 水の上に浮いている海草。多く「憂き目」にかけていう。「―は刈らで乗らましものを/源氏(須磨)」

うき-もの【浮き物・浮き者】🔗🔉

うき-もの 【浮き物・浮き者】 (1)水の上に浮いている物。浮遊物。多く「憂きもの」とかけていう。「流れゆく涙の川に―はおくらす人とおくれぬる身と/和泉式部集」 (2)(「浮き者」と書く)さすらいの身。流浪人。「律師はかかる―になりぬれば/盛衰記 46」

うきよ【浮(き)世】🔗🔉

うきよ [2][1] 【浮(き)世】 〔憂き世(つらい世の中)と浮世(フセイ)(はかない世の中)の二つの意味が重なり合った語〕 (1)つらくはかないこの世の中。変わりやすい世間。「―の荒波」 (2)今の世の中。俗世間。現世。「―の義理を果たす」「―のしがらみ」 (3)名詞の上に付いて,当世の,現代風の,好色な,の意を表す。「―草子」「―人形」「―絵」 (4)男女の恋情。情事。色事。また,享楽的で色事を楽しむ遊里。「心の慰みは―ばかり/仮名草子・恨の介」

浮きぬ沈みぬ🔗🔉

浮きぬ沈みぬ 〔「ぬ」は完了の助動詞〕 浮いたり沈んだりして。「みな紅の扇の日いだしたるが,白波の上にただよひ,―ゆられければ/平家 11」

ういた【浮いた】(和英)🔗🔉

ういた【浮いた】 [水上に]floating;→英和 [気分が]gay;→英和 cheerful;→英和 light(hearted);→英和 [軽薄な]frivolous.→英和 〜うわさ a scandal.→英和

うかされる【浮かされる】(和英)🔗🔉

うかされる【浮かされる】 be carried away;[熱に]be delirious.

うかす【浮かす】(和英)🔗🔉

うかす【浮かす】 ⇒浮かべる.

うかぬ【浮かぬ顔をする(気が浮かぬ)】(和英)🔗🔉

うかぬ【浮かぬ顔をする(気が浮かぬ)】 look (feel) blue[depressed,weary,gloomy];pull a long face.

うかびあがる【浮かび上がる】(和英)🔗🔉

うかびあがる【浮かび上がる】 [潜水艦などが]⇒浮き上がる.[下積みの人が]emerge from obscurity;[捜索線上に]loom up.

うかぶ【浮かぶ】(和英)🔗🔉

うかぶ【浮かぶ】 (1)[水・空中に]float;→英和 [浮く]⇒浮かび上がる. (2)[心に]occur to[strike];cross one's mind.⇒思い付く. (3)[表情が]⇒浮かべる. (4)[涙が]stand;→英和 rise to one's eyes.⇒湧き出る. 〜瀬がない be hopeless.浮かばれない turn in one's grave;[やりきれない]be in a sad[wretched]plight.

うかべる【浮かべる】(和英)🔗🔉

うかべる【浮かべる】 (1)[水に]float.→英和 (2) 満足[感謝,喜び,悲しみ,当惑]の色を〜 look satisfied[grateful,pleased,sad,embarrassed].涙(微笑)を浮かべて with tears in one's eyes (with a smile on one's lips).

うかれる【浮かれる】(和英)🔗🔉

うかれる【浮かれる】 be gay;make[be]merry;be intoxicated;be in a holiday mood.

うき【浮き】(和英)🔗🔉

うき【浮き】 a float (釣の);→英和 a buoy (浮標);→英和 a life belt[buoy](救命用の).

うきあがる【浮き上がる】(和英)🔗🔉

うきあがる【浮き上がる】 come[rise]to the surface;→英和 float;→英和 [船が]be refloated.⇒浮かび上がる.

うきでる【浮き出る】(和英)🔗🔉

うきでる【浮き出る】 (1)[水面に]⇒浮き上がる. (2)[浮彫]be embossed;be[stand out]in relief.(3)[ぼんやりと]loom.→英和

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