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○何処をはかりといずこをはかりと🔗⭐🔉
○何処をはかりといずこをはかりと
(→)「いずこをはかと」に同じ。伊勢物語「―も覚えざりければ」
⇒いず‐こ【何処】
いずさん‐じんじゃ【伊豆山神社】‥ヅ‥
静岡県熱海市伊豆山にある元国幣小社。祭神は伊豆山神。源頼朝以来武家が尊信。伊豆山権現。走湯権現。
いずし【出石】イヅシ
兵庫県豊岡市の地名。
⇒いずし‐じんじゃ【出石神社】
⇒いずし‐やき【出石焼】
い‐ずし【貽鮨】
貽貝いがいの肉を酢に漬けたもの。
いず‐し【何方】イヅ‥
〔代〕
(不定称指示)「いずち」の上代東国方言。万葉集14「―向きてか妹いもが嘆かむ」
いずし‐じんじゃ【出石神社】イヅシ‥
兵庫県豊岡市出石町宮内にある元国幣中社。祭神は天日槍あめのひぼこ命。同命が将来したという8種の神宝を神体とする。但馬国一の宮。
出石神社
撮影:的場 啓
⇒いずし【出石】
いず‐しちとう【伊豆七島】‥ヅ‥タウ
伊豆半島南東方にある大島おおしま・利島としま・新島にいじま・神津島こうづじま・三宅島みやけじま・御蔵島みくらじま・八丈島はちじょうじまの7島。東京都に属する。各島黒潮につつまれ、近海は好漁場。椿油を産出。地下水に乏しく天水を利用する所もある。
神津島
提供:東京都
八丈島(八丈富士と八重根港)
提供:東京都
大島
提供:東京都
新島
提供:東京都
三宅島
提供:東京都
いずし‐やき【出石焼】イヅシ‥
兵庫県豊岡市出石町で作られる陶磁器。18世紀後半に陶器を焼き始め、寛政(1789〜1801)の頃より磁器を焼成。特に、1876年(明治9)設立の盈進えいしん社による白磁は、明治前期を代表する国産磁器の一つ。
⇒いずし【出石】
いすず‐がわ【五十鈴川】‥ガハ
三重県伊勢市を流れる川。神路山に発源し、皇大神宮の神域を流れて御手洗みたらし川となる清流。御裳濯川みもすそがわ。宇治川。(歌枕)
いすす・く
〔自四〕
そわそわする。驚き騒ぐ。あわてる。古事記中「をとめ驚きて立ち走り―・きき」
い‐すずくれ‐つき【い涼暮月】
(イは接頭語。涼しい暮れ方の月の意)陰暦6月の異称。
いすず‐の‐みや【五十鈴宮】
伊勢の皇大神宮(内宮)の別称。古事記上「さくくしろ―に拝いつき祭る」
いすずより‐ひめ【五十鈴依媛】
事代主命ことしろぬしのみことの娘。綏靖天皇の皇后、安寧天皇の母という。
いず‐せんりょう【伊豆千両】‥ヅ‥リヤウ
ヤブコウジ科の半蔓性常緑低木。東海以西、特に伊豆山神社に多いので命名。高さ約1メートル。葉は楕円形で、ややカシの葉に似る。夏、総状に多数の帯黄白色の小花を開き、白色の球形果を生ずる。ウバガネモチ。
イスタラビ【astrolabio ポルトガル・ スペイン】
⇒アストロラーベ1
イスタンブール【İstanbul】
トルコ北西部、ボスポラス海峡に臨む都市。アジアとヨーロッパの接点に当たり、ビザンチン文明の中心。東ローマ帝国・オスマン帝国の首都で、スレイマニエ‐モスクなどの歴史的なイスラム建築群は、世界遺産。人口955万7千(2003)。旧称、ビザンチウム・コンスタンティノポリス・コンスタンチノープル。
イスタンブール 聖ソフィア大聖堂
撮影:小松義夫
イスタンブール(1)
撮影:小松義夫
イスタンブール(2)
提供:NHK
イスタンブール
提供:NHK
いず‐ち【何方】イヅチ
〔代〕
(不定称指示)どちらの方角。どっち。万葉集5「―むきてか吾あが別るらむ」
いずて‐の‐ふね【伊豆手の船】‥ヅ‥
(→)「いずてぶね」に同じ。
いずて‐ぶね【伊豆手船】‥ヅ‥
古代、伊豆国で造った型の船。(一説に、五手船いつてぶねと解し、一手は櫓2梃で、10梃櫓の船のことという)万葉集20「防人さきもりの堀江漕ぎ出ずる―」
いすとり‐ゲーム【椅子取りゲーム】
人数よりも少ない数の椅子を多数の人が取り合うゲーム。並べた椅子の周囲を多くの人が回り、合図で一斉に座る時、席のなかった人が抜ける。順次椅子を減らして行き最後に残った人を勝ちとする。
いず‐の‐うみ【伊豆の海】‥ヅ‥
伊豆半島周辺の海域。(歌枕)金槐集「箱根路をわが越えくれば―や」
いずのおどりこ【伊豆の踊子】‥ヅ‥ヲドリ‥
小説。川端康成作。1926年(大正15)「文芸時代」に発表。「孤児根性」に悩む一高生が、伊豆の旅で無私な踊り子と出会い、救われる過程を描いた青春文学。
いす‐の‐き【柞・蚊母樹】
マンサク科の常緑高木。西南日本の山中に自生。庭樹としても栽培。高さ約15メートル。樹皮は灰白色、葉は長楕円形で厚い。4〜5月頃、深紅色の小花を穂状につける。葉に生ずる虫癭ちゅうえいは、タンニンを含み、染料に用いる。材は柱・机などに使用。イス。ユシノキ。ユス。ユスノキ。ヒョンノキ。→柞灰いすばい
いずのくに【伊豆の国】‥ヅ‥
静岡県東部、伊豆半島北部の市。イチゴ・トマトなどの栽培が盛ん。温泉などの観光資源も多い。人口5万。
いず‐の‐ちょうはち【伊豆長八】‥ヅ‥チヤウ‥
幕末・明治前期の左官。本名、入江長八。伊豆松崎生れ。漆喰による鏝絵こてえを制作。(1815〜1889)
いす‐ばい【柞灰】‥バヒ
イスノキの樹皮を焼いてつくった灰。磁器の釉うわぐすりの融剤に用いる。
イスパニア【Hispania スペイン】
⇒スペイン
いずはら【厳原】イヅ‥
長崎県対馬つしま市の地名。もと宗氏10万石の城下町。対馬の中心地。
いず‐はんとう【伊豆半島】‥ヅ‥タウ
静岡県東部、駿河湾と相模湾の間に突出する半島。火山・温泉が多く、観光・保養地として発展。富士箱根伊豆国立公園の一部。
イスファハン【Isfahān】
⇒エスファハン
いすぶ・る【揺振る】
〔他四〕
ユスブルの訛。
いず‐へ【何処】イヅヘ
〔代〕
(不定称指示)いずれのあたり。どのへん。どちら。万葉集19「―の山を鳴きか越ゆらむ」
イズベスチヤ【Izvestiya】
(通信の意)ソ連最高会議幹部会の発行した日刊の政府機関紙。1917年創刊。91年のソ連解体後は、政府も出資する株式会社に改組。
いずま【暇】イヅマ
(上代東国方言)いとま。ひま。万葉集20「わが妻も絵に描きとらむ―もが」
い‐ずまい【居住まい】ヰズマヒ
すわっている姿勢。枕草子56「高膝まづきといふ―に」。「―を正す」
イスマイル【Ismā‘īlīya アラビア】
イスラムの分派の一つ。シーア派に属する。10世紀初めにファーティマ朝を建設して最盛期を迎えるが、その後衰退。現在では、アーガー=ハーンを指導者として南アジアを中心に分布。
いず‐まめ【伊豆豆】‥ヅ‥
(和歌山県で)ソラマメ。
いず‐マリアナ‐こ【伊豆マリアナ弧】‥ヅ‥
(Izu-Mariana arc)伊豆諸島から小笠原諸島を経てマリアナ・ヤップ・パラオ海嶺にいたる弧状列島。フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込む境界にある。日本列島寄りの部分を伊豆‐小笠原弧とも呼ぶ。
いすみ
千葉県南東部の市。太平洋に面し、農業・漁業が中心。人口4万2千。
いず‐み【泉】イヅミ
(出水の意)
①地中から湧き出る水または湯。また、その場所。〈[季]夏〉。「清冽せいれつな―」
②比喩的に、湧いて出る源。「知恵の―」
⇒いずみ‐がわ【泉川】
⇒いずみ‐どの【泉殿】
⇒いずみ‐の‐した【泉の下】
⇒いずみ‐や【泉屋】
いずみ【泉】イヅミ
姓氏の一つ。
⇒いずみ‐きょうか【泉鏡花】
⇒いずみ‐じょう【泉城】
⇒いずみ‐ねつ【泉熱】
いずみ【出水】イヅミ
鹿児島県北西端、八代海に面する市。ツルの渡来で知られる。人口5万8千。
いずみ【和泉】イヅミ
①(「和泉」は713年(和銅6)の詔により2字にしたもので、「和」は読まない)旧国名。五畿の一つ。今の大阪府の南部。泉州。
②大阪府南西部の市。市域北西部の府中町は和泉国府に由来する。人口17万8千。
⇒いずみ‐いし【和泉石】
いずみ‐いし【和泉石】イヅミ‥
大阪府阪南市付近に産出する緑灰色の緻密な砂岩。土木・墓石用。
⇒いずみ【和泉】
いずみおおつ【泉大津】イヅミオホ‥
大阪府南西部、大阪湾岸の市。市名は和泉国府の外港であったことに由来する。毛織物生産の中心として工業都市化し、現在は堺・泉北工業地帯の一部。人口7万8千。
いずみ‐がわ【泉川】イヅミガハ
①泉が流れ出て川となっているもの。
②(寛政頃の力士泉川が慣用したという)相撲で、相手の一方の差し手を両手でかかえ、ねじるようにして攻めること。(地名別項)
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐がわ【泉川】イヅミガハ
京都府南部を流れる部分の木津川の古称。水泉郷いずみのごうの名による。(歌枕)
いずみ‐きょうか【泉鏡花】イヅミキヤウクワ
小説家。名は鏡太郎。金沢生れ。尾崎紅葉に師事。明治・大正・昭和を通じて独自の幻想文学を構築した。作「夜行巡査」「高野聖」「歌行灯」など。「婦系図おんなけいず」をはじめ、しばしば新派劇に上演。(1873〜1939)
泉鏡花
提供:毎日新聞社
→作品:『歌行燈』[歌行灯]
→作品:『高野聖』
⇒いずみ【泉】
いずみさの【泉佐野】イヅミ‥
大阪府南西部、大阪湾岸の市。北西の沖合に関西国際空港がある。人口9万9千。
いずみ‐しきぶ【和泉式部】イヅミ‥
平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。大江雅致まさむねの女むすめ。和泉守橘道貞の妻。小式部内侍の母。為尊親王・敦道親王の寵を受け、中宮彰子に仕え、再び藤原保昌に嫁すなど、情熱的な一生を送り、恋愛歌人として有名。「和泉式部日記」「和泉式部集」がある。生没年未詳。
→作品:『和泉式部日記』
⇒いずみしきぶ‐にっき【和泉式部日記】
いずみしきぶ‐にっき【和泉式部日記】イヅミ‥
一条天皇の長保5年(1003)4月から翌年正月までの、和泉式部の敦道親王との恋愛事件を書き記した日記。1巻。
→文献資料[和泉式部日記]
⇒いずみ‐しきぶ【和泉式部】
いずみ‐じょう【泉城】イヅミジヤウ
泉三郎忠衡ただひら(藤原泰衡の弟)の居城。岩手県平泉町平泉、中尊寺の西にあった。和泉城。
⇒いずみ【泉】
いずみ‐たくイヅミ‥
作曲家。本名、今泉隆雄。東京生れ。多数のCM曲のほか、代表作に「夜明けの歌」「恋の季節」、ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」。(1930〜1992)
いずみ‐どの【泉殿】イヅミ‥
①平安時代、泉の出るところに建てた邸宅の称。〈[季]夏〉。「六波羅―」
②室町時代、庭の泉水の上につき出した建築の称。「内裏の―」
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐ねつ【泉熱】イヅミ‥
猩紅しょうこう熱に似た発疹を伴う流行性熱病。1927年(昭和2)金沢地方に初めて流行。泉仙助(1888〜1979)が最初の報告者。異型猩紅熱。
⇒いずみ【泉】
いずみ‐の‐した【泉の下】イヅミ‥
冥土。よみの国。
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐や【泉屋】イヅミ‥
泉を取りこんだ建物。泉舎。泉廊。
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐りゅう【和泉流】イヅミリウ
狂言の流派。慶長(1596〜1615)頃の山脇和泉が佐々木岳楽軒の伝統を受けて創始したと伝える。家元山脇家は尾張徳川家に仕えた。ほかに、野村又三郎家・三宅藤九郎家・野村万蔵家などがあり、それぞれに芸を伝承した。
イズミル【İzmir】
トルコ西部、エーゲ海に臨む古代ギリシア以来の港湾都市。人口230万(2003)。旧称、スミルナ。
イズム【ism】
(接尾語が名詞化したもの)主義。説。
いずめ
(飯詰か)
①保温用に飯櫃めしびつを入れる藁桶わらおけ。
②乳児を入れて育てる藁製のかご。いじこ。えじこ。えずこ。
⇒いずめ‐こ‐にんぎょう【いずめこ人形】
いずめ‐こ‐にんぎょう【いずめこ人形】‥ギヤウ
いずめに入っている幼児の人形。山形県の民芸品。いずめ人形。
⇒いずめ
いずも【出雲】イヅモ
①旧国名。今の島根県の東部。雲州。
②島根県北東部、出雲平野の中心にある市。室町時代以降市場町として発展。紡績・酒造などの工業が発達。人口14万6千。
⇒いずも‐ぐすり【出雲薬】
⇒いずも‐ぐつわ【出雲轡】
⇒いずも‐ごと【出雲琴】
⇒いずも‐じんじゃ【出雲神社】
⇒いずも‐たいしゃ【出雲大社】
⇒いずも‐でら【出雲寺】
⇒いずも‐の‐おおやしろ【出雲大社】
⇒いずも‐の‐おくに【出雲阿国】
⇒いずも‐の‐かみ【出雲の神】
⇒いずも‐の‐くにのみやつこ【出雲国造】
⇒いずも‐ぶし【出雲節】
⇒いずも‐ふどき【出雲風土記】
⇒いずも‐へいや【出雲平野】
⇒いずも‐むしろ【出雲筵】
⇒いずも‐やき【出雲焼】
イスモイル‐ソモニ【Ismoil Somoni】
中央アジア、タジキスタン共和国の高峰。標高7495メートル。1933年初登頂。旧称、スターリン峰・コムニズム。イスマイル‐サマニ。
イスモイルソモニ(1)
提供:オフィス史朗
イスモイルソモニ(2)
提供:オフィス史朗
い‐ずもう【居相撲】ヰズマフ
すわり相撲。
いずも‐ぐすり【出雲薬】イヅモ‥
江戸時代に出雲大社から製出された丸薬で、小児の疳かんの薬。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ぐつわ【出雲轡】イヅモ‥
出雲の鍛冶かじの作った轡。→十文字轡。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ごと【出雲琴】イヅモ‥
(→)八雲琴やくもごとの別称。
⇒いずも【出雲】
いずもざき【出雲崎】イヅモ‥
新潟県中部、三島さんとう郡の港町。かつて北国街道の宿駅で、佐渡往来の要港。また、良寛の生誕地。
いずも‐じんじゃ【出雲神社】イヅモ‥
京都府亀岡市千歳町にある元国幣中社。祭神は大国主命・三穂津姫命。今、出雲大神宮と称。丹波国一の宮。
出雲大神宮
撮影:的場 啓
⇒いずも【出雲】
いずも‐たいしゃ【出雲大社】イヅモ‥
島根県出雲市大社町杵築きづき東にある元官幣大社。祭神は大国主命。天之御中主神あまのみなかぬしのかみ・高皇産霊神たかみむすびのかみ・神皇産霊神かみむすびのかみ・宇麻志阿志軻備比古遅命うましあしかびひこじのみこと・天之常立神あまのとこたちのかみを配祀。社殿は大社造たいしゃづくりと称し、日本最古の神社建築の様式。出雲国一の宮。いずものおおやしろ。杵築大社。
出雲大社
撮影:山梨勝弘
⇒いずも【出雲】
いずも‐でら【出雲寺】イヅモ‥
毘沙門堂びしゃもんどうの寺号。
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐おおやしろ【出雲大社】イヅモ‥オホ‥
⇒いずもたいしゃ。
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐おくに【出雲阿国】イヅモ‥
阿国歌舞伎の創始者。歌舞伎芝居の祖。出雲大社の巫女みこと称していたが出身地は不詳。京都で念仏踊を興行して広く愛好され、歌舞伎踊にまで発展。没年は1613年(慶長18)以後。
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐かみ【出雲の神】イヅモ‥
①出雲大社の祭神、大国主命のこと。
②(毎年10月に全国の神々が出雲に集まり男女の縁を結ぶという俗伝から)男女の縁結びの神。誰身の秋「出替りや―の付落し」
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐くにのみやつこ【出雲国造】イヅモ‥
出雲の国を支配した豪族。律令制成立以後は大社の神官を世襲し、のち千家せんげ・北島の両家に分かれた。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ぶし【出雲節】イヅモ‥
出雲に発した民謡が、出雲舟唄として加賀・能登地方に伝わったもの。仙台節・安来節やすぎぶし・博多節の源流。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ふどき【出雲風土記】イヅモ‥
古風土記の一つ。733年(天平5)成る。完全な形で伝わる唯一の古風土記。出雲国9郡の風土・物産・伝承などを述べる。記紀にみえない出雲地方の神話も含む。1巻。出雲国風土記。
→文献資料[出雲国風土記]
⇒いずも【出雲】
いずも‐へいや【出雲平野】イヅモ‥
島根県北東部、宍道しんじ湖西側の平野。斐伊ひい川が貫流。屋敷林をもつ散居集落で知られる。簸川ひのかわ平野。
⇒いずも【出雲】
いずも‐むしろ【出雲筵】イヅモ‥
出雲で産する筵。目が粗い。枕草子149「まことの―の畳」
⇒いずも【出雲】
いずも‐やき【出雲焼】イヅモ‥
出雲国(島根県)松江から産出する楽山らくざん焼と布志名ふじな焼との併称。また、出雲産の陶磁器の総称ともする。
⇒いずも【出雲】
いず‐ら【何ら】イヅラ
(ラは場所を漠然とさす接尾語)
[一]〔代〕
(不定称指示)どこ。どちら。万葉集15「家人の―とわれを問はばいかに言はむ」
[二]〔感〕
①(人を促すときの語)さあさあ。どうした。堤中納言物語「―今は中納言の君とのたまへば」
②(「―は」の形で)どこに行ったのか、どこにもないではないか。古今和歌集雑体「睦言むつごともまだ尽きなくに明けぬめり―は秋の長してふ夜は」
イスラーム【Islām アラビア】
⇒イスラム
イスラエル【Israel】
(yisrā'ēl ヘブライは「神が支配する」の意)
①旧約聖書に見えるヤコブとその後裔である十二部族の総称。パレスチナの南東方荒地に起こり、前千数百年頃エジプトに居住した人々で、モーセに導かれてエジプトを出、カナンの地に至り、前1012年頃サウルによってイスラエル王国を建設、前926年北のイスラエル王国と南のユダ王国とに分裂。イスラエルは前722年に、ユダは前586年に滅亡、バビロン捕囚の体験を経て、イスラエルの宗教はユダヤ教として発展。
②シオニズム運動の結果パレスチナに流入したユダヤ人が1948年イギリスの委任統治終了とともに建設した共和国。この国家の存在とパレスチナ国家建設の可否が、中東紛争の中で焦点となってきた。首都はエルサレム(国際的には未承認)。公用語はヘブライ語とアラビア語。面積2万1000平方キロメートル。人口555万(1995)。→西アジア(図)
イスラマバード【Islamabad】
(「イスラムの都」の意)パキスタン‐イスラム共和国の首都。同国北部にある。1961年建設を開始。人口52万9千(1998)。
イスラム【Islām アラビア】
(「神への服従・帰依」の意。正しくはイスラーム)
①(→)イスラム教に同じ。
②イスラム教に立脚する文明・文化・制度。
③イスラムの世界。イスラム教徒全体。
⇒イスラム‐きょう【イスラム教】
⇒イスラム‐ぎんこう【イスラム銀行】
⇒イスラム‐げんりしゅぎ【イスラム原理主義】
⇒イスラム‐しょこくかいぎ‐きこう【イスラム諸国会議機構】
⇒イスラム‐ていこく【イスラム帝国】
⇒イスラム‐ふっこう【イスラム復興】
⇒イスラム‐ほう【イスラム法】
⇒イスラム‐れき【イスラム暦】
イスラム‐きょう【イスラム教】‥ケウ
世界的大宗教の一つ。610〜632年頃、ムハンマドが創始、アラビア半島から東西に広がり、中東から西へは大西洋に至る北アフリカ、東へはイラン・インド・中央アジアから中国・東南アジア、南へはサハラ以南アフリカ諸国に、民族を超えて広がる。サウジ‐アラビア・イラン・エジプト・モロッコ・パキスタンなどでは国教となっている。ユダヤ教・キリスト教と同系の一神教で、唯一神アッラーと預言者ムハンマドを認めることを根本教義とする。聖典はコーラン。信仰行為は五行、信仰箇条は六信にまとめられる。その教えは、シャリーアとして体系化される。法学・神学上の違いから、スンニー派とシーア派とに大別される。中世には、オリエント文明やヘレニズム文化を吸収した独自の文明が成立、哲学・医学・天文学・数学・地理学などが発達し、近代ヨーロッパ文化の誕生にも寄与した。三大聖地はメッカ・メディナ・エルサレム。回教。マホメット教。→五行六信。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ぎんこう【イスラム銀行】‥カウ
(bank islāmi アラビア)利子を禁止するイスラム法に立脚する銀行。1960年代に試行され、70年代後半から中東や東南アジアのイスラム国で多く設立。固定利子の代りに変動的な利潤を預金者に還元する。無利子銀行。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐げんりしゅぎ【イスラム原理主義】
イスラムの原理を現代の社会、特に政治に適用しようとする急進主義。主にイスラム復興の過激派についていう。イスラム急進派。→イスラム復興→原理主義。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐しょこくかいぎ‐きこう【イスラム諸国会議機構】‥クワイ‥
(Organization of the Islamic Conference)イスラム国をメンバーとする国際機構。サウジ‐アラビア・モロッコの主導で1971年設立。イスラム諸国の連帯と協力の推進を目的とする。加盟国・地域は57(2006)。イスラム開発銀行などの専門機関を有する。本部ジェッダ。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ていこく【イスラム帝国】
イスラム教徒が建設した諸帝国。ムハンマド没後の正統カリフ時代に始まり、ウマイヤ朝を経てアッバース朝に至って極盛に達した。最後のオスマン帝国は1922年に滅亡。サラセン帝国。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ふっこう【イスラム復興】‥フク‥
20世紀半ばから顕在化したイスラム世界の宗教復興。イスラム法の再生をめざし、モスク建設や福祉活動をおこなう草の根型の復興運動や、イスラム原理主義とも呼ばれる急進的な政治運動がある。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ほう【イスラム法】‥ハフ
(Sharī‘a アラビア)イスラムの法体系で、コーラン・スンナを基礎とし、法学者の法判断によって体系化を行なったもの。個人の内面的生活から社会や国家のあり方まで、人間生活の全局面を含む。シャリーア。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐れき【イスラム暦】
イスラム諸国で行われる陰暦。ムハンマドのメディナ聖遷(ヒジュラ)があった年(西暦622年)の第1月1日(西暦では同年の7月16日)を正月元日とする。1年(354日)を12カ月に分け、9月は断食(ラマダーン)、12月は巡礼の月として特に神聖視する。ヒジュラ暦。回教暦。回暦。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスランド‐ごけ【イスランド苔】
(True Iceland lichen)地衣類の一つ。地衣体は樹枝状で褐色から帯緑褐色、高さは約3〜10センチメートル。裂片の縁辺に黒色の突起を持つ。高山に産する。健胃剤とする。依蘭苔えいらんたい。アイスランド‐ゴケ。
いす・る【揺る・強請る】
〔他四〕
ユスルの訛。
い・する【医する】
〔他サ変〕[文]医す(サ変)
病気をなおす。いやす。「渇を―・する」
い・する【委する】ヰ‥
〔他サ変〕[文]委す(サ変)
①ゆだねる。まかせる。
②すてる。「泥土に―・する」
い・する【慰する】ヰ‥
〔他サ変〕[文]慰す(サ変)
なぐさめる。いたわりねぎらう。太平記26「憤りを―・する条」
い‐ずる【弋射】‥ヅル
(→)「いぐるみ」に同じ。
いず・る【譲る】イヅル
〔他四〕
ユズルの訛。
いずれ【何れ・孰れ】イヅレ
[一]〔代〕
これとかそれとか、はっきり定めず、または分からないままに、物事をさすのに使う語。どれ。どちら。拾遺和歌集恋「浜の真砂と我が恋と―まされり」。「―の案をとるか」
[二]〔副〕
事情・状態・時期などがどのようになるにせよ、の意を表す。
①何にしても。どのみち。狂言、石神「―この中は少し過ぎさうにござる」。「―うそはばれる」
②いつとは言えないが、近い将来。そのうちに。「―またうかがいます」
⇒いずれ‐おとらぬ【何れ劣らぬ】
⇒いずれ‐さま【何れ様】
⇒いずれ‐も【何れも】
⇒いずれ‐も‐さま【何れも様】
⇒何れ菖蒲か杜若
⇒何れか何れ
⇒何れともなし
⇒何れにしても
⇒いずし【出石】
いず‐しちとう【伊豆七島】‥ヅ‥タウ
伊豆半島南東方にある大島おおしま・利島としま・新島にいじま・神津島こうづじま・三宅島みやけじま・御蔵島みくらじま・八丈島はちじょうじまの7島。東京都に属する。各島黒潮につつまれ、近海は好漁場。椿油を産出。地下水に乏しく天水を利用する所もある。
神津島
提供:東京都
八丈島(八丈富士と八重根港)
提供:東京都
大島
提供:東京都
新島
提供:東京都
三宅島
提供:東京都
いずし‐やき【出石焼】イヅシ‥
兵庫県豊岡市出石町で作られる陶磁器。18世紀後半に陶器を焼き始め、寛政(1789〜1801)の頃より磁器を焼成。特に、1876年(明治9)設立の盈進えいしん社による白磁は、明治前期を代表する国産磁器の一つ。
⇒いずし【出石】
いすず‐がわ【五十鈴川】‥ガハ
三重県伊勢市を流れる川。神路山に発源し、皇大神宮の神域を流れて御手洗みたらし川となる清流。御裳濯川みもすそがわ。宇治川。(歌枕)
いすす・く
〔自四〕
そわそわする。驚き騒ぐ。あわてる。古事記中「をとめ驚きて立ち走り―・きき」
い‐すずくれ‐つき【い涼暮月】
(イは接頭語。涼しい暮れ方の月の意)陰暦6月の異称。
いすず‐の‐みや【五十鈴宮】
伊勢の皇大神宮(内宮)の別称。古事記上「さくくしろ―に拝いつき祭る」
いすずより‐ひめ【五十鈴依媛】
事代主命ことしろぬしのみことの娘。綏靖天皇の皇后、安寧天皇の母という。
いず‐せんりょう【伊豆千両】‥ヅ‥リヤウ
ヤブコウジ科の半蔓性常緑低木。東海以西、特に伊豆山神社に多いので命名。高さ約1メートル。葉は楕円形で、ややカシの葉に似る。夏、総状に多数の帯黄白色の小花を開き、白色の球形果を生ずる。ウバガネモチ。
イスタラビ【astrolabio ポルトガル・ スペイン】
⇒アストロラーベ1
イスタンブール【İstanbul】
トルコ北西部、ボスポラス海峡に臨む都市。アジアとヨーロッパの接点に当たり、ビザンチン文明の中心。東ローマ帝国・オスマン帝国の首都で、スレイマニエ‐モスクなどの歴史的なイスラム建築群は、世界遺産。人口955万7千(2003)。旧称、ビザンチウム・コンスタンティノポリス・コンスタンチノープル。
イスタンブール 聖ソフィア大聖堂
撮影:小松義夫
イスタンブール(1)
撮影:小松義夫
イスタンブール(2)
提供:NHK
イスタンブール
提供:NHK
いず‐ち【何方】イヅチ
〔代〕
(不定称指示)どちらの方角。どっち。万葉集5「―むきてか吾あが別るらむ」
いずて‐の‐ふね【伊豆手の船】‥ヅ‥
(→)「いずてぶね」に同じ。
いずて‐ぶね【伊豆手船】‥ヅ‥
古代、伊豆国で造った型の船。(一説に、五手船いつてぶねと解し、一手は櫓2梃で、10梃櫓の船のことという)万葉集20「防人さきもりの堀江漕ぎ出ずる―」
いすとり‐ゲーム【椅子取りゲーム】
人数よりも少ない数の椅子を多数の人が取り合うゲーム。並べた椅子の周囲を多くの人が回り、合図で一斉に座る時、席のなかった人が抜ける。順次椅子を減らして行き最後に残った人を勝ちとする。
いず‐の‐うみ【伊豆の海】‥ヅ‥
伊豆半島周辺の海域。(歌枕)金槐集「箱根路をわが越えくれば―や」
いずのおどりこ【伊豆の踊子】‥ヅ‥ヲドリ‥
小説。川端康成作。1926年(大正15)「文芸時代」に発表。「孤児根性」に悩む一高生が、伊豆の旅で無私な踊り子と出会い、救われる過程を描いた青春文学。
いす‐の‐き【柞・蚊母樹】
マンサク科の常緑高木。西南日本の山中に自生。庭樹としても栽培。高さ約15メートル。樹皮は灰白色、葉は長楕円形で厚い。4〜5月頃、深紅色の小花を穂状につける。葉に生ずる虫癭ちゅうえいは、タンニンを含み、染料に用いる。材は柱・机などに使用。イス。ユシノキ。ユス。ユスノキ。ヒョンノキ。→柞灰いすばい
いずのくに【伊豆の国】‥ヅ‥
静岡県東部、伊豆半島北部の市。イチゴ・トマトなどの栽培が盛ん。温泉などの観光資源も多い。人口5万。
いず‐の‐ちょうはち【伊豆長八】‥ヅ‥チヤウ‥
幕末・明治前期の左官。本名、入江長八。伊豆松崎生れ。漆喰による鏝絵こてえを制作。(1815〜1889)
いす‐ばい【柞灰】‥バヒ
イスノキの樹皮を焼いてつくった灰。磁器の釉うわぐすりの融剤に用いる。
イスパニア【Hispania スペイン】
⇒スペイン
いずはら【厳原】イヅ‥
長崎県対馬つしま市の地名。もと宗氏10万石の城下町。対馬の中心地。
いず‐はんとう【伊豆半島】‥ヅ‥タウ
静岡県東部、駿河湾と相模湾の間に突出する半島。火山・温泉が多く、観光・保養地として発展。富士箱根伊豆国立公園の一部。
イスファハン【Isfahān】
⇒エスファハン
いすぶ・る【揺振る】
〔他四〕
ユスブルの訛。
いず‐へ【何処】イヅヘ
〔代〕
(不定称指示)いずれのあたり。どのへん。どちら。万葉集19「―の山を鳴きか越ゆらむ」
イズベスチヤ【Izvestiya】
(通信の意)ソ連最高会議幹部会の発行した日刊の政府機関紙。1917年創刊。91年のソ連解体後は、政府も出資する株式会社に改組。
いずま【暇】イヅマ
(上代東国方言)いとま。ひま。万葉集20「わが妻も絵に描きとらむ―もが」
い‐ずまい【居住まい】ヰズマヒ
すわっている姿勢。枕草子56「高膝まづきといふ―に」。「―を正す」
イスマイル【Ismā‘īlīya アラビア】
イスラムの分派の一つ。シーア派に属する。10世紀初めにファーティマ朝を建設して最盛期を迎えるが、その後衰退。現在では、アーガー=ハーンを指導者として南アジアを中心に分布。
いず‐まめ【伊豆豆】‥ヅ‥
(和歌山県で)ソラマメ。
いず‐マリアナ‐こ【伊豆マリアナ弧】‥ヅ‥
(Izu-Mariana arc)伊豆諸島から小笠原諸島を経てマリアナ・ヤップ・パラオ海嶺にいたる弧状列島。フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込む境界にある。日本列島寄りの部分を伊豆‐小笠原弧とも呼ぶ。
いすみ
千葉県南東部の市。太平洋に面し、農業・漁業が中心。人口4万2千。
いず‐み【泉】イヅミ
(出水の意)
①地中から湧き出る水または湯。また、その場所。〈[季]夏〉。「清冽せいれつな―」
②比喩的に、湧いて出る源。「知恵の―」
⇒いずみ‐がわ【泉川】
⇒いずみ‐どの【泉殿】
⇒いずみ‐の‐した【泉の下】
⇒いずみ‐や【泉屋】
いずみ【泉】イヅミ
姓氏の一つ。
⇒いずみ‐きょうか【泉鏡花】
⇒いずみ‐じょう【泉城】
⇒いずみ‐ねつ【泉熱】
いずみ【出水】イヅミ
鹿児島県北西端、八代海に面する市。ツルの渡来で知られる。人口5万8千。
いずみ【和泉】イヅミ
①(「和泉」は713年(和銅6)の詔により2字にしたもので、「和」は読まない)旧国名。五畿の一つ。今の大阪府の南部。泉州。
②大阪府南西部の市。市域北西部の府中町は和泉国府に由来する。人口17万8千。
⇒いずみ‐いし【和泉石】
いずみ‐いし【和泉石】イヅミ‥
大阪府阪南市付近に産出する緑灰色の緻密な砂岩。土木・墓石用。
⇒いずみ【和泉】
いずみおおつ【泉大津】イヅミオホ‥
大阪府南西部、大阪湾岸の市。市名は和泉国府の外港であったことに由来する。毛織物生産の中心として工業都市化し、現在は堺・泉北工業地帯の一部。人口7万8千。
いずみ‐がわ【泉川】イヅミガハ
①泉が流れ出て川となっているもの。
②(寛政頃の力士泉川が慣用したという)相撲で、相手の一方の差し手を両手でかかえ、ねじるようにして攻めること。(地名別項)
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐がわ【泉川】イヅミガハ
京都府南部を流れる部分の木津川の古称。水泉郷いずみのごうの名による。(歌枕)
いずみ‐きょうか【泉鏡花】イヅミキヤウクワ
小説家。名は鏡太郎。金沢生れ。尾崎紅葉に師事。明治・大正・昭和を通じて独自の幻想文学を構築した。作「夜行巡査」「高野聖」「歌行灯」など。「婦系図おんなけいず」をはじめ、しばしば新派劇に上演。(1873〜1939)
泉鏡花
提供:毎日新聞社
→作品:『歌行燈』[歌行灯]
→作品:『高野聖』
⇒いずみ【泉】
いずみさの【泉佐野】イヅミ‥
大阪府南西部、大阪湾岸の市。北西の沖合に関西国際空港がある。人口9万9千。
いずみ‐しきぶ【和泉式部】イヅミ‥
平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。大江雅致まさむねの女むすめ。和泉守橘道貞の妻。小式部内侍の母。為尊親王・敦道親王の寵を受け、中宮彰子に仕え、再び藤原保昌に嫁すなど、情熱的な一生を送り、恋愛歌人として有名。「和泉式部日記」「和泉式部集」がある。生没年未詳。
→作品:『和泉式部日記』
⇒いずみしきぶ‐にっき【和泉式部日記】
いずみしきぶ‐にっき【和泉式部日記】イヅミ‥
一条天皇の長保5年(1003)4月から翌年正月までの、和泉式部の敦道親王との恋愛事件を書き記した日記。1巻。
→文献資料[和泉式部日記]
⇒いずみ‐しきぶ【和泉式部】
いずみ‐じょう【泉城】イヅミジヤウ
泉三郎忠衡ただひら(藤原泰衡の弟)の居城。岩手県平泉町平泉、中尊寺の西にあった。和泉城。
⇒いずみ【泉】
いずみ‐たくイヅミ‥
作曲家。本名、今泉隆雄。東京生れ。多数のCM曲のほか、代表作に「夜明けの歌」「恋の季節」、ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」。(1930〜1992)
いずみ‐どの【泉殿】イヅミ‥
①平安時代、泉の出るところに建てた邸宅の称。〈[季]夏〉。「六波羅―」
②室町時代、庭の泉水の上につき出した建築の称。「内裏の―」
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐ねつ【泉熱】イヅミ‥
猩紅しょうこう熱に似た発疹を伴う流行性熱病。1927年(昭和2)金沢地方に初めて流行。泉仙助(1888〜1979)が最初の報告者。異型猩紅熱。
⇒いずみ【泉】
いずみ‐の‐した【泉の下】イヅミ‥
冥土。よみの国。
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐や【泉屋】イヅミ‥
泉を取りこんだ建物。泉舎。泉廊。
⇒いず‐み【泉】
いずみ‐りゅう【和泉流】イヅミリウ
狂言の流派。慶長(1596〜1615)頃の山脇和泉が佐々木岳楽軒の伝統を受けて創始したと伝える。家元山脇家は尾張徳川家に仕えた。ほかに、野村又三郎家・三宅藤九郎家・野村万蔵家などがあり、それぞれに芸を伝承した。
イズミル【İzmir】
トルコ西部、エーゲ海に臨む古代ギリシア以来の港湾都市。人口230万(2003)。旧称、スミルナ。
イズム【ism】
(接尾語が名詞化したもの)主義。説。
いずめ
(飯詰か)
①保温用に飯櫃めしびつを入れる藁桶わらおけ。
②乳児を入れて育てる藁製のかご。いじこ。えじこ。えずこ。
⇒いずめ‐こ‐にんぎょう【いずめこ人形】
いずめ‐こ‐にんぎょう【いずめこ人形】‥ギヤウ
いずめに入っている幼児の人形。山形県の民芸品。いずめ人形。
⇒いずめ
いずも【出雲】イヅモ
①旧国名。今の島根県の東部。雲州。
②島根県北東部、出雲平野の中心にある市。室町時代以降市場町として発展。紡績・酒造などの工業が発達。人口14万6千。
⇒いずも‐ぐすり【出雲薬】
⇒いずも‐ぐつわ【出雲轡】
⇒いずも‐ごと【出雲琴】
⇒いずも‐じんじゃ【出雲神社】
⇒いずも‐たいしゃ【出雲大社】
⇒いずも‐でら【出雲寺】
⇒いずも‐の‐おおやしろ【出雲大社】
⇒いずも‐の‐おくに【出雲阿国】
⇒いずも‐の‐かみ【出雲の神】
⇒いずも‐の‐くにのみやつこ【出雲国造】
⇒いずも‐ぶし【出雲節】
⇒いずも‐ふどき【出雲風土記】
⇒いずも‐へいや【出雲平野】
⇒いずも‐むしろ【出雲筵】
⇒いずも‐やき【出雲焼】
イスモイル‐ソモニ【Ismoil Somoni】
中央アジア、タジキスタン共和国の高峰。標高7495メートル。1933年初登頂。旧称、スターリン峰・コムニズム。イスマイル‐サマニ。
イスモイルソモニ(1)
提供:オフィス史朗
イスモイルソモニ(2)
提供:オフィス史朗
い‐ずもう【居相撲】ヰズマフ
すわり相撲。
いずも‐ぐすり【出雲薬】イヅモ‥
江戸時代に出雲大社から製出された丸薬で、小児の疳かんの薬。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ぐつわ【出雲轡】イヅモ‥
出雲の鍛冶かじの作った轡。→十文字轡。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ごと【出雲琴】イヅモ‥
(→)八雲琴やくもごとの別称。
⇒いずも【出雲】
いずもざき【出雲崎】イヅモ‥
新潟県中部、三島さんとう郡の港町。かつて北国街道の宿駅で、佐渡往来の要港。また、良寛の生誕地。
いずも‐じんじゃ【出雲神社】イヅモ‥
京都府亀岡市千歳町にある元国幣中社。祭神は大国主命・三穂津姫命。今、出雲大神宮と称。丹波国一の宮。
出雲大神宮
撮影:的場 啓
⇒いずも【出雲】
いずも‐たいしゃ【出雲大社】イヅモ‥
島根県出雲市大社町杵築きづき東にある元官幣大社。祭神は大国主命。天之御中主神あまのみなかぬしのかみ・高皇産霊神たかみむすびのかみ・神皇産霊神かみむすびのかみ・宇麻志阿志軻備比古遅命うましあしかびひこじのみこと・天之常立神あまのとこたちのかみを配祀。社殿は大社造たいしゃづくりと称し、日本最古の神社建築の様式。出雲国一の宮。いずものおおやしろ。杵築大社。
出雲大社
撮影:山梨勝弘
⇒いずも【出雲】
いずも‐でら【出雲寺】イヅモ‥
毘沙門堂びしゃもんどうの寺号。
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐おおやしろ【出雲大社】イヅモ‥オホ‥
⇒いずもたいしゃ。
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐おくに【出雲阿国】イヅモ‥
阿国歌舞伎の創始者。歌舞伎芝居の祖。出雲大社の巫女みこと称していたが出身地は不詳。京都で念仏踊を興行して広く愛好され、歌舞伎踊にまで発展。没年は1613年(慶長18)以後。
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐かみ【出雲の神】イヅモ‥
①出雲大社の祭神、大国主命のこと。
②(毎年10月に全国の神々が出雲に集まり男女の縁を結ぶという俗伝から)男女の縁結びの神。誰身の秋「出替りや―の付落し」
⇒いずも【出雲】
いずも‐の‐くにのみやつこ【出雲国造】イヅモ‥
出雲の国を支配した豪族。律令制成立以後は大社の神官を世襲し、のち千家せんげ・北島の両家に分かれた。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ぶし【出雲節】イヅモ‥
出雲に発した民謡が、出雲舟唄として加賀・能登地方に伝わったもの。仙台節・安来節やすぎぶし・博多節の源流。
⇒いずも【出雲】
いずも‐ふどき【出雲風土記】イヅモ‥
古風土記の一つ。733年(天平5)成る。完全な形で伝わる唯一の古風土記。出雲国9郡の風土・物産・伝承などを述べる。記紀にみえない出雲地方の神話も含む。1巻。出雲国風土記。
→文献資料[出雲国風土記]
⇒いずも【出雲】
いずも‐へいや【出雲平野】イヅモ‥
島根県北東部、宍道しんじ湖西側の平野。斐伊ひい川が貫流。屋敷林をもつ散居集落で知られる。簸川ひのかわ平野。
⇒いずも【出雲】
いずも‐むしろ【出雲筵】イヅモ‥
出雲で産する筵。目が粗い。枕草子149「まことの―の畳」
⇒いずも【出雲】
いずも‐やき【出雲焼】イヅモ‥
出雲国(島根県)松江から産出する楽山らくざん焼と布志名ふじな焼との併称。また、出雲産の陶磁器の総称ともする。
⇒いずも【出雲】
いず‐ら【何ら】イヅラ
(ラは場所を漠然とさす接尾語)
[一]〔代〕
(不定称指示)どこ。どちら。万葉集15「家人の―とわれを問はばいかに言はむ」
[二]〔感〕
①(人を促すときの語)さあさあ。どうした。堤中納言物語「―今は中納言の君とのたまへば」
②(「―は」の形で)どこに行ったのか、どこにもないではないか。古今和歌集雑体「睦言むつごともまだ尽きなくに明けぬめり―は秋の長してふ夜は」
イスラーム【Islām アラビア】
⇒イスラム
イスラエル【Israel】
(yisrā'ēl ヘブライは「神が支配する」の意)
①旧約聖書に見えるヤコブとその後裔である十二部族の総称。パレスチナの南東方荒地に起こり、前千数百年頃エジプトに居住した人々で、モーセに導かれてエジプトを出、カナンの地に至り、前1012年頃サウルによってイスラエル王国を建設、前926年北のイスラエル王国と南のユダ王国とに分裂。イスラエルは前722年に、ユダは前586年に滅亡、バビロン捕囚の体験を経て、イスラエルの宗教はユダヤ教として発展。
②シオニズム運動の結果パレスチナに流入したユダヤ人が1948年イギリスの委任統治終了とともに建設した共和国。この国家の存在とパレスチナ国家建設の可否が、中東紛争の中で焦点となってきた。首都はエルサレム(国際的には未承認)。公用語はヘブライ語とアラビア語。面積2万1000平方キロメートル。人口555万(1995)。→西アジア(図)
イスラマバード【Islamabad】
(「イスラムの都」の意)パキスタン‐イスラム共和国の首都。同国北部にある。1961年建設を開始。人口52万9千(1998)。
イスラム【Islām アラビア】
(「神への服従・帰依」の意。正しくはイスラーム)
①(→)イスラム教に同じ。
②イスラム教に立脚する文明・文化・制度。
③イスラムの世界。イスラム教徒全体。
⇒イスラム‐きょう【イスラム教】
⇒イスラム‐ぎんこう【イスラム銀行】
⇒イスラム‐げんりしゅぎ【イスラム原理主義】
⇒イスラム‐しょこくかいぎ‐きこう【イスラム諸国会議機構】
⇒イスラム‐ていこく【イスラム帝国】
⇒イスラム‐ふっこう【イスラム復興】
⇒イスラム‐ほう【イスラム法】
⇒イスラム‐れき【イスラム暦】
イスラム‐きょう【イスラム教】‥ケウ
世界的大宗教の一つ。610〜632年頃、ムハンマドが創始、アラビア半島から東西に広がり、中東から西へは大西洋に至る北アフリカ、東へはイラン・インド・中央アジアから中国・東南アジア、南へはサハラ以南アフリカ諸国に、民族を超えて広がる。サウジ‐アラビア・イラン・エジプト・モロッコ・パキスタンなどでは国教となっている。ユダヤ教・キリスト教と同系の一神教で、唯一神アッラーと預言者ムハンマドを認めることを根本教義とする。聖典はコーラン。信仰行為は五行、信仰箇条は六信にまとめられる。その教えは、シャリーアとして体系化される。法学・神学上の違いから、スンニー派とシーア派とに大別される。中世には、オリエント文明やヘレニズム文化を吸収した独自の文明が成立、哲学・医学・天文学・数学・地理学などが発達し、近代ヨーロッパ文化の誕生にも寄与した。三大聖地はメッカ・メディナ・エルサレム。回教。マホメット教。→五行六信。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ぎんこう【イスラム銀行】‥カウ
(bank islāmi アラビア)利子を禁止するイスラム法に立脚する銀行。1960年代に試行され、70年代後半から中東や東南アジアのイスラム国で多く設立。固定利子の代りに変動的な利潤を預金者に還元する。無利子銀行。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐げんりしゅぎ【イスラム原理主義】
イスラムの原理を現代の社会、特に政治に適用しようとする急進主義。主にイスラム復興の過激派についていう。イスラム急進派。→イスラム復興→原理主義。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐しょこくかいぎ‐きこう【イスラム諸国会議機構】‥クワイ‥
(Organization of the Islamic Conference)イスラム国をメンバーとする国際機構。サウジ‐アラビア・モロッコの主導で1971年設立。イスラム諸国の連帯と協力の推進を目的とする。加盟国・地域は57(2006)。イスラム開発銀行などの専門機関を有する。本部ジェッダ。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ていこく【イスラム帝国】
イスラム教徒が建設した諸帝国。ムハンマド没後の正統カリフ時代に始まり、ウマイヤ朝を経てアッバース朝に至って極盛に達した。最後のオスマン帝国は1922年に滅亡。サラセン帝国。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ふっこう【イスラム復興】‥フク‥
20世紀半ばから顕在化したイスラム世界の宗教復興。イスラム法の再生をめざし、モスク建設や福祉活動をおこなう草の根型の復興運動や、イスラム原理主義とも呼ばれる急進的な政治運動がある。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐ほう【イスラム法】‥ハフ
(Sharī‘a アラビア)イスラムの法体系で、コーラン・スンナを基礎とし、法学者の法判断によって体系化を行なったもの。個人の内面的生活から社会や国家のあり方まで、人間生活の全局面を含む。シャリーア。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスラム‐れき【イスラム暦】
イスラム諸国で行われる陰暦。ムハンマドのメディナ聖遷(ヒジュラ)があった年(西暦622年)の第1月1日(西暦では同年の7月16日)を正月元日とする。1年(354日)を12カ月に分け、9月は断食(ラマダーン)、12月は巡礼の月として特に神聖視する。ヒジュラ暦。回教暦。回暦。
⇒イスラム【Islām アラビア】
イスランド‐ごけ【イスランド苔】
(True Iceland lichen)地衣類の一つ。地衣体は樹枝状で褐色から帯緑褐色、高さは約3〜10センチメートル。裂片の縁辺に黒色の突起を持つ。高山に産する。健胃剤とする。依蘭苔えいらんたい。アイスランド‐ゴケ。
いす・る【揺る・強請る】
〔他四〕
ユスルの訛。
い・する【医する】
〔他サ変〕[文]医す(サ変)
病気をなおす。いやす。「渇を―・する」
い・する【委する】ヰ‥
〔他サ変〕[文]委す(サ変)
①ゆだねる。まかせる。
②すてる。「泥土に―・する」
い・する【慰する】ヰ‥
〔他サ変〕[文]慰す(サ変)
なぐさめる。いたわりねぎらう。太平記26「憤りを―・する条」
い‐ずる【弋射】‥ヅル
(→)「いぐるみ」に同じ。
いず・る【譲る】イヅル
〔他四〕
ユズルの訛。
いずれ【何れ・孰れ】イヅレ
[一]〔代〕
これとかそれとか、はっきり定めず、または分からないままに、物事をさすのに使う語。どれ。どちら。拾遺和歌集恋「浜の真砂と我が恋と―まされり」。「―の案をとるか」
[二]〔副〕
事情・状態・時期などがどのようになるにせよ、の意を表す。
①何にしても。どのみち。狂言、石神「―この中は少し過ぎさうにござる」。「―うそはばれる」
②いつとは言えないが、近い将来。そのうちに。「―またうかがいます」
⇒いずれ‐おとらぬ【何れ劣らぬ】
⇒いずれ‐さま【何れ様】
⇒いずれ‐も【何れも】
⇒いずれ‐も‐さま【何れも様】
⇒何れ菖蒲か杜若
⇒何れか何れ
⇒何れともなし
⇒何れにしても
広辞苑 ページ 1059 での【○何処をはかりと】単語。