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ま‐さ【真砂】🔗⭐🔉
ま‐さ【真砂】
花崗岩の風化物。石英の粗い砂や鱗片状の雲母の結晶を含む土状物質。
ま‐さい【真鉏・真刀】‥サヒ🔗⭐🔉
ま‐さい【真鉏・真刀】‥サヒ
(マは接頭語)鋭い小刀。立派な刀。推古紀「太刀ならば呉くれの―」
マサイ【Maasai】🔗⭐🔉
マサイ【Maasai】
ケニア南部からタンザニア北部にかけて住む民族。パラ‐ナイル系のマー語に属するマサイ語を話す。イギリスの植民地時代に同じマー語を話す諸民族との違いが意識されるようになった。牛の牧畜を主な生業とする。
まさ・う【坐さふ】マサフ🔗⭐🔉
まさ・う【坐さふ】マサフ
〔自四〕
(マス(坐)に接尾語フの付いた語)おいでになる。いらっしゃる。後撰和歌集賀「けふそくをおさへて―・へ万世に花の盛りを心しづかに」
ま‐さお【真青】‥サヲ🔗⭐🔉
ま‐さお【真青】‥サヲ
真に青いこと。まっさお。発心集「此の人色―になりて」
まさおか【正岡】‥ヲカ🔗⭐🔉
まさおか【正岡】‥ヲカ
姓氏の一つ。
⇒まさおか‐しき【正岡子規】
まさおか【政岡】‥ヲカ🔗⭐🔉
まさおか【政岡】‥ヲカ
①歌舞伎「伽羅先代萩めいぼくせんだいはぎ」で、わが子を犠牲に御家安泰をはかる乳母。「実録先代萩」では浅岡。モデルは伊達綱宗の側室三沢初子だという。
②文化(1804〜1818)頃に行われた女髷。勝山かつやまを割って中に笄こうがいを通したもの。
まさおか‐しき【正岡子規】‥ヲカ‥🔗⭐🔉
まさおか‐しき【正岡子規】‥ヲカ‥
俳人・歌人。名は常規つねのり。別号は獺祭だっさい書屋主人、竹の里人。伊予(愛媛県)生れ。日本新聞社に入り、俳諧を研究。雑誌「ホトトギス」に拠って写生俳句・写生文を首唱、また歌論「歌よみに与ふる書」を発表して短歌革新を試み、新体詩・小説にも筆を染めた。その俳句を日本派、和歌を根岸派という。歌集「竹の里歌」、随筆「病牀六尺」、日記「仰臥漫録」など。(1867〜1902)→アララギ
正岡子規
提供:毎日新聞社
→作品:『歌よみに与ふる書』
→作品:『病牀六尺』
→作品:『墨汁一滴』
⇒まさおか【正岡】
→作品:『歌よみに与ふる書』
→作品:『病牀六尺』
→作品:『墨汁一滴』
⇒まさおか【正岡】
まさ‐か🔗⭐🔉
まさ‐か
[一]〔名〕
①目前の時。まのあたり。目のまえ。現在。現実。万葉集14「将来おくをな兼ねそ―し善かば」
②物事が目の前に迫っていること。緊急。浮世草子、忠孝永代記「これ血気の勇にして、しかも―の役に立たず」。「―の場合」
[二]〔副〕
①(下に打消・反語などの語を伴って予期しない仮定を表す)よもや。いくらなんでも。歌舞伎、幼稚子敵討おさなごのかたきうち「是でなければ―人は斬れぬ」。「―負けるとは思わなかった」
②まさしく。本当に。はっきりと。南総里見八犬伝75「深さ六七尺に過ぎざれば、なきがら―に見えてけり」
⇒まさかの時
ま‐さかき【真榊・真賢木】🔗⭐🔉
ま‐さかき【真榊・真賢木】
(マは接頭語)榊さかきの美称。太玉串ふとたまぐしとして神に奉り、また、神籬ひもろぎとして神の憑代よりしろとすることもある。神代紀上「天香山あまのかぐやまの五百箇いおつの―を掘ねこじにこじて」
ま‐さかさま【真逆さま】🔗⭐🔉
ま‐さかさま【真逆さま】
全くのさかさま。まっさかさま。
まさかど【将門】🔗⭐🔉
まさかど【将門】
①⇒たいらのまさかど(平将門)。
②歌舞伎舞踊。常磐津。本名題「忍夜恋曲者しのびよるこいはくせもの」。宝田寿助作詞。5世岸沢式佐作曲。1836年(天保7)初演。大宅おおや光国を、将門の娘の滝夜叉姫が色仕掛で味方にしようとするが、失敗する筋。
⇒まさかど‐き【将門記】
まさかど‐き【将門記】🔗⭐🔉
○まさかの時まさかのとき🔗⭐🔉
○まさかの時まさかのとき
万一の場合。浮世草子、日本新永代蔵「是―に我が子に厄介をかけまじき謀り事と存ずる故」
⇒まさ‐か
まさかり【鉞】
①斧おのに似た大形の道具。おもに木を伐るのに用い、また、古代には兵器・刑具にも用いた。〈日本霊異記上訓釈〉
鉞
提供:竹中大工道具館
②紋所の名。鉞にかたどったもの。
③歌舞伎の鬘かつらで、髷まげを鉞形にしたもの。
ま‐さかり【真盛り】
もっともさかりであること。また、ちょうどその時であること。まっさいちゅう。まっさかり。〈神代紀上訓注〉
ま‐さき【真先】
一番さき。まっさき。
ま‐さき【真拆】
(→)「まさきずら」に同じ。
⇒まさき‐ずら【真拆葛】
⇒まさき‐の‐かずら【真拆の葛】
まさき【真崎】
姓氏の一つ。
⇒まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】
まさ‐き【柾・正木】
ニシキギ科の常緑低木。各地の海岸に自生。高さ約2メートル。6〜7月頃、葉のつけ根に緑白色の小花を多数つける。扁球形の蒴果さくかは、熟すと裂開して赤い種子が現れる。庭木や生垣とする。栽培品種は斑入り葉のものが多い。〈温故知新書〉
まさき
マサキ(花)
撮影:関戸 勇
まさき【正木】
姓氏の一つ。
⇒まさき‐ひろし【正木ひろし】
⇒まさき‐りゅう【正木流】
ま‐さきく【真幸く】
〔副〕
(マは接頭語)「さきく」に同じ。万葉集3「わが命し―あらばまたも見む」
まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】‥ラウ
軍人。陸軍大将。佐賀県生れ。教育総監。皇道派の中心と目され、二‐二六事件関係者として起訴されたが無罪。(1876〜1956)
⇒まさき【真崎】
まさき‐ずら【真拆葛】‥ヅラ
テイカカズラの古名。継体紀「―たたき交あざはり」
⇒ま‐さき【真拆】
まさき‐の‐かずら【真拆の葛】‥カヅラ
テイカカズラの古名。一説にツルマサキの古称。上代、神事に用いた。古今和歌集神遊歌「外山なる―色づきにけり」
⇒ま‐さき【真拆】
まさき‐ひろし【正木ひろし】
弁護士。本名、
ひろし。東京生れ。東大卒。1937年(昭和12)個人誌「近きより」で軍国主義を糾弾。第二次大戦後も菅生事件・八海事件などの冤罪事件で権力犯罪を告発。(1896〜1975)
⇒まさき【正木】
まさきよ【正清】
江戸中期の薩摩の刀工。初名、清盈。通称、宮原清右衛門。1721年(享保6)玉置安代やすよと共に江戸芝の浜御殿で刀を鍛え、茎なかごに葵紋を切ることを許され、主水正もんどのしょうに任。その作に往々一葉葵を刻する。(1670〜1730)
まさき‐りゅう【正木流】‥リウ
薙刀なぎなたの流派。信田一円斎重次の門人、大垣藩士正木段之進俊光(1689〜1776)の創始と伝える。
⇒まさき【正木】
まさぐり‐もの【弄り物】
もてあそびもの。なぐさみもの。源氏物語蓬生「時々の―にし給ふ」
ま‐さぐ・る【弄る】
〔他五〕
①もてあそぶ。いじる。落窪物語2「火桶に押しかかりて、灰―・りてゐ給へる」
②指先などでさがし求める。「ポケットを―・る」
ま‐さご【真砂】
こまかい砂。まなご。いさご。真砂子。狭衣物語4「庭の―の」
⇒まさご‐じ【真砂路】
まさご‐じ【真砂路】‥ヂ
真砂の中の路。真砂を敷きつめた道。風雅和歌集雑「唐崎やかすかに見ゆる―にまがふ色なき一もとの松」
⇒ま‐さご【真砂】
マザ‐コン
マザー‐コンプレックスの略。
まさ‐ざま【勝様・正様】
まさったさま。すぐれたさま。まさりざま。大鏡時平「これは文集の白居易の…といふ詩に―に作らせ給へりとこそ」
まさ‐ざま【増様】
一層増加していくさま。一段と甚だしくなるさま。方丈記「あまりさへ疫癘うちそひて―にあとかたなし」
まさ・し【正し】
〔形シク〕
①ただしい。本当である。古今和歌集恋「心のうらぞ―・しかりける」
②確かである。明瞭である。類聚名義抄「当、マサシ」
③(連用形を副詞的に用いて)確実に。確かに。徒然草「いつとは思ひ出でねど―・しく有りし心地するは」。謡曲、隅田川「―・しくわが子の声にて候」。「―・しく合格通知だ」
ま‐さ・し【真狭し】
〔形ク〕
(マは接頭語)せまい。せし。さし。神武紀「内木綿うつゆうの―・き国と雖も」
まさしく【正しく】
⇒まさし(正し)3
まさしげ‐りゅう【正成流】‥リウ
軍学の流儀の一つ。太平記で著名な楠木正成の兵法に仮託したもの。楠木流。
まざし‐なえ【間挿し苗】‥ナヘ
補植用の稲苗。田植の際、畦側の所々に一握りほどずつまとめて植えて置く。据え苗。手苗。
まさし‐に【正しに】
〔副〕
間違いなく。確かに。万葉集2「大船の津守が占うらに告のらむとは―知りてわが二人宿ねし」
まさず‐こ【美児】マサヅ‥
美しい娘、または、いとしい娘の意か。古事記下「くろざやの―吾妹わぎも国へ下らす」
マサチューセッツ【Massachusetts】
アメリカ合衆国北東部、ニュー‐イングランドの州。独立13州の一つ。州都ボストン。→アメリカ合衆国(図)。
⇒マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】
マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】‥クワ‥
(Massachusetts Institute of Technology)アメリカの私立大学の一つ。1861年同州ケンブリッジに創設(65年開校)。工学分野の研究・教育で著名。1930年以降、理学にも重点をおく。現在は人文・社会科学系学部も持つ総合大学。MIT
⇒マサチューセッツ【Massachusetts】
ま‐さつ【摩擦】
①こすり合わせること。すれあうこと。「乾布―」
②〔理〕(friction)接触している2物体が相対的に運動し、または運動し始めるとき、その接触面で運動を妨げようとする向きに力の働く現象、またはその力。液体や固体内部でも似た現象があり、これを粘性または内部摩擦という。
③人々の間に起こる不一致や不和。「貿易―」
⇒まさつ‐おん【摩擦音】
⇒まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】
⇒まさつ‐ぐるま【摩擦車】
⇒まさつ‐けいすう【摩擦係数】
⇒まさつ‐そんしつ【摩擦損失】
⇒まさつ‐つぎて【摩擦継手】
⇒まさつ‐ていこう【摩擦抵抗】
⇒まさつてき‐しつぎょう【摩擦的失業】
⇒まさつ‐でんき【摩擦電気】
⇒まさつ‐ブレーキ【摩擦ブレーキ】
⇒まさつ‐りょく【摩擦力】
まさつ‐おん【摩擦音】
〔言〕(fricative)口腔内の発音器官が狭めを作り、息がそこを通過する際に発せられる子音。〔f〕〔v〕〔s〕〔z〕など。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】
(friction clutch)摩擦を利用して回転運動を断続させる装置。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐ぐるま【摩擦車】
車輪の表面の摩擦によって一つの車輪から他の車輪に回転を伝え、動力を伝達する装置。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐けいすう【摩擦係数】
二つの物体が相接して運動し、または運動しようとする時、両面間に生ずる摩擦力と接触面に直角に作用する力との比。静止摩擦と動摩擦とでは大きさが異なり、また、両物質の種類・接触面の状態によっても異なる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐そんしつ【摩擦損失】
摩擦によって失われるエネルギーの総称。相互に運動する固体の間には必ず摩擦損失があり、液体・気体などが固体に接触して流れる場合にも種々の損失がある。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさ‐つち【正土】
①床の間の壁などに塗る上等の土。床土とこつち。
②田畑の表土の下にある土。
マザッチオ【Tommaso Guidi Masaccio】
イタリアの画家。フィレンツェ派。量感ある写実描写、光や空間に対する新しい感覚をもって制作、ルネサンスへの第一歩をふみだした。作はフィレンツェにあるサンタ‐マリア‐デル‐カルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂の壁画など。マサッチョ。(1401〜1428)
まさつ‐つぎて【摩擦継手】
接触面における摩擦によって動力を伝達する継手。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐ていこう【摩擦抵抗】‥カウ
流れの中にある物体表面に働く摩擦応力の合力として現れる抵抗。流体が粘性を有するために生じる。粘性抵抗。→圧力抵抗。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつてき‐しつぎょう【摩擦的失業】‥ゲフ
需要や技術の変化に対応する産業・職種間の労働移動が不完全なために生ずる失業。→自然失業率。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐でんき【摩擦電気】
異なる物質同士の摩擦によって生じる電気。ガラスと絹とではガラスに正電気、絹に負電気を生じる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつね【正恒】
平安中期の備前の刀工。古備前刀工中の逸才。佐々木高綱が宇治川を渡る時に正恒の作刀を佩おびて水底の縄を切ったと伝え、縄切り正恒という。
まさつね【政常】
江戸初期の刀工。美濃の人。相模守。名古屋に住み、氏房・信高と並んで尾張三作と呼ばれ、関せきの作風を伝えて尾張関ともいう。(1536〜1619)
まさつ‐ブレーキ【摩擦ブレーキ】
(friction brake)制動機の一種。摩擦を利用して制動するものの総称。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐りょく【摩擦力】
物体が他の物体に接して運動を始めようとする時(静止摩擦)、また運動をしている時(動摩擦)、両面間に働いて運動を阻止しようとする力。その大きさは面の固さ・粗さなどによって決まる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさで‐に【正でに】
〔副〕
ありのままに。真実に。たしかに。万葉集14「―も告のらぬ君が名占うらに出にけり」
まさ‐な【正無】
(マサナシの語幹)よくないこと。枕草子9「あな―や。入り給へと呼ぶに」
⇒まさな‐ごと【正無事】
まさな‐ごと【正無事】
たわむれにしたこと。じょうだんごと。徒然草「―せさせ給ひしを忘れ給はで」
⇒まさ‐な【正無】
まさ‐な・し【正無し】
〔形ク〕
①よろしくない。不都合である。竹取物語「声高になのたまひそ、屋の上にをる人どもの聞くに、いと―・し」
②尋常でない。大鏡道兼「いとあさましう―・うあしくぞおはせし」
③見苦しい。卑怯である。平家物語8「いかに妹尾殿、―・うも敵に後をば見するものかな」
まさ‐に【正に】
〔副〕
①間違いなく。たしかに。まさしく。源氏物語夕顔「『―長き夜』とうち誦ずんじて、臥し給へり」。今昔物語集11「―生ひけむ世も知らず古き大きなる槻つきのき有り」。「―名優だ」「―その通り」「芳紀―18歳」
②(「将に」とも書く)ちょうど今。今にも。白氏文集鎌倉期点「命は葉の薄きが如し。将マサニ奈何いかがせむとする」。「―列車は発車しようとしていた」
③(下に反語を用いる)どうして。伊勢物語「今の翁―死なむや」
④(下に「べし」を伴う。「当に」とも書く)当然。…するのが正当である。法華文句平安後期点「我、当マサニ忍を修すべし」
ま‐さば【真鯖】
サバ科の海産の硬骨魚。体は紡錘形、背部に特有の斑紋がある。回遊魚で、秋にとれたものを特に秋鯖と称し、美味。東京付近では普通、サバと呼ぶ。ホンサバ。ヒラサバ。
まさひで【正秀】
江戸後期の刀工、川部儀八郎の名。水心子と号。出羽の人。武蔵の宮川吉英に鍛法を学び、江戸に出て一家をなし、銘を正日出・正日天とも切る。正秀以降の、古刀の鍛法による復古刀を新新刀という。著「刀剣実用論」「剣工秘伝志」「鍛錬玉函」など。(1750〜1825)
まさ‐ぶき【柾葺き】
杮板こけらいたの厚い方を下にし、羽重ねにして屋根を葺くこと。また、その屋根。こけらぶき。こばぶき。
まさ‐ほん【麻沙本】
(麻沙は中国福建省建陽市の地名。宋代から刻版・製本がこの地に盛んだったが、誤刻も少なくなかったことから)本文に誤りがあって不正確な本、または不善本の称。建陽本。建本。
まざ‐まざ
〔副〕
①ありありと目の前に見えるさま。また、そのように思いうかべるさま。はっきり。ありあり。「―と思い出す」「―と見せつける」
②見えすいているさま。ぬけぬけ。本朝二十不孝「知れてある年を―と五つ隠されし」
③(良くない)事の起こるのが見えているのに何もできないでいるさま。むざむざ。武道伝来記「―と水を飲んでは死なぬものをと悔む」
まざ‐まざし・い
〔形〕
①目に見えるようなさまである。浄瑠璃、薩摩歌「手枕して寝るとも思はぬその間に―・い夢を見ました」
②まことらしいふりをしている。しらじらしい。狂言、牛盗人「あの―・い面を見よ」
まさむね【正宗】
①鎌倉後期の刀工、岡崎正宗のこと。名は五郎。初代行光の子という。鎌倉に住み、古刀の秘伝を調べて、ついに相州伝の一派を開き、無比の名匠と称せられた。義弘・兼光らはその弟子という。三作の一人。
②1の鍛えた刀。転じて、名刀。
③酒の銘。天保年間、灘なだの山邑氏が名づけたのに始まるという。転じて、日本酒の俗称。
まさむね【正宗】
姓氏の一つ。
⇒まさむね‐はくちょう【正宗白鳥】
まさむね‐はくちょう【正宗白鳥】‥テウ
小説家・劇作家・評論家。本名、忠夫。岡山県生れ。東京専門学校卒。生え抜きの自然主義者として、懐疑的な人生観に基づく独自の作風を守った。大正期以降は戯曲も書き、辛辣率直な批評でも知られる。小説「何処へ」「微光」「入江のほとり」、戯曲「安土の春」、評論「作家論」など。文化勲章。(1879〜1962)
正宗白鳥
撮影:石井幸之助
⇒まさむね【正宗】
まさ‐め【正目・柾目】
①幹の中心を通って縦断した面。透心縦断面。また、その材木。縦にまっすぐに通った木目もくめのあるもの。まさ。〈名語記6〉。「―の下駄」↔板目。
②1のような刀の地肌。
⇒まさめ‐がみ【正目紙】
まさ‐め【正眼・正目】
①まのあたり。仏足石歌「善き人の―に見けむ」
②正しい見方。公平な判断。「他人の―」
まさめ‐がみ【正目紙】
①(漉目すきめが正しいからいう)奉書紙の別名。多く錦絵・千代紙を刷るのに用いる。
②桐・杉などの木材を正目に薄く紙のように鉋削りにしたもの。箱類の上貼りなどに用いる。
⇒まさ‐め【正目・柾目】
ま‐さやか【真明・真清】
(マは接頭語)明らかなさま。澄んでいるさま。万葉集20「色深く背なが衣は染めましを御坂たばらば―に見む」
まさ‐ゆめ【正夢】
夢に見た通りのことが現実となる夢。↔逆夢さかゆめ
マザラン【Jules Mazarin】
フランスの枢機卿・政治家。イタリア生れ。リシュリューの死後、宰相となり、フロンドの乱を鎮定、ブルボン王朝の権勢伸張に努め、フランス絶対王政を確立。(1602〜1661)
まさり【優り・勝り】
まさること。
⇒まさり‐おとり【優り劣り】
⇒まさり‐がお【勝り顔・優り顔】
⇒まさり‐ぐさ【優り草・勝り草】
⇒まさり‐ざま【勝り様】
⇒まさり‐みず【勝り水】
まさり‐おとり【優り劣り】
まさることとおとること。
⇒まさり【優り・勝り】
まさり‐がお【勝り顔・優り顔】‥ガホ
自分の方がまさっていると思う顔つき。得意顔。宇津保物語国譲上「あな―や」
⇒まさり【優り・勝り】
マサリク【Jan Garrigue Masaryk】
チェコ‐スロヴァキアの外交官・政治家。T.G.マサリクの子。1940年在ロンドン亡命政府外相。45年帰国後も外相。48年2月の政変後、自殺。(1886〜1948)
マサリク【Tomáš Garrigue Masaryk】
チェコ‐スロヴァキアの哲学者・政治家。カレル大学教授。民族独立運動を指導、共和国成立と共に初代大統領(1918〜1935)。小協商を提唱。(1850〜1937)
まさり‐ぐさ【優り草・勝り草】
菊の異称。
⇒まさり【優り・勝り】
まさり‐ざま【勝り様】
他に比してまさっているさま。すぐれたさま。まさざま。源氏物語藤裏葉「およすげたるかたは、父おとどにも―にこそあめれ」
⇒まさり【優り・勝り】
まさり‐みず【勝り水】‥ミヅ
降雨などで、川・池などが水量を増すこと。また、その水。ましみず。
⇒まさり【優り・勝り】
まざり‐もの【雑り物】
まざったもの。まじりもの。夾雑物。
マザリング【mothering】
母親が乳児にほどこす愛情ある接触行動。これが欠けると子供の発達に影響があるとされる。母親業。
ま‐さる【真猿】
(マは接頭語)猿。永久百首「三度てふ声だにきけばよそ人に物思ひ―音をぞなくなる」
まさ・る
〔自五〕
(石川県加賀地方で)動詞に付いて、尊敬の意を表す。「食べ―・る」
まさ・る【増さる】
〔自五〕
多くなる。増して行く。ふえる。源氏物語早蕨「悲しう口惜しきことぞいとど―・りける」。天草本平家物語「をりふし五月雨の頃で、水かさはるかに―・つてござるほどに」。「日毎に悲しみが―・る」
まさ・る【優る・勝る】
〔自五〕
(「増さる」の転義)比較してすぐれる。上である。ひいでる。万葉集5「―・れる宝子にしかめやも」。平家物語9「景季がたまはつたる摺墨するすみに―・る馬こそなかりけれ」。「聞きしに―・る」
⇒勝るとも劣らない
まざ・る【交ざる・混ざる・雑ざる】
〔自五〕
他のものがいっしょになる。入りまじる。「米に麦が―・る」
②紋所の名。鉞にかたどったもの。
③歌舞伎の鬘かつらで、髷まげを鉞形にしたもの。
ま‐さかり【真盛り】
もっともさかりであること。また、ちょうどその時であること。まっさいちゅう。まっさかり。〈神代紀上訓注〉
ま‐さき【真先】
一番さき。まっさき。
ま‐さき【真拆】
(→)「まさきずら」に同じ。
⇒まさき‐ずら【真拆葛】
⇒まさき‐の‐かずら【真拆の葛】
まさき【真崎】
姓氏の一つ。
⇒まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】
まさ‐き【柾・正木】
ニシキギ科の常緑低木。各地の海岸に自生。高さ約2メートル。6〜7月頃、葉のつけ根に緑白色の小花を多数つける。扁球形の蒴果さくかは、熟すと裂開して赤い種子が現れる。庭木や生垣とする。栽培品種は斑入り葉のものが多い。〈温故知新書〉
まさき
マサキ(花)
撮影:関戸 勇
まさき【正木】
姓氏の一つ。
⇒まさき‐ひろし【正木ひろし】
⇒まさき‐りゅう【正木流】
ま‐さきく【真幸く】
〔副〕
(マは接頭語)「さきく」に同じ。万葉集3「わが命し―あらばまたも見む」
まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】‥ラウ
軍人。陸軍大将。佐賀県生れ。教育総監。皇道派の中心と目され、二‐二六事件関係者として起訴されたが無罪。(1876〜1956)
⇒まさき【真崎】
まさき‐ずら【真拆葛】‥ヅラ
テイカカズラの古名。継体紀「―たたき交あざはり」
⇒ま‐さき【真拆】
まさき‐の‐かずら【真拆の葛】‥カヅラ
テイカカズラの古名。一説にツルマサキの古称。上代、神事に用いた。古今和歌集神遊歌「外山なる―色づきにけり」
⇒ま‐さき【真拆】
まさき‐ひろし【正木ひろし】
弁護士。本名、
ひろし。東京生れ。東大卒。1937年(昭和12)個人誌「近きより」で軍国主義を糾弾。第二次大戦後も菅生事件・八海事件などの冤罪事件で権力犯罪を告発。(1896〜1975)
⇒まさき【正木】
まさきよ【正清】
江戸中期の薩摩の刀工。初名、清盈。通称、宮原清右衛門。1721年(享保6)玉置安代やすよと共に江戸芝の浜御殿で刀を鍛え、茎なかごに葵紋を切ることを許され、主水正もんどのしょうに任。その作に往々一葉葵を刻する。(1670〜1730)
まさき‐りゅう【正木流】‥リウ
薙刀なぎなたの流派。信田一円斎重次の門人、大垣藩士正木段之進俊光(1689〜1776)の創始と伝える。
⇒まさき【正木】
まさぐり‐もの【弄り物】
もてあそびもの。なぐさみもの。源氏物語蓬生「時々の―にし給ふ」
ま‐さぐ・る【弄る】
〔他五〕
①もてあそぶ。いじる。落窪物語2「火桶に押しかかりて、灰―・りてゐ給へる」
②指先などでさがし求める。「ポケットを―・る」
ま‐さご【真砂】
こまかい砂。まなご。いさご。真砂子。狭衣物語4「庭の―の」
⇒まさご‐じ【真砂路】
まさご‐じ【真砂路】‥ヂ
真砂の中の路。真砂を敷きつめた道。風雅和歌集雑「唐崎やかすかに見ゆる―にまがふ色なき一もとの松」
⇒ま‐さご【真砂】
マザ‐コン
マザー‐コンプレックスの略。
まさ‐ざま【勝様・正様】
まさったさま。すぐれたさま。まさりざま。大鏡時平「これは文集の白居易の…といふ詩に―に作らせ給へりとこそ」
まさ‐ざま【増様】
一層増加していくさま。一段と甚だしくなるさま。方丈記「あまりさへ疫癘うちそひて―にあとかたなし」
まさ・し【正し】
〔形シク〕
①ただしい。本当である。古今和歌集恋「心のうらぞ―・しかりける」
②確かである。明瞭である。類聚名義抄「当、マサシ」
③(連用形を副詞的に用いて)確実に。確かに。徒然草「いつとは思ひ出でねど―・しく有りし心地するは」。謡曲、隅田川「―・しくわが子の声にて候」。「―・しく合格通知だ」
ま‐さ・し【真狭し】
〔形ク〕
(マは接頭語)せまい。せし。さし。神武紀「内木綿うつゆうの―・き国と雖も」
まさしく【正しく】
⇒まさし(正し)3
まさしげ‐りゅう【正成流】‥リウ
軍学の流儀の一つ。太平記で著名な楠木正成の兵法に仮託したもの。楠木流。
まざし‐なえ【間挿し苗】‥ナヘ
補植用の稲苗。田植の際、畦側の所々に一握りほどずつまとめて植えて置く。据え苗。手苗。
まさし‐に【正しに】
〔副〕
間違いなく。確かに。万葉集2「大船の津守が占うらに告のらむとは―知りてわが二人宿ねし」
まさず‐こ【美児】マサヅ‥
美しい娘、または、いとしい娘の意か。古事記下「くろざやの―吾妹わぎも国へ下らす」
マサチューセッツ【Massachusetts】
アメリカ合衆国北東部、ニュー‐イングランドの州。独立13州の一つ。州都ボストン。→アメリカ合衆国(図)。
⇒マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】
マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】‥クワ‥
(Massachusetts Institute of Technology)アメリカの私立大学の一つ。1861年同州ケンブリッジに創設(65年開校)。工学分野の研究・教育で著名。1930年以降、理学にも重点をおく。現在は人文・社会科学系学部も持つ総合大学。MIT
⇒マサチューセッツ【Massachusetts】
ま‐さつ【摩擦】
①こすり合わせること。すれあうこと。「乾布―」
②〔理〕(friction)接触している2物体が相対的に運動し、または運動し始めるとき、その接触面で運動を妨げようとする向きに力の働く現象、またはその力。液体や固体内部でも似た現象があり、これを粘性または内部摩擦という。
③人々の間に起こる不一致や不和。「貿易―」
⇒まさつ‐おん【摩擦音】
⇒まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】
⇒まさつ‐ぐるま【摩擦車】
⇒まさつ‐けいすう【摩擦係数】
⇒まさつ‐そんしつ【摩擦損失】
⇒まさつ‐つぎて【摩擦継手】
⇒まさつ‐ていこう【摩擦抵抗】
⇒まさつてき‐しつぎょう【摩擦的失業】
⇒まさつ‐でんき【摩擦電気】
⇒まさつ‐ブレーキ【摩擦ブレーキ】
⇒まさつ‐りょく【摩擦力】
まさつ‐おん【摩擦音】
〔言〕(fricative)口腔内の発音器官が狭めを作り、息がそこを通過する際に発せられる子音。〔f〕〔v〕〔s〕〔z〕など。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】
(friction clutch)摩擦を利用して回転運動を断続させる装置。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐ぐるま【摩擦車】
車輪の表面の摩擦によって一つの車輪から他の車輪に回転を伝え、動力を伝達する装置。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐けいすう【摩擦係数】
二つの物体が相接して運動し、または運動しようとする時、両面間に生ずる摩擦力と接触面に直角に作用する力との比。静止摩擦と動摩擦とでは大きさが異なり、また、両物質の種類・接触面の状態によっても異なる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐そんしつ【摩擦損失】
摩擦によって失われるエネルギーの総称。相互に運動する固体の間には必ず摩擦損失があり、液体・気体などが固体に接触して流れる場合にも種々の損失がある。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさ‐つち【正土】
①床の間の壁などに塗る上等の土。床土とこつち。
②田畑の表土の下にある土。
マザッチオ【Tommaso Guidi Masaccio】
イタリアの画家。フィレンツェ派。量感ある写実描写、光や空間に対する新しい感覚をもって制作、ルネサンスへの第一歩をふみだした。作はフィレンツェにあるサンタ‐マリア‐デル‐カルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂の壁画など。マサッチョ。(1401〜1428)
まさつ‐つぎて【摩擦継手】
接触面における摩擦によって動力を伝達する継手。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐ていこう【摩擦抵抗】‥カウ
流れの中にある物体表面に働く摩擦応力の合力として現れる抵抗。流体が粘性を有するために生じる。粘性抵抗。→圧力抵抗。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつてき‐しつぎょう【摩擦的失業】‥ゲフ
需要や技術の変化に対応する産業・職種間の労働移動が不完全なために生ずる失業。→自然失業率。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐でんき【摩擦電気】
異なる物質同士の摩擦によって生じる電気。ガラスと絹とではガラスに正電気、絹に負電気を生じる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつね【正恒】
平安中期の備前の刀工。古備前刀工中の逸才。佐々木高綱が宇治川を渡る時に正恒の作刀を佩おびて水底の縄を切ったと伝え、縄切り正恒という。
まさつね【政常】
江戸初期の刀工。美濃の人。相模守。名古屋に住み、氏房・信高と並んで尾張三作と呼ばれ、関せきの作風を伝えて尾張関ともいう。(1536〜1619)
まさつ‐ブレーキ【摩擦ブレーキ】
(friction brake)制動機の一種。摩擦を利用して制動するものの総称。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐りょく【摩擦力】
物体が他の物体に接して運動を始めようとする時(静止摩擦)、また運動をしている時(動摩擦)、両面間に働いて運動を阻止しようとする力。その大きさは面の固さ・粗さなどによって決まる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさで‐に【正でに】
〔副〕
ありのままに。真実に。たしかに。万葉集14「―も告のらぬ君が名占うらに出にけり」
まさ‐な【正無】
(マサナシの語幹)よくないこと。枕草子9「あな―や。入り給へと呼ぶに」
⇒まさな‐ごと【正無事】
まさな‐ごと【正無事】
たわむれにしたこと。じょうだんごと。徒然草「―せさせ給ひしを忘れ給はで」
⇒まさ‐な【正無】
まさ‐な・し【正無し】
〔形ク〕
①よろしくない。不都合である。竹取物語「声高になのたまひそ、屋の上にをる人どもの聞くに、いと―・し」
②尋常でない。大鏡道兼「いとあさましう―・うあしくぞおはせし」
③見苦しい。卑怯である。平家物語8「いかに妹尾殿、―・うも敵に後をば見するものかな」
まさ‐に【正に】
〔副〕
①間違いなく。たしかに。まさしく。源氏物語夕顔「『―長き夜』とうち誦ずんじて、臥し給へり」。今昔物語集11「―生ひけむ世も知らず古き大きなる槻つきのき有り」。「―名優だ」「―その通り」「芳紀―18歳」
②(「将に」とも書く)ちょうど今。今にも。白氏文集鎌倉期点「命は葉の薄きが如し。将マサニ奈何いかがせむとする」。「―列車は発車しようとしていた」
③(下に反語を用いる)どうして。伊勢物語「今の翁―死なむや」
④(下に「べし」を伴う。「当に」とも書く)当然。…するのが正当である。法華文句平安後期点「我、当マサニ忍を修すべし」
ま‐さば【真鯖】
サバ科の海産の硬骨魚。体は紡錘形、背部に特有の斑紋がある。回遊魚で、秋にとれたものを特に秋鯖と称し、美味。東京付近では普通、サバと呼ぶ。ホンサバ。ヒラサバ。
まさひで【正秀】
江戸後期の刀工、川部儀八郎の名。水心子と号。出羽の人。武蔵の宮川吉英に鍛法を学び、江戸に出て一家をなし、銘を正日出・正日天とも切る。正秀以降の、古刀の鍛法による復古刀を新新刀という。著「刀剣実用論」「剣工秘伝志」「鍛錬玉函」など。(1750〜1825)
まさ‐ぶき【柾葺き】
杮板こけらいたの厚い方を下にし、羽重ねにして屋根を葺くこと。また、その屋根。こけらぶき。こばぶき。
まさ‐ほん【麻沙本】
(麻沙は中国福建省建陽市の地名。宋代から刻版・製本がこの地に盛んだったが、誤刻も少なくなかったことから)本文に誤りがあって不正確な本、または不善本の称。建陽本。建本。
まざ‐まざ
〔副〕
①ありありと目の前に見えるさま。また、そのように思いうかべるさま。はっきり。ありあり。「―と思い出す」「―と見せつける」
②見えすいているさま。ぬけぬけ。本朝二十不孝「知れてある年を―と五つ隠されし」
③(良くない)事の起こるのが見えているのに何もできないでいるさま。むざむざ。武道伝来記「―と水を飲んでは死なぬものをと悔む」
まざ‐まざし・い
〔形〕
①目に見えるようなさまである。浄瑠璃、薩摩歌「手枕して寝るとも思はぬその間に―・い夢を見ました」
②まことらしいふりをしている。しらじらしい。狂言、牛盗人「あの―・い面を見よ」
まさむね【正宗】
①鎌倉後期の刀工、岡崎正宗のこと。名は五郎。初代行光の子という。鎌倉に住み、古刀の秘伝を調べて、ついに相州伝の一派を開き、無比の名匠と称せられた。義弘・兼光らはその弟子という。三作の一人。
②1の鍛えた刀。転じて、名刀。
③酒の銘。天保年間、灘なだの山邑氏が名づけたのに始まるという。転じて、日本酒の俗称。
まさむね【正宗】
姓氏の一つ。
⇒まさむね‐はくちょう【正宗白鳥】
まさむね‐はくちょう【正宗白鳥】‥テウ
小説家・劇作家・評論家。本名、忠夫。岡山県生れ。東京専門学校卒。生え抜きの自然主義者として、懐疑的な人生観に基づく独自の作風を守った。大正期以降は戯曲も書き、辛辣率直な批評でも知られる。小説「何処へ」「微光」「入江のほとり」、戯曲「安土の春」、評論「作家論」など。文化勲章。(1879〜1962)
正宗白鳥
撮影:石井幸之助
⇒まさむね【正宗】
まさ‐め【正目・柾目】
①幹の中心を通って縦断した面。透心縦断面。また、その材木。縦にまっすぐに通った木目もくめのあるもの。まさ。〈名語記6〉。「―の下駄」↔板目。
②1のような刀の地肌。
⇒まさめ‐がみ【正目紙】
まさ‐め【正眼・正目】
①まのあたり。仏足石歌「善き人の―に見けむ」
②正しい見方。公平な判断。「他人の―」
まさめ‐がみ【正目紙】
①(漉目すきめが正しいからいう)奉書紙の別名。多く錦絵・千代紙を刷るのに用いる。
②桐・杉などの木材を正目に薄く紙のように鉋削りにしたもの。箱類の上貼りなどに用いる。
⇒まさ‐め【正目・柾目】
ま‐さやか【真明・真清】
(マは接頭語)明らかなさま。澄んでいるさま。万葉集20「色深く背なが衣は染めましを御坂たばらば―に見む」
まさ‐ゆめ【正夢】
夢に見た通りのことが現実となる夢。↔逆夢さかゆめ
マザラン【Jules Mazarin】
フランスの枢機卿・政治家。イタリア生れ。リシュリューの死後、宰相となり、フロンドの乱を鎮定、ブルボン王朝の権勢伸張に努め、フランス絶対王政を確立。(1602〜1661)
まさり【優り・勝り】
まさること。
⇒まさり‐おとり【優り劣り】
⇒まさり‐がお【勝り顔・優り顔】
⇒まさり‐ぐさ【優り草・勝り草】
⇒まさり‐ざま【勝り様】
⇒まさり‐みず【勝り水】
まさり‐おとり【優り劣り】
まさることとおとること。
⇒まさり【優り・勝り】
まさり‐がお【勝り顔・優り顔】‥ガホ
自分の方がまさっていると思う顔つき。得意顔。宇津保物語国譲上「あな―や」
⇒まさり【優り・勝り】
マサリク【Jan Garrigue Masaryk】
チェコ‐スロヴァキアの外交官・政治家。T.G.マサリクの子。1940年在ロンドン亡命政府外相。45年帰国後も外相。48年2月の政変後、自殺。(1886〜1948)
マサリク【Tomáš Garrigue Masaryk】
チェコ‐スロヴァキアの哲学者・政治家。カレル大学教授。民族独立運動を指導、共和国成立と共に初代大統領(1918〜1935)。小協商を提唱。(1850〜1937)
まさり‐ぐさ【優り草・勝り草】
菊の異称。
⇒まさり【優り・勝り】
まさり‐ざま【勝り様】
他に比してまさっているさま。すぐれたさま。まさざま。源氏物語藤裏葉「およすげたるかたは、父おとどにも―にこそあめれ」
⇒まさり【優り・勝り】
まさり‐みず【勝り水】‥ミヅ
降雨などで、川・池などが水量を増すこと。また、その水。ましみず。
⇒まさり【優り・勝り】
まざり‐もの【雑り物】
まざったもの。まじりもの。夾雑物。
マザリング【mothering】
母親が乳児にほどこす愛情ある接触行動。これが欠けると子供の発達に影響があるとされる。母親業。
ま‐さる【真猿】
(マは接頭語)猿。永久百首「三度てふ声だにきけばよそ人に物思ひ―音をぞなくなる」
まさ・る
〔自五〕
(石川県加賀地方で)動詞に付いて、尊敬の意を表す。「食べ―・る」
まさ・る【増さる】
〔自五〕
多くなる。増して行く。ふえる。源氏物語早蕨「悲しう口惜しきことぞいとど―・りける」。天草本平家物語「をりふし五月雨の頃で、水かさはるかに―・つてござるほどに」。「日毎に悲しみが―・る」
まさ・る【優る・勝る】
〔自五〕
(「増さる」の転義)比較してすぐれる。上である。ひいでる。万葉集5「―・れる宝子にしかめやも」。平家物語9「景季がたまはつたる摺墨するすみに―・る馬こそなかりけれ」。「聞きしに―・る」
⇒勝るとも劣らない
まざ・る【交ざる・混ざる・雑ざる】
〔自五〕
他のものがいっしょになる。入りまじる。「米に麦が―・る」
まさかり【鉞】🔗⭐🔉
まさかり【鉞】
①斧おのに似た大形の道具。おもに木を伐るのに用い、また、古代には兵器・刑具にも用いた。〈日本霊異記上訓釈〉
鉞
提供:竹中大工道具館
②紋所の名。鉞にかたどったもの。
③歌舞伎の鬘かつらで、髷まげを鉞形にしたもの。
②紋所の名。鉞にかたどったもの。
③歌舞伎の鬘かつらで、髷まげを鉞形にしたもの。
ま‐さかり【真盛り】🔗⭐🔉
ま‐さかり【真盛り】
もっともさかりであること。また、ちょうどその時であること。まっさいちゅう。まっさかり。〈神代紀上訓注〉
ま‐さき【真先】🔗⭐🔉
ま‐さき【真先】
一番さき。まっさき。
ま‐さき【真拆】🔗⭐🔉
まさき【真崎】🔗⭐🔉
まさき【真崎】
姓氏の一つ。
⇒まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】
まさ‐き【柾・正木】🔗⭐🔉
まさ‐き【柾・正木】
ニシキギ科の常緑低木。各地の海岸に自生。高さ約2メートル。6〜7月頃、葉のつけ根に緑白色の小花を多数つける。扁球形の蒴果さくかは、熟すと裂開して赤い種子が現れる。庭木や生垣とする。栽培品種は斑入り葉のものが多い。〈温故知新書〉
まさき
マサキ(花)
撮影:関戸 勇
マサキ(花)
撮影:関戸 勇
まさき【正木】(姓氏)🔗⭐🔉
まさき【正木】
姓氏の一つ。
⇒まさき‐ひろし【正木ひろし】
⇒まさき‐りゅう【正木流】
ま‐さきく【真幸く】🔗⭐🔉
ま‐さきく【真幸く】
〔副〕
(マは接頭語)「さきく」に同じ。万葉集3「わが命し―あらばまたも見む」
まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】‥ラウ🔗⭐🔉
まさき‐じんざぶろう【真崎甚三郎】‥ラウ
軍人。陸軍大将。佐賀県生れ。教育総監。皇道派の中心と目され、二‐二六事件関係者として起訴されたが無罪。(1876〜1956)
⇒まさき【真崎】
まさき‐ずら【真拆葛】‥ヅラ🔗⭐🔉
まさき‐ずら【真拆葛】‥ヅラ
テイカカズラの古名。継体紀「―たたき交あざはり」
⇒ま‐さき【真拆】
まさき‐の‐かずら【真拆の葛】‥カヅラ🔗⭐🔉
まさき‐の‐かずら【真拆の葛】‥カヅラ
テイカカズラの古名。一説にツルマサキの古称。上代、神事に用いた。古今和歌集神遊歌「外山なる―色づきにけり」
⇒ま‐さき【真拆】
まさき‐ひろし【正木ひろし】🔗⭐🔉
まさき‐ひろし【正木ひろし】
弁護士。本名、
ひろし。東京生れ。東大卒。1937年(昭和12)個人誌「近きより」で軍国主義を糾弾。第二次大戦後も菅生事件・八海事件などの冤罪事件で権力犯罪を告発。(1896〜1975)
⇒まさき【正木】
ひろし。東京生れ。東大卒。1937年(昭和12)個人誌「近きより」で軍国主義を糾弾。第二次大戦後も菅生事件・八海事件などの冤罪事件で権力犯罪を告発。(1896〜1975)
⇒まさき【正木】
まさきよ【正清】🔗⭐🔉
まさきよ【正清】
江戸中期の薩摩の刀工。初名、清盈。通称、宮原清右衛門。1721年(享保6)玉置安代やすよと共に江戸芝の浜御殿で刀を鍛え、茎なかごに葵紋を切ることを許され、主水正もんどのしょうに任。その作に往々一葉葵を刻する。(1670〜1730)
まさき‐りゅう【正木流】‥リウ🔗⭐🔉
まさき‐りゅう【正木流】‥リウ
薙刀なぎなたの流派。信田一円斎重次の門人、大垣藩士正木段之進俊光(1689〜1776)の創始と伝える。
⇒まさき【正木】
まさぐり‐もの【弄り物】🔗⭐🔉
まさぐり‐もの【弄り物】
もてあそびもの。なぐさみもの。源氏物語蓬生「時々の―にし給ふ」
ま‐さぐ・る【弄る】🔗⭐🔉
ま‐さぐ・る【弄る】
〔他五〕
①もてあそぶ。いじる。落窪物語2「火桶に押しかかりて、灰―・りてゐ給へる」
②指先などでさがし求める。「ポケットを―・る」
ま‐さご【真砂】🔗⭐🔉
ま‐さご【真砂】
こまかい砂。まなご。いさご。真砂子。狭衣物語4「庭の―の」
⇒まさご‐じ【真砂路】
まさご‐じ【真砂路】‥ヂ🔗⭐🔉
まさご‐じ【真砂路】‥ヂ
真砂の中の路。真砂を敷きつめた道。風雅和歌集雑「唐崎やかすかに見ゆる―にまがふ色なき一もとの松」
⇒ま‐さご【真砂】
まさ‐ざま【勝様・正様】🔗⭐🔉
まさ‐ざま【勝様・正様】
まさったさま。すぐれたさま。まさりざま。大鏡時平「これは文集の白居易の…といふ詩に―に作らせ給へりとこそ」
まさ‐ざま【増様】🔗⭐🔉
まさ‐ざま【増様】
一層増加していくさま。一段と甚だしくなるさま。方丈記「あまりさへ疫癘うちそひて―にあとかたなし」
まさ・し【正し】🔗⭐🔉
まさ・し【正し】
〔形シク〕
①ただしい。本当である。古今和歌集恋「心のうらぞ―・しかりける」
②確かである。明瞭である。類聚名義抄「当、マサシ」
③(連用形を副詞的に用いて)確実に。確かに。徒然草「いつとは思ひ出でねど―・しく有りし心地するは」。謡曲、隅田川「―・しくわが子の声にて候」。「―・しく合格通知だ」
ま‐さ・し【真狭し】🔗⭐🔉
ま‐さ・し【真狭し】
〔形ク〕
(マは接頭語)せまい。せし。さし。神武紀「内木綿うつゆうの―・き国と雖も」
まさしげ‐りゅう【正成流】‥リウ🔗⭐🔉
まさしげ‐りゅう【正成流】‥リウ
軍学の流儀の一つ。太平記で著名な楠木正成の兵法に仮託したもの。楠木流。
まさし‐に【正しに】🔗⭐🔉
まさし‐に【正しに】
〔副〕
間違いなく。確かに。万葉集2「大船の津守が占うらに告のらむとは―知りてわが二人宿ねし」
まさず‐こ【美児】マサヅ‥🔗⭐🔉
まさず‐こ【美児】マサヅ‥
美しい娘、または、いとしい娘の意か。古事記下「くろざやの―吾妹わぎも国へ下らす」
マサチューセッツ【Massachusetts】🔗⭐🔉
マサチューセッツ【Massachusetts】
アメリカ合衆国北東部、ニュー‐イングランドの州。独立13州の一つ。州都ボストン。→アメリカ合衆国(図)。
⇒マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】
マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】‥クワ‥🔗⭐🔉
マサチューセッツ‐こうか‐だいがく【マサチューセッツ工科大学】‥クワ‥
(Massachusetts Institute of Technology)アメリカの私立大学の一つ。1861年同州ケンブリッジに創設(65年開校)。工学分野の研究・教育で著名。1930年以降、理学にも重点をおく。現在は人文・社会科学系学部も持つ総合大学。MIT
⇒マサチューセッツ【Massachusetts】
ま‐さつ【摩擦】🔗⭐🔉
ま‐さつ【摩擦】
①こすり合わせること。すれあうこと。「乾布―」
②〔理〕(friction)接触している2物体が相対的に運動し、または運動し始めるとき、その接触面で運動を妨げようとする向きに力の働く現象、またはその力。液体や固体内部でも似た現象があり、これを粘性または内部摩擦という。
③人々の間に起こる不一致や不和。「貿易―」
⇒まさつ‐おん【摩擦音】
⇒まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】
⇒まさつ‐ぐるま【摩擦車】
⇒まさつ‐けいすう【摩擦係数】
⇒まさつ‐そんしつ【摩擦損失】
⇒まさつ‐つぎて【摩擦継手】
⇒まさつ‐ていこう【摩擦抵抗】
⇒まさつてき‐しつぎょう【摩擦的失業】
⇒まさつ‐でんき【摩擦電気】
⇒まさつ‐ブレーキ【摩擦ブレーキ】
⇒まさつ‐りょく【摩擦力】
まさつ‐おん【摩擦音】🔗⭐🔉
まさつ‐おん【摩擦音】
〔言〕(fricative)口腔内の発音器官が狭めを作り、息がそこを通過する際に発せられる子音。〔f〕〔v〕〔s〕〔z〕など。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】🔗⭐🔉
まさつ‐クラッチ【摩擦クラッチ】
(friction clutch)摩擦を利用して回転運動を断続させる装置。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐ぐるま【摩擦車】🔗⭐🔉
まさつ‐ぐるま【摩擦車】
車輪の表面の摩擦によって一つの車輪から他の車輪に回転を伝え、動力を伝達する装置。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐けいすう【摩擦係数】🔗⭐🔉
まさつ‐けいすう【摩擦係数】
二つの物体が相接して運動し、または運動しようとする時、両面間に生ずる摩擦力と接触面に直角に作用する力との比。静止摩擦と動摩擦とでは大きさが異なり、また、両物質の種類・接触面の状態によっても異なる。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさつ‐そんしつ【摩擦損失】🔗⭐🔉
まさつ‐そんしつ【摩擦損失】
摩擦によって失われるエネルギーの総称。相互に運動する固体の間には必ず摩擦損失があり、液体・気体などが固体に接触して流れる場合にも種々の損失がある。
⇒ま‐さつ【摩擦】
まさ‐つち【正土】🔗⭐🔉
まさ‐つち【正土】
①床の間の壁などに塗る上等の土。床土とこつち。
②田畑の表土の下にある土。
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